特許第5886093号(P5886093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886093
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20160303BHJP
【FI】
   B65G47/86 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-55437(P2012-55437)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-189270(P2013-189270A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】505193313
【氏名又は名称】三菱重工食品包装機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(72)【発明者】
【氏名】杉山 茂広
(72)【発明者】
【氏名】後藤 征司
(72)【発明者】
【氏名】小林 宜弘
(72)【発明者】
【氏名】油井 杉彦
(72)【発明者】
【氏名】大山 泰史
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−059889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送、保持していた容器を、直進式のコンベアに、受け渡す回転式の容器搬送装置であって、
前記容器搬送装置は、
前記コンベアへの受け渡し位置まで前記容器を搬送すると、前記容器の把持を解除するグリッパと、
前記容器の底を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、前記コンベアによる前記容器の搬送方向に対して斜辺を有する支持面を備え、重心を外して前記容器を支持する、
ことを特徴とする容器搬送装置。
【請求項2】
前記容器の搬送方向の前側に前記斜辺を備え、
前記コンベアによる前記容器の搬送速度Vcが前記回転体による前記容器の搬送速度Vsよりも速い、
請求項に記載の容器搬送装置。
【請求項3】
容器の搬送方向の後側に斜辺を備え、
前記コンベアによる前記容器の搬送速度Vcよりも前記回転体による前記容器の搬送速度Vsが速い、
請求項に記載の容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水、その他の液体を容器に充填するシステムにおいて、直進式の搬送装置に容器を受け渡す回転式の搬送装置に関し、特に、受け渡し時に容器の転倒を防止できる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料水、その他の液体(以下、飲料水と総称する)を容器、例えばペットボトルに充填するシステムとして、回転式の充填機が用いられている。この回転式の充填機は、回転する円形の回転体(スターホイール)の外周部に複数の充填バルブを備えており、スターホイールがほぼ1回転して容器が周方向に搬送される間に、充填バルブから容器内へ飲料水の充填を行う。そして、容器への充填が終了した後、キャッパ(打栓機)により容器へのキャップの装着が行われる。
【0003】
充填機にてまだ容器に飲料水が充填されていない段階では、容器の大きさによらずに搬送可能なネックグリッパ(以下、グリッパ)のみで容器が搬送される。飲料水の充填、キャップの装着が終了した後は、グリッパにより把持しながらの搬送から、直進式のコンベアによる搬送に移行される。グリッパによる搬送からコンベアによる搬送に移行する過程では、飲料水が充填されている容器が相当の重量を有しているため、グリッパにより容器を把持するのに加えて、スターホイールに設けた支持板により容器をその底から支える構造が採用されている。
【0004】
その概略構成を図8に示している。なお、図8(a)においては、グリッパの記載を省略するとともに、支持板3も説明に必要な一箇所のみに示してある。
図8(a)、(b)に示すように、スターホイール1の外周に設けられたグリッパによりペットボトル100のネック(首部)を把持するとともに、グリッパの下方に設けられた平面形状が矩形の支持板3でペットボトル100を支えることで、飲料水の入ったペットボトル100を安定して保持する。
スターホイール1からコンベア4にペットボトル100が受け渡される際には、スターホイール1の回転を行ないながら、グリッパによる把持を解除する。一方、コンベア4は、スターホイール1の速度に適合した速度で動作しているので、支持板3でのみ支えられているペットボトル100は、コンベア4に載り移ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−59889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、ペットボトル100は支持板3に載せられているために、コンベア4に円滑に載り移ることは容易でなく、コンベア4の幅方向に設けられたガイド4aにペットボトル100が衝突することをきっかけとしてコンベア4に載り移ることが多々ある。ペットボトル100には、スターホイール1の回転にともない、スターホイール1の円周方向の速度成分が生じているからである。
ガイド4aにペットボトル100が衝突すると、ペットボトル100が倒れて後続のペットボトル100の搬送を遮るジャミングが生じることがある。また、倒れないまでも、衝突によりペットボトル100が傷つき、またはへこむことがあり、このように損傷したペットボトル100は商品にすることができない。
【0007】
特許文献1には、支持板3に相当する載置プレートをスターホイールに設けた容器搬送装置が開示されている(特に、特許文献1の図1参照)。特許文献1の容器搬送装置は、上流側のスターホイールから下流側のスターホイールに向けて容器を円滑に受け渡すことを目的としている。この目的を達成するめに、容器の受渡し位置において、対応する各々の載置プレートは、容器の底部を同時に支持するように構成されている。このように、特許文献1は、スターホイールからコンベアに向けた容器の円滑な載り移りについて示唆を与えるものでない。
そこで本発明は、スターホイールからコンベアに向けて容器を円滑に載り移らせることのできる容器搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来の搬送装置は、図8に示すように、ペットボトル100の底103の大部分を支えるように支持板3が形成されている。これはペットボトル100を安定した姿勢で支えることを重視していたためである。ペットボトル100がコンベア4に円滑に載り移るためには、ペットボトル100の底103がコンベア4に接触することが必要になるが、従来のようにペットボトル100の底103の大部分が支持板3で支えられていると、ペットボトル100がコンベア4に接触する機会が少ないことになる。したがって、従来は、ガイド4aにペットボトル100を接触させることで、載り移りを実現していたとも言える。
【0009】
そこで本発明では、載り移りの直前までは、グリッパによりペットボトル100を安定した姿勢で支える役割は担えるので、支持板に載り移りが容易な構成を付与することを志向することにした。すなわち本発明の容器搬送装置は、搬送、保持していた容器を、直進式のコンベアに、受け渡す回転式の容器搬送装置であって、容器搬送装置は、コンベアへの受け渡し位置まで容器を搬送すると、容器の把持を解除するグリッパと、容器の底を支持する支持体と、を備える。そして、支持体は、コンベアによる容器の搬送方向に対して斜辺を有する支持面を備え、重心を外して容器を支持することを特徴とする。
【0010】
以上のように本発明による容器搬送装置は、重心を外して支持が容器を支持する。したがって、グリッパによる把持が解除された容器は姿勢を保つことが困難になり、容器は支持されていない方に傾くので、容器の底がコンベアに接触しやすくなる。したがって、本発明の容器搬送装置によると、容器をコンベアに容易に載り移らせることができる。
【0011】
本発明において、重心を外して容器を支持する支持体として、コンベアによる容器の搬送方向に対して斜辺を有する支持面を備える支持が掲げられる。
この支持体によると、容器の一部が先行してコンベアに接触すると、コンベアにより搬送方向に引っ張られる。したがって、搬送方向に直交する方向、つまりコンベアのガイドに向けて容器が傾くおそれが極めて小さいので、載り移り時に容器がコンベアのガイドに接触するのを防止または抑制できる。
【0012】
上記の好ましい形態はさらに二つの形態に区分される。
一つ目の形態は、容器の搬送方向の前側に斜辺を備える。
また、二つ目の形態は、容器の搬送方向の後側に斜辺を備える。
一つ目の形態は、コンベアによる容器の搬送速度Vcが当該搬送装置による容器の搬送速度Vsよりも速い場合(Vc>Vs)に、特に有効である。コンベアが容器を引っ張る速度が支持板の速度より速いために、あたかも支持板を置き去りにすることで、コンベアへの容器の載り移りが円滑に行なわれる。
逆に、二つ目の形態は、コンベアによる容器の搬送速度Vcが当該搬送装置による容器の搬送速度Vsよりも遅い場合(Vc<Vs)に、特に有効である。一つ目の形態とは逆に、支持板が移動する速度がコンベアの速度より速いために、あたかも容器がコンベア上に置き去りにされることで、コンベアへの容器の載り移りが円滑に行なわれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、重心を外して支持板が容器を支持するので、グリッパによる把持が解除された容器は姿勢を保つことが困難になり、容器は支持されていない方に傾くので、容器の底がコンベアに接触しやすくなる。したがって、本発明によると、容器がコンベアに容易に載り移ることができる容器搬送装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における飲料充填システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態のシステムにおいて、ペットボトル100がグリッパ及び支持板により保持されている様子を示し、(a)はスターホイールの円周方向からみた図、(b)はスターホイールの円径方向からみた図である。
図3】第1実施形態のシステムにおける、スターホイールSWからコンベアへ容器を受け渡す部分の近傍を示し、(a)はその平面図、(b)はペットボトルと支持板の関係を示す平面図である。
図4】第1実施形態のシステムにおいて、容器がコンベアに載り移る際の挙動を示し、(a)はスターホイールSWによるペットボトル100の搬送速度Vsとコンベア200によるペットボトル100の搬送速度Vcが等しい(Vs=Vc)場合を示し、(b)はVs<Vcの場合を示す図である。
図5】第2実施形態のシステムにおける、スターホイールSWからコンベアへ容器を受け渡す部分の近傍を示し、(a)はその平面図、(b)はペットボトルと支持板の関係を示す平面図である。
図6】第2実施形態のシステムにおいて、容器がコンベアに載り移る際の挙動を示し、(a)はスターホイールSWによるペットボトル100の搬送速度Vsとコンベア200によるペットボトル100の搬送速度Vcが等しい(Vs=Vc)場合を示し、(b)はVs>Vcの場合を示す図である。
図7】第1実施形態及び第2実施形態に対する変形例を示し、ペットボトルと支持板の関係を示す平面図である。
図8】従来の搬送装置の概略構成を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はペットボトル100と支持板3の関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1に示すように、飲料水充填システム10は、容器供給部11、殺菌・洗浄部12、充填部13、充填密封部14、容器搬出部15と、を備えている。
容器供給部11は、空の容器、例えばペットボトル100を殺菌・洗浄部12に向けて搬送する。容器供給部11はコンベア200と複数のスターホイールSWを備えている。コンベア200により連続的に搬送されてきたペットボトル100は、スターホイールSWに受け渡され、殺菌・洗浄部12に搬送される。なお、スターホイールSWは、概略円形状の形状をなしており、その周囲に取り付けられたグリッパによりペットボトル100のネックを把持することで、ペットボトル100を支持しながら搬送する装置である。ペットボトル100は、スターホイールSW間においては、各々が備えるグリッパによりペットボトル100を持ち替えることで、受け渡しが行われる。
【0016】
殺菌・洗浄部12に搬送されたペットボトル100は、スターホイールSWのネックグリッパに保持された状態で搬送されながら、選択された液剤により、殺菌、洗浄が施される。
殺菌・洗浄が済んだペットボトル100は、充填部13に移送されてから目的とする飲料水がペットボトル100に充填される。飲料の充填もスターホイールSWで搬送されながら行なわれる。
飲料が充填さると、ペットボトル100は充填密封部14に搬送されてから栓(キャップ)をするキャップピングがなされる。なお、キャップは殺菌、洗浄がなされている。
キャップされたペットボトル100は、スターホイールSWにより容器搬出部15に移送され、さらに容器搬出部15により次工程に向けて搬送される。
【0017】
容器搬出部15は、充填密封部14からスターホイールSWでペットボトル100を受け取り、下流側に位置するコンベア201に受け渡す。本実施形態は、容器搬出部15において、スターホイールSWからコンベア201へのペットボトル100の受け渡しを円滑に行えるようにしたところに特徴がある。
以下、この特徴部分について説明する。
【0018】
図2に示すように、容器搬出部15においてペットボトル100は、スターホイールSWに設けられたグリッパ20、21によりネック101及び胴部102が把持されるとともに、スターホイールSWに設けられた支持板22により底103が支えられている。
グリッパ20、21は、一対の開閉が可能なグリッパ部材を開閉させることで、ペットボトル100を掴むことのできる、従来から公知の構成を広く適用できる。
支持板22は、図3に示すように、ペットボトル100を把持するグリッパ20、21と周方向における位置を対応させて、グリッパ20、21の下方に配置される。支持板22は、例えば厚さが数mm程度の鋼材で構成される。
スターホイールSWは、グリッパ20、21と支持板22の組を、周方向の複数個所に備えている。
【0019】
図3(a)に示すように、容器搬出部15のスターホイールSWには、その下流にコンベア201が設けられている。コンベア201は、可動式の搬送路202と、搬送路202の幅方向の両側に設けられるガイド203a、203bと、を備えている。搬送路202は、スターホイールSWから受け渡されたペットボトル100を、白抜き矢印Aの向きに搬送する。本形態において、搬送路202の形式は問わず、ベルト式、ローラ式、その他の形式の搬送路を広く適用することができる。ガイド203a、203bは、ペットボトル100を搬送路202に沿って搬送するために設けられている。一対のガイド203a、203bの間隔、つまり搬送路202の幅は、ペットボトル100が搬送される際にガイド203a、203bに容易には擦れない程度の余裕を持たせて設定されている。なお、図3(a)は、グリッパ20,21の記載を省略するとともに、支持板22も説明に必要な一箇所のみに示してある。
【0020】
スターホイールSWのグリッパ20、21及び支持板22で保持されて搬送されてきたペットボトル100はコンベア201に受け渡される。ただし、受け渡しの直前には、グリッパ20、21を開くことでペットボトル100の把持を解除する。したがって、ペットボトル100は、受け渡しの直前には、支持板22に載せられているだけになる。なお、グリッパ20、21の開閉(把持、解除)の動作は、スターホイールSWとグリッパ20、21の間にカムを設けることで容易に実現できる。
【0021】
受け渡されるべきペットボトル100がコンベア201に達すると、ペットボトル100は底103がコンベア201の搬送路202に容易に接触できる。これは、以下説明するように、支持板22の形態に基づいている。
支持板22は、ペットボトル100の搬送方向の前側に斜辺22aを備えており、平面形状が台形状をなしている。図3(b)に示すように、この支持板22に載せられたペットボトル100の重心Gは支持板22の領域内には存在しておらず、支持板22は重心Gを外してペットボトル100を支持している。したがって、それまでグリッパ20、21に把持されることで安定した姿勢を保っていたペットボトル100は(図4(a)「a−1」)、スターホイールSWからコンベア201に受け渡される直前に不安定な状態になるが、本実施形態はペットボトル100を不安定になることを利用する。つまり、支持板22の斜辺22aより前方にはペットボトル100を支持するものが何もないので、ペットボトル100は斜め前方に向けて傾き、底103が搬送路202に接触する(図4(a)「a−2」)。なお、図4(a)は、「a−1」〜「a−4」へと時系列の順に記載されている。図4(b)、後述する図6も同様である。
【0022】
次いで、搬送路202の移動及びスターホイールSW(支持板22)の回転移動が進む。なおここで、スターホイールSWによるペットボトル100の搬送速度をVsとし、コンベア201によるペットボトル100の搬送速度をVcとすると、Vs=Vcであるものとする。そうすると、それまでペットボトル100を支持していた支持板22が搬送路202外へ離れることで、ペットボトル100の搬送路202への載り移りが完了する(図4(a)「a−3」,「a−4」)。
【0023】
以上のように、第1実施形態によると、ペットボトル100の重心Gを外した位置で支持板22がペットボトル100を底103から支持するので、不安定となったペットボトル100が傾いて搬送路202に接触し、スターホイールSWからコンベア201へのペットボトル100の載り移りが極めて円滑になる。しかも、搬送路202によりその移動する方向にペットボトル100が引っ張られるので、ガイド203a,203bにペットボトル100が接触するおそれが小さい。特に、第1実施形態は、斜辺22aを形成することで、後述する図7(a)に示す矩形の支持板に比べて、ペットボトル100がコンベア201に載り移る姿勢が早期に確保されるため、ガイド203aにペットボトル100が接触するおそれを低減できる。よって、ペットボトル100の傷つき、へこみといった変形が生じるおそれが低減され、ペットボトル100の商品歩留まり向上に寄与する。
【0024】
第1実施形態において、スターホイールSWによる搬送速度Vsよりも、コンベア201の搬送速度Vcを速くする(Vs<Vc)ことが好ましい。これは、ペットボトル100が搬送路202に接触すると、図4(b)の「b−3」、「b−4」に示されるように、搬送路202が支持板22を置き去りにするようにペットボトル100を引っ張ることで、ペットボトル100は、コンベア201への載り移りが迅速に行われるとともに、ガイド203a,203bへの接触をより確実に防ぐことができる。
なお、図4(b)の「b−1」、「b−2」は、図4(a)の「a−1」、「a−2」と同じである。
【0025】
[第2実施形態]
第2実施形態は、図5に示すように、支持板122が、ペットボトル100の搬送方向の後側に斜辺122aを備えている。この支持板122に載せられたペットボトル100の重心Gは支持板122の領域内には存在しておらず、支持板122も第1実施形態の支持板22と同様に重心Gを外してペットボトル100を支持している。したがって、それまでグリッパ20、21に把持されることで安定した姿勢を保っていたペットボトル100は(図6(a)「a−1」)、スターホイールSWからコンベア201に受け渡される直前に不安定な状態になるが、本実施形態はペットボトル100を不安定になることを利用する。つまり、支持板122の斜辺122aより後方にはペットボトル100を支持するものが何もないので、ペットボトル100は斜め後方に向けて傾き、底103が搬送路202に接触する(図6(a)「a−2」)。
【0026】
次いで、搬送路202の移動及びスターホイールSW(支持板22)の回転移動が進む。なおここで、スターホイールSWによる搬送速度をVs、コンベア201によるペットボトル100の搬送速度Vcとすると、Vs=Vcであるものとする。そうすると、それまでペットボトル100を支持していた支持板22が搬送路202外へ離れることで、ペットボトル100の搬送路202への載り移りが完了する(図6(a)「a−3」,「a−4」)。
【0027】
第2実施形態は、第1実施形態とは逆に、スターホイールSWによる搬送速度Vsを、コンベア201の搬送速度Vcよりも速くする(Vs>Vc)ことが好ましい。これは、ペットボトル100が搬送路202に接触すると、図6の「b−3」、「b−4」に示されるように、支持板122がペットボトル100を置き去りにするように先行して進むので、ペットボトル100を搬送路202が後向きに引っ張ることになり、ペットボトル100は、コンベア201への載り移りが迅速に行われるとともに、ガイド203a,203bへの接触をより確実に防ぐことができる。
なお、図6(b)の「b−1」、「b−2」は、図6(a)の「a−1」、「a−2」と同じである。
【0028】
[変形例]
重心を外して支持板22が容器を支持する構成として、支持板22,122に斜辺22a,122aを設けた平面形状が台形の構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、平面形状が矩形の支持板22によって本発明を実現することもできる。
例えば、図7(a)、(b)に示すように、支持板222の前方側又は支持板322の後方側に重心を外してペットボトル100を支持するようにしてもよい。また、図7(c)に示すように、支持板422の側方に重心を外してペットボトル100を支持するようにしてもよい。
【0029】
以上以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 スターホイール
3 支持板
4 コンベア
4a,4b ガイド
10 飲料水充填システム
11 容器供給部
12 殺菌・洗浄部
13 充填部
14 充填密封部
15 容器搬出部
20 グリッパ
22,122 支持板
22a,122a 斜辺
100 ペットボトル
101 ネック
102 胴部
103 底
200,201 コンベア
202 搬送路
203a,203b ガイド
A 矢印
G 重心
SW スターホイール
Vc 搬送速度
Vs 搬送速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8