(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内側スリーブおよび前記外側スリーブのうちの少なくとも1つは、流体を通過させるが骨移植材料を通過させないように寸法決めされた、そこを通って延在する複数の開口部を含む、請求項1に記載の装置。
前記内側スリーブおよび前記外側スリーブのうちの1つは、前記装置をその長手軸に沿って曲げることができるように、その外周の一部を通って延在する複数のスリットを含む、請求項1に記載の装置。
前記内側スリーブの前記近位端および前記遠位端のうちの1つは、前記近位端および前記遠位端のうちの前記1つを、その中にそれらが受容される髄管よりも大きな空間にわたって顎部が延在する離間構成に向かって付勢された対向する顎部に分離するための、そこを通って延在する長手スリットを含み、前記顎部は、髄管内に放出されるとそれとの摩擦嵌めを創出するように、前記近位端および遠位端のうちの前記1つが髄管に挿入されるように寸法決めされている挿入構成まで互いに対して柔軟に移動可能である、請求項1に記載の装置。
前記外側スリーブは、その長さの一部に沿って長手方向に延在する補強部を備え、前記補強部は、前記外側スリーブの残りの部分よりも厚い壁厚を有する、請求項1に記載の装置。
前記内側スリーブおよび前記外側スリーブのうちの少なくとも1つは、流体を通過させるが骨移植材料を通過させないメッシュ材で形成されている、請求項1に記載の装置。
前記外側スリーブの前記近位端および前記遠位端のうちの1つから延在するタブをさらに備え、前記外側スリーブを前記骨に固定するための固定要素を受容するように寸法決めおよび成形されたそこを通って延在する穴を含む、請求項1に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の第1の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る移植片採取システムを備えた
図1の移植片容器の斜視図である。
【
図4】蓋を取り外した状態の
図3の移植片容器および採取システムの斜視図である。
【
図5】骨移植片を充填するためのプランジャを備えた
図1のシステムの斜視図である。
【
図6】本発明の第2の例示的な実施形態に係る移植片容器の側面図である。
【
図7】本発明の第3の例示的な実施形態に係る
図6の移植片容器の側面図である。
【
図8】本発明の第4の例示的な実施形態に係る移植片容器の側面図である。
【
図9】本発明の第5の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図10】本発明の第6の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図11】本発明の第7の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図12】本発明の第8の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図13】本発明の第9の例示的な実施形態に係る組み立てられた移植片容器および先端部の斜視図である。
【
図16】本発明の他の実施形態に係る先端部の斜視図である。
【
図17】本発明の第10の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図19】本発明の第11の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図20】本発明の第12の例示的な実施形態に係る移植片容器の断面図である。
【
図21】本発明の第13の例示的な実施形態に係る移植片容器の断面図である。
【
図23】本発明の第14の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図24】本発明の第15の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図25】それらの第1および第2の貝殻状部分が互いに分離された状態の
図24の移植片容器の斜視図である。
【
図26】本発明の第16の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図27】本発明の第17の例示的な実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図28】本発明のさらなる実施形態に係る移植片容器の斜視図である。
【
図29】本発明のさらなる実施形態に係る
図1のシステムのためのアダプタの斜視図である。
【
図30】本発明の例示的な方法を用いて形成された移植片容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照すれば、さらに理解することができる。なお、図面では、同様の要素は同じ符号で参照している。本発明は、骨欠損の治療に関し、特に、骨移植片を用いた治療に関する。本発明の例示的な実施形態は、過剰な移植材料が標的骨の髄管内に流入するのを防止したり、栄養分の移植片への流れを促進したりするために、その内壁と外壁との間に移植材料を受容および保持するための二重壁の移植片容器を備えた骨移植片採取/格納システムについて記載する。
【0007】
図1〜
図2に示すように、移植片システム100は、移植片により標的骨の分離した部分を接合する標的点にある分離した骨の長手部分間に配置されるように構成された移植片容器102を備える。例えば、容器102は、標的骨の輪郭に一致するように寸法決めおよび成形された二重壁の容器として形成されていてもよい。具体的には、容器102の外側スリーブ114は、移植片の部位に隣接する骨の標的部分の外面の輪郭に実質的に一致するように成形されていることが好ましい。長管骨の場合、外側スリーブ114は、骨の隣接部分の外径に実質的に一致する外径を有する実質的に円筒状になるであろう。容器102は、その中に骨移植材料が保持される管状空間132だけ外側スリーブ114から分離した内側スリーブ112をさらに備える。内側スリーブ112は、骨移植材料が移植片領域から髄管内に流入するのを防止するために骨の髄管内径に実質的に一致するように選択された直径を有する実質的に管状であり、移植材料の骨への取り込みを容易にする。
【0008】
容器102の内側スリーブ112は、近位端116から遠位端118まで長手方向に延在しており、その中に半径方向に中心内腔120を画定している。好ましい実施形態では、容器102は、大腿骨を治療するために寸法決めおよび成形されていてもよい。例えば、内側スリーブ114および外側スリーブ112は、実質的に管状であってもよく、近位端116、122が長手方向に適所で互いに一致し、かつ遠位端118、124も長手方向に適所で互いに一致するように、実質的に互いに等しい長さであってもよい。内側スリーブ112および外側スリーブ114は、その長さの少なくとも一部に沿って内側スリーブ112と外側スリーブ114との間に延在する1つ以上のリブ134によって互いに接続されている。好ましい実施形態では、容器102は、内側スリーブ112と外側スリーブ114とを接続する4つのリブ134を含み、それらのリブは、容器102の外周の周りに互いに対して等しく離間されている。外側スリーブ114の内腔126の内面128の直径は、骨移植材料を採取するためにその間に管状空間132を形成するように選択された量だけ、内側スリーブ112の外面130の直径よりも大きい。
【0009】
容器102は、内側スリーブ112および外側スリーブ114それぞれの近位端116、122のうちの少なくとも1つを通って延在する切欠き121と、内側スリーブ112および外側スリーブ114それぞれの遠位端118、124のうちの少なくとも1つから遠位に延在するタブ125とをさらに含んでいてもよい。切欠き121およびタブ125は、所望であれば、1つ以上の容器102を長手方向に積み重ねて骨移植片の長さを増加させ得るように、大きさおよび形状が一致していてもよい。第1の容器102の切欠き121を、第2の容器102のタブ125に結合させる。好ましい実施形態では、容器102は、直径方向に互いに対向する2つの切欠き121と、同様に直径方向に互いに対向する2つのタブ125とを備える。
【0010】
内側スリーブ112および外側スリーブ114は、移植材料の採取時に血液および灌流液を排出するが、容器102の内外から半径方向に、空間132内に採取された骨移植材料の中に栄養分を流すようにそこを通って延在する穴158を含むことが好ましい。穴158は、栄養分を通過させるが骨移植材料を通過させないように寸法決めされていることが当業者によって理解されるであろう。例えば、穴の直径は、0.5〜2.0mmの範囲であってもよく、4.0mm〜8.0mmの範囲で互いから離間されていてもよい。当業者によって理解されるように、容器102は、ポリマーまたは金属などの任意の好適に頑丈な生体適合材料で形成されていてもよく、また生体再吸収性であってもよい。別の実施形態では、内側スリーブ112および外側スリーブ114は、穴158が必要でないように、多孔材またはメッシュ材で形成されていてもよい。さらに別の実施形態では、容器102は、可撓性材料で形成されていてもよい。例示的な一実施形態では、外側スリーブ114は、実質的に剛性の材料で形成されていてもよいが、内側スリーブ112は、内側スリーブ112を例えば骨の髄管に挿入される髄内釘の大きさおよび形状に一致させ得るように、可撓性材料で形成されている。容器102は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)あるいは任意の同様に機能するポリマーまたはコポリマーなどのポリマー材料で形成されていてもよい。また、容器102は、コラーゲンまたはポリウレタンで形成されてもよい。また、容器102は、例えば、生体再吸収性マグネシウムまたは埋め込み可能なチタンもしくはステンレス鋼などの非再吸収性金属などの金属で形成されていてもよい。さらに別の実施形態では、容器102は、ドナー骨で作製されていてもよく、例えば、具体的には同種移植片もしくは異種移植材料で作製されていてもよい。別の実施形態では、容器102は、セラミックまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの材料で形成されていてもよい。
【0011】
図3〜
図5に示すように、移植片システム100は、移植材料を採取し、かつそれを容器102の空間132に充填するための移植片採取システム101をさらに備えていてもよい。移植片採取システム100は、骨移植材料で充填される容器102がその中に配置されたキャニスタ104を備える。キャニスタ104内には、キャニスタ104内に吸引された移植材料を容器102の空間132の中に案内するための流れ案内要素108が備えられている。具体的には、キャニスタ104およびその中に受容される容器102を通して吸引力を引き込むために、患者に方に向けられるキャニスタ104の近位端142は吸引要素106に接続されており、吸引装置は、患者から離れる方向に向かうその遠位端140に接続されている。吸引要素106は、患者の体内の採取部位に配置し得るが、遠位端140にある吸引装置は、患者の体外に配置する。吸引要素106を任意の公知のリーマ(図示せず)に接続して、キャニスタ104の近位端142に接続された吸引要素106などの管を通して採取部位から吸引される移植材料を採取してもよい。流れ案内要素108は、骨移植材料の採取およびその容器102内への充填が単一の工程で完了するように、キャニスタ104に流入する吸引された材料(すなわち、骨移植材料)の流れを容器102の管状空間132の中に導く。システム100は、任意に、骨移植材料を容器102に充填するためのプランジャ110を備えていてもよいが、そのような手動の充填は必須でなくてもよい。
【0012】
キャニスタ104は、本体136および蓋138を備える。本体136は、遠位端140から近位端142まで長手方向に延在しており、その中に容器102を受容するように寸法決めおよび成形されたそこを通って延在するチャネル144を含む。遠位端140は、キャニスタ104を真空源に接続された二次キャニスタに接続されている管に接続するための、例えばバーブコネクタなどのコネクタ146を備えていてもよい。但し、コネクタ146は、キャニスタ104を、キャニスタ104を通して吸引力を与えるための真空管に接続することができる任意の接続機構であってもよいことが当業者によって理解されるであろう。近位端142は、骨移植片採取プロセス時には蓋138を本体136に接続したままにし得るが、容器102が所望の量の骨移植材料で満たされると取り外し得るように、取り外し可能に蓋138に結合するように構成されている。
【0013】
蓋138は、吸引要素106に接続するための、蓋138の近位面から延在するコネクタ148を備えていてもよい。蓋138は、吸引要素106によって吸引された骨移植材料が容器102の空間132の中に導かれるように、容器102の近位端を取り囲むように寸法決めおよび成形された、蓋138の遠位面から遠位に延在する突起部をさらに含んでいてもよい。吸引要素106は、例えば、蓋138のコネクタ148に結合される遠位端150から近位端152まで延在する実質的に管状の要素であってもよく、近位端152は、リーマによって削り取られた物質がキャニスタ104を通して与えられる吸引下でその中に吸引されるように、当業者であれば理解するようなリーマに接続されていてもよい。
【0014】
流れ案内要素108は、基底部154およびそこから近位に延在するシャフト部156を備える。シャフト部156を内側スリーブ112の内腔120に挿入して骨移植材料を容器112の空間132の中に導いてもよい。基底部154は、実質的に平坦な近位面160およびその遠位面164から延在する複数の脚部162を備えていてもよい。脚部162は、容器102および流れ案内要素108がキャニスタ104内に受容された際に、キャニスタ104の遠位端140において基底部154の遠位面164がコネクタ146を介して受容される吸引力を遮断するのを防止する。基底部154の近位面160が容器102の遠位端に当接し、かつシャフト部156の近位端164が内側スリーブ112の近位端118を超えて近位に延在するまで、シャフト部156を内腔120に挿入してもよい。シャフト部156の近位端164は、吸引要素106によって受容された骨移植材料を内腔120から離して空間132の中に導くための先細り先端部(例えば、円錐形の先端部)を備えていてもよい。近位面160は、骨移植材料が空間132内に採取されるように、骨移植材料がそこを越えて遠位に吸引されるのを防止する。
【0015】
図5に示すように、所望の量の骨移植材料を空間132内に採取したら、蓋138および吸引要素106をキャニスタ104の本体136から取り外し、容器102を露出させてもよい。所望であれば、次いで使用者はプランジャ110を使用して骨移植材料を容器102に充填し、空間132への骨移植材料の所望の程度の充填を達成してもよい。プランジャ110は、ハンドル部166および本体168を備えていてもよい。本体168は、遠位端(図示せず)から近位端170まで長手方向に延在していてもよい。本体168は、使用者が本体168を空間132に挿入し、本体168を空間132内を遠位に移動させ、それにより骨移植材料がその中に充填されるように、空間132の大きさおよび形状に一致するように寸法決めおよび成形されている。例えば、本体168は、内側スリーブ112と外側スリーブ114との間に長手方向に延在するリブ134を収容するための少なくとも1つの長手方向に延在するスリット172を含んだ実質的に管状であってもよい。但し、本体168が空間132の大きさおよび形状に一致し、本体168をそこに挿入して骨移植材料を充填することができる限り、本体168が様々な形状および大きさを有し得ることは当業者によって理解されるであろう。ハンドル部166は、本体168から近位に延在しており、例えば、使用者がハンドル部166を容易に握れるようにノブ172を備えていてもよい。但し、ハンドル部166が使用者によって握られ、プランジャ110を容器102に対して長手方向に移動させることができる限り、ハンドル部166が任意の様々な構成を含み得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0016】
システム100を利用する例示的な技術によれば、使用者は、上述のようにシステム100を用いて容器102に骨移植材料を充填する。具体的には、流れ案内要素108および容器102がキャニスタ104の本体136内に配置されるように、流れ案内要素108のシャフト156を内側スリーブ112の内腔120に挿入する。脚部162が基底部154を遠位端140から離すように持ち上げて、遠位端140にある開口部からの吸引力がキャニスタ104を通過することができるように、流れ案内要素108の基底部154をキャニスタ104の遠位端140に配置する。容器102および流れ案内要素108を本体136内に適切に配置したら、蓋138を本体136の近位端142に取り付ける。次いで、蓋138から延在するコネクタ148を、従来の方法でリーマに結合された吸引要素106に結合する。次いで、遠位端140にあるコネクタ146を吸引装置に結合して、キャニスタ104および吸引要素106を通して吸引力を引き込む。
【0017】
上述のようにシステム100を組み立てたら、上述のようにリーマを使用して骨移植材料を採取し、それをリーマからキャニスタ104内に即座に吸引する。流れ案内要素108のシャフト部156の先細り近位端157は、吸引要素106を介して受容された流体および骨移植材料を内腔120から離して内側スリーブ112と外側スリーブ114との間の空間132の中に導く。骨移植材料のみが空間132内に残存するように、流体をその穴158から容器102の外に吸引する。吸引された流体をキャニスタ104から吸引装置に取り付けられた二次キャニスタ内に吸引してもよい。所望の量の骨移植材料を空間132内に採取したら、使用者は、プランジャ110の本体168を空間132に挿入し、かつ所望の程度の充填が達成されるまでプランジャ110を容器102に対して遠位に移動させることにより、プランジャ110を用いて骨移植材料を容器102に充填してもよい。骨材料を採取し、容器102に充填した後、容器102を骨欠損内に配置して欠損した骨を治療してもよい。
【0018】
図6に示すように、本発明のさらなる実施形態に係る容器202は、容器202が内側スリーブ(図示せず)および外側スリーブ214の部分を通って部分的に円周方向に延在する複数のスリット276をさらに含むこと以外は、上記容器102に実質的に類似している。本実施形態では、スリット276は、長手軸Lに実質的に垂直な面に形成されており、長手軸Lに沿った容器202の可撓性を増加させ、容器202の取り扱いおよび標的骨への挿入を容易にする。さらに、この長手方向の可撓性により、容器202とそれにより置き換えられる骨の部分との僅かな大きさの不一致を補うと共に、骨移植片を歪みから保護するのではなく所望の量の歪みを骨移植片に伝達して骨成長を刺激することができる。
図7に示すように、本発明のさらなる実施形態に係る容器202’は、容器202の円周方向のスロットの代わりに、容器202’の長さの一部に沿った、長手軸Lに実質的に平行に延在する複数のスリット276’を含む。長手方向に延在するスリット276’により、容器202’の軸圧縮を可能にすると共に、
図6に示すように、円周方向のスリット276により、取り扱いおよび埋め込み時に容器202を曲げることができる。当業者であれば、容器202の可撓性は容器202’の可撓性とは異なることを理解するであろう。
【0019】
図8に示すように、本発明のなおさらなる実施形態に係る容器302は、内側スリーブ312の近位端316が外側スリーブ314の近位端322を越えて近位に延在し、かつ内側スリーブ312の遠位端318が外側スリーブ314の遠位端324を越えて遠位に延在し、それにより骨移植材料を内側スリーブ312と外側スリーブ314との間に形成された空間332の中に移動可能にすると共に、内側スリーブ312の近位端316および遠位端318を標的骨の髄管に挿入して容器302を適所に保持し得るように、内側スリーブ312が外側スリーブ314よりも長いこと以外は、上記容器102に実質的に類似している。当業者であれば、容器は、代わりとして、所望であれば一端のみが拡張された内側スリーブを備え得ることを理解するであろう。
【0020】
図9に示すように、なおさらなる実施形態に係る容器302’は、外側スリーブ314’の近位端322’を越えて近位に延在する内側スリーブ312’の近位端316’を通って長手方向に延在するスロット378’を含むこと以外は、上記容器302に実質的に類似している。さらに、容器302’は、外側スリーブ314’の遠位端324’を越えて遠位に延在する内側スリーブ312’の遠位端318’を通って長手方向に延在するスロット380’を含む。スロット378’は、実質的に半円形であり得る互いに離間した一対の顎部316a’、316b’を形成する。顎部316a’、316b’は、離間構成に向かって付勢されているが、316a’、316b’を僅かに一緒に押し込むことにより近位端316’を髄管に挿入し得るように、互いに対して移動可能である。同様に、スロット380’は、遠位端318’を、互いから離間されかつ実質的に半円形であり得る2つの顎部318a’、318b’に分割する。顎部318a’、318bは、それらが互いに離間されている離間状態に向かって付勢されているが、顎部318a’、318b’を一緒に移動させて骨の髄管に挿入し得るように互いに対して移動可能である。髄管に挿入したら、近位部分316a’、316b’および遠位部分318a’、318b’は、それらの付勢された離間構成に戻って、骨との摩擦嵌めを形成し、容器302’を適所に固定する。
【0021】
図10に示すように、容器302’’は、容器302’に実質的に類似しているが、内側スリーブ312’’の近位端316’’および遠位端318’’のそれぞれを通って延在する複数のロット378’’、380’’を含む。従って、近位端316’’および遠位端318’’のそれぞれは、互いに対して移動可能な複数の顎部を含む。さらに、近位端316’’および遠位端318’’は、髄管への挿入を容易にすると共に、一旦挿入されると管との摩擦嵌めを維持するように、実質的に球状である。
【0022】
図11に示すように、本発明の別の例示的な実施形態に係る容器402は、外側スリーブ414がその長さに沿って延在する補強部482を備えること以外は、容器102に実質的に類似している。補強部482は、外側スリーブ414の残りの部分の壁よりも厚い壁を含む。補強部482は固体材料で形成されていてもよく、それに沿って板または他の安定化要素を固定して容器402を骨の標的部分内の適所に維持する場合に固定要素(例えば、ネジ)でそこに穿設し得るようにさらなる支持を与える。
図12に示すように、さらなる実施形態によれば、容器402’は、使用者が厚いリブ部482’に穿設することなく固定要素をそこに挿入可能にするための細長い開口部484’を補強部482’内に含んでいてもよい。
【0023】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、
図13〜
図15に示すように、システム500は、システム500が、髄管を挿入するために、容器502の内側スリーブ512の近位端516および/または遠位端518に取り付け可能な先端部586を備えること以外は、システム100に実質的に類似している。容器102と同様に、容器502は、
図13〜
図14に示すように、骨移植材料を保持する空間532がその間に形成されるように、内側スリーブ512を取り囲む外側スリーブ514を備える。外壁114を通って延在する図示されている穴158とは対照的に、容器502の穴558は、外側スリーブ514および/または内側スリーブ512を通って延在する溝孔として形成されていてもよい。溝孔558のそれぞれは、スリーブ512、514のうちの1つの外周の一部の周りに延在し、流体を空間532の中および/または外に流すための開口部を提供する。例えば、溝孔558は、約1mmの幅(容器502の長手軸に対して平行な方向)であってもよく、栄養分、血液および灌流液を流すことができるが骨移植材料を通過させないように3mm〜30mmで円周方向に延在する。
【0024】
図15に示すように、先端部586は、内側スリーブ512の近位端516および遠位端518のうちの1つを接続するように構成された第1の部分588と、髄管に挿入されるように適合および構成された第2の部分590とを含む。第1の部分588は、内側スリーブ512の近位端516および遠位端518のうちの選択された1つの周りに嵌合するように寸法決めおよび成形されており、必要であれば、内側スリーブ512と外側スリーブ514を接続するリブ534を受容するように寸法決めおよび位置づけられた複数の凹部592を含む。所望の量の骨移植材料を空間532に充填したら、リブ534が凹部592内に受容された状態で、近位端516および遠位端518のうちの選択された1つを越えるように第1の部分588を摺動させて、先端部586を容器502に取り付ける。第2の部分590は、上述のように第2の部分590を摩擦嵌めによって骨の髄管に挿入し得るように、互いから離間された複数の顎部594を含んでいてもよい。
【0025】
他の実施形態では、
図16に示すように、先端部586’は、先端部586’を容器502に接続するための第1の部分588’と、髄管に挿入するための第2の部分590’とを含む。但し、第1の部分588’は、スリーブ512の周りではなく、近位端516および遠位端518の内腔520内に嵌合するように寸法決めおよび成形されている。
【0026】
図17〜
図18に示すように、別の実施形態では、容器602が、容器602を形成するように一緒に組み立てられる2つの別個の部分である内側スリーブ612および外側スリーブ614を備えること以外は、容器602は上記容器102に実質的に類似している。内側スリーブ612は、内側スリーブ612の長さに沿ってその外面630から外側に半径方向に延在するリブ634を含み、外側スリーブ614は、リブ634に対応するように配置されたその内面626に沿って長手方向に延在する、対応するリブ受容凹部635を含む。容器602を組み立てるために、
図17に示すように、内側スリーブ612を外側スリーブ614に挿入し、リブ634を外側スリーブ614のリブ受容凹部635の中に摺動させるように、そこに対して長手方向に移動させる。容器602を組み立てたら、
図18に示すように、容器602を使用して、システム100に関して上に記載した同じ方法で骨移植材料を採取してもよい。他の実施形態、すなわち2つの部分からなる組立体の実施形態では、リブ634を、外側スリーブ614の内面626から半径方向内側に延在させて、内側スリーブ612の外面630に沿って形成されたリブ受容凹部635の中に摺動可能に受容させ得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0027】
図19に示すように、本発明のさらなる実施形態に係る容器702は、容器702に安定性を与えるために、その内側スリーブ712および外側スリーブ714が枠組み構造713の上に装着されたメッシュ材で形成されていること以外は、上記容器102に実質的に類似している。メッシュ材は、流体および/または栄養分を容器702に通過させるが、骨移植材料がそこから流出するのを防止する。メッシュ材は、例えば、容器702の枠組み構造713に接着されるPCLからなる織物バンドまたはストリップで形成されていてもよい。
【0028】
上記容器102〜702の実施形態はいずれかも、様々な骨の治療のために寸法決めおよび成形され得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、
図20の容器802の断面図に示すように、容器802は、脛骨用途に特に適しており、断面が実質的に円形である内側スリーブ812と、断面が実質的に三角形である外側スリーブ814とを備える。好ましい実施形態では、内側スリーブ812および外側スリーブ814は、その間を長手方向に延在する3つのリブ834によって接続されていてもよく、ここで、各リブ832は、実質的に三角形の外側スリーブ814の角から内側スリーブ812の外面まで延在して、内側スリーブ812と外側スリーブ814との間に3つの部分からなる空間832を形成する。容器802が任意の数のリブ834を含み得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、容器802は、内側スリーブ812と外側スリーブ814との間に2つの部分からなる空間832が創出されるように、2つのリブ834を含んでいてもよい。
【0029】
別の実施形態では、
図21〜
図22に示すように、容器902は、下顎骨の用途のために寸法決めおよび成形されている。
図21に示すように、容器902は不規則な断面を有していてもよく、近位端916から遠位端918まで長手方向に延在する単一のスリーブ912を備えていてもよい。容器902は単一のスリーブを備えるものとして示されているが、容器902が、第2のスリーブを含む上記実施形態の内側スリーブおよび外側スリーブに関する上記特徴のいずれかを含み得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、容器902は、栄養分および/または流体を通過させるための穴958と、可撓性のためにその外周の一部の周りにそこを通って延在するスリット976とを含んでいてもよい。
【0030】
そのように望まれる場合、容器102〜902の様々な実施形態に関する上記特徴のいずれかを単一の容器に組み合わせ得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、
図23に示すように、容器1002は、内側スリーブ1012の近位端1016が外側スリーブ1014の近位端1018を越えて近位に延在し、かつ内側スリーブ1012の遠位端1018が外側スリーブ1014の遠位端1024を越えて遠位に延在するように、外側スリーブ1014よりも長い内側スリーブ1012を備えていてもよい。近位端1016および遠位端1018は、欠損した骨の髄管に挿入されるように構成されており、骨の髄管内への摩擦嵌めを提供するために、それぞれその部分を通って延在する1つ以上の長手スリット1078、1080をさらに含んでいてもよい。また、容器1002は、流れを通過させるための穴1058と、内側スリーブ1012および外側スリーブ1014のうちの少なくとも1つを通って延在する、可撓性を与えるための水平のスリット1076とを含んでいてもよい。さらに、当該容器は、固定要素で穿設し、かつ/またはそれを挿入可能にするための、外側スリーブ1014の長さに沿って延在する補強部1082を備えていてもよい。本明細書に具体的に記載されていない本発明の例示的な実施形態に関して記載されている特徴、形状、大きさなどの他の組み合わせも可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0031】
図24〜
図25に示すように、本発明の別の実施形態によれば、上記移植片容器102に実質的に類似している移植片容器1102は、その長さに沿って分割されて、ヒンジ1174によって互いに接続された2つの貝殻状部分1102a、1102bを形成する。容器1102が、第1の貝殻状部分1102aおよび第2の貝殻状部分1102bが互いから離れるように回動された開放構成と、貝殻状部分1102a、1102bが互いに係合するように回動された閉鎖構成との間を移動可能であるように、第1の貝殻状部分1102aおよび第2の貝殻状部分1102bはヒンジ1174の周りを互いに対して回動してもよい。従って、髄内釘の挿入後に、容器1102を骨の標的部分に当ててもよい。特に、開放構成では、容器1102を髄内釘の一部の周りに配置してもよい。容器1102を適切に配置したら、髄内釘が第1の貝殻状部分1102aと第2の貝殻状部分1102bとの間に封入されるように、容器1102を閉鎖構成に移動してもよい。
【0032】
容器102と同様に、第1の部分1102aおよび第2の部分1102bのそれぞれは、その中に骨移植材料を保持するためにその間に空間1132a、1132bを形成する内側スリーブ部1112a、1112bおよび外側スリーブ部1114a、1114bを含む。内側スリーブ部1112a、1112bが閉鎖構成で互いに接合されている場合に内側スリーブ部1112a、1112b間に形成されるチャネル1176は、その中に髄内釘を収容するように寸法決めおよび成形されている。従って、容器1102を髄内釘の周りに配置する場合、髄内釘がチャネル1176の一部の中に位置するように、容器1102を配置する。次いで、髄内釘が、開口部1176内で、第1の貝殻状部分1102aと第2の貝殻状部分1102bとの間に封入されるように容器1102を閉鎖構成に移動してもよい。また、内側スリーブ部1112a、1112bおよび外側スリーブ部1114a、1114bは、栄養分を容器1112の内外に流すことができるように、そこを通って延在する複数の開口部1158を含んでいてもよい。複数の開口部1158は、
図1の実施形態に示すように実質的に円形の穴および/または
図13の実施形態に示すように溝孔として形成されていてもよい。
【0033】
第1の貝殻状部分1102aおよび第2の貝殻状部分1102bの外側スリーブ部1114a、1114bの対向縁部を互いに接合するために、ヒンジ1174が容器1102に設けられていてもよい。ヒンジ1174は、例えば、対向縁部に適用される接着性の可撓性PLAストリップまたは再吸収性PLA織物ストリップであってもよい。あるいは、ヒンジ1174は、対向縁部を互いに接合する縫合糸であってもよい。但し、ヒンジ1174が貝殻状部分1102a、1102bの外側スリーブ部1114a、1114bの対向縁部を互いに接合する様々な要素のうちのいずれであってもよいことが当業者によって理解されるであろう。同様に、容器1102を骨の標的部分内の髄内釘の一部の上に当てて、閉鎖構成に移動させた後、織物ストリップまたは縫合糸を貝殻状部分1102a、1102bの開放側の対向縁部に一緒に適用することにより、貝殻状部分1102a、1102bを同様に閉鎖構成に維持してもよい。ヒンジ1174も再吸収性材料で形成されていてもよい。但し、当該技術分野で知られている任意の公知の固定機構または接合要素を用いて容器1102を閉鎖構成に維持し得ることが当業者によって理解されるであろう。第1の貝殻状部分1102aおよび第2の貝殻状部分1102bがヒンジ1174の周りを回動させないようにし得ることも当業者によって理解されるであろう。むしろ、第1の貝殻状部分1102aおよび第2の貝殻状部分1102bを骨の所望の部分に沿って配置し、かつ縫合糸および/または織物ストリップにより所望の構成で互いに接合してもよい。
【0034】
容器1102を、移植片システム100に関して上に記載されている移植片採取システム101と共に同様に使用して、移植材料を空間1132a、1132bに採取してもよい。容器1102は、閉鎖構成では容器102に実質的に類似しているため、容器1102を単に閉鎖構成に移動し、上述のようにキャニスタ104内に配置する。
【0035】
容器1102が、例えば大腿骨などの骨を治療するために使用される場合、第1の部分1102aおよび第2の部分1102bのそれぞれは、実質的に半円筒状であってもよく、容器1102が閉鎖構成にある場合は容器1102が実質的に円筒状になるようにヒンジ1174により片側で取り付けられていてもよい。但し、容器1102が、標的骨に嵌合するように選択された任意の様々な形状および大きさを有し得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、
図26に示すように、容器1102’は、脛骨用途に適した実質的に三角形の形状であってもよい。容器1102’は、上に記載され、かつ
図20に図示されている容器802に実質的に類似していてもよいが、その長さに沿って分割されて貝殻状部分1102a’、1102b’を形成していてもよい。
【0036】
図27および
図28に示すように、容器1202は、上記容器1102に実質的に類似しており、開放構成と閉鎖構成との間でヒンジ1274の周りを互いに対して回動する2つの貝殻状部分1202a、1202bを含む。容器1102と同様に、第1の貝殻状部分1202aおよび第2の貝殻状部分1202bは、その中に骨移植材料を保持するためにその間に空間1232a、1232bを形成する内側スリーブ部1212a、1212bおよび外側スリーブ部1214a、1214bを含む。容器1202を、第1の貝殻状部分1202aおよび第2の貝殻状部分1202bが互いから離れるように回動された状態の開放構成で骨の標的部分の上に配置して、内側スリーブ部1212a、1212b間に髄内釘が封入されるように第1の貝殻状部分1202aおよび第2の貝殻状部分1202bが互いに向かって回動された状態の閉鎖構成に移動してもよい。第1の貝殻状部分1202aおよび第2の貝殻状部分1202bの内側スリーブ部1212a、1212bはそれぞれ、髄内釘の上に剛構造を適用することにより生じ得る妨害なしに骨の標的部分に適用すると、内側スリーブ部1212a、1212bが髄内釘の周りに巻き付くように、例えば、ポリカプロラクトン(PCL)などの可撓性材料で形成されている。すなわち、内側スリーブ部1212aおよび1212bの可撓性により、髄内釘が骨の中の中央にない場合であっても容器1202を骨の上に配置することができ、すなわち、内側スリーブ部1212aおよび1212bの可撓性により、治療される骨の一部の中における髄管の位置付けが変わって髄内釘が移動した状況に容器1202を適応させることができる。従って、剛性容器以外の多くの状況でそのような容器1202を使用してもよい。外側スリーブ部1214a、1214bは、剛性であることが好ましいが、可撓性材料で形成されていてもよい。図示していないが、内側スリーブ部1212a、1212bおよび/または外側スリーブ部1214a、1214bは、移植材料の採取時に血液および灌流液を排出させると共に、栄養分を、容器1202の内外から半径方向に、空間1232a、1232b内の採取された骨移植材料の中に流すために、そこを通って延在する孔を含んでいてもよい。
【0037】
図27に示すように、容器1202は、外側スリーブ部1214a、1214bそれぞれの近位端1222および/または遠位端1224のそれぞれから長手方向に延在するタブ1282を含んでいてもよい。タブ1282は、その間に容器1202が配置される標的骨の端部に取り付けてもよい。タブ1282を、例えば再吸収性の鋲により骨に取り付けて、骨の端部での安定化を促進してもよい。さらなる実施形態では、
図28に示すように、容器1202は、さらなる安定化のために、外側スリーブ部1214a、1214bの近位端1222および/または遠位端1224に取り付けられた近位および/または遠位可撓性カフ部1284を含んでいてもよい。可撓性カフ部1284は、例えばPCLなどの任意の可撓性材料で形成されていてもよく、その間に容器1202が配置される骨の端部の周りに延在するように構成されている。カフ部1284は、凹凸のある骨の端部間に容器1202を固定するのに特に有用であり得る。カフ部1284は、例えば縫合綴じなどを用いて骨の端部の周りに綴じ付けてもよい。
【0038】
外側スリーブ部1214a、1214bは、閉鎖構成では実質的に三角形の断面形状を有するように図示されているが、外側スリーブ部1214a、1214bが、その中に容器1202を配置することが望まれている骨の種類に応じて任意の様々な形状および大きさであってもよいことが当業者によって理解されるであろう。さらに、上記例示的な実施形態は、2つの貝殻状部分を備えた容器に関する可撓性内側スリーブについて具体的に記載しているが、可撓性内側スリーブおよび/または可撓性外側スリーブを上記容器の実施形態102〜1102のいずれかにも組み込み得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0039】
上記容器の全てを、システム100に関して上に記載されている移植片採取システム101と共に利用し得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、上に記載されている容器802、902、1102’および1202などの円筒状でない容器を収容するために、移植片採取システム101は、近位端188から遠位端190まで延在し、かつその中に内腔を含む
図29に示すようなアダプタ186をさらに備えていてもよい。遠位端190は、容器1202などの容器(例えば三角形)の近位端に結合されるように寸法決めおよび成形されているが、近位端188は、吸引要素106により吸引された骨移植材料が容器の非円筒状外側スリーブと内側スリーブとの間の移植片採取空間の中に導かれるように、蓋138の一部に結合されるように寸法決めおよび成形されている(例えば円形)。アダプタ186は、脛骨および下顎骨用途などの任意の様々な種類の骨に適した容器を収容するような様々な大きさおよび形状で入手可能であり得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0040】
本発明の別の例示的な方法によれば、
図30に示すように、特注の骨移植片容器1302は、例えば骨の標的部分のCTスキャンに基づく患者の解剖学的構造に一致するように、レーザ焼結金属または任意の他の好適な材料で形成されていてもよい。例示的な一実施形態では、外科医は、移植片容器1302を所望の金属材料で形成する前に、移植片容器1302のプラスチックモデルを試験してもよい。従って、内側スリーブ1312および外側スリーブ1314のプラスチックモデルを形成してもよい。内側スリーブ1312のプラスチックモデルは、髄管(例えば、そこを通って延在する髄内釘の大きさおよび形状)に一致するように寸法決めおよび成形されており、外側スリーブ1314のプラスチックモデルは、骨の外面に一致するように寸法決めおよび成形されている。次いで、移植片容器1302の内側スリーブ1312および外側スリーブ1314のいずれか一方の大きさおよび形状に対して必要なあらゆる変更を確認し得るように、プラスチックモデルを患者に対して試験してもよい。あらゆる必要な変更を組み込んで、内側スリーブ1312および外側スリーブ1314の最終的なプラスチック原型を形成してもよい。
【0041】
内側スリーブ1312は、骨の髄管の形状に合わせ、かつそこを通って延在する髄内釘を収容するように形成されていてもよい。プラスチックモデルを利用した場合、内側スリーブの最終的な原型に一致するように、内側スリーブ1312を焼結してもよい。内側スリーブ1312は、内側スリーブ1312が開放されかつ髄内釘の周りに配置され得るように、それに沿って延在する長手スロット(図示せず)も含むように形成されていてもよい。患者の骨の形状および/またはプラスチックモデルの最終的なプラスチック原型に一致するように、外側スリーブ1314を、同様にレーザ材料からレーザ焼結してもよい。外側スリーブ1314は、その間に外側スリーブ1314が配置される骨の端部の外面への取り付けを容易にするために、そこから延在し、かつそこを通って延在する少なくとも1つの穿孔1387を含む、近位および/または遠位タブ1386を備えていてもよい。上記容器と同様に、内側スリーブ1312および/または外側スリーブ1314は、そこを通って延在する複数の穴1358を有して形成されていてもよい。別の例示的な実施形態では、移植片容器1302は、例えば、追加の製造プロセスを用いて同様に適当な医療グレード材料で作製されていてもよい。
【0042】
内側スリーブ1312および外側スリーブ1314は、内側スリーブ1312が骨の標的領域の端部間の髄内釘の一部の周りに配置され、かつ外側スリーブ1314が同様に骨の端部間に配置されるように、その間に延在する取付タブ1334により互いに接続されていてもよい。例えば、その近位端および/または遠位端から、あるいは外側スリーブ1314を通って延在する穴1358から材料を充填して、骨移植材料を内側スリーブ1312と外側スリーブ1314との間の空間に充填してもよい。タブ1386を通って延在する穿孔1387に固定要素を挿入して、外側スリーブ1314を同様に骨に取り付けてもよい。さらなる実施形態では、外側スリーブ1314の近位端1322および/または遠位端1324にもカフ部を取り付けてもよい。カフ部は、容器1202に関して上に記載したカフ部1284に実質的に類似していてもよく、標的骨の端部の周りに延在するように配置してもよい。縫合糸を使用してカフ部を骨の端部の周りに固定してもよい。
【0043】
他の実施形態では、移植片容器1302は、大きさおよび形状がCTスキャンの標的骨に一致するように焼結された外側スリーブ1314のみで構成されていてもよい。本実施形態では、骨移植材料を髄内釘の周りの外側スリーブ1314に充填してもよい。上述のように、タブ1386内の穿孔1387により外側スリーブ1314を骨に固定してもよい。
【0044】
本発明の趣旨または範囲を逸脱しない限り、本発明の構造および方法論におけるに様々な修正および変形が可能であることは当業者によって理解されるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内であれば、本発明の修正および変形形態を包含することが意図されている。
【0045】
本発明は、特注の骨移植片容器の形成方法であって、患者の骨のCT画像を取得する工程と、CT画像に基づいて、大きさおよび形状が骨の標的部分に一致する骨移植片容器の第1のモデルを形成する工程と、骨移植片容器の第1のモデルを骨の標的部分と比較して、それに対するあらゆる必要な変更を確認して第1のモデルを骨の標的部分の大きさおよび形状に一致させる工程と、あらゆる必要な変更を第1のモデルに組み込んで第1の原型を形成する工程と、金属材料をレーザ溶融もしくは焼結して、大きさおよび形状が第1の原型に一致する特注の骨移植片容器を形成する工程とを含む方法に関する。