(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886412
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】容器ホルダ及び容器キャリア
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20160303BHJP
B01L 9/06 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
G01N35/04 G
B01L9/06
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-500423(P2014-500423)
(86)(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公表番号】特表2014-516403(P2014-516403A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】EP2012055338
(87)【国際公開番号】WO2012130805
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2014年12月11日
(31)【優先権主張番号】11159881.9
(32)【優先日】2011年3月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511086157
【氏名又は名称】シンビオン・メディカル・システムズ・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヤーネツ・アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ウンメル・ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】ツェーンダー・ヴァーレンティーン
【審査官】
長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/043394(WO,A1)
【文献】
特開2010−201396(JP,A)
【文献】
特開平06−213607(JP,A)
【文献】
特開2005−262041(JP,A)
【文献】
米国特許第06520313(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0015007(US,A1)
【文献】
特開2004−151025(JP,A)
【文献】
特開平10−096734(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3121818(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
B01L 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る直径を有する容器を受け取って保持するために適する容器ホルダであって、この容器ホルダは、或る直径を有する前記容器を受け取るための1つのベースフレームと、少なくとも1つの支持部材とを有する当該容器ホルダにおいて、
容器の不存在中の第1位置と、容器が前記ベースフレーム内に受け取られているときの第2位置との間で旋回するように、少なくとも1つの前記支持部材が、前記ベースフレーム上に旋回式に取り付けられていて、
前記容器ホルダは、少なくとも1つの前記支持部材の旋回角度に比例する既定の距離に沿って移動するように、前記ベースフレーム内に可動に取り付けられ且つ力伝達部を通じて前記支持部材の下端部に接続された変位要素をさらに有し、
前記容器が、前記容器ホルダ内に受け取られたときに、少なくともこの容器の直径を測定するように、変位センサが、前記変位要素の前記既定の距離を検出する当該容器ホルダ。
【請求項2】
前記力伝達部は、前記支持部材の下端部に連結された前記要素のフランジである請求項1に記載の容器ホルダ。
【請求項3】
前記力伝達部は、前記支持部材の下端部の歯付きラックに連結された歯付き要素である請求項1に記載の容器ホルダ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記支持部材は、リベット又はスイベルを通じて前記ベースフレーム上に旋回式に取り付けられている請求項1に記載の容器ホルダ。
【請求項5】
前記変位要素は、スプリングと一緒にピン上に可動に取り付けられている請求項1に記載の容器ホルダ(1)。
【請求項6】
上面内の垂直凹部又はホールが、前記支持部材を収容するために前記ベースフレーム内に設けられている請求項1に記載の容器ホルダ(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記支持部材は、前記第2位置で前記容器を保持する請求項1に記載の容器ホルダ(1)。
【請求項8】
前記容器ホルダは、前記ベースフレームの周りに等間隔に離れている3つの支持部材を有する請求項1に記載の容器ホルダ(1)。
【請求項9】
容器が前記容器ホルダ内に受け取られるときに、変位センサ又は別のセンサが、この容器の存在を検出し、さらに、容器が、前記ベースフレーム内に受け取られるときに知らせるため、警告ユニットが、前記センサに接続されている請求項1に記載の容器ホルダ(1)。
【請求項10】
自動化学分析器内に収容されるために適し且つ複数の容器ホルダと1つの変位センサとを有する容器キャリアにおいて、
各容器ホルダが、或る直径を有する容器を受け取って保持するために適し、且つ前記容器を受け取るための1つのベースフレームと、少なくとも1つの支持部材とを有し、
容器の不存在中の第1位置と、容器が前記ベースフレーム内に受け取られているときの第2位置との間で旋回するように、少なくとも1つの前記支持部材が、前記ベースフレーム上に旋回式に取り付けられていること、
各容器ホルダは、少なくとも1つの前記支持部材の旋回角度に比例する既定の距離に沿って移動するように、前記ベースフレーム内に可動に取り付けられ且つ力伝達部を通じて前記支持部材の下端部に接続された変位要素をさらに有すること、及び
前記容器が、前記容器ホルダ内に受け取られたときに、少なくともこの容器の直径を測定するように、変位センサが、前記変位要素の前記既定の距離を検出する当該容器キャリア。
【請求項11】
前記容器キャリアは、通信ユニットをさらに有し、この通信ユニットは、複数の前記変位センサの各変位センサによって提供されたセンサ信号を制御装置に送信するための送信ユニットを有する請求項10に記載の容器キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、容器を収容して保持するために適する容器ホルダ及び複数の本発明の容器ホルダを有する
容器キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
非常に様々な自動化学分析装置が、従来の技術で公知であり、病院、診療所及び研究所で広く使用されている。当該装置の特に有名な例は、分析器の多重チャネル方式である。当該分析器では、一連の異なるテストが、互いに同時に且つ並行に実施される。当該通常の多重チャネル分析器は、試料中に存在する特別な組成と反応させて、当該試料の感染力、吸収作用、色彩、光学特性又はその他の総括的な電気特性若しくは物理特性における変化をもたらすために液体又は固体の試薬を一般に使用する。当該多重チャネル分析器と一緒に、光学システム及び電気化学検出器手段が、反応速度又は試料中の組成の濃度等を測定するために使用される。当該化学分析器は、免疫血液学における凝集アッセイを実施するための分析器を含み得る。
【0003】
これらの光度測定手続きを実施するために使用される通常の方法は、試料溶液の一部又は部分標本を小さいセル、管又は透明な壁を備えるキュレット内に設置し、次いで当該試料溶液を光源と感光性検出要素との間に挿入するか又は当該試料をセンサに通過させることである。各試料に対して同時に複数のテストを実施するため、最新の多重チャネル分析器は、最初に機器に供給された大きい試料体積又は標本から採取された複数の小さい試料標本を使用する。これらの大きい試料は、貯蔵され、異なる大きさ及び形のセル又は管に処理される。そのほとんどは、通常は楕円の試料又はテスト管である。その一方で、その他は、長方形又は正方形のセル及び別の形を含む。個別化された試料のこの方式は、より速い液流型の分析器で起こりうる複数の試料の相互汚染の問題を回避する。
【0004】
多重チャネル自動分析器は、広く支持されているものの、当該使用に関する特定の欠点がある。例えば、試料管の正確で精密な操作を提供するためには、様々な試料標本が、必要に応じて自動的に且つ一貫して取り出されるように、当該管を機器内に正確に位置決めして整合することが必要である。さらに、多重テストの結果を適切な試料に適切に関連付けるためには、正確な同定及び追跡システムが使用される必要がある。このため、様々な特別な試料セル及び同定手段が、従来の技術において開発されている。残念ながら、その多くが、特定の分析器の適用性を特定の試料管又はセル内にパックされる試料に限定する特定マシン向けである。この代わりに、幾つかの分析器は、1つの特定マシン向け仕様以外の複数の試料セル用のアダプタの使用を提供する。残念ながら、当該アダプタは、操作が困難であり且つ時間を要する。また、比較的高度に訓練された人員が、これらの従来の分析器を有効に操作するために要求される。操作を間違えると、全ての試料が無駄になる。
【0005】
試料管を分析器内の管容器内に取り付けることが公知である。当該容器は、各管用の壁を有する。例が、米国特許第3680967号明細書及び欧州特許第0471980号明細書に記載されている。米国特許第3680967号明細書では、各壁内のスプリングフィンガの対が、管を掴むために使用されるものの、明らかに1つの直径だけが考慮されるので、管の直径を測定しようとするものではない。
【0006】
欧州特許第0589528号明細書及び国際公開第2008067846号パンフレットは、管容器を保持し、その直径を測定するための装置を開示する。特に国際公開第2008067846号パンフレットは、開位置と閉位置との間で可動な、1つのメインフレームと複数のグリッパ・フィンガとから成る容器グリッパを開示する。この容器グリッパは、フィンガ変位検出センサを備える。当該センサは、これらのグリッパ・フィンガの瞬時の位置を検出する。当該開示されたフィンガ検出センサは、ホール効果センサのようなホール効果アセンブリに基づく又は光学エンコーダに基づく。欧州特許第0589528号明細書は、各管用の複数の壁部分を有する試料管容器内に保持された試料管の直径を測定するための機器を開示する。各壁部分は、試料管を保持するための一対のフィンガと、試料管が、試料管容器内に保持されるときに、間隔をあけて離れている複数のフィンガの端部と端部との間の距離を感知するためのセンス手段とを有する。当該センス手段は、赤外線検出器のような、従来の電磁放射装置及び受信器から成る。
【0007】
しかしながら、この場合には、直径の測定が、当該複数のフィンガの相対変位を測定することに基づき、これらのフィンガの不整合が、不正確な直径の測定を引き起こしうる。
【0008】
欧州特許第1353183号明細書は、弾性的な保持力によって容器を保持するための保持部材を有する容器保持装置を開示する。また、当該容器保持装置は、保持部材に向かって延在する一対のシャフト上に取り付けられた自由に回転可能な一対のローラを有する。容器の直径によって決定されたこれらのローラ間の距離が、当該保持部材の開き程度を決定する。この装置は、多数の可動部品を必要とするので、この装置は複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3680967号明細書
【特許文献2】欧州特許第0471980号明細書
【特許文献3】欧州特許第0589528号明細書
【特許文献4】国際公開第2008067846号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第1353183号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の概要
本発明の課題は、容器ホルダが、容器を受け取るときに、この容器ホルダ内のこの容器の存在を検出し、この容器が受け取られるときに、この容器をしっかりと保持し、この容器の直径を測定することができる当該容器ホルダを提供することにある。
【0011】
本発明の別の課題は、複数の容器を有するラックを提供することにある。当該容器の直径が、このラックによって測定され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、これらの課題は、独立請求項に記載の、容器ホルダと、当該複数の本発明の容器ホルダを有する
容器キャリアとによって解決される。
【0013】
また、これらの課題は、容器の不存在中の第1位置と、容器が前記ベースフレーム内に受け取られているときの第2位置との間で旋回するように、少なくとも1つの前記支持部材が、前記ベースフレーム上に旋回式に取り付けられていること、
前記容器ホルダは、少なくとも1つの前記支持部材の旋回角度に比例する既定の距離に沿って移動するように、前記ベースフレーム内に可動に取り付けられ且つ力伝達部を通じて前記支持部材の下端部に接続された変位要素をさらに有すること、及び
前記容器が、前記容器ホルダ内に受け取られたときに、少なくともこの容器の直径を測定するように、変位センサが、前記変位要素の前記既定の距離を検出することを特徴とする、独立請求項の導入部分に記載の容器ホルダによって解決される。
【0014】
好適な実施の形態では、前記変位センサは、フランジ付き又は歯付きの要素であり、少なくとも1つの前記支持部材は、リベット又はスイベルを通じて前記ベースフレーム上に旋回式に取り付けられている。好ましくは、前記変位要素は、スプリングと一緒にピン上に可動に取り付けられ得る。
【0015】
上面内の垂直凹部又はホールが、前記支持部材を収容するために前記ベースフレーム内に設けられ得る。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの前記支持部材は、前記第2位置で前記容器を保持し、前記容器ホルダは、前記ベースフレームの周りに等間隔に離れている3つの支持部材を有してもよい。さらに、前記容器ホルダは、容器が前記ベースフレーム内に受け取られるときに知らせるための警告ユニットを有してもよい。
【0017】
有利には、容器が前記容器ホルダ内に受け取られるときに、この容器の存在を検出するため、変位センサ又は別のセンサが配置されてもよい。さらに、容器が、前記ベースフレーム内に受け取られるときに知らせるため、警告ユニットが、前記センサに接続されていてもよい。この警告ユニットは、中心孔の近くの、前記ベースフレームの上部に配置された発光素子でもよい。この発光素子は、前記ベースフレーム上の容器の状態を知らせるために単色又は複色で放射できる。
【0018】
図面の簡単な説明
本発明は、例示され且つ図面によって示された実施の形態の説明からより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】容器を有する本発明の容器ホルダの第1の実施の形態の全体図である。
【
図2】第1直径を成す容器を有する本発明の容器ホルダの断面図である。
【
図3】
図2に示された第1直径より小さい第2直径を成す容器を有する本発明の容器ホルダの断面図である。
【
図4】容器を有する本発明の容器ホルダの第2の実施の形態の全体図である。
【
図5】複数の本発明の容器ホルダ、通信ユニット及び自動化分析器から成る
容器キャリアを示す。
【
図6】様々な存在センサ及び変位センサを有する容器ホルダの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の可能な実施の形態の詳細な説明
図1は、本発明の容器ホルダ1の第1の実施の形態の全体図である。この容器ホルダ1は、容器2を分析器システム(図示せず)内に据え付けるためにこの容器2を受け取って保持するために適している。この容器ホルダ1は、当該容器2を受け取って保持するためにベースフレーム3を有する下端部上に搭載される。この理由のため、中心孔9が、ベースプレート3の上面に設けられている。
図2及び3は、2つの異なる直径を成す容器2を有する容器ホルダ1の断面を示す。
【0021】
さらに、当該容器ホルダ1は、支持部材4を有する。当該支持部材4は、ベースフレーム3上に枢着されている。しかしながら、支持部材4の数は、特別な実施の形態に応じて変更及び選択され得る。1つの実施の形態では、これらの支持部材4が、受け取った容器2を安定化できるように又は保持できるように、これらの支持部材4は、ベースフレーム3の上部の円周上で等間隔に分布されている。これらの支持部材4は、枢着されているので、当該支持部材4の一部が、ベースフレーム3の上から目視され得、その少なくとも一部が、このベースフレーム3の内部に存在する。1つの実施の形態では、垂直孔、凹部又はスリット11が、ベースフレーム3の円周上に存在する。ピン12を中心に旋回するように、当該ピン12、リベット等を使用するような従来の方法で、これらの支持部材4は、このベースフレーム3の上面の直ぐ下で当該凹部11の内部に固定されている。別の実施の形態では、ホール11が、ベースフレーム3の上面に簡単に存在する。支持部材4が、当該ホール11内に据え付けられる。
【0022】
支持部材4が枢着されているので、当該支持部材4は、第1(又は開)位置と第2(又は閉)位置との間で旋回され得る。当該支持部材4は、容器2の不在中には当該第1位置にある。容器2が、ベースプレート3内で受け取られているときは、当該支持部材4は、当該第2位置にある。この第2位置では、少なくとも1つの支持部材4が、容器2を保持する。
【0023】
変位可能な又は可動な部材又は要素5が、当該ベースフレーム3内に配置されている。当該要素5は、ピン6の中心部分に可動に取り付けられている。当該要素5は、支持部材4の下端部に力を伝達するためのフランジを有する。圧縮スプリング7が、当該中心部分の下で且つ変位要素5の内側に配置されている。当該圧縮スプリング7は、無負荷の状態では、変位要素5を上方に移動させる。当該要素5のフランジは、当該中心部分の周りに円周状に設けられている。当該要素5が、移動されて支持部材4の下端部に接触すると、当該支持部材4は、ピン6に沿って移動する当該要素5の変位に応じて旋回する。容器2が、差し込まれるときに、支持部材4の下端部が、スプリング7によって印加される力に逆らって当該要素5を移動させる。こうして、当該要素5は、当該支持部材4の旋回角度に比例する既定の距離に沿って移動する。
【0024】
最後に、(
図6の番号16によって示された)要素5の当該既定の距離を検出する第1センサ又は変位センサが、容器2の存在を検出する。当該変位が、当該少なくとも1つの支持部材4の旋回角度に比例するので、当該変位は、容器2が容器ホルダ1内に受け取られるときに、この容器2の直径に同様に比例する。例のように、
図2及び
図3は、異なる2つの直径を有する容器を示す。
【0025】
さらに、容器ホルダ1は、容器2がベースフレーム3内に受け取られるときに警告するための警告ユニット10を有してもよい。この警告ユニット10は、光学的若しくは音響的な信号又はその他の知覚信号を生成するように適合され得る。好ましくは、この警告ユニット10は、中心孔9の近くの、ベースフレーム3の上部に配置された発光素子10、例えば発光ダイオード(LED)を有する。
図2及び3の実施の形態では、この発光要素10は、リング形であり、且つ中心孔9と同心円に配置されている。しかしながら、この発光素子10は、円盤形のような、その他の任意の形を成してもよく、オペレータが発光素子10を容易に目視できるベースフレーム3上の任意の位置に配置され得る。
【0026】
当該発光素子10は、ベースフレーム3上の容器2の状態を知らせるために適合された単色又は複色で放射できる。例えば、この発光素子10は、一連の異なるテストが実施され、容器2が容器ホルダ1から取り出され得ることを知らせるために緑色で放射してもよく、一連のテストが終了していなく、容器2が容器ホルダ1から取り外されてはならないことを知らせるために赤色で放射してもよく、一連のテスト中に起こりうるエラーを知らせるために黄色で放射してもよい。最後の黄色の放射では、センサ(図示せず)が、ピペットの詰まり、液量の不足又は処理中のその他の任意の異常を検出してもよく、分析操作が、分析システムで確認されてもよい。代わりに、発光素子10は、単色のLEDによって警告してもよく、容器2の状態が、状態に応じた異なる点滅パターンにしたがってLEDを点滅させることによって警告され得る。
【0027】
図4は、容器を有する本発明の容器ホルダの第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、シート13が設けられている。容器2が受け取られると、このシート13が僅かに下方に押圧される。この実施の形態では、支持部材4が、ベースフレーム3内のスイベル41によって枢着されている。歯付きラック42が、スイベル41の第2端部に結合されている。このスイベル41に起因して、当該歯付きラック42は、当該支持部材4を移動させることによって上方又は下方に移動する。この実施の形態では、スプリング7上にさらに取り付けられた変位要素5が、歯付きラック42の歯に対応する歯を有する。こうして、支持部材4が移動されるたびに、当該要素5が、この歯付きラック42の上下の移動に追従する。したがって、力の伝達が、当該歯を通じて両要素5,42を結合することによって実現される。しかしながら、この実施の形態では、当該移動方向が、第1の実施の形態の移動と反対になる。したがって、実際には、スプリング7が、要素5を下方に押圧するこの要素5の上に取り付けられている。第1の実施の形態では、
図6に詳しく示された変位センサ16が、容器2の存在を検出するために要素5の既定の距離を検出し、容器2が容器ホルダ1内に受け取られるときに、当該容器2の直径を測定する。
【0028】
実際には、本発明の範囲内では、任意の力伝達接続部が、可動要素5と支持部材4の下端部との間で使用され得る。
【0029】
また、本発明は、自動化学分析器内に収容されるために適する、本発明の複数の容器ホルダ1から成る
容器キャリア8に関する。この実施の形態は、
図5に見て取れる。この場合、
容器キャリア8が、複数の容器ホルダ1の列から成る。各容器ホルダが、1つの容器2を収容することができる。この実施の形態では、これらの容器ホルダ1が、ベースフレーム3の周りに等間隔を成す3つの支持部材4によって示されている。
【0030】
異なる直径を有する容器2が、
容器キャリア8の異なる容器ホルダ1内に収容され得る。各容器ホルダ1の当該少なくとも1つの支持部材4が、当該容器2の直径に応じて配置される。このとき、ここに示された
容器キャリア8は、当該
容器キャリア8のこれらの容器ホルダ1のうちの任意の1つ容器ホルダ1内の1つの容器2の存在を検出することができ、その容器の直径を測定することができる。
【0031】
容器
キャリア8は、通信ユニット17を通じて制御装置18に接続されている。この通信ユニット17は、受信ユニット171を使用することによって、この
容器キャリア8の容器ホルダ1の任意の1つの容器ホルダ1から成る、複数の容器2の各々の状態に関する情報を受信する。後続する制御装置18に対する当該情報の送信が、任意の方法で、例えばNFC通信、WiFi若しくはブルートゥースによって、又は制御装置を
容器キャリア8に単純に組み込み、この制御装置をケーブル経由で接続することによって実施され得る。適切な送信ユニット172が、通信ユニット17内に設けられる。この受信された情報は、例えば一連のテストをアシストする機能として、容器ホルダ1上の警告ユニット10を制御するために使用され得る。さらに、
容器キャリア8は、変位センサ信号情報及び/又は制御装置18からの情報を記憶するための記憶ユニット(図示せず)を有してもよい。この配置は、容器2と対応する容器2の直径とから成る、容器ホルダ1に関する情報を入力することを可能にする。したがって、この情報を分析器に手動で提供する必要がない。
【0032】
図6は、様々な存在センサ及び変位センサを有する容器ホルダ1の詳細を示す。シート13が、接続要素14を介して第2センサつまり存在センサ15に接続されている。この接続要素14が僅かに移動するときに、容器2の存在が検出される。この存在センサ15は、ホール効果センサ又はその他の任意のセンサでもよい。変位センサ16が、容器ホルダ1内の容器2の存在に関する情報を含むセンサ信号を提供する。同様に、センサ16は、ホール効果センサ又はその他の任意の適切なセンサでもよい。また、
容器キャリア8は、この
容器キャリア8と自動分析装置との間で通信するために通信ユニットを有してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 容器ホルダ
2 容器
3 ベースフレーム
4 支持部材
41 スイベル
42 歯付きラック
5 要素
6 ピン
7 スプリング
8
容器キャリア
9 中心孔
10 警告ユニット
11 垂直凹部、ホール
12 ピン
13 シート
14 接続要素
15 存在センサ
16 変位センサ
17 通信ユニット
171 通信ユニット17の受信ユニット
172 通信ユニット17の送信ユニット
18 制御装置