(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記pH調整可能なジアミド系ゲル化剤が、前記マイクロカプセル組成物のpH下で、0.1mg/mL〜100mg/mLの最小ゲル化濃度(MGC)を有する、請求項1に記載のマイクロカプセル組成物。
前記一群のカプセル化剤の個々のカプセル化剤が、0.001重量%〜10重量%の前記pH調整可能なジアミド系ゲル化剤を含み、かつ15%未満のシェル対コア質量比を有する、請求項5に記載のマイクロカプセル組成物。
前記少なくとも1つの有益剤が、香料、シリコーン、薬剤、知覚剤、防蚊剤、ビタミン類、除草剤、殺虫剤、肥料、泡抑制剤、染料、色相剤、相転移剤、フェロモン類(feromones)、甘味料、ホルモン類、誘引剤、皮膚用有益剤、潤滑剤、冷感剤、油類、生物的防除剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル組成物。
各カプセル化剤の前記シェル壁の前記ポリマーが、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリアクリレート、ホルムアルデヒドにより架橋されたメラミン−ジメトキシエタノール、ポリアクリルアミド、シリカ、ポリスチレンジビニルベンゼンにより架橋されたポリアクリレート系材、メチルメタクリレート(metthylmethacrylate)/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されたポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートと強酸とから形成されたポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーと強塩基とから形成されたポリアクリレート;アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマーと、カルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーとから形成されたポリアクリレート、シリコーン、架橋シリコーン、ホルムアルデヒドにより架橋された尿素、グルタルアルデヒドにより架橋された尿素、ゼラチン、ポリアクリレート、アクリレートモノマー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート、多糖誘導体、及びこれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示される実施形態は、マイクロカプセル組成物を含有するマイクロカプセル組成物及び液体洗剤組成物を目的とするものである。
【0009】
マイクロカプセル組成物
本発明の組成物は、例えば、香料マイクロカプセル組成物などのマイクロカプセル組成物を含み得る。マイクロカプセル組成物は、好ましくは、賦形剤、一群のカプセル、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤、及び場合によりパラメトリック調整剤を含有するスラリー又は懸濁液の形態である。マイクロカプセル組成物において、カプセルは、コア材料と、コアの少なくとも一部を取り囲むシェル壁材料とからなる。コア材料には、以降に詳細に記載する通り有益剤を含有させることができ、有益剤としては、非限定的な一例として香料が挙げられる。カプセルのシェル壁材料(カプセルシェル材料として互換的に記載され得る)は、高分子構造体である。スラリー形態のマイクロカプセル組成物は、賦形剤として水を含み、そのため、水性スラリーとして記載することもできる。
【0010】
一実施形態では、カプセル剤のうち少なくとも約75%、約85%、更には約90%は、約1μm〜約1500μm、約5μm〜500μm、約10μm〜約200μm、又は更には約15μm〜約80μmの粒径を有し得る。カプセル剤のシェル壁は、約60nm〜約250nm、約80nm〜約180nm、又は更には約100nm〜約160nmの厚みを有し得る。
【0011】
マイクロカプセル組成物の一態様では、マイクロカプセル組成物は、
i)マイクロカプセル組成物の総重量に基づき50重量%〜80重量%の賦形剤;及び
ii)マイクロカプセル組成物の総重量に基づき20重量%〜50重量%の一群のカプセル剤;及び
iii)マイクロカプセル組成物の総重量に基づき0.01重量%〜5重量%のpH調整可能なジアミド系ゲル化剤、を含み得る。
【0012】
賦形剤
マイクロカプセル組成物の一態様では、賦形剤は、水、植物油、及び/又は有機溶媒を含み得る。一態様では、賦形剤は、水であってよい。他の態様では、賦形剤には、塩、香料、殺生物剤、ポリマー、及びこれらの混合物を更に含ませることができる。
【0013】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤
好ましくは、マイクロカプセル組成物は、少なくとも1つのpH調整可能なジアミド系ゲル化剤を含む。例えば、マイクロカプセル組成物には、マイクロカプセル組成物の約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%のpH調整可能なアミド系ゲル化剤を含有させることができる。
【0014】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤により、組成物のpHに応じた粘度特性を有するマイクロカプセル組成物が提供される。pH調整可能なアミド系ゲル化剤は、少なくとも1個のpH感応性基を含む。pH調整可能なジアミド系ゲル化剤が水などの極性プロトン性溶媒に添加されると、非イオン種が粘度を上昇させるネットワーク組織を形成するのに対し、イオン種は可溶性であり、粘度を上昇させるネットワーク組織を形成しない。(pH感応性基の選択に応じて)pHを増減させることにより、ジアミド系ゲル化剤は、プロトン化又は脱プロトン化される。つまり、溶液のpHを変化させることにより、ジアミド系ゲル化剤の溶解度、ひいては粘度上昇挙動を制御することができる。pH感応性基を注意深く選択することにより、ジアミド系ゲル化剤のpK
aを調整することができる。したがって、pH感応性基の選択を用いて、ジアミド系ゲル化剤が粘度を上昇させるpHを選択することができる。
【0015】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は、式:
【化1】
(式中、R
1及びR
2はアミノ官能性末端基であり、L
1は、14g/mol〜500g/molの分子量を有する主鎖部分であり、L
1、R
1及びR
2のうちの少なくとも1つは、pH感応性基を含み、
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は、1〜30のpK
aを有し、好ましくは1.5〜14のpK
aを有する。
【0016】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は、少なくとも1個のアミド官能基を含み、かつ、少なくとも1個のpH感応性基を更に含む。好ましくは、pH調整可能なジアミドゲル化剤は、150〜1500g/mol、より好ましくは300g/mol〜900g/mol、最も好ましくは400g/mol〜700g/molの分子量を有する。
【0017】
L
1は、好ましくは式:
[III]L
1=A
a−B
b−C
c−D
d、 (式中、(a+b+c+d)は1〜20であり、A、B、
C及びDは、
【化2】
【0018】
好ましくは、A、B、
C及びDは、
【化3】
からなる群から選択される(
*矢印は、示された位置における最大4つの置換を示し、X−はアニオンである))。
【0019】
好ましくは、L
1は、C
2〜C
20、より好ましくはC
6〜C
12、最も好ましくはC
8〜C
10ヒドロカルビル鎖から選択される。
【0020】
好ましい実施形態では、R
1は、R
3又は
【化4】
であり、R
2は、R
4又は
【化5】
である(式中、各AAは、
【化6】
からなる群から独立して選択されR
3及びR
4は、独立して式:
[IV](L’)
o−(L”)
q−Rを有し、
(o+q)は1〜10であり、L’及びL”は、式[III]のA、B、C、及びDと同じ基から独立して選択される連結基であり、かつR、R’、及びR”は、独立して、AA下に掲載されるpH感応性基又は次の:
【化7】
からなるpH感応性基のいずれかから選択され、(
*矢印は、示された位置における最大4つの置換を示し、n及びmは、1〜20の整数である)
あるいは、AA下に掲載される非pH感応性基及び/又は次の:
【化8】
群から選択され、その結果、R、R’、及びR”のうちの少なくとも1つはpH感応性基を含む)。好ましくは、RはpH感応性基を含む。
【0021】
他の実施形態において、R、R’、及びR”の少なくともいくつかは、
【化9】
からなるpH感受性分子の群から独立して選択される。
【0022】
好ましい実施形態では、構造[I]を有するpH調整可能なジアミド系ゲル化剤は、以下を特徴とする。L
1は、2〜20個の炭素原子からなる主鎖を有する脂肪族連結基であり、好ましくは−(CH
2)
n−(式中、nは2〜20から選択される)であり、R
1及びR
2は共に構造:
【化10】
を有し、
AAは、
【化11】
からなる群から選択されるのが好ましく、Rは、
【化12】
からなる群のpH感応性基から選択される。
【0023】
別の実施形態において、L
1、L’、及びL”の2つ以上は同一基である。
【0024】
式[I]に示されるpH調整可能なジアミド系ゲル化剤分子は、当該L
1に対して対称であり得、又は非対称であり得る。理論に制限されるものではないが、対称なpH調整可能なジアミド系ゲル化剤分子は、より規則的な構造のネットワーク組織が形成されるのを可能にするが、1つ以上の非対称なpH調整可能なジアミド系ゲル化剤分子を含む組成物は、不規則なネットワーク組織を形成する可能性があると考えられている。
【0025】
構造[I]を有する好適なpH調整可能なアミドゲル化剤は、表1及びこれらの混合物から選択することができる。
【0026】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤の実施例:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0027】
一態様では、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は:
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビスビス(アザンジイルビス))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイルビス)ジイイソニコチンアミド、
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビスビス(アザンジイルビス))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイルビス)ジイイソニコチンアミド、
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビスビス(アザンジイルビス))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイルビス)ジイイソニコチンアミド、
N−[(1S)−2−メチル−1−[3−[[(2S)−3−メチル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ペンタノイル]アミノ]プロピルカルバモイル]ブチル]ピリジン−4−カルボキサミド、
N−[(1S)−2−メチル−1−[8−[[(2S)−3−メチル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ペンタノイル]アミノ]オクチルカルバモイル]ブチル]ピリジン−4−カルボキサミド、
N−[(1S)−2−メチル−1−[12−[[(2S)−3−メチル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ペンタノイル]アミノ]ドデシルカルバモイル]ブチル]ピリジン−4−カルボキサミド、
N−[(1S)−3−メチルスルファニル−1−[3−[[(2S)−4−メチルスルファニル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ブタノイル]アミノ]プロピルカルバモイル]プロピル]ピリジン−4−カルボキサミド、
N−[(1S)−3−メチルスルファニル−1−[8−[[(2S)−4−メチルスルファニル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ブタノイル]アミノ]オクチルカルバモイル]プロピル]ピリジン−4−カルボキサミド、
N−[(1S)−3−メチルスルファニル−1−[12−[[(2S)−4−メチルスルファニル−2−(ピリジン−4−カルボニルアミノ)ブタノイル]アミノ]ドデシルカルバモイル]プロピル]ピリジン−4−カルボキサミド、
(6S,14S’)−6,14−ジイソプロピル−4,7,13,16−テトラオキソ−5,8,12,15−テトラアザノナデカン−1,19−二酸、
(6S,19S)−6,19−ジイソプロピル−4,7,18,21−テトラオキソ−5,8,17,20−テトラアザテトラコサン−1,24−二酸、
(6S,23S)−6,23−ジイソプロピル−4,7,22,25−テトラオキソ−5,8,21,24−テトラアザオクタコサン−1,28−二酸、
及びこれらの混合物、からなる群から選択される。
【0028】
両方の種類のpH調整可能なジアミド系ゲル化剤構造の特定の実施形態において、AAは、アラニン、β−アラニン、及び置換アラニン、直鎖アミノアルキルカルボン酸、環状アミノアルキルカルボン酸、アミノ安息香酸誘導体、アミノ酪酸誘導体、アルギニン及び同族体、アスパラギン、アスパラギン酸、p−ベンゾイル−フェニルアラニン、ビフェニルアラニン、シトルリン、シクロプロピルアラニン、シクロペンチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、システイン、シスチン及び誘導体、ジアミノ酪酸誘導体、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸誘導体、グルタミン、グリシン、置換グリシン、ヒスチジン、ホモセリン、インドール誘導体、イソロイシン、ロイシン及び誘導体、リジン、メチオニン、ナフチルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、フェニルアラニン、環置換フェニルアラニン、フェニルグリシン、ピペコリン酸、ニペコチン酸及びイソニペコチン酸、プロリン、ヒドロキシプロリン、チアゾリジン、ピリジルアラニン、セリン、スタチン及び類似体、トレオニン、テトラヒドロノルハルマン−3−カルボン酸、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、トリプトファン、チロシン、バリン、並びにこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤分子はまた、保護基、好ましくは1〜2個の保護基、好ましくは2個の保護基を含んでもよい。好適な保護基の例は、「保護基(Protecting Groups)」,P.J.Kocienski,ISBN 313 135601 4,Georg Thieme Verlag,Stutgart;及び「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」,T.W.Greene,P.G.M.Wuts,ISBN 0−471−62301−6,John Wiley& Sons,Inc,New Yorkに提供されている。
【0030】
pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は、最小ゲル化濃度(MGC)試験方法に従って、組成物の目標のpHにおいて、流体洗剤組成物中に0.1〜100mg/mLの最小ゲル化濃度(MGC)を有するのが好ましく、好ましくは0.1〜25mg/mL、より好ましくは0.5mg/mL〜10mg/mLである。本明細書で用いられるMGCは、mg/mLとして、又は重量%として表わされることができ、その場合、重量%は、mg/mLのMGCを10で割ることによって計算される。一実施形態では、流体洗剤組成物において測定する場合、MGCは、0.1〜100mg/mL、好ましくは0.1mg/mL〜25mg/mLのpH調整可能なアミド系ゲル化剤、より好ましくは0.5mg/mL〜10mg/mL、又は少なくとも0.1mg/mL、少なくとも0.3mg/mL、少なくとも0.5mg/mL、少なくとも1.0mg/mL、少なくとも2.0mg/mL、少なくとも5.0mg/mLのpH調整可能なアミド系ゲル化剤である。一部の実施例では、マイクロカプセル組成物又は流体洗剤組成物には、MGC超又は以下のいずれの濃度でもpH調整可能なジアミド系ゲル化剤濃縮液を含有させることができるものの、pH調整可能なアミド系ゲル化剤は、MGCを下回る濃度で特に有用なレオロジーを生じ得る。
【0031】
二次外部構造化剤
一実施形態では、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤を、マイクロカプセル組成物の重量に基づき0.01重量%〜5重量%の1つ以上の追加の外部構造化剤と組み合わせることができる。理論により制限されるものではないが、追加の外部構造化剤を使用することにより、時間依存性のゲル化の改善された制御が可能になると考えられている。例えば、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤は最終的に優れたゲル化をもたらす一方で、他の外部構造化剤は、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤がゲル化を生じている段階中にも、一時的なゲル構造を提供することができる。好適な二次構造化剤の非限定的な例は、次の(i)〜(iv)である。
(i)バクテリアセルロース:マイクロカプセル組成物には、0.005重量%〜1.0重量%のバクテリアセルロースネットワーク構造を含ませることもできる。用語「バクテリアセルロース」は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター属のバクテリアの発酵により生産された任意の種類のセルロースを包含し、かつ、ミクロフィブリル化セルロース、バクテリアセルロースネットワーク等と一般に称される材料を含む。
(ii)被覆バクテリアセルロース:一実施形態において、バクテリアセルロースは、例えば、米国特許出願第2007/0027108号の第8〜19パラグラフに開示されている方法に従って調製された高分子増粘剤で部分的に被覆される。一実施形態において、少なくとも部分的に被覆されたバクテリアセルロースは、0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%のバクテリアセルロースと、10重量%〜90重量%の高分子増粘剤とを含む。好適なバクテリアセルロースとしては、前述のバクテリアセルロースが挙げられ、好適な高分子増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
(iii)非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性材料:好ましい実施形態では、マイクロカプセル組成物は、0.01重量%〜1重量%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を更に含む。このような非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般に、最終流体洗剤組成物中への分散を補助するために、予め乳化が可能な結晶化可能グリセリドを含む。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油つまり「HCO」又はその誘導体が挙げられる。
(iv)ポリマー構造化剤:マイクロカプセル組成物には、0.01重量%〜5重量%の天然由来及び/又は合成ポリマー構造化剤を含有させることもできる。天然由来のポリマー系構造化剤としては:ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。合成ポリマー構造剤としては:ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。別の好ましい実施形態では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC
1〜C
30アルキルエステルのコポリマーである。
【0032】
有益剤を有するマイクロカプセル
本開示の一態様では、一群のカプセルは、例えば、シェル壁及びコアからなるカプセルを少なくとも80%、少なくとも85%、又は更には少なくとも90%含有し、シェルはコアを封入するシェル壁を形成するポリマーを含み、コアは有益材を含む。一部の用途では、適切な機械的力の適用時に内容物を放出する一群のカプセルと、光への露出時に内容物を放出する一群のカプセルとを組み合わせることが望ましい場合もある。
【0033】
マイクロカプセルのシェル壁は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリアクリレート、ホルムアルデヒドにより架橋されたメラミン−ジメトキシエタノール、ポリアクリルアミド、シリカ、ジビニルベンゼンにより架橋されたポリスチレン、ポリアクリレート系材料、メチルメタクリレート(metthylmethacrylate)/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されたポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートと強酸とから形成されたポリアクリレート、カルボン酸アクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモノマーと、強塩基とから形成されたポリアクリレート;アミンアクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモノマーと、カルボン酸アクリレートモノマー及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーとから形成されたポリアクリレート、シリコーン、架橋シリコーン、ホルムアルデヒドにより架橋された尿素、グルタルアルデヒドにより架橋された尿素、ゼラチン、ポリアクリレート、アクリレートモノマー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート、多糖誘導体、例えば、アルギン酸塩、キトサン、メチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、及びこれらの混合物などからなる群から選択され得るポリマーを含む。
【0034】
マイクロカプセルの、ポリマー含有シェル壁は、カチオン性、非イオン性又はアニオン性ポリマー、例えば、ポリビニル−ホルムアルデヒド、一部ヒドロキシル化させたポリビニル−ホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーにより取り囲む及び/又はコーティングさせることができる。
【0035】
このようなカプセルに含有させる有益剤は、用途に応じ同一のものであっても、又は異なるものであってもよい。有益剤は、香料、シリコーン、薬剤、知覚剤、防蚊剤、ビタミン類、除草剤、殺虫剤、肥料、抑泡剤、染料、色相剤、相転移剤、フェロモン類、甘味料、ホルモン類、誘引剤、皮膚用有益剤、潤滑剤、冷感剤、油類、生物的防除剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0036】
一態様では、有益剤は香料組成物を含み、香料組成物は、約2.0〜約4.5、又は更には約2.5〜約4.25のcLogPを有する香料原材料を含む。
【0037】
カプセルの一態様では、カプセルのコアには:
a)Clog Pが4.5未満〜約2、4.25未満〜約2.2、4.0未満〜約2.5、更には3.75未満〜約2.6である香料組成物;
b)Clog Pが4.0未満〜約2.0である香料材料を、香料組成物の総重量に基づき少なくとも60重量%、更には少なくとも70重量%含む香料組成物;
c)Clog Pが3.5未満〜約2である香料材料を、香料組成物の総重量に基づき少なくとも35重量%、少なくとも50重量%、更には少なくとも60重量%含む香料組成物;
d)香料組成物の総重量に基づき、Clog Pが4.0未満〜約2.0、更には3.5未満〜約2.0である香料材料を少なくとも40重量%、及びClog Pが2.0未満〜約1.0である香料材料を少なくとも1重量%含む香料組成物;
e)香料組成物の総重量に基づき、Clog Pが4.0未満〜約2、更には3.5未満〜約2.0である香料材料を少なくとも40重量%、及びClog Pが3.0未満〜約1.5のである香料材料を少なくとも15重量%含む香料組成物;
f)香料組成物の総重量に基づき、ブタノアートエステルを少なくとも1重量%、更には少なくとも2.0重量%、及びペンタノアートエステルを少なくとも1重量%含む香料組成物;
g)香料組成物の総重量に基づき、アリル部分を含むエステルを少なくとも2.0重量%、更には少なくとも3.0重量%、及びエステル部分を含む他の香料を少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、更には少なくとも30重量%含む香料組成物;
h)香料組成物の総重量に基づき、アルキル鎖部分を含むアルデヒドを少なくとも1.0重量%、更には少なくとも5.0重量%含む香料組成物;
i)香料組成物の総重量に基づき、ブタノアートエステルを少なくとも2.0重量%含む香料組成物;
j)香料組成物の総重量に基づき、ペンタノアートエステルを少なくとも1.0重量%含む香料組成物;
k)香料組成物の総重量に基づき、アリル部分を含むエステルを少なくとも3.0重量%、及びアルキル鎖部分を含むアルデヒドを少なくとも1.0重量%含む香料組成物;
l)香料組成物の総重量に基づき、エステル部分を少なくとも香料の25重量%、及びアルキル鎖部分を含むアルデヒドを少なくとも1.0重量%含む香料組成物;
m)香料組成物の総重量に基づき、約0.5%〜約50%,約1.0%〜約40%、又は更には約5.0%〜約30%のパラメトリック調整剤を含む香料組成物、からなる群から選択される香料組成物を含有させることができる。
但し、香料組成物は、封入に使用したモノマー以外に、同様の官能基を含有する香料原材料は含有せず、又は組成物の総重量の10重量%未満で有する。
【0038】
他の態様では、有益剤は、シリコーン、抗菌剤、香味料、灼熱剤又は冷感剤を含む。他の好適な有益剤としては、有益剤送達系が組み込まれる製品の香りの知覚全般に貢献するスパイス又は調味料などの着香成分が挙げられる。医療用有益剤としては薬剤を含有させることもできる。一実施形態では、治療上有効な量の薬剤が選択される。
【0039】
他の態様では、殺生物剤、抗菌剤殺菌剤、殺真菌剤、殺藻剤、防かび剤、殺菌剤、消毒薬様漂白剤、防腐剤、殺虫剤、防虫剤(insect及び/又はmoth repellant)、駆虫剤、植物生長ホルモン、などの生物的防除剤が選択される。他の態様では、グルタルアルデヒド、シンナムアルデヒド、及びこれらの混合物などの抗菌剤が選択される。他の態様では、有益剤としてはアゾール系抗菌剤を選択することができ、このようなアゾール系抗菌剤としては、ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸スルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールのなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
他の態様では、シトロネラル、シトラール、N,Nジエチルメタトルアミド、ロタンジアール、8−アセトキシカルボタンアセノン、及びこれらの混合物などの典型的な防虫剤を使用することができる。本明細書において有益剤として使用することのできる防虫剤のその他の例としては、米国特許第4,449,987号、同第4,693,890号、同第4,696,676号、同第4,933,371号、同第5,030,660号、同第5,196,200号、並びにPlants,ASC Symposium Series 525,R.Teranishi,R.G.Buttery,and H.Sugisawa,1993,pp.35〜48のBioactive Volatile Compoundsにおいて公開されている「各種昆虫種に対する香料分子及び芳香分子のセミオ活性(Semio Activity of Flavor and Fragrance molecules on various Insect Species)」B.D.Mookherjeeらに記載のものが挙げられる。これらの刊行物は、参照により本出願に組み込まれる。
【0041】
好適な香料原料
カプセル剤のコアが有益剤として香料を含む場合、一部の実施例では、カプセル剤コアにおける香料(1つ又は複数)は、象限Iの香料原材料に周知の通り、香料原材料の1%〜30%が3未満のClogPと、250℃未満の沸点を有し得るよう選択することができ、香料原材料の70%超は、象限II、III、Vの香料原材料に周知の通り、3超のClogP又は3未満のClogPと、250℃超の沸点を有するものからなる群から選択される。好適な象限I、II、III及びIVの香料原材料は、米国特許第6,869,923 B1号に開示されている。しかしながら、一般的に、1つ又はそれ以上の香料が、マイクロカプセル組成物及び/又はマイクロカプセル組成物を含む流体洗剤組成物に所望の効果を送達する任意の香料から選択することができる。
【0042】
パラメトリック調整剤
本明細書で開示されるカプセル剤には、更にパラメトリック調整剤を含有させることもできる。本明細書で使用するとき、「調整剤」は、次の封入剤及び/又は封入剤コア材料の特性:密度、蒸気圧及び/又はClogPのうちの1つ又はそれ以上を変更するのに使用することのできる物質である。調整剤を使用して封入剤及び/又は封入剤コア材料の蒸気圧を調整する場合、本質的にはこのような封入剤及び/又は封入剤コア材料の沸点が変更されることになる。
【0043】
一態様では、存在させる場合には少なくとも一部のパラメトリック調整剤がカプセル剤のシェル壁又はシェル内に含有される。他の態様では、カプセル剤のコアは、少なくとも一部のパラメトリック調整剤を含み得る。
【0044】
一態様では、パラメトリック調整剤は、密度調整剤であってよい。理論に束縛されるものではないが、密度調整剤は、消費者向け流体製品中にカプセル剤を安定的に懸濁することができるようカプセル剤の密度を調整することのできる物質である。カプセル剤の一態様では、カプセル剤は約1.5cm/年未満、約1.0cm/年未満の沈降速度を有する。カプセル剤の他の態様では、香料組成物には、1つ以上の流体を含ませることができ、カプセル剤と、1つ以上の流体のうちの少なくとも1つとの密度比を、少なくとも約0.9:1〜約1.1:1にする、密度を有させることができる。好適な密度調整剤としては:臭素化植物油、Tint Ayd PC 9003及び米国特許第29035365 A1号に記載のものが挙げられる。
【0045】
例えば、密度調整剤は、限定するものではないが、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、Fe
2O
3、CO
2O
3、CoO、NiO、AgO、CuO、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、シリカ及びその他の金属酸化物から選択される金属酸化物であってよい。これらは全体よりも大きい特有の密度を有するものでなくてはならない。いずれも増粘剤として機能させることができ、追加の機能特性を提供することのできる酸化物が特に有用である。
【0046】
一態様では、密度調整剤の密度は1超である。コアに密度調整剤を加えることにより、カプセル剤の密度は独立して所望の程度にまで調節することができる。疎水性改質した金属酸化物が有用である。金属酸化物の例としては、限定するものではないが、BASFより製造のUvinul(登録商標)TiO2、Z−COTE(登録商標)HP1、T−lite(商標)SF、T−lite(商標)SF−S、T−lite(商標)MAX及びZ−COTE(登録商標)MAX;EvonikのAerosil(登録商標)R812、Aerosil(登録商標)R972/R94;並びにDupontのTi−Pure(登録商標)R−700、及びTi−Select(商標)TS−6200が挙げられる。
【0047】
密度調整剤は、臭化野菜油(BVO)及び酢酸スクロースイソブチレートなどの有機化合物から選択することもできる。このような密度調整剤としては、Eastman chemical(Kingsport、Tenn.37662)から、商品名Sustane SAIB、Sustane SAIB MCT、Sustane SAIB ET−10、Eastman SAIB−100、Eastman SAIB−90EA、及びEastman SAIB−90のものを利用できる。増粘目的に際し、1超の密度を保有し、かつ実質的に香料と反応しない任意の物質を使用することができる。加えて、無臭であり、又は香料の原臭に干渉することのない物質が特に有用である。増粘剤及び香料コアの化学及び物理的和合性をもとに選別を行うことができる。
【0048】
不活性な金属粒子又は金属化合物又は金属アロイは、通常1.0を超える密度を保有し、かつ所望の密度を提供するのに非常に効果的であり得ることから、密度調整剤は、これらの物質から選択することもできる。銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)がその例である。有用な材料は、香料コアと和合性のあるものである。
【0049】
固形の密度調整剤の場合、材料は、任意の物理直径のものであってよく、かつ所望の封入剤特性(例えば、寸法)と形態学的に和合性のあるものであり得る。コア材料は、数nm〜数μmの範囲の直径を有する物質から選択することができる。物理的寸法に関する限り、コア増粘剤の上限及び下限は、最終的にはカプセル剤の物理的寸法をもとに決定される。例えば、30μmの増粘化カプセルを調製する場合には、増粘剤の最大物理寸法は30μm以下に制限される。最適な性能に関し、カプセルの物理的な寸法と、コア増粘剤の物理的な寸法との間には相関関係が存在し得る可能性がある。例えば、カプセル剤をより大型にするには、より良好な破裂及び放出性のため、物理的により大きい増粘剤が必要とされ得る。このような事象は、カプセルの破裂が押し出し力によるものである場合に説明することができる。同様に、より小型の粒径を有する材料により小型のカプセルが有効になる場合もある。
【0050】
更に、コア材料は、中空、多孔質、メソ多孔性、ナノ多孔性、又は完全充填性のものであってよい。コア材料は、球、正方形、針状、繊維状、及び楕円体など、任意の規則的な又は不規則的な形状のものであってもよい。コア材料の物理的寸法は、ナノスケール材料からマイクロスケール材料の範囲に及んでよい。ポリアミド系封入シェルに封入することができ、かつ香料コアを増粘剤と混合した後にも香料コアが液体のままであるならば、コアにおいて増粘剤は任意の寸法であってよい。
【0051】
cLogP調整剤:理論に束縛されるものではないが、cLogP調整剤は、有益剤組成物の乳化を容易にさせるために有益剤組成物の総cLogPを増加させることのできる材料である。
【0052】
蒸気圧調整剤:蒸気圧により、香料組成物の蒸発速度及び臭気強度の測定基準が提供される。理論に束縛されるものではないが、カプセル剤コアの蒸気圧が調整された場合、カプセル剤は、より長時間持続性となり、コア材料の放出性は、より一定になる。
【0053】
低蒸気圧を有する(すなわち、蒸気圧が250℃超である)材料を使用して、長期放出性(下表を参照のこと)を改善することもでき、又は迅速放出性のために高蒸気圧を有する(すなわち、b.p.が250℃以下)材料を使用することもできる。
【0054】
マイクロカプセル組成物の補助成分
本明細書の以降に例示される補助成分の非限定的な一覧は、本発明の組成物への使用に好適なものについての一覧であり、本明細書に記載の特定の実施形態に、例えば、カプセル剤の反応基を処理する際にpHを緩衝するために、あるいはスカベンジャー類、塩類、又は構造化系などのマイクロカプセル組成物を安定化させるために望ましく組み込むことができる。このような補助成分は、カプセル剤により供給される成分に加えられるものと理解される。このような追加成分の正確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質に依存する。好適な補助成分としては、限定するものではないが、界面活性剤、加工助剤及び/又は顔料が挙げられる。
i)アミノプラストカプセル化工程は、ホルムアルデヒドスカベンジャーを必要とし得る。このホルムアルデヒドスカベンジャーは、β−ジカルボニル化合物、アミド、イミン、アセタールホルマー(acetal formers)、硫黄含有化合物、活性化炭素、アンモニウム、有機アミン、酸化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0055】
マイクロカプセル組成物の製造工程
カプセル剤を含み、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤を含むマイクロカプセル組成物の製造工程であって、
(a)カプセル剤を賦形剤と予混合する工程、
(b)pH調整可能なジアミド系ゲル化剤を含む構造化剤プレミックスを調製する工程であって、プレミックスが、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤がイオン性の非粘度上昇型であるようなpHである、工程、
(c)カプセル化剤混合物とゲル化剤プレミックスを組み合わせる工程、
(c)マイクロカプセル組成物が、pH調整可能なジアミド系ゲル化剤が非イオン性の粘度上昇型であるようなpHであるように、必要に応じて、マイクロカプセル組成物のpHを調整する工程、を含む。
【0056】
カプセル化剤/賦形剤混合物及びゲル化剤プレミックスは、特にマイクロカプセル組成物が、酵素などの感熱性有益剤カプセル化剤を更に含む場合には、好ましくは、ゲル化剤プレミックス及び/又はカプセル化剤混合物流の温度が約50℃未満、好ましくは約30℃未満に維持されるように加工される。
【0057】
消費者製品/流体洗剤組成物
本発明の安定的なマイクロカプセル組成物を、液体又はゲル型消費者製品に組み込むことができる。本明細書で用いる「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は変性を意図しない、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック、並びに/又は飲料製品あるいは装置を意味する。このような製品には:おむつ、よだれ掛け、拭き取り用品;脱色、カラーリング、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングなどの、毛髪処理(人、犬、及び/又は猫)用商品及び/又は毛髪処理に関する方法;脱臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;クリーム、ローション、及び消費者が使用するためのその他の局所的に適用される製品の適用を含むスキンケア;並びにシェービング製品;布、硬表面、及び布及びホームケアの分野における任意のその他の表面を処理するための製品及び/又は処理に関する方法、例えば、空気ケア、自動車の手入れ、食器洗い、布地コンディショニング(軟化など)、洗濯洗浄力、洗濯及びすすぎ添加剤及び/又はケア、硬表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者用又は業務用のその他の洗浄;トイレットペーパー、化粧紙、鼻紙、及び/又はペーパータオルに関する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;練り歯磨き、歯用ゲル、歯のリンス、義歯接着剤、歯のホワイトニングなどの口腔ケアに関する商品及び/又は方法;咳止め薬及び風邪治療薬、痛み止め、RX医薬、ペットの健康及び栄養、並びに浄水などの市販のヘルスケア;主に通常の食事の合間に消費される又は食事の添え物(meal accompaniment)として消費されることが意図されている加工食品(非限定例には、ポテトチップ、トルティーヤチップス、ポップコーン、プリッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプス、スナックミックス、パーティーミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレットスナック、押出スナック、及びベーグルチップスが挙げられる);並びにコーヒーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又は処理組成物」としては、特に指示のない限り、顆粒又は粉末状の多目的、すなわち、「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に泡立ちのよいもの;家庭又は業務用の各種の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型などの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用型、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、歯磨剤、車又はカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤などの液体洗浄殺菌剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワージェル及び発泡入浴剤、並びに金属洗浄剤;並びに、漂白補助剤、及び「ステインスティック」又は前処理用型などの洗浄助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布並びにパッド、不織布基材、及びスポンジなどの基材付与製品;並びにスプレー剤、及びミスト剤が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用するとき、用語「布地ケア組成物」は、特記しない限り、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地フレッシュニング組成物、及びこれらの組み合わせを包含する。
【0060】
特定の実施形態では、上記のマイクロカプセル組成物は、流体洗剤組成物に組み込むこともできる。
【0061】
本明細書に記載される流体洗剤組成物としては、例えば、シャンプー;皮膚洗浄剤及び剥離剤;シェービングリキッド、フォーム、及びジェル;布、硬表面、並びに布地及びホームケア領域内の任意の他の表面処理に関する製品、例えば、食器洗浄剤、洗濯洗浄剤、洗濯及びすすぎ添加剤、床及びトイレ用洗剤などの硬質表面洗浄剤;歯磨き用ペースト及びゲル並びに白色剤などの口腔ケア関連製品といった消費者製品が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に特に好ましい実施形態は「流体洗濯洗剤組成物」である。本明細書で使用するとき、「流体洗濯洗剤組成物」は、家庭用洗濯機で、例えば、衣類などの繊維を濡らして洗浄することができる流体を含む、任意の洗濯処理組成物を指す。
【0062】
流体洗剤組成物は、固体又は気体を適宜分割された形態で含み得るものであるが、組成物全体としては、錠剤又は顆粒などの、全体として非流動性の製品形態は除外する。流体洗剤組成物には、任意の固形の添加物は除外されるが、存在する場合、任意の泡が含まれ、0.9g/cm
3〜1.3g/cm
3、より好ましくは1.00g/cm
3〜1.10g/cm
3の範囲の密度を有する。
【0063】
一部の実施形態に従うと、流体洗剤組成物は、上記の実施例のいずれかに従うマイクロカプセル組成物と、上記の補助成分、例えば、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒成分、漂白活性剤、高分子分散剤、粘土汚れ除去剤/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、基材、ヒドロトロープ、加工助材並びに/又は顔料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0064】
単位用量洗剤製品:
一部の実施形態では、流体洗剤組成物は、水溶性パウチ材料内に封入することもできる。パウチ材料で使用するのに適した、好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖、キサンタン及びカラグムなどの天然ゴムからなる群から選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0065】
流体洗剤組成物の補助成分
以下に例示される補助剤の非限定的な一覧は、本発明の組成物への使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本明細書に記載の特定の実施形態に組み込むことができる。このような補助剤は、本出願人らのカプセル、凝集体及び/又はスラリーにより供給される成分に追加されると理解される。このような追加成分の正確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質に依存する。好適な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染抑制剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、基材、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は色素が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助の好適な例、及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見られ、これらは参照により組み込まれる。
【0066】
各補助剤成分は、上記のマイクロカプセル組成物にとって必須ではないものの、マイクロカプセル組成物を含む流体洗剤組成物に有用であり、又は有益なものであり得る。したがって、本明細書に記載のマイクロカプセル組成物の好ましい実施形態は、以下の補助材料:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、基材、向水性物質、加工助剤、並びに/又は顔料、の1種以上を含有しない。しかし、1つ以上の補助剤を存在させる場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在させることも可能である。
【0067】
アニオン性及び非イオン性界面活性剤:
アニオン性界面活性剤:一部の実施形態に従うと、流体洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を、1重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜60重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%、及び最も好ましくは15重量%〜45重量%を含み得る。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との好ましい比は、100:0(すなわち、非イオン性界面活性剤は存在しない)〜5:95、より好ましくは99:1〜1:4、最も好ましくは5:1〜1.5:1である。
【0068】
流体洗剤組成物には、重量に基づき、1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜40重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含有させることができる。好ましいアニオン性界面活性剤は、C
11〜C
18アルキルベンゼンスルホン酸塩、C
10〜C
20分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩、C
10〜C
18アルキルエトキシ硫酸塩、中鎖分枝状アルキル硫酸塩、1〜5エトキシ単位を含むC
10〜C
18アルキルアルコキシカルボン酸塩、変性アルキルベンゼンスルホン酸塩、C
12〜C
20メチルエステルスルホン酸塩、C
10〜C
18 α−オレフィンスルホン酸塩、C
6〜C
20スルホコハク酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。しかしながら、W.M.Linfield,Marcel Dekker編「Surfactant Science Series」、Vol.7に開示されるものなどの、洗剤組成物の技術分野において既知の各アニオン性界面活性剤を本質的に使用することができる。しかしながら、流体洗剤組成物には、好ましくは、少なくとも1種のスルホン酸系界面活性剤(例えば線状アルキルベンゼンスルホン酸など)、又は水溶性の塩形態を含有させることができる。
【0069】
本開示において使用するのに好適なアニオン性スルホネート又はスルホン酸系界面活性剤としては、酸及び塩形態の、直鎖又は分枝鎖C
5〜C
20、より好ましくはC
10〜C
16、最も好ましくはC
11〜C
13アルキルベンゼンスルホネート、C
5〜C
20アルキルエステルスルホネート、C
6〜C
22一級又は二級アルカンスルホネート、C
5〜C
20スルホン化ポリカルボン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。上記界面活性剤は、2−フェニル異性体含有率が幅広く異なり得る。
【0070】
洗剤組成物に使用するのに好適なアニオン性硫酸塩としては、9〜22個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル部分を有する、一級及び二級アルキル硫酸塩;β−分枝状アルキルサルフェート系界面活性剤;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0071】
中鎖分枝状アルキルサルフェート又はスルホネートもまた、洗剤組成物に使用するのに好適なアニオン性界面活性剤である。好ましいものはC
5〜C
22の、好ましくはC
10〜C
20中鎖分岐アルキル一級硫酸塩である。混合物を使用する場合、アルキル部分の炭素原子の好適な平均合計数は、好ましくは14.5〜17.5の範囲内である。好ましいモノ−メチル−分岐型一級アルキル硫酸塩は、3−メチル〜13−メチルペンタデカノール硫酸塩、対応するヘキサデカノール硫酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ジメチル誘導体、又は軽度に分岐を有する他の生分解性のアルキル硫酸塩も同様に使用することができる。
【0072】
本明細書で使用するための他の好適なアニオン性界面活性剤としては、脂肪族メチルエステルスルホン酸塩及び/又はアルキルエトキシ(alkyl ethyoxy)硫酸塩(AES)及び/又はアルキルポリアルコキシル化カルボン酸塩(AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤の混合物を使用することもできる(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩とAESとの混合物)。
【0073】
アニオン性界面活性剤は、典型的にはアルカノールアミン又はアルカリ金属(ナトリウム及びカリウムなど)との塩形態で存在する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルカノールアミン(モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなど)で中和化され、液相中に完全に可溶性である。
【0074】
非イオン性界面活性剤:流体洗剤組成物は、最大30重量%、より好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは2重量%〜10重量%の1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、いわゆる、ピークの狭いアルキルエトキシレートなどのC
12〜C
18アルキルエトキシレート(「AE」)、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(特に、エトキシレート及びエトキシ/プロポキシ混合物)、C
6〜C
12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、C
8〜C
22アルカノールとエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーのアルキレンオキシド縮合物(Pluronic(登録商標)−BASF Corp.)、並びに半極性非イオン類(例えば、アミンオキシド及びホスフィンオキシド)が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の広範囲にわたる開示は、米国特許第3,929,678号に見出すことができる。
【0075】
米国特許第4,565,647号に開示されているようなアルキル多糖もまた、洗剤組成物に有用な非イオン性界面活性剤である。アルキルポリグルコシド界面活性剤もまた好適である。一部の実施形態では、好適な非イオン性界面活性剤としては、式R
1(OC
2H
4)
nOH(式中、R
1はC
10〜C
16アルキル基又はC
8〜C
12アルキルフェニル基であり、かつnは3〜約80である)が挙げられる。一部の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、C
12〜C
15アルコールと、アルコール1molあたり5〜20molのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、C
12〜C
13アルコールと、アルコール1molあたり約6.5molのエチレンオキシドとの縮合物であり得る。別の好適な非イオン性界面活性剤としては、次の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
【化13】
式中、RはC
9〜C
17アルキル又はアルケニルであり、R
1はメチル基であり、Zは還元糖又はそのアルコキシル化誘導体由来のグリシジルである。実施例としては、N−メチルN−1−デオキシグリシチルココアミド及びN−メチルN−1−デオキシグリシチルオレアミドが挙げられる。
【0076】
追加の界面活性剤
流体洗剤組成物は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される追加の界面活性剤を含んでもよい。
【0077】
好適なカチオン性界面活性剤は、水溶性、水分散性、又は非水溶性であり得る。このようなカチオン性界面活性剤は、少なくとも1個の四級化窒素と、少なくとも1個の長鎖ヒドロカルビル基を有する。2個、3個又は更には4個の長鎖ヒドロカルビル基を含む化合物もまた含まれる。例としては、C
12アルキルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩、又はそれらのヒドロキシアルキル置換された類似体が挙げられる。当該技術分野において既知の組成物は、例えば、1%以上のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0078】
両性及び/又は双性イオン性界面活性剤:流体洗剤組成物に使用される好適な両性又は双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用が既知のものが挙げられる。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(Bolich Jr.ら)、及び第5,106,609号(Bolich Jr.ら)に記載されている。
【0079】
組成物に使用するのに好適な両性洗浄界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として幅広く記載される界面活性剤が挙げられ、この界面活性剤では、脂肪族ラジカルは線状又は分岐状であってよく、かつ脂肪族置換基のうちの1つは8〜18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性の基(例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸基)を含有する。好適な両性洗浄界面活性剤としては、限定するものではないが、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0080】
本組成物に用いるのに好適な双性イオン性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられ、脂肪族ラジカルは線状又は分岐状であることができ、脂肪族置換基の1つは、約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性の基を含有する。ベタインなどの双性イオンを使用することができる。
【0081】
更に、以下の式を有するアミンオキシド系界面活性剤も洗剤組成物に有用である:R(EO)
x(PO)
y(BO)
zN(O)(CH
2R’)
2・qH
2O(I)。Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖であることができる、比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8〜20個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含有することができ、より好ましくはC
12〜C
16一級アルキルである。R’は短鎖部分であり、好ましくは水素、メチル及び−CH
2OHから選択される。x+y+zが0ではない場合、EOはエチレンオキシ、POはプロピレンオキシ、BOはブチレンオキシである。アミンオキシド系界面活性剤類は、C
12〜C
14アルキルジメチルアミンオキシドにより例示されるものである。
【0082】
本組成物に用いるのに好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)著「乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)」(1989年、年報、M.C.出版社(M. C. Publishing Co.)刊)、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0083】
酵素
流体洗剤組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア利益をもたらす洗浄性酵素を0.0001重量%〜8重量%含んでもよい。かかる組成物は、6〜10.5の未希釈時pHを有する。好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい酵素の組み合わせは、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及びアミラーゼなどの従来の洗浄性酵素の混合物を含む。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号でより詳細に記載されている。
【0084】
酵素安定剤
セリンプロテアーゼの阻害に好適な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤としては、ボロン酸の誘導体、特にフェニルボロン酸の誘導体、及びトリペプチドアルデヒドを含むペプチドアルデヒドが挙げられる。このような化合物の例は、国際公開第98/13458(A1)号、同第07/113241(A1)号、及び米国特許第5,972,873号で開示されている。
【0085】
安定化剤は、チオフェン−2ボロン酸、チオフェン−3ボロン酸、アセトアミドフェニルボロン酸、ベンゾフラン−2ボロン酸、ナフタレン−1ボロン酸、ナフタレン−2ボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸(2−FPBA)、3−FBPA、4−FPBA、1−チアントレンボロン酸、4−ジベンゾフランボロン酸、5−メチルチオフェン−2ボロン酸、チオナフトレンボロン酸、フラン−2ボロン酸、フラン−3ボロン酸、4,4−ビフェニルジボロン酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレン、4−(メチルチオ)フェニルボロン酸、4(トリメチルシリル)フェニルボロン酸、3−ブロモチオフェンボロン酸、4−メチルチオフェンボロン酸、2−ナフチルボロン酸、5−ブロモチオフェンボロン酸、5−クロロチオフェンボロン酸、ジメチルチオフェンボロン酸、2−ブロモフェニルボロン酸、3−クロロフェニルボロン酸、3−メトキシ−2−チオフェン、p−メチル−フェニルエチルボロン酸、2−チアントレンボロン酸、ジ−ベンゾチオフェンボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、9−アントリルボロン酸、3,5−ジクロロフェニルボロン酸、ジフェニルボロン酸無水物、o−クロロフェニルボロン酸、p−クロロフェニルボロン酸、m−ブロモフェニルボロン酸、p−ブロモフェニルボロン酸、p−フルオロフェニルボロン酸、p−トリルボロン酸、o−トリルボロン酸、オクチルボロン酸、1,3,5−トリメチルフェニルボロン酸、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、2、4−ジクロロフェニルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。安定化剤として好適な更なる好適なボロン酸誘導体は、米国特許第4,963,655号、米国特許第5,159,060号、国際公開第95/12655号、同第95/29223号、同第92/19707号、同第94/04653号、同第94/04654号、米国特許第5,442,100号、米国特許第5,488,157号、及び米国特許第5,472,628号に記載されている。
【0086】
好適な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、4−ホルミルフェニルボロン酸を含んでもよい。
【0087】
重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、可逆性ペプチドプロテアーゼ阻害剤を含んでもよい。好適な可逆性のペプチドプロテアーゼ阻害剤の例及びその製造方法は、米国特許第6,165,966号及び国際公開第98/13459 A1号に見られる。
【0088】
好適なトリペプチド酵素阻害剤は、次の構造を有し得る。
【化14】
【0089】
重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、国際公開第09/095425に開示されているようなRASI、BASI、WASI(米、大麦、及び小麦の二官能性α−アミラーゼ/サブチリシン阻害物質)、又はSSI(ストレプトミセスサブチリシン阻害物質)、及び、Protein Engineering Design & Selection,vol 17 no.4,p.333〜339,2004に開示されているようなこれらの変異型を含み得る。
【0090】
付着助剤ポリマー
好ましくは、流体洗剤組成物は、0.1%〜7%の、より好ましくは0.2%〜3%の付着助剤ポリマーを含む。本明細書で使用するとき、「付着助剤ポリマー」は、洗浄(洗濯など)の際の、ケア有益剤の基材(布地など)への付着を有意に増加させる、任意のカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの混合物を指す。好適な付着助剤ポリマーは、カチオン性多糖及び/又はコポリマーを含むことができる。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」は、布地ケア効果をもたらすことのできる、任意の物質を指す。布地ケア効果の非限定例としては、布地の柔軟化、色保護、色復元、毛玉/毛羽立ちの軽減、抗摩擦、抗しわが挙げられるが、これらに限定されない。布地ケア有益剤の非限定例としては、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0091】
洗浄ポリマー
本明細書の洗剤組成物は、0.01重量%〜10重量%の1種以上の洗浄ポリマーを任意に含有してもよく、該洗浄ポリマーは、表面及び布地の広範な汚れ洗浄及び/又は汚れの懸濁をもたらす。任意の好適な洗浄ポリマーを使用することができる。有用な洗浄ポリマーは、US 2009/0124528A1に記載されている。有用な洗浄ポリマーの非限定例としては:両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー;粘土汚れ洗浄ポリマー;汚れ剥離ポリマー;及び汚れ懸濁ポリマーが挙げられる。
【0092】
漂白剤系
一実施形態は組成物であり、その組成物は、0.1重量%〜12重量%の漂白剤又は漂白系、好ましくは過酸化物漂白剤を含む流体洗濯漂白添加物であり、かつ2〜6の未希釈時pHを更に含む。別の実施形態は、0.1重量%〜12重量%の漂白剤と、6.5〜10.5の組成物pHとを含む流体洗濯洗剤組成物である。好適な過酸化水素源は、Kirk Othmerの「Encyclopedia of Chemical Technology」(4th Ed(1992,John Wiley & Sons、Vol.4,pp.271〜300の「Bleaching Agents(Survey)」に詳説されており、様々なコーティング及び修飾された形態など、過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムの様々な形態を含む。例えば、過酸化水素自体、過ホウ酸塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム(あらゆる水和物であるが、好ましくは一水和物若しくは四水和物)、炭酸ナトリウム過酸化水素化物若しくは相当する過炭酸塩、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、又は過酸化ナトリウムが本明細書で使用されることができる。また、過硫酸塩漂白剤(例えばデュポン製OXONE)等の有効酸素源も有用である。過ホウ酸ナトリウム一水和物及び過炭酸ナトリウムが特に好ましい。洗剤組成物には、塩素系漂白物質を漂白剤として含有させることもできる。このような剤としては、例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(「NaDCC」)が挙げられる。しかしながら、塩素型漂白剤は酵素を含む組成物に対してあまり好ましくない。漂白剤系には、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、有機過酸化物、金属含有漂白触媒、マクロ多環状剛性配位子の遷移金属錯体、その他の漂白触媒、予め形成された過酸、光漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される成分を含有させてもよい。
【0093】
漂白活性化剤:組成物中の過酸素漂白成分は、組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の濃度で存在する活性化剤(過酸前駆体)と配合され得る。好ましい活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4−ニトロベンゾイルカプロラクタム、3−クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、安息香酸フェニル(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C
10−OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C
8−OBS)、ペルヒドロ化性エステル及びこれらの混合物、あるいは、ベンゾイルカプロラクタム及びベンゾイルバレロラクタム、4−[N−(ノナオイル)アミノヘキサノイルオキシ]−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(NACA−OBS)(米国特許第5,523,434号参照)、ドデカノイルオキシ−ベンゼンスルホネート(LOBS又はC
12−OBS)、10−ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(10位に不飽和を有するUDOBS又はC
11−OBS)、及びデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。例えば四級置換漂白活性化剤などの好適な漂白活性化剤の非限定的な例は、米国特許第6,855,680号に記載されている。
【0094】
過酸化水素供給源:好適な例としては、過ホウ酸塩のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む無機過水和物塩類(通常一水和物若しくは四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。使用する場合、無機過水和物塩類は、典型的には、組成物の0.05重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%の量で存在する。
【0095】
有機過酸化物:目に見えるしみ形成又は膜形成を引き起こさないジアシル過酸化物が特に好ましい。1つの例は過酸化ジベンゾイルである。好適なその他の例は、Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology at 27〜90,v.17,John Wiley and Sons,(1982)に示されている。
【0096】
金属含有漂白触媒:好ましい漂白触媒としては、マンガン及びコバルト含有漂白触媒が挙げられる。他の金属含有漂白触媒としては、規定された漂白触媒活性の、銅、鉄、チタニウム、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなどの遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムカチオンなどのわずかな漂白触媒活性を有する補助的な金属カチオン、並びに触媒及び補助金属陽イオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩を含む触媒系が挙げられる。好適な触媒系は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0097】
マクロ多環状剛性配位子の遷移金属錯体:本明細書の流体洗剤組成物はまた、マクロ多環状剛性配位子の遷移金属錯体を含む漂白触媒を含んでもよい。使用する量は、好ましくは1ppb超過、より好ましくは0.001ppm以上、更により好ましくは0.05ppm〜500ppmである(「ppb」は10億分の1重量部、及び「ppm」は100万分の1重量を意味する)。
【0098】
その他の漂白触媒:有機漂白触媒及びカチオン性漂白触媒などのその他の漂白触媒は、流体洗剤組成物に適している。有機漂白触媒は、漂白促進剤と呼ばれる場合が多い。本明細書の流体洗剤組成物は、低温漂白を改善するために、1種以上の有機漂白触媒を含んでもよい。好ましい有機漂白触媒は、アリールイミニウム双極性イオンなどの双性イオン性漂白触媒である。好適な例としては、3−(3,4−ジヒドロイソキノリニウム)プロパンスルホン酸塩及び3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホオキシ)デシル]イソキノリニウムが挙げられる。好適なアリールイミニウム双極性イオンとしては、
【化15】
が挙げられる(式中、R
1は、9〜24個の炭素原子を含む分枝状のアルキル基、又は11〜24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基である)。
【0099】
好ましくは、各R
1は、9〜18個の炭素原子を含む分枝状のアルキル基、又は11〜18個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、より好ましくは、各R
1は、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル、及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される。有機漂白触媒の好適なその他の例は、米国特許第5,576,282号及び同第5,817,614号、欧州特許第923,636 B1号、国際公開第2001/16263 A1号、同第2000/42156 A1号、同第2007/001262 A1号に見出すことができる。
【0100】
カチオン性漂白触媒の好適な例は、米国特許第5,360,569号、同第5,442,066号、同第5,478,357号、同第5,370,826号、同第5,482,515号、同第5,550,256号、国際公開第95/13351号、同第95/13352号、及び同第95/13353号に記載されている。
【0101】
好ましい予め形成された過酸は、フタルイミド過酸化カプロン酸(PAP)である。他の好適な予め形成された過酸としては、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペルイミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。漂白剤含有流体洗濯洗剤などの組成物中に、予め形成された過酸は、組成物の0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは2重量%〜4重量%の濃度で存在し得る。あるいは、高濃度の過酸が存在してもよい。例えば、流体洗濯漂白添加物などの組成物は、10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%、より好ましくは15重量%〜25重量%の予め形成された過酸を含んでもよい。
【0102】
光学的増白剤
光学的増白剤は、繊維製品用の蛍光増白剤としても知られている。好ましい濃度は、流体洗剤組成物の0.001重量%〜1重量%である。好適な増白剤は、例えば、欧州特許第686691B号に開示されており、疎水性の種類のもの、並びに親水性の種類のものが挙げられる。一部の実施形態では、Brightener 49が特に好ましいものであり得る。
【0103】
色相染料
色相染料又は布地陰影付け染料は、流体洗剤組成物において有用な補助剤である。好適な染料としては、色相効果又は陰影効果を有する青色染料及び/又はバイオレット染料が挙げられる。本明細書の流体洗剤組成物は、0.00003重量%〜0.1重量%、好ましくは0.00008重量%〜0.05重量%、より好ましくは0.0001重量%〜0.04重量%の布地色相染料を含んでもよい。
【0104】
粒子状材料
流体洗剤組成物は、クレイ、抑泡剤、高反応性成分のカプセル、例えば、香料マイクロカプセルなどの香料、カプセル形態の漂白剤及び酵素などの粒子材料;若しくは真珠光沢剤などの審美的な補助成分、例えば、マイカ、顔料粒子等、又は同様のものを含有し得る。好適な濃度は、流体洗剤組成物の0.0001重量%〜5重量%、又は0.1重量%〜1重量%である。
【0105】
香料及び臭気抑制剤
好ましい実施形態では、流体洗剤組成物は香料を含む。存在する場合、香料は、典型的には、組成物0.001〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜3重量%の濃度で組み込まれる。香料は、香料マイクロカプセル及び/又は香料ナノカプセルを含み得る。他の実施形態において、流体洗剤組成物は、米国特許第5,942,217号に記載されている非錯体化型シクロデキストリンなどの悪臭制御剤を含む。
【0106】
ヒドロトロープ
流体洗剤組成物が水に相溶性であるように、流体洗剤組成物は、有効量、つまり最大15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、より好ましくは3重量%〜6重量%のヒドロトロープを任意に含む。本明細書における使用に適したヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0107】
試験方法
最小ゲル化濃度(MGC)
R.G.Weiss,P.Terech;「Molecular Gels:Materials with self−assembled fibrillar structures」2006 springer,p 243に基づいた管反転法(tube inversion method)によって、MGCを計算する。MGCを判定するために、スクリーニングを3回行う。
(a)1回目のスクリーニング:pH調整可能なジアミド系ゲル化剤濃度を、目標のpHにおいて、0.5重量%〜5.0重量%まで0.5重量%ずつ段階的に増加させて、数個のバイアルを準備する。
(b)どの区間でゲルが形成されるか判定する(ある転化したサンプルは依然として流動しており、次のサンプルは既に堅いゲルである)。5%でゲルが形成されない場合は、より高濃度を用いる。
(c)2回目のスクリーニング:1回目のスクリーニングで判定された間隔内でpH調整可能なジアミド系ゲル化剤濃度を0.1重量%ずつ段階的に増加させて、数個のバイアルを準備する。
(d)どの区間でゲルが形成されるか判定する(ある転化したサンプルは依然として流動しており、次のサンプルは既に堅いゲルである)。
(e)3回目のスクリーニング:非常に正確なパーセンテージのMGCを得るために、2回目のスクリーニングで判定された間隔内で0.025重量%ずつ段階的に増加させて、目標pHで3回目のスクリーニングを実施する。
(f)最小ゲル化濃度(MGC)は、3回目のスクリーニングでゲルを形成する(転化サンプルの流動がない)最も低い濃度である。
【0108】
各スクリーニングの際、サンプルは次の通りに調製し及び処理する:8mLバイアル瓶(テフロン製の蓋を取り付けたBorosilacateガラスバイアル瓶、製品番号B7857D,Fisher Scientific Bioblock)に、MGCの測定が望まれる2.0000±0.0005g(KERN ALJ 120−4:±0.1mgの精度の化学天秤)の賦形剤を充填する。バイアルをスクリューキャップで密封し、固形分を液体に分散させるために超音波槽(Elma Transsonic T 710 DH、40kHz、9.5L、25℃、100%の出力で動作される)の中に10分間置く。次に、バイアルをヒートガン(Bosch PHG−2)を使用して加熱し、ゆっくりと機械的に撹拌することによって、完全に溶解させる。完全に透明な溶液を観察すること重要である。バイアルを注意深く取り扱う。バイアルは高温に耐えるように製造されているが、高圧溶媒はバイアルを破裂させる可能性がある。バイアルを恒温槽(コントローラCC2を備えた適合性のある制御用サーモスタット、D77656、Huber)の中で10分間、25℃まで冷却する。バイアルを反転させ、1分間反転させたまま放置した後、どのサンプルが流動していないかを観察する。3回目のスクリーニング後、この時間の後に流動していないサンプルの濃度がMGCである。当業者にとって、加熱中に溶媒蒸気が形成され、サンプルを冷却する際にこれらの蒸気がゲルの上部に凝縮する可能性があることは明白である。バイアルを反転させるとき、この凝縮した蒸気が流れることになる。観察期間中、これを考慮に入れない。濃度間隔の間にゲルが得られない場合は、より高い濃度を評価する必要がある。
【0109】
液体洗剤組成物のpH測定
試験法EN 1262により、マイクロカプセル組成物又は液体洗剤組成物のpH値を測定した。
【実施例】
【0110】
次のマイクロカプセル組成物を100グラム調製し、100mLの段階目盛り付き密閉容器中で40℃で2週間保管して、海外輸送時の条件を再現した。
【0111】
【表2】
*総マイクロカプセル組成物重量に基づく重量%
14%水添硬化ヒマシ油含有プレミックスとして添加
210% N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビ
ス(アザンジイ
ル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイ
ル)ジイイソニコチンアミド含有プレミックスとして添加
【0112】
この時点の後、分離相の量を計量し、次式を用い、相分離率として表した。
【数1】
総量(mL)は100mLであり(100mL容器の段階目盛りをもとに計量)、下相の量(mL)は、相分離したマイクロカプセル組成物の量である(通常、カプセル化剤は上部にクリーム様に分離し、水相は下側に残される)。
【0113】
【表3】
【0114】
したがって、pH調製することのできるジアミド系ゲル化剤をマイクロカプセル組成物に含有させた場合に、ロバストで安定なマイクロカプセル組成物が形成され、長期にわたり高温下で輸送され得ることは明らかである。
【0115】
本明細書で用いる百分率、比率、及び割合は全て、特に断らない限りは組成物の重量%である。平均値は全て、特に明確に断らない限りは、組成物又はその成分の「重量」に基づいて計算したものである。
【0116】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0117】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0118】
特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。