【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、環境省、地球温暖化対策技術開発事業 委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る待機電力遮断装置を使用する際の構成を示す図である。電気機器101と電源103との間に待機電力遮断装置102が配置されている。電気機器101は、電力を取得するための、コンセントの差込プラグを有している。待機電力遮断装置102は、コンセントを有しており、このコンセントに電気機器101の差込プラグが差し込まれている。また、待機電力遮断装置102は、電力を取得するための、コンセントの差込プラグを有している。電源103は、コンセントを有しており、このコンセントに待機電力遮断装置102の差込プラグが差し込まれている。このように、電気機器101と待機電力遮断装置102と、電源103と、が接続されることにより、電源103から待機電力遮断装置102に電力が供給され、電源103から電気機器101に待機電力遮断装置102を介して電力が供給されるようになっている。
【0022】
本発明では、このような構成において、電気機器101が電力を消費しているとき、自動的に待機電力量を導出し、電気機器101が無駄に電力を消費していると判断した場合には、電源103から電気機器101への電力の供給を遮断する方法、プログラム、装置などを提供する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る待機電力遮断装置の構成を示す図である。待機電力遮断装置102は、電力入力部201、電力出力部202と、測定部203と、電力遮断部204と、待機電力判断部205と、を有する。
【0024】
電力入力部201は、商用電源やポータプル電源などの外部の電源103のコンセントに差し込める差込プラグを有しており、これらの外部の電源103とのインタフェースになる。電力入力部201は、この差込プラグが外部の電源103のコンセントに差し込まれたときに、つまり、外部の電源103と接続したときに、この差込プラグを介して外部の電源103から電力を取得する。
【0025】
電力出力部202は、外部の電気機器101の差込プラグが差し込めるコンセントを有しており、外部の電気機器101とのインタフェースになる。電力出力部202は、このコンセントに外部の電気機器101の差込プラグが差し込まれたときに、つまり、外部の電気機器101と接続したときに、このコンセントを介して外部の機器に電力を供給する。
【0026】
待機電力遮断装置102を作動させる電力は、電力入力部201が取得した電力でもよいし、別途、バッテリーなどを用意し、これらから供給されるようにしてもよい。待機電力遮断装置102を作動させる電力が、電力入力部201が取得した電力から供給される場合、電力出力部202から外部の電気機器101に供給される電力は、電力入力部201が外部の電源103から取得した電力の一部である。一方、待機電力遮断装置102を作動させる電力が、バッテリーなどから供給されるときは、電力入力部201が外部の電源103から取得した電力が、そのまま電力出力部202から外部の電気機器101に供給される。
【0027】
測定部203は、電力
量測定部206と、測定結果管理部207と、を有して構成される。電力
量測定部206は、外部の電源103と接続した電力入力部201から、外部の電気機器101と接続した電力出力部202に流れる電流の量から電力量を測定する。つまり、電力
量測定部206は、外部の電源103から外部の電気機器101に供給される電力量を測定する。電力
量測定部206は、電力量を測定できれば良く、内部構成としてはいろいろと考えられる。例えば、ハードウェアである電気回路により電流量を測定し、この測定した結果をソフトウェアにより算出し数値化するように構成されている、一般的な電力
量測定装置と同様の内部構成にしてもよい。電力
量測定部206は、測定した電力量、つまり、外部の電気機器101の電力使用量を数値化し、測定結果管理部207に書き込む。つまり、使用電力量を測定結果管理部207に書き込むインタフェースを有する。測定結果管理部207は、電力
量測定部206により測定され、数値化された、外部の電気機器101の電力使用量を保存する。また、測定結果管理部207は、待機電力判断部205からの要求があったときは、その要求に基づき、保存されている電力使用量を読み出し、待機電力判断部205を渡す。つまり、測定結果管理部207は、電力使用量を保存するメモリ領域を有しており、このメモリ領域に電力使用量を書き込むためのインタフェースと、このメモリ領域に保存された電力使用量を読み出すインタフェースと、を有する。電力使用量を書き込むためのインタフェースは、電力測定部207と待機電力判断部205により使用され、電力使用量を読み出すためのインタフェースは、待機電力判断部205により使用される。
【0028】
電力遮断部204は、電力入力部201と電力出力部202との間に配置され、待機電力判断部205から指示を受けたときには、その指示に従い、電力入力部201から電力出力部202に流れる電力を遮断する。つまり、電力遮断部204は、待機電力判断部205から電力を遮断する要求を受けたときに、外部の電源103から外部の電気機器101への電力の供給を遮断する。電力遮断部204は、例えば、回路の開閉を行うスイッチなどのハードウェアと、そのハードウェアの動作を制御するソフトウェアと、を組み合わせることにより構成してもよい。また、
図2では、電力遮断部204は、電力量を測定する点と電力入力部201との間に配置しているが、電力入力部201から電力出力部202に流れる電力を遮断できるのであればどこに配置してもよい。
【0029】
待機電力判断部205は、待機電力算出部208と、待機電力判定部209と、を有して構成される。待機電力算出部208は、測定結果管理部207から電力使用量を取得し、その取得した電力使用量の値から待機電力量を計算し導出する。待機電力量を算出する方法は、いろいろと考えられるが、例えば、下記で詳述する3つの方法を用いる。下記で詳述するように、待機電力量を導出する際に、1つの方法のみを用いて導出してもよいし、複数の方法を組み合わせて導出するようにしてもよい。また、待機電力算出部208は、導出した待機電力量を保存する機能も有する。待機電力判定部209は、待機電力算出部208により導出された待機電力量に基づき、待機電力
量閾値を設定する。そして、待機電力判定部は、測定結果管理部207から電力使用量を取得し、この設定した待機電力
量閾値とこの取得した電力使用量とを比較する。比較の結果、電力使用量が待機電力
量閾値より低い場合には、待機電力判定部208は、電力出力部202に接続された外部の電気機器101、つまり、測定部203により電力使用量が測定された外部の機器101は、待機電力を使用中であると判定する。そして、待機電力判定部208は、外部の電気機器101が待機電力を使用中であり、その待機電力が無駄であると判定した場合に、電力遮断部204に、電力の供給を遮断する要求である待機電力遮断命令を行う。電気機器101が消費している待機電力が無駄であるのかを判定する方法はいろいろと考えられる。例えば、下記で詳述するように、電気機器101が長時間連続して待機電力を使用している場合などでは、その待機電力は無駄であると判断するようにしてもよい。
【0030】
このような構成にすることにより、あらかじめ待機電力
量を設定することなく、電気機器の使用する待機電力
量を自動的に導出することが可能になる。また、電気機器が待機電力を使用中であるのかを自動的に判断できる。また、電気機器が使用している待機電力が無駄な電力であるのかも自動的に判断できる。待機電力は、リモコン操作に備えるなどのために使用される電力であり、すべての待機電力が無駄なわけではない。例えば、短時間の間に頻繁に電気機器の起動、終了が行われるような場合は、主電源を使用して、起動、終了を行うより、待機電力を使用し、リモコン操作により起動、終了を行うようにしたときの方が省電力であることがある。起動するために使用される電力より、待機電力のほうが少なくて済む場合があるためである。しかし、長時間に渡ってリモコン操作がないようなときなどは、その間に消費された電力は無駄に消費された電力である。つまり、上記の構成のように、電気機器が使用している待機電力が無駄な電力であるのかを自動的に判断できるようにすることにより、電気機器が使用している待機電力が無駄な電力であるときのみ、電気機器への電力の供給を遮断することができる。よって、本発明により、あらかじめ待機電力
量を設定することなく、自動的に電気機器の消費する無駄な待機電力を低減することが可能になる。
【0031】
図1では、電気機器101と待機電力遮断装置102は別個の装置であるが、電気機器101が待機電力遮断装置102を内部に備えるようにしてもよい。このようにすることにより、電気機器101は、別個に待機電力遮断装置を用意しなくても、単体で上記の効果を得ることが可能になる。また、待機電力遮断装置102は、測定結果管理部207や待機電力算出部208、待機電力判定部209などは備えず、測定結果管理部207や待機電力算出部208、待機電力判定部209などをサーバ装置やパーソナルコンピュータなどの他の装置が備えるようにしてもよい。このようにすることにより、待機電力遮断装置102は、電力量の測定と、電力の供給の遮断が行えればよく、電力使用量の値の保存や、電力使用量から待機電力
量の算出などを行わなくてよくなる。このため、待機電力遮断装置102を製造するコストを抑えることが可能になる。また、測定結果管理部207や待機電力算出部208、待機電力判定部209などを備えない待機電力遮断装置102複数台を、測定結果管理部207や待機電力算出部208、待機電力判定部209などを備えたサーバ装置やパーソナルコンピュータなどの他の装置に接続することにより、コストを抑え、複数の電気機器に対して、上記のように、無駄な待機電力の消費の低減を行うことが可能になる。また、待機電力遮断装置102と電気機器101の間に、例えば、テーブルタップのように複数の電気機器101を接続することができるコンセントと、他の装置に差し込める差込プラグを備えた機器を配置するようにしてもよい。そして、この機器のコンセントに、複数の電気機器101の差込プラグを差し込み、この機器の差込プラグを待機電力遮断装置102のコンセントに差し込むことで、複数の電気機器101と待機電力遮断装置102とを接続することにより、上記のように、複数の電気機器101が使用する無駄な待機電力を低減することが可能になる。このとき、上記の構成では、待機電力遮断装置102は、接続された複数の電気機器101すべてが無駄な待機電力を使用しているときにのみ、電力の供給を遮断する。また、待機電力遮断装置102と電気機器101の間に、上記のように、テーブルタップのような機器を配置する代わりに、待機電力遮断装置102が複数の電力出力部202を備えるように、つまり、複数の電気機器とのインタフェースである複数のコンセントを備えるようにしてもよい。このようにし、複数の電気機器101を待機電力遮断装置102に接続することによっても、複数の電気機器101が使用する無駄な待機電力を低減することが可能になる。このとき、待機電力遮断装置102の上記の構成要素すべてが電力出力部202と同数あるようにしてもよいし、上記の構成要素の一部が電力出力部202と同数あるようにしてもよいし、上記の構成要素のうち電力出力部202のみが複数あるようにしてもよい。また、待機電力遮断装置102の上記の構成要素は、上記の機能を有するものであれば良く、それぞれの機能をハードウェアにより実現するようにしてもよいし、ソフトウェアにより実現するようにしてもよい。また、それぞれの機能を、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現するようにしてもよい。
【0032】
図3は、本実施形態に係る待機電力遮断装置における処理動作を示す図である。利用者は、上記のように、電気機器101の差込プラグを待機電力遮断装置102の電力出力部202のコンセントに差し込み、待機電力遮断装置102の電力入力部201の差込プラグを電源103のコンセントに差し込んだ状態で、電気機器101を使用する。このとき、待機電力遮断装置102は、
図3に示した図のように動作する。
【0033】
本実施形態では、待機電力遮断装置102は、電力入力部201から入力されて電力出力部202から出力される電流、電圧を継続して計測している。そして、電力
量測定部206は、所定の時間間隔で、その時間間隔の間に電力入力部201から入力されて電力出力部202から出力される電力量を算出する。つまり、電力
量測定部206は、所定の時間間隔で、その時間間隔の間に、電力入力部201から入力されて電力出力部202から出力され、外部の電気機器により使用された電力である、電力使用量を算出する(S101)。電力
量測定部206は、この算出した電力使用量を測定結果管理部207に通知し、測定結果管理部207は、この通知された電力使用量を保存する(S102)。これにより、測定結果管理部207には、所定の時間間隔ごとの電力使用量が保存される。また、ここで、測定結果管理部207は、電力使用量の他に、別の情報も保存するようにしてもよい。例えば、上記の所定の時間間隔ごとの電力使用量だけでなく、例えば、1時間ごと、1日ごと、1週間ごと、1ヵ月ごと、1年ごとの電力使用量を保存するようにしてもよい。また、待機電力遮断装置102に複数の電気機器が接続されており、接続された電気機器それぞれの電力使用量を測定できるときは、電気機器ごとの電気使用量を集計して保存するようにしてもよい。保存する情報の集計する単位には、上記のように、時間や電気機器などの他にもいろいろと考えられ、それらについて集計した情報を保存するようにしてもよい。このように、様々な単位で集計し、保存することで、それらの情報を使い、電力の使用方法解析することなどが可能になる。
【0034】
そして、待機電力算出部208は、測定結果管理部207により保存された電力使用量を測定結果管理部207から読み出し、この読み出した電力使用量に基づき、待機電力量を導出する(S103)。この処理動作では、待機電力算出部208は、測定結果管理部207に電力使用量が保存されるごとに待機電力量の導出を行うことにしているが、異なる契機で待機電力量導出の実施を行うようにしてもよい。例えば、待機電力遮断装置102に、待機電力量を導出する時間間隔を設定しておくようにし、待機電力算出部208は、この設定された時間間隔で待機電力の導出を行うようにしてもよい。待機電力量を導出する方法は、いろいろと考えられるが、例えば、下記で詳述する3つの方法を用いるとよい。
【0035】
そして、待機電力判定部209は、この待機電力算出部208により導出された待機電力量に基づいて、待機電力
量閾値を算出し、設定する(S104)。待機電力
量閾値として、待機電力算出部208により算出された待機電力量をそのまま設定してもよいが、この待機電力量を基づいて導出した異なる値を設定してもよい。通常、電力量は一定値を取らず、ある程度の範囲で上下する。つまり、待機電力を供給する際も、電力量も一定値ではなく、ある程度の範囲で上下している。よって、待機電力算出部208で導出された待機電力量が、電力量が小さい時間帯において導出された場合には、実際の待機中に使用する電力量よりも小さい値を待機電力量の閾値としてしまう。すると、実際には待機電力を使用中であるにもかかわらず、この閾値よりも測定した電力量が大きくなってしまうため、待機電力使用中ではないと判断されることがある。このため、待機電力を判定するときの閾値として待機電力
量閾値を設定する際は、待機電力算出部208により導出された待機電力量をそのまま用いるのではなく、例えば、この待機電力量に所定の値を乗算することや加算するようにしてもよい。また、下記で詳述するように、待機電力量を導出する方法それぞれで、その方法に適した方法で待機電力
量閾値を算出するようにしてもよい。
【0036】
待機電力判定部209は、測定結果管理部20
7から電力使用量を取得し、設定した待機電力
量閾値とこの取得した電力使用量を比較する。待機電力判定部209は、電力使用量が待機電力
量閾値より小さいときに、接続された電気機器101が待機電力を使用中であると判定する。待機電力判定部210は、接続された電気機器101が待機電力を使用中であると判定したときには、さらに、この待機電力が無駄な待機電力であるのかを判定する(S105)。この処理動作では、所定の時間間隔ごとに、電力使用量の測定が行われ、その電力使用量に基づき、電気機器101が待機電力を使用中であるのかを行っている。そこで、例えば、電気機器101が待機電力を使用中であるという判定が所定の回数続いたときに、その待機電力は無駄であると判定するようにしてもよい。このようにすると、例えば、上記の所定の回数を2回にし、電力使用量を測定する時間間隔を1時間にしたときは、2時間待機電力の使用が続いたときに、その待機電力は無駄であると判定される。つまり、このようにすることにより、長時間の間、待機電力が使用されているときには、その待機電力は無駄であると判定できる。また、電力遮断してよい電気機器かを設定できるようにしてもよい。
【0037】
待機電力判定部209は、使用中の待機電力が無駄であると判定したときに、電力遮断部203に電力の供給を遮断する要求を通知し、電力遮断部203は、この電力の供給を遮断する要求を受けたときに、電力入力部201から電力出力部202に流れる電力を遮断する(S106)。これにより、待機電力が無駄な電力であるときに、電気機器への電力の供給を遮断することができる。
【0038】
よって、上記の処理動作により、あらかじめ待機電力を設定することなく、自動的に電気機器の消費する無駄な待機電力を低減することが可能になる。また、上記の処理動作において、電力
量測定部206が電力使用量を算出する時間間隔、つまり、上記の所定の時間間隔は、例えば、5分にしてもよいし、1時間にしてもよいし、12時間、24時間など、どのような時間間隔にしてもよい。なお、この所定の時間間隔は、電気機器に合わせて決定するようにしてもよい。また、この所定の時間間隔を電気機器に合わせて設定できるようにしてもよい。どのくらいの時間連続して待機電力の使用が続いたら無駄な待機電力であると判断するかは、電気機器の種類により変わってくる。このため、所定の時間間隔を電気機器に合わせることにより、電気機器の消費する無駄な待機電力をより確実に低減することが可能になる。このように、電力使用量を算出する時間間隔を変更できるようにしたときは、比較する電力使用量と待機電力
量閾値の選択に気を付けなくてはならない。例えば、待機電力
量閾値が1時間間隔の電力使用量の測定値を用いて設定されており、電力使用量が5分間隔で算出されているときは、待機電力
量閾値を1/12倍してから比較するか、電力使用量を12倍してから比較する必要がある。
【0039】
待機電力量を導出する方法は、いろいろと考えられる。待機電力量を導出する方法として、例えば、以下で詳述する電力使用量の最大値と最小値を用いる最小値最大値方式、統計分析を用いる統計方式、電源のON/OFFの情報を用いる電源連動方式を用いることで正確な待機電力量を導出できる。
【0040】
まず、最小値最大値方式を、
図4を参照しながら説明する。最小値最大値方式は、電力使用量の最大値と最小値を用いる方法である。上記のように、所定の時間間隔により算出された電力使用量が、測定結果管理部207に保存されたのを契機に、この算出された電力使用量と、これまでの電力使用量のうちの最大値と最小値と、を比較することにより待機電力量を導出する。以下では、電力使用量の最大値と最小値は、測定結果管理部207で保存するが、待機電力算出部208が保存してもよいし、他の部分が保存してもよい。例えば、初期に保存する電力使用量の最小値は、待機電力量と想定される値よりは大きい値を選ぶようにしてもよい。また、例えば、初期に保存する電力使用量の最大値は、電力使用量の最小値よりも大きい値を選ぶようにしてもよい。
【0041】
主電源が切られるか、コンセントから差込プラグが抜かれるか、電子機器に故障が発生するか、などすると電力量がゼロ値になり、待機電力が電気機器に供給されない。このため、待機電力量を導出するためには、電力量がゼロ値でないときに算出された電力使用量を用いる必要がある。そのためには、まず、ゼロ値でない電力使用量を用いる必要がある。また、電力
量測定部206は、所定の時間間隔により電力使用量を算出している。このため、この所定の時間間隔の間に、主電源が切られるかなどして、
図7に示すように、電力量がゼロ値になることがあっても、算出される電力使用量はゼロ値にはならない。また、逆に、所定の時間間隔の間に、主電源が入れられるかなどして、電力量がゼロ値からゼロ以外の値に変化したときも、算出される電力使用量はゼロ値にはならない。このため、電力使用量がゼロ値と測定されたときの前後に測定された電力使用量は、電力使用量がゼロ値でなくても、測定された時間の間に電力量がゼロ値になった時間が存在する可能性が高い。そこで、本発明の最小値最大値方式では、前後に測定された電力使用量がゼロ値でない電力使用量を用いて待機電力量を導出することにする。
【0042】
そこで、まず、待機電力算出部208は、測定結果管理部207から直近3回分の電力使用量を取得する(S201)。ここで、今回(X回目)算出された電力使用量をA、前回(X−1回目)算出された電力使用量をB、前々回(X−2回目)算出された電力使用量をCとする。そして、待機電力算出部208は、A、B、Cがゼロ値であるのかを判定する(S202)。A、B、Cのいずれかがゼロ値であったときは(S202、No)、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最小値を待機電力量とする(S203)。このようにすることにより、待機電力が使用されていないときの電力使用量を、待機電力量の導出する際に使用することを避けることができる。また、これまで測定された電力使用量のうちの最小値を待機電力量とする。
【0043】
そして、A、B、Cのいずれもがゼロ値でなかったときは(S202、Yes)、待機電力算出部208は、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最小値と、前回(X−1回目)算出された電力使用量であるBとを比較する(S204)。このようにすることにより、待機電力が使用されていないときの電力使用量を、待機電力量の導出する際に使用することを避けることができる。
【0044】
そして、Bが電力使用量の最小値より小さいときは(S204、Yes)、待機電力算出部208は、Bをあらたに電力使用量の最小値として測定結果管理部207に保存する(S205)。そして、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最小値を待機電力量とする(S203)。このようにすることにより、測定結果管理部207には、これまで測定された電力使用量のうちの最小値が保存される。また、これまで測定された電力使用量のうちの最小値を待機電力量とする。
【0045】
Bが最大値より大きいときは(S204、No)、待機電力算出部208は、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最大値とBとを比較する(S206)。Bが最大値より大きいときは(S206、Yes)、Bをあらたに最大値として測定結果管理部207に保存する(S207)。そして、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最小値を待機電力量とする(S203)。このようにすることにより、測定結果管理部207には、これまで測定された電力使用量のうちの最大値が保存される。また、これまで測定された電力使用量のうちの最小値を待機電力量とする。
【0046】
最小値最大値方式では、待機電力
量閾値を設定する際に、電力使用量の最小値と最大値を使用する。例えば、上記のステップS203の後に、待機電力算出部208は、測定結果管理部207に保存されている電力使用量の最大値と最小値の差Dを算出する。例えば、この差Dの1/10を補助値Eとして、この補助値Eを電力使用量の最小値に加えた値を待機電力
量閾値としてもよい。ここで、補助値Eを求める際に差Dに乗算する値は1/10に限るものではない。また、差Dに所定の係数Fを乗算することにより補助値Eを求めるようにしてもよい。このように最小値最大値方式を用いることにより、あらかじめ待機電力量を設定しなくても待機電力量を求めることができる。また、実際に測定された電力使用量に基づいて、待機電力
量閾値を設定することが可能になる。
【0047】
次に、統計方式を、
図5を参照しながら説明する。統計方式は、電力使用量の頻度分布を用いて待機電力量を導出する方法である。統計分析を行う契機は、測定結果管理部207に電力使用
量が保存される(上記のステップS102)のを契機に実施してもよいが、1時間に1度のように時間で設定をしてもよい。
【0048】
統計方式を用いる場合は、通常の電力使用量測定による測定値のほかに分析に必要となる情報や分析結果を測定結果管理部207に保存する必要がある。前回までに分析した電力使用量以降に保存された電力使用量を取得する(S301)。取得した電力使用量を、規定した一定の幅ごとに集計し(S302)、頻度を求める(S303)。本実施形態では頻度分布を求める契機を周期ごととしているが、測定結果管理部207に電力使用量が保存される(上記のステップS102)際に実施するなどとしてもよい。また集計の幅は、電力使用量の最大値から導出してもよいし、固定の値をしてもよく、特に限定をしない。
【0049】
図8は、電力使用量ごとの頻度をまとめて分析を行ったものである。一定期間以上電力使用量を収集すると、待機電力を消費している電気機器はピーク801のように電力使用量の低い箇所にピークができる。このピーク801の最頻値802をもとに待機電力量を算出し、ピーク801の上限値を待機電力
量閾値として設定する。
【0050】
ステップS503のあと、ピーク801の最頻値802(待機電力量)求め、ピーク801の幅を導出する(S304)。分析方法としては、頻度の変化量(
図8のグラフの傾き)を求めその値が、プラスからマイナスへ変化する変化点がピークの頂点となり最頻値の候補値となる。
図8では、ピークが3箇所(ピーク801、ピーク803、ピーク804)あるが、ピーク内に変化点は1箇所ずつしか存在しないため、最頻値の候補は一点であるが、複数ある場合は候補値を保存しその中でもっとも頻度が多い電力使用量を待機電力量とする。また、最頻値の候補値のなかで、もっとも電力使用量が低い値を待機電力量としてもよい。変化量は、ピーク801の範囲で最頻値802を挟んで上側がマイナス、下側がプラスとなっている。
【0051】
ピークの幅を求める際は変化量が、下側がマイナスから上側がプラスへ変化した点の2点間をとる。ピーク幅は最頻値を挟む
図8では、1番低い点(ピーク801の下限)と2番目に低い点(ピーク801の上限)の間をピーク幅とする。ただし、1番低い点(ピーク801の下限)は変化点(変化量が、下側がマイナスから上側がプラスへ変わるところ)とならない場合がある。このため、ピーク幅の上限を、最頻値802より電力使用量が大きな変化点で最も最頻値に近い値としてもよい。
【0052】
統計方式では、
図3の待機電力
量閾値設定305の処理で、ピーク幅の上限値を待機電力
量閾値として使用する。
【0053】
以上のようにすることにより、あらかじめ待機電力量を設定しなくても待機電力量を求めることができる。また、実際に測定された電力使用量に基づいて、待機電力
量閾値を設定することが可能になる。
【0054】
次に、電源連動方式を、
図6を参照しながら説明する。電源連動方式は、接続している電気機器の性質を考慮して待機電力量を導出する方法である。上記のように、所定の時間間隔により算出された電力使用量が、測定結果管理部207に保存されたのを契機に、待機電力量の導出を行う。コンセントに差込プラグを差し込んだ直後や、主電源を入れた直後は電気機器をすぐに使用しない場合があるため、このことを用いて待機電力量を導出する。また、待機状態である期間が長くなったため、使用者によって電気機器の主電源が切られる場合があるため、このことを用いて待機電力量を導出する。さらに、上記のように、所定の時間間隔により算出された電力使用量が、測定結果管理部207に保存されたのを契機に、待機電力量の導出を行う。
【0055】
待機電力算出部208は、今回(T回目)算出され、測定結果管理部207に保存された電力使用量を取得し、この電力使用量がゼロ値であるのかを判定する(S401)。この電力使用量がゼロ値である場合は(S401、Yes)、前回(T−1回目)算出された電力使用量を取得し、この電力使用量がゼロ値であるのかを判定する(S402)。この電力使用量がゼロ値でない場合は(S402、Yes)、前々回(T−2回目)算出された電力使用量と前々回の前の回(T−3回目)に算出された電力使用量を取得する(S403)。今回(T回目)算出された電力使用量がゼロ値であり、前回(T−1回目)算出された電力使用量でゼロ値でないときは、前回(T−1回目)の測定と前々回(T−2回目)の間に、主電源などが切られるなどしたことになる。このため、前回(T−1回目)の測定には、最小値最大値方式のところで詳述したように、電力量がゼロ値になったときの測定値が含まれる。つまり、前回(T−1回目)の電力使用量は待機電力を導出するのに使用することは好ましくない。そこで、T−2回目とT−3回目に算出された電力使用量も取得し、このT−2回目とT−3回目に算出された電力使用量を用いて待機電力を導出することにする。
【0056】
T−2回目とT−3回目の電力使用量が同値か、T−2回目のT−3回目の電力使用量のうち高い方の値が低い方の値がN倍以下であるときに(S404、Yes)、T−2回目のT−3回目の電力使用量の平均値を待機電力量とする(S405)。ここで、Nは所定の値であり、例えば、1.1にしてもよい。
【0057】
上記において、T−1回目からT−x回目(xは1より大きい整数)まで連続してゼロ値であり、T−(x+1)回目がゼロ値でなかったときは、T−(x+2)回目とT−(x+3)回目の電力使用量を用いて待機電力量を導出するようにしてもよい。また、上記のステップS404において、T−2回目のT−3回目の電力使用量のうち高い方の値が低い方の値がN倍以下にならなかったときは、さらに前のT−4回目の電力使用量を取得し、T−3回目のT−4回目の電力使用量のうち高い方の値が低い方の値がN倍以下になるのかを判断し、このT−3回目とT−4回目に算出された電力使用量を用いて待機電力
量を導出するようにしてもよい。また、ステップS403で、T−2、T−3回目の電力使用量に加え、T−4回目の電力使用量も取得するようにし、T−2、T−3、T−4回目の3つの電力使用量を用いて待機電力量を導出するようにしてもよい。このときは、T−2、T−3、T−4回目それぞれがT−2、T−3、T−4回目のうちの最小値のN倍以下であるのかにより待機電力量を導出するのに使用できるのかを判定する。さらに前の回の電力使用量を取得するなどし、使うデータ量を増やすことで、導出される待機電力量の精度を上げることが可能になるが、計算量と精度のトレードオフがあるため、適切な回数のデータを使用するようにするのがよい。所定の値Nの大きさは、電気機器に合わせて適切な値に設定するようにしてもよいし、任意の値であってもよい。
【0058】
待機電力
量閾値として、上記で待機電力量を求める際に用いた電力使用量のうちの最小の値を設定してもよいし、その最小の値に、適切な値を乗算して得られた値でもよい。ここで、乗算する値として、例えば、1.1を用いてもよい。
【0059】
以上のようにすることにより、あらかじめ待機電力量を設定しなくても待機電力量を求めることができる。また、実際に測定された電力使用量に基づいて、待機電力
量閾値を設定することが可能になる。
【0060】
これら、最小値最大値方式、統計方式、電源連動方式の3つの方法それぞれにより、待機電力量を導出してもよいが、3つの方法を組み合わせることにより精度の高い待機電力量を導出することが可能になる。このとき、3つの方法すべてを組み合わせるようにしてもよいし、3つのうちで2つの方法を組み合わせるようにしてもよい。
【0061】
図1では、待機電力遮断装置102には、1台の電気機器101しか接続されていないが、
図9に示すように、テーブルタップなどの複数のコンセントを有した機器を介して、複数の電気機器101を接続するようにしてもよい。このとき、接続された複数の電気機器101すべてが待機電力を使用しているときに、本願発明により電力の供給が遮断される。複数の電気機器が接続されているときにでも、複数の電気機器すべてが待機電力を使用しているときは、電力使用量が一定の範囲におさまるので、上記の方法で待機電力量を導出することができる。このようにすることで、1台の待機電力遮断装置により複数の電気機器をまとめて管理することができ、複数の電気機器に対して無駄な待機電力を削減することができる。
【0062】
図10は、本発明の一実施形態に係る待機電力遮断システムの構成の一例を示す図である。また、
図11は、
図10に示した実施形態に係る待機電力遮断システムの待機電力遮断装置102の構成を示す図であり、
図12は、
図10に示した実施形態に係る待機電力遮断システムのセンターノード101の構成を示す図である。
【0063】
本実施形態に係る待機電力遮断システムは、
図10に示すように、センターノード1001と、複数の待機電力遮断装置1002と、それに接続した複数の電気機器102と複数の電源103とを有して構成される。
【0064】
図10に示した待機電力遮断装置1002は、
図11に示す構成をしており、
図2に示した待機遮断装置102と違い、待機電力判断部205と測定結果管理部207を備えていない。その代わりに、
図12に示すように、センターノード1001が待機電力判断部205と測定結果管理部207とを備えている。待機電力遮断装置1002は、
図2に示した待機電力遮断装置102と違い、
図11のように、無線通信部1101とアンテナ1102を備えており、電力
量測定部206により測定された電力使用量などを、この無線通信部1101からアンテナ1102を通してからセンターノード1001に送信する。そして、センターノード1001は、
図12に示すように、無線通信部1201とアンテナ1202とを備えており、待機電力遮断装置1002から送信された電力使用量などを、このアンテナ1202を通して無線通信部1201が受信し、測定結果管理部207に保存する。そして、上記のように、測定結果管理部207に電力使用量が保存されたことを契機に、上記に詳述した方法より、待機電力算出部208が待機電力量を導出し、待機電力判定部209がこの待機電力量に基づき、待機電力
量閾値を設定し、この待機電力
量閾値と電力使用量を比較することなどをし、無駄な待機電力が消費されているのかを判定する。つまり、
図12の測定結果管理部207に電力使用量が保存されてから、待機電力が無駄であるのかを判定するまでは、
図2の構成の待機電力遮断装置102で行われる処理動作と同じである。異なるのは、この処理動作が、電力使用量を測定した待機電力遮断装置1002において行われるではなく、センターノード1001において行われることである。
【0065】
図12の待機電力判定部209は、待機電力が無駄であると判定したときには、電力供給の遮断を要求する待機電力遮断命令を無線通信部1201に送信する。無線通信部1201は、待機電力遮断命令を受け取ると、この待機電力遮断命令を、アンテナ1202を経由して、指定の待機電力遮断装置1002、つまり、電力使用量を送信してきた待機電力遮断装置1002に送信する。
【0066】
センターノード1001から待機電力遮断命令を送信された待機電力遮断装置1002は、この待機電力遮断命令を、アンテナ1102を通して無線通信部1101により受信する。待機電力遮断命令を受信した無線通信部1101は、電力遮断部203に、電力の供給の遮断の要求を行う。電力の供給の遮断の要求を受けた電力遮断部203は、電力入力部201から電力出力部202に供給される電力を遮断する。このとき、待機電力遮断命令は、単に、電力の供給の遮断の要求のみを含むものでもよいし、電力の供給の遮断する時刻を指定する情報を含むものでもよい。
【0067】
このように、センターノード1001が情報を集約し、待機電力量の導出することにより、待機電力遮断装置1002は、電力量の測定と、電力の供給の遮断が実施できればよく、電力使用量の値の保存や、待機電力量の算出などを行わなくてすむ。このため、製造する際の部品点数を少なくすることができ、待機電力遮断装置102を製造にかかるコストを抑えることが可能になる。また、センターノード1001が測定結果を集めることで、システム導入場所における電力測定結果を把握できるし、表示画面等を用いることでその測定結果を使用者へ伝えることも可能になる。また、他の電気機器の待機電力量を参考にしながら、待機電力量の導出を行うことが可能になる。また、接続された複数の電気機器の関連性から、待機電力使用中であることの判断や、無駄な電力使用中であることの判断ができる。
【0068】
また、電気機器が電力
量測定部206の機能を具備している場合は、待機電力遮断装置102、1002は、家電機器から電力使用量を受信し、その値を電力使用量として上記のように待機電力量の算出と待機電力遮断を実施してもよい。
【0069】
図13は、本発明の一実施形態に係る待機電力遮断装置の構成の一例を示す図である。
図13に示す待機電力遮断装置1301は、複数の電気機器101が接続でき、接続された複数の電気機器それぞれに対して、待機電力量の導出、電力の供給の遮断ができるように、
図2に示す待機電力遮断装置102と違い、複数の電力出力部202と複数の電力遮断部203と複数の電力
量測定部206とを備える。このとき、待機電力遮断装置1301の外観は、例えば、
図14に示すように、複数の電気機器101の差込プラグが差し込めるように、テーブルタップなどのように複数のコンセントを備えるようにしてもよい。また、この構成のとき、測定結果管理部207は、接続された複数の電気機器それぞれの電力使用量を分類して保存する。電力算出部208は、接続された複数の電気機器それぞれに対する待機電力量を導出し、待機電力判定部209は、複数の電気機器それぞれが待機電力を使用中か、無駄な待機電力を使用中か、を判定する。そして、無駄な待機電力を消費している電気機器への電力供給の遮断を行う電力遮断部203に電力供給の遮断を要求する。
【0070】
このような構成にすることにより、接続された複数の電気機器101それぞれに対して、待機電力量の導出ができる。また、接続された複数の電気機器101それぞれに対して、待機電力を使用中であるのかを判定することができる。また、接続された複数の電気機器101それぞれに対して、無駄な待機電力を消費しているのかを判定することができる。そして、無駄な待機電力を消費している電気機器のみ、電力の供給を遮断することができる。よって、より確実に無駄な待機電力の消費を削減することができる。
【0071】
なお、待機電力遮断装置1301は、測定結果管理部209など、他の部分も電力出力部202と同じ数だけ備えるようにしてもよい。また、待機電力遮断装置1301は、待機電力遮断装置102同様に、接続された電源103から、自身が作動するための電力を取得してもよいし、別個に電源を用意し電力を取得してもよいし、独自にバッテリーなどの電源を備えるようにしてもよい。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態に係る待機電力遮断装置を備えた電気機器の構成を示す図である。このように、電気機器1501が待機電力遮断装置102を内蔵するようにすることにより、無駄な待機電力を自動的に遮断できる。また、利用者が電気機器を待機電力遮断装置に接続する手間を省くことができる。また、待機電力遮断装置を設置スペースが必要なくなる。また、利用者に待機電力遮断装置を意識させずに済む。また、省エネルギー性を向上させることができる。また、待機電力遮断装置102の機能部分を電気機器に組み込んでもよい。
【0073】
図15の構成のときに、例えば、電気機器機能部1502が待機電力を使用中であると待機電力遮断装置102が判断したときに、利用者に待機電力を使用中であることを表示する表示部を備えるとよい。表示部としては、例えば、LEDなどでもよく、待機電力を使用中であるときは点灯するようにするなどしてもよい。このようにすることにより、電気機器1501が待機電力を使用中であることを利用者に知らせることができる。また、待機電力を使用中であることを知った利用者が待機電力の供給を遮断できる手段を備えるようにしてもよい。
【0074】
また、上記では、待機中に使用されるエネルギーの一例として、電力を例に実施形態を示したが、待機中に使用されるエネルギーとしては、電力に限るものではない。ガソリンや気体燃料などのエネルギーを待機中に使用する機器に対しては、電力を測定する代わりに、そのエネルギーを測定する手段を備えるようにすれば、上記と同様の方法により、待機中のエネルギー使用量を導出することが可能になる。よって、上記の方法を適用することにより、待機中にガソリンや気体燃料などの他のエネルギーが無駄に消費されるのを防ぐことが可能になる。また、エネルギー以外にも、待機中に無駄に消費されるものがある場合には、その無駄に消費されるものに対しても上記の方法を適用することが可能である。
【0075】
上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能であり、実行してもよい。
【0076】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0077】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録してもよい。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)してもよい。
【0078】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供してもよい。
【0079】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築してもよい。
【0081】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築してもよい。
【0082】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0083】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記待機電力判断部からの要求により、前記電力入力部から前記電力出力部への電力の供給を遮断する電力遮断部を有し、前記待機電力判断部は、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であると判定したときに、前記電力遮断部に前記電力入力部から前記電力出力部への電力供給の遮断を要求するようにしてもよい。
【0084】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記測定部は、前記電力入力部から前記電力出力部に供給される電力量を所定の時間間隔で測定する電力測定部と、前記電力測定部により前記所定の時間間隔で測定された電力量を保存する測定結果管理部と、を有し、待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量を統計分析することにより、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記電力測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0085】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量の最小値を算出し、当該最小値に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記電力測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0086】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量の最小値と最大値を算出し、当該最小値と当該最大値に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記電力測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存されたゼロ値でない電力量のうち、前後に測定された電力量もゼロ値でない電力量に基づき、前記最小値を算出するようにしてもよい。
【0088】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存されたゼロ値でない電力量のうち、ゼロ値が測定される2回前に測定された電力量と3回前に測定された電力量に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記電力測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0089】
また、本発明における待機電力遮断装置は、前記電力出力部は、前記電力入力部から供給された電力を接続された外部の電気機器に供給するようにしてもよい。
【0090】
また、本発明における待機電力遮断装置は、複数の前記電力出力部と複数の前記電力測定部と複数の前記電力遮断部とを有し、前記電力入力部は、前記複数の電力出力部それぞれに電力を供給し、前記複数の電力測定部は、前記電力入力部から前記複数の電力出力部それぞれに供給される電力を測定し、前記複数の電力遮断部は、前記待機電力判断部からの要求により、前記電力入力部から前記複数の電力出力部それぞれへの電力の供給を遮断するようにしてもよい。
【0091】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記センターノードの前記待機電力判断部は、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であると判定したときに、前記電力遮断部に前記電力入力部から前記電力出力部への電力の供給を遮断する要求を前記第2の通信部に通知し、前記センターノードの第2の通信部は、前記待機電力判断部から通知された要求を前記待機電力遮断装置に送信し、前記待機電力遮断装置は、前記第1の通信部からの要求により、前記電力入力部から前記電力出力部への電力の供給を遮断する電力遮断部を有し、前記待機電力遮断装置の第1の通信部は、前記センターノードから送信された前記要求を受信し、当該受信した要求に基づき、前記電力遮断部に、前記電力入力部から前記電力出力部への電力供給の遮断を要求するようにしてもよい。
【0092】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記待機電力遮断装置の前記測定部は、前記電力入力部から前記電力出力部に供給される電力量を所定の時間間隔で測定し、前記センターノードは、前記第2の通信部により受信された電力量を保存する測定結果管理部を有し、前記センターノードの前記待機電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量を統計分析することにより、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0093】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記センターノードの前記電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量の最小値を算出し、当該最小値に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0094】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記センターノードの前記電力判断部は、前記測定結果管理部により保存された電力量の最小値と最大値を算出し、当該最小値と当該最大値に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0095】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記センターノードの前記電力判断部は、前記測定結果管理部により保存されたゼロ値でない電力量のうち、前後に測定された電力量もゼロ値でない電力量に基づき、前記最小値を算出するようにしてもよい。
【0096】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記センターノードの前記電力判断部は、前記測定結果管理部により保存されたゼロ値でない電力量のうち、ゼロ値が測定される2回前に測定された電力量と3回前に測定された電力量に基づき、前記待機電力
量閾値を設定し、当該待機電力
量閾値に基づき、前記測定部により測定された電力量が待機電力量であるのかを判定するようにしてもよい。
【0097】
また、本発明における待機電力遮断システムは、前記待機電力遮断装置の前記電力出力部は、前記電力入力部から供給された電力を接続された外部の電気機器に供給するようにしてもよい。