(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(導電性接着剤)
本発明の導電性接着剤は、硬化性樹脂と、導電性粒子と、硬化剤と、チタンブラックのみからなる黒色着色剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記導電性接着剤は、太陽電池セルの電極とタブ線とを接続するための導電性接着剤である。
【0013】
<黒色着色剤>
前記黒色着色剤は、チタンブラックのみからなる。前記黒色着色剤に、カーボンブラックなどが含有されていると、保存安定性の低下、発電効率の低下、接着性の低下、及び接続信頼性の低下が起こる。
【0014】
−チタンブラック−
前記チタンブラックとは、黒色系酸化チタンであり、二酸化チタンから酸素の一部が除かれた構造の黒色顔料である。前記チタンブラックは、黒色系低次酸化チタンとも呼ばれる。
【0015】
前記チタンブラックの黒色度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Lab表色系(ハンターLab表色系)においてL値が20以下のものなどが挙げられる。
【0016】
前記チタンブラックとしては、合成したものであってもよいし、市販品であってよい。前記チタンブラックの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平05−193942号公報に記載の方法などが挙げられる。前記チタンブラックの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタンブラック12S(三菱マテリアル社製、L値11.4)、チタンブラック13M(三菱マテリアル社製、L値12.5)、チタンブラック13M−C(三菱マテリアル社製、L値10.9)、Tilack D(赤穂化成社製、微粒タイプL値13〜15、超微粒タイプL値14〜18)などが挙げられる。
前記市販品のチタンブラックは、若干青味があるものの、本発明においては、このようなものも前記チタンブラックとして用いることができる。
【0017】
前記チタンブラックの平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜200nmが好ましく、20nm〜150nmがより好ましく、50nm〜100nmが特に好ましい。前記平均粒径が、10nm未満であると、ハンドリングがし難くなることがあり、200nmを超えると、黒色度が不足することがある。前記平均粒径が、前記特に好ましい範囲内であると、カメラ認識性の点で有利である。
前記平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3100、日機装株式会社製)などにより測定することができる。
【0018】
前記チタンブラックのみからなる黒色着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記導電性接着剤中の樹脂に対して0.1質量%〜10.0質量%が好ましく、0.3質量%〜10.0質量%がより好ましく、0.4質量%〜7.0質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、カメラ認識性が低下することがあり、10.0質量%を超えると、接続信頼性が低下することがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、保存安定性、カメラ認識性、発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てにおいて非常に優れる点で有利である。
ここで、前記導電性接着剤中の樹脂としては、例えば、前記硬化性樹脂、前記硬化剤、膜形成樹脂、各種ゴムなどが挙げられる。
【0019】
<導電性粒子>
前記導電性粒子としては、導電性粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、金コート銅粉、銀コート銅粉などが挙げられる。
これらの中でも、腐食を抑制する点から銀コート銅粉が好ましい。
【0020】
−銀コート銅粉−
前記銀コート銅粉とは、表面の少なくとも一部を銀で覆った銅粉である。前記銀コート銅粉を用いることにより、接続信頼性に優れるとともに、発電効率が低下しない導電性接着剤を得ることができる。
【0021】
前記銀コート銅粉は、言い換えれば、銅粉の表面の少なくとも一部に銀がコートされているものである。前記銀コート銅粉は、銅粉の表面の全体が銀によりコートされているものであってもよいし、銅粉の表面の一部が銀によりコートされているものであってもよい。一部をコートする場合、銀が銅粉の表面の一部に偏在しているものよりも、銅粉表面を所々露出させながら銀が銅粉表面の全体に亘って偏在せずにコートしているものであるのが好ましい。偏在せずにコートすることにより、導通性が均一な銀コート銅粉を得ることができる。この場合、コートしている銀は銅粉の表面に点状、網目状などの形状で付着している状態となっている。
【0022】
銅粉の粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0023】
前記銀コート銅粉は、脂肪酸により被覆されていてもよい。前記銀コート銅粉が前記脂肪酸により被覆されていることにより、銀コート銅粉の表面が平滑化される。前記脂肪酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸などが挙げられる。
【0024】
前記銀コート銅粉の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の[1]〜[5]の方法などが挙げられる。
[1]硝酸銀、炭酸アンモニウム塩、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)三ナトリウムの銀錯塩溶液を用いて金属銅粉の表面に金属銀を析出させる方法(例えば、特公昭57−59283号公報参照)。
[2]硝酸銀、アンモニア水、及びEDTAの銀錯塩溶液を用いて金属銅粉の表面に金属銀を析出させる方法(例えば、特開昭61−3802号公報参照)。
[3]キレート化剤溶液に銅粉を分散させた後、分散液に銀イオン溶液を加えて還元反応を促し、更に還元剤を添加して完全に還元析出させて、銅粉の表面に銀被膜を析出させる方法(例えば、特開平1−119602号公報参照)。
[4]銀イオンが存在する有機溶媒含有溶液中で、銀イオンと金属銅との置換反応により、銀を銅粒子の表面に被覆する方法(例えば、特開2006−161081号公報参照)。
[5]フレーク状に加工した銅粉を熱処理して銅粉表面を酸化し、次に、銅粉をアルカリ性溶液中で銅粉表面の有機物を除去及び水洗した後、酸性溶液中で銅粉表面の酸化物を酸洗及び水洗し、その後、この銅粉を分散させた酸性溶液中に還元剤を添加しpHを調整して銅粉スラリーを作製し、この銅粉スラリーに銀イオン溶液を連続的に添加することにより、無電解置換メッキと還元型無電解メッキにより銅粉表面に銀層を形成する方法(例えば、特開2010−174311号公報参照)。
これらの中でも、[5]の方法が好ましい。
【0025】
前記導電性粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましく、5μm〜20μmが特に好ましい。前記平均粒径が、1μm未満であると、信頼性が不足することがあり、50μmを超えると、太陽電池セルが破損することがある。前記平均粒径が、前記特に好ましい範囲内であると、長期信頼性の点で有利である。
前記平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3100、日機装株式会社製)などにより測定することができる。
【0026】
前記導電性粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記導電性接着剤中の樹脂に対して1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましく、4質量%〜6質量%が特に好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、接続信頼性が低下することがあり、20質量%を超えると、接続信頼性が低下することがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、保存安定性、カメラ認識性、発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てにおいて非常に優れる点で有利である。
ここで、前記導電性接着剤中の樹脂としては、例えば、前記硬化性樹脂、前記硬化剤、膜形成樹脂、各種ゴムなどが挙げられる。
【0027】
<硬化性樹脂>
前記硬化性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂などが挙げられる。
【0028】
−エポキシ樹脂−
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂など)、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
−アクリレート樹脂−
前記アクリレート樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリレートをメタクリレートにしたものが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記硬化性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0031】
<硬化剤>
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチル4−メチルイミダゾールに代表されるイミダゾール類;ラウロイルパーオキサイド、ブチルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;有機アミン類等のアニオン系硬化剤;スルホニウム塩、オニウム塩、アルミニウムキレート剤等のカチオン系硬化剤などが挙げられる。
これらの中でも、エポキシ樹脂とイミダゾール系潜在性硬化剤の組み合わせ、アクリレート樹脂と有機過酸化物系硬化剤の組み合わせが特に好ましい。
【0032】
前記硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0033】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜形成樹脂、シランカップリング剤、各種ゴム、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、有機溶剤、イオンキャッチャー剤などが挙げられる。前記その他の成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0034】
−膜形成樹脂−
前記膜形成樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フェノキシ樹脂が特に好ましい。
前記膜形成樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0035】
前記導電性接着剤の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、フィルム状であってもよいし、ペースト状であってもよい。ペースト状とは、水、有機溶剤のような低粘度で流動性の高い状態はないが、わずかに粘性がある半固形状の状態をいう。
【0036】
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、タブ線と、接着層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、封止用樹脂、防湿性バックシート、ガラスプレートなどのその他の部材を有する。
前記太陽電池セルの前記電極と前記タブ線とは、前記接着層を介して接続されている。
【0037】
<太陽電池セル>
前記太陽電池セルとしては、光電変換部としての光電変換素子と電極とを有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薄膜系太陽電池セル、結晶系太陽電池セルなどが挙げられる。
【0038】
前記薄膜系太陽電池セルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶質シリコン太陽電池セル、CdS/CdTe太陽電池セル、色素増感太陽電池セル、有機薄膜太陽電池セル、微結晶シリコン太陽電池セル(タンデム型太陽電池セル)などが挙げられる。
【0039】
前記太陽電池セルの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
−電極−
前記電極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
<タブ線>
前記タブ線としては、隣接する前記太陽電池セルの各間を電気的に接続する線であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0042】
前記タブ線の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロム、モリブデン、及びこれらの合金などが挙げられる。また、必要に応じて、これら金属に、金メッキ、銀メッキ、錫メッキ、半田メッキなどが施されていてもよい。
前記タブ線の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リボン状などが挙げられる。
前記タブ線の平均幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm〜6mmが好ましい。
前記タブ線の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜300μmが好ましい。
【0043】
<接着層>
前記接着層は、本発明の前記導電性接着剤からなる。即ち、前記接着層は、本発明の前記導電性接着剤から形成される。
【0044】
前記接着層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記タブ線上にフィルム状の前記導電性接着剤を積層する方法、前記タブ線上にペースト状の前記導電性接着剤を塗布する方法などが挙げられる。
この場合、タブ線となる幅広な材質(例えば、銅箔)上にフィルム状の前記導電性接着剤を積層して積層体を作製し、該積層体をタブ線の幅にスリットすることにより、前記接着層が形成された前記タブ線を得てもよい。
【0045】
前記接着剤の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0046】
前記接着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm〜100μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましく、8μm〜25μmが特に好ましい。前記平均厚みが、3μm未満であると、接着強度が著しく低下することがあり、100μmを超えると、接着層がタブ線よりはみ出し電気的接続に不具合が発生する場合がある。前記平均厚みが、前記特に好ましい範囲内であると、接着信頼性の点で有利である。
ここで、前記平均厚みは、任意に20cm
2当たり5箇所を測定した際の平均値である。
【0047】
前記接着層の平均幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm〜6mmであり、かつ前記タブ線と同じ幅、又は前記タブ線の幅未満であることが好ましい。
【0048】
<封止用樹脂>
前記封止用樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラート(PVB)、ポリイソブチレン(PIB)、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0049】
<防湿性バックシート>
前記防湿性バックシートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム(Al)、PETとAlとポリエチレン(PE)の積層体などが挙げられる。
【0050】
<ガラスプレート>
前記ガラスプレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソーダ石灰フロートガラスプレートなどが挙げられる。
【0051】
前記太陽電池モジュールの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の前記太陽電池セルが前記タブ線で電気的に直列に接続されているものなどが挙げられる。ここで、図面を用いて本発明の太陽電池モジュールの構造の一例を説明する。
図1は本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略部分断面図である。
図1の太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル50が、インターコネクターとして機能するタブ線1で電気的に直列に接続されているものである。ここで、太陽電池セル50は、光電変換素子3とその受光面に設けられた表面電極たるバスバー電極である第1電極41と、非受光面に設けられたバスバー電極である第2電極43と、光電変換素子3上で第1電極41、第2電極43とほぼ直交するように設けられた集電極であるフィンガー電極42、44とから構成されている。タブ線1の両面の所定の箇所に接着層40が形成されており、タブ線1は、隣接する太陽電池セル50の一方の太陽電池セル50の第1電極41と他方の太陽電池セル50の第2電極43を、タブ線1の両面を用いて電気的に接続している。
【0052】
前記太陽電池モジュールの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明の太陽電池モジュールの製造方法が好ましい。
【0053】
(太陽電池モジュールの製造方法)
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、配置工程と、被覆工程と、押圧工程と、加熱工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、本発明の前記太陽電池モジュールの製造に好適に用いることができる。
【0054】
前記太陽電池モジュールの製造方法は、減圧ラミネーターを用いて行うことが好ましい。
【0055】
<配置工程>
前記配置工程としては、電極を有する太陽電池セルの前記電極上に、本発明の前記導電性接着剤からなる接着層、及びタブ線を、前記電極と前記タブ線とが、押圧及び加熱により、前記接着層を介して接着されかつ電気的に接続されるように配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記配置工程においては、予め前記タブ線上に前記導電性接着剤からなる前記接着層を形成した後に、前記接着層が形成された前記タブ線を前記太陽電池セルの前記電極の所望の位置に配置してもよいし、予め前記太陽電池セルの前記電極上に前記導電性接着層を形成した後に、前記タブ線を前記太陽電池セルの前記電極の所望の位置に配置してもよい。
【0056】
前記太陽電池セルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記太陽電池セルなどが挙げられる。
【0057】
<被覆工程>
前記被覆工程としては、前記太陽電池セルを封止用樹脂により覆い、更に前記封止用樹脂を防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかにより覆う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0058】
前記封止用樹脂、前記防湿性バックシート、前記ガラスプレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記封止用樹脂、前記防湿性バックシート、前記ガラスプレートなどが挙げられる。
【0059】
<押圧工程>
前記押圧工程としては、前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0060】
前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0061】
前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0062】
<加熱工程>
前記加熱工程としては、前記太陽電池セルが載置された加熱ステージを加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0063】
前記加熱ステージを加熱することにより、前記接着層、及び前記封止用樹脂を加熱することができる。
【0064】
前記加熱工程における加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜250℃が好ましく、100℃〜200℃がより好ましく、120℃〜170℃が特に好ましい。前記加熱温度が、50℃未満であると、前記電極と前記タブ線の接着、及び封止が不十分となることがあり、250℃を超えると、接着層、封止用樹脂などの有機樹脂が熱分解することがある。前記加熱温度が、前記特に好ましい範囲内であると、接着及び接続双方の信頼性の点で有利である。
【0065】
前記加熱工程における加熱時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1秒間〜1時間が好ましく、5秒間〜30分間がより好ましく、10秒間〜20分間が特に好ましい。前記加熱時間が、1秒間未満であると、前記電極と前記タブ線の接着、及び封止が不十分となることがあり、1時間を超えると、接着強度が低下することがある。前記加熱時間が、前記特に好ましい範囲内であると、接着及び接続双方の信頼性点で有利である。
【0066】
前記押圧工程、及び前記加熱工程を開始する順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記押圧工程を開始する前から前記加熱ステージを加熱しておいてもよいし、前記押圧工程を開始してから前記加熱ステージを加熱してもよい。
【0067】
<減圧ラミネーター>
前記減圧ラミネーターは、第一室と、第二室と、可撓性シートと、加熱ステージとを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記第一室と前記第二室とは前記可撓性シートにより区画されている。
前記第一室と前記第二室とはそれぞれ独立に内圧が調整可能である。
前記加熱ステージは加熱可能であり、前記第二室内に配設されている。
【0068】
ここで、図面を用いて前記減圧ラミネーター及びその操作について説明する。
図2は、使用前の減圧ラミネーターの一例の概略断面図である。減圧ラミネーター10は、上部ユニット11と下部ユニット12とから構成される。これらのユニットは、シール部材13を介して分離可能に一体化される。上部ユニット11には、可撓性シート14が設けられており、この可撓性シート14により、減圧ラミネーター10が第一室15と第二室16に区画される。
また、上部ユニット11及び下部ユニット12のそれぞれには、各室がそれぞれ独立に内圧の調整が可能となるように、配管17、18が設けられている。配管17は、切替バルブ19で配管17aと配管17bとの二方向に分岐しており、配管18は、切替バルブ20で配管18aと配管18bとの二方向に分岐している。また、下部ユニット12には、加熱可能な加熱ステージ21が配設されている。
【0069】
このような減圧ラミネーター10は、例えば、
図3A〜
図3Eに示すように使用する。
【0070】
まず、
図3Aに示すように、加熱ステージ21上に、熱ラミネートすべき積層物22を載置する。
次に、
図3Bに示すように、上部ユニット11と下部ユニット12とをシール部材13を介して、分離可能に一体化し、その後、配管17a及び配管18aのそれぞれに真空ポンプ(不図示)を接続し、第一室15及び第二室16内を高真空にする。
次に、
図3Cに示すように、第二室16内を高真空に保ったまま、切替バルブ19を切り替えて、配管17bから第一室15に大気を導入する。この際に、加熱ステージ21を加熱する。結果、積層物22が、加熱ステージ21で加熱されつつ、可撓性シート14で押圧される。
次に、
図3Dに示すように、切替バルブ20を切り替え、配管18bから第二室16内に大気を導入し、第一室15及び第二室16の内圧を同じにする。
最後に、
図3Eに示すように、上部ユニット11と下部ユニット12とを引き離し、加熱ステージ21上から熱ラミネート処理された積層物22を取り出す。これにより、減圧ラミネーター10の操作サイクルが完了する。
【0071】
なお、得られる積層物22は、前記太陽電池モジュールの製造方法においては、本発明の前記太陽電池モジュールとなる。
図3A〜
図3Eの操作を行うことにより、タブ線と電極との接続と、封止用樹脂による封止とが一括で実施可能になる。
【0072】
以上、前記減圧ラミネーターの一例を説明したが、前記減圧ラミネーターは
図2のような上部ユニット及び下部ユニットから構成されるものに限定されず、一つの筐体の内部を2室に分け、扉の開閉により積層物の投入、回収を行うように構成された減圧ラミネーターを使用することもできる。また、前記第一室と前記第二室とは、前記第一室内に圧搾空気を導入し、大気圧以上の加圧を行ってもよい。また、前記第二室を減圧することなく、単に室内の空気が排気されるようにしてもよい。
【0073】
次に、図面を用いて、前記減圧ラミネーターを用いた場合の本発明の前記太陽電池モジュールの製造方法の一例を詳細に説明する。
図4Aは、配置工程及び被覆工程を説明するための概略断面図(減圧ラミネーターの部分拡大図)である。
図4Bは、押圧工程及び加熱工程を説明するための概略断面図である。
図4Cは、本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
図4Aに示すように、可撓性シート14で第一室15から区画された第二室16の加熱ステージ21上に、電極4が形成された太陽電池セル32を配置する。続いて、電極4上に、接着層2及びタブ線1を、電極4とタブ線1とが、押圧及び加熱により、接着層2を介して接着され、かつ電気的に接続されるように配置する。続いて、太陽電池セル32を覆うように、封止用樹脂5と、防湿性バックシート6とを順次配置する。
【0074】
続いて、
図4Bに示すように、第一室15及び第二室16の内圧を減圧状態にした後に、第二室16の減圧状態を保持したままで第一室15を大気圧にすることにより、可撓性シート14で防湿性バックシート6を押圧しつつ、加熱ステージ21を加熱して太陽電池セル32を加熱する。それにより太陽電池セル32の電極4とタブ線1とを接着層2で接着し、かつ電気的に接続し、更に、太陽電池セル32を封止用樹脂で封止する。これにより、太陽電池モジュールを得ることができる(
図4C)。
図4A〜
図4Cにより、電極4とタブ線1とを接着かつ電気的に接続し、更に封止用樹脂で太陽電池セル32を封止するラミネート一括圧着を行うことができる。
【実施例】
【0075】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0076】
(製造例1)
<銀コート銅粉の製造>
銅粉として、アトマイズ法と呼ばれる製法により得られたアトマイズ銅粉を、更に機械的粉砕を施して得られた銅粉を使用した。なお、機械的攪拌時には、銅粉同士の凝集による粗大化を防止する目的で脂肪酸が添加されていると推測される。具体的には、日本アトマイズ加工社製のフレーク銅粉(AFS−Cu 7μm)を使用した。この銅粉は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D
50が7.9μmであった。
【0077】
このフレーク状の銅粉500gを大気中で250℃、5分間熱処理した(酸化処理)。その後、酸化処理した銅粉を乳鉢に加えて、粗砕した。この銅粉500gを、1質量%水酸化カリウム水溶液1,000mLに加えて20分間攪拌し、続いて、1次デカンテーション処理を行い、更に純水1,000mLを加えて数分間攪拌処理した。
【0078】
その後、2次デカンテーション処理を行い、硫酸濃度15g/Lの硫酸水溶液2,500mLを加えて30分間攪拌した(酸洗浄)。更に、前記硫酸水溶液による酸洗浄をもう1回繰り返した。更に3次デカンテーション処理を行い、純水2,500mLを加えて数分間攪拌した。そして、4次デカンテーション処理を行い、ろ過洗浄、及び吸引脱水することで、フレーク状の銅粉と溶液とをろ別し、フレーク状の銅粉を90℃で2時間乾燥した。
【0079】
次いで、乾燥済みのフレーク状の銅粉に硫酸濃度7.5g/Lの硫酸水溶液2,500mLを加えて、30分間攪拌した。更に、5次デカンテーション処理を行い、純水2,500mLを加えて数分間攪拌した。
【0080】
更に、6次デカンテーション処理を行い、1質量%酒石酸ナトリウムカリウム溶液2,500mLを加えて数分間攪拌し、銅スラリーを形成した。該銅スラリーに希硫酸又は水酸化カリウム溶液を加えて、銅スラリーのpHを3.5〜4.5になるように調整した。
【0081】
pHを調整した銅スラリーに硝酸銀アンモニア溶液1,000mL(硝酸銀87.5gを水に添加してアンモニア水を加え、1,000mLとして調整したもの)を、30分間かけてゆっくりと添加しながら、置換反応処理、及び還元反応処理を行い、更に30分間攪拌して銀コート銅粉を得た。
【0082】
その後、7次デカンテーション処理を行い、純水3,500mLを加えて数分間攪拌した。更に8次デカンテーション処理を行い、純水3,500mLを加えて数分間攪拌した。そして、ろ過洗浄、及び吸引脱水することで銀コート銅粉と溶液とをろ別し、銀コート銅粉を90℃で2時間乾燥した。
【0083】
上記により得られた銀コート銅粉500gを管状炉に入れ、水素気流下(3.0L/分間〜3.5L/分間)の還元性雰囲気中で200℃で30分間熱処理した。熱処理済みの銀コート銅粉を乳鉢で粉砕した。そして、粉砕後の銀コート銅粉500gを0.5質量%ステアリン酸イソプロピルアルコール溶液1,000mLに分散させ、30分間攪拌した。
【0084】
そして、ろ過洗浄、及び吸引脱水することで、熱処理済みのステアリン酸処理した銀コート銅粉と溶液とをろ別し、更に90℃で2時間乾燥し、ステアリン酸処理した銀コート銅粉を得た(特開2010−174311号公報参照)。
【0085】
(実施例1)
<太陽電池モジュールの作製>
−導電性接着フィルムの作製−
フェノキシ樹脂(PKHH、InChem社製)25質量部、アクリレート樹脂(NKエステルA−IB、新中村化学社製)45質量部、アクリルゴム(テイサンレジンSGP3、ナガセケムテックス社製)10質量部、イソプレン−スチレン共重合物(セプトン1001、クラレ社製)15質量部、硬化剤(ナイパー
BW、日油社製、有機過酸化物)5質量部、導電性粒子(製造例1で得た銀コート銅粉、平均粒径10μm)5質量部、及びチタンブラック1(13MT、三菱マテリアル社製、平均粒径80nm)0.1質量部を混合して、導電性接着組成物を調製した。
次に、得られた導電性接着組成物を、表面が剥離処理された厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)上に塗布した。80℃のオーブンで5分間加熱処理して成膜することで、平均厚みが22μmの導電性接着フィルムを得た。
【0086】
−ラミネート及びスリット−
銅箔に、前記導電性接着フィルムをラミネートし、前記導電性接着フィルムを積層させた銅箔を作製した。続いて、前記導電性接着フィルムを積層させた銅箔を幅4mmにスリットし、接着層付きタブ線を作製した。
【0087】
−太陽電池モジュールの作製−
図2に示す減圧ラミネーターを用い、
図4A〜
図4Cに示す方法によるラミネート一括圧着により、太陽電池モジュールを作製した。
太陽電池セルとしては、電極(白色)4が形成された太陽電池セル(Q6LTT−200、Q−Cells社製、結晶系太陽電池セル)を用いた。
電極4上に実施例1で作製した接着層付きタブ線(
図4Aにおいて、導電性接着層2、及びタブ線1に相当)を仮貼りする条件は、加熱温度70℃、圧力0.5MPa、1秒間とした。
封止用樹脂は、厚み500μmのエチレン/酢酸ビニル共重合体を用いた。
防湿性バックシートは、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(凸版印刷社製、BS−SP)を用いた。
加熱押圧条件は、2MPa、加熱温度は180℃、15秒間とした。
【0088】
<評価>
上記で得られた導電性接着フィルム及び太陽電池モジュール以下の評価に供した。結果を表1に示す。
【0089】
−フィルム保存安定性−
剥離フィルム付き導電性接着フィルムを幅4mmにスリットし、リール状に100m巻き取り、得られたリールを25℃50%RHで保存した。保存初期及び保存後から1月毎の導電性接着フィルムについて、DSC(示差走査熱量測定)の発熱量、溶融粘度、及び後述する接続信頼性を測定した。測定結果のいずれもが保存初期と変化しない最大の保存期間を保存可能期間とし、下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:保存可能期間が1年以上
○:保存可能期間が6ヶ月以上1年未満
△:保存可能期間が4ヶ月以上6ヶ月未満
×:保存可能期間が4ヶ月未満
【0090】
−カメラ認識性−
得られた太陽電池モジュールの白色の電極に対して、導電性接着層(黒色)が適切に貼られているかを、視覚認識装置として、形FZ用200万画素デジタルモノクロカメラ(品名:形FZ−S2M、オムロン社製)を用いて判定した。具体的には、特定の閾値で白及び黒を認識するように設定した前記カメラを用いて、100箇所の接続箇所について測定し、白色の電極に対して、黒色の導電性接着層が適切に貼られていると判断した割合(認識率(%))を求め、下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:認識率が95%以上
○:認識率が80%以上95%未満
△:認識率が50%以上80%未満
×:認識率が50%未満
なお、閾値は白が認識されやすい、即ち厳しい判定となるように設定した。そのため、△以上であれば、実用上問題ないレベルである。
【0091】
−はみ出しによる発電効率低下抑制−
接着層が電極とタブ線の接続部位からはみ出していると発電効率を阻害することがある。そこで、はみ出しによる発電効率の低下を評価した。
発電効率は、JIS C8913(結晶系太陽電池セル出力測定方法)に準拠し、ソーラーシュミレーター(日清紡メカトロニクス社製、ソーラーシュミレーターPVS1116i−M)を用いて、測定条件:照度1,000W/m
2、温度25℃、スペクトルAM1.5Gにより測定した。
比較対象として、実施例1の導電性接着フィルムの作製において、チタンブラックを含有しない以外は、実施例1と同様にして作製した太陽電池モジュールを用いた。
比較対象の発電効率(S
0)及び測定試料である太陽電池モジュールの発電効率(S
1)を測定し、次式により、測定試料の発電効率の低下を測定し、下記評価基準で評価した。
発電効率低下=S
0−S
1
〔評価基準〕
◎:0.01%未満
○:0.01%以上0.05%未満
△:0.05%以上0.10%未満
×:0.10%以上
【0092】
−接着性−
引張強度50cm/minで90°方向に剥離したときの剥離強度(N/mm)を、剥離強度試験機(テンシロン、オリエンテック社製)を用いて測定し、下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:2.0N/mm以上
○:1.5N/mm以上2.0N/mm未満
△:1.0N/mm以上1.5N/mm未満
×:1.0N/mm未満
【0093】
−接続信頼性−
2本のタブ線(Cu箔、1.5mm幅、厚み200μm)の先端2mmの部分を、Ag電極(ベタ電極)が形成されたガラス基板上に導電性接着フィルムを用いて熱圧着(180℃、2MPa、10秒間)し測定試料を作製した。なお、2本のタブ線の先端部分の距離は3mmであった。
得られた測定試料の初期、及び85℃85%RHで500時間保存後の抵抗をデジタルマルチメータ(横河電気株式会社製、デジタルメルチメータ7555)を用いて測定し、下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:4mΩ未満
○:4mΩ以上5mΩ未満
△:5mΩ以上6mΩ未満
×:6mΩ以上
【0094】
(実施例2〜8)
実施例1の導電性接着フィルムの作製において、チタンブラック1の含有量及び導電性粒子の含有量を表1に記載の含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0095】
(実施例9)
実施例1において、導電性接着フィルムを以下の導電性接着フィルムに代えた以外は、実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表2に示す。
−導電性接着フィルムの作製−
フェノキシ樹脂(PKHH、InChem社製)20質量部、エポキシ樹脂(jer640、三菱化学社製、4官能グリシジルアミン型)30質量部、アクリルゴム(テイサンレジンSGP3、ナガセケムテックス社製)15質量部、ポリブタジエンゴム(RKBシリーズ、レジナス化成)15質量部、イミダゾール系潜在性硬化剤(ノバキュアHX3941HP、旭化成イーマテリアルズ社製)20質量部、導電性粒子(製造例1で作製した銀コート銅粉)5質量部、及びチタンブラック1(13MT、三菱マテリアル社製、平均粒径80nm)0.1質量部を混合して、導電性接着組成物を調製した。
次に、得られた導電性接着組成物を、表面が剥離処理された厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)上に塗布した。80℃のオーブンで5分間、加熱処理して成膜することで、平均厚みが22μmの導電性接着フィルムを得た。
【0096】
(実施例10〜13)
実施例9の導電性接着フィルムの作製において、チタンブラック1の含有量を表2に記載の含有量に変えた以外は、実施例9と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表2に示す。
【0097】
(実施例14)
実施例1の導電性接着フィルムの作製において、チタンブラック1をチタンブラック2(Tilack D、赤穂化成社製、平均粒径90nm)に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表2に示す。
【0098】
(実施例15)
実施例1の導電性接着フィルムの作製において、銀コート銅粉をニッケル粉に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表2に示す。
【0099】
(実施例16)
実施例1の導電性接着フィルムの作製において、銀コート銅粉を銅粉に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表2に示す。
【0100】
(比較例1〜14)
実施例1の導電性接着フィルムの作製において、着色剤の種類及び含有量並びに導電性粒子の種類及び含有量を、表3又は表4に記載の種類及び含有量に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性接着フィルム及び太陽電池モジュールを作製した。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表3及び表4に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
表1〜表4において、着色剤含有量、及び導電性粒子含有量は、導電性接着フィルムにおける樹脂成分(膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、共重合体、硬化剤などを含む)100質量部に対する含有量(質量%)である。
表1〜表4に記載の着色剤及び導電性粒子は以下のとおりである。
チタンブラック2:Tilack D、赤穂化成社製、平均粒径90nm
カーボンブラック1:#3050B、三菱化学社製、平均粒径50nm
カーボンブラック2:デンカブラック、電気化学工業社製、アセチレンブラック、平均粒径35nm
カーボンブラック3:ケッチェンブラック EC600JD、ライオン社製、ケッチェンブラック、平均粒径34nm
Ni:HCA−1、INCO社製、ニッケル粉、平均粒径10μm
銅粉:T−220、三井金属社製、平均粒径10μm
染料:Sumiplast Blue S、住化ケムテックス社製
有機顔料:CYANINE BLUE KRO、山陽色素社製
二酸化チタン:FTR700、堺化学社製、平均粒径200nm
【0106】
実施例1〜16では、フィルム保存安定性、カメラ認識性、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てにおいて良好な結果であった。
特に、チタンブラックの含有量が0.3質量%〜10.0質量%の場合、フィルム保存安定性、カメラ認識性、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てにおいてより良好な結果であり、0.5質量%〜5.0質量%の場合には、非常に良好な結果であった(実施例1〜6参照)。
銀コート銅粉の含有量が3質量%〜10質量%の場合、フィルム保存安定性、カメラ認識性、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てにおいて良好な結果であった(実施例3、7、及び8参照)。
硬化性樹脂として、アクリレート樹脂を用いた場合(例えば、実施例1〜6参照)、及びエポキシ樹脂を用いた場合(実施例9〜13参照)のいずれにおいても、良好な結果であった。
チタンブラックを三菱マテリアル社製の13MTから、赤穂化成社製のTilack Dに代えた場合でも、結果に差異はなく、良好な結果が得られた(実施例14参照)。
導電性粒子として銀コート銅粉を用いた場合(例えば、実施例3)は、導電性粒子としてニッケル粉又は銅粉を用いた場合(実施例15、16参照)よりも、接続信頼性が非常に優れていた。
【0107】
着色剤をチタンブラックからカーボンブラックに代えた比較例1〜3、12、及び13では、フィルム保存安定性、はみ出しによる発電効率の低下抑制、接着性、接続信頼性のいずれもが、実施例よりも劣っていた。
チタンブラックを含有せず、かつ導電性粒子としてニッケル粉を用いた比較例4では、カメラ認識性が低下した。更に、比較例4においてニッケル粉の含有量を増加させた比較例5では、カメラ認識性、接続信頼性は向上するものの、はみ出しによる発電効率の低下抑制が不十分であり、フィルム保存安定性、カメラ認識性、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てを満足するものは得られなかった。
着色剤を含有せず、かつ導電性粒子を銅粉にした比較例6、着色剤に青色染料を用いた比較例7、着色剤に青色顔料を用いた比較例8、着色剤に白色顔料を用いた比較例9、及び比較例10、並びに着色剤を含有しない比較例11でも、フィルム保存安定性、カメラ認識性、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性の全てを満足するものは得られなかった。
着色剤にチタンブラックを用いた場合でも、カーボンブラックを併用した場合(比較例14)には、はみ出しによる発電効率低下抑制、接着性、及び接続信頼性が不十分であった。