特許第5886695号(P5886695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886695
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20160303BHJP
【FI】
   H02M7/48 L
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-136651(P2012-136651)
(22)【出願日】2012年6月18日
(65)【公開番号】特開2014-3782(P2014-3782A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2014年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 健太
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−304671(JP,A)
【文献】 特開2005−143163(JP,A)
【文献】 特開2002−346530(JP,A)
【文献】 特開2003−231030(JP,A)
【文献】 特開2012−023922(JP,A)
【文献】 特開2010−088280(JP,A)
【文献】 特開平07−308061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置であって、
キースイッチが設けられた扉を有する筺体と、
前記筺体の内部に収容され、直流電力および交流電力のうちの一方から他方へと変換する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御回路と、
前記筺体に設置され、受付けた操作に応じた制御を前記制御回路に実行させるための操作信号を前記制御回路に送信する機能と、前記受付けた操作を無効にするための機能とを有する第1の操作部と、
前記筺体の内部に設置され、前記第1の操作部の機能の少なくとも一部と共通の機能を有する第2の操作部とを備え、
前記第1の操作部は、
前記電力変換装置の起動のための第1のスイッチと、
前記電力変換装置の停止のための第2のスイッチと、
前記電力変換装置の非常停止のための第3のスイッチと、
前記第1〜第3のスイッチの操作を無効にするための第1のインターロックスイッチとを含み、
前記第2の操作部は、
前記第1〜第3のスイッチの操作を無効にするための第2のインターロックスイッチを含む、電力変換装置。
【請求項2】
電力変換装置であって、
キースイッチが設けられた扉を有する筺体と、
前記筺体の内部に収容され、直流電力および交流電力のうちの一方から他方へと変換する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御回路と、
前記筺体に設置され、受付けた操作に応じた制御を前記制御回路に実行させるための操作信号を前記制御回路に送信する機能と、前記受付けた操作を無効にするための機能とを有する第1の操作部と、
前記筺体の内部に設置され、前記第1の操作部の機能の少なくとも一部と共通の機能を有する第2の操作部とを備え、
前記第1の操作部は、
前記電力変換装置の起動のための第1のスイッチと、
前記電力変換装置の停止のための第2のスイッチと、
前記電力変換装置の非常停止のための第3のスイッチと、
前記第1〜第3のスイッチの操作を無効にするための第1のインターロックスイッチとを含み、
前記第2の操作部は、
前記電力変換装置の起動のための第4のスイッチと、
前記電力変換装置の停止のための第5のスイッチと、
前記電力変換装置の非常停止のための第6のスイッチとを含む、電力変換装置。
【請求項3】
電力変換装置であって、
キースイッチが設けられた扉を有する筺体と、
前記筺体の内部に収容され、直流電力および交流電力のうちの一方から他方へと変換する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御回路と、
前記筺体に設置され、受付けた操作に応じた制御を前記制御回路に実行させるための操作信号を前記制御回路に送信する機能と、前記受付けた操作を無効にするための機能とを有する第1の操作部と、
前記筺体の内部に設置され、前記第1の操作部の機能の少なくとも一部と共通の機能を有する第2の操作部とを備え、
前記第1の操作部は、
前記電力変換装置の起動のための第1のスイッチと、
前記電力変換装置の停止のための第2のスイッチと、
前記電力変換装置の非常停止のための第3のスイッチと、
前記第1〜第3のスイッチの操作を無効にするための第1のインターロックスイッチとを含み、
前記第2の操作部は、
前記電力変換装置の起動のための第4のスイッチと、
前記電力変換装置の停止のための第5のスイッチと、
前記電力変換装置の非常停止のための第6のスイッチと、
少なくとも前記第1〜第3のスイッチの操作を無効にするための第2のインターロックスイッチとを含む、電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置に関し、特に、電力変換装置の操作のための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置は、たとえば、直流電力を交流電力に変換するインバータ、その直流電力を交流電源から生成するコンバータ等によって構成される。通常では、電力変換装置の操作は、その電力変換装置に具備された操作部を操作することにより行なわれる。たとえば操作部には、電力変換装置の開始、終了および非常停止の各々の動作を操作するためのスイッチが設けられている。なお、操作部は、電力変換装置の状態等を表示するための表示器と一体化されていることが多い。
【0003】
操作器および表示器を備えた電力変換装置が、たとえば特開平7−308061号公報(特許文献1)に開示されている。この操作・表示器はパネル部と制御部とで構成される。パネル部は、7セグメントLEDと、液晶表示器と、入力キーとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−308061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力変換装置に不要な操作が行なわれた場合、たとえば電力変換装置が非常停止するなどの事態が生じうる。したがって不要な操作を無効にするための機能が電力変換装置に要求される。一方で、不要な操作を無効にするためにセキュリティ機能を強化すると、真に電力変換装置の操作が必要とされる場合に、その操作、すなわち正常な操作に影響が出る可能性がある。たとえば非常停止が必要とされる事態が生じた場合には、セキュリティ機能を解除した上で電力変換装置を非常停止させなければならない。したがってセキュリティ機能の解除および非常停止の操作に時間および手間を要する可能性がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、不要な操作を無効にするためのセキュリティを強化しながら正常の操作を可能にする電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従う電力変換装置は、キースイッチが設けられた扉を有する筺体と、筺体の内部に収容され、直流電力および交流電力のうちの一方から他方へと変換する電力変換部と、電力変換部を制御する制御回路と、筺体に設置され、受付けた操作に応じた制御を制御回路に実行させるための操作信号を制御回路に送信する機能と、受付けた操作を無効にするための機能とを有する第1の操作部と、筺体の内部に設置され、第1の操作部の機能の少なくとも一部と共通の機能を有する第2の操作部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不要な操作を無効にするためのセキュリティを強化しながら正常の操作を可能にする電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の主要部の構成図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の外観の例を示した図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。
図4】表示画面の表示例を示した図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の第1の比較例の構成を示した図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の第2の比較例の構成を示した図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の主要部の構成図である。図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置101は、直流電源1および交流電源5に接続され、負荷3に交流電力を供給する。直流電源1は、直流電圧源が構成できるものであれば特に限定されず、たとえばコンバータ、蓄電池またはコンデンサ、あるいはそれらの組み合わせを適宜採用することができる。
【0012】
電力変換装置101は、インバータ2と、コンバータ4と、インバータトランス6と、フィルタコンデンサ7と、操作部12を含む表示部11と、制御回路13とを備える。コンバータ4は、交流電源5から供給される交流電力を直流電力に変換する。インバータ2は、コンバータ4および直流電源1のうち少なくとも一方から供給される直流電力を、負荷3へと供給される交流電力へと変換する。なお、直流電源1が蓄電池あるいはコンデンサといった、充電および放電の両方が可能な装置によって構成される場合には、コンバータ4から供給される直流電力の一部が直流電源1に供給されて直流電源1が充電される。インバータトランス6とフィルタコンデンサ7とは、インバータ2の出力の波形を整形して、インバータ2の出力を負荷3の要求に合致した出力へと変換する。
【0013】
表示部11は、電力変換装置101の動作状態などを表示する。さらに、表示部11は、操作部12が操作された結果を表示する。操作部12は、操作者の入力を受け付ける。操作部12は、操作者の操作の内容を示す信号を制御回路13へと送信する。本明細書において、「操作者」とは、電力変換装置101の操作が許可された者を意味し、通常の操作に携わる操作員だけでなく、保守員も含みうる。たとえば保守員は、非常時に操作部12を操作することにより、電力変換装置101を非常停止させる。
【0014】
制御回路13は、コンバータ4およびインバータ2を制御する。通常の動作時におけるコンバータ4およびインバータ2の制御には、たとえばPWM制御など公知の制御を適用することができる。さらに制御回路13は、操作部12の操作結果に応じて、電力変換装置101を制御する。
【0015】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の外観の例を示した図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。図2および図3を参照して、表示部11は、電力変換装置101の筺体30に取り付けられる。すなわち、表示部11は、電力変換装置101の外部側に設置される。一実施形態では、表示部11は、電力変換装置101の扉31に取り付けられる。図1に示されたコンバータ4、インバータ2、制御回路13等の回路は、筺体30の内部に収容される。
【0016】
表示部11は、操作部12と、表示画面14とを含む。操作部12は、スタートスイッチ17aと、ストップスイッチ17bと、非常停止スイッチ17cと、キースイッチ15とを含む。スタートスイッチ17aは、電力変換装置101を起動させるためのスイッチである。ストップスイッチ17bは、電力変換装置101を停止させるためのスイッチである。非常停止スイッチ17cは、電力変換装置101を非常停止させるためのスイッチである。
【0017】
本明細書において、「起動」とは、コンバータ4およびインバータ2の動作を開始させることを意味する。「停止」とは、電力変換装置101と交流電源5とが電気的に接続されているが、コンバータ4およびインバータ2の動作が停止している状態を意味する。「非常停止」とは、電力変換装置101が強制的に停止されることを意味する。非常停止の場合、たとえば電力変換装置101と交流電源5との間の電気的接続が遮断される。
【0018】
スタートスイッチ17aと、ストップスイッチ17bと、非常停止スイッチ17cとのうちのいずれかのスイッチが操作されることで、操作部12は、その操作を受付ける。操作部12は、受け付けた操作に応じた制御を制御回路13に実行させるための操作信号を送信する。操作信号はAND回路25を通じて制御回路13に送られる。制御回路13は、その操作信号に応じて制御信号を生成して、その制御信号をコンバータ4およびインバータ2に出力する。コンバータ4およびインバータ2は、その制御信号に従って動作する。これにより、操作部12の操作に応じた電力変換装置101の動作が実現される。制御回路13は、さらに、表示信号を表示画面14に出力して、その制御結果を表示画面14に表示させる。
【0019】
キースイッチ15は、操作部12(スタートスイッチ17aと、ストップスイッチ17bと、非常停止スイッチ17c)から制御回路13への操作信号を伝達するか否かを切り替えるためのものである。すなわちキースイッチは、操作部12の各スイッチが受付けた操作を無効にするためのインターロックスイッチとして機能する。キースイッチ15のキーは、操作員が管理する。これにより、操作者以外の者による不要な操作が防止される。
【0020】
扉31には、装置開閉キースイッチ22が設けられる。装置開閉キースイッチ22は、キーによる操作に伴って扉31を施錠および解錠する。装置開閉キースイッチ22のキーは、操作員が管理する。
【0021】
電力変換装置101の内部には、AND回路25と、操作部20と、制御回路13とが設けられる。操作部20は、インターロック用スイッチ21を含む。キースイッチ15と同様に、インターロック用スイッチ21は、操作部12から制御回路13への操作信号を伝達するか否かを切り替えるためのものである。
【0022】
AND回路25は、スタートスイッチ17a、ストップスイッチ17bおよび非常停止スイッチ17cの操作結果を示す信号(すなわち操作信号)、キースイッチ15からの信号およびインターロック用スイッチ21からの信号を受ける。キースイッチ15およびインターロック用スイッチ21の両方のインターロックが無効である場合には、AND回路25は、操作信号を有効にする。一方、キースイッチ15およびインターロック用スイッチ21の少なくとも一方のインターロックが有効である場合には、AND回路25は、操作信号を無効にする。したがって、スタートスイッチ17a、ストップスイッチ17bおよび非常停止スイッチ17cのいずれかが操作されても、その操作を示す操作信号が制御回路13に伝達されない。なお、インターロック用スイッチ21の優先度をキースイッチ15の優先度より高くして、キースイッチ15による操作ロックがされていても、インターロック用スイッチ21の操作により、操作ロックが解除されるという構成であってもよい。
【0023】
図4は、表示画面の表示例を示した図である。図4を参照して、キースイッチ15あるいはインターロック用スイッチ21によって、スタートスイッチ17a、ストップスイッチ17bおよび非常停止スイッチ17cの操作がロックされた場合、そのことを示すメッセージ(「操作ロック中」)および、そのロックを示すキーの図形が表示画面14に表示される。一方、これらのスイッチの操作ロックが解除された場合には、「操作ロック中」とのメッセージおよびキーの図形は、表示画面14に表示されない。
【0024】
第1の実施の形態に係る電力変換装置の特徴を、比較例の構成との対比によって説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の第1の比較例の構成を示した図である。図3および図5を参照して、第1の比較例に係る電力変換装置101Aは、インターロック用スイッチ21に代えて、非常停止スイッチ16を装置の内部に備える点において、電力変換装置101と異なる。なお、図5に示された部分以外の電力変換装置101Aの構成は、電力変換装置101の対応する部分の構成と同様である。
【0025】
この構成によれば、緊急時にたとえば保守員が装置開閉キースイッチ22を解錠して、装置内部の非常停止スイッチ16を操作する。これにより電力変換装置101Aを停止させることができる。しかし、キースイッチ15が操作不可能になった場合、たとえばインターロックを解除できなくなると、操作者といえども電力変換装置の正常操作(すなわち起動あるいは停止)ができない。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の第2の比較例の構成を示した図である。図3および図6を参照して、第2の比較例に係る電力変換装置101Bは、装置内部のインターロック用スイッチ21が設けられていない点において、電力変換装置101と異なる。なお、図6に示された部分以外の電力変換装置101Bの構成は、電力変換装置101の対応する部分の構成と同様である。図5に示された構成と同じく、この構成によれば、キースイッチ15が操作不可能になった場合、操作者といえども電力変換装置の正常操作(起動、停止、非常停止)が不可能になる。
【0027】
これに対して第1の実施の形態によれば、電力変換装置101の内部に、インターロック用スイッチ21が設けられる。インターロック用スイッチ21を操作するためには、装置開閉キースイッチ22が必要となる。装置開閉キースイッチ22のキーは、たとえば保守員によって管理される。
【0028】
キースイッチ15と装置開閉キースイッチ22との組合わせによって、セキュリティの多重化を図ることができる。たとえばキースイッチ15とインターロック用スイッチ21との両方によりインターロック機能を有効にしておけば、キースイッチ15が操作されることにより、キースイッチ15のインターロックが無効になっても、インターロック用スイッチ21によるインターロックは有効なままである。この場合、装置開閉キースイッチ22を操作しない限り、インターロックは解除されない。したがって、セキュリティを強化することができる。
【0029】
また、キースイッチ15の故障により、キースイッチ15のインターロックに無効になった場合にも、インターロック用スイッチ21を操作することで、インターロック機能を有効にすることができる。また、電力変換装置101を緊急停止させる必要が生じた場合には、インターロック用スイッチ21を操作することで、インターロック機能を無効にすることができる。したがって、操作部12の非常停止スイッチ17cを操作することで電力変換装置101を緊急停止させることができる。このように第1の実施の形態によれば、不要な操作を無効にするためのセキュリティを強化しながら正常の操作を可能にすることができる。
【0030】
[実施の形態2]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。図3および図7を参照して、第2の実施の形態に係る電力変換装置102は、その内部の操作部20が、スタートスイッチ27aと、ストップスイッチ27bと、非常停止スイッチ27cとを含む点、および、OR回路26が追加される点において第1の実施の形態に係る電力変換装置101と異なる。OR回路26は、AND回路25の出力と、操作部20の出力とを受けて、操作信号を制御回路13へと出力する。図7に示された部分以外の電力変換装置102の構成は、電力変換装置101の対応する部分の構成と同様である。
【0031】
第2の実施の形態では、装置開閉キースイッチ22を解錠して扉31を開けることにより、操作部20の各スイッチの操作が可能となる。OR回路26は、キースイッチ15が解錠され、かつ、操作部12の各スイッチが操作された場合に、その操作に応じた操作信号を制御回路13へと出力する。また、OR回路26は、装置開閉キースイッチ22が解錠され、かつ操作部20の各スイッチが操作された場合に、その操作に応じた操作信号を制御回路13へと出力する。
【0032】
たとえばキースイッチ15によって操作部12の起動スイッチ17a等のスイッチの操作が無効とされる。この場合、電力変換装置102を操作するには操作部20の各スイッチを操作しなければならない。操作部20の各スイッチを操作するには、装置開閉キースイッチ22を解錠する必要がある。したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じく、セキュリティの多重化を図ることができる。さらに、第2の実施の形態によれば、キースイッチ15の故障により、操作部12の非常停止スイッチ17c等のスイッチの操作が無効である場合に、操作部20の各スイッチを操作することで、電力変換装置102の操作が可能となる。したがって、電力変換装置の緊急時における正常操作が可能となる。
【0033】
[実施の形態3]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置の外部および内部の構成を示した図である。図7および図8を参照して、第3の実施の形態に係る電力変換装置103は、操作部20が、インターロック用スイッチ21をさらに含む点において、第2の実施の形態に係る電力変換装置102と異なる。インターロック用スイッチ21の機能は、第1の実施の形態で説明した機能と同じである。図7に示された部分以外の電力変換装置103の構成は、電力変換装置101,102の対応する部分の構成と同様である。
【0034】
第3の実施の形態に係る電力変換装置103は、第1の実施の形態および第2の実施の形態を組み合わせた構成を有している。したがって、第1および第2の実施の形態と同様に、キースイッチ15と装置開閉キースイッチ22との組み合わせによって、セキュリティの多重化を図ることができる。
【0035】
また第3の実施の形態によれば、たとえばキースイッチ15の鍵を紛失した場合でも、装置開閉キースイッチ22の操作によって扉31を開けることで、インターロック用スイッチ21を操作することができる。これにより、たとえばインターロック機能を有効できるので、不要な操作を防止することができる。また、操作部20のスタートスイッチ27a、ストップスイッチ27b、または非常停止スイッチ27cを操作することで、電力変換装置103の操作が可能となる。したがって、電力変換装置の緊急時における正常操作が可能となる。
【0036】
なお、図1において、電力変換装置はコンバータおよびインバータの両方を備えるものとしたが、電力変換装置の構成はこれに限定されるものではない。本発明に係る電力変換装置は、直流電力および交流電力のうちの一方から他方へと変換する電力変換部を備えていればよい。したがって、コンバータおよびインバータのうちのいずれか一方のみが電力変換装置に含まれていてもよい。
【0037】
また、表示部11および操作部12は、電力変換装置の扉に設置されるものと限定されない。装置開閉キースイッチ22とは別に、表示部11および操作部12が電力変換装置の筺体に設置されていてもよい。
【0038】
また、第3の実施の形態において、インターロック用スイッチ23は、操作部12のスタートスイッチ17a、ストップスイッチ17b、非常停止スイッチ17cだけでなく、操作部20のスタートスイッチ27a、ストップスイッチ27b、非常停止スイッチ27cの操作を有効にするか否かを切り替えてもよい。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1 直流電源、2 インバータ、3 負荷、4 コンバータ、5 交流電源、6 インバータトランス、7 フィルタコンデンサ、11 表示部、12,20 操作部、13 制御回路、14 表示画面、15 キースイッチ、16,17c,27c 非常停止スイッチ、17a,27a スタートスイッチ、17b,27b ストップスイッチ、21,23 インターロック用スイッチ、22 装置開閉キースイッチ、25 AND回路、26 OR回路、30 筺体、31 扉、101〜103,101A,101B 電力変換装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8