特許第5886771号(P5886771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5886771-屋根裏収納室を設けた建築物 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886771
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】屋根裏収納室を設けた建築物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20160303BHJP
   E04F 19/08 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
   E04H1/02
   E04F19/08 103B
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-22876(P2013-22876)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-152518(P2014-152518A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2013年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】592040826
【氏名又は名称】住友不動産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108327
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】和泉沢 忠晴
(72)【発明者】
【氏名】小高 哲也
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−195495(JP,A)
【文献】 特開2012−017576(JP,A)
【文献】 特開平11−044105(JP,A)
【文献】 特開2008−095361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根裏収納室を形成した建物であって、屋根裏収納室(1)の内部、または、側縁に接する位置に屋根裏の床面(11)の高さより低い位置に天井(C2)を有し、天井高が1.4m以下の収納室(51)、(52)が居室側及び廊下側に設けてあってL字型に配置してあり、居室側収納室(52)の背面または側面に接した位置に屋根裏収納室(1)に連絡するアクセス階段(35)が設けてあり、アクセス階段(35)は居室(23)に昇り口が設けてあり、アクセス階段(35)の昇り口を設けた居室(23)の床面は廊下より高くしてあると共にアクセス階段(35)の昇り口を設けた居室(23)の下に位置する居室の天井をその分だけ高くしてあり、アクセス階段(35)は居室側収納室(52)の天井に達しており、居室側収納室(52)の天井と廊下側収納室(51)の天井からなるL字型の部分を収納物の出し入れの際の作業床(12)とし、この作業床(12)以外の領域を収納領域とした屋根裏収納室を有する建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常的に使用しないものを収納する屋根裏収納室を有する住宅に関し、高さの低い天井裏の収納室への収納物の出し入れを体に負担をかけることなく容易にできるようにした屋根裏収納室を設けた住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
日常的には使用しないものを収納するための空間を地下室や屋根裏に設けることが行われており、屋根裏を利用することが特許文献1(特開2007−68198号公報)、特許文献2(特許第3063813号公報)等に開示されている。
屋根裏の収納空間は、屋根の傾斜部の空間であり、高さが十分でなく大人が立って作業する余裕がないため、収納物の出し入れには体を屈めなければならず体に負担がかかる作業であり、また、収納スペースの奥への収納物の出し入れは屈んだ状態で奥に進まねばならず、特に老人には大きな負担となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−68198号公報
【特許文献2】特許第3063813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は屋根裏収納室への収納物の出し入れに際し、腰を屈めることなく立った状態で作業をできるようにして体への負担を軽減し、屋根裏収納室の奥側への収納物の出し入れを容易におこなえるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
屋根裏収納室を形成した建物であって、屋根裏収納室の内部または側縁に接する位置に屋根裏の床面の高さより低い位置に天井を有し、天井高が1.4m以下の収納室52が設けてあり、この収納室52の背面または側面に接した位置に屋根裏収納室1に連絡するアクセス階段35が設けてあり、このアクセス階段35は居室23に昇り口が設けてあり、この居室23の床面は廊下31より高くしてあると共に、この居室23の下に位置する居室の天井をその分だけ高くしてあり、アクセス階段は収納室52の天井に達しており、この天井が収納物の出し入れの際の作業床である屋根裏収納室を有する建物である。
【発明の効果】
【0006】
収納物を屋根裏収納室に出し入れする場合は、屋根裏室の床面より一段低い作業床面に立った状態で出し入れ作業をすることができるため、従来の屋根裏収納室に比較して体に負担をかけることなく、作業を格段に楽におこなうことができる。
また、アクセス階段の昇り口を設けた居室23の床面は廊下31より高くしてあり、その下の居室の天井をその分だけ高くすることができ、余裕のある空間を提供することができる。また、アクセス階段の段数が床面を上げた分だけ少なくすることができるので、屋根裏収納室へ達するまでのアクセス階段の段数が少なくなっており、収納物の出し入れが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の屋根裏収納室の平面図。
図2】本発明の屋根裏収納室の下部階の平面図。
図3図2のA−A線断面図。
図4図2のB−B線断面図。
図5】従来の屋根裏収納室の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は屋根裏収納室1を設けた2階建ての建物の屋根裏収納室1の平面図であり、図2は屋根裏収納室1の下にあたる階の2階の平面図で、屋根裏収納室1の位置を二点鎖線で示している。図3図4は屋根裏収納室1及びその下の階の居室の断面図である。
【0009】
図2に示すように、屋根裏収納室1の下は、居室21、22、23及びバルコニー29が設けてあり、1階と2階を連絡する階段3が設けてある。
居室22の内部及び廊下31に面して、居室22の天井C1の高さより低く、例えば、1.4mを越えない高さとした収納室51、52が設けてある。これらの収納室51、52の天井C2の上面は屋根裏収納室1の内部または側縁に接する位置に設けてあり、天井C2の上面は同一平面の作業床12としてある。
この作業床12は、屋根裏収納室1の床面11よりも70〜100cm程度低くなるので作業床12から屋根裏収納室の天井C3までの高さが2.2m程度となり、収納物を出し入れする際に大人が立ったままで作業することができる空間が確保される。
【0010】
居室23の床面は、廊下31より60cmほど高くしてあり、廊下31から階段32で3段ほど上げてある。
居室23には、収納室52の背面に接した位置に屋根裏収納室1に連絡するアクセス階段35が設けてあり、このアクセス階段35によって屋根裏収納室1にアクセスすることができる。そのため、作業床12までの階段35の段数を少なくすることができると共に、図4に示すように、居室23の直下の居室の天井高をその分だけ高くすることができる。
屋根裏収納室1は、居室21、居室22、階段3、及び廊下31の上に位置し、作業床12の部分を除いて収納物を置く平面または、適宜の段差を設けて雛壇としてあり、収納物の整理をしやすくしてある。
必要に応じて、屋根裏収納室1に区画用の仕切りや、小物を整理しやすいように棚を設置する。
【0011】
収納物の出し入れの際には、居室23の屋根裏収納室1に通じるアクセス階段35を使用して屋根裏に昇り、作業床12に立って収納物の出し入れ作業することができるので、腰を屈めることなく出し入れすることが可能である。
屋根裏に通じる階段は一つだけに限ることはなく、適宜の位置に設置することが可能である。
【符号の説明】
【0012】
1 屋根裏収納室
12 作業床
21−23 居室
3 階段
31 廊下
32 階段
35 アクセス階段
51、52 収納室
C 天井
図5
図1
図2
図3
図4