(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サイクリックCVD(CCVD)、MOCVD(金属有機CVD)、熱化学気相成長、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、高密度PECVD、光子支援CVD、プラズマ−光子支援(PPECVD)、低温化学気相成長、化学物質支援気相成長、高温フィラメント化学気相成長、液体ポリマー前駆体のCVD、超臨界流体からの堆積、低エネルギーCVD(LECVD)、及び流動性化学気相成長(FCVD)からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載されるのは、アルコキシシリルアミン、さらに詳しくはトリス(アルコキシシリル)アミン化合物又はビス(アルコキシシリル)アミン化合物であって、これは、堆積方法で前駆体として使用して、化学量論量及び非化学量論量のケイ素及びケイ素含有膜(例えば、特に限定されないが、酸化ケイ素、酸炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、及び酸炭窒化ケイ素)を形成することができる。堆積方法は、特に限定されないが、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、サイクリック化学気相成長(CCVD)、流動性化学気相成長(FCVD)、原子層堆積(ALD)、又はプラズマ強化原子層堆積(PEALD)方法を含む。
【0015】
本明細書に記載されるアルコキシシリルアミン前駆体は、典型的には、蒸発され、ガスとして堆積チャンバー又は反応器に送られて、特に限定されないが、半導体素子のための化学気相成長(CVD)、サイクリック化学気相成長(CCVD)、流動性化学気相成長(FCVD)、原子層堆積(ALD)を含む種々の堆積技術を介して、ケイ素含有膜を堆積させる高純度揮発性液体前駆体である。他の態様において、このアルコキシアミノシラン前駆体は、液体ベースの堆積又は膜形成法、例えば、特に限定されないが、スピンオン、ディップコート、エアゾル、インクジェット、スクリーン印刷、又はSPR適用プロセスで使用することができる。
【0016】
堆積のための前駆体材料の選択は、所望の得られる誘電材料又は膜に依存する。例えば前駆体材料は、その化学元素の含量、化学元素の化学量論比、及び/又は上記堆積技術により形成される得られる誘電膜又はコーティングについて選択されてよい。
【0017】
前駆体材料はまた、種々の他の特性、例えばコスト、非毒性、取り扱い特性、揮発性、熱安定性、他のケイ素含有前駆体との相溶性、及び/又は他の考慮事項について選択されてよい。幾つかの態様では、本明細書に記載の一般式又は式A及び/又はBを有する前駆体は、6ヶ月又はそれ以上、又は1年又はそれ以上の期間(この期間は保存安定性を示す)保存後、2wt%未満、又は1wt%未満、又は0.5wt%未満の副産物を含む。幾つかの態様では、ALD又はPEALD堆積方法を使用して、酸化ケイ素又は窒化ケイ素膜を堆積する上記利点以外に、本明細書に記載の前駆体は、比較的低い堆積温度(例えば500℃又はそれ以下、又は400℃又はそれ以下、300℃又はそれ以下、200℃又はそれ以下、100℃又はそれ以下、又は50℃又はそれ以下)で高密度材料を堆積することができる。
【0018】
先に記載したように、アルコキシシリルアミン化合物、より具体的には以下の一般式
((R
1O)R
2R
3Si)
2NSi(OR
4)R
5R
6
を有し、式中、R
1及びR
4がそれぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6がそれぞれ独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択されるトリス(アルコキシシリル)アミン化合物が本明細書で記載される。
【0019】
別の態様では、同様に、アルコキシシリルアミン化合物、より具体的には以下の一般式
((R
1O)R
2R
3Si)
2NR
5
を有し、式中、R
1が直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3及びR
5がそれぞれ独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択されるビス(アルコキシシリル)アミン化合物が本明細書で記載される。
【0020】
別の態様では、以下の式A及びB
【化2】
を有し、式中、R
1及びR
4がそれぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6がそれぞれ独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択されるトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体である少なくとも1つのアルコキシシリルアミンが本明細書で記載される。
【0021】
式Aの1つの態様では、R
1及びR
4は独立してメチル基又はエチル基から選択され、R
2、R
3、
R5、
R6はそれぞれ独立して水素又はC
1〜C
5アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ及びsec−ブトキシから選択される。1つの特定の態様では、R
2、R
3、
R5及び
R6は水素又はメトキシである。別の態様では、R
1及びR
4は独立して分岐アルキル基、例えば、特に限定されないが、tert−ブチル及びtert−アミルから選択され、R
2、R
3、
R5及び
R6はそれぞれ独立して水素、C
1〜C
5アルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、及びtert−ペンチル、好ましくはメチル又はエチルから選択される。式Aを有する化合物の例は、特に限定されないが、((MeO)
2HSi)
3N、((EtO)
2HSi)
3N、((MeO)
2MeSi)
3N、((EtO)
2MeSi)
3N、((MeO)MeHSi)
3N、((EtO)MeHSi)
3N、((MeO)
2HSi)
2NSiH
2(OBu
t)、((EtO)
2HSi)
2NSiH
2(OBu
t)、((MeO)
2HSi)
2NSiH(OEt)
2、及び((
tBuO)H
2Si)
3Nを含む。式Bを有する化合物の例は、特に限定されないが、((MeO)
2HSi)
2NH、((EtO)
2HSi)
2NH、((MeO)
2MeSi)
2NH、((EtO)
2MeSi)
2NH、((MeO)MeHSi)
2NH、((EtO)MeHSi)
2NH、((MeO)
2HSi)
2NMe、((EtO)
2HSi)
2NMe、((MeO)
2MeSi)
2NMe、((EtO)
2MeSi)
2NMe、((MeO)MeHSi)
2NMe、((EtO)MeHSi)
2NMe、((MeO)
2HSi)
2NEt、((EtO)
2HSi)
2NEt、((MeO)
2MeSi)
2NEt、((EtO)
2MeSi)
2NEt、((MeO)MeHSi)
2NEt、((EtO)MeHSi)
2NEt、((MeO)
2HSi)
2NPr
n、((EtO)
2HSi)
2NPr
n、((MeO)
2MeSi)
2NPr
n、((EtO)
2MeSi)
2NPr
n、((MeO)MeHSi)
2NPr
n、((EtO)MeHSi)
2NPr
n、((MeO)
2HSi)
2NPr
i、((EtO)
2HSi)
2NPr
i、((MeO)
2MeSi)
2NPr
i、((EtO)
2MeSi)
2NPr
i、((MeO)MeHSi)
2NPr
i、((EtO)MeHSi)
2NPr
i、((MeO)
2HSi)
2NBu
t、((EtO)
2HSi)
2NBu
t、((MeO)
2MeSi)
2NBu
t、((EtO)
2MeSi)
2NBu
t、((MeO)MeHSi)
2NBu
t、((EtO)MeHSi)
2NBu
tを含む。
【0022】
本明細書に記載のトリス(アルコキシシリル)アミン化合物又はビス(アルコキシシリル)アミン化合物の幾つかの主要な特徴は、これらの化合物が、気相堆積方法の間に基材表面上で化学反応することを可能にするSi−N、Si−O及び/又はSi−H結合の少なくとも1つを含有し、その結果、同様の堆積条件下では他の有機ケイ素化合物について不可能な幾つかの性質を有するケイ素含有膜を堆積させることである。
【0023】
本明細書を通して用語「アルキル」は、1〜10個又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の官能基を示す。アルキル基の例は、特に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、及びネオヘキシルを含む。他の態様では、アルキル基は、そこに結合した1つ又はそれ以上の官能基、例えば、特に限定されないが、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はそれらの組み合わせを含んでよい。別の態様において、アルキル基は、そこに結合した1つ又はそれ以上の官能基を持たない。用語「環状アルキル」は、3〜12個又は4〜10個の炭素原子を有する環状官能基を示す。環状アルキル基の例は、特に限定されないが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチル基を含む。用語「アリール」は、4〜12個の炭素原子を有する芳香族環状官能基を示す。アリール基の例は、特に限定されないが、フェニル、ベンジル、クロロベンジル、トリル、及びオキシリルを含む。用語「アルケニル基」は、1つ又はそれ以上の炭素−炭素2重結合を有し、かつ2〜12個又は2〜6個の炭素原子を有する基を示す。アルケニル基の例は、特に限定されないが、ビニル又はアリル基を含む。用語「アルキニル基」は、1つ又はそれ以上の炭素−炭素3重結合を有し、かつ2〜12個又は2〜6個の炭素原子を有する基を示す。用語「アルコキシ」は、結合した酸素原子(例えば、R−O)を有し、かつ1〜12個又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。アルコキシ基の例は、特に限定されないが、メトキシ(−OCH
3)、エトキシ(−OCH
2CH
3)、n−プロポキシ(−OCH
2CH
2CH
3)、及びイソプロポキシ(−OCHMe
2)を含む。
【0024】
以下の式1〜4は、本明細書に記載の一般式又は式Aを有するトリス(アルコキシシリル)アミンを製造するために使用し得る反応スキーム又は合成経路の例を示す。
【化3】
【0025】
式1〜4の反応は、有機溶媒有りで(の存在下で)又は無しで行うことができる。有機溶媒が使用される態様において、適切な有機溶媒の例は、特に限定されないが、炭化水素、例えばヘキサン、オクタン、トルエン、及びエーテル(例えばジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン(THF))を含む。これらの又は他の態様において、溶媒が含まれる場合、反応温度は約−70℃〜−20℃から溶媒の沸点までの範囲である。得られるトリス(アルコキシシリル)アミンは、すべての副産物ならびに溶媒を除去後、真空蒸留により精製することができる。式1、2、及び3は、アルコキシシラザンを与えるためのアルコキシクロロシランとアンモニアの反応(式(1))であり、アルコキシシラザンは、N−ブチルリチウムなどの金属アルキルと反応(式(2))されてリチウムアミドを生成し、これは次にアルコキシクロロシランとの反応(式(3))によりトリス(アルコキシシリル)アミンを生成物として生成する反応を含む態様である。本明細書に記載のこの多工程合成法は、置換基として同じアルコキシシリル基、例えば((MeO)
2HSi)
3N、((MeO)
2MeSi)
3N、((EtO)
2MeSi)
3N、((MeO)MeHSi)
3N、((EtO)MeHSi)
3N、又は((
tBuO)H
2Si)
3N、を含有するトリス(アルコキシシリル)アミンの形成のみでなく、置換基として異なるアルコキシシリル基、例えば((MeO)
2HSi)
2NSiH
2(OBu
t)、((MeO)
2HSi)
2NSiH(OEt)
2を含有するトリス(アルコキシシリル)アミンの形成も提供する。
【0026】
本発明の別の形態は、上記一般式又は式A、B又はそれらの組み合わせと、ジアルキルアミノシラン、アルコキシシラン、ジアルキルアミノアルキルシラン、及びアルコキシアルキルシランからなる群より選択される相溶性のケイ素含有前駆体との混合物である。ケイ素含有前駆体の例は、特に限定されないが、ビス(tert−ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(TRDMAS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリエトキシシラン(TES)、ジ−tert−ブトキシシラン(DTBOS)、ジ−tert−ペントキシシラン(DTPOS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、テトラメトキシシラン(TMOS)、トリメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、ジ−tert−ブトキシメチルシラン、ジ−tert−ブトキシエチルシラン、ジ−tert−ペントキシメチルシラン、及びジ−tert−ペントキシエチルシランを含む。
【0027】
幾つかの態様では、本明細書に記載の前駆体は、多くの手段により、好ましくは適切な弁及び接続具を取り付けた加圧可能なステンレス容器を用いて反応器系に供給することができ、堆積チャンバー又は反応器への液相前駆体の供給を可能にする。
【0028】
本明細書に記載のトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体が、化学気相成長、特にCVD堆積又は流動性CVD堆積中に、基材表面へのより良好な反応性を与えて、Si−H、Si−OR、Si−N−Si結合などの化学的特性によりSi−N−Si結合又はSi−O−Si結合を形成することができると考えられている。上記利点以外に、サイクリックCVD、ALD、又はPFALD堆積法を使用して酸化ケイ素膜又は酸窒化ケイ素膜を堆積させるような態様において、本明細書に記載のトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体は、比較的低い堆積温度、例えば500℃又はそれ以下、400℃又はそれ以下、300℃又はそれ以下、200℃又はそれ以下、100℃又はそれ以下、又は50℃又はそれ以下で、高密度材料を堆積できる可能性がある。
【0029】
典型的なPCVD法を使用して酸化ケイ素を堆積させるような他の態様において、本明細書に記載のトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体は、in situ触媒としての有機アミン又はアンモニアの放出による触媒として、比較的低い堆積温度、例えば100℃又はそれ以下、50℃又はそれ以下、20℃又はそれ以下、さらには0℃又はそれ以下で、 他のケイ素含有前駆体と一緒に使用してもよい。
【0030】
ケイ素含有誘電膜又はコーティングを形成のに使用される堆積法は、堆積プロセスである。本明細書に記載の方法のための適切な堆積プロセスの例は、特に限定されないが、サイクリックCVD(CCVD)、MOCVD(金属有機CVD)、熱化学気相成長、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、高密度PECVD、光子支援CVD、プラズマ−光子支援(PPECVD)、低温化学気相成長、化学物質支援気相成長、高温フィラメント化学気相成長、液体ポリマー前駆体のCVD、超臨界流体からの堆積、及び低エネルギーCVD(LECVD)、及び流動性化学気相成長を含む。
【0031】
本明細書において用語「化学気相成長プロセス」は、1つ又は複数の揮発性前駆体に基材がさらされ、これが基材表面で反応及び/又は分解して所望の堆積物を生成する任意のプロセスをいう。
【0032】
本明細書において用語「原子層堆積プロセス」は、種々の組成の基材上に材料の膜を堆積させる自己制御式(例えば、各反応サイクルで堆積される膜材料の量は一定である)連続表面化学をいう。本明細書において使用される前駆体、反応物、及び供給源は時に「気体状」と記載されるが、この前駆体は、直接蒸発、バブリング、又は昇華により、不活性ガス有り又は無しで輸送される液体又は固体でもよいことは理解される。ある場合に、蒸発された前駆体は、プラズマ発生器中を通過することができる。
【0033】
1つの態様では、誘電膜はALDプロセスを使用して堆積される。別の態様において、誘電膜はCCVDプロセスを使用して堆積される。さらなる態様において、誘電膜は熱CVDプロセスを使用して堆積される。本明細書において用語「反応器」は、特に限定されないが、反応チャンバー又は堆積チャンバーを含む。
【0034】
幾つかの態様では、本明細書に開示された方法は、反応器への導入前及び/又は導入中に、前駆体を分離するALD法又はCCVD法を使用して、前駆体の前反応を避ける。これに関連して、誘電膜を堆積させるために、ALDプロセス又はCCVDプロセスのような堆積技術が使用される。1つの態様では、ALDプロセスにより、基材表面を交互に、1つ又は複数のケイ素含有前駆体、酸素源、窒素含有供給源、又は他の前駆体若しくは試薬にさらすことにより、膜が堆積される。膜の成長は、表面反応、各前駆体又は試薬のパルス長、及び堆積温度の自己制限性調節により進行する。しかし基材の表面がいったん飽和されると、膜の成長は止まる。
【0035】
幾つかの態様では、本明細書に記載の方法はさらに、式A及びB中のトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体以外に、1つ又は複数の追加のケイ素含有前駆体又は非ハロゲン化物を含む。追加のケイ素含有前駆体の例は、特に限定されないが、モノアミノシラン(例えば、ジイソプロピルアミノシラン、ジsec−ブチルアミノシラン、フェニルメチルアミノシラン;有機ケイ素化合物、例えばトリシリルアミン(TSA);モノアミノシラン(ジイソプロピルアミノシラン、ジsec−ブチルアミノシラン、フェニルメチルアミノシラン;シロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)及びジメチルシロキサン(DMSO));有機シラン(例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジシリルメタン、2,4−ジシラペンタン、1,4−ジシラブタン、2,5−ジシラヘキサン、2,2−ジシリルプロパン、1,3,5−トリシラシクロヘキサン、及びこれらの化合物のフッ化誘導体);フェニル含有有機ケイ素化合物(例えば、ジメチルフェニルシラン及びジフェニルメチルシラン);;アルコキシシランは、特に限定されないが、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリエトキシシラン(TES)、ジtert−ブトキシシラン(DTBOS)、ジtert−ペントキシシラン(DTPOS);酸素含有有機ケイ素化合物、例えばジメチルジメトキシシラン;1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3,5,7−テトラシラ−4−オキソ−ヘプタン;2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソノナン;2,2−ジメチル−2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソノナン;オクタメチルシクロテトラシロキサン;[1,3,5,7,9]−ペンタメチルシクロペンタシロキサン;1,3,5,7−テトラシラ−2,6−ジオキソシクロオクタン;ヘキサメチルシクロトリシロキサン;1,3−ジメチルジシロキサン;1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン;ヘキサメトキシジシロキサン、及びこれらの化合物のフッ化誘導体を含む。
【0036】
堆積法に依存して、幾つかの態様では、トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体、他のケイ素含有前駆体は、反応器中に、所定のモル容量で、又は約0.1〜約1000マイクロモルで導入されてよい。この又は他の態様において、トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体は、反応器中に所定の期間導入されてよい。幾つかの態様では、この期間は、約0.001〜約500秒の範囲である。
【0037】
幾つかの態様では、本明細書に記載の方法を使用して堆積される誘電膜は、酸素源、酸素含有試薬又は前駆体を使用して酸素の存在下で形成される。酸素源は、反応器中に、少なくとも1つの酸素源の形で導入され、及び/又は堆積方法で使用される他の前駆体中にたまたま存在してもよい。適切な酸素源は、例えば水(H
2O)(例えば、脱イオン水、精製水、及び/又は蒸留水、水と有機液体とを含む混合物)、過酸化水素(H
2O
2)、酸素(O
2)、酸素プラズマ、オゾン(O
3)、N
2O、NO、NO
2、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、及びそれらの組み合わせを含んでよい。混合物が水と有機液体とを含む態様において、混合物中の有機液体は、炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、アミン、ケトン、エステル、有機酸、及び有機アミドから選択することができる。幾つかの態様では、酸素源は酸素源ガスを含み、これは反応器中に、約1〜約2000平方立方センチメートル(sccm)又は約1〜約1000sccmの範囲の流速で導入される。酸素源は、約0.1〜約100秒の範囲の時間、導入することができる。ある特定の態様において、酸素源は、10℃以上の温度を有する水を含む。ALD又はサイクリックCVDプロセスにより膜が堆積される態様において、前駆体パルスは、0.01秒長であるパルス持続を有することができ、酸素源は、0.01秒未満であるパルス持続を有することができ、一方、水パルス持続は、0.01秒未満のパルス持続を有することができる。さらに別の態様において、パルス間のパージ持続期間は、0秒まで低くてもよく、又は間のパージ無しで連続的にパルスされる。酸素源又は試薬は、ケイ素前駆体に対して1:1比未満の分子量で提供され、従って少なくとも一部の炭素は、堆積されたままのケイ素含有膜中に保持される。
【0038】
幾つかの態様では、ケイ素含有膜はケイ素と窒素とを含む。これらの態様において、本明細書に記載の方法を使用して堆積されるケイ素含有膜は、窒素含有源の存在下で形成される。窒素含有源は、反応器中に少なくとも1つの窒素源の形で導入してもよく、及び/又は堆積方法で使用される他の前駆体中に偶然存在してもよい。適切な窒素含有源ガスは、例えば、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素、窒素/水素、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素/水素プラズマ、及びこれらの混合物を含んでよい。幾つかの態様では、窒素含有源は、アンモニアプラズマ又は水素/窒素プラズマ源ガスを含み、これは反応器中に、約1〜約2000平方立方センチメートル(sccm)又は約1〜約1000sccmの範囲の流速で導入される。窒素含有源は、約0.1〜約100秒の範囲の時間、導入することができる。ALD又はサイクリックCVDプロセスにより膜が堆積される態様において、前駆体パルスは0.01秒より大きいパルス持続を有することができ、窒素含有源は、0.01秒未満のパルス持続を有することができ、一方水パルス持続は、0.01秒未満であるパルス持続を有することができる。さらに別の態様において、パルス間のパージ持続期間は、0秒まで低くてもよく、又は間のパージ無しで連続的にパルスされる。
【0039】
本明細書に開示された堆積法は、1つ又はそれ以上のパージガスを含んでよい。消費されなかった反応物及び/又は反応副産物をパージするために使用されるパージガスは、前駆体と反応しない不活性ガスである。パージガスの例は、特に限定されないが、アルゴン(Ar)、窒素(N
2)、ヘリウム(He)、ネオン、水素(H
2)、及びこれらの混合物を含む。幾つかの態様では、Arなどのパージガスは、反応器中に約10〜約2000sccmの範囲の流速で、約0.1〜1000秒の期間供給され、こうして未反応の材料と反応器中に残り得る副産物とをパージする。
【0040】
前駆体、酸素源、窒素含有源、及び/又は他の前駆体、原料ガス、及び/又は試薬を供給する各工程は、これらを供給する時間を変えることにより行われて、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させることができる。
【0041】
反応を誘導し、基材上にケイ素含有膜又はコーティングを形成するために、前駆体、窒素含有源、還元剤、他の前駆体、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つにエネルギーが適用される。そのようなエネルギーは、特に限定されないが、熱、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、X線、eビーム、光子、遠隔プラズマ法、及びそれらの組み合わせにより供給することができる。幾つかの態様では、2次RF周波数源は、基材表面でプラズマ特性を修飾するために使用することができる。堆積がプラズマを含む態様において、プラズマ生成プロセスは、直接プラズマ生成プロセス(ここで、プラズマは直接反応器中で生成される)、又は遠隔プラズマ生成プロセス(ここで、プラズマは反応器の外で生成され、反応器中に供給される)を含んでよい。
【0042】
トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体及び/又は他のケイ素含有前駆体は、種々の方法により、CVD又はALD反応器などの反応チャンバーに供給することができる。1つの態様では、液体供給系が使用される。別の態様では、液体供給とフラッシュ蒸発の組み合わせプロセス、例えばMSP Corporation of Shoreview, MN, 製のターボ噴霧器が使用されて、低揮発性材料が容量的に供給されることを可能にし、これは、前駆体の熱分解無しで、再現性のある搬送と堆積とにつながる。液体供給配合物では、本明細書に記載の前駆体は純粋な液体の形態で供給されるか、又は溶媒調製物又はこれを含む組成物で使用してもよい。したがって、幾つかの態様では、前駆体調製物は、基材上に膜を形成するためのある最終使用用途において好ましく有利な適切な特性の溶媒成分を含んでよい。
【0043】
トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体、ビス(アルコキシシリル)アミン前駆体、又はトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体とビス(アルコキシシリル)アミン前駆体の両方が、溶媒を含む組成物で使用される態様について、選択された溶媒又はその混合物は、有機アミノジシランと反応しない。幾つかの態様について、トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体、及び相溶性の溶媒を含む組成物は、純粋なトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体と比較して、多くの利点を提供する。これらの利点には以下がある:半導体プロセスにおけるトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体の良好な使用、長期保存での良好な安定性、フラッシュ蒸発によるより清澄な蒸発、及び全体的なより安定なDLI化学気相成長プロセス。組成物中の溶媒の量(wt%)は、0.5wt%〜99.5wt%、又は10wt%〜75wt%の範囲である。この又は他の態様において、溶媒はトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体及び/又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体と同様の沸点(bp)を有するか、又は溶媒とトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体及び/又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体との沸点の差は、40℃又はそれ以下、30℃又はそれ以下、又は20℃又はそれ以下、又は10℃である。あるいは、沸点間の差は、以下の終点、すなわち0、10、20、30又は40℃のうち1つ又は複数からの範囲である。沸点の差の適切な範囲の例は、特に限定されないが、0〜40℃、20℃〜30℃、又は10℃〜30℃である。組成物中の適切な溶媒の例は、特に限定されないが、エーテル(例えば、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル)、3級アミン(例えば、ピリジン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、ニトリル(例えばベンゾニトリル)、アルキル炭化水素(例えば、オクタン、ノナン、ドデカン、エチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、メシチレン)、3級アミノエーテル(例えば、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル)、又はこれらの混合物を含む。組成物のための溶媒のさらなる例は、特に限定されないが、オクタン(沸点125〜126℃)、エチルシクロヘキサン(沸点130〜132℃)、トルエンn(沸点115℃)、デカン(沸点174℃)、及び2,2’−オキシビス(N,N−ジメチルエタンアミン)(沸点189℃)を含む。
【0044】
別の態様では、式A又はBの任意の1つを有する1つ又はそれ以上のアルコキシシリルアミンを含むケイ素含有膜を堆積するための容器が、本明細書に記載される。幾つかの態様では、この容器は、前駆体を収容するための内部を含み、前駆体と接触する内部表面の少なくとも一部は、ガラス、プラスチック、金属、プラスチック、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料でできた裏張りからなる。ある具体的な態様において、この容器は、CVD又はALDプロセスのための反応器への1つ又はそれ以上の前駆体の供給を可能にする適切な弁及び接続具を取り付けた、少なくとも1つの加圧可能な容器(好ましくはステンレス製)を含む。この態様又は他の態様において、トリス(アルコキシシリル)アミン前駆体及び/又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体は、ステンレス鋼からなる加圧製容器で提供され、前駆体の純度は98wt%又はそれ以上、又は99.5wt%又はそれ以上であり、これは大部分の半導体用途に適している。幾つかの態様では、そのような容器はまた、所望であれば、前駆体を1つ又は複数の追加の前駆体を混合するための手段を有することもできる。これらの又は他の態様において、容器の内容物は追加の前駆体と前混合することができる。あるいは、式A及び/又はBを有するアルコキシシリルアミン前駆体及び/又は他の前駆体は、有機アミノジシラン前駆体と他の別の前駆体とを別々に保存して維持するための、別の容器で又は分離手段を有する単一の容器で維持することができる。
【0045】
本明細書に記載される方法の1つの態様では、CCVD、ALD、又はPEALDなどのサイクリック堆積方法が使用でき、ここで、本明細書に記載の式を有するアルコキシシリルアミン前駆体から選択される少なくとも1つのケイ素含有前駆体と、任意選択で窒素含有源(例えば、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素、窒素/ヒドラジン、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素/ヒドラジンプラズマ)とが使用される。
【0046】
幾つかの態様では、前駆体キャニスターから反応チャンバーに連結するガスラインは、プロセス要件に依存して1つ又はそれ以上の温度に加熱され、本明細書に記載の式A及び/又はBを有するアルコキシシリルアミン前駆体の容器は、バブリングのために1つ又はそれ以上の温度で維持される。他の態様において、本明細書に記載の式A及び/又はBを有する少なくとも1つのケイ素含有前駆体を含む溶液は、直接液体注入のために1つ又はそれ以上の温度で維持された噴霧器中に注入される。
【0047】
アルゴン及び/又は他のガスの流れは、キャリアーガスとして使用されて、前駆体パルス中に反応チャンバーへ、少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体の蒸気を測定することを助けることができる。幾つかの態様では、反応チャンバーのプロセス圧は、約1Torrである。
【0048】
典型的なALD又はCCVDプロセスでは、酸化ケイ素基材などの基材は、反応チャンバー中のヒーター台上で加熱され、これはまずケイ素含有前駆体にさらされて、複合体が基材表面に化学的に吸着することを可能にする。
【0049】
アルゴンのようなパージガスは、吸収されなかった過剰の複合体をプロセスチャンバーから除去する。充分なパージ後、窒素含有源は反応チャンバー中に導入されて、吸着された表面と反応し、次に別のガスのパージにより、チャンバーから反応副産物を除去する。所望の膜厚を達成するために、このプロセスサイクルは繰り返すことができる。
【0050】
この態様又は他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は様々な順序で実施することができ、連続して又は同時に(例えば、別の工程の少なくとも一部中に)、及びこれらの任意の組み合わせで実施することができる。前駆体と窒素含有源ガスとを供給する各工程は、これらを供給する時間を変化させることにより実施し、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させてもよい。
【0051】
本明細書で開示される方法の別の態様では、ケイ素と窒素の両方を含有する膜は、
a.基材をALD反応器に提供する工程、
b.以下の式A及びB
【化4】
で表され、式中、R
1及びR
4が独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの(アルコキシシリル)アミン前駆体を前記ALD反応器に導入する工程、
c.前記少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体を基材上に化学吸着させる工程、
d.未反応の少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体をパージガスを用いてパージする工程、
e.窒素含有源を加熱された基材上の前駆体に提供して、吸着した少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体と反応させる工程、並びに
f.任意選択で未反応の窒素含有源をパージする工程
を含むALD堆積方法を用いて形成される。
【0052】
本明細書で開示される方法の別の態様では、ケイ素含有膜は、
a.基材を反応器に提供する工程、
b.以下の式A及びB
【化5】
で表され、式中、R
1及びR
4が独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体を前記反応器に導入する工程、
c.前記少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体を基材上に化学吸着させる工程、
d.未反応の少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体をパージガスを用いてパージする工程、
e.酸素源を加熱された基材上の少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体に提供して、吸着した少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体と反応させる工程、並びに
f.任意選択で未反応の酸素源をパージする工程
を含むALD堆積方法を用いて形成される。
【0053】
上記の工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。この又は他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は、様々な順序で実施することができ、連続して又は同時に(例えば、別の工程の少なくとも一部中に)、及びこれらの任意の組み合わせで実施することができる。前駆体と酸素源とを供給する各工程は、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させるために、これらを供給する時間を変化させることにより実施してもよいが、利用できるケイ素に対して化学量論量未満の酸素がいつも使用される。
【0054】
多成分性のケイ素含有膜について、ケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、還元剤、又は他の試薬などの他の前駆体は、交互に反応器チャンバーに導入することができる。
【0055】
本明細書で記載される方法のさらなる態様では、ケイ素含有膜は熱CVDプロセスを用いて堆積される。この態様では、本方法は、
(a)周囲温度から約700℃の温度に加熱され、1Torr以下の圧力で保持される反応器に1つ又は複数の基材を入れる工程、
(b)以下の式A及びB
【化6】
で表され、式中、R
1及びR
4が独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体を導入する工程、並びに
(c)酸素源を前記反応器に提供し、前記少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体と少なくとも部分的に反応させてケイ素含有膜を前記1つ又は複数の基材上に堆積させる工程
を含む。
【0056】
本明細書で記載される方法のさらなる態様では、ケイ素含有膜は流動性CVDプロセスを用いて堆積される。この態様では、本方法は、
−20℃未満の温度から約300℃の温度に加熱され、1Torr以下の圧力で保持される反応器に1つ又は複数の基材を入れる工程、
以下の式A及びB
【化7】
で表され、式中、R
1及びR
4が独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体を導入する工程、
プロトン源を前記反応器に提供し、前記少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体と少なくとも部分的に反応させてケイ素含有膜を前記1つ又は複数の基材上に堆積させる工程、
任意選択で触媒を導入して加水分解又はネットワーク生成プロセスを促進する工程、並びに
得られた膜を、真空、熱、オゾンを用いた酸化、UV、水蒸気、eビーム、プラズマ、及びそれらの組み合わせから選択される処理の1つ又は複数にさらして固体誘電膜を形成する工程
を含む。
【0057】
理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載の前駆体を使用するための1つの態様はギャップ充填用途用であり、ここでは、堆積されたままの膜中の窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素の形の残存窒素の取り込みは、次の酸化処理で拡大する可能性がある。この拡大は、ギャップの完全な充填とリエントリー特性を確実にし、高アスペクト比特性での空隙又は継ぎ目を排除する。プロトン源は、水、過酸化水素、水と他の溶媒(特に限定されないが、アルコール、アセトン、及びTHFを含む)との混合物から選択することができる。触媒は、塩化水素、カルボン酸、ハロゲン置換カルボン酸、及びアンモニアや有機アミンなどの塩基、からなる群より選択することができる。酸又は塩基は、種々の供給法を介して反応器中に導入することができるか、又は化学物質とプロトン源との反応によりその場で生成することができる。触媒の例は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、クロロ酢酸、トリエチルアミン、ジエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、トリフルオロメタンスルホン酸、及びそれらの組み合わせを含む。触媒はまた、加水分解により無機又は有機酸を生成することができる有機化合物又は無機化合物から選択することもできる。触媒の例は、BCl
3、AlCl
3、AlBr
3、Cl
2SO、PCl
3、OPCl
3などの金属又は非金属ハロゲン化物、塩化アセチル、臭化アセチルなどのカルボキシルハロゲン化物、無水酢酸などのカルボン酸無水物を含む。
【0058】
CVD法の幾つかの態様では、反応器は、導入工程の際、100mTorr〜600mTorrの圧力に保持される。上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。この又は他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は、様々な順序で行われ、連続して又は同時に(例えば、別の工程の少なくとも一部中に)、及びこれらの任意の組み合わせで実施することができる。前駆体と酸素源とを供給する各工程は、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させるために、これらを供給する時間を変化させることにより実施してもよいが、利用できるケイ素に対して化学量論量未満の酸素がいつも使用される。
【0059】
多成分性のケイ素含有膜について、ケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、酸素源、還元剤、及び/又は他の試薬などの他の前駆体は、交互に反応器チャンバーに導入することができる。
【0060】
本明細書で記載される方法のさらなる態様では、ケイ素含有膜は熱CVDプロセスを用いて堆積される。この態様では、本方法は、
a.周囲温度から約700℃の温度に加熱され、1Torr以下の圧力で保持される反応器に1つ又は複数の基材を入れる工程、
b.以下の式A及びB
【化8】
で表され、式中、R
1及びR
4が独立して直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
3〜C
12アルケニル基、C
3〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、及びC
6〜C
10アリール基から選択され、R
2、R
3、R
5及びR
6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
12アルケニル基、C
2〜C
12アルキニル基、C
4〜C
10環状アルキル基、C
6〜C
10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つのトリス(アルコキシシリル)アミン前駆体又はビス(アルコキシシリル)アミン前駆体を導入する工程、並びに
c.窒素含有源を前記反応器に提供し、前記少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体と少なくとも部分的に反応させてケイ素含有膜を前記1つ又は複数の基材上に堆積させる工程
を含む。
CVD法の幾つかの態様では、反応器は、導入工程の際、100mTorr〜600mTorrの圧力に保持される。
【0061】
幾つかの態様では、結果として得られたケイ素含有膜又はコーティングを、特に限定されないが、プラズマ処理、化学処理、紫外光曝露、電子ビーム曝露、及び/又は他の処理などの堆積後処理に曝露して、膜の1つ又は複数の特性に影響を及ぼすことができる。
【0062】
幾つかの態様では、本明細書に記載のケイ素含有膜は、6又はそれ以下の誘電率を有する。これらの又は他の態様において、膜は約5又はそれ以下、又は約4又はそれ以下、又は約3.5又はそれ以下の誘電率を有することができる。しかし、膜の所望の最終用途に依存して、他の誘電率(例えば、より大きいか又はより小さい)を有する膜を形成できることが意図される。本明細書に記載の有機アミノジシラン前駆体とプロセスとを使用して形成されるケイ素含有膜の例は、処方Si
xO
yC
zN
vH
wを有し、ここで、例えばXPS又は他の手段により測定すると、Siは、約10%〜約40%の範囲であり;Oは、約0%〜約65%の範囲であり;Cは、約0%〜約75%又は約0%〜約50%の範囲であり;Nは、約0%〜約75%又は約0%〜約50%の範囲であり;及び、Hは約0%〜約50%の原子パーセント重量%であり、ここでx+y+z+v+w=100原子重要パーセントである。
【0063】
上記したように、本明細書に記載の方法は、基材の少なくとも一部上にケイ素含有膜を堆積させるために使用することができる。適切な基材の例は、特に限定されないが、ケイ素、SiO
2、Si
3N
4、OSG、FSG、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、ホウ窒化物、反射防止コーティング、フォトレジスト、有機ポリマー、多孔性有機及び無機材料、金属(例えば、銅及びアルミニウム)、及び拡散バリア層(例えば、特に限定されないが、TiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、又はWN)を含む。膜は、例えば化学機械的平坦化(CMP)及び異方性エッチングプロセスなどの種々の以後の加工工程と適合性がある。
【0064】
堆積された膜は、特に限定されないが、コンピューターチップ、光学デバイス、磁気情報ストレージ、支持材料又は基材上のコーティング、微小電気機械システム(MEMS)、ナノ電子機械システム、薄膜トランジスタ(TFT)、及び液晶ディスプレイ(LCD)を含む用途を有する。
【0065】
以下の例は、本明細書に記載のアルコキシシリルアミン前駆体ならびに堆積されたケイ素含有膜を調製するための方法を例示し、決して本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0066】
[例1]
[トリス(ジメトキシシリル)アミンの合成]
400ミリリットル(ml)のヘキサンと200グラム(g)のトリクロロシランを、添加ロート、冷却器、機械攪拌器、ガス入り口とガス出口を取り付けた1000mlの三ツ首丸底フラスコに加えた。機械攪拌をしながら、溶液をドライアイスイソプロピルアルコール(IPA)浴で−30℃に冷却した。96g量の無水メタノールを添加ロートを介して滴下して加えた。生成したHClガスをガス出口を通して、吸収用の水を含有するフラスコに導入した。無水メタノールとHClの添加を完了後、反応混合物をゆっくり攪拌しながら室温まで加温した。室温で2時間攪拌を続けた。次に、反応混合物中に窒素をバブリングして残存HClを追い出した。ガスクロマトグラフィー質量スペクトル(GC−MS)は、主要な生成物がジメトキシクロロシランであることを示した。
【0067】
ヘキサン中のジメトキシクロロシラン溶液を−20℃に冷却した。攪拌しながら、無水アンモニアを溶液中にバブリングした。塩化アンモニウムの白色沈殿物が徐々に生成した。反応をGC−MSで追跡した。いったん反応が完了後、反応混合物を室温まで加温した。塩化アンモニウムをろ過して除去した。溶液のGC−MSは、主要な生成物が1,1,3,3−テトラメトキシジシラザンであることを示した。ヘキサン中の約1当量の1,1,3,3−テトラメトキシジシラザン溶液と1.05当量のトリエチルアミンとを、添加ロート、冷却器、及び機械攪拌器を取り付けた三ツ首丸底フラスコに加えた。攪拌をしながら、工程1で作成した1当量のジメトキシクロロシランを添加ロートを介してゆっくり加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌した。トリエチルアミン塩酸塩をろ過して除去した。ヘキサンを周囲温度で蒸留により除去した。トリス(ジメトキシシリル)アミンを真空蒸留により単離した。質量スペクトルは、分子量287の生成物を示し、これは
図1に示される。トリス(ジメトキシシリル)アミンのMSピークは、表1に示される。
【0068】
[例2]
[ビス(ジエトキシシリル)アミン(式B)とトリス(ジエトキシシリル)アミン(式A)の合成]
250mlの三ツ首フラスコに、107gのトリクロロシランを加え、−50℃のイソプロピルアルコール/ドライアイス浴中で冷却した。追加のロートで、73.6gの無水エタノールを−50℃のトリクロロシランに滴下して加えた。添加が完了後、溶液をゆっくり室温まで加温し、一晩攪拌した。生じたジエトキシクロロシランを次に、1000mlの三ツ首フラスコに移した。このフラスコに500mlのヘキサンを加え、ジエトキシクロロシラン溶液を機械攪拌器で攪拌した。次に無水アンモニアをジエトキシクロロシラン溶液に導入した。完了後、反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。次に反応混合物をろ過して、固体副産物を除去した。混合物のGC−MSは、252amuのM−1ピークを有するジシラザン化合物の証拠、ならびに370amuのM−1ピークを有するトリス−シリルアミン化合物の証拠を示す。簡単な蒸留を行ってヘキサンを除去した。真空蒸留を行って、ビス−シリルアミン生成物を精製した。生成物の沸点は8〜9Torrで102℃であることが観察され、収率は69%であった。各最終生成物のさらなるMSピークならびに分子量は表Iに示される。
【0069】
[例3]
[ビス(ジメトキシシリル)アミン(式B)とトリス(ジメトキシシリル)アミン(式A)の合成]
250mlの三ツ首フラスコに、164.4gのトリクロロシランを加え、−20℃のイソプロピルアルコール/ドライアイス浴中で冷却した。追加のロートで、77.8gの無水エタノールを−20℃のトリクロロシランに滴下して加えた。添加が完了後、溶液をゆっくり室温まで加温し、一晩攪拌した。生じたジメトキシクロロシランを次に、1000mlの三ツ首フラスコに移した。このフラスコに500mlのヘキサンを加え、ジメトキシクロロシラン溶液を機械攪拌器で攪拌した。次に無水アンモニアをジメトキシクロロシラン溶液に導入した。完了後、反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。次に反応混合物をろ過して、固体副産物を除去した。混合物のGC−MSは、196amuのM−1ピークを有するビス−シリルアミン化合物の証拠、ならびに271amuの強い分子イオンピークを有するトリス−シリルアミン化合物の証拠を示す。各最終生成物のさらなるMSピークならびに分子量は表Iに示される。
【0070】
[例4]
[ビス(メトキシメチルシリル)アミン(式B)とトリス(メトキシメチルシリル)アミン(式A)の合成]
−20℃のヘキサン中の104.0g(904.08mmol)のジクロロメチルシラン溶液に、29.0g(904.08mmol)の無水メタノールを、追加のロートを介して滴下して加えた。生じた混合物をアルゴンで数時間パージして、HCl副産物を除去した。次に、アンモニアを0℃の混合物に、3回の別々の増分で全体で25gの白色固体が生成されるようにバブリングし、これを反応混合物からろ過した。混合物のGC−MSは、165amuの親ピークを有するビスシリルアミン化合物の証拠、ならびに224amuの強い部分ピークを有するトリスシリルアミン化合物の証拠を示す。ビスシリルアミン化合物の沸点は、20Torrで55℃であることが観察された。各最終生成物のさらなるMSピークならびに分子量は表Iに示される。
【0071】
[例5]
[N−イソプロピルビス(ジエトキシシリル)アミン(式B)の合成]
室温で3mlのヘキサン中の1.00g(7.38mmol)のトリクロロシランの溶液に、0.68g(14.77mmol)の無水エタノールを加えた。観察された激しいバブリングは20分後に弱まることが観察され、反応物に窒素を1時間パージしてHCl副産物を除去した。次に、4mlのヘキサン中の0.22g(3.69mmol)のイソプロピルアミンと0.75g(7.38mmol)のトリエチルアミンの溶液をゆっくり加えると、直ちに白色沈殿物が生成した。試料をろ過し、GC−MSにかけると、280amuに強い部分ピークを示した。各最終生成物のさらなるMSピークならびに分子量は表Iに示される。
【0072】
【表1】
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)以下の式A及びB
【化1】
を有し、式中、R1及びR4がそれぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C3〜C12アルケニル基、C3〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、及びC6〜C10アリール基から選択され、R2、R3、R5及びR6がそれぞれ独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、C6〜C10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルコキシ基からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物を含む前駆体。
(付記2)R1及びR4が直鎖のアルキル基である、付記1に記載の前駆体。
(付記3)前記直鎖のアルキル基がメチル基及びエチル基から選択される少なくとも1つである、付記2に記載の前駆体。
(付記4)R2、R3、R5及びR6の少なくとも1つが独立してC1〜C10アルコキシ基から選択される、付記1に記載の前駆体。
(付記5)C1〜C10アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、及びsec−ブトキシからなる群より選択される、付記4に記載の前駆体。
(付記6)R2、R3、R5及びR6の少なくとも1つが水素を含む、付記2に記載の前駆体。
(付記7)R1、R4及びR5がそれぞれ独立してC1〜C10アルキル基であり、かつtert−ブチル及びtert−アミルからなる群より選択される、付記1に記載の前駆体。
(付記8)R2、R3、R4及びR5の少なくとも1つが独立してC1〜C10アルキル基から選択され、かつメチル、エチル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル及びtert−ペンチルからなる群より選択される、付記1に記載の前駆体。
(付記9)R2、R3、R5及びR6の少なくとも1つが水素を含む、付記1に記載の前駆体。
(付記10)((MeO)2HSi)2NH、((EtO)2HSi)2NH、((MeO)2MeSi)2NH、((EtO)2MeSi)2NH、((MeO)MeHSi)2NH、((EtO)MeHSi)2NH、((MeO)2HSi)2NMe、((EtO)2HSi)2NMe、((MeO)2MeSi)2NMe、((EtO)2MeSi)2NMe、((MeO)MeHSi)2NMe、((EtO)MeHSi)2NMe、((MeO)2HSi)2NEt、((EtO)2HSi)2NEt、((MeO)2MeSi)2NEt、((EtO)2MeSi)2NEt、((MeO)MeHSi)2NEt、((EtO)MeHSi)2NEt、((MeO)2HSi)2NPrn、((EtO)2HSi)2NPrn、((MeO)2MeSi)2NPrn、((EtO)2MeSi)2NPrn、((MeO)MeHSi)2NPrn、((EtO)MeHSi)2NPrn、((MeO)2HSi)2NPri、((EtO)2HSi)2NPri、((MeO)2MeSi)2NPri、((EtO)2MeSi)2NPri、((MeO)MeHSi)2NPri、((EtO)MeHSi)2NPri、((MeO)2HSi)2NBut、((EtO)2HSi)2NBut、((MeO)2MeSi)2NBut、((EtO)2MeSi)2NBut、((MeO)MeHSi)2NBut、((EtO)MeHSi)2NBut、((MeO)2HSi)3N、((EtO)2HSi)3N、((MeO)2MeSi)3N、((EtO)2MeSi)3N、((MeO)MeHSi)3N、((EtO)MeHSi)3N、((MeO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((EtO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((MeO)2HSi)2NSiH(OEt)2、及び((tBuO)H2Si)3Nからなる群より選択される1つを含む、付記1に記載の前駆体。
(付記11)a.以下の式A及びB
【化2】
を有し、式中、R1及びR4がそれぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C3〜C12アルケニル基、C3〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、及びC6〜C10アリール基から選択され、R2、R3、R5及びR6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、C6〜C10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの前駆体を反応器に導入する工程
を含む、ケイ素含有膜から選択される膜を堆積するための堆積方法。
(付記12)前記前駆体が、((MeO)2HSi)2NH、((EtO)2HSi)2NH、((MeO)2MeSi)2NH、((EtO)2MeSi)2NH、((MeO)MeHSi)2NH、((EtO)MeHSi)2NH、((MeO)2HSi)2NMe、((EtO)2HSi)2NMe、((MeO)2MeSi)2NMe、((EtO)2MeSi)2NMe、((MeO)MeHSi)2NMe、((EtO)MeHSi)2NMe、((MeO)2HSi)2NEt、((EtO)2HSi)2NEt、((MeO)2MeSi)2NEt、((EtO)2MeSi)2NEt、((MeO)MeHSi)2NEt、((EtO)MeHSi)2NEt、((MeO)2HSi)2NPrn、((EtO)2HSi)2NPrn、((MeO)2MeSi)2NPrn、((EtO)2MeSi)2NPrn、((MeO)MeHSi)2NPrn、((EtO)MeHSi)2NPrn、((MeO)2HSi)2NPri、((EtO)2HSi)2NPri、((MeO)2MeSi)2NPri、((EtO)2MeSi)2NPri、((MeO)MeHSi)2NPri、((EtO)MeHSi)2NPri、((MeO)2HSi)2NBut、((EtO)2HSi)2NBut、((MeO)2MeSi)2NBut、((EtO)2MeSi)2NBut、((MeO)MeHSi)2NBut、((EtO)MeHSi)2NBut、((MeO)2HSi)3N、((EtO)2HSi)3N、((MeO)2MeSi)3N、((EtO)2MeSi)3N、((MeO)MeHSi)3N、((EtO)MeHSi)3N、((MeO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((EtO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((MeO)2HSi)2NSiH(OEt)2、((MeO)2HSi)3N、((EtO)2HSi)3N、((MeO)2MeSi)3N、((EtO)2MeSi)3N、((MeO)MeHSi)3N、((EtO)MeHSi)3N、((MeO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((EtO)2HSi)2NSiH2(OBut)、((MeO)2HSi)2NSiH(OEt)2、及び((tBuO)H2Si)3Nからなる群より選択される、付記11に記載の方法。
(付記13)サイクリックCVD(CCVD)、MOCVD(金属有機CVD)、熱化学気相成長、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、高密度PECVD、光子支援CVD、プラズマ−光子支援(PPECVD)、低温化学気相成長、化学物質支援気相成長、高温フィラメント化学気相成長、液体ポリマー前駆体のCVD、超臨界流体からの堆積、低エネルギーCVD(LECVD)、及び流動性化学気相成長(FCVD)からなる群より選択される、付記11に記載の方法。
(付記14)流動性化学気相成長(FCVD)である、付記11に記載の方法。
(付記15)少なくとも別のアルコキシシランをさらに含む、付記11に記載の方法。
(付記16)容器の内部表面の少なくとも一部が、ガラス、プラスチック、金属、プラスチック及びそれらの組み合わせからなる群より選択される裏張りを含む容器、並びに
以下の式A及びB
【化3】
を有し、式中、R1及びR4が独立して直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C3〜C12アルケニル基、C3〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、及びC6〜C10アリール基から選択され、R2、R3、R5及びR6が独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C4〜C10環状アルキル基、C6〜C10アリール基、及び直鎖又は分岐鎖のC1〜C10アルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つのアルコキシシリルアミン前駆体
を含む、少なくとも1つのアルコキシシリルアミンを貯蔵、輸送及び供給するためのシステム。