(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886834
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】シガレットパッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
B31B 3/26 20060101AFI20160303BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20160303BHJP
B65D 85/10 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
B31B3/26
B65D5/42 F
B65D85/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-506868(P2013-506868)
(86)(22)【出願日】2011年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2011057286
(87)【国際公開番号】WO2012131834
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年5月13日
【審判番号】不服2015-1778(P2015-1778/J1)
【審判請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】丹保 仁
(72)【発明者】
【氏名】今村 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】長村 一男
【合議体】
【審判長】
栗林 敏彦
【審判官】
蓮井 雅之
【審判官】
三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−98586(JP,A)
【文献】
特開2002−337852(JP,A)
【文献】
米国特許第5073162(US,A)
【文献】
特許第4652766(JP,B2)
【文献】
特開平5−8327(JP,A)
【文献】
特公平6−84048(JP,B2)
【文献】
実公平4−44351(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 3/26
B65D 5/42
B65D85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジリッド型のシガレットパッケージを製造するに際し、シート状をなした樹脂製のブランクを形成するブランク形成工程と、この後、該ブランクを折り込み線に沿って順次折り込むブランク折り込み工程とを備え、該ブランク折り込み工程により前記ブランクから前記シガレットパッケージを製造するシガレットパッケージの製造方法において、
前記ブランク形成工程は、
前記ブランクの形成にあたり、前記シガレットパッケージの内面となるべき第1面に前記シガレットパッケージ内の被収容物に関する情報を含んだ印刷層を形成する印刷層の形成であって、該印刷層が前記第1面とは反対側で前記シガレットパッケージの外面となる第2面にて視認可能である、印刷層の形成と、
前記折り込み線のうち、前記ブランクの長手方向と直交する方向に延びる横折り込み線の形成と、
切断加工による前記ブランクの切り出しと
を含み、
前記ブランク形成工程の後、前記第2面に前記折り込み線のうちで前記シガレットパッケージの縦縁となる縦折込み線のみを前記シガレットパッケージの外側に露出する複数本の罫線として形成する罫線形成工程であって、前記罫線の形成に伴い前記ブランクに塑性変形を生じさせ、前記罫線側とは反対側の前記ブランクの前記第1面にて前記罫線の最深部と対応する位置に前記罫線と平行な複数の溝を前記罫線ごとに対応しかつ前記罫線に沿って形成させ、前記罫線の深さ及び前記罫線間の間隔が前記ブランク全体の反りを阻止すべくそれぞれ設定されている、罫線形成工程を更に備え、
前記ブランク折り込み工程は、前記ブランクが前記複数の罫線からなる縦折り込み線に沿って折り込まれる際、前記縦折り込み線を丸み縁として形成することを特徴とするシガレットパッケージの製造方法。
【請求項2】
前記シガレットパッケージは、開口端を有する箱状の容器と、前記開口端にヒンジを介して接続されて前記開口端を開閉する箱状の蓋とを備え、
前記請求項1に記載のブランクは、一方向に延び且つ前記容器を形成するためのメインセクションと、このメインセクションの一端に前記ヒンジを介して接続されて前記蓋を形成するためのサブセクションとを備え、
前記メインセクションは、前記折り込み線のうち前記縦折り込み線とは直交した方向のメイン横折り込み線を介して前記一方向に並び、前記容器の前壁、底壁及び後壁となるべきフロントメインパネル、ボトムパネル及びリアメインパネルと、前記フロントメインパネル及び前記リアメインパネルの両側に前記縦折り込み線を介して接続され、前記容器側壁の外側部分及び内側部分をそれぞれ形成するアウタ及びインナサイドメインフラップとを有し、
前記サブセクションは、前記メイン横折り込み線と平行なサブ横折り込み線を介して前記一方向に並び、前記蓋の後壁、天壁及び前壁となるべきリアサブパネル、トップパネル及びフロントサブパネルと、前記リアサブパネル及び前記フロントサブパネルの両側に前記縦折り込み線を介して接続され、前記蓋側壁の内側部分及び外側部分をそれぞれ形成するインナ及びアウタサイドサブフラップとを有し、
前記縦折り込み線は全て前記複数の罫線から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシガレットパッケージの製造方法。
【請求項3】
前記ブランクは、ポリエチレンテレフタレート製であることを特徴とする請求項1に記載のシガレットパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクを用いたシガレットパッケージの製造方
法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパッケージは一般的にヒンジリッドパッケージと称されている。このヒンジリッドパッケージは直方体形状をなし、その長手方向に沿って延びる4つの角縁を有する。このようなパッケージは角縁を有するため、ユーザがその手にパッケージを把持したとき、手に馴染み難い。このようなことから、上述の角縁の代わりに、丸みが付けられた丸み縁を有するパッケージが好ましい。ここで、このような丸み縁を有するパッケージのためのブランク(プラスチックシート)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、上記丸み縁を得るために、刃を押しつけることによりブランクに罫線を形成し、この罫線部分で折り曲げ加工している。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような罫線では、罫線が形成された面が押し広げられて、罫線側の面を凸にしてブランクが湾曲してしまう。このように湾曲したブランクは、その後にシガレット等の内容物を包装する際に用いる包装機械にそのまま供給することができない。また、パッケージにしたとしても、罫線で丸み縁とされた箇所における上記反対側の面が戻ろうとし、パッケージ全体の形状が膨らんで変形してしまうため、品質上の問題から商品として使用できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−98586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明
の目的は、罫線が形成されたブランクが全体として反り返るような変形を防止することができ、したがって包装機械に
ブランクを安定して供給することができ、また
シガレットパッケージとしたときもその形状
を変形
させることなく前記角縁を丸み縁
としたシガレットパッケージの製造方法及びシガレットパッケージ
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、略直方体形状のヒンジリッド型のシガレットパッケージを製造するに際し、シート状をなした樹脂製のブランクを形成するブランク形成工程と、この後、該ブランクを折り込み線に沿って順次折り込むブランク折り込み工程とを備え、該ブランク折り込み工程により前記ブランクから前記シガレットパッケージを製造するシガレットパッケージの製造方法において、
前記ブランク形成工程は、
前記ブランクの形成にあたり、前記シガレットパッケージの内面となるべき第1面に前記シガレットパッケージ内の被収容物に関する情報
を含んだ印刷層を形成する印刷層の形成であって、該印刷層が前記第1面とは反対側で前記シガレットパッケージの外面となる第2面
から視認可能である、印刷層の形成と、
前記折り込み線のうち、前記ブランクの長手方向と直交する方向に延びる横折り込み線の形成と、
切断加工による前記ブランクの切り出しと
を含み、
前記ブランク形成工程の後、
前記第2面に前記折り込み線のうちで前記シガレットパッケージの縦縁となる縦折込み線のみを前記シガレットパッケージの外側に露出すべき複数本の罫線
として形成する罫線形成工程であって、前記罫線の形成に伴い前記ブランクに塑性変形を生じさせ
、前記罫線とは反対側の前記ブランクの
前記第1面にて前記罫線の最深部と対応する位置に前記罫線と平行な複数の溝を前記罫線毎に対応しかつ前記罫線に沿って形成させ
、前記罫線の深さ及び前記罫線間の間隔が前記ブランク全体の反りを阻止すべくそれぞれ設定されている、罫線形成工程とを含み、
前記ブランクの折り込みステージが、前記複数の罫線からなる縦折り込み線に沿って前記ブランクが折り込まれる際、前記縦折り込み線を丸み縁として形成することを特徴とするシガレットパッケージの製造方法を提供する(請求項1)。
【0008】
好ましくは、前記シガレットパッケージは、開口端を有する箱状の容器と、前記開口端にヒンジを介して接続されて前記開口端を開閉する箱状の蓋とを備え、
前記請求項1のブランクは、一方向に延び且つ前記容器を形成するためのメインセクションと、このメインセクションの一端に前記ヒンジを介して接続されて前記蓋を形成するためのサブセクションとを備え、前記メインセクションは、前記折り込み線のうち前記縦折り込み線とは直交した方向のメイン横折り込み線を介して前記一方向に並び、前記容器の前壁、底壁及び後壁となるべきフロントメインパネル、ボトムパネル及びリアメインパネルと、前記フロントメインパネル及び前記リアメインパネルの両側に前記縦折り込み線を介して接続され、前記容器側壁の外側部分及び内側部分をそれぞれ形成するアウタ及びインナサイドメインフラップとを有し、前記サブセクションは、前記メイン横折り込み線と平行なサブ横折り込み線を介して前記一方向に並び、前記蓋の後壁、天壁及び前壁となるべきリアサブパネル、トップパネル及びフロントサブパネルと、前記リアサブパネル及び前記フロントサブパネルの両側に前記縦折り込み線を介して接続され、前記蓋側壁の内側部分及び外側部分をそれぞれ形成するインナ及びアウタサイドサブフラップとを有し、前記罫線形成領域は、前記フロントメインパネルと前記アウタサイドメインフラップ、前記縦折り込み線は全て前記複数の罫線から形成されている(請求項2)。
【0010】
好ましくは、前記ブランクは、ポリエチレンテレフタレート製である
(請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、前記印刷層の形成
、横折り込み線の形成及び前記ブランクの切り出
しを含むブランク形成工程の後に、罫線形成工程で前記
ブランクの前記第2面に縦折り込み線としての複数の罫線を形成する一方、これら罫線の形成に伴いブランクに塑性変形を生じさせて罫線に沿った溝を罫線とは反対側のブランクの
前記第1面に形成する。すなわち、罫線はシガレットパッケージの外面となるブランクの
前記第2面にのみ形成され、この
第2面に罫線を形成すると同時に反対側の
前記第1面に塑性変形による溝を自動的に形成する。このため、ブランクは溝を境にして両側に引っ張られることがなく、ブランクが全体として反ることはない。したがってブランクはシート形状を維持することができ、包装機械に安定して供給することができる。また、このような反りを防止することで、シガレットパッケージとしたときもその形状が変形することがない。
【0014】
また、ブランクがメインセクションとサブセクションとからなるシガレットパッケージ(いわゆるヒンジリッドパッケージ)に適用
されている場合、シガレットパッケージは、ブランクを縦折り込み線に沿って折り込むことで丸み縁を有することになり、手になじみやすい。
【0015】
また、
ブランク形成工程にて、印刷層は
罫線とは反対側の面に形成されるため、印刷層に直接罫線が形成されることはない。
【0016】
また、ブランクをポリエチレンテレフタレート(PET)製とすれば、取り扱い性がよく、罫線加工もしやすい。
【0017】
また、
本発明の製造方法により得られたシガレットパッケージは丸み縁を有する
ので、手に持ったときに、その手になじみやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るシガレットパッケージの閉状態を示す概略図である。
【
図2】
図1のパッケージの開状態を示す概略図である。
【
図3】本発明に係る罫
線が施されたブランクの概略図である。
【
図4】罫線を形成する工程を順番に示す概略図である。
【
図5】罫線を形成する工程を順番に示す概略図である。
【
図6】本発明に係る罫
線が施された別のブランクの概略図である。
【
図7】本発明に係る罫
線が施されたインナフレームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1のシガレットパッケージ(箱体)1は全体的に略直方体形状をなし、透明な上包みフィルム(不図示)によって覆われている。この上包みフィルムは開封テープを有し、この開封テープに沿って上包みフィルムが開かれたとき、パッケージは部分的に露出される。シガレットパッケージ1は容器2を備えている。この容器2の上端は開口されており、この開口端は蓋6により閉じられている。蓋6は開口端の後縁にヒンジ4を介して接続され、開口端を開閉すべくヒンジ4廻りに回動可能である。より詳しくは、
図2から明らかなように容器2は斜めに開口した上縁を有する。さらに、容器2はU字形状のインナフレーム10をさらに含む。このインナフレーム10は容器2の上端から部分的に突出し、容器2の開口端12を形成する。インナフレーム10はその前壁にアクセス開口14を有する。このアクセス開口14は略U字形をなす。
【0020】
蓋6は箱形状をなし、斜めに開口した下端を有する。蓋6はインナフレーム10の突出部に被さった状態で、容器2の開口端12を閉じることができる。この際、蓋6の下端は容器2の上端に合致する。通常のパッケージの容器2はその長手方向に延びる4つの角縁を有しているが、本発明の容器2は角縁の代わりに丸み縁16を有している。これら丸み縁16は容器2の横断面で見て円弧形状をなしている。また、蓋6もまた、各丸み縁16に対する同様な丸み縁18を有している。蓋6が閉じられたとき、
図1から明らかなように、丸み縁16とこの丸み縁16に対応する丸み縁18とは同一の線上に配置され、パッケージ1の一つの縦縁を形成している。なお、後述するように、インナフレーム10も二つの丸み縁24を有している。
【0021】
このような丸み縁を有するシガレットパッケージ1を得るために、本発明では以下のような製造方法を提供する。
シガレットパッケージ1は、シート形状のブランク3(
図3参照)を折り曲げて形成される。このブランク3は、折り曲げやすいように予め横折り込み線5が複数箇所に形成されている。またブランク3は、折り曲げて箱体形状となるように予め切断加工されて所望の形状に形成されている。このようなブランク3を形成するためのブランク形成工程は公知の手順で行われる。ここで、ブランク形成工程において、上述した縦縁となるべき折り込み線(いわゆる縦折り込み線)は形成されていない。
【0022】
本発明では、この縦縁となるべき折り込み線の箇所、すなわち折り曲げ箇所となり箱体1の縁となるべきブランク3の罫線形成領域8に対し、縁に沿った複数本の罫線7を形成する罫線形成工程を行う。この罫線7は、箱体1となったときの外面となるべき面に対して形成される。したがって、罫線形成領域8は外面となるべき一方の面
(第2面)にあり、罫線7もこの一方の面のみに形成されるものである。
【0023】
この罫線形成工程において、罫線7の形成によって罫線形成領域8と反対側の面に塑性変形を生じさせ、罫線7に沿った溝9(
図5参照)が形成される。すなわち、上述したように、罫線7は箱体1となったときに外面となるブランク3の一方の面にのみ形成されるものであるが、この一方の面に罫線7を形成すると同時に反対側の面に塑性変形を生じさせて溝9を自動的に形成する。この溝9の形成は、
図4に示すような切断装置11を用いて行われる。切断装置11は、例えば約0.8mm間隔の10本の平行した刃13を有するロータリーダイカッターである。刃13が罫線形成領域8を加圧することによって罫線7及び溝9が形成される。具体的には、刃13によって罫線形成領域8が加圧されてブランク3の一方の面に罫線7が形成され、これがある程度深くまで加圧されると罫線7を境に両側に引っ張られるように塑性変形が生じ、最終的に罫線7の最深部7aに対応する位置であって罫線形成領域8と反対側の面に溝9が自動的に形成される。この溝9は、上述したように、罫線7に沿って延びている。具体的には、溝9は、罫線7ごとに対応して罫線7に沿って形成されている。なお、このような罫線7の深さDは、例えばブランクの厚みが307.97μmである場合に、134.74μmである。このような溝9があることにより、ブランク3はこの溝9を境にして両側に引っ張られることはなくなり、ブランク3が全体として反ることはない。したがってブランク3はシート形状を維持することができ、包装機械に安定して供給することができる。また、このような反りを防止することで、パッケージ1としたときもその形状が変形することがない。
【0024】
なお、ブランク形成工程で、罫線形成領域8が配されている面(第2面)の反対側の面(第1面)に、箱体1に収容される被収容物に関する情報を
含んだ印刷層15が形成され、該印刷層15は罫線形成領域
側(すなわち箱体1としたときに外面側
)から視認可能である。この印刷層15はなるべく切断加工を施したくない箇所であるが、上述したように印刷層15は罫線形成領域8の反対側の面にあるため、この印刷層15に直接罫線7が形成されることはない。また、ブランク3をポリエチレンテレフタレート(PET)製とすれば、取り扱い性がよく、罫線7の加工もしやすい。
【0025】
シガレットパッケージ1に適用するため、ブランク3は以下のような形状を有する。
ブランク3は、一方向(
図3の下から上方向)に延び且つ上述した容器2を形成するためのメインセクション19と、このメインセクション19の一端にヒンジ4を介して接続されて蓋6を形成するためのサブセクション20とを備えている。メインセクション19は、横折り込み線5を介して前記一方向に並び、容器2の前壁21a、底壁(不図示)及び後壁23aとなるべきフロントメインパネル21、ボトムパネル22及びリアメインパネル23とを有している。また、フロントメインパネル21及びリアメインパネル23の両側には、容器2側壁の外側部分及び内側部分をそれぞれ形成するアウタ及びインナサイドメインフラップ25、26とが接続されている。これらメインフラップ25、26はメインパネル21、23に対して上述した罫線形成領域8を介して接続されている。なお、各インナサイドメインフラップ26には
(メイン)横折り込み線5を介してインナボトムフラップ33がそれぞれ接続されている。このインナボトムフラップ33はボトムパネル22の補強部材であり、容器2における底壁の内側部分を形成する。
【0026】
一方で、サブセクション20は、横折り込み線5を介して前記一方向に並び、前記蓋6の後壁27a、天壁28a及び前壁29aとなるべきリアサブパネル27、トップパネル28及びフロントサブパネル29とを有している。リアサブパネル27及びフロントサブパネル29の両側には、蓋6側壁の内側部分及び外側部分をそれぞれ形成するインナ及びアウタサイドサブフラップ30、31が接続されている。これらサブフラップ30、31はサブパネル27、29に対して上述した罫線形成領域8を介して接続されている。なお、各インナサイドサブフラップ30には
(サブ)横折り込み線5を介してインナトップフラップ32がそれぞれ接続されている。このインナトップフラップ32はトップパネル28の補強部材であり、蓋6における上壁の内側部分を形成する。
【0027】
上述したように、罫線形成領域8は、フロントメインパネル21とアウタサイドメインフラップ25、リアメインパネル23とインナサイドメインフラップ26、リアサブパネル27とインナサイドサブフラップ30、フロントサブパネル29とアウタサイドサブフラップ31との間に形成されている。すなわち、箱体1となったときの縦縁は全て罫線形成領域8で形成され、上述したようにこの罫線形成領域8には罫線7が形成されるため、ここで折り曲げられることによって箱体1の縦縁は全て丸み縁16、18となる。
【0028】
このように、罫線形成工程の後、罫線7が形成された側の面を外側にして折り曲げて箱体1を形成すれば、罫線形成領域8にて複数本の罫線7に沿って折り曲げられるので、丸み縁16、18を有するシガレットパッケージ1を得ることができる。このため、このパッケージ1を手に持ったときに、持ちやすく、その手になじみやすい。なお、本発明は、
図1、
図2ではヒンジリッド型パッケージを示したが、タングリッド型パッケージにも同様に適用できる。
【0029】
また、
図6に示すように、ブランク3を折り曲げて箱体1としたときに折り曲げ部分での反発を考慮して、罫線形成領域8の一部分に罫線7を形成しない非形成領域34を形成してもよい。例えば、非形成領域34aは、具体的には、リアメインパネル23とインナサイドメインフラップ26との間の罫線形成領域8であって、ボトムパネル22側の端部に三角形状に形成されている。また、例えば、非形成領域34bは、リアサブパネル27とインナサイドサブフラップ30との間の罫線形成領域8であって、トップパネル28側の端部に三角形状に形成されている。また、例えば、非形成領域34cは、フロントメインパネル21とアウタサイドメインフラップ25との間の罫線形成領域8であって、ボトムパネル22側の端部に長方形形状に形成されている。
【0030】
また、
図7に示すように、インナフレーム10にも本発明に係る罫
線が施される。具体的には、メインパネル17とその両側のフラップ35間に罫線形成領域8を形成し、上述したブランク3の
場合と同様にして罫線7が形成される。これにより、上述したような丸み縁24を有するインナフレーム10を得ることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 シガレットパッケージ(箱体)
2 容器
3 ブランク
4 ヒンジ
5 横折り込み線
6 蓋
7 罫線
8 罫線形成領域
9 溝
10 インナフレーム
11 切断装置
12 開口端
13 刃
14 アクセス開口
15 印刷層
16 丸み縁
17 メインパネル
18 丸み縁
19 メインセクション
20 サブセクション
21 フロントパネル
22 ボトムパネル
23 リアパネル
24 丸み縁
25 アウタサイドフラップ
26 インナサイドフラップ
27 フロントサブパネル
28 トップパネル
29 リアサブパネル
30 インナサイドサブフラップ
31 アウタサイドサブフラップ
32 インナトップフラップ
33 インナボトムフラップ
34 非形成領域
35 フラップ