特許第5886903号(P5886903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー.の特許一覧

特許5886903電気化学的に堆積されたインジウム複合体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886903
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】電気化学的に堆積されたインジウム複合体
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20160303BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
   H01L23/36 D
   H01L23/36 M
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-131738(P2014-131738)
(22)【出願日】2014年6月26日
(62)【分割の表示】特願2013-26502(P2013-26502)の分割
【原出願日】2008年8月27日
(65)【公開番号】特開2014-209655(P2014-209655A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】60/966433
(32)【優先日】2007年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・イー・ブレス
(72)【発明者】
【氏名】エディット・ショクス
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・ジェイ・シュワガー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ピー・トーベン
(72)【発明者】
【氏名】マーチン・ダブリュー・ベイズ
【審査官】 深沢 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0013054(US,A1)
【文献】 特表2005−510357(JP,A)
【文献】 特開2000−012748(JP,A)
【文献】 米国特許第03762882(US,A)
【文献】 特表2007−506642(JP,A)
【文献】 特開2004−071816(JP,A)
【文献】 特表2006−511098(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0139642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34 − 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジウム金属と、グラファイト、セラミック酸化物、セラミック炭化物、セラミック窒化物、セラミックホウ化物、およびセラミックケイ化物から選択される1種以上のセラミック材料の均一な分散物とを含む電気化学的に堆積された複合体であって、少なくとも80W/mKの熱伝導率を有する複合体。
【請求項2】
第一面上でベースに結合されたダイを含む物品であって、第一面とは反対側のダイの第二面が、インジウム金属もしくはインジウム合金と、このインジウム金属もしくはこのインジウム合金を通して均一に分布された1種以上のセラミック材料とを含有する電気化学的に堆積された熱界面材料を含み、この電気化学的に堆積された熱界面材料が、少なくとも80W/mKの熱伝導率を有する物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い熱伝導率を有する電気化学的に堆積されたインジウム複合体を対象とする。更に詳細には、本発明は、熱界面材料のための高い熱伝導率を有する電気化学的に堆積されたインジウム複合体を対象とする。
【背景技術】
【0002】
熱界面材料(TIM)は、電子デバイス、例えば、集積回路(IC)及び能動半導体デバイス、例えば、マイクロプロセッサーを、それらの動作温度限界を超えることから保護するために重要である。これらは、熱発生デバイス(例えば、シリコン半導体)の、ヒートシンク又はヒートスプレッダー(例えば、銅及びアルミニウム要素)への結合を、過剰の熱バリヤーを作ることなく可能にする。TIMは、また、総熱インピーダンスパス(overall thermal impedance path)を構成する、ヒートシンク又はヒートスプレッダースタック以外の構成要素のアセンブリ内で使用することもできる。
【0003】
効率的な熱パスの形成は、TIMの重要な特性である。熱パスは、TIMを通過する有効熱伝導率の項目で表すことができる。TIMの有効熱伝導率は、主として、TIM及びヒートスプレッダー熱伝導率の間の界面の完全性、並びにTIMの(固有)バルク熱伝導率に起因する。種々の他の特性、例えば、二つの材料を結合するとき熱膨張応力を緩和させる能力(「コンプライアンス」とも呼ばれる)、熱サイクルの過程において安定である機械的に堅実な結合部を形成する能力、水分及び温度変化に対する感受性がないこと、製造の実効可能性およびコストも、個々の用途に応じて、TIMのために重要である。
【0004】
数種類の材料、例えば、熱グリース、熱ゲル、接着剤、エラストマー、熱パッド及び相変化材料が、TIMとして使用されている。前記のTIMは、多くの半導体デバイスのために適していたが、半導体デバイスの増大する性能が、このようなTIMを不適当にした。多くの現在のTIMの熱伝導率は、5W/mKを超えず、多くのものは1W/mKよりも小さい。しかしながら、15W/mKを超える有効熱伝導率を有する熱界面を形成するTIMが、現在必要とされている。TIMの熱伝導率が高くなるほど、半導体デバイスからの熱移動は一層効率がよくなる。
【0005】
上記のTIMの代替物は、低い溶融温度を有し、かつ高い熱伝導率を有する、金属、はんだ及びそれらの合金である。例えば、インジウムは、156℃の低い溶融温度及び〜82W/mKの熱伝導率を有する。また、例えばインジウムのような金属TIMは、低い熱界面抵抗を促進するリフロー(reflow)の際に有利なはんだ又は濡れ挙動を示し得る。リフローの間に、はんだ及び基体は加熱され、はんだは溶融し、表面張力及び局部表面合金化によって濡れる。この界面は、多くの場合バルクTIM金属の熱特性よりもあまり望ましくないが、ポリマー系TIMよりも良い熱特性を有する、金属間化合物又は相互拡散金属からなっている。多くの場合に、バルクTIM金属は、信頼性のある熱界面を形成するために、リフローに付される。
【0006】
TIMのためのインジウムの例は、Sreeramらへの米国特許第6,653,741号明細書中に開示されている。インジウムは、はんだ用のバインダー材料として使用されている。しかしながら、はんだの適用は、しばしば、気泡及びボイドの形成をもたらす。これは、はんだと基体との間の劣った界面をもたらす。更に、はんだペーストには、一般的に、はんだベースのTIMの熱的性能を低下させ得る、高レベルの汚染物質が含有されている。一般的に、はんだペーストは、均一な熱伝導率を与えることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,653,741号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、実質的に均一な高い熱伝導率及び望ましい界面特性を有するインジウムTIMについての要求が今もなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様において、組成物は、1種以上のインジウムイオンの供給源及び1種以上のセラミック材料を含む。
【0010】
他の態様において、方法は、1種以上のインジウムイオンの供給源及び1種以上のセラミック材料を含む組成物を提供すること;並びにインジウム複合体を基体の上に電気化学的に堆積させることを含む。
【0011】
別の態様において、複合体は、インジウム金属と、1種以上のセラミック材料の均一な分散物とを含み、この組成物は、少なくとも80W/mKの熱伝導率を有する。
【0012】
さらなる態様において、物品は、第一面上でベースに結合されたダイを含み、第一面とは反対側のダイの第二面は、インジウム金属と、1種以上のセラミック材料の実質的に均一な分散物とを含有する熱界面材料を含み、この熱界面材料は、少なくとも80W/mKの熱伝導率を有する。
【0013】
この電気化学的に堆積されたインジウム複合体は、少なくとも80W/mKの実質的に均一なバルク熱伝導率を有し、従って、効率的な熱移動を提供し、大量の熱を消散させなくてはならない半導体デバイス内のTIMとして使用するために非常に望ましい。この電気化学的に堆積された高熱伝導率インジウム複合体は、かかるデバイスが、それらの動作温度限界を越えることを防止する。この電気化学的に堆積されたインジウム複合体は、半導体デバイスからの効率的な熱移動をも増加させる、これらの基体との均一な界面を形成する。多くのはんだ系TIMに典型的な泡形成及びボイドが回避される。
【0014】
電気化学的に堆積されたインジウム複合体の更なる利点は、これらが、体積基準で純粋な金属系はんだよりも少ないインジウムを含有することである。インジウムは、この複合体の最も高価な成分であり、従って、その使用を最小にすることによって、金属系はんだに対する、より安価な代替物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書を通して使用されるとき、文脈が明らかに他を示さない限り、下記の略語は下記の意味を有する。℃=摂氏度;°K=ケルビン度;g=グラム;mg=ミリグラム;L=リットル;m=メートル;A=アンペア;dm=デシメートル;μm=ミクロン=マイクロメートル;nm=ナノメートル;ppm=100万当たりの部;ppb=10億当たりの部;mm=ミリメートル;cm=立方センチメートル;M=モル濃度;MEMS=マイクロ−エレクトロ−メカニカルシステム(micro−electro−mechanical systems);TIM=熱界面材料;CTE=熱膨張係数;IC=集積回路;HLB=親水/親油バランス;及びEO=エチレンオキシド。
【0016】
用語「堆積すること」及び「めっきすること」は、本明細書を通して互換的に使用される。用語「コポリマー」は、2種以上のマー(mer)から構成された化合物である。他に注記されていない限り、全ての量は重量パーセントであり、全ての比は重量基準である。全ての数値範囲は、境界値を含み、およびかかる数値範囲が合計で100%に制約されることが論理的である場合を除いて、任意の順序で組合せ可能である。
【0017】
インジウム複合体は、インジウム金属もしくはインジウム合金と、1種以上のセラミック材料の実質的に均一な分散物とを含み、このインジウム複合体は、少なくとも80W/mKのバルク熱伝導率を有する。このインジウム複合体は、水性組成物から基体の上に電気化学的に堆積され、TIMとして使用することができる。また、このような複合体は、気密シール、インターコネクト及び接着剤としての用途を見出すことができる。
【0018】
この水性組成物は、水性環境中に可溶性であるインジウムイオンの1種以上の供給源を含む。かかる供給源には、これらに限定されないが、アルカンスルホン酸及び芳香族スルホン酸のインジウム塩、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸のインジウム塩、インジウムのスルファミン酸塩、硫酸塩、塩化物及び臭化物塩、硝酸塩、水酸化物塩、酸化インジウム、フルオロホウ酸塩、カルボン酸のインジウム塩、例えば、クエン酸、アセト酢酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、グリコール酸、マロン酸、ヒドロキサム酸、イミノ二酢酸、サリチル酸、グリセリン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸のインジウム塩、アミノ酸のインジウム塩、例えば、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グリシン、グルタミン、ロイシン、リジン、トレオニン、イソロイシン及びバリンのインジウム塩が含まれる。典型的に、インジウムイオンの供給源は、硫酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸、芳香族スルホン酸及びカルボン酸の1種以上のインジウム塩である。更に典型的に、インジウムイオンの供給源は、硫酸及びスルファミン酸の1種以上のインジウム塩である。
【0019】
インジウムの水溶性塩は、組成物中に、所望の厚さのインジウム複合体堆積物をもたらすために十分な量で含まれる。典型的に、水溶性インジウム塩は、5g/L〜70g/L又は例えば10g/L〜60g/L又は例えば15g/L〜30g/Lの量で組成物中にインジウム(3)イオンをもたらすように組成物中に含まれる。
【0020】
1種以上のセラミック材料が、水性組成物中に、粒子若しくは固体繊維又は粒子と繊維との混合物として含まれる。この粒子は、球状、板又は針状であってもよい。このセラミック粒子は、サイズが、30nm〜20μm又は例えば0.5μm〜10μmの範囲内である。この固体繊維は、25nm〜10μm厚さ又は例えば50nm〜100nm厚さの範囲である。この固体繊維の長さは、50μm〜2mm又は例えば100μm〜300μmの範囲である。このようなサイズの粒子及び固体繊維は、インジウム複合体を横切る熱伝導率の移送を最適化する、粒子と粒子の連結又は繊維と繊維の連結をもたらす。
【0021】
セラミック材料には、これらに限定されないが、ダイヤモンド、グラファイト、セラミック酸化物、セラミック炭化物、セラミック窒化物、セラミックホウ化物、セラミックケイ化物及び金属間化合物が含まれる。典型的に、セラミック材料には、ダイヤモンド、グラファイト、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ジスプロシウム及びその他の希土類酸化物、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸化スズ、リン酸アルミニウム、リン酸イットリウム、酸化鉛、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、酸化ケイ素及びケイ酸塩、酸化トリウム、酸化チタン及びチタン酸塩、酸化ウラン、酸化イットリウム、アルミン酸イットリウム、酸化ジルコニウム及びこれらの合金、炭化ホウ素、炭化鉄、炭化ハフニウム、炭化モリブデン、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、窒化アルミニウム、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ウラン、窒化イットリウム、窒化ジルコニウム、ホウ化アルミニウム、ホウ化ハフニウム、ホウ化モリブデン、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム及び二ケイ化モリブデンが含まれる。更に典型的には、セラミック材料は、ダイヤモンド、グラファイト、炭化ケイ素、セラミック窒化物及びセラミック酸化物である。最も典型的には、セラミック材料は、ダイヤモンド、グラファイト、炭化ケイ素、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムである。
【0022】
セラミック材料が固体繊維の形態であるとき、セラミック材料は、典型的に、ダイヤモンド、グラファイト炭素、炭化ケイ素又は窒化ホウ素である。典型的に、セラミック材料は、グラファイト炭素又は炭化ケイ素である。最も典型的に、固体繊維はグラファイト炭素である。
【0023】
セラミックスは、少なくとも80W/mKの熱伝導率を有するインジウム複合体をもたらすために十分な量で、水性組成物中に含まれる。典型的に、セラミックスは、0.01g/L〜50g/L又は例えば0.5g/L〜30g/L又は例えば1g/L〜20g/L又は例えば5g/L〜10g/Lの量で、水性組成物中に含まれる。
【0024】
電気化学的堆積の過程におけるセラミックスの均一な分散を維持するために、1種以上の分散剤を水性組成物に添加することができる。分散剤には、これらに限定されないが、シリコーン分散剤、例えば、変性シリコーン及び反応性シリコーン、ポリアルコキシル化エーテル、グリコールエーテル並びにカチオン性界面活性剤が含まれる。このような分散剤は、1g/L〜80g/L又は例えば5g/L〜60g/L又は例えば10g/L〜40g/Lの量で、水性組成物中に含まれる。
【0025】
変性シリコーンには、これらに限定されないが、ポリエーテル−変性シリコーン、アルキル−アラルキル−変性シリコーン、アルキル−アラルキル−ポリエーテル−変性シリコーン、アルキル−高級アルコール−変性シリコーン、アルコール−変性シリコーン、フルオロ−変性シリコーン、フルオロアルキル−変性シリコーン、アルキレンオキシド−変性シリコーン、アルキレンオキシド−変性シリコーンコポリマー、シルフェニレン−変性シリコーンコポリマー、エチレン−変性シリコーンコポリマー、α−メチルスチレン−変性シリコーンコポリマー、カルボラン−変性シリコーンコポリマー、ビスフェノールAカルボナート−変性シリコーンコポリマー及びアルコキシシラン−変性シリコーンコポリマーが含まれる。
【0026】
反応性シリコーンには、これらに限定されないが、オキサゾリン−変性シリコーン、アミノ−変性シリコーン、アミノ−ポリエーテル−変性シリコーン、エポキシ−変性シリコーン、エポキシ−ポリエーテル−変性シリコーン、カルボキシル−変性シリコーン、カルボキシル−ポリエーテル−変性シリコーン、カルビノール−変性シリコーン、メルカプト−変性シリコーン、フェノール−変性シリコーン、ビニル−変性シリコーン及びヒドロキシ−変性シリコーンが含まれる。
【0027】
ポリアルコキシル化エーテルには、これらに限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル及びポリオキシエチレンアルキル(C12〜C16)エーテルが含まれる。グリコールエーテルには、これらに限定されないが、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びプロピレングリコールフェニルエーテルが含まれる。
【0028】
カチオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、アルキル−又はフェニルアンモニウム塩、アルキルアミンオキシド及び多糖類が含まれる。
【0029】
典型的に、分散剤は、少なくとも1のHLBを有する。更に典型的に、分散剤は、2〜15又は例えば3〜7のHLBを有する。
【0030】
1種以上のインジウムイオンの供給源、1種以上のセラミック材料及び1種以上の分散剤に加えて、水性組成物には、1種以上の添加物も含みえる。このような添加物には、これらに限定されないが、1種以上の、緩衝剤、水素抑制剤、界面活性剤、平滑化剤(leveler)、キレート化剤、担体、合金化金属及びインジウム電気化学組成物中に使用されるその他の一般的添加物が含まれる。
【0031】
インジウム組成物中に含有される緩衝剤又は電導度塩は、0〜5のpH、典型的に0.5〜3、更に典型的に1〜1.5のpHを与えるための1種以上の酸であってよい。このような酸には、これらに限定されないが、アルカンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファミン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、フルオロホウ酸、ホウ酸、カルボン酸、例えば、クエン酸、アセト酢酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、グリコール酸、マロン酸、ヒドロキサム酸、イミノ二酢酸、サリチル酸、グリセリン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びヒドロキシ酪酸、アミノ酸、例えば、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グリシン、グルタミン、ロイシン、リジン、トレオニン、イソロイシン及びバリンが含まれる。これらの酸に対応する1種以上の塩も使用することができる。典型的に、1種以上のアルカンスルホン酸、アリールスルホン酸及びカルボン酸が、緩衝剤又は電導度塩として使用される。更に典型的に、1種以上の、アルカンスルホン酸及びアリールスルホン酸又はこれらの対応する塩が使用される。
【0032】
緩衝剤又は電導度塩は、組成物の所望のpHを与えるために十分な量で使用される。典型的に、緩衝剤又は電導度塩は、5g/L〜50g/L又は例えば10g/L〜40g/L又は例えば15g/L〜30g/Lの量(Lは組成物の量)で使用される。
【0033】
インジウム金属堆積の過程における水素ガス生成を抑制するために、1種以上の水素抑制剤が、水性インジウム組成物中に含まれてもよい。水素抑制剤は、インジウム金属が水素ガスの同時発生を伴うことなく堆積できるように、水分解(水素ガスの供給源)のための電位を、より高いカソード電位に向かわせる化合物である。これは、カソードでのインジウム堆積のための電流効率を上昇させ、外観が平滑で、均一であるインジウム層の形成を可能にし、また、多くの一般的なインジウム電気化学浴よりも厚いインジウム層の形成を可能にする。このプロセスは、当該技術分野及び文献で公知であるサイクリックボルタンメトリー(CV)調査を使用して示すことができる。典型的に、1種以上の水素抑制剤を含んでいない水性インジウム電気化学浴は、外観が粗く、均一でないインジウム堆積物を形成し、カソード効率が低い。このような堆積物は、電子デバイスで使用するために適していない。
【0034】
水素抑制剤は、エピハロヒドリンコポリマーである。エピハロヒドリンには、エピクロロヒドリン及びエピブロモヒドリンが含まれる。典型的に、エピクロロヒドリンのコポリマーが使用される。かかるコポリマーは、エピクロロヒドリンもしくはエピブロモヒドリンと、窒素、硫黄、酸素原子又はこれらの組合せを含有する1種以上の有機化合物との水溶性重合生成物である。
【0035】
エピハロヒドリンと共重合可能な窒素含有有機化合物には、これらに限定されないが、
1)脂肪族鎖アミン、
2)少なくとも2つの反応性窒素部位を有する非置換の複素環式窒素化合物、並びに
3)少なくとも2個の反応性窒素部位を有し、かつアルキル基、アリール基、ニトロ基、ハロゲン及びアミノ基から選択された1〜2個の置換基を有する、置換された複素環式窒素化合物、
が含まれる。
【0036】
脂肪族鎖アミンには、これらに限定されないが、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソオクチルアミン、ノニルアミン、イソノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミントリデシルアミン及びアルカノールアミンが含まれる。
【0037】
少なくとも2つの反応性窒素部位を有する非置換の複素環式窒素化合物には、これらに限定されないが、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、ピラダジン(pyradazine)、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール及び1,3,4−チアジアゾールが含まれる。
【0038】
少なくとも2個の反応性窒素部位を有し、かつ1〜2個の置換基を有する、置換された複素環式窒素化合物には、これらに限定されないが、ベンゾイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾール、4−ヒドロキシ−2−アミノイミダゾール、5−エチル−4−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン及び2−トリルイミダゾリンが含まれる。
【0039】
典型的に、メチル、エチル、フェニル及びアミノ基から選択された1個又は2個の置換基を組み入れた、イミダゾール、ピラゾール、イミダゾリン、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、ピリダジン、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール及び1,3,4−チアジアゾール並びにこれらの誘導体から選択された、1種以上の化合物が、エピハロヒドリンコポリマーを形成するために使用される。
【0040】
エピハロヒドリンコポリマーの幾つかは、例えば、Raschig GmbH(独国ルートヴィヒスハーフェン)及びBASF(米国ミシガン州ワイアンドット)から商業的に入手可能であり、または文献(例えば、米国特許第5,607,570号明細書など)に開示されている方法によって製造することができる。他の商業的供給元には、Wuhan Fengfan Chemical、Columbia Chemical及びMahavairが含まれる。
【0041】
このエピハロヒドリンコポリマーは、組成物中に、5g/L〜100g/Lの量で含まれる。典型的に、エピハロヒドリンコポリマーは、10g/L〜80g/Lの量で含有され、更に典型的に、これらは、20g/L〜70g/Lの量で、最も典型的に30g/L〜60g/Lの量で含まれる。
【0042】
組成物の他の成分と混合可能である任意の界面活性剤も使用することができる。典型的に、この界面活性剤は、低下した発泡性又は非発泡性界面活性剤である。かかる界面活性剤には、これらに限定されないが、非イオン性界面活性剤、例えば、12モルのEOを含有するエトキシル化ポリスチレン化フェノール、5モルのEOを含有するエトキシル化ブタノール、16モルのEOを含有するエトキシル化ブタノール、8モルのEOを含有するエトキシル化ブタノール、12モルのEOを含有するエトキシル化オクタノール、12モルのEOを含有するエトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化/プロポキシル化ブタノール、13モルのEOを含有するエトキシル化β−ナフトール、10モルのEOを含有するエトキシル化β−ナフトール、10モルのEOを含有するエトキシル化ビスフェノールA、13モルのEOを含有するエトキシル化ビスフェノールA、30モルのEOを含有する硫酸化エトキシル化ビスフェノールA及び8モルのEOを含有するエトキシル化ビスフェノールAが含まれる。このような界面活性剤は、通常の量で含まれる。典型的に、これらは、組成物中に、0.1g/L〜20g/L又は例えば0.5g/L〜10g/Lの量で含有される。これらは商業的に入手可能であり、文献に開示されている方法から調製することができる。
【0043】
他の界面活性剤には、これらに限定されないが、両性界面活性剤、例えば、アルキルジエチレントリアミン酢酸及び第四級アンモニウム化合物及びアミンが含まれる。かかる界面活性剤は当該技術分野で公知であり、多くのものは商業的に入手可能である。これらは通常の量で使用することができる。典型的に、これらは、組成物中に、0.1g/L〜20g/L又は例えば0.5g/L〜10g/Lの量で含有される。典型的に、使用される界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物である。
【0044】
キレート化剤には、これらに限定されないが、カルボン酸、例えば、マロン酸及び酒石酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば、クエン酸及びリンゴ酸並びにこれらの塩が含まれる。より強いキレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)も使用することができる。このキレート化剤は単独で使用することができ又はキレート化剤の組合せを使用することができる。例えば、様々な量の比較的強いキレート化剤、例えば、EDTAを、様々な量の1種以上の弱いキレート化剤、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸及び酒石酸と組み合わせて使用して、電気めっきのために利用可能なインジウムの量を制御することができる。キレート化剤は通常の量で使用することができる。典型的に、キレート化剤は、0.001M〜3Mの量で使用される。
【0045】
平滑化剤には、これらに限定されないが、ポリアルキレングリコールエーテルが含まれる。かかるエーテルには、これらに限定されないが、ジメチルポリエチレングリコールエーテル、ジ−ターシャリーブチルポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレン/ポリプロピレンジメチルエーテル(混合又はブロックコポリマー)及びオクチルモノメチルポリアルキレンエーテル(混合又はブロックコポリマー)が含まれる。このような平滑化剤は通常の量で含まれる。典型的に、このような平滑化剤は、100ppb〜500ppbの量で含有される。
【0046】
担体には、これらに限定されないが、フェナントロリン及びその誘導体、例えば、1,10−フェナントロリン、トリエタノールアミン及びその誘導体、例えば、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、ラウリル硫酸ナトリウム及びエトキシル化アンモニウムラウリルスルフェート、ポリエチレンイミン及びその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルポリエチレンイミン(HPPEI−200)並びにアルコキシル化ポリマーが含まれる。このような担体は通常の量でインジウム組成物中含有される。典型的に、担体は、200ppm〜2000ppmの量で含有される。
【0047】
1種以上の合金化金属には、これらに限定されないが、アルミニウム、ビスマス、銅、金、ニッケル、銀、スズ、タングステン及び亜鉛が含まれる。典型的に、合金化金属は、金、ビスマス、銀及びスズである。更に典型的に、金及びスズは合金化金属である。この合金化金属は、水溶性金属塩として、インジウム組成物に添加することができる。このような水溶性金属塩は公知である。多くのものは、商業的に入手可能であるか又は文献の記載から調整することができる。水溶性金属塩は、インジウム組成物に、1重量%〜5重量%又は例えば2重量%〜4重量%の合金化金属を有するインジウム合金を形成するために十分な量で添加される。典型的に、水溶性金属塩は、インジウム組成物に、インジウム合金が1重量%〜3重量%の合金化金属を有するような量で添加される。
【0048】
3重量%以下の量での合金化金属の量によって、TIM高温度耐腐食性並びにシリコンチップのような基体に対する濡れ及び結合を向上することができる。更に、合金化金属、例えば、銀、ビスマス及びスズは、インジウムと低融点共晶を形成することができる。合金化金属は、インジウム組成物中に、0.01g/L〜15g/L又は例えば0.1g/L〜10g/L又は例えば1g/L〜5g/Lの量で含ませることができる。
【0049】
このインジウム組成物は、インジウム金属又はインジウム合金複合体層を、基体の上に堆積させるために使用することができる。この複合体は、インジウム金属もしくはインジウム合金と、1種以上のセラミック材料の粒子とから構成されている。この複合体は、基体との均一な界面を形成する。インジウム金属の純度は、合金化金属が含まれる場合を除き、99重量%以上にもなり得る。インジウム金属又は合金複合体層の厚さは変化し得る。典型的に、この層は、230μm以下である。更に典型的に、この層は、50μm〜230μm又は例えば100μm〜220μm又は例えば140μm〜210μmの範囲である。
【0050】
複合体中のインジウムもしくはインジウム合金とセラミック粒子の均一な分散物との組合せによって、少なくとも80W/mKの高い均一なバルク熱伝導率を有するインジウム及びインジウム合金複合体がもたらされる。典型的に、この複合体の熱伝導率は、80W/mK〜350W/mK又は例えば90W/mK〜275W/mK又は例えば110W/mK〜200W/mKの範囲である。
【0051】
この複合体には、20重量%〜90重量%のインジウムもしくはインジウム合金と、10重量%〜80重量%の均一に分散したセラミック粒子が含有されている。均一に分散したとは、単位体積当たりのセラミック粒子の平均数が、インジウム又はインジウム合金複合体を通して同じであることを意味する。このセラミック粒子及び繊維は、複合体内で孤立した塊に凝集しない。従って、この複合体全体を通した熱伝導率も、同様に均一である。
【0052】
インジウム金属及びインジウム合金複合体を、基体の上に堆積させるために使用される装置は、通常のものであってよい。使用することができるめっき装置の例は、欧州特許出願公開第0339464A1号明細書に開示され、図5〜7に示されている。通常の電極を使用することができる。典型的に、可溶性電極が使用される。更に典型的に、可溶性インジウム電極が、アノードとして使用される。インジウム複合体によってめっきされるべき基体が、カソード又は作用電極である。必要な場合には、任意の好適な参照電極を使用することができる。典型的に、参照電極は、塩化銀/銀電極である。水性組成物は、電気化学的堆積のの過程において、通常の撹拌装置を使用して連続的に撹拌される。電流密度は、0.5A/dm〜50A/dm又は例えば1A/dm〜25A/dm又は例えば10A/dm〜20A/dmの範囲であり得る。
【0053】
電気化学的堆積の過程における水性インジウム組成物の温度は、30℃〜80℃の範囲である。典型的に、この温度は40℃〜80℃の範囲である。
【0054】
水性インジウム組成物を、電気デバイスのための構成要素、例えば、これらに限定されないが、IC、半導体デバイスのためのマイクロプロセッサ、MEMS及びオプトエレクトロニクスデバイスのための構成要素の上に、インジウム金属又はインジウム合金複合体を堆積させ、TIMとして機能させるために使用することができる。このような電子構成要素は、プリント配線基板及び気密封止チップスケール及びウェーハレベルパッケージ内に含まれ得る。かかるパッケージには、典型的に、気密に封止され、ベース基体と蓋との間に形成された封入された体積が、封入された体積内に配置された電子デバイスと共に含まれる。このパッケージは、パッケージの外の大気中の汚染物質及び水蒸気からの、封入されたデバイスの封じ込め及び保護を提供する。パッケージ内の汚染物質及び水蒸気の存在は、例えば、金属部品の腐食、並びにオプトエレクトロニクスデバイス及びその他の光学的構成要素の場合の光学的損失などの問題を生じさせ得る。少なくとも80W/mKのバルク熱伝導率、及び基体との均一な界面は、インジウム複合体をTIMとして使用することを可能にする。インジウム複合体は、プロセシングダイ(即ち、樹脂封入シリコンチップ)から熱を除去し、この熱を蓋/ヒートシンクに移動させる。インジウム複合体は、また、電子デバイス内で一緒に結合されている異なった材料の間のCTEの不適合によって誘導される応力を吸収することができる。
【0055】
一つの実施形態において、インジウム金属又はインジウム合金複合体層が、TIMとして機能するために、プロセシングダイ基体の表面上に電気化学的に堆積され、およびヒートシンクが、インジウム金属又はインジウム合金複合体層の手段によって、プロセシングダイに結合される。このヒートシンクは、通常の材料のヒートシンク、例えば、ニッケル被覆した銅、炭化ケイ素又はアルミニウムのヒートシンクであってよい。このプロセシングダイは、インジウム金属又は合金複合体層の面とは反対のプロセシングダイの面上にあるはんだバンプの手段によって、プリント配線基板ベース又はセラミックベースに結合されていてよい。このはんだバンプは、通常の材料から構成されていてよく、例えば、スズ若しくはスズ合金又はエレクトロニクス産業において使用される他の通常の材料から構成されていてよい。このはんだバンプは、また、電気化学的に堆積されたインジウム金属又はインジウム合金のものであってよい。
【0056】
他の実施形態において、インジウム金属又はインジウム合金複合体層が、TIMとして機能するために、プロセシングダイ基体の表面上に電気化学的に堆積され、並びにプロセシングダイを覆う凹形蓋(即ち、頂部分に対して垂直である連続側面を有する頂部分)が、このダイ及びインジウム金属又は合金複合体層を覆って置かれている。この蓋は、通常の構造(即ち、長方形又は楕円形)を有してよく、通常の材料、例えば、銅又は銅合金のものであってよい。インジウム又はインジウム合金複合体層は、蓋をダイに結合している。プロセシングダイは、はんだバンプの手段によって、プリント配線基板ベース又はセラミックベースに結合されている。凹形蓋の側面の底部表面におけるバンプによって、蓋は、プリント配線基板ベース又はセラミックベースに結合されている。
【0057】
別の実施形態において、インジウム金属又はインジウム合金複合体層は、TIMとして機能するために、ヒートスプレッダーの表面上に電気化学的に堆積されている。ヒートスプレッダー及び蓋は、通常の材料、例えば、銅、銅合金、炭化ケイ素又は金属とセラミックスとの複合体、例えば、アルミニウム若しくは銅注入した炭化ケイ素のものであってよい。インジウム金属又はインジウム合金複合体層は、蓋をダイに結合している。
【0058】
更なる実施形態において、インジウム金属複合体層が、TIMとして機能するために、プロセシングダイ基体の表面上に電気化学的に堆積され、プロセシングダイを覆う凹形蓋(即ち、頂部分に対して垂直である連続側面を有する頂部分)が、このダイ及びインジウム金属層を覆って置かれている。この蓋は、通常の構造(即ち、長方形又は楕円形)を有してよく、通常の材料のものであってよい。インジウム複合体層は、蓋をダイに結合している。プロセシングダイは、はんだバンプの手段によって、プリント配線基板ベース又はセラミックベースに結合されている。凹形蓋の側面の底部表面におけるバンプによって、蓋は、プリント配線基板ベース又はセラミックベースに結合されている。第二インジウム金属複合体層が、第二TIMとして機能するために、蓋の頂部上に電気化学的に堆積され、ヒートシンクが、第二インジウム金属複合体層の手段によって、蓋の頂部に結合される。
【0059】
インジウム及びインジウム合金複合体をプロセシングダイ基体及びヒートスプレッダーの上に堆積させることに加えて、インジウム及びインジウム合金複合体を蓋の上に堆積させることができる。
【0060】
下記の実施例は、本発明を更に例示するが、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【実施例1】
【0061】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0062】
【表1】
【0063】
炭化ケイ素粒子は、1μmの平均サイズを有する。ポリエーテル変性シリコーンは、この水性組成物中の炭化ケイ素粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物中に含まれる。
【0064】
5個のニッケル被覆した銅インゴット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム複合体を電気化学的に堆積させるための装置は、欧州特許第0339464A1号明細書に開示された装置である。インジウム電気化学組成物は、3のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの間に連続的に撹拌される。カソード電流密度は、10A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム複合体がこのインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0065】
このインジウム複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、このインジウム複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。このインジウム複合体は、炭化ケイ素粒子の均一な分布及び少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例2】
【0066】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0067】
【表2】
【0068】
炭化ケイ素粒子は、5μmの平均サイズを有する。エポキシ変性シリコーンの混合物は、この水性組成物中の炭化ケイ素粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物中に含まれる。
【0069】
5個のニッケル被覆した銅インゴット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム電気化学組成物は、1〜1.2のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、10A/dmで維持される。電気化学的堆積は、230μmのインジウム複合体がこのインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0070】
このインジウム複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこのインジウム複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。このインジウム複合体は、炭化ケイ素粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例3】
【0071】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0072】
【表3】
【0073】
ダイヤモンド粒子は、10μmの平均サイズを有する。ビニル変性シリコーンの混合物及びプロピレングリコールフェニルエーテルは、めっきの過程におけるダイヤモンド粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0074】
5個のアルミニウムインゴット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム電気化学組成物は、1のpH及び50℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、20A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム複合体がアルミニウムインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0075】
このインジウム複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこのインジウム複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験したと場合)と期待される。このインジウム複合体は、ダイヤモンド粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例4】
【0076】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0077】
【表4】
【0078】
グラファイト粒子は、5μmの平均サイズを有する。カルボキシ変性シリコーンの混合物及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルは、めっきの過程においてグラファイト粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0079】
5個のアルミニウムインゴット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム電気化学組成物は、1のpH及び50℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、5A/dmで維持される。電気化学的堆積は、150μmのインジウム複合体がアルミニウムインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0080】
このインジウム複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、およにこのインジウム複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。このインジウム複合体は、グラファイト粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例5】
【0081】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0082】
【表5】
【0083】
窒化アルミニウム粒子は、8μmの平均サイズを有する。カルボラン変性シリコーンコポリマーの混合物及びジプロピレングリコールメチルエーテルは、めっきの過程において窒化アルミニウム粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0084】
5個のアルミニウムインゴット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム複合体を電気化学的に堆積させるための装置は、通常のものである。インジウム電気化学組成物は、1のpH及び55℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、1A/dmで維持される。電気化学的堆積は、100μmのインジウム複合体がアルミニウムインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0085】
このインジウム複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこのインジウム複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。このインジウム複合体は、窒化アルミニウム粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例6】
【0086】
下記の水性インジウム電気化学組成物を調製する。
【0087】
【表6】
【0088】
窒化アルミニウム粒子は、10μmの平均サイズを有する。アルコール変性シリコーンの混合物及びポリオキシエチレンドデシルエーテルは、めっきの過程における窒化アルミニウム粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0089】
5個の化学蒸着された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム複合体でめっきする。インジウム電気化学組成物は、2のpH及び50℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、5A/dmで維持される。電気化学的堆積は、150μmのインジウム複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0090】
このインジウム複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、このインジウム複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。このインジウム複合体は、窒化アルミニウム粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/m°Kの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例7】
【0091】
下記の水性インジウム合金電気化学組成物を調製する。
【0092】
【表7】
【0093】
炭化ケイ素粒子は、2μmの平均サイズを有する。メルカプト変性シリコーンの混合物及びポリオキシエチレンアルキル(C12〜C16)エーテルは、めっきの過程において炭化ケイ素粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0094】
5個の焼結された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/スズ合金複合体でめっきする。インジウム/スズ合金電気化学組成物は、1のpH及び50℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、10A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/スズ合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0095】
このインジウム/スズ合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、この複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、炭化ケイ素粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例8】
【0096】
下記の水性インジウム合金電気化学組成物を調製する。
【0097】
【表8】
【0098】
固体グラファイト炭素繊維は、200μmの平均長さ及び250nmの平均厚さを有する。ポリオキシエチレンドデシルエーテルは、めっきの過程において固体グラファイト炭素繊維の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0099】
5個の焼結された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/亜鉛合金複合体でめっきする。インジウム/亜鉛合金電気化学組成物は、1のpH及び50℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、10A/dmで維持される。電気化学的堆積は、100μmのインジウム/亜鉛合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0100】
このインジウム/亜鉛合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこの複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、固体グラファイト炭素繊維の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例9】
【0101】
下記の水性インジウム/銅合金電気化学組成物を調製する。
【0102】
【表9】
【0103】
ダイヤモンド粒子は、5μmの平均サイズを有する。プロピレングリコールメチルエーテルは、めっきの過程においてダイヤモンド粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0104】
5個の化学蒸着された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/銅合金複合体でめっきする。インジウム/銅合金電気化学組成物は、1のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、15A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/銅合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0105】
このインジウム/銅合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこの複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、ダイヤモンド粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例10】
【0106】
下記の水性インジウム/銅合金電気化学組成物を調製する。
【0107】
【表10】
【0108】
ダイヤモンド粒子は、5μmの平均サイズを有する。プロピレングリコールメチルエーテルは、めっきの過程においてダイヤモンド粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0109】
5個の化学蒸着された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/銅合金複合体でめっきする。インジウム/銅合金電気化学組成物は、1のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、15A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/銅合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0110】
このインジウム/銅合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこの複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、ダイヤモンド粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例11】
【0111】
下記の水性インジウム/銅合金電気化学組成物を調製する。
【0112】
【表11】
【0113】
ダイヤモンド粒子は、5μmの平均サイズを有する。プロピレングリコールメチルエーテルは、めっきの過程においてダイヤモンド粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0114】
5個の化学蒸着された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/銅合金複合体でめっきする。インジウム/銅合金複合体を電気化学的に堆積させるための装置は、通常のものである。インジウム/銅合金電気化学組成物は、1のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、15A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/銅合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0115】
このインジウム/銅合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、この複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、ダイヤモンド粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例12】
【0116】
下記の水性インジウム/金合金電気化学組成物を調製する。
【0117】
【表12】
【0118】
炭化ケイ素粒子は、1μmの平均サイズを有する。カルビノール変性シリコーンは、めっきの過程において炭化ケイ素粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0119】
5個の化学蒸着された炭化ケイ素タブレット10cm×20cmを、インジウム/金複合体でめっきする。インジウム/金合金複合体を電気化学的に堆積させるための装置は、通常のものである。インジウム/金合金電気化学組成物は、1のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、20A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/金合金複合体が炭化ケイ素タブレットの上に堆積されるまで続く。
【0120】
このインジウム/金合金複合体は、タブレットとの均一な界面を形成すると期待され、この複合体は、タブレットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験した場合)と期待される。この複合体は、炭化ケイ素粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。
【実施例13】
【0121】
下記の水性インジウム/ビスマス合金電気化学組成物を調製する。
【0122】
【表13】
【0123】
二酸化チタン粒子は、10μmの平均サイズを有する。エチレン変性シリコーンコポリマーは、めっきの過程において 二酸化チタン粒子の均一な分散を維持することを助けるために、組成物に添加される。
【0124】
5個のニッケル被覆された銅インゴット10cm×20cmを、インジウム/ビスマス複合体でめっきする。インジウム/ビスマス合金電気化学組成物は、1のpH及び60℃の温度で維持される。この組成物は、電気めっきの過程において連続的に撹拌される。カソード電流密度は、15A/dmで維持される。電気化学的堆積は、200μmのインジウム/ビスマス合金複合体がこのインゴットの上に堆積されるまで続く。
【0125】
このインジウム/ビスマス合金複合体は、インゴットとの均一な界面を形成すると期待され、およびこの複合体は、インゴットに対して接着する(ASTM B905−00(2005)の金属及び無機被膜のための標準試験方法を使用して、接着について試験し場合)と期待される。この複合体は、二酸化チタン粒子の均一な分布及びASTM E1225−99の固体のための標準試験方法によって測定したとき、少なくとも80W/mKの均一な熱伝導率を有すると期待される。