特許第5886918号(P5886918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886918
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】配線用遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/06 20060101AFI20160303BHJP
   H01H 73/18 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
   H01H73/06 B
   H01H73/18 Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-185197(P2014-185197)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-95460(P2015-95460A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2014年9月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0136461
(32)【優先日】2013年11月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チャン ボン ユン
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0219021(US,A1)
【文献】 特開2002−352692(JP,A)
【文献】 特開平07−021898(JP,A)
【文献】 実開昭59−170360(JP,U)
【文献】 実開昭60−188456(JP,U)
【文献】 実開昭59−177153(JP,U)
【文献】 特開2008−226632(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0002106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/06
H01H 73/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線路側外部端子が接続される線路側端子部、及び負荷側外部端子が接続される負荷側端子部を備えるケースと、
前記ケースの内部に設けられ、アークガス排気口を備えて内部で発生したアークガスを排気するインタラプタアセンブリと、
前記インタラプタアセンブリと前記端子部間に配置され、内部にアークガス分岐部を備えて前記アークガス排気口と前記端子部側に形成されたベントシュート間で両側に分岐されるアークガス移動通路となる排気案内部と、
前記排気案内部を覆う構造で前記ケースに装着される排気カバーと、
前記排気案内部に前記アークガス分岐部を介してアークガス排出方向に対して垂直方向に離隔して配置され、前記アークガス分岐部と共に前記アークガス移動通路を形成する排気ガイドとを含み、
前記排気カバーは、内面にアークガス排出方向に対して垂直方向に離隔して形成された隔壁を備えて前記排気案内部を相毎に区画し、
前記排気ガイドは、前記隔壁を介して離隔して配置され、相間絶縁距離を確保し、
前記排気カバーは、前記隔壁を介して離隔して形成されるガイド挿入部をさらに備え、
前記排気ガイドは、内部にガイド挿入溝を備え、前記ガイド挿入部を収容して互いに重なる構造で結合される配線用遮断器。
【請求項2】
前記排気ガイドは、前記アークガス排出方向に対して垂直方向の離隔距離が広くなるようにテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器。
【請求項3】
前記アークガス排気口の内面は、前記アークガス排出方向に対して垂直方向の幅が広くなるようにテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線用遮断器。
【請求項4】
前記インタラプタアセンブリは、前記アークガス排気口と前記排気ガイドの入口端が隙間なく接触するように設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線用遮断器。
【請求項5】
前記排気ガイドの入口端は、前記アークガス排気口の幅と同じ幅であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線用遮断器。
【請求項6】
前記排気案内部は三相電源の各相毎に区画され、区画された前記排気案内部の内部空間に前記アークガス分岐部と前記排気ガイドにより分岐されたアークガス移動通路がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線用遮断器。
【請求項7】
前記排気案内部間に配置された前記アークガス分岐部は三角形状に形成され、前記アークガス分岐部の三角形の頂点部分が前記アークガス排気口から離隔して配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線用遮断器。
【請求項8】
前記排気案内部に螺合可能に第1結合部をさらに備え、前記排気カバーに螺合可能に第2結合部をさらに備え、前記排気カバーが前記ケースに脱着可能に結合されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の配線用遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短絡時に発生するアークガスの流出による絶縁破壊を防止できる配線用遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker; MCCB)とは、開閉機構、トリップ装置などを絶縁物の容器内に一体に組み立てたものであり、通常の使用状態の電路を手動又は絶縁物の容器外の電気操作により開閉することができ、かつ過負荷や短絡などのときに自動的に電路を遮断する器具である。
【0003】
例えば、三相回路に線間短絡が発生した場合に配線用遮断器の内部に設けられたトリップ装置が接点を分離して電路を遮断するが、接点分離時にアークが発生してプラズマ状態のアークガスが配線用遮断器内に備えられたアークガスベント手段から外部に排出される。
【0004】
図10は従来の特許文献1による回路遮断器用ベント手段を説明するための斜視図であり、インタラプタアセンブリ70の内部で発生したアークガスがインタラプタアセンブリ70の下端のアークガス排気口80からチャンバ領域100に排出され、その後アークガスはチャンバ領域100で三角形状のガス分岐部110により両側に分岐されてシュート90から外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7034241号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の特許文献1によるアークガス排出構造においては、インタラプタアセンブリとケースの結合時に、アークガス排気口がチャンバ領域の両側壁から離隔され、アークガス排気口とケース壁面間の隙間にアークガスが流入して渦流が発生することにより、アークガスの排出が迅速に行われず、内部絶縁破壊の原因となる。
【0007】
よって、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、従来のインタラプタアセンブリの排気口から排気されたアークガスが、排気ガイド壁面で渦流現象を生じることなく、迅速に外部に排出されるようにした配線用遮断器を提供することを技術的課題とする。
【0008】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一態様によれば、ケースと、インタラプタアセンブリと、排気案内部と、排気カバーと、排気ガイドとを含む配線用遮断器が提供される。
【0009】
前記ケースは、線路側外部端子が接続される線路側端子部、及び負荷側外部端子が接続される負荷側端子部を備えてもよい。
【0010】
前記インタラプタアセンブリは、前記ケースの内部に設けられ、アークガス排気口を備えて内部で発生したアークガスを排気してもよい。
【0011】
前記排気案内部は、前記インタラプタアセンブリと前記端子部間に配置され、内部にアークガス分岐部を備えて前記アークガス排気口と前記端子部側に形成されたベントシュート間で両側に分岐されるアークガス移動通路となってもよい。
【0012】
前記排気カバーは、前記排気案内部を覆う構造で前記ケースに装着されてもよい。
【0013】
前記排気ガイドは、前記排気案内部に前記アークガス分岐部を介してアークガス排出方向に対して垂直方向に離隔して配置され、前記アークガス分岐部と共に前記アークガス移動通路を形成してもよい。
【0014】
ここで、前記排気ガイドは、前記アークガス排出方向に対して垂直方向の離隔距離が広くなるようにテーパ状に形成されてもよい。
【0015】
前記アークガス排気口の内面は、前記アークガス排出方向に対して垂直方向の幅が広くなるようにテーパ状に形成されてもよい。
【0016】
前記インタラプタアセンブリは、前記アークガス排気口と前記排気ガイドの入口端が隙間なく接触するように設けられてもよい。
【0017】
前記排気ガイドの入口端部は、前記アークガス排気口の幅と同じ幅であってもよい。
【0018】
前記排気案内部は三相電源の各相毎に区画され、区画された前記排気案内部の内部空間に前記アークガス分岐部と前記排気ガイドにより分岐されたアークガス移動通路がそれぞれ形成されてもよい。
【0019】
前記排気案内部間に配置された前記アークガス分岐部は三角形状に形成され、前記アークガス分岐部の三角形の頂点部分が前記アークガス排気口から離隔して配置されてもよい。
【0020】
前記排気カバーは、内面にアークガス排出方向に対して垂直方向に離隔して形成された隔壁を備えて前記排気案内部を相毎に区画し、前記排気ガイドは、前記隔壁を介して離隔して配置され、相間絶縁距離を確保してもよい。
【0021】
前記排気カバーは、前記隔壁を介して離隔して形成される排気ガイド挿入部をさらに備え、前記排気ガイドは、内部に挿入溝を備え、前記排気ガイド挿入部を収容して互いに重なる構造で結合されてもよい。
【0022】
前記排気案内部に螺合可能に第1結合部をさらに備え、前記排気カバーに螺合可能に第2結合部をさらに備え、前記排気カバーが前記ケースに脱着可能に結合されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の配線用遮断器においては、インタラプタアセンブリの下端の排気口から排気されたアークガスが、排気ガイドにより渦流を生じることなく、迅速に外部に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明によるケースとインタラプタアセンブリの分解斜視図である。
図2】本発明によるケースの底面斜視図である。
図3図2のケースとインタラプタアセンブリのIV−IV線断面図である。
図4図2のケースの排気カバーが除去された状態を示す底面斜視図である。
図5図4のケースの底面図である。
図6】本発明による排気カバーの内面を示す斜視図である。
図7図6の排気カバーの内面を示す平面図である。
図8】本発明による配線用遮断器の負荷側端子部を示す側面図である。
図9図8の配線用遮断器のX−X線断面図である。
図10】従来の特許文献1による回路遮断器用ベント手段を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
本発明は、配線用遮断器において線間短絡時に発生するアークガスが、渦流を生じることなく、迅速に排出される排気ガイド構造に関する。
【0027】
図1は本発明によるケースとインタラプタアセンブリの分解斜視図であり、図2は本発明によるケースの底面斜視図であり、図3図2のケースとインタラプタアセンブリのIV−IV線断面図である。
【0028】
本発明による配線用遮断器は、ケースと、インタラプタアセンブリ220と、アークガス排出システムとを含む。
【0029】
一実施形態による遮断器は、R、S、T相、すなわち三相3線式の電源(Line)で構成される。
【0030】
ケースは、製品の外形及び骨格となる上部ケースと下部ケース210に分けられる。前記上部ケースは、遮断器のオン/オフ手動操作のためのハンドルを備え、上方に位置してカバーの役割を果たす。下部ケース210は、インタラプタアセンブリ220やトリップ部などの内部部品を収容し、下方に位置して本体の役割を果たす。
【0031】
特に、下部ケース210は、一方向の側面が他方向の側面より長い箱型構造からなり、長いほうを長さ方向、短いほうを幅方向とすると、下部ケース210の長さ方向両端部にそれぞれ電源側端子部211と負荷側端子部212が備えられ、電源及び負荷を接続することができる。ここで、電源側端子部211及び負荷側端子部212は四方が閉鎖されており、長さ方向に開口している。
【0032】
また、電源側端子部211と負荷側端子部212の間にインタラプタアセンブリ220を収容するための内部空間214が備えられ、内部空間214は幅方向に間隔をおいて長さ方向に長く形成された隔壁により各相毎に区画されており、三相の電源が独立して負荷側に接続又は遮断される。ここで、内部空間214の上面は開口している。
【0033】
インタラプタアセンブリ220は、3つの相毎にそれぞれ備えられ、下部ケース210に区画された各内部空間214にそれぞれ挿入装着され、各相の接点を開閉する機能を有する。
【0034】
インタラプタアセンブリ220は、長さ方向の中心線を基準に左右対称に分割されたハウジング221と、ハウジング221の内部に備えられた可動台223及び固定台224と、アークガスを消弧するための消弧部226とを含む。
【0035】
固定台224は、ハウジング221の内部に対角線方向に配置固定され、固定台224の一端部に固定接点224aがそれぞれ固定されるように設けられる。ここで、固定接点224aは、可動台223に備えられた可動接点223cの回動半径範囲内に位置する。
【0036】
可動台223は、中心がハウジング221の中心部に位置するシャフトに回動可能なヒンジ構造で結合される可動台本体223aと、可動台本体223aから互いに反対方向に長く延びる可動台アーム部223bと、可動台アーム部223bの端部にそれぞれ備えられた可動接点223cとから構成される。ここで、可動接点223cは、可動台223の回動と連動して固定接点224aに接離する。
【0037】
消弧部226は、固定台224から遠ざかる可動台223の回動方向に離隔して配置される複数のグリッド225を備え、ハウジング221の内部に固定台224の固定接点224aと隣接するように対角線方向に位置し、可動接点223cと固定接点224a間から発生するアークを消弧(消滅)する役割を果たす。グリッド225は、アークがグリッド225間の隙間に進入するように誘導することにより、アークを切断することができ、かつグリッド225の端部に延長させて消滅させることができる。
【0038】
図4図2のケースの排気カバーが除去された状態を示す底面斜視図であり、図5図4のケースの底面図であり、図6は本発明による排気カバーの内面を示す斜視図であり、図7図6の排気カバーの内面を示す平面図である。
【0039】
前記アークガス排出システムは、ハウジング221に備えられたアークガス排気口222と、端子部に備えられたベントシュート213と、アークガス排気口222とベントシュート213間に配置される排気案内部230とから構成される。
【0040】
アークガス排気口222は、ハウジング221の両端部に消弧部226と隣接して形成され、インタラプタアセンブリ220の内部で接点間に発生したアークガスをアークガス排気口222から外部に排出することができる。
【0041】
電源側端子部211及び負荷側端子部212は、外部の電源側ターミナル又は負荷側ターミナルが接続される部分であり、各端子部を介して両側面にベントシュート213が形成されることにより、アークガスが外部に排出される。
【0042】
前記トリップ部は、下部ケース210の内部に負荷側端子部212に隣接して設けられ、後述する排気案内部230の上部に配置され、例えば線間短絡時に接点を自動で分離する機能を有する。
【0043】
排気案内部230は、下部ケース210の中間の内部空間214と端子部間にそれぞれ配置され、アークガス排気口222とベントシュート213間に位置してアークガス通路となる排出チャンバ231を備える。
【0044】
また、排気案内部230は、遮断器の設置座面に接する下部ケース210の底面から高さ方向に離隔して配置された遮蔽部材234を備え、下部ケース210の内部空間と排出チャンバ231を別個の独立空間として区分する。この遮蔽部材234は、排出チャンバ231に排出されるアークガスが下部ケース210の内部に流入することを根本的に防止するだけでなく、ベントシュート213から迅速に排出されるようにする。
【0045】
遮蔽部材234は、プレート構造からなり、遮蔽部材234の一端部が負荷側端子部212に接触し、遮蔽部材234の他端部が負荷側端子部212からアークガス排気口222に向かって水平に延設されてアークガス排気口222に接触する。
【0046】
また、排気案内部230の一側(アークガス排出方向Yの上流側)で断面コ字状の挿入部232がアークガス排気口222の外面を覆う構造を有する。例えば、アークガス排気口222が四角形の閉断面形状を有し、挿入部232がアークガス排気口222の外面のうち隣接する3面を覆うコ字状に形成され、挿入部232が排出チャンバ231に連通するように形成される。こうすることにより、インタラプタアセンブリ220が下部ケース210の内部に挿入装着される際にアークガス排気口222が挿入部232に挿入され、インタラプタアセンブリ220の内部で発生したアークガスが排出チャンバ231に排出されるようになる。
【0047】
また、排気案内部230は、アークガス排気口222から排出されたアークガスを両側に分岐し、各相毎に離隔して配置された一対のベントシュート213にガスの流れを誘導する三角形のガス分岐部233を備える。
【0048】
ガス分岐部233は、遮蔽部材234の端部に三角形状に形成される。
【0049】
ガス分岐部233の三角形の頂点部分は、アークガス排気口222の幅方向中心線と一致する。
【0050】
ガス分岐部233の三角形の頂点部分は、アークガス排出方向にアークガス排気口222の終端部から所定の間隔Gで離隔して配置され、アークガスの流動抵抗を最小限に抑えることにより、アークガスが迅速に排出されるようにする。
【0051】
ここで、アークガス排気口222とガス分岐部233の三角形の頂点間の間隔は、特に限定されるものではないが、ガスの流動抵抗を最小限に抑えることができる距離であることが好ましい。
【0052】
こうすることにより、アークガス排気口222とガス分岐部233の三角形の頂点間に間隔がない場合に比べて流動抵抗が低下することは、実験により確認されている。
【0053】
ガス分岐部233は、三相電源の各相毎に区画された別個の空間にそれぞれ離隔して配置される。
【0054】
排気案内部230は、遮断器の設置座面と対向する面に開口部を有し、前記開口部を覆うために排気カバー240が排気案内部230に設けられる。
【0055】
排気カバー240は、下部ケース210の底面に脱着可能に装着され、排気案内部230の開口部を開閉することができる。
【0056】
ここで、排気カバー240を下部ケース210と別個に製作して下部ケース210に脱着可能な構造に設計した理由は、アーク排気ガスの絶縁性を確保するためであるが、これについてより詳細に説明する。
【0057】
前述したように、排気案内部230に備えられた三角形状のガス分岐部233を射出成形などにより下部ケース210と一体に成形するためには、金型設計上の理由からガス分岐部233の上面又は下面を開放しなければならない。
【0058】
しかし、従来のようにガス分岐部233の上面が開放されていると、ガス分岐部233の上面からインタラプタアセンブリで発生したアークガスが下部ケース210の内部に排気され、下部ケース210内部の導体間で絶縁破壊が起こることにより、短絡が生じることがある。
【0059】
上記問題を解決するために、本発明においては、ガス分岐部233の上面を遮蔽部材234により密閉し、その代わりにガス分岐部233の下面を開放するが、ガス分岐部233の下面である排気案内部230の開口部を開閉できるように排気カバー240を装着することにより、下部ケース210と大地間の絶縁を確保することができる。
【0060】
すなわち、遮蔽部材234が排気案内部230と下部ケース210の内部間を別個の空間に区画することにより、アークガスが下部ケース210の内部に流入することを防止し、排気カバー240が排気案内部230と大地間を遮ることにより、アークガスが下部ケース210の外部に流出することを防止する。
【0061】
排気カバー240は、ガス排出方向Yより、ガス排出方向に対して垂直方向Xのほうが長く形成されるプレート状のカバー本体241と、カバー本体241の長さ方向両端部で下部ケース210の内部に挿入可能に突出形成されるエンドプレート242と、エンドプレート242間でガス排出方向に対して垂直方向Xに離隔して突出形成された隔壁245とを含む。
【0062】
排気案内部230には、排気カバー240の内面に形成された隔壁245により三相の内部空間が設けられる。
【0063】
また、排気案内部230は、各相毎に区画された内部空間にガス分岐部233を介して両側面にそれぞれ離隔して形成された排気ガイド235を備え、アークガス排気口222から排気されたアークガスが二股に分岐して流れるようにするアークガス移動通路となることにより、アークガス排気口222とベントシュート213間の連結通路の役割を果たす。
【0064】
しかし、排気ガイド235がアークガス排気口222の端部から離隔して配置されると、アークガス排気口222から排気されたアークガスが排気ガイド235の入口端に到達する前に、排気ガイド235とアークガス排気口222間の隙間に流入することにより、渦流が発生することがあり、これはアークガスの迅速な排出を妨害する要素となる。
【0065】
上記問題を解決するために、本発明においては、アークガス排気口222と排気ガイド235間の隙間を排除することにより、アークガスの渦流発生を防止するだけでなく、アークガス排気口222の内面と排気ガイド235を同一傾斜面で連結することにより、排気ガイド235によるいかなる干渉も受けずにアークガスの迅速な排出を誘導することができる。
【0066】
図8は本発明による配線用遮断器の負荷側端子部を示す側面図であり、図9図8の配線用遮断器のX−X線断面図である。
【0067】
アークガス排気口222の内面は、アークガス排出方向に対して垂直方向Xの幅がハウジング221の内部から出口方向に向かって広くなるようにテーパ状に形成されることにより、ハウジング221の内部で発生したアークガスを排出チャンバ231に円滑に排出することができる。
【0068】
排気ガイド235は、アークガス排出方向に対して垂直方向Xにガス分岐部233から離隔して形成され、排気ガイド235とガス分岐部233間に分岐されたアークガス移動通路となる。
【0069】
また、排気ガイド235の側面は、アークガス排出方向に対して垂直方向Xの離隔距離が排気ガイド235の出口方向へ行くほど次第に広くなるように形成される。
【0070】
ここで、排気ガイド235の一側面は、アークガス排気口222の内面と同一傾斜面(テーパ状の面)からなることにより、すなわち同じ傾きで傾斜するように形成されることにより、アークガスがアークガス排気口222の内面からベントシュート213まで一度にノンストップで排出されるようにすることができる。
【0071】
一方、排気案内部230は、排気カバー240の内面に形成された隔壁245により各相毎に区画されるが、排気カバー240が排気案内部230の開口部を覆うように組み付けられると、隔壁245と排気案内部230の遮蔽部材234間に隙間が生じることがあるので、この隙間からアークガスが隣接する区画空間にオーバーフローすることを防止しなければならない。
【0072】
このために、排気ガイド235のうち排気案内部230の中間に位置する排気ガイド235は、排気カバー240の隔壁245を介して隣接する排気案内部230の区画空間でそれぞれ離隔して突出形成され、離隔して配置された排気ガイド235間に隔壁収容溝237が形成され、この隔壁収容溝237に隔壁245が挿入結合されることにより、遮蔽部材234と隔壁245間の隙間からアークガスがオーバーフローすることを防止することができる。
【0073】
また、排気案内部230の中間に位置する排気ガイド235は略直角三角形状に形成され、排気ガイド235の内側にガイド挿入溝235aが形成される。また、排気カバー240の内面にガイド挿入部243が隔壁245から離隔して突出形成されるので、ガイド挿入溝235aに挿入結合することができる。
【0074】
ここで、ガイド挿入部243は排気ガイド235のガイド挿入溝235aに、隔壁245は排気ガイド235間の隔壁収容溝237に、それぞれ二重に重なる構造で噛み合うように結合されるので、区画空間間の隙間を密閉するのに非常に効果的なだけでなく、相間の絶縁距離を確保することができる。
【0075】
排気カバー240は、下部ケース210の底面に位置する排気案内部230を覆うように脱着可能に結合される。ここで、排気案内部230の排気ガイド235間に第1結合部236が突出形成され、排気カバー240の内面に第2結合部244が突出形成されるので、第1結合部236及び第2結合部244が積層された状態でネジなどの締結部材により排気カバー240を下部ケース210に締結することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態を含むものである。
【符号の説明】
【0077】
210 下部ケース
211 電源側端子部
212 負荷側端子部
213 ベントシュート
220 インタラプタアセンブリ
222 アークガス排気口
230 排気案内部
233 ガス分岐部
235 排気ガイド
235a ガイド挿入溝
236 第1結合部
240 排気カバー
243 ガイド挿入部
244 第2結合部
245 隔壁
図1
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図10