(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2放射光源(54)は、前記電子部品(12,12a)を前記第1キャリア(30)から少なくとも部分的に引き離すようにされた電磁放射を発するように構成されている、
請求項6に記載の装置。
引き渡されるべき電子部品を、細長い形状を有しかつ長手方向側に第1透光性領域(20)を有するハウジング(18)内部に配置されたスライダ(16)を含む放出機器に対して位置決めする方法であって、
− 第1キャリア(30)の第1の側が前記放出機器(14)に当て付けられるように、電子部品(12,12a)を有する前記第1キャリア(30)が設けられる工程であって、その際には前記第1キャリア(30)の、前記放出機器(14)とは逆側を向く第2の側に、複数の電子部品(12,12a)が設けられる、前記第1キャリア(30)が設けられる工程と、
− 前記ハウジングの側方に隣り合って配置された画像データ収集機器(40)によって、第1透光性領域(20)を通して画像データをキャプチャする工程であって、その際に前記画像データは、前記放出機器のスライダ(16)の位置及び引き渡されるべき電子部品(12a)の位置に関する情報を含む、キャプチャする工程と、
− 前記キャプチャされた画像データに基づいて、引き渡されるべき前記電子部品(12a)の位置データを割り出す工程と、
− 引き渡されるべき前記電子部品(12a)の前記キャプチャされた位置データに基づいて、少なくとも1つの第1アクチュエータ(34)を起動させるための制御コマンドを生成する工程と、
− 前記第2キャリア(60)上に設けられたマークを光センサ要素(66)が検出できるように、引き渡されるべき電子部品(12a)を受容するための少なくとも1つの接触面を有する第2キャリア(60)が設けられる工程と、
− 前記第2キャリア(60)の画像を前記光センサ要素(66)に投射する工程と、
− 前記マークの位置及び前記放出機器の位置に関する情報を含むセンサ信号を生成する工程と、
− 前記生成されたセンサ信号に基づいて前記接触面の位置データを割り出す工程と、
− 前記接触面の前記割り出された位置データに基づいて、少なくとも1つの第2アクチュエータ(74)を起動させるための制御コマンドを生成する工程と、
− 前記接触面と前記放出機器(14)のスライダの長手方向軸線(ls)との間のオフセットを変えるために、前記生成された制御コマンドに基づいて、前記第2キャリア(60)、前記第1キャリア(30)及び/又は前記放出機器(14)を、前記スライダ(16)の長手方向軸線(ls)に対して垂直方向に位置決めする工程と、
を含む、
方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の課題は、電子部品の引き渡し前に電子部品及び/又は基体の位置を正確にキャプチャすることを可能にし、また必要な場合には補正を可能にする装置及び方法を提供することである。加えてスループット率(処理能力)に影響を及ぼさないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するための手段として、引き渡されるべき電子部品を放出機器に対して位置決めする装置が提案される。放出機器は、少なくとも1つの電子部品のためのスライダと、前記スライダを取り囲むハウジングとを含み、前記ハウジングが第1透光性領域を有している。前記ハウジング内部には第1ミラーが配置されている。引き渡されるべき前記電子部品が設けられている第1キャリアが、前記放出機器に面する第1の側と、前記放出機器とは逆側を向く第2の側とを含み、複数の電子部品が前記第2の側に設けられている。少なくとも1つの画像データ収集機器が、前記ハウジングの前記透光性領域を通して所定の領域の画像データをキャプチャするように構成されており、前記所定の領域において、スライダは、前記少なくとも1つの電子部品と相互作用するように構成されている。コントローラが、前記キャプチャされた画像データに基づいて引き渡されるべき前記電子部品の位置データを割り出すように、そして前記位置データに基づいて制御コマンドを生成するように構成されている。少なくとも1つのアクチュエータが、前記スライダの長手方向軸線と引き渡されるべき前記電子部品の中心軸線との間のオフセットを変えるために、前記制御コマンドに基づいて前記第1キャリアと前記放出機器とを相互に動かすように構成されている。
【0011】
透光性領域に起因して、画像データ収集機器は、放出機器を通して画像データをキャプチャすることができ、従って、この発明では、放出機器によって隠されていた電子部品の位置をもキャプチャすることができる。従って、電子部品の位置を高い精度でキャプチャすることが可能であり、これにより電子部品をより高い正確さで位置決めすることができる。さらに、放出機器と第1キャリアと第2キャリアとから構成される、電子部品引き渡しがその内部で行われる装置内に、電子部品を位置決めすることができるため、付加的な移動距離によってスループット率を妥協することはない。
【0012】
加えて、透光性領域はハウジングを少なくとも部分的にシールすることができ、これによりハウジング内部の負圧の維持が容易になる。
【0013】
また、本発明の特殊な目的の解決手段として、引き渡されるべき電子部品を放出機器に対して位置決めする方法が提供される。第1キャリアの第1の側が前記放出機器に当て付けられるように、電子部品を有する前記第1キャリアが設けられている。前記第1キャリアの、前記放出機器とは逆側を向く第2の側に複数の電子部品が設けられている。第1ミラーによって屈折された光路を用いて画像データをキャプチャし、その際に前記画像データは、前記放出機器のスライダの位置及び引き渡されるべき電子部品の位置に関する情報を含む。前記キャプチャされた画像データに基づいて、引き渡されるべき前記電子部品の位置データを割り出す。引き渡されるべき前記電子部品の前記割り出された位置データに基づいて、少なくとも1つの第1アクチュエータを起動させるための制御コマンドを生成し、そして前記スライダの長手方向軸線と引き渡されるべき前記電子部品の中心軸線との間のオフセットを変えるために、前記生成された制御コマンドに基づいて前記第1キャリア及び/又は前記放出機器を相互に動かす。
【0014】
透光性領域に起因して、画像データ収集機器は、放出機器を通して画像データをキャプチャすることができ、従って、今までは放出機器によって隠されていた電子部品の位置をも検出することができる。このように、電子部品の位置を高い精度でキャプチャすることが可能であり、これにより電子部品をより高い精度で位置決めすることもできる。さらに、放出機器と第1キャリアと第2キャリアとから構成される、電子部品引き渡しがその内部で行われる装置内に電子部品を位置決めすることができるため、付加的な移動距離によってスループット率を妥協することはない。
【0015】
さらに、ハウジングの透光性領域はハウジングを少なくとも部分的にシールすることができるので、ハウジング内部の負圧の維持が容易になる。
【0016】
本発明の目的を達成するために提案される別の解決手段は、引き渡されるべき電子部品を放出機器に対して位置決めする方法である。第1キャリアの第1の側が前記放出機器に当て付けられるように、電子部品を有する前記第1キャリアが設けられる。前記第1キャリアの、前記放出機器とは逆側を向く第2の側に複数の電子部品が設けられている。前記放出機器のスライダの位置及び引き渡されるべき電子部品の位置に関する情報を含む画像データをキャプチャする。前記キャプチャされた画像データに基づいて、引き渡されるべき前記電子部品の位置データを割り出す。引き渡されるべき前記電子部品の前記割り出された位置データに基づいて、少なくとも1つの第1アクチュエータを起動させるための制御コマンドを生成し、そして前記スライダの長手方向軸線と引き渡されるべき前記電子部品の中心軸線との間のオフセットを変えるために、前記生成された制御コマンドに基づいて前記第1キャリア及び/又は前記放出機器を相互に動かす。
【0017】
電子部品を受容するための少なくとも1つの接触面を有する第2キャリアを放出機器に対して位置決めするための機器も提案される。前記機器は、透光性支持体と、少なくとも1つの第3放射光源と、少なくとも1つの光センサ要素と、コントローラと、少なくとも1つの第2アクチュエータとを有し、前記透光性支持体上に、前記第2キャリアの第1の側が載置されており、前記第3放射光源は、前記第2キャリアの、前記透光性支持体とは逆側を向く第2の側に、前記第2キャリアに対して所定の間隔を置いて配置されており;前記少なくとも1つの光センサ要素は、前記第2キャリアに付与されたマークを検出するように、そして対応するセンサ信号を生成するように構成されており、前記コントローラは、前記センサ信号に基づいて前記接触面の位置データを割り出すように、そして前記位置データに基づいて制御コマンドを生成するように構成されており、前記第2アクチュエータは、前記放出機器の長手方向軸線と前記接触面との間のオフセットを変えるために、前記制御コマンドに基づいて第1キャリア、前記第2キャリア、及び/又は放出機器を動かすように構成されている。
【0018】
第2キャリアの第2の側に第3放射光源を所定の間隔を置いて配置することにより、光センサ要素に第2キャリアの画像を投射することができる。この投射によって、明るさの違いとして表現される、第2キャリアの構造及び材料の不透明度の僅かな違いでさえも、キャプチャすることができる。従って、比較的高い不透明度のキャリア材料、例えば紙又は何らかのプラスチックを使用することができる。
【0019】
加えて、第2キャリアを放出機器に対して位置決めする方法も提案される。前記第2キャリア上に設けられたマークを光センサ要素が検出できるように、引き渡されるべき電子部品を受容するための少なくとも1つの接触面を有する第2キャリアが設けられる。前記第2キャリアの画像を前記光センサ要素に投射する。前記マークの位置及び前記放出機器の位置に関する情報を含むセンサ信号を生成する。前記生成されたセンサ信号に基づいて前記接触面の位置データを割り出す。前記割り出された位置データに基づいて、少なくとも1つの第2アクチュエータを起動させるための制御コマンドを生成し、前記接触面と前記放出機器のスライダの長手方向軸線との間のオフセットを変えるために、前記生成された制御信号に基づいて、前記第2キャリア、前記第1キャリア及び/又は前記放出機器を動かす。
【0020】
最後に、電子部品を第1キャリアから第2キャリアへ引き渡す装置及び方法も提案される。前記装置及び/又は方法は、引き渡されるべき電子部品を放出機器に対して位置決めする機器/工程、及び第2キャリアを放出機器に対して位置決めするための機器/工程の両方又は一方を含む。
【0021】
第1キャリア及び第2キャリアに設けられた電子部品が互いに正確に整列されるので、電子部品は以前よりも高い精度で引き渡すことができる。従って、極めて小さな部品の引き渡しも可能である。
【0022】
<装置及び方法の構成及び特性>
画像データ収集機器によってキャプチャされた画像データにおいて、例えば個々の電子部品間に設けられたソーライン(ノコ刃状線(saw lines))に基づいて、電子部品の位置を検出することができる。
【0023】
画像データ収集機器によってキャプチャされた領域は、引き渡されるべき電子部品、すなわち次に引き渡されるようになっている部品、並びに隣接する部品を含むことができる。引き渡されるべき電子部品がスライダによって隠されることもあり得る。この場合には、引き渡されるべき電子部品の位置は、例えば周囲の又は直ぐ隣の部品の位置に基づいて、且つ/又はソーラインの経路に基づいて割り出すことができる。
【0024】
装置の構成に応じて、引き渡されるべき電子部品及び/又は第2キャリアは、放出機器、第1キャリア及び/又は第2キャリアの運動によって位置決めすることができる。これに応じて、「位置決め」という用語は、具体的には放出機器と第1キャリアとの相対運動、並びに、放出機器と第1キャリアと第2キャリアとの相対運動を意味する。この相対運動を達成するために、放出機器、第1キャリア及び/又は第2キャリアを動かすのが、少なくとも1つの第1アクチュエータ及び/又は少なくとも1つの第2アクチュエータであるかどうかはさほど重要ではない。
【0025】
第1放射光源をハウジング内部に設けることができる。第1放射光源は例えば、少なくとも1つのLED又は少なくとも1つのレーザダイオードであってもよい。第1放射光源によって発せられる波長は可視光、紫外線及び/又は赤外線範囲内にあってもよい。
【0026】
第1放射光源はハウジングの外部に設けることもできる。第1放射光源は、第1透光性領域を通して画像データ収集機器によってキャプチャされる領域を照射することができる。加えて又は代わりに第3透光性領域を設けて、この第3透光性領域を通して第1放射光源が、画像データ収集機器によってキャプチャされる領域を照射することもできる。
【0027】
放出機器のハウジング内部に第1ミラーを配置することができる。第1ミラーのほぼ中央に開口を設けることができる。この開口を通してスライダを、長手方向軸線の方向に運動可能に配置することができる。第1ミラーが設けられていると、特にシンプルな構成では、第1透光性領域を省くことができる。このような実施態様の場合、ハウジング内に凹部又は観察用チャネルだけを設けることにより、ハウジング内部を透光性領域によって区切らないようにすることが可能である。
【0028】
さらに、ハウジング外部には第2ミラーを設けることができる。第2ミラーは、第2放射光源からの電磁放射をカップリングするように構成された半透光性ミラーであってもよい。第2放射光源は例えば第1放射光源と一致していてもよい。第2放射光源はさらに、電子部品が第1キャリアから少なくとも部分的に引き離されるような電磁放射を発することができる。
【0029】
ハウジングは第2透光性領域を有していてもよい。第2透光性領域には開口を設けることができ、そしてこの開口を通してスライダを、長手方向軸線の方向に運動可能に配置することができる。
【0030】
少なくとも1つの光センサ要素と透光性支持体との間にミラー要素を配置することができ、ミラー要素は、第4放射光源によって発せられた電磁放射を光路内でカップリングするように構成されている。ミラーは部分透光性又は半透光性ミラーであってもよい。
【0031】
引き渡されるべき電子部品のための接触面、及び/又は前記第2キャリア上に設けられた導電性パターンをマークとして使用することができる。
【0032】
第3放射光源は、第1キャリアの第2の側と、第2キャリアの第2の側とを照射するように構成することができる。これに応じて、第3放射光源を使用して、第1キャリアの画像を画像データ収集機器へ投射し、そして第2キャリアの画像を光センサ要素に投射することができる。
【0033】
画像データに基づいて位置データを割り出す前に、画像データは、画像データの斜視による歪みを調節するように処理することができる。このことは、例えば画像データ収集機器が側方に配置され、従って画像データが所定の角度を成してキャプチャされるときに有利であり得る。
【0034】
ここに開示された装置及び方法の更なる目的、特徴、利点、及び用途関連の可能性は、下記実施態様の説明及びこれに付随する図面から導き出すことができる。これらは本発明の保護範囲を制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、引き渡されるべき電子部品12を放出機器14に対して位置決めするための機器の実施態様を示している。
【0037】
放出機器14はスライダ16を含んでいる。スライダ16の一方の端部は、ここでは図示していないアクチュエータに結合されており、スライダ16の他方の端部はチップを有している。スライダ16のアクチュエータは、具体的にはスライダ16を
図1に示された長手方向軸線に沿って運動させ得る(
図1において両矢印によって示されている)ように起動させることができる。スライダ16は例えば放出ニードルであってもよい。
【0038】
スライダ16はハウジング18によって取り囲まれている。ハウジング18は細長い形状を有しており、アクチュエータ(ここでは図示されていない)によって動かすことができる。ハウジング18は、ハウジング18の長手方向側に配置された第1透光性領域20を有している。透光性とは、その領域が電磁放射の波長範囲に対して透過性であることを意味する。この波長範囲は例えば、紫外線(UV)範囲、人間の眼にとって可視光の範囲、及び/又は赤外線(IR)範囲にあってもよい。第1透光性領域20は、例えばガラス又はプラスチックから形成することができ、板の形状を成すことができる。第1透光性領域20の少なくとも1つの表面はハウジング18の長手方向軸線に対して傾斜させることができる。このことは第1透光性領域がハウジング18の長手方向軸線に対して、0°ではない角度を成して配置されることを意味する。こうして、例えば透光性領域20の表面上の反射を低減することができる。
【0039】
ハウジング18の一方の側には支持体22が設けられており、この支持体には第1キャリア30が支持体22に当て付けられていてもよい。支持体22はスライダの長手方向軸線に対して実質的に垂直に配置されている。支持体のほぼ中央には第2透光性領域24が設けられている。この第2透光性領域24は板の形状を有することができ、これは第1透光性領域20と同じ材料から形成することができる。これに応じて、第2透光性領域24は、第1透光性領域20と同じ波長範囲に対して透明であってもよい。
【0040】
例えば、第2透光性領域24の直径は約3mmであってもよく、また厚さは約0.3mmであってもよい。第2透光性領域24には開口が設けられており、この開口を通してスライダ16を動かすことができる。従って開口の直径はスライダ16の直径よりも大きい。例えば、開口の直径は約0.3mmであってもよい。
【0041】
ハウジング18には第1放射光源26が設けられている。この第1放射光源26は、
図1に例示されているようにハウジング16の内部に配置することができ、或いはこれはハウジング18の外部に配置することもできる。或いは、第1放射光源26を別個の支持要素(図示せず)上に取り付けるもできる。こうして、第1放射光源26とは独立して、放出機器14を動かすことができる。第1放射光源26がハウジング18の外部に設けられている場合には、第1放射光源26が、第1透光性領域20を通して、又は別個の第3透光性領域を通して、スライダ16のチップの周りの領域を照射することができる。第1放射光源26は、透光性領域20,24が透明である波長範囲にほぼ相当する波長範囲の放射光を発することができる。
【0042】
さらに、第1放射光源26は、第1キャリア30の材料が透明であるか又は不透明度が最低である波長範囲に相当する波長範囲の光線を発することができる。
【0043】
透光性領域20,24がハウジング18の開口を閉じるという事実に基づき、ハウジング18は実質的に気密であることが可能であり、これにより、ハウジング18内部に負圧を形成することができる。このことは例えば、電子部品を引き渡すために、且つ/又は電子部品を第1キャリア30から引き離すために望ましい。
【0044】
第1キャリア30の第1の側が支持体22に当て付けられている。第1キャリア30は、支持体とは逆側を向く第2の側を有しており、そして複数の電子部品12がその側に設けられている。第1キャリア30は例えばウエハフィルムであってもよい。電子部品は、個別化工程の前にウエハフィルムに付与された個別化ダイであってもよい。第1キャリア30はレセプタクル32によって保持されている。レセプタクル32には少なくとも1つの第1アクチュエータ34が設けられている。第1アクチュエータは、第1キャリア30上に取り付けられた電子部品12を位置決めするのを可能にする。具体的には、第1アクチュエータ34は、支持体及び第1キャリア30を支持体22に対して平行に、つまり、スライダ16の長手方向軸線lsに対して垂直方向に動かすように構成することができる。
【0045】
さらに、
図1は画像データ収集機器40を示している。画像データ収集機器40は、ハウジング18に並んで側方に配置されている。画像データ収集機器40を、例えば図示していない支持要素に取り付けて、放出機器14を画像データ収集機器40とは独立して動かし得るようにすることができる。或いは、画像データ収集機器40をハウジング18に取り付けて、画像データ収集機器40を放出機器14と一緒に動かすことができるようにすることも可能である。
【0046】
画像データ収集機器40がスライダ16のチップの周りの領域の画像データをキャプチャし得るように、画像データ収集機器40は第1透光性領域20に対して配置されている。前記領域はまた、第2透光性領域24の下側に位置する第1キャリア30の部分を含む。画像データ収集機器40は光センサとレンズとを含むことができる。同じように、カメラを画像データ収集機器として使用することも可能である。
【0047】
画像データ収集機器40は、特定の波長範囲の電磁放射を信号に変換することができる。この波長範囲は、第1放射光源26が光線を放射し、透光性領域20,24が透明であるような波長に前記範囲が少なくとも部分的に相当するように選択することができる。
【0048】
画像データ収集機器40は、ケーブル又は無線接続を介して、コントローラ42、例えばメモリプログラミングされたコントローラに接続されている。加えて、コントローラ42は第1アクチュエータ34にも接続されている。コントローラ42は、画像データ収集機器40によってキャプチャされた画像データに基づいて、引き渡されるべき電子部品12に関する位置データを割り出すように構成されている。引き渡されるべき電子部品12の位置データに基づいて、コントローラ42は、スライダ16の長手方向軸線lsと、電子部品の中心軸線lbとの間のオフセットを割り出すことができる。電子部品の中心軸線lbは、電子部品12の重心を通って延びている。割り出されたオフセットが閾値を超える場合には、コントローラ42は、第1アクチュエータ34を起動させるための制御コマンドを生成することによって、第1キャリア30を動かすことによりオフセットを変えることができる。検出されたオフセットは、放出機器14を動かすことによって修正することもできる。機器の形態及び第1キャリア30の特性に応じて、第1キャリア30及び/又は放出機器14を動かすことが可能である。
【0049】
図2は第2実施態様を示している。この実施態様は、画像データ収集機器40の光路が真直ぐではなく、第1ミラー50によって屈折している点で、
図1との関連で説明した実施態様とは異なる。第1ミラー50はハウジング18の内部に配置されている。第1ミラー50をハウジング18の内部に配置することによって、画像データ収集機器40の光路を屈折させて、光路が透光性領域24の下側に配置された第1キャリア30の領域と垂直に「当たる」ようにすることができる。これに応じて、画像データ収集機器40によってキャプチャされた画像データは歪まない。
【0050】
第1ミラー50はサイズが4x6mmであってもよく、例えばこれをスライダ16の長手方向軸線lsに対して45°の角度を成して配置することができる。第1ミラー50は開口を有している。この開口は、第1ミラー50のほぼ中央に配置することができる。スライダ16は、開口を通してスライダの長手方向軸線lsに沿って運動可能に配置することができる。
【0051】
ハウジング18の外部には第2ミラー52が設けられている。第2ミラー52は別個の支持要素に取り付けることができる。これに応じて、放出機器14は第2ミラー52とは独立して運動することができる。この支持要素は、画像データ収集機器40が取り付けられている支持要素と一致していてもよい。或いは、第2ミラー52はハウジング18に取り付けることもできる。
【0052】
第2ミラー52は半透光性ミラーであってもよい。このように、第2放射光源54によって発せられた放射光を、光軸によって示される光路内でカップリングすることが可能である。これに応じて、第2放射光源54には別個の透光性領域は必要でない。
【0053】
第2放射光源54は、第1キャリア30と、第1キャリア30上に設けられた電子部品との接着結合を少なくとも部分的に分解するのに適している。これにより、電磁放射をカップリングすることによって、第2透光性領域24の真下に位置する第1キャリア30の領域に目標を定めて照射することができる。接着結合を部分的に分解するためには、例えばUV放射光又はIR放射光を使用することができる。
【0054】
画像データ収集機器40は放出機器14の隣に配置されている。第2ミラー52と画像データ収集機器40との間の光路は、スライダ16の長手方向軸線に対して実質的に平行である。
図2に示された実施態様の代わりに、画像データ収集機器40は第2ミラー52の位置に配置することもできる。これに応じて、その場合には画像データ収集機器40は
図2に示されているように鉛直方向には配置されず、水平方向に配置される。
【0055】
従って、透光性領域20,24及び画像データ収集機器40の図示のような配置によって、周知の装置ならば放出機器14によって隠されているはずの第1キャリア30の領域の画像をキャプチャすることができる。これに応じて、図示の配置は、第1キャリア30が支持体22に既に当て付けられている、又は支持体の真下に位置している時に電子部品12を位置決めするのを可能にする。
【0056】
図3は、第1キャリアから第2キャリアへ電子部品を引き渡すための機器を示している。
図1において前述した機器を別にして、この機器は放出機器に対して第2キャリアを位置決めするための装置をも含む。
【0057】
第1キャリア30に対して所定の距離を置いて第2キャリア60が設けられている。第2キャリア60は例えば帯状基体であってもよい。帯状基体は、チップカード又はスマートカードの製造の際にキャリア材料として使用される。第2キャリア60は、引き渡されるべき電子部品12を配置しなければならない接触面を有している。接触面は電気接点を含むことができるが、しかし同様に、非導電性構造であってもよい。第2キャリア60上には、接触面を別にして更なる構造パターン、例えば導体経路を設けることができる。導体経路又は接触面はマークとして使用することができる。しかし、別個のマークを設けることもできる。
【0058】
第2キャリア60は一方の側によって透光性支持体62上に載置されている。透光性支持体62は、透光性領域20,24と同じ材料から形成することができ、これに応じて同等の波長範囲に対して透明であり得る。透光性支持体62は、図示の実施態様では湾曲している。曲率は、第2キャリア60が透光性支持体62に均一に当て付けられるように選択される。湾曲支持体の代わりに、丸みを帯びたエッジを有する又はこれを有さない平らな支持体を使用することも可能である。
【0059】
第1キャリア30の第2の側と第2キャリア60の第2の側との間に、第3放射光源64が設けられている。第3放射光源64は、第1及び第2の放射光源26,54に実質的に一致していてもよい。第3放射光源64は、第1キャリア30と第2キャリア60との間を照射するように構成されている。
【0060】
第3放射光源64によって発せられる波長範囲は、第2キャリア60及び透光性支持体62の材料に適合させることができる。従って、第3放射光源64は、第2キャリア60及び/又は透光性支持体62の材料が透明であるか又は不透明度が最低である波長範囲の放射光を発することができる。例えばこのように、第3放射光源64は、紙が特に低い透明度を示す波長範囲の放射光を発することが可能である。
【0061】
透光性支持体62に対して所定の距離を置いて、光センサ要素66が配置されている。光センサ要素66は、透光性支持体62の、放出機器14とは反対側に配置されている。光センサ要素66は、第2キャリア60上に設けられたマークをキャプチャして、対応する制御信号を出力するように構成されている。前述のように、このマークは第2キャリア60上に設けられた接触面又は導体経路であってもよい。同様に、例えば第2キャリア60の凹部の形で、別個のマークを設けることもできる。
【0062】
光センサ要素66は、例えば前記画像データ収集機器40と一致していてもよい。しかし、特に単純な実施態様では、光センサ要素はフォトトランジスタ又はフォトダイオードであってもよい。フォトトランジスタ又はフォトダイオードは、第3放射光源64と一緒に又状光電バリア(forked photoelectric barrier)を形成することができる。又状光電バリアによって、第2キャリア60の凹部をキャプチャすることができる。或いは、このように実現される又状光電バリアの代わりに、マークをキャプチャするための従来の又状光電バリアを使用することもできる。
【0063】
第3放射光源64、第2キャリア60、透光性支持体62及び光センサ要素66の配列によって、第2キャリアの構造パターンを光センサ要素66に投射することができる。すなわち、光センサ要素66は、第2キャリア60の「影」をキャプチャすることができる。
【0064】
第2キャリア上に設けられたマークが一般に第2キャリア60の材料よりも高い不透明度を有しているという事実により、投射する際に、第2キャリア60上に設けられた構造パターンを、明るさの差に基づいて極めて良好に認識することができ、ひいては放出機器14に対する第2キャリアの位置決めのためにこれらの構造パターンを使用することができる。
【0065】
透光性支持体62と光センサ要素66との間に部分透光性ミラー68が設けられている。部分透光性ミラー68は、第4放射光源70の放射光を透光性支持体へ反射させるように構成されている。さらに、部分透光性ミラー68は、放射光が透光性支持体62から光センサ要素66へ透過するように構成されている。部分透光性ミラー68の構成に応じて、第4放射光源70及び光センサ要素66の配置を変えることができる。例えば光センサ要素66及び第4放射光源の位置を逆にすることができる。
【0066】
光センサ要素66はコントローラ42に接続されている。コントローラ42は、光センサ要素66のセンサ信号から第2キャリア60の位置データを割り出すように構成されている。例えば、コントローラ42はマークの位置を割り出すことができる。割り出された位置データに基づいて、コントローラは、スライダの長手方向軸線lsと、引き渡されるべき電子部品12aのための接触面との間にオフセットがあるかどうかを検出することができ、そしてもし必要ならばオフセットを変えるために少なくとも1つの第2アクチュエータ74を起動させるための制御コマンドを生成することができる。第2アクチュエータ74は、第2キャリア60を放出機器14及び/又は第1キャリア30に対して動かすことにより、検出されたオフセットを補正するように構成されている。例えば、少なくとも1つの第2アクチュエータは、帯状基体を巻き取りもしくは繰り出す駆動手段であることができる。
【0067】
第3放射光源64によって発せられる電磁放射は、画像データ収集機器40によってキャプチャされた第1キャリアの部分を照射することもできる。第3放射光源64は、電子部品12及び電子部品間のソーラインを画像データ収集機器40に投射することができる。この場合、第1及び/又は第2の放射源26,54を省くことができる。
【0068】
図4は、第1キャリア30を位置決めする方法の流れ図を示す。工程S10は第1キャリア30を利用可能にする。これを目的として、第1キャリア30を放出機器14の下側に配置して、第1キャリア30が放出機器14に当て付けられるか、又は放出機器14に対して極めて小さな距離を置いて配置されるようにする。第1キャリア30のこの位置では、従来の放出機器14は、引き渡されるべき電子部品12aを隠すことになる。
【0069】
工程S20において、画像データ収集機器40が第1キャリア30の画像データをキャプチャする。この画像データは少なくとも、スライダ16の位置に関する情報並びに引き渡されるべき電子部品12aの位置に関する情報を含む。第1キャリア30の、放出機器14、ひいては画像データ収集機器40とは逆側を向く第2の側に電子部品12,12aが設けられているという事実により、第1キャリア30がある程度の透光性を有すべきことにより、電子部品12,12a間のソーラインを画像データの明るさの差に基づいて割り出すことができる。
【0070】
ステップS30において、画像データの斜視による歪みを修正するように、画像データを処理する。このような歪みは、例えば
図1に示されているように画像データ収集機器40が側方に配置され、従って画像データが「所定の角度を成して」キャプチャされるときに、つまり、画像データ収集機器の光路と第1キャリア30とが90°以外の角度を成して配置されているときに発生する。画像データ収集機器40の光路と第1キャリア30とが90°の角度を成している場合、例えば
図2に示されているものでは、このような処理は必要でない。
【0071】
工程S40では、キャプチャされた画像データに基づいて、引き渡されるべき電子部品の位置データを割り出す。位置データを割り出すために、例えばソーラインを使用することが可能である。第1キャリアがある程度の透光性を有するならば、典型的には、キャプチャされた画像データにおいて、ソーラインを容易に検出することができる。これに応じて、前記電子部品を取り囲むソーラインに基づいて、電子部品の位置データを割り出すことができる。
【0072】
たとえキャプチャ済画像データがスライダ16を示してなくても、コントローラ42はなおも電子部品12,12aの位置をキャプチャすることができる。但しこの場合には、画像データ収集機器40が常に同じ位置の画像データをキャプチャすること、すなわち画像データ収集機器40の配置が放出機器14及び第1キャリア30に対して一定のままであることを条件とする。
【0073】
工程S50では、位置データに基づいて、スライダの長手方向軸線lsと、引き渡されるべき電子部品の中心軸線との間のオフセットを割り出す。
【0074】
工程S60では、オフセットが検出されなければ、又はオフセットが許容範囲内にあるならば、制御コマンドを生成し、そして工程S90で出力し、電子部品の引き渡しを命令する。オフセットが閾値を超えるならば、制御コマンドを生成し、少なくとも1つの第1アクチュエータ34に出力する。
【0075】
工程S70では、少なくとも1つの第1アクチュエータ34は、検出されたオフセットを変えるために第1キャリア30及び/又は放出機器14を動かす。
【0076】
工程S80では、例えば、第2キャリア60が正しく位置決めされているかどうか、すなわち
図5に関連して下で述べるようなプロセスが既に正しく実行されたかどうかに関して問い合わせることが可能である。このことは、例えば工程S180において生成された第2リリース信号に基づいて検出することができる。これに応じて、工程S80において第1リリース信号を生成することができ、この第1リリース信号は、第2キャリア60を位置決めするプロセス時に考慮に入れられる。
【0077】
工程S70及びS80を完了した後、制御信号を生成し、そして工程S90で出力して、電子部品12aの引き渡しを命令することができる。或いは、電子部品12aの修正された位置が確かに正しい位置かどうかをチェックするためにプロセスを再開することもできる。
【0078】
図5は、第2キャリアを位置決めするプロセスの流れ図を示している。工程S110でキャリア60を利用可能にする。このことは、例えば帯状基体を繰り出すことにより達成することができる。第2キャリア60は、光センサ要素66によって検出することができるマークを有している。
【0079】
ステップS120では、第3放射光源64は第2キャリア60の第2の側を照射する。このように、第2キャリア60の画像を光センサ要素66へ投射することが可能である。第3放射光源64は、光センサ要素66が相応のセンサ信号を出力するまで、すなわち工程S130が完了するまで、電磁放射を発することができる。
【0080】
工程S130では、光センサ要素66は、第2キャリア60の投射画像に基づいてセンサ信号を出力する。
【0081】
工程S140では、コントローラ42は、センサ信号に基づいて、第2キャリア60上に設けられた接触面の位置データを割り出す。
【0082】
工程S150では、位置データに基づいて、接触面とスライダの長手方向軸線との間のオフセットを割り出す。
【0083】
ステップ160では、オフセットが閾値を超えているかどうかを割り出す。前記閾値は、例えばプロセス実施前に定義することができる。オフセットが閾値よりも小さければ、電子部品12aの引き渡しを命令する制御コマンドを直ちに出力することができる(工程S190)。オフセットが規定の閾値よりも大きい場合、少なくとも1つの第2アクチュエータ74を作動させるために制御コマンドを生成して出力する。
【0084】
工程S170では、オフセットを変えるために、少なくとも1つの第2アクチュエータ74が第2キャリア60、第1キャリア30及び/又は放出機器14を動かす。
【0085】
工程S180では、例えば第1キャリア30及び放出機器14が予め正しく位置決めされているかどうかに関して、すなわち、
図4に関連して前述したプロセスが既に正しく実行されたかどうかを問い合わせることができる。このことを例えば、工程S80において生成された第1リリース信号に基づいて検出することができる。これに応じて、工程S180において第2リリース信号を生成することができ、この第2リリース信号は、第1キャリア30を位置決めするプロセス時に考慮に入れられる。
【0086】
工程S190において、電子部品12aの引き渡しを命令する制御コマンドを生成して出力することが可能である。或いは、電子部品を受容するための接触面が実際に正しく位置決めされているかどうかを割り出すためにプロセスを再開することもできる。
【0087】
図6aには更なる実施態様が示されている。放出機器102はスライダ104と、スライダ104を取り囲むハウジング106とを含んでいる。放出機器102は実質的に、
図1に関連して例示された放出機器14と一致し得るが、しかし
図6aに示された実施態様は第1透光性領域20を必要としない。
図6aに示された実施態様は、少なくとも2つの間接的な画像データ収集機器108,110を含んでいる。「間接的」という用語は、キャプチャされた画像データが、引き渡されるべき電子部品、すなわちスライダの真下に位置する部品の画像データではなく、これらの画像データは隣接する電子部品の画像データであることを示す。隣接するという用語は、すぐ隣に配置された電子部品に限定されるのではなく、すなわち、所定の距離を置いて配置された電子部品も含まれる。間接的な画像データ収集機器108,110は、
図1に関連して説明した画像データ収集機器40と一致し得る。
【0088】
間接的な画像データ収集機器108,110は、放出機器102に対して所定の距離を置いて配置されている。間接的な画像データ収集機器108,110の光軸は、スライダ106の長手方向軸線に対して実質的に平行である。
【0089】
図6bは、
図6aに示されたものの平面図である。円内のハッチングされた領域は、放出機器102によって隠された第1キャリア30の領域を示す。格子はウエハのソーラインを示す。
図6aに示したものと異なり、
図6bに示されたものは、4つの間接的な画像データ収集機器108,110,112,114を含む。間接的な画像データ収集機器108,110,112,114は、間接的な画像データ収集機器108,110,112,114の下側に配置された電子部品の画像データをキャプチャする。従って電子部品116,118,120,122がキャプチャされる。
図6bに示されているように、電子部品116,118,120,122は、引き渡されるべき電子部品124に対して所定の距離を置いて配置されている。
【0090】
間接的な画像データ収集機器108,110,112,114によってキャプチャされた画像データは、
図6aに示されたコントローラ126に送信される。コントローラ126は、所定の距離を置いて配置された電子部品116,118,120,122の位置データを割り出すように構成されている。コントローラ126はさらに、保存された装置データにアクセスするように構成されている。装置データは、第1キャリア上の電子部品の配列に関連する情報を含む。装置データは、例えば電子部品の製造者によって利用可能にし、メモリ(図示せず)に記憶することができる。或いは、第1キャリア上の電子部品の配列を予めキャプチャすることも可能である。
【0091】
コントローラ126は、割り出された位置決めデータ及び装置データに基づいて、引き渡されるべき電子部品124の位置決めデータを割り出すことができる。引き渡されるべき電子部品124の位置決めデータにより、コントローラ126は、引き渡されるべき電子部品124の位置がスライダの長手方向軸線lsに対してオフセットを有しているかどうかを割り出すことができる。これに応じて、次いでコントローラ126は、少なくとも1つのアクチュエータを起動させるための制御コマンドを生成することにより、それから生じる第1キャリア30及び/又は放出機器の運動によってオフセットを変えることができる。
【0092】
図7は更なる実施態様を示している。この実施態様の場合、前述の画像データ収集機器40及び間接的な画像データ収集機器108,110,112,114に加えて又はこれらの代わりに、運動可能な画像データ収集機器150が設けられている。運動可能な画像データ収集機器150は例えば旋回アーム152に取り付けられている。旋回アームは、
図7に示された運動可能な画像データ収集機器150が、第1位置と第2位置(図示せず)との間で運動するのを可能にする。
【0093】
第1位置は、第1キャリア30と、電子部品12を引き渡さなければならない第2キャリア60との間に配置されている。運動可能な画像データ収集機器150は、第1キャリア30の第2の側の画像データを対応するようにキャプチャすることができる。例えば第1位置は、運動可能な画像データ収集機器150の光軸がスライダの長手方向軸線lsと一致するように選択することができる。運動可能な画像データ収集機器150は、キャプチャされた画像データをコントローラ156へ送信することができる。キャプチャされた画像データに基づいて、コントローラ156は次いで、引き渡されるべき電子部品の位置決めデータを割り出すことができる。位置データに基づいて、上述の実施態様と同様に、コントローラ156は、スライダ16の長手方向軸線lsと電子部品12の中心軸線lbとの間にオフセットが存在するかどうかを割り出すことができる。このオフセットが閾値を超えるならば、制御信号が生成され、この制御信号によって、オフセットを変えるために少なくとも1つの第1アクチュエータ34が起動される。
【0094】
運動可能な画像データ収集機器150は、電子部品12の、歪みのない画像データをキャプチャ可能にする。しかし、運動可能な画像データ収集機器150が第1キャリア30と第2キャリア60との間に配置されているという事実により、電子部品を引き渡し可能になる前に運動可能な画像データ収集機器150を第2位置へ動かさなければならない。さらに、第1キャリア30と第2キャリア60との間の距離を大きくすることが必要となる場合がある。これを目的として、第1キャリア30、放出機器14及び/又は第2キャリア60の運動を可能にすることもできる。
【0095】
第1キャリア上の電子部品の配列が既知の場合、すなわち第1キャリア30上の電子部品の配列が既にキャプチャされているか、又は電子部品の製造者によって用意されていて装置データの形で存在する場合、電子部品の引き渡しを促進するために、電子部品12の位置データをサンプリングの形でキャプチャすることが可能である。例えば所定数の電子部品が第1キャリアから第2キャリアへ引き渡された後、運動可能な画像データ収集機器150は、電子部品の位置データを割り出すために第1位置へ動かすことができる。割り出された位置データに基づいて、存在する場合のあるいずれのオフセットも補正することが可能である。加えて、記憶された装置データに基づいて、隣接する電子部品の位置を推定することもできる。このようなものとして、例えば電子部品の各列及び/又は各行に対して、それぞれ1つの電子部品の位置データだけをキャプチャすることができる。例えばこれは、列又は行から最初に引き渡されることになっている電子部品であってもよい。列又は行の残りの電子部品の位置は次いで、最初の結果からの推定によって割り出される。もちろん、
図4及び5に示されているプロセスと関連してサンプリング状の検査を行うことができることも明らかである。
【0096】
同様に、運動可能な画像データ収集機器150を使用して、1つ又は複数の基準部品の位置を検出することもできる。1つ又は複数の基準部品は、例えばウエハマップの基準ダイ、すなわちそれらの位置が装置データの基準点として役立ち得る部品であってもよい。
【0097】
図7に示された運動可能な画像データ収集機器150は、例えば第1キャリア上に設けられた電子部品の装置データをキャプチャするために使用することもできる。
【0098】
方法及び装置の前記詳細は互いに関連づけて示したが、念のため述べるならば、少なくともこれらを対象とする個々の請求項が立てられている限り、前記詳細は互いに独立しており、そしてまた互いに自由に組み合わせることができる。さらに、別の特徴又は特性との関連において開示されている特徴も、単独でも、他の特徴と自由に組み合わせた形でも開示される。図面から明らかな比率及び寸法は、装置/方法の主要な特徴を明らかにするように選択されている。実際の装置では、これらの比率及び寸法は別のものに選択されてもよい。