(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5886961
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】乗り物用シートスライド装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/07 20060101AFI20160303BHJP
【FI】
B60N2/07
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-526625(P2014-526625)
(86)(22)【出願日】2012年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2012068576
(87)【国際公開番号】WO2014016888
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】金井 裕也
【審査官】
佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−69694(JP,A)
【文献】
特開2007−230331(JP,A)
【文献】
特開2011−201471(JP,A)
【文献】
特開平10−287154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が略U字状に成形され、左右の開口縁を対向方向内方へ屈曲させて底壁と略平行な頂壁が形成された固定レールと、
前記固定レールの前記開口縁内に配され、前記固定レールに沿って移動可能な可動レールと、
前記可動レールの長手方向の両端部に設けられ、前記可動レールの移動により前記固定レールの前記底壁上を転動可能な主ローラと、
前記可動レールにピンを介して上下回転自在に軸支されたブラケットと、
前記可動レールに取り付けられ、前記ブラケットの一端部を押圧して前記ピンを中心とした回転付勢力を前記ブラケットに常に付与する付勢部と、
前記ピンを挟んで前記ブラケットの前記一端部とは反対側の他端部に配され、前記付勢部による前記回転付勢力を受けて前記固定レールの前記頂壁に常に圧接して転動可能な副ローラと、
を備えた乗り物用シートスライド装置。
【請求項2】
前記ブラケットの前記一端部に設けられたレバーをさらに備え、
前記付勢部は、前記レバーを押圧する板ばねである
請求項1記載の乗り物用シートスライド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物、例えば自動車に搭載されるシートスライド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する乗り物用シートスライド装置として、逆U字状の断面に形成され且つ左右の開口縁を対向方向内方に屈曲させて底壁と平行な頂壁の形成されたロアレールと、長手方向の両端部に底壁上を転動する主ローラが設けられることによってロアレールに沿って移動するアッパレールと、主ローラの近傍に設けられた副ローラと、副ローラを上方に付勢して頂壁に当接させ、この時副ローラが受ける反力で主ローラを底壁に当接させるコイルばねとを備えたものが特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−069694号公報
【発明の概要】
【0004】
このような関連技術にあっては、シートスライド装置の狭い空間内に各種部材が組み込まれていて、これらの組み付けにそれぞれ多くの作業行程を必要とし、面倒である。また、乗り物の走行に伴う振動によりコイルばねなどが共振して雑音を発生させるおそれがある。
【0005】
本発明は、各種部材の組み付け作業行程の単純化が図れるとともに乗り物の走行振動による雑音の発生を抑制できる乗り物用シートスライド装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明のアスペクトは、断面が略U字状に成形され、左右の開口縁を対向方向内方へ屈曲させて底壁と略平行な頂壁が形成された固定レールと、前記固定レールの前記開口縁内に配され、前記固定レールに沿って移動可能な可動レールと、前記可動レールの長手方向の両端部に設けられ、前記可動レールの移動により前記固定レールの前記底壁上を転動可能な主ローラと、前記可動レールにピンを介して上下回転自在に軸支されたブラケットと、前記可動レールに取り付けられ、前記ブラケットの一端部を押圧して前記ピンを中心とした回転付勢力を前記ブラケットに常に付与する付勢部と、前記ピンを挟んで前記ブラケットの前記一端部とは反対側の他端部に配され、前記付勢部による前記回転付勢力を受けて前記固定レールの前記頂壁に常に圧接して転動可能な副ローラとを備えた乗り物用シートスライド装置であることを要旨とする。
【0007】
また、前記乗り物用シートスライド装置は、前記ブラケットの前記一端部に設けられたレバーをさらに備え、前記付勢部は、前記レバーを押圧する板ばねであってもよい。
【0008】
上記構成によれば、各種部材の組み付け作業行程が単純化し、乗り物の走行振動による雑音の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る乗り物用シートスライド装置の側面図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII−III線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各種部材の組み付け作業行程の単純化が図れるとともに乗り物の走行振動による雑音の発生を抑制できる乗り物用シートスライド装置を提供する、という目的を、以下の構成により実現した。すなわち、断面が略U字状に成形され、左右の開口縁を対向方向内方へ屈曲させて底壁と略平行な頂壁が形成された固定レールと、前記固定レールの前記開口縁内に配され、前記固定レールに沿って移動可能な可動レールと、前記可動レールの長手方向の両端部に設けられ、前記可動レールの移動により前記固定レールの前記底壁上を転動可能な主ローラと、前記可動レールにピンを介して上下回転自在に軸支されたブラケットと、前記可動レールに取り付けられ、前記ブラケットの一端部を押圧して前記ピンを中心とした回転付勢力を前記ブラケットに常に付与する付勢部と、前記ピンを挟んで前記ブラケットの前記一端部とは反対側の他端部に配され、前記付勢部による前記回転付勢力を受けて前記固定レールの前記頂壁に常に圧接して転動可能な副ローラとを備える。。
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る乗り物用シートスライド装置1を
図1〜
図4に基づいて説明する。乗り物用シートスライド装置1は、固定レール2と、可動レール3と、主ローラ5、5と、ブラケット7、7と、レバー7cと、副ローラ8と、付勢部とを備える。
【0012】
固定レール2は、断面が略U字状に成形され且つ左右の開口縁2a、2aが対向方向内方へ屈曲形成されており、底壁6、6及び底壁6、6に略平行な位置に頂壁4、4が形成されている。
【0013】
可動レール3は、T字を逆さまにした断面を有するT字部3aと、T字部3aと連結されたT字部3aの下側に形成された側部3bとにより押し出し成形されている。可動レール3のT字部3aのフランジ部3cの中央で上側に延びる平板部3dに図示しない周知のシートクッションフレームが結合されている。可動レール3の側部3b、フランジ部3c、平板部3dの下側の部分は、固定レール2内に配置されている。平板部3dの下側の部分は、固定レール2の開口縁2a、2a内を固定レール2に沿って前後摺動自在に配されており、可動レール3が固定レール2に沿って前後摺動自在となっている。
主ローラ5、5は、可動レール3の長手方向の両端部に回転可能に支持されている。より具体的には、主ローラ5、5は、可動レール3に左右両側から組み込まれ、可動レール3の側部3bに形成された貫通孔3e、3eに圧入したピン5aを介して可動レール3に対して回転可能に軸支されている。主ローラ5、5は、固定レール2に形成された底壁6、6に接しており、可動レール3の移動により底壁6、6上を転動する。
【0014】
ブラケット7、7は、開口が上を向いた断面U字状に形成されている。
図4に示すように、ブラケット7、7の一方7a、7aが他方7b、7bよりも長く形成されている。他方7b、7bが、左右断面の中央側に配され、一方7a、7aが左右断面の端部側に配されている。可動レール3の側部3bに形成した貫通孔3f、3fには、ピン10が圧入されて支持されている。ブラケット7、7の一方7aと他方7bとには、可動レール3に支持されたピン10が貫通する貫通孔7g、7gが形成されているこのような構成により、ブラケット7、7が、可動レール3に対して上下回転自在に軸支されている。
【0015】
ブラケット7、7の一端部7dには、上側が弓なりのレバー7cが形成されている。レバー7cは、可動レール3に取り付けた板ばね11(付勢部)により
図2の白抜き矢印に示す下側に常に押圧されている。つまり、板ばね11は、ピン10を中心とした反時計方向の回転付勢力をブラケット7、7に常に与えている。付勢部は、板ばねに限定されず、他の種類のばねであってもよい。
【0016】
副ローラ8は、ブラケット7、7の他端部7eに形成された貫通孔7f、7fに軸支された軸部8a、8aを介してブラケット7、7に上下回転自在に軸支され、且つ固定レール2の頂壁4、4に転動可能である。副ローラ8は、ブラケット7、7の一端部7dが板ばね11により反時計方向に常に回転付勢されることで
図2に黒字矢印に示すように、頂壁4に常に圧接している。
【0017】
本発明の実施形態によれば、ブラケット7に副ローラ8があらかじめ組み付けられているので、固定レール2などの組み立てラインでの組み立て工数が少なくて済む。このため、各種部材の組み付け作業行程が単純化する。
【0018】
本発明の実施形態によれば、副ローラ8を備えたブラケット7が、可動レール3に取り付けられた板ばね11により反時計方向に常に回転付勢されている。したがって、ブラケット7に軸支された副ローラ8が固定レール2の頂壁4に常に圧接している。同時に、可動レール3に取り付けられた主ローラ5は、固定レール2の底壁6に接している。このため、副ローラ8と固定レール2の頂壁4との隙間が生ぜず、雑音が発生しにくい状態になっている。よって、乗り物用シートスライド装置1は、乗り物の走行振動によっても雑音が発生しない、或いは発生しにくい。
【0019】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。