(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5887034
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】消臭装置を備えた物品
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20160303BHJP
A61L 2/16 20060101ALI20160303BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20160303BHJP
A41D 27/28 20060101ALI20160303BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
A61L9/12
A61L2/16
A61L2/18
A41D27/28 B
A45C13/00 Z
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-226291(P2011-226291)
(22)【出願日】2011年10月13日
(65)【公開番号】特開2012-101047(P2012-101047A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2014年10月11日
(31)【優先権主張番号】12/905,851
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511112353
【氏名又は名称】アンダー アーマー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】クリアリー、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、マイケル ジェイ.
【審査官】
森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0278820(US,A1)
【文献】
特開2001−123310(JP,A)
【文献】
実開平05−070547(JP,U)
【文献】
特開2006−212104(JP,A)
【文献】
特開2001−000206(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3144496(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/12
A61L 2/16
A61L 2/18
A41D 27/28
A45C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着用若しくは持ち運びするように構成された物品であって、
柔軟性材料を有し、前記物品の内側および外側を定義する本体部と、
前記本体部に形成され、前記物品の前記内側と前記外側との間に連通路を提供する開口部と、
前記本体部の前記開口部に固定された消臭剤用容器であって、前記物品の前記内側に位置する内壁と前記物品の前記外側に位置する外壁とを有し、且つ前記内壁と前記外壁との間に位置するチャンバーを含む、前記消臭剤用容器と、
前記チャンバー内に配置された挿入式消臭剤と
を有する物品。
【請求項2】
請求項1記載の物品において、前記挿入式消臭剤は前記チャンバー内に取り外し可能に保持されるものである物品。
【請求項3】
請求項2記載の物品において、前記挿入式消臭剤は、固体消臭物質を含むものである物品。
【請求項4】
請求項2記載の物品において、前記挿入式消臭剤は、液体消臭物質を有する消臭カートリッジを有するものである物品。
【請求項5】
請求項2記載の物品において、前記消臭剤用容器は、閉鎖位置と開放位置との間を移動するように構成されており、前記挿入式消臭剤は、前記消臭剤用容器が当該閉鎖位置にあるとき前記チャンバーに固定され、前記消臭剤用容器が当該開放位置にあるとき前記チャンバーから取り外し可能である物品。
【請求項6】
請求項5記載の物品において、前記消臭剤用容器の前記内壁および前記外壁は、前記チャンバーに連通する複数の通気路を含み、前記消臭剤用容器の前記内壁はヒンジ構造によりフレーム部材に取り付けられており、前記消臭剤用容器が前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移動するとき、前記内壁および前記ヒンジ構造も動くものである物品。
【請求項7】
請求項1記載の物品において、前記物品は衣類または鞄である物品。
【請求項8】
請求項1記載の物品において、前記挿入式消臭剤は、細菌を抑制することを目的とする物質を含むものである物品。
【請求項9】
請求項1記載の物品において、前記柔軟性材料は織物である物品。
【請求項10】
請求項1記載の物品において、前記柔軟性材料は合成または自然皮革材料である物品。
【請求項11】
消臭装置であって、
開口部が形成された一枚の織物であって、この開口部は当該一枚の織物の第1の側から当該一枚の織物の第2の側への通路を形成するものである、前記一枚の織物と、
前記一枚の織物に固定され、かつ少なくとも部分的に前記開口部を覆う消臭剤用容器であって、当該消臭剤用容器の第1の側と対向する第2の側との間に位置付けられたチャンバーを含み、当該消臭剤用容器の第1の側および第2の側の双方は通気性を有するものである、前記消臭剤用容器と、
前記消臭剤用容器のチャンバー内に取り外し可能に配置される挿入式消臭剤と
を有する消臭装置。
【請求項12】
請求項11記載の消臭装置において、前記一枚の織物は、第1の部分と当該第1の部分に継ぎ合わされた第2の部分とを有するものであり、前記開口部は当該第1の部分と当該第2の部分との間に形成されているものである消臭装置。
【請求項13】
請求項11記載の消臭装置において、前記一枚の織物は、衣類に提供されるものである消臭装置。
【請求項14】
請求項11記載の消臭装置において、前記一枚の織物は、鞄に提供されるものである消臭装置。
【請求項15】
請求項11記載の消臭装置において、前記消臭剤用容器の第2の側はフレーム部材と当該フレーム部材に連結された扉を有し、この扉は当該扉が実質的に前記開口部を覆う第1の位置と当該扉が前記開口部から取り除かれる第2の位置との間で移動自在なものである消臭装置。
【請求項16】
請求項15記載の消臭装置において、前記扉はヒンジ構造により前記フレーム部材に連結されているものであり、それにより前記扉が前記フレーム部材に対して旋回して前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するようになっている消臭装置。
【請求項17】
織物物品の臭気を抑制する方法であって、
前記織物物品に位置付けられた消臭剤用容器を開口し、当該消臭剤用容器の第1の側と第2の側との間に配置されるチャンバーを露出させる工程であって、当該消臭剤用容器の第1の側は前記織物物品の外側に位置し、当該記消臭剤用容器の第2の側は前記織物物品の内側に位置するものであり、当該第1の側および第2の側の双方は通気性を有するものである、前記開口する工程と、
前記チャンバーから第1の挿入式消臭剤を取り外す工程と、
前記チャンバーに第2の挿入式消臭剤を挿入する工程と、
前記消臭剤用容器を閉じて、前記第2の挿入式消臭剤を前記チャンバー内に固定する工程と
を有する方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記消臭剤用容器を開口する工程は、前記消臭剤用容器のヒンジ扉を開口する工程を含むものである方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、前記織物物品は当該織物物品の前記内側と前記外側の間に通路を提供するための穴部を有するものであり、前記消臭器は、当該穴部を少なくとも部分的に覆うものである方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は消臭装置の分野に関し、特に鞄、衣服、または人が着用若しくは持ち運びするように構成された他の衣服若しくはアクセサリーとともに使用される消臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人が着用若しくは持ち運びする消臭物品を可能にする様々な装置がある。例えば、衣服の使用後しばらくの間ジムバッグの中に入れられた衣服に関する悪臭を減少させようとする試みにおいて、芳香剤または悪臭中和剤がジムバッグの中に挿入される。これらの消臭製品はスプレーまたは前記ジムバックの中に放り込まれる固体製品によって提供される。しかしながら、前記消臭製品が前記バックの中で悪臭のある物品によって容易に覆われことによって、その消臭製品の効果は薄れる。一旦他の物品によって覆われると、前記消臭製品は前記バッグの上部の頂上部空間において機能しない。前記バッグの上部のこの空間にある悪臭は、当該バッグから容易に逃れ、当該バッグのユーザーの気分を害しがちである。
【0003】
消臭製品が鞄で使用されるのに加えて、消臭製品はまた着用しているときの衣類にも使用される。例えば、猟師は多くの場合人のにおいを隠したいと願う。これは、芳香スプレーまたは臭気中和剤を猟師の服に適用することにより行われる。しかしながら、これらの消臭製品は、多くの場合猟師にとって不便なものと考えられる、なぜなら何度も繰り返し、少なくとも各洗濯の後に適用しなければならないからである。ユーザーの便利さのため、幾つかの狩猟衣服には永久的な臭気捕捉層を備えたり、当該衣服の表面に適用されるような仕上がりがされている。しかしながら、永久的な臭気捕捉特性を備えたこれらの製品は、時間とともに洗い落とされる傾向にあり、ユーザーには強い臭気捕捉能力のない衣服だけが残る。
【0004】
上記のことを考慮して、改良された消臭器が提供されることが望まれている。この様な装置が、例えば衣服、鞄などの製品、または人が持ち運びする他の製品に固定的に組み込まれることは有益であろう。また、前記消臭装置が、衣服の使用期間中ずっと容易にかつ効果的に使用できるのであれば有益であろう。さらに、前記消臭装置が、前記物品に関連して使用される異なる消臭製品に様々な選択肢を提供することができれば有益であろう。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある
。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第3,964,684号明細書
(特許文献2) 米国特許第7,108,425号明細書
(特許文献3) 米国特許第7,210,426号明細書
(特許文献4) 米国特許第7,273,184号明細書
(特許文献5) 米国特許第5,988,520号明細書
(特許文献6) 米国特許第5,539,930号明細書
(特許文献7) 米国特許第5,174,462号明細書
(特許文献8) 米国特許第5,065,886号明細書
(特許文献9) 米国特許第4,917,254号明細書
(特許文献10) 米国特許第3,902,877号明細書
(特許文献11) 米国特許第3,840,145号明細書
(特許文献12) 米国特許第3,759,356号明細書
(特許文献13) 米国特許第3,468,471号明細書
(特許文献14) 米国特許第2,802,590号明細書
(特許文献15) 米国特許第2,545,160号明細書
(特許文献16) 米国特許第2,143,062号明細書
(特許文献17) 米国特許出願公開第2008/0118411号明細書
(特許文献18) 米国特許出願公開第2006/0272980号明細書
(特許文献19) 米国特許出願公開第2005/0199741号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの実施形態によれば、人が着用若しくは持ち運びするように構成された物品が提供され、この物品は消臭器を有する本体部分と、当該消臭器内に配置される挿入式消臭剤とを含む。前記物品の本体部分は、当該物品の内側と外側を形成する柔軟性材料から構成されている。前記本体部分には、前記物品の内側と外側との間に通路を提供する開口部が形成されている。前記消臭器は、内壁と外壁との間に位置付けられるチャンバーを含む。前記挿入式消臭剤は前記チャンバー内に配置される。
【0006】
前記物品の様々な実施形態が可能である。例えば、前記物品は、前記本体部分が織物材料である衣類または鞄の形態で提供される。1つの実施形態おいて、前記消臭剤は、前記チャンバー内に取り外し可能に保持される固体消臭物質である。前記消臭器は閉鎖位置と開放位置との間を移動するように構成されており、前記挿入式消臭剤は、前記消臭器が前記閉鎖位置にあるとき前記チャンバーに固定され、前記消臭器が前記開放位置にあるとき前記チャンバーから取り外し可能である。前記消臭器の内壁および外壁は、前記チャンバーに連通する複数の通気道を含む。前記消臭器の内壁は、ヒンジ構造でフレーム部材に取り付けられている。
【0007】
本開示のさらに別の実施形態によれば、消臭装置は1つの穴部が形成された一枚の織物と、この一枚の織物に固定される消臭器とを有する。前記穴部は、前記一枚の織物の第1の側から前記一枚の織物の第2の側への通路を形成する。前記消臭器は、少なくとも部分的に前記穴部を覆い、さらに前記消臭器の第1の側と前記消臭器の対向する第2の側との間に位置付けられたチャンバーを含む。前記消臭器の第1の側と第2の側の双方は通気性を有する。挿入式消臭剤は、前記消臭器のチャンバーに取り外し可能に配置される。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態によれば、織物物品の臭気を抑制する方法が提供される。この方法は、前記織物物品に配置された消臭器を開口し、当該消臭器の第1の側と第2の側との間に位置付けられたチャンバーを露出させる工程を有する。前記消臭器の第1の側は前記織物物品の外側に位置し、前記消臭器の第2の側は前記織物物品の内側に位置する。前記消臭器の第1の側と第2の側の双方は通気性を有する。この方法はさらに、前記チャンバーから第1の挿入式消臭剤を取り外す工程と、前記チャンバーに第2の挿入式消臭剤を挿入する工程と、前記消臭器を閉じて、前記第2の挿入式消臭剤を前記チャンバーに固定する工程とを有する。
【0009】
上述した特徴および利点、およびその他のことも、以下の詳細な説明および添付の図面を参照するこにより、当業者にとってより容易に明らかになるであろう。1若しくはそれ以上の様々な有利な特徴を提供する、人が着用若しくは持ち運びする物品を提供することは望ましいことではあるが、本明細書に開示された教示は、1若しくはそれ以上の上記の利点を達成するか否かに関わらず、添付の特許請求の範囲に含まれる実施形態にまで拡張されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、織物に設置された消臭器の消臭装置の線図を示す。
【
図4】
図4は、開放位置の内壁を伴った
図2の消臭器の平面図を示す。
【
図5】
図5は、挿入式消臭剤を有する
図1の消臭器の分解斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜5には、人が着用若しくは持ち運びする物品10が示されている。各物品10は本体部分20と、この本体部分20によって保持される消臭器40とを含む。前記消臭器40は、外壁52と内壁54とを含み、当該外壁52と当該内壁54との間に位置付けられるチャンバー60を有する。以下でさらに詳しく説明するように、前記チャンバー60は、挿入式消臭剤70を受け入れるように構成されている(
図5を参照)。本明細書で使用される用語「消臭剤」は、悪臭を中和、隠す、または除去する、あるいは芳香または香りを提供することを目的とする物質について言及する。少なくとも1つの実施形態において、「消臭剤」は、細菌発酵を防ぐあるいは細菌を抑制することを目的とする物資を含む。しかしながら、1若しくはそれ以上の実施形態において、「消臭剤」は、細菌抑制物質または性質を含まず、単に悪臭を中和、隠す、または除去する、あるいは芳香または香を提供することを目的とする物質について言及する。
【0012】
前記物品10は、あらゆる異なる形状で提供される。
図1には前記物品10の2つの例示的な形状が示されている。第1の形状は衣類として示されており、特にシャツ12である。第2の形状は鞄として示され、特にジムバッグ14である。シャツ12およびバック14が
図1に前記物品10の例示的な実施形態として示されたが、前記物品10は、例えば、バックパック、ジャケット、コート、靴、帽子、パンツなどのあらゆる異なる形状で、または人が着用若しくは持ち運びするように構成された他の物品で提供される。
【0013】
前記物品20の本体部分20は前記物品10の主要部分に広がっており、一般に柔軟性材料で構成されている。開示の実施形態において、柔軟性材料22は、例えばニット、織物、または不織布のような織物材料である。他の実施形態において、前記柔軟性材料20は、皮革材料、合成皮革材料、または他の柔軟性材料である。前記本体部分は、前記物品10の内側24と外側26とを形成する。
【0014】
前記本体部分20に、開口部30が形成されている。前記開口部30は、前記本体部分20に前記物品10の内側24と外側26の間に延長する穴部たまは通路を提供する。前記開口部30のサイズは一般に前記消臭器40よりわずかに小さく、前記消臭器40が当該開口部30の範囲を完全に占める。しかしながら、幾つかの実施形態において、前記開口部30の部分は、前記消臭器40の範囲を超えて延出する。開示の実施形態において、前記開口部30は、柔軟性材料22との単一の一体型として形成される。しかしながら、他の実施形態において、前記開口部は、前記開口部30で第2の部分に結合する第1の部分で構成される一枚の織物として形成され、当該開口部30が当該第1の部分と当該第2の部分との間に(例えば、縫い目に沿って)形成されている。
【0015】
前記消臭器40は、前記開口部30の周囲で前記物品10の前記本体部分20に固定される。
図1〜5の開示の実施形態において、前記消臭器40は、前記本体部分20の外側26で前記開口部30の周囲に位置付けられた第1の部分42を含む。前記消臭器40はまた、前記本体部分の内側24で前記開口部30の周囲に位置付けられた第2の部分44を含む。前記消臭器40は、前記第1の部分42と前記第2の部分44の間の前記開口部30に位置付けられるチャンバーを提供する。前記第1の部分42および前記第2の部分44は、多くの異なる方法で前記本体部分に固定される。例えば、前記第1の部分42および前記第2の部分44は、例えば縫い合わせ、接着、溶接、または当業者によって認められるあらゆる様々な他の方法で前記本体部分に連結される。
【0016】
図1および5で最も良く示されるように、前記消臭器の第1の部分42は、当該消臭器40の外壁52を提供し、この外壁52の内側に前記チャンバー60が位置付けられている。開示の実施形態において、前記外壁52は円盤型で、固体の外周部分と空気を通す中央部分とを有する。前記中央部分は一般に複数のサポート部材を含み、このサポート部材の間には穴部が形成されている。
【0017】
図2〜5で最も良く示されるように、前記消臭器の前記第2の部分44は、周囲フレーム56によって囲まれる内壁54を含む。前記内壁54は、前記周囲フレーム56とヒンジ構造58で連結している。前記ヒンジ構造58により、前記内壁54が扉として機能し、前記周囲フレームに対して閉鎖位置(
図2および3を参照)および開放位置(
図4を参照)の間で旋回することができる。前記チャンバー60は、前記内壁54が開放位置にあるとき前記物品10の内側に向けてさらされ、前記内壁54が閉鎖位置にあるとき前記内壁54によって前記物品10の内側から分離される。前記内壁は、当該内壁54から内側へさらに延出する1若しくはそれ以上のハンドルを含む。これらのハンドル62は、ユーザーが前記消臭器40を開口するのを手助けするために提供されている。
【0018】
前記周囲フレーム56は一般に固体で、穴部が空洞である。対照的に、前記内壁54は複数の通気道を含み、空気を通すようになっている。開示の実施形態において、前記内壁54は、複数の円周方向および径方向のサポートバーとこのサポートバーの間にあるスロットとを有するグリル状構造として提供されている。前記内壁54および前記外壁52の双方が複数の穴部を含むので、空気は前記消臭器40のチャンバー60に容易に出入りすることができる。前記内壁54および外壁の穴部は、前記本体部分20を形成する前記柔軟性材料22に存在するあらゆる極小サイズの穴よりかなり(例えば、10若しくはそれ以上の倍数で)大きい。
【0019】
前記内壁54は、前記内壁が閉鎖位置でロックすることが可能な締まりばめで前記フレームに係合する。従って、前記内壁54を前記閉鎖位置に動かすとき、ユーザーは前記内壁が前記フレームに対して据えられたことを示すわずかなポンという音または他の触知感覚を感じる。前記ヒンジ構造58は耐久性があり、前記内壁54が前記消臭器40の使用期間の間繰り返し開閉することが可能である。
【0020】
これから
図5を参照して、挿入式消臭剤70は、前記消臭器40のチャンバー60に取り外し可能に位置付けられる。前記内壁54が閉鎖位置にあるとき、前記挿入式消臭剤70は、前記外壁52と前記内壁54の間に捕捉されて、前記チャンバー60内の適切な位置に固定される。前記内壁54が開放位置にあるとき、前記挿入式消臭剤70は前記チャンバー60へ挿入または当該チャンバーから取り外せる。
【0021】
図5の実施形態において、前記挿入式消臭剤70は、消臭剤の円盤形状で固体である。前記挿入式消臭剤70は、前記消臭器のチャンバー60内にちょうど収まるように設計および寸法合わせされている。前記挿入式消臭剤70は、前記挿入式消臭剤70が前記チャンバー60内にある状態で前記内壁54が閉鎖位置に動くことができるように十分に小さい。前記挿入式消臭剤70はまた、前記消臭器40の外壁52および内壁54の穴部を通り抜けないように十分に大きい。
【0022】
前記挿入式消臭剤70は固体として1つの実施形態において開示されたが、他の実施形態では、前記挿入式消臭剤は液体物質を有する。前記消臭剤が液体である実施形態において、前記消臭器40のチャンバー60内に前記液体を保持するための消臭カートリッジが提供される。前記挿入式消臭剤70が多くの様々な消臭化合物および物質から、例えば家庭用エアーフレッシュナーまたは臭気中和剤(例えば、活性炭)に一般に使用されるような化合物または物質、またはそのような化合物および物質の組み合わせなどから成ることは、当業者であれば理解するであろう。ユーザーは、異なる芳香、異なる臭気中和剤特性、異なる色などを含む異なる特徴を有する多数の異なる挿入式消臭剤から選択することができる。異なるサイズおよび形状の挿入式消臭剤70が提供されるが、各挿入式消臭剤70は、前記消臭器40の空気穴を通り抜けずに前記消臭器40のチャンバー60内に収まるように構成される。
【0023】
実施において、前記で開示された消臭装置は、前記物品の悪臭を抑制するのに用いられる。特に、前記物品のユーザーは、前記物品の臭気管理特性を提供するため、前記消臭器40のチャンバー60から前記挿入式消臭剤を選択的に挿入または取り外しできる。一旦挿入式消臭剤70が前記チャンバーに位置付けされると、当該挿入式消臭剤は時間とともにその消臭効力を失い、使い尽くされる。前記挿入式消臭剤70が使い尽くされたと確定すると、ユーザーは単に前記物品10に位置付けられている前記消臭器40を開口することにより、前記チャンバー60がさらされる。ユーザーは、次に前記チャンバー60から使用済み挿入式消臭剤70を取り出し、新しい挿入式消臭剤70を挿入する。ユーザーは、次に前記消臭器40を閉じて、前記新しい挿入式消臭剤70を前記チャンバー60に固定する。前記新しい挿入式消臭剤70は、比較的長い使用期間をユーザーに提供する。有利な点は、前記物品がユーザーによって洗濯される場合、ユーザーは、前記物品10を洗濯する前に、前記チャンバー60から前記挿入式消臭剤70を単に取り外し、そして、前記洗濯の後前記チャンバー60に前記挿入式消臭剤70を戻す。ユーザーは、前記物品の望ましい使用に基づいて、前記消臭器に置かれる異なる挿入式消臭剤を選択する。例えば、前記物品10を伴って狩猟しているユーザーは消臭器40のチャンバー60に動物臭の挿入式消臭剤70を置くことを選択するかもしれない。しかしながら、前記物品が使用される別の非狩猟の状況では、同じユーザーは、前記消臭器40のチャンバー60への挿入物としてよい香りの挿入式消臭剤70を選択するかもしれない。
【0024】
消臭装置を有する物品の1若しくはそれ以上の実施形態の上記の詳細な説明が本明細書に提示されたが、これは実施例を示すのみを目的としたものであり、限定するのものではない。本明細書に記載される他の特徴および機能と合体することなしに得られる本明細書に記載される特定の個々の特徴および機能の利点があることは理解されるであろう。さらに、前記開示の実施形態および他の特徴および機能の様々な変更、修正、変形、または改良、あるいはそれらの代替手段が多くの他の異なる実施形態、システム、またはアプリケーションと望ましく組み合わせることができることも理解されるであろう。本明細書での現在予見できないまたは予期しない変更、修正、変形、または改良が当業者によって後で行われるであろう、これらはまた添付の特許請求の範囲により包含されることを目的とする。従って、すべての添付の特許請求の範囲の精神と範囲は、本明細書に含まれる実施形態の記載に限定されるべきものではない。