(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2〜第3実施形態において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、本発明の内容を理解しやすくするために各構成の形状や配置状態を誇張して示している。
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および
図2において、シート貼付装置1は、基材シートBSと接着剤層ADとを有する原接着シートS0が所定間隔で帯状の剥離シートRL上に仮着された原反R1を繰り出す繰出手段10と、繰り出された原反R1の原接着シートS0に磁気記録層MLを積層して接着シートS1を形成する積層手段30と、磁気記録層MLを硬化させる硬化手段40と、磁気記録層MLに記録された所定情報を読み取る入力手段としての磁気リーダ50と、磁気記録層MLに所定情報を記録する出力手段としての磁気ライタ60と、接着シートS1を剥離シートRLから剥離する剥離手段としての剥離板70と、剥離板70で剥離した接着シートS1をウェハWに押圧して貼付する押圧手段80と、ウェハWと押圧手段80とを相対移動させる移動手段90とを備え、パーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段100によってその全体的な動作が制御されるように構成されている。
【0017】
繰出手段10は、原反R1をロール状に巻回して支持する支持ローラ11と、支持ローラ11から引き出された原反R1を案内するガイドローラ12,13と、駆動機器としての回動モータ14によって駆動する駆動ローラ15と、駆動ローラ15との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ16と、駆動機器としての回動モータ17によって剥離シートRLを回収する回収ローラ18とを備えている。
【0018】
積層手段30は、ロータリースクリーン印刷機であり、
図1中左右方向に搬送される基材シートBSの上方に設けられ、駆動機器としての回動モータ33により回転可能に設けられた円筒状のロータリースクリーン31と、このロータリースクリーン31内に設けられた図示しないスキージと、原反R1を挟んでロータリースクリーン31と対向配置され、駆動機器としての回動モータ34により回転可能に設けられた圧胴32とを備えている。この積層手段30は、ロータリースクリーン31と圧胴32とを回転させ、ロータリースクリーン31の内部に貯留された磁気記録剤を、当該ロータリースクリーン31の表面に形成された図示しない孔を通じてスキージにより押し出すように構成されている。
また、ロータリースクリーン31には、直動モータ35が接続され、
図1中上下方向に昇降可能に設けられている。
【0019】
ここで、磁気記録層MLは、例えば、バインダー中に磁性粉を均一分散して成層されたものであり、バインダーとしては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂は、単独または2種以上を混合して用いることもできる。
一方、磁性粉としては、例えば、γ−Fe
2O
3、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の強磁性体が挙げられるが、記録された情報が通常の永久磁石により消去または減衰することを防止するためには、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトのような保磁力が1500エルステッド〜5000エルステッドの高保磁力材料を使用することが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】
また、磁気記録層MLを形成するための塗料またはインク(以下、磁気記録剤という場合がある)は、例えば、上述のバインダー、磁性粉、および必要に応じて分散剤、硬化剤、顔料などを加え、適当な溶剤中に分散して得られるが、これに限定されるものではない。
得られた塗料またはインクは、ロータリースクリーン印刷、ソルベントコーティング法、グラビア印刷、スクリーン印刷、さらには、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷等のあらゆる印刷法により塗布することができ、塗料やインクを基材シートBSに積層(塗布)できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
【0021】
硬化手段40は、ロータリースクリーン31における原反R1の搬送方向下流側に設けられ、磁気記録層MLの硬化特性に応じて、熱風、紫外線、赤外線、マイクロ波、冷風等を吹き付けて磁気記録層MLを硬化させたり乾燥させたりするものである。
【0022】
磁気リーダ50および磁気ライタ60は、磁気記録層MLの移動経路の上方に設けられている。磁気リーダ50は、磁気記録層MLに記録された所定情報を読み取って、制御手段100に出力する。一方、磁気ライタ60は、制御手段100の制御により所定情報を磁気記録層MLに書き込む。
なお、磁気記録層MLに記録される所定情報としては、例えば、原接着シートS0や接着シートS1の種類、材質、品名、コード、厚さ、長さ、幅、直径などの規格寸法、さらには、原反R1のロットナンバー、原接着シートS0や接着シートS1の品質保証期限、原接着シートS0や接着シートS1を最適に繰り出すことのできる推奨繰出速度、接着シートS1を最適に貼付することができる推奨貼付張力や推奨押圧力などの接着シートS1の貼付条件、原接着シートS0、接着シートS1、原反R1についての相談窓口の連絡先などが例示できる。また、シート貼付装置1に設けられた図示しないモニタに磁気記録層MLから読み取った情報を表示させたり、読み取った情報を基に当該シート貼付装置1の貼付条件を設定したりすることができる。
【0023】
剥離板70は、原反R1の剥離シートRLを折り返すことで、当該剥離シートRLから接着シートS1を剥離する。
押圧手段80は、支持部82を介して回転可能に支持されるとともに、接着シートS1をウェハWおよびリングフレームRFに向かって押圧して貼付する押圧ローラ81と、支持部82に出力軸83が固定され、押圧ローラ81を
図1中上下方向に移動させる駆動機器としての直動モータ84とを備えている。
移動手段90は、ウェハWおよびリングフレームRFが載置され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない吸着保持手段によって当該ウェハWおよびリングフレームRFを吸着保持可能なテーブル91と、テーブル91の下面にスライダ92が固定された駆動機器としての単軸ロボット93とを備えている。
制御手段100は、図示しないメモリを有し、例えば、磁気リーダ50で読み取った情報を当該メモリに記憶させたり、当該情報に基づきシート貼付装置1全体を制御したりすることが可能に設けられている。
【0024】
以上のシート貼付装置1の動作について説明する。
まず、原反R1を
図1に示すようにセットする。そして、図示しない操作手段によって起動信号が入力されると、制御手段100は、予め設定された条件で、回動モータ14,17を駆動して原反R1を繰り出す。そして、1枚目の原接着シートS0がロータリースクリーン31の直下所定位置に達すると、直動モータ35を駆動してロータリースクリーン31を下降させ、回動モータ33,34を駆動して原反R1の繰り出しに同期させてロータリースクリーン31、圧胴32を回転させる。これにより、基材シートBSの他方の面(
図1中上面)に磁気記録層MLが塗布されて積層された接着シートS1が形成される。その後、上記同様の動作が行われ、
図1に示すように、1枚目の接着シートS1の繰出方向先端部が剥離板70によって所定量剥離され、当該先端部が図示しないセンサに検出されると、回動モータ14,17,33,34の駆動を停止してスタンバイ状態となる。なお、基材シートBS上に積層された磁気記録層MLは、硬化手段40により硬化させられている。また、接着シートS1が磁気ライタ60の下方を通過するときに、当該磁気ライタ60によって磁気記録層MLに上記所定情報を記録することができる。
【0025】
そして、図示しない搬送手段がテーブル91上にウェハWとリングフレームRFとを載置すると、図示しない吸着保持手段がこれらウェハWおよびリングフレームRFを吸着保持する。その後、単軸ロボット93の駆動によってテーブル91は搬送され、当該テーブル91が所定の位置に達したことが図示しないセンサに検出されると、制御手段100は、回動モータ14,17を駆動して、テーブル91の搬送に同期させて接着シートS1を繰り出し、押圧ローラ81が接着シートS1をウェハWおよびリングフレームRFに押圧して貼付する。このとき、制御手段100は、操作手段による設定に基づいて、接着シートS1の繰出速度、押圧ローラ81の昇降量、および、テーブル91の移動速度を制御する上、上記と同様に、ロータリースクリーン31の直下に繰り出される原接着シートS0に磁気記録層MLを塗布して積層するように制御する。
【0026】
なお、磁気記録層MLを有する複数の接着シートS1が剥離シートRLに仮着された図示しない原反が支持ローラ11にセットされた場合、制御手段100は、直動モータ35を駆動してロータリースクリーン31が接着シートS1に接触しないように離間させる。次いで、当該図示しない原反の繰り出しにより、接着シートS1が磁気リーダ50の下方を通過するときに、当該磁気リーダ50によって磁気記録層MLに記録された所定情報を読み取り、この読み取られた所定情報に基づき、シート貼付装置1全体を制御することができる。この制御は、例えば、磁気記録層MLに記録された情報のうち、接着シートS1の推奨繰出速度を基にして、回動モータ14,17の回転速度や、単軸ロボット93でテーブル91を移動させる移動速度を決定したり、推奨押圧力を基にして、押圧ローラ81を昇降させる直動モータ84の昇降量や出力トルクを決定し、押圧力を設定したりすることができる。
なお、基材シートBS上に積層された磁気記録層MLを当該基材シートBSとで挟み込むように、磁気記録層MLの幅よりも幅の広い他の接着シートを貼付する保護シート貼付手段を設け、磁気記録層MLを保護するように構成してもよい。
【0027】
以上のような第1実施形態によれば、接着シートS1に所定情報の記録機能を設けるための構成として、磁気記録層MLを採用しているため、接着シートS1に磁気記録層MLを設けた後であっても、新たな情報を記録することができる。また、コストダウンを容易に図ることができる上、基材シートBSと、磁気記録層MLとの分別が不要となり、接着シートS1を容易に廃棄できる。
【0028】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
第2実施形態の接着シートS11は、
図3に示すように、繰出手段10と、原反R1の原接着シートS0から剥離シートRLを剥離する剥離ローラ110Aと、原接着シートS0から剥離された剥離シートRLを迂回させる一対の迂回ローラ121Aを備えた迂回手段120Aと、原接着シートS0の接着剤層ADに磁気記録層MLを積層して接着シートS11を形成する積層手段30Aと、硬化手段40と、駆動機器としての回動モータ133Aにより回転可能に設けられた誘導ローラ131Aとピンチローラ132Aとで迂回させた剥離シートRLに接着シートS11を仮着する再仮着手段130Aと、磁気リーダ50と、磁気ライタ60と、剥離板70と、押圧手段80と、移動手段90とを備え、制御手段100Aによってその全体的な動作が制御されるように構成されている。
そして、原反R1を
図3に示すようにセットする。この状態で、各ローラを回転させて原反R1を繰り出すと、剥離ローラ110Aによって原接着シートS0が剥離シートRLから剥離される。次いで、当該原接着シートS0の接着剤層ADには積層手段30Aにより磁気記録層MLが塗布されて積層される。この後、この磁気記録層MLが硬化手段40により硬化させられ、シートS11は、迂回してきた剥離シートRLに再仮着手段130Aにより再仮着される。そして、制御手段100Aは、第1実施形態の制御手段100と同様に、磁気記録層MLに所定情報を記録したり、記録されていた情報をメモリに記憶して当該情報に基づく貼付条件で接着シートS11をウェハWおよびリングフレームRFに貼付する。なお、積層手段30Aによる磁気記録層MLの塗布は、原接着シートS0から剥離された剥離シートRLにおける原接着シートS0の剥離面側(
図3中左右方向に搬送される剥離シートRLの上面側)に行うように構成してもよい。また、接着剤層ADに積層された磁気記録層MLを当該接着剤層ADとで挟み込むように、磁気記録層MLの幅よりも幅の広い他の接着シートまたはシート材を貼付する保護シート貼付手段を設け、磁気記録層MLを保護するように構成してもよい。
【0029】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
シート貼付装置1Bは、
図4に示すように、帯状基材シートBS1および剥離シートRLを繰り出す繰出手段10Bと、帯状基材シートBS1に磁気記録層MLを積層する積層手段30Aと、硬化手段40と、磁気記録層MLが積層された帯状基材シートBS1に接着剤層ADを積層することで原接着シートS4を形成する接着剤層形成手段140Bと、原接着シートS4を所定形状に切断して接着シートS21を形成する切断手段150Bと、磁気リーダ50と、磁気ライタ60(不図示)と、剥離板70と、押圧手段80(不図示)と、移動手段90(不図示)とを備え、制御手段100Bによってその全体的な動作が制御されるように構成されている。なお、磁気ライタ60、押圧手段80、移動手段90については、第1実施形態と同様の位置に配置され、かつ、同様の動作を行うため、
図4では省略している。
【0030】
繰出手段10Bは、帯状基材シートBS1を繰り出す基材シート繰出手段20Bと、剥離シートRLを繰り出す剥離シート繰出手段21Bと、剥離シートRLを原接着シートS4に仮着する仮着手段22Bと、接着シートS21の周囲に形成される不要シートS22を巻き取る巻取手段23Bと、駆動機器としての回動モータ24Bによって回転するガイドローラ25Bと、ガイドローラ13と、回動モータ14によって駆動する駆動ローラ15と、ピンチローラ16と、回動モータ17によって駆動する回収ローラ18とを備えている。
【0031】
基材シート繰出手段20Bは、帯状基材シートBS1をロール状に巻回して支持するとともに駆動機器としての回動モータ204Bにより駆動される支持ローラ201Bと、駆動機器としての回動モータ205Bにより駆動する駆動ローラ202Bと、この駆動ローラ202Bとの間に帯状基材シートBS1を挟み込むピンチローラ203Bとを備えている。
剥離シート繰出手段21Bは、剥離シートRLをロール状に巻回して支持するとともに駆動機器としての回動モータ212Bにより駆動される支持ローラ211Bを備えている。
【0032】
仮着手段22Bは、駆動機器としての回動モータ223Bにより回転可能に設けられ、剥離シート繰出手段21Bから繰り出される剥離シートRLを左方向に誘導する誘導ローラ221Bと、誘導ローラ221Bに対向して設けられたピンチローラ222Bとを備えている。
巻取手段23Bは、不要シートS22を剥離シートRLから剥離する剥離ローラ231Bと、駆動機器としての回動モータ233Bにより回転し剥離ローラ231Bで剥離された不要シートS22を巻き取る巻取ローラ232Bとを備えている。
【0033】
接着剤層形成手段140Bは、積層手段30Aと同様のロータリースクリーン印刷機であり、
図4中左右方向に搬送される帯状基材シートBS1の下方に設けられ、駆動機器としての回動モータ143Bにより回転可能に設けられたロータリースクリーン141Bと、図示しないスキージと、帯状基材シートBS1を挟んでロータリースクリーン141Bと対向配置され、駆動機器としての回動モータ144Bにより回転可能に設けられた圧胴142Bとを備えている。この接着剤層形成手段140Bは、ロータリースクリーン141Bの内部に貯留された接着剤をスキージにより押し出すように構成されている。
【0034】
切断手段150Bは、原接着シートS4に円形の切り込みCUを形成する切込刃151Bを備えたダイカットローラ152Bと、原接着シートS4および剥離シートRLを挟んでダイカットローラ152Bと対向して配置されたプラテンローラ153Bとを備えている。切込刃151Bは、帯状基材シートBS1側から剥離シートRLを貫通しない深さの切り込みCUを形成し、当該切込CUの内側に円形の接着シートS21を形成する。なお、ダイカットローラ152Bおよびプラテンローラ153Bは、駆動機器としての回動モータ154B,155Bにより同期して回転可能に設けられている。また、切込刃151Bには、原接着シートS4の接着剤が付着しないように、フッ素樹脂コート等の不接着処理を施しておくことが好ましい。
【0035】
以上のシート貼付装置1Bにおいて、接着シートS21をウェハWおよびリングフレームRFに貼付する手順としては、まず、巻回された帯状基材シートBS1を支持ローラ201Bにセットするとともに、巻回された剥離シートRLを支持ローラ211Bにセットする。
この状態で、制御手段100Bは、回動モータ204B,205Bを駆動して支持ローラ201B、駆動ローラ202Bを回転させて帯状基材シートBS1を繰り出し、回動モータ204B,205Bに同期して回動モータ33,34,143B,144B,212B,223B,154B,155B,233B,24B,14,17を駆動して、ロータリースクリーン31、圧胴32、ロータリースクリーン141B、圧胴142B、支持ローラ211B、誘導ローラ221B、ダイカットローラ152B、プラテンローラ153B、巻取ローラ232B、ガイドローラ25B、回収ローラ18を回転させる。
【0036】
各ローラが回転すると、積層手段30Aによって、帯状基材シートBS1の一方の面(
図4中下面)には磁気記録層MLが積層され、この磁気記録層MLは、硬化手段40により硬化させられる。そして、接着剤層形成手段140Bによって、磁気記録層MLを覆うように接着剤層ADが積層され、原接着シートS4が形成される。
【0037】
この形成された原接着シートS4は、仮着手段22Bによって、剥離シート繰出手段21Bから繰り出された剥離シートRLに仮着される。この後、剥離シートRLに仮着された原接着シートS4は、切断手段150Bによって、切り込みCUが形成され、切り込みCUの内側に円形の接着シートS21が形成され、切り込みCUの外側に不要シートS22が形成される。この不要シートS22は、巻取手段23Bで剥離シートRLから剥離されて巻き取られる。
この後、制御手段100Bは、第1実施形態の制御手段100と同様に、磁気記録層MLに所定情報を記録して、操作手段による設定に基づいて、シート制御装置1B全体を制御して、接着シートS21をウェハWおよびリングフレームRFに貼付することができる。
なお、磁気記録層MLを有する帯状基材シートBS1を、上記シート貼付装置1Bの支持ローラ201Bにセットして、磁気記録層MLの形成を行わずに、接着剤層ADの積層および接着シートS21の形成を行い、接着シートS21の磁気記録層MLから所定情報の読み取り、この読み取った情報をメモリに記憶して当該情報に基づく貼付条件で接着シートS21をウェハWおよびリングフレームRFに貼付することもできる。
なお、接着剤層形成手段140Bによる接着剤層ADの塗布は、剥離シートRLにおける原接着シートS4に仮着される面側(
図4中左右方向に搬送される剥離シートRLの上面側)に行うように構成してもよい。また、積層手段30Aによる磁気記録層MLの塗布は、剥離シートRL上に塗布された接着剤層AD上に行うように構成してもよい。さらに、基材シートBSと接着剤層ADとの間に積層された磁気記録層MLを当該基材シートBSとで挟み込むように、接着剤層AD側から磁気記録層MLの幅よりも幅の広い他の接着シートまたはシート材を貼付する保護シート貼付手段を設け、磁気記録層MLを保護するように構成してもよい。
【0038】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定
の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0039】
例えば、第2,第3実施形態の接着シートS11,S21が剥離シートRLに仮着された原反を、第1実施形態のシート貼付装置1の支持ローラ11にセットして、磁気記録層MLの形成を行わずに、接着シートS11,S21の磁気記録層MLに対する所定情報の読み取りや記録を行った後、接着シートS11,S21をウェハWおよびリングフレームRFに貼付してもよい。
また、第1〜第3実施形態において、磁気リーダ50および磁気ライタ60のうち少なくとも一方を設けなくてもよいし、制御手段100,100A,100Bに磁気記録層MLに記録された情報に基づき、シート貼付装置1,1A,1B全体を制御する機能を設けなくてもよい。
【0040】
また、本発明における接着シートS1,S11,S21の種別や材質などは、特に限定されず、例えば、基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、他の層を有する等3層以上のものでもよい。また、接着シートS1,S11,S21は、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムなどであってもよい。半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムに限らず、その他の任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状の接着シート等が適用できる。さらに、被着体が光ディスクの基板であって、接着シートが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。以上のように、被着体としては、ガラス板、鋼板、樹脂板、基板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
また、押圧手段80は、前記実施形態で示したもの以外のもので構成してもよく、押圧手段80は被着体に接着シートが貼付できる限りにおいて何ら限定されるものではなく、例えば、ブレード材、エア噴き付け、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用することができる。
また、磁気記録層MLの形状は、直線形状に限らず、円形、楕円径、多角形、それらの形状を組み合せた形状等、何ら限定されるものではない。つまり、磁気記録層MLは、印刷法によって形成されるので、より複雑で細やかな形状とすることができる。
また、接着剤層ADを紫外線やマイクロ波等のエネルギー線で硬化するエネルギー線硬化型の材料で構成してもよい。
さらに、磁気記録層MLは、ウェハWに重なる位置に設けてもよい。
また、積層手段30,30A、接着剤層形成手段140Bは、ロータリースクリーン印刷以外の塗布方法を採用することができ、例えば、ソルベントコーティング法、グラビア印刷、スクリーン印刷、さらには、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷等あらゆる印刷法を採用することができ、積層する材料を被積層物に積層(塗布)できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
さらに、接着シートS1,S11,S21は、リングフレームRFでウェハWを保持させるものに限定されることはなく、ウェハWやその他のものだけに貼付されるものであってもよい。
【0041】
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。