(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、真空圧送機構によって圧送される流体の質量流量を決定するように、且つ決定された質量流量を示す信号を前記制御手段に出力するように構成されている、請求項4に記載の処理システム。
前記制御手段は、前記決定手段からの前記信号を受け取るように、前記真空圧送サブシステムから排気されたガスの質量流量に応じて前記他のサブシステムの作動を制御するように構成されている、請求項5に記載の処理システム。
前記制御手段は、決定された質量流量が予め決定された経過時間の閾値より小さいとき、前記他のサブシステムによって消費される資源を減らすために、前記他のサブシステムがアイドルモードで作動させるように構成されている、請求項6に記載の処理システム。
ウェハーを処理することができる処理チャンバと、ウェハーが、処理のために処理チャンバに搬送されるときに通過し、処理の後に処理チャンバから搬送されてくるロードロックチャンバとを備える処理システムであって、
前記真空圧送サブシステムは、
処理チャンバからガスを排気するための前記第1のモータによって駆動される前記第1の真空圧送機構と、
ロードロックチャンバからガスを排気するための前記第2のモータによって駆動される前記第2の真空圧送機構とを備え、
前記決定手段は、
前記第1のモータ及び前記第2のモータの前記特性をモニタすることによって前記真空圧送サブシステムの負荷を決定する、処理システム。
減圧ステップで、第2の真空圧送機構が搬送チャンバ内の圧力を、ウェハーが搬送チャンバに導入される第1圧力から、ウェハーが処理のために搬送チャンバから処理チャンバに搬送される第2圧力まで減圧し、前記第2のモータの前記モニタされる特性は、各々の減圧ステップの間増加し、前記搬送チャンバ内を減圧していないときに減少し、前記決定された特性が閾値より大きくなると、前記制御手段は、前記除害システムを稼働させ、前記特性が予め決定された経過時間にわたって前記閾値よりも小さくなると、前記制御手段は、除害システムがアイドルモードになるようにする、請求項12に記載の処理システム。
処理ガスは、処理ステップ中に処理チャンバに導入され、第1の真空圧送機構によって処理チャンバから排気され、前記第1のモータの前記モニタされた特性は、各々の処理ステップの間増加する、請求項12に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第2真空圧送システム及び処理システムの概略線図である。
【
図3】
図2に示す真空圧送システムのモータのモータ電流の経時変化を示すグラフである。
【
図4】
図2に示す真空圧送システムの電気回路のフローチャートである。
【
図5】
図2に示す真空圧送システムのモータの第2モータ電流の経時変化を示すグラフである。
【
図6】
図2に示す真空圧送システムの電気回路のフローチャートである。
【
図7】第3真空圧送システム及びメンテナンス検出ユニットの概略線図である。
【
図8】真空圧送サブシステム及び除害サブシステムを備えるシステムの概略線図である。
【
図9】真空圧送サブシステム及び除害システムを備える処理システムの概略線図である。
【
図10】
図8又は
図9の真空圧送サブシステムのモータのモータ電流の経時変化を示すグラフである。
【
図11】
図8又は
図9の真空圧送サブシステムの電気回路のフローチャートである。
【
図12】
図9の真空圧送サブシステムの第2モータのモータ電流の経時変化を示すグラフである。
【
図13】
図9の真空圧送サブシステムの電気回路のフローチャートである。
【
図14】
図8乃至13に示すシステムの制御ユニットの概略線図である。
【0012】
図1は、真空圧送機構12と、真空圧送機構を駆動するためのモータ14を備える真空圧送システムを示す。真空圧送システムの経時的な累積負荷を決定するための手段16が設けられており、この手段は、その期間中、モータの特性を監視するようになっている。累積負荷が予め決定された量を超えたときに、メンテナンス作業を稼働させるための手段18が設けられている。
【0013】
図1において監視するモータ14の特性は、真空圧送システム12を駆動させるためのモータの要求電力であるが、モータの他の特性を監視することも本発明の範囲内である。電力は、電位と電流の積に等しく、電源は通常、一定であるので、決定手段16は、電力を決定するためにモータのコイルの電流をモニタするように構成される。
【0014】
図1では、累積負荷は、一定期間、真空圧送機構12によって圧送された流体(ガス又は蒸気)の総質量流量と等しい。従って、真空圧送機構によって圧送される流体の質量流量に比例して劣化する真空圧送システム10の状態をモニタすることができ、そしてシステムの状態を復旧させるために、適切なときにメンテナンス作業を開始する。この方法により、従来の真空圧送システムで行われていたようにシステムの復旧が必要であるかは分からない、任意の予め決定された時刻にではなく、復旧が必要なときにシステム10の状態を復旧させることができる。
図1の構成は、システムの状態が、深刻な損傷が生じるような劣化に至る可能性を減らし、従って、高価な修理作業またはシステムの幾つか又は全てを交換することを避けることができる。
【0015】
オイルシール、フィルタ、ベアリングの状態、潤滑油の品質は、システムを通るガスの質量流量に比例して劣化する真空圧送システムの部品の非網羅的な例である。
【0016】
稼働手段18は、システムの累積負荷に関連する、決定手段16からの出力を受け取る。稼働手段18は、累積負荷が予め決定された量を超えたときにメンテナンス作業を開始するように構成されている。予め決定された量は、事前の実験によって選択される。これに関して、システムの状態及びシステムの累積負荷は、システムの実験的作動によってモニタされ、どのような累積負荷で、システムの状態が復旧を必要とするのか記録される。種々の異なる処理装置又は科学的装置と関連して使用できるように、種々の異なる作動パラメータで実験を行うことが好ましい。当然のことながら、異なる処理装置及び科学的装置は、真空圧送システムの状態に種々の異なる作用を及ぼす異なるガス、材料、ウェハー等の使用を伴う。従って、決定手段16及び稼働手段は、複数の異なる装置で使用できるように前もって構成される。
【0017】
図2には、処理システム22用の真空圧送システム20を示す。処理システム22は、ステージ28上でウェハー26を処理することができる処理チャンバ24と、未処理ウェハー26を処理チャンバ24に搬送するために未処理のウェハー26が通過する搬送チャンバ30とを備える。処理済みのウェハー26は、処理チャンバ24から搬送チャンバ30に搬送される。処理チャンバ24は、一般的にウェハーがチャンバに搬送され、そこから取り除かれる間の一連の複数の処理サイクルにわたって処理圧力に維持される。一方で、搬送チャンバ30は、典型的に大気圧である第1圧力と、数mTorrである処理圧力との間で循環する。ウェハー26は、第1圧力の搬送チャンバに搬入される。搬送チャンバ30内の圧力は、処理圧力まで減らされ、次いでウェハー26は、処理チャンバ24に搬送されて処理チャンバ24から戻ってくる。搬送チャンバ30内の圧力は、処理済みのウェハー26を取り除くために大気圧まで上昇する。
【0018】
この例では、搬送チャンバ30は、2つの機能、即ち大気圧でウェハーをシステムに搬入し、処理圧力でウェハーを処理チャンバに搬送することを実行するのを可能にする。別の構成では、別個のロードロックチャンバが上述の第1の機能を行い、さらに別個の搬送チャンバが上述の第2の機能を行う。搬送チャンバの用語は、
図2に示す構成、または2つの別個のチャンバが設けられた構成を含む。
【0019】
処理の間、第1真空圧送システム32によって、CF
4、C
2F
6、又はF
2のような処理ガスを処理チャンバ24に導入し、且つチャンバから排出する。第1のモータが、第1真空圧送機構を駆動する。第2真空圧送システム36が、搬送チャンバ30からガスを排気するために第2モータ38によって駆動される。
【0020】
第1真空圧送機構32に加わるガス負荷は、処理ステップの間、処理チャンバ24に導入される処理ガスの質量流量に依存し、第1モータ23の動力は、ガスの質量流量に比例して増加する。その上、ガスの質量流量は、ウェハーを処理しているとき増加するので、ガスの質量流量の経時的な変動は、処理システム22で処理したウェハーの数を決定するのに使用される。
【0021】
第2真空圧送機構36に加わるガス負荷は、処理チャンバ30を処理圧力にする真空排気中又は減圧ステップ中の比較的大きい負荷、及びチャンバを真空排気していないときの比較的高負荷の間を循環する。処理サイクルの間、一度(即ち、未処理のウェハーが搬送チャンバに導入された直後)は、比較的高負荷が生じるので、真空圧送機構36に加わる負荷の循環は、処理システム32によって処理されたウェハーの数の計測値である。
【0022】
真空圧送システム20は、第1モータ及び/又は第2モータの特性、この場合には電力を経時的にモニタすることによって真空圧送システム20に加わる累積負荷を決定する決定手段40を備える。従って、決定手段は、第1モータ又は第2モータの何れかの特性をモニタすることにより、処理システムによって処理されたウェハーの数を決定することができる。システム22によって処理したウェハーの数、及びシステム20を流れた質量流量の両者は、真空圧送システムの状態を示し、システムの状態を決定するために一緒に、又は別々に使用することができる。
【0023】
より具体的には、第1の構成では、第1真空圧送機構32によって圧送されたガスの総質量流量を決定するために、第1モータ34の電力を決定手段40によってモニタする。この場合、総質量流量が、事前の実験によって定められ、真空圧送システムの状態が復旧を必要とする、予め決定された総質量流量を超えたときに、稼働手段42がメンテナンス作業を開始させる。
【0024】
第2構成では、システム22によって処理したウェハーの数を決定するために、第1モータ34の電力を決定手段40によってモニタする。この場合、ウェハーの数が、事前の実験によって定められ、真空圧送システムが復旧を必要とする、予め決定された総質量流量を超えたときに、稼働手段42がメンテナンス作業を開始させる。
【0025】
第3の構成では、システム22によって処理したウェハーの数を決定するために、モータ38の電力を決定手段40によってモニタする。この場合、ウェハーの数が、事前の実験によって定められ、真空圧送システムの状態が復旧を必要とする、予め決定されたウェハーの数を超えたときに、稼働手段42がメンテナンス作業を開始させる。
【0026】
真空圧送システム20の状態のより着実な表示を提供するために、第1、第2、又は第3の構成の何れかを単独で採用し、又は複数で使用することができる。
【0027】
図3は、時間(t)の経過に伴う、
図2に示す第1モータ34のコイルを通る電流(I
m)のグラフを示す。ウェハーを処理するとき、処理チャンバ24に処理ガスを導入し、真空圧送システム32によって排気する。処理ガスの排気は、機構32の負荷を増加させ、従って、モータ34の電流が増える。システムの累積負荷は、時間に対する電流の積分値に比例し、従って、決定手段40は、時間に関して電流値を積分するための積分手段を備える。モニタする特性が電流以外の特性である場合、決定手段40は、時間に対して他の特性を積分するための手段を備える。
図3に示すように、曲線とx軸との間の影付き部は、システムに加わる累積ガス負荷を示す。システムの劣化は、累積負荷と共に増すので、稼働手段42は、累積ガス負荷が予め決定された量を超えたときにメンテナンス作業を開始するように構成されている。従って、システムの状態を、必要なときに復旧させることができる。
【0028】
図4は、上述の決定手段及び作動手段の一例を示す。
図4の構成は、処理チャンバ24からガスを排気する圧送機構32に加わる負荷からメンテナンス要求を導くのに適している。
【0029】
図3に示すように、処理の間、負荷が増加し、故に電流I
mが増加する。モータ34の電流は、モータを直接モニタし、又はモータを駆動する周波数変換器から導出することにより検出することができる。決定手段40は、クロック回路41と、クロック回路から時間(t)を受け取り、且つモータ電流I
mを受け取る処理回路とを備える。処理回路は、システムに加わる累積負荷に対応する積分値(∫fI
mdt)(即ち、
図3に示す影付き領域の和)を算出する。稼働手段42は、実験で決定された値「x」を格納するためのメモリ44を備え、値「x」は、システムが劣化し、例えばオイル交換のようなメンテナンスを要求することを示す∫fl
mdtの値を示す。稼働手段42は、現在の∫fI
mdtと、「x」とを比較し、∫fI
mdtがxよりも大きければSERVICE信号(即ち、二進数の「1」)を出力し、∫fI
mdtがx未満であればNO SERVICE信号(即ち、二進数の「0」)を出力するコンパレータを備える。メンテナンス作業を警告するディスプレイ45又は他の適当な手段が、稼働手段からのSERVICE信号に応じてALERTを表示する。
【0030】
図5は、時間(t)の経過に伴う、
図2に示す第2モータ38のコイルを通る電流(I
m)のグラフを示す。ウェハーが搬送チャンバ30に導入されると、真空圧送機構36によってチャンバは真空排気される。搬送チャンバからのガスの排気は、機構36の負荷を増加させ、従って、モータ38の電流が増える。各々のウェハーを処理すると、真空圧送システムが劣化する。
【0031】
これに関して、第1真空圧送機構32の状態は、圧送される処理ガスの質量流量に従って劣化する。各々のウェハーを処理している間の第1真空圧送機構32によって圧送されるガスの質量流量を実験によって決定することができる。第2真空圧送機構36の状態も、真空排気した回数に応じて劣化し、各々のウェハー又は各々のウェハーのバッチについて必要な真空排気の回数を実験によって決定することができる。
【0032】
図6を参照して、決定手段40は、時間(t)に関して電流I
mを微分する(dI
m/dt)処理回路を備える。検出された電流I
m及びクロック回路41からの時間(t)は、微分回路に入力される。メモリ44が、圧送機構36が搬送/ロードロックチャンバ30の真空排気を開始したときに、dI
m/dtに対応する値「y」を格納する。「y」は、「y」とdI
m/dtを比較し、dI
m/dtが「y」よりも大きいときにYES信号を出力するコンパレータに入力される。ウェハー又はウェハーのバッチが搬送チャンバに搬入されたときに、YES信号(即ち、二進法の「1」)を出力する。
【0033】
YES信号は、システムに搬入されたウェハー又はバッチの数をカウントし、コンパレータ49に「ウェハー/バッチカウント値」を出力するカウンタ47に入力される。メモリ44は、これよりも大きければメンテナンス作業が必要であるとされるウェハー/バッチの数と等しい値「x」を格納する。各々のウェハー又はウェハーのバッチは、システム内を流れる処理ガスの質量流量、従ってシステムの劣化を示すので、ウェハー/バッチカウントは、システムの劣化を示すものである。コンパレータ49は、カウント値を「x」と比較し、カウント値が「x」よりも大きいときに、ディスプレイにSERVICE信号(即ち、二進法の「1」)を出力する。ディスプレイは、メンテナンス作業を開始させるための警報を表示する。
【0034】
図3乃至6を参照して、決定手段及び作動手段をウェハーの数及びガスの総質量流量に応じてメンテナンス作業を開始するように構成してもよい。例えば、ガス質量流量が予め決定された値を超えた場合には、処理したウェハーの数が予め決定された量を超えたときに限りメンテナンス作業を開始する。変形として、ウェハーの数が予め決定された量を超えた場合には、ガス質量流量が予め決定された量を超えたときに限りメンテナンス作業を開始する。
【0035】
再び
図1を参照して、真空圧送システム10は、ユーザのメンテナンス作業の要求を通信できるユーザインターフェイス10を備える。好ましくは、ユーザインターフェイスは、画像ディスプレイユニットを備える。変形として、インターフェイスは、可聴信号又はページャを使用するような警報手段を備える。単一のインターフェイスを真空圧送システム12と関連付け、その隣に配置することができる。変形として、インターフェイスを真空圧送システムから離して配置することができる。インターフェイスが離れて配置されている場合、インターフェイスは、有線又は無線ネットワークを通して稼働手段と連絡することができる。インターフェイスが、互いに離れて配置された複数の圧送機構、即ちポンプを備える圧送システムのメンテナンス作業の要求を示すことができるように、複数の稼働手段と連絡するように構成されていてもよい。例えば、インターフェイスは、複数の異なる位置の真空ポンプのメンテナンス作業の要求を表示するように構成されていてもよく、従って、ポンプの一つの状態を復旧させるために、メンテナンス人員を適切な時期に派遣することができる。
【0036】
上述した圧送機構は、ターボ分子ポンプ、ブースタポンプ又は補助ポンプの何れかの一部をなすものであってもよい。変形として、一連のポンプの各々の圧送機構をモニタするようにしてもよい。一般に、ブースタポンプの圧送機構をモニタすることが好ましい。
【0037】
図7は、真空圧送システム48用のメンテナンス検出ユニット46を示す。システムは、真空圧送機構50と、真空圧送機構を駆動するためのモータ52とを備える。メンテナンスユニット46は、経時的にモータ52の特性をモニタすることにより真空圧送システム48の累積負荷を決定するための手段54を備える。ユニットは、さらに、累積負荷が予め決定された量を超えたときにシステムのメンテナンス作業を開始させるための手段56を備える。決定手段及び作動手段は、
図1乃至6を参照して上述したように構成される。メンテナンス検出ユニット46は、システムを復旧させるためのメンテナンス作業がシステムのモータのモニタされた特性に因って開始することができるように、一つ以上の既存の圧送システムに組み込まれる(即ち、レトロフィット)。
【0038】
典型的には、既存の圧送システムは、そこに組み込まれ、システムのモータの特性を決定し、又は出力することができるコントロールユニットを備える。この場合、メンテナンス検出ユニットは、前記決定手段が前記特性をモニタすることができるように、メンテナンス検出ユニットが制御ユニットと連係するのを可能にするためのインターフェイス(図示せず)を備える。
【0039】
図8には、真空圧送サブシステム62と、さらなるサブシステム64とを備えるシステム60を示す。
図8では、さらなる真空圧送サブシステムは、真空圧送サブシステムから排出されたガスを処理するための除害システム64である。
【0040】
本発明の他の実施形態では、更なるサブシステムは、例えば、処理チャンバ内の基板を冷却するための冷却器、又はシステムの更なるチャンバからガスを排気するための更なる真空圧送サブシステムを含む。後者に関して、第1真空圧送サブシステムは、ロードロックチャンバからガスを排気するために接続されており、第2真空圧送サブシステムは、処理チャンバからガスを排気するために接続されている。
【0041】
図8に示すように、真空圧送サブシステム62は、真空圧送機構66と、真空圧送機構を駆動するためのモータ68を備える。圧送装置60は、モータ68の特性をモニタすることによって真空圧送システム66の負荷を決定するための手段70を備える。制御手段72は、真空圧送機構66の決定された負荷に応じて除害システム64を制御する。制御手段72は、上述したように他のサブシステム、又は一つ以上のサブシステムの作動を制御するように構成されている。
【0042】
図8の実施形態では、電力は、真空圧送機構の負荷に比例するので、モニタされる特性は、真空圧送機構66を駆動するためにモータ68によって要求される電力である。
図10及び11を参照して以下でより詳細に説明するように、電力を決定するための決定手段70が、モータ68の電力をモニタするように決定手段70を構成するのが便利である。
【0043】
図8に示す例での負荷は、真空圧送機構66によって圧送される流体(ガス又は蒸気)の質量流量である。この場合、決定手段70は、真空圧送機構66によって圧送されている流体の質量流量を決定し、決定された質量流量の値を示す信号を制御手段72に出力するように構成されている。
【0044】
制御手段72は、決定手段70からの信号を受け取り、真空圧送システム62から排気されたガスの質量流量の値に応じて除害システム64を制御するように構成されている。
【0045】
除害システムは、排気ガスが有害である場合、又は排気することが大気にとって望ましくない、若しくは法律的に禁止されている場合に、排気ガスを処理することが要求される。真空圧送システムは、シリコンウェハー処理システムからガスを排出させ、排出されるガスは、例えば、CF
4、C
2F
6、又はF
2を含む。ガスは、複数の異なる方法によって処理され、一般的に、ガスの処理は、電力、水、酸素、メタン、又は他のガス、及び化学製品のような資源74を消費する。例えば、排気ガスを、メタン炎又は酸素炎で燃焼させ、又は熱分解させることができる。熱分解生成成分は、水で、許容される濃度である約3%に溶かされる。資源の消費は、費用を増やし、且つフッ素化水の除去は、除去すべき水の量に応じて費用を増す。
【0046】
除害システム64は、真空圧送システムから排気されたガスの質量流量を処理するのに十分な出力で作動する。ここで真空圧送システムが所定の化学的処理又は工業的処理に関連するガスを排気するとき、このような処理に先だって予想される質量流量を決定し、処理の間発生することが予想される最大予想質量流量を処理するのに十分な出力で除害システムを作動させる。除害システムは、処理を開始する前に一定時間、稼働させる必要があり、また、処理の終了後、一定時間経過後に非稼働にする必要がある。除害システムは、この時間の間、例えば、ガスの質量流量が予想最大量の70%である場合、又は処理中にガスが発生しない場合でも、真空圧送システムから実際排気されるガスの量に関わらず、全出力で作動する。従って、除害システムは、手動で稼働され又は非稼働とされる。さらに、除害システムは、発生するガスが予想最大質量流量未満であるときも、不必要なほど多くの資源を消費する。
【0047】
図8を参照して、決定手段70は、真空圧送システム62によって排気される質量流量を決定する。制御手段72は、決定された質量流量が予め決定された継続時間の閾値より小さい場合、除害システムが、除害システムによる資源の消費を減らすためにアイドルモードで作動するように、除害システムを制御するように構成されている。閾値は、好ましくは0又はほぼ0であり、継続時間は、処理が終了したと合理的に確実なときに除害システムがアイドルモードになるように好ましく設定される。好ましくは、除害システムは、処理サイクル時間の経過時間の少なくとも2倍の時間が経過したと判断したときに、アイドルモードにされる。
【0048】
ある構成では、制御手段72は、各々の複数の処理について、予想されるガスの最大質量流量を格納するためのメモリを備える。制御手段は、所定の処理の間の決定された質量流量が最大の場合、除害システムが最大質量流量のガスを処理するのに十分な出力で作動するように制御するように構成されている。制御手段は、決定されたガスの質量流量が、予想最大質量流量の100%未満である場合、除害システムが質量流量の減少割合に比例して減るような出力で作動するように構成されている。従って、ガスの質量流量が予想最大値の70%である場合、除害システムの出力は70%に減らされる。
【0049】
他の構成では、制御手段は、決定されたガスの質量流量を安全マージンで処理するために、要求されるよりも高い出力で除害システムを作動させるように構成されている。安全マージンは、5%若しくは10%、又は他の適当なマージンである。
【0050】
サブシステムが冷却器である場合、制御手段は、水又は循環する他の冷媒の量又は温度を制御する。サブシステムが真空圧送サブシステムである場合、制御手段は、サブシステムの作動を制御する。
【0051】
図9は、処理システム22を示す。処理システム22は、
図2を参照して上で詳細に説明されている。圧送装置80は、第1真空圧送サブシステム91と、第2真空圧送サブシステム90と、除害サブシステム92とを備える。第1真空圧送サブシステム91は、処理チャンバ24からガスを排気するための第1モータによって駆動される第1真空圧送機構82を備える。第2真空圧送サブシステム90は、搬送チャンバからガスを排気するための第2モータ88によって駆動される第2真空圧送機構86を備える。決定手段94は、第1モータ84又は第2モータの電力のような特性をモニタすることによって真空圧送サブシステム90の負荷を決定する。
【0052】
決定手段94は、
図2と共に上述した決定手段40と同様の方法で構成されている。しかしながら、決定手段40は、経時的に真空圧送システム20の累積負荷を決定するのに対して、決定手段90は、圧送サブシステム90及び/又はサブシステム91のリアルタイム負荷を決定する。
【0053】
従って、決定手段は、第1モータ及び/又は第2モータの何れかの特性をモニタすることにより、処理システムによって、いつウェハーが処理されているか、又はこれから処理されるのかを決定することができる。ウェハー処理サイクルの最初に搬送チャンバが排気されると、第2モータをモニタすることが、さらなるサブシステムの使用が必要になることの事前の警報をもたらす。例えば、搬送チャンバの真空排気の開始、及び処理ステージ28へのウェハーの搬送は、典型的に、処理及びシステム内の装置の構成に応じて時間の一部を奪う。従って、決定手段が、第2圧送機構が作動を開始したと決定したとき、制御手段96は、除害システムを作動させて、真空圧送システムからガスが排気されたときに除害システムが処理ガスを受け入れられるようにする。同様に、別の構成では、制御手段は、ステージ28を冷却するための冷却器の作動を開始させ、又は処理チャンバからガスを排気するためのサブシステム91の作動を開始させる。
【0054】
この方法により、除害システム92を、ガスを処理するため又はガスがサブシステム91から排気される間近であるときだけに稼働させることができる。決定手段は、モータ88の特性をモニタすることによって真空圧送システムから排気されるガスのリアルタイム質量流量を決定することができる。従って、除害システムは、アイドルモード又は作動モードで作動するように制御され、これにより、除害のために資源が必要とされるまで、資源を節約することができる。第2に、決定手段は、除害サブシステム92が過度に余分な資源を消費することなく排気されるガスを十分に処理することができる出力で作動するように、モータ84をモニタすることができる。
【0055】
図10は、時間(t)に対する、
図9に示す第1モータ84のコイルを流れる電流(I
m)のグラフを示す。ウェハーを処理するとき、処理ガスは、処理チャンバに導入され、真空圧送機構82によって排気される。処理ガスの排気は、機構82の負荷を増加させ、従って、モータ34の電流は増加する。負荷は、電流に比例するので、決定手段94は、モータ84の電流をモニタするための手段を備える。モニタされる特性が電流以外の特性である場合、決定手段40は、該他の特性をモニタするための手段を備える。
【0056】
制御手段96は、資源74を捨てることなく、真空圧送システム90から排気されたガスを処理できるように、第1モータ84のモニタされた電流に応じて除害システムを制御する。
【0057】
図11は、除害サブシステム92が100%又は75%で作動するように制御するための決定手段94及び制御手段96の一例を示す。
【0058】
図10に示すように、処理の間、モータ84の負荷、従ってモータの電流(I
m)は、増加する。決定手段94は、モータの電流を決定するための検出器を備える。検出器は、モータの電流を直接モニタし、又はモータの波長変換機に接続されている。検出器は、制御部96にI
mを出力する。制御部96は、電流コンパレータと、メモリ97とを備える。メモリは、
図10に示す、先の実験で決定された値「x」を格納する。この例では、電流I
m(即ち、真空サブシステム91の負荷)で決定され、これよりも大きいときは、除害システム92は、100%の容量で作動し、これよりも小さいときは、除害システムは、75%の容量で作動する。メモリは、除害システムを全出力の範囲(即ち0%から100%)で作動させるための基準として決定された複数の値を格納する。電流コンパレータは、実電流I
mと「x」を比較し、除害システムに制御信号(即ち、YESを示す二進法の「1」及びNOを示す二進法の「0」)を出力する。I
mが「x」よりも大きい場合、出力は、二進法の「1」であり、除害システムは、100%の出力で作動する。I
mが「x」未満である場合、出力は、二進法の「0」であり、除害システムは、75%で作動する。
【0059】
図12は、時間(t)に対する、
図9に示すモータ88のコイルを流れる電流(I
m)を示すグラフである。従って、
図12のI
mは、処理サイクルの最初にロードロック/搬送チャンバからガスを排気させた真空圧送サブシステム90の負荷に相当する。ウェハーが搬送チャンバ30に導入されたとき、チャンバは、真空圧送機構86によって真空排気される。搬送チャンバからのガスの排気は、機構36の負荷を増やし、従って、モータ38の電流は増加する。ウェハーを処理する処理ステップが、搬送チャンバ30へ圧送されたときに開始する。従って、決定手段94は、第2モータ88の電流をモニタするための電流モニタ手段を備え、制御手段は、ガスが真空圧送システム90から排気されたときにガスを処理できるように、処理が開始したときに除害システムを稼動させる。搬送チャンバ30から排気されたガスが除害システム92による処理が必要な場合、制御手段は、モニタされた第2モータ88の電流が閾値を超えたときに除害システムを稼動させる。
【0060】
図13は、除害サブシステム92のアイドル作動又は全出力の作動を制御するための決定手段94及び制御手段96の一例を示す。
【0061】
図12に示すように、搬送チャンバの真空排気が開始したときにモータ88の負荷、従って、モータの電流(I
m)が増加する。決定手段94は、モータの電流を検出するための検出器を備える。検出器は、モータの電流を直接モニタし、又はモータの波長変換機に接続される。この例の決定手段94は、クロック回路95と、モータ電流の変化率(dI
m/dt)を算出するプロセッサを備える。制御部96は、電流の変化率と、メモリ97からの入力値とを比較するためのコンパレータを備える。
図12に示すように、電流I
mの変化率は、真空サブシステム90が作動を開始して「x」のときに生じる。コンパレータは、dI
m/dtと、「x」を比較し、除害システム92に制御信号(即ち、全出力を示す二進法の「1」、及びアイドル状態を示す二進法の「0」)を出力する。dI
m/dtが、「x」よりも大きい場合、出力は、二進法の「1」であり、除害システムは、全出力、又は100%の出力で作動する。dI
m/dtが、「x」未満である場合、出力は、二進法の「0」であり、除害システムはアイドルモードで作動する。
【0062】
図14は、真空圧送システム102にレトロフィットすることができ、
図8乃至13を参照して上述したシステムと同様の制御ユニット100を示す。システムは、真空圧送サブシステム104と、真空圧送サブシステム104から排気されたガスを処理するための除害システム106とを備える。真空圧送サブシステムは、真空圧送機構108と、真空圧送機構108を作動させるためのモータ110を備える。制御ユニット100は、モータ110の特性をモニタすることにより真空圧送サブシステム104の負荷を決定するための手段を備える。ユニットは、さらに、モニタされた真空圧送サブシステムの負荷に応じて除害システム106を制御するための手段114を備える。決定手段112と制御手段114は、
図8乃至13を参照した上述の説明のように構成される。制御ユニット100は、モニタされたモータ110の特性に応じて、既存のシステムの除害システムを余分な資源74を捨てないように制御するように、一つ以上の既存の真空圧送装置に組み込むことができる。
【0063】
図1乃至7で説明した装置は、システムの累積負荷をモニタするのを可能にし、それに応じてシステムのメンテナンスを行うことを可能にする。
図8乃至14で説明した装置は、真空サブシステムの負荷をモニタするのを可能にし、それに応じて他のサブシステムを制御するのを可能にする。
図1乃至7で説明した決定手段及び稼働手段は、各々、
図8乃至14で説明した決定手段及び制御手段と一体にすることができる。このような一体化は、真空ポンプのモータの特性に応じてメンテナンスを稼働させ、且つサブシステムを制御する装置を提供する。