(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交流負荷が接続される電力系統に、複数の交直変換装置がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置にそれぞれ蓄電池が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セルが複数個直列に接続された蓄電池モジュールが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池の直流電力を前記各交直変換装置により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、
前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、
全ての前記蓄電池の残量から平均値を求め、これと前記蓄電池の残量それぞれとの減算により、前記蓄電池の残量補正用の充電可能列数をそれぞれ求める第1の演算手段と、
前記交直変換装置の最大充電電力のそれぞれを、前記第1の演算手段で求めた前記交直変換装置に対応する前記蓄電池の残量補正用の充電可能列数でそれぞれ除算することにより、前記各交直変換装置の1並列当たりの最大充電電力を求める第2の演算手段と、
前記第2の演算手段で求めた前記交直変換装置の1並列当たりの最大充電電力のうちの最小値に、前記第1の演算手段で求めた前記各蓄電池の残量補正用の充電可能列数の合計を掛け算してシステム最大充電電力を求める第3の演算手段と、
充電指示装置からの充電要求がある場合、前記第3の演算手段で求めたシステム最大充電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記充電指示装置からの充電要求値に、前記第1の演算手段で求めた前記蓄電池の残量補正用の充電可能列数をそれぞれ掛け算し、この掛け算結果を前記第1の演算手段で求めた前記各畜電池の残量補正用の充電可能列数の合計でそれぞれ除算することにより、それぞれの前記交直変換装置に求められる前記交直変換装置の充電指令値を、前記各交直変換装置に与える第4の演算手段と、
を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理することを特徴とする蓄電池の残量管理装置。
交流負荷が接続される電力系統に、複数の交直変換装置がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置にそれぞれ蓄電池が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セルが複数個直列に接続された蓄電池モジュールが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池の直流電力を前記各交直変換装置により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、
前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、
全ての前記蓄電池の残量から平均値を求め、これと前記蓄電池の残量それぞれとの加算により、前記蓄電池の残量補正用の放電可能列数をそれぞれ求める第5の演算手段と、
前記交直変換装置の最大放電電力のそれぞれを、前記第5の演算手段で求めた前記交直変換装置に対応する前記蓄電池の残量補正用の放電可能列数でそれぞれ除算することにより、前記各交直変換装置の1並列当たりの最大放電電力を求める第6の演算手段と、
前記第6の演算手段で求めた前記交直変換装置の1並列当たりの最大放電電力のうちの最小値に、前記第5の演算手段で求めた前記各蓄電池の残量補正用の放電可能列数の合計を掛け算してシステム最大放電電力を求める第7の演算手段と、
放電指示装置からの放電要求がある場合、前記第7の演算手段で求めたシステム最大放電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記放電指示装置からの放電要求値に、前記第5の演算手段で求めた前記蓄電池の残量補正用の放電可能列数をそれぞれ掛け算し、この掛け算結果を前記第5の演算手段で求めた前記各畜電池の残量補正用の放電可能列数の合計でそれぞれ除算することにより、それぞれの前記交直変換装置に求められる前記交直変換装置の放電指令値を、前記各交直変換装置に与える第8の演算手段と、
を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理することを特徴とする蓄電池の残量管理装置。
交流負荷が接続される電力系統に、複数の交直変換装置がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置にそれぞれ蓄電池が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セルが複数個直列に接続された蓄電池モジュールが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池の直流電力を前記各交直変換装置により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、
前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、
全ての前記蓄電池の残量から平均値を求め、前記平均値と前記蓄電池の残量それぞれとの減算により、前記交直変換装置に対応する前記蓄電池の残量補正用の充電可能列数をそれぞれ求めると共に、前記平均値と前記蓄電池の残量それぞれとの加算により、前記交直変換装置に対応する前記蓄電池の残量補正用の放電可能列数をそれぞれ求める第9の演算手段と、
前記交直変換装置の最大充電電力及び最大放電電力のそれぞれを、前記第9の演算手段で求めた前記充電可能列数及び前記放電可能列数でそれぞれ除算することにより、前記各交直変換装置の1並列当たりの最大充電電力及び最大放電電力を求める第10の演算手段と、
前記第10の演算手段で求めた前記交直変換装置の1並列当たりの最大充電電力及び最大放電電力のうちの最小値に、前記第9の演算手段で求めた前記充電可能列数及び前記放電可能列数の合計を掛け算してシステム最大充電電力及びシステム最大放電電力を求める第11の演算手段と、
充電指示装置からの充電要求がある場合、前記第11の演算手段で求めたシステム最大充電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記充電指示装置からの充電要求値に、前記第9の演算手段で求めた前記充電可能列数をそれぞれ掛け算し、この掛け算結果を前記第9の演算手段で求めた前記充電可能列数の合計でそれぞれ除算することにより、それぞれの前記交直変換装置に求められる前記交直変換装置の充電指令値を、前記各交直変換装置に与えるものであり、放電指示装置からの放電要求がある場合、前記第11の演算手段で求めたシステム最大放電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記放電指示装置からの放電要求値に、前記第9の演算手段で求めた前記放電可能列数をそれぞれ掛け算し、この掛け算結果を前記第9の演算手段で求めた前記放電可能列数の合計でそれぞれ除算することにより、それぞれの前記交直変換装置に求められる前記交直変換装置の放電指令値を、前記各交直変換装置に与える第12の演算手段と、
を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理することを特徴とする蓄電池の残量管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態の概略構成は、交流負荷が接続される電力系統(
図1の10)に、複数の交直変換装置1がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置1にそれぞれ蓄電池2が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セル2sが複数個直列に接続された蓄電池モジュール2mが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池2の直流電力を前記各交直変換装置1により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、前記全ての蓄電池の残量の平均値を求め、これと前記蓄電池のうちの特定の蓄電池残量との減算及び前記蓄電池のうちの特定の蓄電池残量との加算により前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の充電可能列数及び前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の放電可能列数を求める第9の演算手段と、前記交直変換装置の最大電力を、前記第9の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数及び前記第9の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計で除算することにより、前記交直変換装置の最大充電電力を求める第10の演算手段と、前記第10の演算手段で求めた前記交直変換装置の最大充電電力のうちの最小値に、前記第9の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数の合計及び前記第9の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計を掛け算してシステム最大充電電力を求める第11の演算手段と、充電指示装置からの充電要求及び放電指示装置からの放電要求がある場合、前記第11の演算手段で求めたシステム最大充電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記充電指示装置からの充電要求値及び前記放電指示装置からの放電要求値に、前記第9の演算手段で求めた前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の充電可能列数及び前記第9の演算手段で求めた前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の放電可能列数を掛け算し、この掛け算結果を前記第9の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数の合計及び前記第9の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計で除算することにより、求められる前記交直変換装置の充電指令値及び放電指令値を、前記各交直変換装置に与える第12の演算手段と、を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理する蓄電池の残量管理装置である。
【0011】
以下、本実施形態の蓄電池の残量管理装置5について具体的に説明するが、始めに
図1を参照して概略構成を説明する。本装置5は、後述する蓄電池2からの直流電力を交流電力に変換するPCS1と、蓄電池2の温度、過放電、過充電、SOC等を監視するバッテリーコントロールユニット(BMU)3と、後述する充放電指示装置4からの充放電要求値を受信する充放電量要求値受信部6と、BMU3から蓄電池2のSOC、および、後述する蓄電池を構成する蓄電池モジュール2mの並列数を受信する電池SOC/電池並列数受信部7と、前記充放電要求値に対して蓄電池2のSOC、および、蓄電池モジュール2mの並列数等の電池状態から各PCS1への充放電量を決定する充放電量演算部8と、充放電量演算部8の演算結果を各PCS1に対して充放電量を指令出力する充放電量出力部9を備えている。
【0012】
充放電指示装置4は、電力使用量、太陽電池・風力発電・蓄電池等による電力供給量、電力会社の買電量を監視、コントロールし、蓄電池2に対して、充放電の指示を出すものである。蓄電池2は、蓄電池2の最小単位である電池セル2sを複数直列に接続した蓄電池モジュール2mを複数個、ケース2c内に収納し、各蓄電池モジュール2mにヒューズ2fを介して並列接続したものであり、このような構成の蓄電池2を複数個備えて電力供給システムを構成する。BMU3は、複数電池モジュール2mからの温度、過放電、過充電、残量等の情報を集約し、外部に対して電池システムの情報を送信する装置である。
【0013】
以上述べた蓄電池2の残量管理装置5の動作を、
図2を用いて説明する。ステップ21では、電池SOC/蓄電池モジュール2mの並列数受信部7により各PCS1に接続された蓄電池2における蓄電池モジュールの並列数とSOCを取得する。ステップ22から24では、システム最大放電電力(システム最大充電電力)、および、SOC補正用の放電可能列数(充電可能列数)を求める。
【0014】
ステップ22は、各PCS1に対して自局SOCから平均SOCを差し引き、これをパラメータ例えば10で割り算し、この結果に各PCS1の蓄電池モジュールの並列数を足してSOC補正用の放電可能列数とする。更に、各PCS1に対して自局SOCから平均SOCを差し引き、これをパラメータ例えば10で割り算し、この結果を各PCS1の蓄電池モジュールの並列数から差し引いてSOC補正用の充電可能列数とする。この場合、SOC補正用の放電可能列数/SOC補正用の充電可能列数がマイナスとなる場合は、「0」とする。なお、平均SOCは、例えばBMU3において求められる既知の各蓄電池2のSOCの合計値を、蓄電池2の個数で割り算したものである。
【0015】
ステップ23は、各PCS1の最大放電電力を、ステップ22で求めたSOC補正用の放電可能列数(SOC補正用の充電可能列数)で割って、PCS1毎の1並列当り最大放電電力(最大充電電力)を求める。そして、PCS(n)最大電力を、SOC補正用の放電可能列数の合計で割って、PCS(n)最大放電電力を求める。更に、PCS(n)最大電力を、SOC補正用の充電可能列数の合計で割って、PCS(n)最大充電電力を求める。
【0016】
ステップ24では、ステップ23で求めたPCS(n)最大放電電力(PCS(n)最大充電電力)の最小値に、SOC補正用の放電可能列数の合計(SOC補正用の充電可能列数の合計)を掛けたものを、システム最大放電電力(システム最大充電電力)とする。
【0017】
ステップ25では、充放電指示装置4からの放電要求(充電要求)があるかどうか判断
し、放電要求(充電要求)がある場合にはステップ26に進む。なお、ステップ25において、充放電指示装置4からの放電要求(充電要求)がない場合にはステップ21に戻る。
【0018】
ステップ26では、充放電指示装置4からの充放電要求がシステム最大放電電力(システム最大充電電力)以下であるか判断し、システム最大放電電力(システム最大充電電力)以下でない場合には、ステップ27に進み、ステップ27では、充放電指示装置4からの放電要求値(充電要求値)をシステム最大放電値(システム最大充電値)とする。
【0019】
ステップ28では、各PCS1に対する放電指令値(充電指令値)を以下の演算により求める。ここで、放電の場合:放電要求値とPCS(n)のSOC補正用の放電可能列数を掛け算し、これを更にSOC補正用の放電可能列数合計で割り算して、PCS(n)の放電指令値を求める。また、充電の場合:充電要求値とPCS(n)のSOC補正用の充電可能列数を掛け算し、これを更にSOC補正用の充電可能列数合計で割り算して、PCS(n)の充電指令値を求める。
【0020】
ステップ29では、ステップ28で求めた放電指令値(充電指令値)を各PCS1へ出力し、ステップ21に戻る。
【0021】
以上の動作について、
図3〜
図9を参照して説明する。
【0022】
前述のステップ28の充放電指令値算出については、以下条件を満たす必要がある。
【0023】
(1)各PCS1の出力電力の合計が、充放電指示装置4からの充放電要求値に一致するように、各PCS1に対する出力値を決定する。
【0024】
(2)各PCS1に接続された蓄電池2の残容量が一定になるようにする。放電時、残容量の多い蓄電池2は基準値より多めに、残容量の少ない蓄電池2はより少なめに放電する必要がある。また、充電時、残容量の多い蓄電池2は基準値より少なめに、残容量の低い蓄電池2は基準値より多めに放電する必要がある。また、各PCS1に接続された蓄電池2の並列数が異なる場合は、並列数の少ないPCS1に対しては、より少ない充放電量とする必要がある。
【0025】
(3)各PCS1の出力電力は、最大出力電力を超えないようにする。
【0026】
(4)前述の条件(1)、(2)、(3)を同時に満たす出力値がない場合は、前述の条件(2)、(3)を満たす最大値に対して各PCS1に対する出力値を決定する。
【0027】
ここで、PCS1が例えば3台接続され、最大放電電力、放電可能接続列数が
図3に示すように、1500[kW]の放電要求があった場合、
蓄電池2の並列数に対して案分した形で各PCS1への出力値を求めると
PCS(1)=1500[kW]×3÷(3+5+6)=321.4⇒300[kW]が最大値なので出力できない。
【0028】
PCS(2)=1500[kW]×5÷(3+5+6)=535.7
PCS(3)=1500[kW]×6÷(3+5+6)=642.9⇒500[kW]が最大値なので出力できない。
【0029】
となるが、PCS(1)、PCS(3)の出力値が、最大放電電力を超えてしまうので、出力値として実現できない。
【0030】
そこで、まず、各PCS1で出力できる最大電力を求める。
【0031】
(5)
図4に示すように各PCS1の並列当たりの出力電力を各々求める。
【0032】
(6)PCS1毎に求めた1並列当たりの出力電力の最小値(上記例では83.33)に接続並列をかけた値がシステム最大電力となる。
【0033】
83.3333×(3+5+6)= 1166.7 [kW]
(7)放電要求に対する各PCS1への指令値を求める。
【0034】
前述の条件(1)、(2)、(3)を満たす出力値がないため、前述の条件(2)、(3)を満たす最大値である1166.7 [kW]が出力値合計となり、各PCS1への出力は、
PCS(1):250.0[kW] 1166.7×3÷(3+5+6)
PCS(2):416.67[kW] 1166.7×5÷(3+5+6)
PCS(3):500.0[kW] 1166.7×6÷(3+5+6)
となる。
【0035】
1166.7 [kW]を出力する場合の各PCS1の出力値は、
図5のようになる。
【0036】
次に、各PCS1のSOCにバラツキがあった場合を考える。
【0037】
放電時、残容量の多い蓄電池2は基準値より多めに、残容量の少ない蓄電池2はより少なめに放電する必要がある。また、充電時、残容量の多い蓄電池は基準値より少なめに、残容量の低い蓄電池装置2は基準値より多めに放電する必要がある。また、各PCS1に接続された蓄電池装置2の並列数が異なる場合は、並列数の少ないPCS(1)に対しては、より少ない充放電量とする必要がある。
【0038】
充電可能列数(放電可能列数)が大きければ、充放電量の割合も大きくなるので、
図6のようにSOCのバラツキ度合いを充電(放電)可能列数に案分し、SOCの調整を実施する。
【0039】
放電時は、
図7のように(自局SOC-平均SOC)/10を求め、各PCS1の蓄電池並列数に足してSOC補正用の放電可能列数とする。
【0040】
充電時は、
図7のように(自局SOC-平均SOC)/10を求め、各PCS1の蓄電池並列数から引いてSOC補正用の充電可能列数とする。
【0041】
なお、SOC補正用の放電可能列数/SOC補正用の充電可能列数がマイナスとなる場合は、0とする。
【0042】
図7のように、「蓄電池2の並列数」ではなく、「SOC補正用の放電可能列数」を用いて、前述と同様に最大電力を求める。
【0043】
(8)
図8のように各PCS1の最大放電電力を、前述のように求めた「SOC補正用の放電可能列数(SOC補正用の充電可能列数)」で割って、PCS毎の1並列当たりの最大放電出力電力(最大充電出力電力)を求める。
【0044】
(9)PCS1毎に求めた1並列当たりの出力電力の最小値(上記例では85.71)にSOC補正用の放電可能列数をかけた値がシステム最大電力となる。
【0045】
85.71×(3.5+5.0+5.5)= 1200 [kW]
(10)放電要求に対する各PCS1への指令値を求める。
【0046】
前述の条件(1)、(2)、(3)を満たす出力値がないため、前述の条件(2)、(3)を満たす最大値である1200[kW]が出力値合計となり、各PCS1への出力は、
PCS(1):300.0[kW] 1200×3.5÷(3.5+5.0+5.5)
PCS(2):428.57[kW] 1200×5.0÷(3.5+5.0+5.5)
PCS(3):471.4 [kW] 1200×5.5÷(3.5+5.0+5.5)
となる。
【0047】
1200[kW]を出力する場合の各PCS1の出力値は、
図9のように本演算をリアルタイムに行い各PCS1への出力値を決定する。
【0048】
以上述べた実施形態は、
図1に示すように、残量管理装置5は、蓄電池2の残量として充電量と放電量の両方を考慮したものであるが、蓄電池2の残量として充電量のみと、放電量のみを考慮したものであっても、同様に実施できる。
【0049】
具体的には、充電量のみの場合の構成は、交流負荷が接続される電力系統に、複数の交直変換装置がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置にそれぞれ蓄電池が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セルが複数個直列に接続された蓄電池モジュールが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池の直流電力を前記各交直変換装置により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、
前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、
前記全ての蓄電池の残量の平均値を求め、これと前記蓄電池のうちの特定の蓄電池残量との減算により前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の充電可能列数を求める第1の演算手段と、
前記交直変換装置の最大電力を、前記第1の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数の合計で除算することにより、前記交直変換装置の最大充電電力を求める第2の演算手段と、
前記第2の演算手段で求めた前記交直変換装置の最大充電電力のうちの最小値に、前記
第1の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数の合計を掛け算してシステム最大充電電力を求める第3の演算手段と、
充電指示装置からの充電要求がある場合、前記第3の演算手段で求めたシステム最大充電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記充電指示装置からの充電要求値に、前記第1の演算手段で求めた前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の充電可能列数を掛け算し、この掛け算結果を前記第1の演算手段で求めた残量補正用の充電可能列数の合計で除算することにより、求められる前記交直変換装置の充電指令値を、前記各交直変換装置に与える第4の演算手段と、
を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理する蓄電池の残量管理装置である。
【0050】
また、放電量のみの場合の構成は、交流負荷が接続される電力系統に、複数の交直変換装置がそれぞれ接続され、前記各交直変換装置にそれぞれ蓄電池が接続され、前記各蓄電池は最小単位の蓄電池セルが複数個直列に接続された蓄電池モジュールが複数組並列に接続されたものであり、前記各蓄電池の直流電力を前記各交直変換装置により交流電力に変換して前記交流負荷に供給するものにおいて、
前記各蓄電池の蓄電池モジュールの並列数と、現在の前記各蓄電池の残量を検出する検出手段と、
前記全ての蓄電池の残量の平均値を求め、これと前記蓄電池のうちの特定の蓄電池残量との加算により前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の放電可能列数を求める第5の演算手段と、
前記交直変換装置の最大電力を、前記第5の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計で除算することにより、前記交直変換装置の最大放電電力を求める第6の演算手段と、
前記第6の演算手段で求めた前記交直変換装置の最大放電電力のうちの最小値に、前記
第6の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計を掛け算してシステム最大放電電力を求める第7の演算手段と、
放電指示装置からの放電要求がある場合、前記第7の演算手段で求めたシステム最大放電電力以下であるかどうかを判断し、これを満足する場合には前記放電指示装置からの放電要求値に、前記第5の演算手段で求めた前記蓄電池モジュールのうちの残量補正用の放電可能列数を掛け算し、この掛け算結果を前記第6の演算手段で求めた残量補正用の放電可能列数の合計で除算することにより、求められる前記交直変換装置の放電指令値を、前記各交直変換装置に与える第8の演算手段と、
を備え、これにより前記各蓄電池の残量が同じ値になるように管理する蓄電池の残量管理装置である。
【0051】
以上述べた実施形態によれば、充電指令、放電指令、充放電指令のいずれかを受け、その指令に応じた量の充電、放電、充放電を行いながら、各PCSに接続された蓄電池のSOCが同じ値になるように管理する蓄電池の残量管理装置を得ることができる。