【課題を解決するための手段】
【0013】
開示された薬用モジュールは、単一の薬物送達システム内で複数の薬物化合物の複雑な組み合わせを可能にする。特に、ユーザーは、1つの単回投与量設定メカニズム及び単回投与インターフェースを介して、マルチ薬物化合物デバイスを設定し分配することができる。この単回投与量設定器は、デバイスのメカニズムを、個々の薬物化合物の所定の組み合わせが、薬剤の1つの単回投与量が設定され単回投与インターフェースを通して分配される場合に送達される様にコントロールすればよい。用語の薬物分配インターフェースは、本開示の文脈では、好ましくは、複数の薬剤が薬物送達システムを出て患者に送達されることを可能にするあらゆるタイプの出口である。好ましい実施態様では、単回の薬物分配インターフェースは、中空針カニューレを含む。
【0014】
個々の薬物化合物間の治療的関係を明確にすることによって、本送達デバイスは、患者/ユーザーが、デバイスを使用する度に適切な投与量の組み合わせを算出し設定しなければならない場合に、複数の入力に伴う特有のリスク無しに、マルチ薬物化合物デバイスから最適な治療の複合投与量を受領することを確実にするのに役立つ可能性がある。個々の薬剤の組み合わせは、好ましくは、少なくとも2つの異なる薬物作用物質を含み、そのなかで各薬剤は少なくとも1つの薬物作用物質を含む。薬剤は、流体であってもよく、本明細書では、流れることができ、力が作用した場合安定した比率で形が変わりその形態を変える傾向がある液体又は気体又は粉末として定義される。或いは、薬剤の1つは、担持された(carried)、可溶化された或いは別の流体薬剤と共に分配される固体であってもよい。
【0015】
1つの具体的な態様によると、本発明は、1つの入力及び関連する所定の治療プロファイルは、彼らがデバイスを使用する度に定められた投与量を計算する必要性を除くことができ、そして1つの入力が、組み合わせる化合物の設定及び分配を著しく容易にするので、特に器用さ又は計算力に問題を持つユーザーの利益になり得る。
【0016】
好ましい実施態様では、複数投与量のユーザー選択可能なデバイス内に含まれるインスリンの様な主要な又はマスター薬物化合物は、使い捨ての、ユーザー交換可能な、2次薬剤の単回投与量及び単回投与インターフェースを含むモジュールを用いて使用することができる。主デバイスに連結されると、主化合物の分配によって2次化合物が作動/送達される。本発明は、具体的な可能性のある2つの薬物併用として、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体、及びGLP−1又はGLP−1類似体について言及するが、鎮痛薬、ホルモン、β−アゴニスト又はコルチコステロイド、又は上述の薬物のあらゆる組み合わせは、本発明で使用できる。
【0017】
本発明のために、「インスリン」という用語は、ヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体を含むインスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体又はそれらの混合物を意味する。インスリン類似体の例は、制限なしに、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位のLysは、Proで代替されてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。インスリン誘導体の例は、制限なしに、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン;及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0018】
本明細書で使われる用語の「GLP−1」は、GLP−1、GLP−1類似体、又はそれらの混合物を意味し、制限すること無く、エキセナチド(エキセンジン−4(1−39):配列がH−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2のペプチド)、エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH
2)を含む。
【0019】
β−アゴニストの例は、制限無しに、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メタンスルホン酸ビトルテロール、サルメテロール、フォルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロールである。
【0020】
ホルモンは、例えば、脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストであり、例えばゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トレプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどである。
【0021】
具体的な実施態様において、本発明は、以下の問題を解決する。ユーザーは、送達デバイス上の主薬剤の投与量を30ユニットに設定する。或る設計実施態様では、主化合物は、例えば5つのユニットのボリュームを有するリザーバから2次薬剤を洗い流す又は押し出すために使用される。患者は、2次薬剤の5つのユニット全部を受領するけれども、5つのユニットの腫薬剤が2次リザーバに留まるため、設定した30個のユニットの主薬剤の内の25個のユニットしか受領しないことになる。従って、ユーザーが正確な投与量を設定したにも拘らず、患者は、主薬剤の全投与量を受領しておらず、そしてデバイスは、正確な投与量が送達されたという不正確な表示をすることになる。
【0022】
取り付け可能な薬用モジュールに入ったプレミックス2次薬剤を用いることにより、ユーザーは主薬剤の投与量をダイヤル又は設定することができ、そしてその混合物は既知の量の主薬剤を含んでいるので、この設定投与量が実際に送達されたことを知ることができる。ここで、2次薬剤は2次リザーバのボリュームと等しいボリュームの主薬剤に溶解させることができる。
【0023】
例えば、20μgの薬物Xを、0.1μg/1μLの濃度の薬物Yからなる薬物リザーバの溶液(溶媒)50μLに溶解(即ち、50μL中5μgの薬物Yに)するなら、次に薬物Yの主リザーバを収容する送達デバイス及び30μgの薬物Yの設定投与量(300μL)を作動することにより、300μLがそのまま50μLのプレミックス物を移動/置換するが、患者はそれでも設定投与量の30μgの薬物Y及び20μgの薬物Xを受領する。換言すれば、2次リザーバは投与量送達後も依然5μgの薬物Yを留置するが、この損失は、薬物Xを溶解するために使用した2次リザーバに最初に含まれた薬物Yの5μg(50μL)によって埋め合わせになる。
【0024】
別の問題は、主容器内での薬物希釈を回避する必要性に関する。いくつかの薬物の安全性及び有効性は、患者に投与される時の溶液中の薬物の濃度の影響を受けやすい。例えば、上記の例のように、主容器内の薬物Yは、0.1μg/mLの濃度で最適な安全性及び有効性プロフィールを有すればよい。もしこの濃度が薬物リザーバを通して送達されれば、リザーバ内の薬物Xの溶液によって希釈され、その安全性及び有効性が影響を受けるかも知れない。代りに、もし薬物リザーバが薬物X及び薬物Yのプレミックス物を(0.1μg/mLの濃度で)含むなら、薬物Yの希釈は起こらない。
【0025】
1つの実施態様では、本発明は薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールに関する。薬用モジュールは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含んでもよく、ここでその近位端は薬物送達デバイスに連結するように構成されている。具体的には、近位端は、薬物送達デバイスに連結するように構成されたコネクタを有してもよい。薬用モジュールは、プレミックス薬剤の少なくとも1回投与量が入ったリザーバを含む。リザーバは、薬剤の単回投与量だけを含んでもよい。プレミックス薬剤中の少なくとも1つの薬物作用物質は、薬物送達デバイスの主リザーバに含まれた薬物作用物質と同一又は相当物である。換言すれば、薬用モジュールは、少なくとも2つの異なる薬物作用物質を含むプレミックス薬剤を含んでいる。
【0026】
リザーバは、ハウジング内に設置されればよい。具体的には、ハウジングは、リザーバを規定する凹部を含んでもよい。さらなる実施態様では、リザーバは針の部分によって規定されてもよい。針は、ハウジングの内部に固定されてもよい。
【0027】
別の実施態様では、本発明は、薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールであって、近位端及び遠位端を有し、その近位端が第1の薬剤の主リザーバを格納する薬物送達デバイス(7)に取り付けられるように構成されたコネクタを有するハウジングを含む薬用モジュールに関する。薬物送達デバイスは、多投与量デバイスであってもよく、その中の主リザーバは複数投与量の第1の薬剤を含む。モジュールは、ハウジング内に固定された両頭針を有し、その針は2つの末端の間に2次リザーバを規定する拡大されたセクションを有する。2次リザーバは、第1の薬剤及び少なくとも1つの異なる薬剤のプレミックス物を含む第2の薬剤の単回投与量を含む。主針は、薬用モジュールが薬物送達デバイスに取り付けられたとき主リザーバと流体連通するように構成される。
【0028】
別の実施態様では、薬用モジュールは、近位端及び遠位端を有するハウジングを有し、その近位端は、第1の薬剤の複数投与量を含む主リザーバを有する薬物送達デバイスに取り付けられるように構成されたコネクタを有する。主針はハウジングの近位端のシール内に固定され、2次針はハウジングの遠位端のシール内に固定される。凹部は、2次針と流体連通している2次リザーバ及びシールを規定するハウジング内に位置する。凹部は、主リザーバの薬物作用物質の少なくとも1つと同じ薬物作用物質を含む第2の薬剤の単回投与量を含む。主針は、薬用モジュールが薬物送達デバイスに取り付けられたとき主リザーバと流体連通するように構成される。
【0029】
さらに別の実施態様では、薬用モジュールは、モジュール・ハウジングの内側の保持キャップ内に固定された主針及びハウジングの遠位端内に固定された2次針を有する。ハウジング内の保持キャップの真下に位置する凹部は、主針及び2次針と流体連通している2次リザーバを規定する。リザーバの内部は、主リザーバの薬物作用物質の内の少なくとも1つと同じ薬物作用物質を含む第2の薬剤の単回投与量を含む少なくとも1つのスパイラルマニホールドである。より好ましい実施態様では、2次リザーバは、複数のスパイラルマニホールドを積み重ねた配置で包含する。
【0030】
さらに別の実施態様は、主針がハウジングの近位端内に位置する保持キャップに固定された薬用モジュールを対象にする。2次針は、ハウジングの遠位端内に固定される。主針及び2次針と流体係合するように構成された上端及び下端シールを有する2次リザーバは、主リザーバ内の薬物作用物質の少なくとも1つと同じである薬物作用物質を含む第2の薬剤の単回投与量を含む。保持キャップは、2次リザーバを係合させる保持機能を有する。より好ましい実施態様では、薬用モジュールが薬物送達デバイスに取り付けられたとき、主針及び2次針はそれぞれ上端及び下端シールを穿孔する。好ましくは、2次リザーバは、個別の容器又はカプセルに無菌的にシールされる。保持キャップは、好ましくは、薬用モジュールが薬物送達デバイスに取り付けられたとき、軸方向に末端に向かって移動するように構成される。
【0031】
或る、薬物送達システムのプライミングが望ましい場合では、薬用モジュールは、薬剤が主リザーバから2次リザーバの周囲を流れ2次針から出ることを可能にするバイパスを有する。バイパスは、主リザーバから2次針に2次リザーバ/薬剤との伝達無しに薬剤を運ぶことができる、チャンネル、管、導管、溝、スロット又は他のあらゆる類似の通路の様な形状であってもよい。このようなバイパスの利点は、2次薬剤の如何なる量も放出させることなく、反復使用デバイスのプライミング並びに主針及び2次針両者のプライミングもできることである。この場合、プライミングの後、1次薬剤及び2次薬剤の両者の注射ができるように2次リザーバのシールが穿孔される。或いは、バイパス・チャンネルは、主薬剤だけを注射するために使ってもよい。バイパスの1つの好ましい構造は、薬剤を主リザーバからカプセル又は第2の薬剤を含む包含されたリザーバの周囲を流すことができるモジュール・ハウジング内のチャンネル又は溝である。
【0032】
さらに、別々のリザーバから少なくとも2つの薬剤を投与する方法が開示される。その方法は、少なくとも薬物作用物質を含む薬剤の主リザーバに機能的に連結した投与量ボタンを含むデバイス・ハウジングを含む薬物送達デバイスを供する(provide)工程、及び薬物送達デバイスに取り付けられるように構成された薬用モジュールを供する工程を含む。薬用モジュールは、薬物作用物質及び少なくとも第2の薬物作用物質を含むプレミックス薬剤の少なくとも1回投与量を含むリザーバを含む。リザーバは、薬剤の単回投与量だけを含めばよい。1例として、リザーバは、薬用モジュールのハウジング内に設置されればよい。モジュールは、そこに少なくとも1つの針を搭載している。投与量ボタンの単回の作動は、主リザーバからの薬剤及び少なくともプレミックス薬剤の1回投与量を、針を通して放出させる。
【0033】
さらに、1つの薬剤の固定投与量及び別のリザーバからの主薬剤すなわち第1の薬剤の(ユーザー設定可能な)可変投与量を分配する方法が開示され、それは単回投与量設定器を有する薬物送達デバイスの主リザーバに含まれる第1の薬剤の投与量の最初の設定工程に関与する。ユーザー設定可能な投与量とは、ユーザー(ユーザー又はヘルスケア提供者)が目的の投与量を設定するためにデバイスを物理的に操作できることを意味する。同様に、ユーザー設定可能な投与量は、無線通信(ブルートゥース、WiFi、衛星など)を使って遠隔に設定することができる、又は投与量は、治療上の処置アルゴリズムを実行した後、血中グルコースモニターのような別の集積型デバイスによって設定できる。次に、投与量ボタンが作動され、そしてそれが主リザーバから第1の薬剤の設定投与量を先端方向に移動させ、同時に薬用モジュールに含まれる2次リザーバから、前述したような、実質的にユーザー設定でないすべての投与量(例えば、単回投与量)のプレミックス薬剤を、単回投与インターフェース、好ましくは、中空注射針を通して押し出す。薬剤の送達の方法は、同時若しくは逐次的、又は両者の組み合わせでもよい。送達手順が完了すると、実質的にすべてのプレミックス薬剤は、第1の薬剤の設定された投与量と同様に、単回投与インターフェースを通して放出される。「実質的にすべて」は、少なくとも約80%の2次薬剤が薬物送達デバイスから放出される、好ましくは少なくとも約90%が放出されることを意味する。1つの配置では、好ましくは、少なくとも約80%が送達される。
【0034】
さらなる実施態様では、本発明は、少なくとも1つの薬物作用物質を含む薬剤の主リザーバを含み、単回投与インターフェースを通して作動可能な複数の薬剤を送達するための薬物送達システムを対象にする。投与量ボタンは、薬剤の主リザーバに対して機能的に連結される。単回投与インターフェースは、主リザーバ及び少なくとも1つの薬物作用物質を含む薬剤の2次リザーバと流体連通するように構成される。投与量ボタンの単回の作動は、主リザーバからの薬剤及び2次リザーバからの少なくとも1回投与量のプレミックス薬剤を、薬剤投与インターフェースを通して放出させる。薬物送達システムは、主リザーバに機能的に連結された単回投与量設定器を含むハウジングを含んでもよい。
【0035】
薬物送達システムの主リザーバは、2次リザーバと流体連通していればよい。ここで、投与量ボタンの作動は、薬剤を主リザーバから2次リザーバに流れ込ませ、それによって、2次リザーバからプレミックス薬剤を押し出す。
【0036】
さらに別の実施態様において、本発明は、2次プレミックス薬剤の格納容器が関連した主又はマスター送達デバイスへのアッタチメント用に設計された針アッセンブリ(薬用モジュール)内にある、薬物送達システムを対象にする。マスターデバイスの作動は、マスター送達デバイス内のリザーバに含まれる2次プレミックス薬剤及び主化合物の分配を作動させる。個別のユニットとして又は混合したユニットとしての化合物の組み合わせは、一体型の針を通して身体に送達される。これにより、ユーザーの見方では、現在入手可能な標準の針を使用するインジェクション・デバイスに非常に良く適合する様に出来た併用薬物注射システムが提供されるだろう。可能性のある1つの送達手順は、以下の工程を含む:
1.薬入り針の近位端が、主化合物と流体連通するように、薬入り針モジュールを、主インジェクション・デバイスの遠位端(例えば、主薬物化合物の3mLカートリッジを収容するカートリッジ・ホールダのネジ山付ハブ)に連結する。
2.主インジェクション・デバイスを、主化合物の目的の投与量を分配する用意が整うように、ダイヤル/設定する。
3. 薬入り針の遠位端を必要な注射部位に挿入する。いくつかの設計では、薬入り針の挿入は、2次化合物の送達を作動させることができる。
4. 投与量ボタンを作動させて第1化合物を投薬する。これはまた、自動的に第2化合物の分配を引き起こしてもよい。
5. 薬入り針モジュールを取り外し、廃棄する。
【0037】
本発明の薬用モジュールは、適合する適切なインターフェースを持つあらゆる薬物送達デバイス用として設計することができる。しかし、不適切な薬用モジュールを不適合インジェクション・デバイスに挿入することを防止するために、専用の又はコード化した機能を採用することによってその使用を1つの独占的な主薬物送達デバイスに限定するように、モジュールを設計することが好ましいかもしれない。場合によっては、薬用モジュールが1つの薬物送達デバイス(または、デバイスのファミリー)専用であり、その一方でそのデバイスに標準薬物分配インターフェースの連結もできることを確保することは、治療上及び安全性の観点から有益であり得る。これは、そのモジュールが連結される場合ユーザーが併用療法を送達することが可能になるだろうが、それ以外に、投与量分割又は主化合物を追加するような、だがそれらに限定されない状況において、2次化合物の二重投与の潜在的リスクを防ぐような方法で、主化合物を単独に標準の薬物分配インターフェースを通して送達することも可能にし得る。本発明の際立った利点は、プレミックス薬剤は、正確な投与量情報をユーザーに示すために、配合した又は非配合の投与量が分配されているかどうかを知るための主デバイスの複雑な投与量分配計算システムの必要性を無くすることである。
【0038】
本開示のプレミックス薬剤のさらなる特有の利点は、必要な場合、特に特定の医薬品について調節期間が必要な場合、それで投薬計画を調整することが可能になることであり得る。薬用モジュールは、供給された薬用モジュールを特定の順序で使用するように指示してユーザーが調節を容易にできるように、明らかに差別化した外観、例えば、限定されない、外観の美観デザイン又はグラフィックス、付番などを付けた多数の調節レベルで供給されてもよい。或いは、処方医師が患者に多数の「レベル1」調節薬用モジュールを与え、次にこれらが終了したとき、医師は次の濃度を処方する。この調節プログラムの重要な利点は、主デバイスが最初から最後まで一定の状態のままであることである。
【0039】
薬物送達デバイスは、好ましくは、少なくとも1つの薬物作用物質を含む薬剤のリザーバ、投与量設定器、投与量ボタン、及び送達メカニズムを含む。投与量ボタンは、主リザーバに機能的に連結される。投与量設定器は、主リザーバに機能的に連結される。送達メカニズムは、どのような種類でもよく、例えば、駆動メカニズムは回転可能なピストン・ロッド、好ましくは、2つの相異なるネジを持つ回転可能なピストン・ロッドを使用すればよい。
【0040】
本発明の好ましい実施態様では、主薬物送達デバイスは1回以上使用される、それ故、反復使用である。そのようなデバイスは、主薬物化合物の交換可能なリザーバを有しても、有さなくてもよいが、本発明は等しく両者のシナリオに適用することができる。標準の薬物送達デバイスを用いて一回限りの特別な薬物療法として、既に患者に処方することができた様々な疾患のための一式の異なる薬用モジュールを得ることも可能である。万一ユーザーが以前使用した薬用モジュールの再使用を試みるなら、本発明はこの状況をユーザーに警告できる機能を含めることができるだろう。ユーザーに警告するそのような手段としては、以下のいくつか(又はすべて)が挙げられる:
1.一度モジュールを使いそして除去したメイン薬物送達デバイスに、薬用モジュールの再装着の物理的防止。
2.使用された薬物分配インターフェースの患者への挿入の物理的防止(例えば、単回使用針受け形式の配置)。
3.一度使用された薬物分配インターフェースを経由したその後の液体流の物理的/水力学的な防止。
4.主薬物送達デバイスの投与量設定器及び/又は投与量ボタンの物理的な施錠。
5.可視的な警告(例えば、一度挿入及び/又は液体流が起こったモジュールの表示ウィンドウに色の変化及び/又は警告の文/表示文字(indicia))。
6.触覚性フィードバック(使用後、モジュールハブの外側表面の触覚性機能の有無)。
【0041】
この実施態様のさらなる特徴は、両薬剤が単回の注射針を経由し、そして単回の注射工程で送達されることであり得る。これは、2つの別の注射を投与することに比べると、ユーザー工程の減少の観点で、ユーザーに対して便利な利点を提供する。この便益はまた、特に、注射が不快であると思うユーザー、又は計算力又は器用さに問題があるユーザーに、処方された治療遵守の改善をもたらすことができる。
【0042】
本発明はまた、別々のパッケージに保存される2つの薬剤を送達する方法を対象とする。好ましくは、薬剤は両者とも液体であっても、あるいは、1つ又はそれ以上の薬剤は、懸濁液又はスラリーであってもよい。最も好ましくは、第1のパッケージ又はリザーバはインスリンを含有し、第2のパッケージはインスリン及びプログルカゴン遺伝子の転写産物由来のグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)を含むプレミックス物を含む。
【0043】
本発明の様々な態様の、これら並びに他の利点は、添付の図面を適切に参照し、以下の詳細な説明を読むことによって当業者には明白になる。
【0044】
本発明の範囲は、クレームの内容によって定義される。本発明は、特定の実施態様に限定されないが、違う実施態様の要素のいかなる組合せも含む。さらに、本発明は、クレームのあらゆる組み合わせ及びクレームによって開示される特徴のあらゆる組み合わせを含む。
【0045】
例示的な実施態様は、本明細書では図面を参照して説明される。