(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る吐水器具について説明する。
吐水器具は、家庭園芸用散水ノズルや浴室用シャワーヘッド等のように、内部に水が通過する流路を形成し、この流路の先端に水を吐出する散水口を形成して、任意の場所へ散水できるようにした器具である。
【0017】
吐水器具の例として、第一実施形態に係る散水ノズル1について説明する。
図1に示すように、散水ノズル1は、内部に水の流路2を形成し、流路2の先端に散水口3を形成したボディ4に、止水弁を具備してなる。
ボディ4は、把持部5と、頭部6と、散水板7とからなる。
図2、
図3に示すように、止水弁は、弁軸8と、止水ボタン9と、吐水ボタン10と、2つのOリング11、11とを組み立ててなり、把持部5の流路2中に操作可能に配置される。
【0018】
図1(b)(c)に示すように、把持部5と止水弁との間には水漏れ防止用の円筒状のシール部材12が配置され、把持部5と頭部6との間にも水漏れ防止用のOリング13が配置される。
シール部材12の材料には、各種の樹脂およびゴムを使用することができるが、耐塩素性に優れたEPDM(エチレン−プロピレンゴム)が好ましい。
【0019】
把持部5は筒状の部材であって、上流端にホース等と接続する接続部を形成し、下流端に頭部6と接続する接続筒部14を形成している。
また、把持部5の下流端の近傍には、流路2に交差する弁収納筒15を形成している。弁収納筒15は、把持部5を腹部から背部へと上下に貫通している。
【0020】
頭部6は、把持部5の接続筒部14に外嵌するとともに、下流にドーム状のドーム部16を有する部材であって、ドーム部16の先端は開放されて、散水板7を取り付けることができるようになっている。
散水板7は、頭部6の下部を覆う大きさの円板状の底面を有する筒状に形成され、頭部の外周にネジ結合によって取り付けられる。
【0021】
散水ノズル1には、吐水状態と止水状態とを切り換えることができる止水弁が設けられている。
図3に示すように、止水弁の弁軸8は円筒状に形成された部材であって、内部を径方向に貫通する弁軸内流路17を有する。弁軸8を弁収納筒15にスライド可能に収容すると、弁軸内流路17はボディ4の流路2に略平行に向けられる。
弁軸8の外周面では、弁軸内流路17の上下に、水漏れ防止用のOリング11、11を取り付ける溝が刻設されている。
【0022】
上側のOリング11、11の取付位置の上方には、弁軸8の周面の周上2箇所にボタン掛け孔18、18を開口している。
また、下側のOリング11、11の取付位置の下方にも、弁軸8の周面の周上2箇所にボタン掛け孔18、18を開口している。
ボタン掛け孔18は、周面を貫通するように穿設されているが、内周面に設けられた溝または窪みとして形成されてもよい。
【0023】
弁軸8の材料には、プラスチック、金属、ゴムやエラストマー等の弾性体を使用することができる。
この中では、軽量で扱いやすく、錆びにくく、壊れにくく、成形や加工をしやすいことからプラスチックまたは弾性体を使用することが好ましい。
この中でも、原料や生産コストが安価であるプラスチックを使用することが特に好ましい。
プラスチックの中でも、汎用性が高い熱可塑性プラスチックが好ましく、表面の仕上がりが良くシール性を高められるABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)が特に好ましい。
第一実施形態の弁軸8には、ABS樹脂を使用した。
【0024】
止水ボタン9は、ボタン本体19とボタンカバー27とからなり、弁軸8の下端部に取り付けられる。
図2、
図3に示すように、ボタン本体19は、弁収納筒15に外接できる内径を有する外筒部20と、この外筒部20内に配置され弁軸8に内接できる4本の連結部21とを有し、外筒部20と連結部21との間を底板部22で一体に接続している。
【0025】
それぞれの連結部21の先端には、弁軸8のボタン掛け孔18に掛かって返しとして働く第一爪部23が形成されている。第一爪部23の先端側の側面は斜面に形成されて弁軸8の内面に当接して弾性変形しながら進入できるようになっている。第一爪部23の根元側の側面は引き抜き方向に対して垂直な面に形成され、ボタン掛け孔18のふちに係止して抜け止めされるようになっている。
第一爪部23がボタン掛け孔18に係止されると、弁軸8とボタン本体19とが互いに回転しないように固定される。
【0026】
それぞれの連結部21の根元(底板側)の径方向内側には、ボタンカバー27を取り付けたときに返しとして働く第二爪部24が形成されている。第二爪部24の根元側の側面は斜面に形成されて弾性変形しながらボタンカバーを受け入れるようになっている。第二爪部24の先端側の側面は引き抜き方向に対して垂直に形成され、ボタンカバー27に係止して抜け止めされるようになっている。
【0027】
ボタン本体19およびボタンカバー27は、金型に材料を流し込んで成形される。
複雑な形状の第一爪部23を成形するため、底板部22には、それぞれの連結部21の根元の位置に金型を引き抜く金型孔25を形成している。
また、複雑な形状の第二爪部24を成形するため、底板部22の中心にも金型を引き抜く中心孔26を形成している。この中心孔26は、ボタンカバー27を取り付ける際にも使用される。
【0028】
図2、
図3に示すように、ボタンカバー27は、ボタン本体19の底板部22を覆う形状の円板状の板材に形成され、中心から取付柱28が立設されている。
取付柱28は、ボタン本体19の2本の連結部21、21の間に配置される直径に形成され、中心孔26からボタン本体19に進入する。この取付柱28にも、先端側の斜面と基端側の垂直面とからなる返し29が形成され、ボタン本体19の第二爪部24と係止して抜け止めされるようになっている。
ボタンカバー27の上面には、窪み32が形成される。ボタンカバー27の金型成形の際に、材料は、金型の窪み32の位置にあるゲートから流し込まれる。脱型時にゲート残り(ボタンカバー27に残る凸形状)が生じても、窪み32があることによってゲート残りがボタンカバー27の上面からはみ出ることがない。
【0029】
吐水ボタン10は、ボタン本体19とボタンカバー27とからなり、弁軸8の上端部に取り付けられる。
吐水ボタン10のボタン本体19は止水ボタン9のボタン本体19と同じものであり、吐水ボタン10のボタンカバー27も止水ボタン9のボタンカバー27と同じものである。
【0030】
ボタン本体19およびボタンカバー27の材料には、プラスチック、金属、ゴムやエラストマー等の弾性体を使用することができる。
この中では、軽量で扱いやすく、錆びにくく、壊れにくく、成形や加工をしやすいことからプラスチックまたは弾性体を使用することが好ましい。
この中でも、原料や生産コストが安価であるプラスチックを使用することが特に好ましい。
また、プラスチックの中でも汎用性が高い熱可塑性プラスチックが好ましく、その中でもABS樹脂は外観が良く、PP(ポリプロピレン)は洗剤等への耐薬品性が高い。また、POM(ポリアセタール)は強度が高い。
第一実施形態のボタン本体19およびボタンカバー27には、PPを使用した。
【0031】
止水ボタン9および吐水ボタン10の直径は、8〜40mmとするのが好ましい。
直径を8mm未満にすると、ボタン本体19およびボタンカバー27が肉薄になり、強度が不足する。直径を10mm以上とするのがより好ましく、12mm以上とするのが特に好ましい。
直径を40mmよりも大きくすると、止水弁が大型化して扱いにくく、また、材料コストが不必要に増加してしまう。直径を35mm以下とするのがより好ましく、25mm以下とするのが特に好ましい。
第一実施形態では、材料にプラスチックを用いたことから、強度を確保した上で最小となる20mmとした。
【0032】
止水弁の上下方向長さ、すなわち、止水ボタン9のボタンカバー27の下端から吐水ボタン10のボタンカバー27の上端までの長さは、30〜70mmとするのが好ましい。
長さを30mm未満にすると、流路2を開閉するための弁軸8のスライド量が小さくなりすぎ、流路2を確実に開閉することができなくなるか、弁軸内流路17を小さくせざるをえず、流量が低下してしまう。長さを35mm以上とするのがより好ましく、45mm以上とするのが特に好ましい。
長さを70mmよりも大きくすると、長すぎて止水ボタン9または吐水ボタン10に指をかけにくくなってしまう。長さを65mm以下とするのがより好ましく、60mm以下とするのが特に好ましい。
第一実施形態では、流路2を開閉するのに必要な弁軸8のスライド量を考慮し、長さを52mmとした。
【0033】
第一爪部23が連結部21から径方向に突出する突出量B(
図2(b)参照)は、0.5〜2.0mmとするのが好ましい。
突出量Bを0.5mm未満にすると、衝撃や温度変化による変形、部品の設定寸法と実寸のギャップなどの外的要因によって、使用者の意思に反してボタン掛け孔18から外れやすくなってしまう。突出量Bを0.6mm以上とするのがより好ましく、0.7mm以上とするのが特に好ましい。
突出量Bを2.0mmよりも大きくすると、弁軸8への取り付け時または取り外し時に必要な弾性変形量が大きくなり、材料によっては破損するおそれがある。突出量Bを1.5mm以下とするのがより好ましく、1.2mm以下とするのが特に好ましい。
第一実施形態では、突出量Bを0.8mmとした。
【0034】
図2(b)に示すように、上記の第一爪部23の突出量Bと、連結部21の第一爪部23以外の部分から外筒部20への距離Aとの比率は、A>Bとする必要がある。また、第一爪部23を成形する際に金型孔25から上に引き抜かれる金型とボタン本体19の下に引き抜かれる金型との合わせ面にバリが発生しないように、合わせ面をテーパ形状に形成し、各金型の径方向の厚み(強度)を確保するため、A>B×1.5とするのが好ましい。さらに、外筒部20と連結部21との間に弁収納筒15および弁軸8を挟むスペースを確保することから、A>B×4.65とするのがより好ましい。
第一実施形態では、A>B×4.65となるように設定した。
【0035】
第一爪部23は、周上1箇所以上の複数箇所に設けることが好ましく、特に等間隔、等角度配置で2箇所以上に設けることが好ましい。また、第一爪部23を9箇所よりも多く設けると形状が複雑で金型加工が困難になるため8箇所以下にするのが好ましく、6箇所以下にするのが特に好ましい。第一実施形態では、4本の連結部21のうち等間隔、等角度配置で2箇所に第一爪部23を設けた。
第二爪部24は、周上1箇所以上の複数箇所に設けることが好ましく、特に、全周に亘って設けるか、等間隔、等角度配置で2箇所以上に設けることが好ましい。また、第二爪部24を9箇所よりも多く設けると形状が複雑で金型加工が困難になるため8箇所以下にするのが好ましく、6箇所以下にするのが特に好ましい。第一実施形態では、第二爪部24を連結部21の内面の全周に亘って設けた。
【0036】
この散水ノズル1を組み立てるには、まず把持部5の接続筒部14からシール部材12を弁収納筒15の上流まで挿入し、次にOリング11、11を取り付けた弁軸8を弁収納筒15に収容して上下から止水ボタン9および吐水ボタン10を取り付けて止水弁を形成する。
弁軸8に止水ボタン9および吐水ボタン10を取り付けるには、まず、弁軸8のボタン掛け孔18にボタン本体19の第一爪部23を係止して、弁軸8にボタン本体19を取り付ける。次いで、ボタン本体19の中心孔26にボタンカバー27の取付柱28を進入させ、第二爪部24と返し29とを係止させ、ボタンカバー27をボタン本体19に取り付ける。
次いで、把持部5の接続筒部14にOリング13を取り付けて、頭部6に接続する。
最後に、散水板7を頭部6に取り付ける。
【0037】
このシャワー装置では、
図1(b)に示すように、背部の吐水ボタン10を押し込むと、把持部5の流路2に弁軸内流路17が合致し、散水口3から吐水を行うことができる。
また、
図1(c)に示すように、下側の止水ボタン9を押し込むと、弁軸内流路17が流路2から相違して、散水口3からの吐水を止めることができる。
止水弁の可動範囲は、止水ボタン9および吐水ボタン10のボタン本体19の底板部22が弁収納筒15に当接することによって制限され、止水弁がボディ4から外れることはない。
【0038】
第一実施形態の散水ノズル1では、第一爪部23とボタン掛け孔18との係止によって弁軸8とボタン本体19とを強固に取り付け、第二爪部24と取付柱28の返し29との係止によってボタン本体19とボタンカバー27とを強固に取り付けることができる。
このような抜け止めを達成するためには第一爪部23の径方向の突出量B(
図2(b))を所定の値以上にする必要があるが、第一実施形態では、金型孔25を設けて金型ないし第一爪部23の形状の自由度を向上させるとともに、ボタン本体19の金型孔25や中心孔26をボタンカバー27によって覆い隠すことができるため、止水弁の意匠性を向上させることができる。
【0039】
さらに、第一爪部23とボタン掛け孔18との抜け止めは、第一爪部23が径方向に弾性変形することによって解除し、ボタン本体19を弁軸8から取り外すことができるスナップフィットとなっている。
取付柱28と第二爪部24との抜け止めも、第二爪部24が径方向に弾性変形することによって解除することができるスナップフィットとなっている。
これにより、止水ボタン9および吐水ボタン10を弁軸8に強固に取り付けることができるとともに、ボタンカバー27を強く引っ張るとボタン本体19から取り外すことができ、次いでボタン本体19を強く引っ張ると弁軸8から取り外すことができる。
このように止水弁を分解可能としたことにより、弁軸内流路17などの止水弁内部を清掃することができる。また、止水弁の各部品が壊れたときにも容易に交換をすることができる。
【0040】
ボタン本体19とボタンカバー27との固定手段は、スナップフィットのほかに、接着、圧入、補助部材(樹脂や弾性体)を使用した圧入、L字状の溝と突起による嵌め込み、ネジ結合等を採用してよい。
この中では、スナップフィットやL字状の溝と突起による嵌め込み、ネジ結合などの着脱自在な固定手段を採用した場合には、弁軸内流路17などの止水弁内部を清掃することができる。
また、スナップフィットや圧入を採用した場合には、部品点数が少なく、安価な材料を用いることができるためコストを削減することができるとともに、組み立ても容易になる。特にスナップフィットは、固定強度を優れる。
【0041】
第一実施形態では、止水ボタン9および吐水ボタン10は、平面視で円形に形成されている。
平面視における止水ボタン9および吐水ボタン10の形状は、円形、多角形、台形、複数の直線を組み合わせた形状、複数の曲線を組み合わせた形状、直線と曲線とを組み合わせた形状など、あらゆる平面形状にすることができ、金型による製造の容易性や意匠性によって決定してよい。
多角形等の形状にした場合には、ボタン本体19および弁軸8がボディ4に対して回転できないため、弁軸内流路17が回転しないようにすることができ、また、組み立て時に正しい角度を目視で確認しやすくなる。
また、弁軸8を正しい組み立て方向から周方向に180度回転させても問題なく取り付けられるため、止水ボタン9および吐水ボタン10を180度回転させても対称な正多角形にした場合には、止水弁全体をボディ4に対して180度回転させても取り付けることができるようになり、組み立て方向の制限が緩和される。
また、第一実施形態のように円形にした場合には、ボディ4における止水ボタン9および吐水ボタン10の取付スペースを最小化することができる。
【0042】
なお、第一実施形態のボタン本体19およびボタンカバー27は、弁収納筒15の下端を塞ぎ、弁軸8に吐水ボタン10(操作ボタン)だけを取り付けて、吐水ボタン10の押し引きによって流路2を開閉する変形例や、吐水ボタン10(操作ボタン)の操作に連動して弁軸8が周方向に回転することで流路2を開閉する変形例に採用しても、上記の効果を奏することができる。
【0043】
<第二実施形態>
第二実施形態の散水ノズル1は、
図4に示すように、第一実施形態に比べて、ボタンカバー27の取付柱28をより長く形成し、第二爪部24が第一爪部23の近くに形成されたことを特徴とする。
このため、ボタンカバー27をボタン本体19に取り付けると、返し29がちょうど2つの第一爪部23の間に配置される。
その他の構成は、第一実施形態と同様である。
【0044】
第二実施形態でも、第一爪部23が径方向に弾性変形することによって、第一爪部23とボタン掛け孔18との抜け止めを解除し、ボタン本体19を弁軸8から取り外すことができるスナップフィットとなっている。
しかし、ボタンカバー27の返し29が2つの第一爪部23の間で第二爪部24と係止することにより、第一爪部23の径方向の弾性変形を阻止する。このため、落下等の衝撃で第一爪部23とボタン掛け孔18との係止が解除されてしまうことがなく、止水ボタン9および吐水ボタン10を弁軸8に強固に取り付けることができる。
【0045】
第二実施形態では、第一爪部23の径方向の突出量Bが小さかったり連結部21が内側に傾いていたりして、第一爪部23とボタン掛け孔18との係止が弱い場合にも、ボタンカバー27を取り付ければ、取付柱28(返し29)が連結部21を径方向に押し出して支持することによって第一爪部23をボタン掛け孔18に強固に係止させることができる。
そのため、第二実施形態では、第一爪部23が連結部21から径方向に突出する突出量B(
図2(b)参照)を0.1mm程度にしても、ボタン掛け孔18に強固に係止させることができる。
【0046】
第二実施形態では、突出量Bを0.1〜2.0mmにするのが好ましい。
突出量Bを0.1mm未満にすると、係止が弱くなりすぎて、外的要因によって外れやすくなってしまう。突出量Bを0.2mm以上とするのがより好ましく、0.3mm以上とするのが特に好ましい。
突出量Bを2.0mmよりも大きくすると、弁軸への取り付け時または取り外し時に、必要な弾性変形量が大きくなり、材料によっては破損するおそれがある。突出量Bを1.5mm以下とするのがより好ましく、1.2mm以下とするのが特に好ましい。
第二実施形態では、第一実施形態と同じ0.8mmとした。
【0047】
連結部21の上部が薄手に形成されていることにより、第二爪部24が径方向に弾性変形することができるため、第二実施形態でも、ボタンカバー27を強く引っ張るとボタン本体19から取り外すことができ、次いでボタン本体19を強く引っ張ると弁軸8から取り外すことができる。
【0048】
<第三実施形態>
第三実施形態は、第一実施形態または第二実施形態の散水ノズル1において、
図5に示すように、止水ボタン9と吐水ボタン10との少なくとも一方に表示30を設けて、止水ボタンと吐水ボタンとを視覚的に区別できるようにしたことを特徴とする。
図5(a)に示すように、止水ボタン9のボタンカバー27の外面には、二重丸状の溝からなる表示30が刻設されている。
図5(b)に示すように、吐水ボタン10のボタンカバー27は平坦に形成されている。
表示30は、突起、刻印、印刷その他あらゆる表示30を採用してよい。
また、止水ボタン9と吐水ボタン10との双方に、それぞれ異なる表示を設けて区別できるようにしてもよい。
【0049】
第三実施形態では、止水ボタン9と吐水ボタン10との少なくとも一方に表示を設けて視覚的に区別できるようにしたことにより、
図5に示すように頭部6に傾きがなく上下(腹部と背部)対称な形状の散水ノズル1であっても、使用者が止水ボタン9と吐水ボタン10とを区別することができる。
【0050】
<第四実施形態>
図6に示すように、第四実施形態にかかる浴室用シャワーヘッド31は、内部に水の流路2を形成し、流路2の先端に散水口3を形成したボディ4を有し、このボディ4に第一実施形態または第二実施形態の止水弁を具備している。
ボディ4は、把持部5と頭部6とを接続し、散水口3を有する散水板7を頭部に取り付けてなる。
把持部5には、流路2に交差する弁収納筒15が形成され、この弁収納筒15に止水弁の弁軸8がスライド可能に収容される。
【0051】
第四実施形態の止水弁には、第一実施形態または第二実施形態の止水弁と同じものを用いる。
よって、止水ボタン9および吐水ボタン10は、ボタン本体19とボタンカバー27とを組み立てて形成される。
このように、本発明の止水弁は、散水ノズル、シャワーヘッド、およびその他の吐水器具に広く採用することができる。