(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
保護シートと被保護シートとを含む積層シートが巻き付けられた原反から積層シートを繰り出し、その繰り出された積層シートの保護シートを分離して被保護シートを供給するシート供給装置であって、
原反から積層シートを繰り出す繰出機構と、
前記繰出機構から繰り出された積層シートの保護シートを巻き取る巻取機構とを備え、
前記繰出機構は、複数の原反を支持することが可能であり、繰出位置の原反から積層シートを繰り出すように構成され、かつ、原反の交換時に、前記繰出位置の原反を退避位置に退避させるとともに、前記繰出位置に新しい原反を供給し、前記退避位置の原反から繰り出される積層シートを切断して前記繰出位置の新しい原反に接続するように構成され、
前記巻取機構は、複数の巻取軸を支持することが可能であり、巻取位置の巻取軸により保護シートを巻き取るように構成され、かつ、原反の交換時に、その巻取軸により切断された積層シートの保護シートを巻き取り、前記繰出位置の新しい原反からの積層シートの保護シートを巻付位置の新しい巻取軸に巻き付けるように構成されていることを特徴とするシート供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
−構成−
まず、
図1および
図2を参照して、本実施形態によるシート供給装置100の構成について説明する。このシート供給装置100は、原反150から積層シート151を繰り出し、その繰り出された積層シート151の保護シート153を分離して被保護シート152を下流側の処理装置(図示省略)などに供給するように構成されている。なお、
図1のシート供給装置100において、Y2方向側が上流側であり、Y1方向側が下流側である。
【0017】
シート供給装置100は、
図1に示すように、原反150から積層シート151を繰り出す繰出機構1と、積層シート151が供給されるピンチローラ対2と、ピンチローラ対2で分離された被保護シート152を下流側に案内するガイドローラ31〜34と、ピンチローラ対2で分離された保護シート153を巻き取る巻取機構4とを備えている。
【0018】
また、シート供給装置100では、繰出機構1とピンチローラ対2との間にガイドローラ51〜54が設けられ、ピンチローラ対2と巻取機構4との間にガイドローラ61が設けられている。
【0019】
ここで、原反150は、
図2に示すように、被保護シート152と保護シート153とを含む積層シート151が巻き付けられることにより形成されている。積層シート151は、たとえば2層シートであり、保護シート153が被保護シート152に対して径方向における外側に配置されている。この積層シート151は、幅広の帯状シートであり、たとえば1500mmの幅を有する。被保護シート152は、たとえば機能性シートであり、保護シート153は、被保護シート152の表面を保護するための合紙である。
【0020】
繰出機構1は、
図1に示すように、ターレット機構11と、切断装置12と、タッチローラ13とを含んでいる。この繰出機構1は、原反150を交換しながら、積層シート151を連続的に繰り出すように構成されている。また、繰出機構1は、積層シート151の送り速度が高速であり、たとえば200m/minで積層シート151を送り出すように構成されている。なお、タッチローラ13は、本発明の「第2ローラ」の一例である。
【0021】
ターレット機構11は、複数(本実施形態では2つ)の原反150が着脱可能に装着され、装着された原反150を回転可能に構成されている。このターレット機構11には、ガイドローラ11aが設けられている。また、ターレット機構11は、回動(旋回)可能に構成されており、繰出位置P1の原反150を退避位置P2に退避させるとともに、退避位置P2から新しい原反150を繰出位置P1に供給可能に構成されている。
【0022】
なお、繰出位置P1は、積層シート151が繰り出される原反150が主に配置される位置であり、退避位置P2よりも下流側に配置されている。退避位置P2は、原反150の交換前に新しい原反150が予め準備されるとともに、原反150の交換時に繰出位置P1の原反150が退避される位置である。
【0023】
切断装置12は、原反150の交換時に積層シート151を切断するために設けられ、ターレット機構11の下方に配置されている。この切断装置12は、アーム12aと、アーム12aの先端に設けられたカッター12bとを含んでいる。アーム12aは、基端側の回動軸12cを中心にして回動可能に構成されている。カッター12bは、たとえば、積層シート151の幅方向における全長にわたって形成されていている。
【0024】
タッチローラ13は、切断される積層シート151を繰出位置P1の新しい原反150に接触させるために設けられ、繰出位置P1の原反150の下方に配置されている。タッチローラ13は、アーム13aの先端に設けられるとともに、アーム13aに対して回転可能に構成されている。アーム13aは、基端側の回動軸13bを中心にして回動可能に構成されている。
【0025】
ガイドローラ51〜54は、繰出機構1から繰り出された積層シート151をピンチローラ対2に案内するために設けられている。ガイドローラ51、53および54は、予め設定された位置で回転可能に構成されている。ガイドローラ52は、アーム52aの先端に設けられるとともに、アーム52aに対して回転可能に構成されている。アーム52aは、基端側の回動軸52bを中心にして回動可能に構成されている。そして、ガイドローラ52は、原反150とピンチローラ対2との間の積層シート151の張力を制御するために設けられている。
【0026】
ピンチローラ対2は、供給される積層シート151を挟持するように構成されている。このピンチローラ対2では、上流側から供給される積層シート151が被保護シート152と保護シート153とに分離されて下流側に搬送されるようになっている。なお、保護シート153は、被保護シート152よりも下方に搬送されている。
【0027】
ガイドローラ31〜34は、ピンチローラ対2で分離された被保護シート152を下流側の処理装置(図示省略)に案内するために設けられている。ガイドローラ31および32は、原反150の交換時(巻取軸160の切替時)に、被保護シート152の搬送経路から退避するように構成されている。具体的には、ガイドローラ31は、アーム31aの先端に設けられるとともに、アーム31aに対して回転可能に構成されている。アーム31aは、基端側の回動軸31bを中心にして回動可能であるとともに、基端が後述するアーム42aの先端に設けられている。ガイドローラ32は、アーム32aの先端に設けられるとともに、アーム32aに対して回転可能に構成されている。アーム32aは、基端側の回動軸32bを中心にして回動可能に構成されている。ガイドローラ33および34は、予め設定された位置で回転可能に構成されている。
【0028】
ガイドローラ61は、ピンチローラ対2で分離された保護シート153を巻取機構4に案内するために設けられている。ガイドローラ61は、アーム61aの先端に設けられるとともに、アーム61aに対して回転可能に構成されている。アーム61aは、基端側の回動軸61bを中心にして回動可能に構成されている。そして、ガイドローラ61は、ピンチローラ対2と巻取軸160との間の保護シート153の張力を制御するために設けられている。
【0029】
巻取機構4は、繰出機構1から繰り出された積層シート151の保護シート153を巻取軸160に巻き取るために設けられており、ターレット機構41とタッチローラ42とを含んでいる。この巻取機構4は、原反150の交換時に、保護シート153を巻き取る巻取軸160を切り替えるように構成されている。このため、巻取機構4は、繰出機構1から連続的に繰り出される積層シート151の保護シート153を連続的に巻き取るように構成されている。なお、タッチローラ42は、本発明の「第1ローラ」の一例である。
【0030】
ターレット機構41は、複数(本実施形態では2つ)の巻取軸160が着脱可能に装着され、装着された巻取軸160を回転可能に構成されている。このターレット機構41には、押圧ローラ41aが設けられている。また、ターレット機構41は、回動(旋回)可能に構成されており、巻取位置P3に巻取軸160を配置したり、新しい巻取軸160を巻付位置P4に供給するように構成されている。
【0031】
なお、巻取位置P3は、保護シート153が主に巻き取られる位置であり、巻付位置P4よりも上流側に配置されている。巻付位置P4は、繰出位置P1の新しい原反150からの積層シート151の保護シート153が巻き付けられる位置であり、巻取位置P3よりも上方に配置されている。
【0032】
タッチローラ42は、繰出位置P1の新しい原反150からの積層シート151の保護シート153を巻付位置P4の新しい巻取軸160に接触させるために設けられている。タッチローラ42は、アーム42aの先端に設けられるとともに、アーム42aに対して回転可能に構成されている。アーム42aは、基端側の回動軸42bを中心にして回動可能に構成されている。
【0033】
−動作−
次に、
図1〜
図12を参照して、本実施形態によるシート供給装置100の動作について説明する。なお、以下では、通常時(原反150の非交換時)の動作を説明した後に、原反150の交換時の動作について説明する。
【0034】
[通常時]
まず、
図1に示すように、繰出位置P1の原反150がR1方向に回転されることにより、繰出位置P1の原反150から積層シート151が繰り出される。なお、このとき、切断装置12およびタッチローラ13は下方に退避されている。そして、原反150から繰り出された積層シート151が、ガイドローラ51、52、53および54を介してピンチローラ対2に供給される。
【0035】
ピンチローラ対2に供給された積層シート151は分離され、被保護シート152が、ガイドローラ31、32、33および34を介して下流側の処理装置(図示省略)などに供給される。このとき、タッチローラ42は、被保護シート152の上方に配置され、被保護シート152から離間した状態である。また、被保護シート152とガイドローラ31とが接触するガイドローラ31の角度範囲は180度程度であり、被保護シート152とガイドローラ32とが接触するガイドローラ32の角度範囲は180度程度である。すなわち、被保護シート152とガイドローラ31とが接触する部分の長さが大きくされるとともに、被保護シート152とガイドローラ32とが接触する部分の長さが大きくされることにより、被保護シート152の搬送の安定化が図られている。その一方、ピンチローラ対2で分離された保護シート153は、ガイドローラ61を介して巻取位置P3の巻取軸160に供給される。このとき、巻取軸160がR2方向に回転され、保護シート153が押圧ローラ41aにより巻取軸160に押圧されており、保護シート153が巻取軸160により巻き取られる。
【0036】
このとき、シート供給装置100では、繰出位置P1の原反150と、ピンチローラ対2の一方と、巻取位置P3の巻取軸160とが駆動回転され、その他のローラが従動回転される。すなわち、ガイドローラ51〜54と、ピンチローラ対2の他方と、ガイドローラ31〜34と、ガイドローラ61と、押圧ローラ41aとが、従動回転される。
【0037】
そして、シート供給装置100では、ピンチローラ対2の回転速度が基準となっており、そのピンチローラ対2の回転速度に応じた積層シート151の送り速度になるように繰出位置P1の原反150の回転速度が制御される。すなわち、ピンチローラ対2の表面速度と繰出位置P1の原反150の表面速度とが同じになるように、繰出位置P1の原反150の回転速度が制御される。さらに、入出力速度差(繰出位置P1の原反150の表面速度とピンチローラ対2の表面速度との差)が発生し、ガイドローラ52が所定の位置から変位した場合に、そのガイドローラ52の変位を打ち消す(所定の位置に戻る)ように、繰出位置P1の原反150の回転速度が制御される。つまり、繰出位置P1の原反150の回転速度は、ガイドローラ52の位置に基づいてフィードバック制御されており、基準となるピンチローラ対2の回転速度に応じた適切な値になるように適宜調整される。なお、ガイドローラ52のアーム52aにはエアシリンダなどの加圧装置(図示省略)が接続されており、その加圧装置により、繰出位置P1の原反150とピンチローラ対2との間の積層シート151の張力が制御される。この積層シート151の張力は、加圧装置によりたとえば一定になるように制御される。
【0038】
同様に、シート供給装置100では、ピンチローラ対2の回転速度に応じた保護シート153の巻取速度になるように巻取位置P3の巻取軸160の回転速度が制御される。すなわち、ピンチローラ対2の表面速度と巻取位置P3の巻取軸160の表面速度とが同じになるように、巻取位置P3の巻取軸160の回転速度が制御される。さらに、入出力速度差(ピンチローラ対2の表面速度と巻取位置P3の巻取軸160の表面速度との差)が発生し、ガイドローラ61が所定の位置から変位した場合に、そのガイドローラ61の変位を打ち消す(所定の位置に戻る)ように、巻取位置P3の巻取軸160の回転速度が制御される。つまり、巻取位置P3の巻取軸160の回転速度は、ガイドローラ61の位置に基づいてフィードバック制御されており、基準となるピンチローラ対2の回転速度に応じた適切な値になるように適宜調整される。なお、ガイドローラ61のアーム61aにはエアシリンダなどの加圧装置(図示省略)が接続されており、その加圧装置により、ピンチローラ対2と巻取位置P3の巻取軸160との間の保護シート153の張力が制御される。この保護シート153の張力は、加圧装置により、たとえば、巻取軸160の巻き径が大きくなるにつれて小さくなるように制御される。
【0039】
通常時では、上記のようにして、幅広の積層シート151が高速で繰り出されるとともに、その積層シート151の保護シート153が巻き取られ、被保護シート152が下流側に供給される。
【0040】
その後、
図3に示すように、繰出位置P1の原反150の残量が少なくなると、原反150の交換が行われる。なお、このときには、巻取位置P3の巻取軸160の巻取量が多くなっている。このため、本実施形態では、原反150の交換にあわせて、巻取軸160の切り替えが行われる。
【0041】
[原反の交換時]
まず、
図3に示す状態から、ターレット機構11がR3方向に回動される。これにより、
図4に示すように、繰出位置P1の原反150が退避位置P2に退避されるとともに、退避位置P2に予め準備されていた新しい原反150が繰出位置P1に供給される。なお、
図4に示す状態では、退避位置P2の原反150から積層シート151が繰り出され、その積層シート151がガイドローラ11aを介してガイドローラ51に案内される。
【0042】
ここで、繰出位置P1に供給された新しい原反150は、
図2に示すように、積層シート151の先端に被保護シート152が露出された領域151aが設けられている。そして、その被保護シート152が露出された領域151aに接着材154が設けられている。すなわち、保護シート153が設けられていない領域151aの被保護シート152に対して接着材154が直接設けられている。この接着材154は、退避位置P2から繰り出される積層シート151と、繰出位置P1の新しい原反150とを接着(接続)するために設けられている。なお、
図2では、積層シート151が2層シートであることを説明するために、積層シート151の先端が原反150に対して離間されているが、実際には、積層シート151の先端は、接着力の低い接着材(図示省略)により原反150に対して仮止めされており、原反150の回転によって原反150から剥がれないようにされている。
【0043】
そして、
図4に示すように、ガイドローラ32が回動軸32bを中心にしてR4方向に回動される。これにより、ガイドローラ31およびタッチローラ42よりも下方に配置されていたガイドローラ32が、
図5に示すように、ガイドローラ31およびタッチローラ42の間を抜けて上方に移動される。次に、ガイドローラ31が回動軸31bを中心にしてR5方向に回動される。これにより、
図6に示すように、ガイドローラ31および32が、被保護シート152の搬送経路から退避され、被保護シート152から離間した状態になる。なお、ガイドローラ31は、被保護シート152よりも下方に配置され、ガイドローラ32は、被保護シート152よりも上方に配置される。
【0044】
その後、タッチローラ42が回動軸42bを中心にしてR6方向に回動される。これにより、ピンチローラ対2からガイドローラ33へと導かれる被保護シート152が、
図7に示すように、タッチローラ42により下方に押し下げられる。なお、タッチローラ42とともにガイドローラ31もR6方向(
図6参照)に回動される。このため、タッチローラ42により押し下げられる被保護シート152に対してガイドローラ31が逃げるようになっている。
【0045】
また、ターレット機構41がR7方向(
図6参照)に回動される。これにより、新しい巻取軸160が巻付位置P4に配置される。このとき、巻付位置P4の新しい巻取軸160に対してタッチローラ42が離間されている。なお、ターレット機構41の回動により、巻取位置P3の巻取軸160も回動される。
【0046】
また、切断装置12が回動軸12cを中心にしてR8方向(
図6参照)に回動されるとともに、タッチローラ13が回動軸13bを中心にしてR9方向(
図6参照)に回動される。これにより、切断装置12のカッター12bおよびタッチローラ13が上方に移動される。このとき、カッター12bおよびタッチローラ13は、退避位置P2の原反150から繰り出される積層シート151に対して離間されており、その積層シート151の手前で一時的に停止される。
【0047】
その後、切断装置12がさらにR8方向に回動されるとともに、タッチローラ13がさらにR9方向に回動されることにより、
図8に示すように、退避位置P2の原反150から繰り出される積層シート151がガイドローラ11aおよび51の間で、カッター12bにより切断されるとともに、タッチローラ13により繰出位置P1の新しい原反150に押し当てられる。なお、このとき、繰出位置P1の新しい原反150はR1方向に回転されており、その新しい原反150の接着材154(
図2参照)がタッチローラ13と対向する位置を通過するタイミングにあわせて、カッター12bおよびタッチローラ13が回動される。また、タッチローラ13はカッター12bよりも下流側に配置されており、退避位置P2からの積層シート151が繰出位置P1の新しい原反150に接触される接触位置は、カッター12bによる切断位置よりも下流側(退避位置P2の原反150からの積層シート151のシート流れにおける下流側)である。
【0048】
そして、
図11に示すように、タッチローラ13により、退避位置P2の原反150からの切断される積層シート151が繰出位置P1の新しい原反150の接着材154に押し付けられる。これにより、切断される積層シート151と、新しい原反150の積層シート151とが接続され、新しい原反150における積層シート151の先端の仮止めが解除される。具体的には、切断される積層シート151では上側に被保護シート152が配置され、新しい原反150の接着材154が露出された被保護シート152に設けられているため、切断される積層シート151の被保護シート152が、新しい原反150の被保護シート152に接続される。また、退避位置P2の原反150からの積層シート151の後端部(シートの流れ方向における後端部)が、繰出位置P1の新しい原反150の積層シート151の先端部に接続される。
【0049】
このとき、
図8に示すように、繰出位置P1の新しい原反150がR1方向に回転されることにより、繰出位置P1の新しい原反150から積層シート151が繰り出される。すなわち、繰出機構1では、原反150の交換時に、積層シート151の繰り出しが停止されることなく継続される。その後、カッター12bおよびタッチローラ13が元の位置に戻される。
【0050】
ここで、切断された積層シート151の被保護シート152と、新しい原反150からの被保護シート152とは接続されているが、切断された積層シート151の保護シート153と、新しい原反150からの保護シート153とは接続されていない。このため、切断された積層シート151の保護シート153は、ピンチローラ対2からガイドローラ61を介して、巻取位置P3から移動された巻取軸160により引き続き巻き取られる。これに対して、新しい原反150からの保護シート153は、新しい原反150からの被保護シート152とともに、ピンチローラ対2からタッチローラ42に向けて搬送される。そこで、新しい原反150からの保護シート153がタッチローラ42を通過するタイミングにあわせて、タッチローラ42がR6方向に回動される。これにより、
図9に示すように、タッチローラ42がさらに下方に移動され、タッチローラ42により新しい原反150からの積層シート151が巻付位置P4の新しい巻取軸160に押し当てられる。
【0051】
このとき、
図12に示すように、新しい原反150からの積層シート151では下側に保護シート153が配置され、巻付位置P4の新しい巻取軸160の外周面に接着材160aが設けられている。そして、巻付位置P4の新しい巻取軸160がR2方向に回転されることにより、新しい原反150からの保護シート153が巻付位置P4の新しい巻取軸160に巻き付けられる。
【0052】
そして、タッチローラ42が元の位置に戻されるとともに、ガイドローラ31および32が元の位置に戻される。また、押圧ローラ41aにより保護シート153が新しい巻取軸160に押圧される。その後、ターレット機構41がR7方向(
図9参照)に回動されることにより、
図10に示すように、巻付位置P4の新しい巻取軸160が巻取位置P3に移動される。これにより、繰出位置P1の新しい原反150からの積層シート151がピンチローラ対2で分離され、分離された被保護シート152がガイドローラ31〜34を介して下流側に搬送されるとともに、分離された保護シート153がガイドローラ61を介して巻取位置P3の新しい巻取軸160に供給される。すなわち、巻取機構4では、原反150の交換に応じて巻取軸160を切り替えるようになっている。
【0053】
その後、退避位置P2の原反150が新しい原反150に交換され、保護シート153の巻き取りが完了された巻取軸160が新しい巻取軸160に交換される。
【0054】
そして、上記した動作が繰り返し行われる。これにより、シート供給装置100では、原反150を交換しながら連続的に積層シート151を繰り出し、繰り出される積層シート151の保護シート153を巻き取る巻取軸160を切り替えながら、下流側の処理装置(図示省略)などに連続的に被保護シート152を供給している。
【0055】
−効果−
本実施形態では、上記のように、繰出機構1および巻取機構4を設けることによって、繰出機構1から幅広の積層シート151を高速で連続的に繰り出しながら、保護シート153を巻き取る巻取軸160を切り替えることができるので、被保護シート152を連続的に供給することができる。すなわち、原反150が積層シート151である場合において、保護シート153を分離しながら、被保護シート152を連続的に供給することができる。
【0056】
また、本実施形態では、タッチローラ42を設けることによって、新しい原反150からの保護シート153を新しい巻取軸160に容易に巻き付けることができる。
【0057】
また、本実施形態では、タッチローラ13を設けることによって、切断された積層シート151の被保護シート152と、新しい原反150の被保護シート152とを容易に接続することができる。
【0058】
また、本実施形態では、通常時に被保護シート152に対して下方から接触されるとともに、原反150の交換時(巻取軸160の切替時)に被保護シート152に対して離間されるガイドローラ31を設けることによって、巻付位置P4の新しい巻取軸160に保護シート153が巻き付けられ、巻取軸160が切り替えられたときに、積層シート151の保護シート153がピンチローラ対2で分離されるようにすることができる。さらに、通常時に被保護シート152に対して上方から接触されるとともに、原反150の交換時に被保護シート152に対して離間されるガイドローラ32を設けることによって、通常時に、被保護シート152とガイドローラ31とが接触するガイドローラ31の角度範囲を90度程度よりも大きくするとともに、被保護シート152とガイドローラ32とが接触するガイドローラ32の角度範囲を90度程度よりも大きくすることができるので、被保護シート152の搬送を安定させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、切断装置12およびタッチローラ13を2段階で作動させることによって、カッター12bによる切断タイミングおよびタッチローラ13による押圧タイミングの精度を向上させることができるので、繰出機構1から積層シート151を高速で繰り出しながら、原反150の交換を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、タッチローラ42を2段階で作動させることによって、タッチローラ42による押圧タイミングの精度を向上させることができるので、高速で送られる積層シート151の保護シート153を新しい巻取軸160に適切に巻き付けることができる。
【0061】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
たとえば、本実施形態において、原反150の交換時の動作は、ローラなどが互いに干渉しなければ、同時に行われていてもよいし、順番が前後されていてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、新しい原反150の露出された被保護シート152に接着材154が設けられる例を示したが、これに限らず、切断される積層シートの被保護シートに接着材が塗布されるようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、新しい巻取軸160の外周面に接着材160aが設けられる例を示したが、これに限らず、新しい原反からの保護シートに接着材が塗布されるようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、積層シート151が2層シートである例を示したが、これに限らず、積層シートが3層以上であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、ターレット機構11に2つの原反150が装着される例を示したが、これに限らず、ターレット機構に3つ以上の原反が装着されていてもよい。同様に、ターレット機構41に2つの巻取軸160が装着される例を示したが、これに限らず、ターレット機構に3つ以上の巻取軸が装着されていてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、被保護シート152とガイドローラ31とが接触するガイドローラ31の角度範囲は180度程度である例を示したが、これに限らず、被保護シート152とガイドローラ31とが接触するガイドローラ31の角度範囲は90度程度よりも大きければよい。同様に、被保護シート152とガイドローラ32とが接触するガイドローラ32の角度範囲は180度程度である例を示したが、これに限らず、被保護シート152とガイドローラ32とが接触するガイドローラ32の角度範囲は90度程度よりも大きければよい。