(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5887341
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】エレベータシステムの金属薄板ガイドレール
(51)【国際特許分類】
B66B 7/02 20060101AFI20160303BHJP
B66B 5/18 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
B66B7/02 B
B66B5/18 Z
【請求項の数】22
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-511136(P2013-511136)
(86)(22)【出願日】2010年5月21日
(65)【公表番号】特表2013-526472(P2013-526472A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】US2010035742
(87)【国際公開番号】WO2011146071
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2013年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ピエヒ,ズビグニエフ
(72)【発明者】
【氏名】ファーゴ,リチャード エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】リヴェラ,ジェイム エー.
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−102778(JP,A)
【文献】
特開昭59−108684(JP,A)
【文献】
実開昭55−092671(JP,U)
【文献】
実開昭57−096155(JP,U)
【文献】
特開昭59−039675(JP,A)
【文献】
特開昭57−019267(JP,A)
【文献】
特開昭55−61583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路(12)の壁と接触する2つの波形基部パッド(22)を有する三角形基部(20)であって、各波形基部パッド(22)が三角形基部(20)の各斜辺に向かって蛇行して延びる、三角形基部(20)と、
前記三角形基部(20)に接続されるとともに前記三角形基部(20)から延びるウェブ部(24)と、
エレベータシステム(10)のエレベータかご(16)に作用的に接続可能となるように前記ウェブ部(24)の端部に配置された先端部(26)と、
を備え、
前記三角形基部(20)、前記ウェブ部(24)および前記先端部(26)は、金属薄板材料からなる1つまたは複数の厚さ(28)で形成され、前記三角形基部(20)、前記ウェブ部(24)および前記先端部(26)は、ガイドレール(14)を故障させることなく、ブレーキメカニズム(36)によりガイドレール(14)に与えられるブレーキ力が、前記エレベータかご(16)の速度をうまく減少させるように構成されることを特徴とする前記昇降路(12)における前記エレベータシステム(10)用のガイドレール(14)。
【請求項2】
前記先端部(26)は、該先端部(26)に配置された先端キャビティ(32)を備えることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項3】
前記先端部(26)は、強化部(34)を備え、該強化部(34)は、前記先端部(26)を強化し、前記先端部(26)に硬さを提供するように前記先端キャビティ(32)内に配置されることを特徴とする請求項2に記載のガイドレール(14)。
【請求項4】
前記強化部(34)は、実質的にバッフル形状であることを特徴とする請求項3に記載のガイドレール(14)。
【請求項5】
充填材料が、前記先端部(26)を強化し、前記先端部(26)に硬さを提供するように前記先端キャビティ(32)内に配置されることを特徴とする請求項2に記載のガイドレール(14)。
【請求項6】
前記ガイドレール(14)は、金属薄板からなる単一の部品から形成されることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項7】
前記ウェブ部(24)は、金属薄板からなる3つ以上の厚さを備えることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項8】
前記先端部(26)は、金属薄板からなる少なくとも3つの厚さを備え、これらの厚さの間に隙間がないことを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項9】
前記ガイドレール(14)は、前記昇降路(12)において金属薄板ストック(56)から形成されることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項10】
前記ブレーキ力は、前記先端部(26)において前記ガイドレール(14)に与えられることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項11】
前記ブレーキ力は、前記ウェブ部(24)において前記ガイドレール(14)に与えられることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール(14)。
【請求項12】
昇降路(12)に配置されたエレベータかご(16)と、
前記昇降路(12)に沿って延び、前記昇降路(12)に沿って前記エレベータかご(16)を案内するように前記エレベータかご(16)に作用的に接続されたガイドレール(14)と、
を有したエレベータシステム(10)において、
前記ガイドレール(14)は、
前記昇降路(12)の壁と接触する2つの波形基部パッド(22)を有する三角形基部(20)であって、各波形基部パッド(22)が三角形基部(20)の各斜辺に向かって蛇行して延びる、三角形基部(20)と、
前記三角形基部(20)に接続されるとともに前記三角形基部(20)から延びるウェブ部(24)と、
前記エレベータかご(16)に作用的に接続されるように前記ウェブ部(24)の端部に配置された先端部(26)と、
を備え、
前記三角形基部(20)、前記ウェブ部(24)および前記先端部(26)は、金属薄板材料からなる1つまたは複数の厚さ(28)で形成され、
前記ガイドレール(14)および前記エレベータかご(16)に作用的に接続されたブレーキメカニズム(36)をさらに備え、前記ガイドレール(14)は、前記ガイドレール(14)を故障させることなく、前記ブレーキメカニズム(36)により前記ガイドレール(14)に与えられるブレーキ力が、前記エレベータかご(16)の速度をうまく減少させるように構成されることを特徴とするエレベータシステム(10)。
【請求項13】
前記先端部(26)は、該先端部(26)に配置された先端キャビティ(32)を備えることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項14】
前記先端部(26)は、強化部(34)を備え、該強化部(34)は、前記先端部(26)を強化し、前記先端部(26)に硬さを提供するように前記先端キャビティ(32)内に配置されることを特徴とする請求項13に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項15】
前記強化部(34)は、実質的にバッフル形状であることを特徴とする請求項14に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項16】
前記ガイドレール(14)は、金属薄板からなる単一の部品から形成されることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項17】
前記ウェブ部(24)は、金属薄板からなる3つ以上の厚さを備えることを特徴とする請求項16に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項18】
前記先端部(26)は、金属薄板からなる少なくとも3つの厚さを備え、これらの厚さの間に隙間がないことを特徴とする請求項17に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項19】
前記ブレーキメカニズム(36)は、前記昇降路(12)に沿って前記エレベータかご(16)の速度を減少させることが望ましいときに、前記ガイドレール(14)の前記先端部(26)に摩擦力を与えることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項20】
前記ブレーキメカニズム(36)は、前記昇降路(12)に沿って前記エレベータかご(16)の速度を減少させることが望ましいときに、前記ガイドレール(14)の前記ウェブ部(24)に摩擦力を与えることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項21】
前記ガイドレール(14)は、前記昇降路(12)の長さ全体に沿って実質的に継ぎ目なしで延びることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【請求項22】
前記ガイドレール(14)は、前記昇降路(12)において金属薄板ストック(56)から形成されることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、エレベータシステムに関し、特に、エレベータかご用のガイドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、一般に、数個の吊り下げロープによって昇降路内に吊り下げられたエレベータかごを備えている。昇降路内でエレベータかごを案内するために、数個のガイドレールが、昇降路内に配置されており、例えば、昇降路の頂部から底部へと配置されている。エレベータかごは、該エレベータかごが昇降路を通して移動するときに、ガイドレールによって画定された経路にエレベータかごが追従するように、1つまたは複数のガイドシューによってガイドレールに接続される。さらに、あるエレベータシステムにおいては、エレベータかごに接続されたブレーキメカニズムが、昇降路内においてエレベータかごを減速および/または停止させるようにガイドレールに作用する。
【0003】
一般のガイドレールは、堅固な鋼製T型レールである。このレール構成が一般に用いられるのは、ガイドレールが、エレベータの通常運転中の座屈および撓みに抵抗するとともに緊急ブレーキ時にかかる負荷に耐えることができるためである。しかし、一般のレールは重くて厚いものであり、各レールは、一般に、直線的な脚部ごとに8ポンド以上の重量があり、20個の脚部セクションとして一般に設置される。レールの重量のために、設置するには重い設備が必要であり、さらに、エレベータの昇降路の限られた空間に脚部セクションを設置するのには制約があるために、設置は困難である。本技術は、エレベータシステムの運転負荷およびブレーキ負荷に耐えることができるより軽量かつ設置が容易なガイドレールを得るであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの特徴では、エレベータシステムのガイドレールが、エレベータシステムの昇降路に接続可能な基部と、該基部に接続されるとともに基部から延びるウェブ部とを備えている。先端部が、エレベータシステムのエレベータかごに作用的に接続可能となるようにウェブ部の端部に配置される。基部、ウェブ部および先端部は、金属薄板材料からなる1つまたは複数の厚さで形成される。ガイドレールは、該ガイドレールを故障させることなく、ブレーキメカニズムによりガイドレールに与えられるブレーキ力が、エレベータかごの速度をうまく減少させるように構成される。
【0005】
本発明の他の特徴では、エレベータシステムが、昇降路に配置されたエレベータかごと、昇降路に沿って延び、昇降路に沿ってエレベータかごを案内するようにエレベータかごに作用的に接続されたガイドレールとを備えている。ガイドレールは、昇降路に接続可能な基部と、該基部に接続されるとともに基部から延びるウェブ部と、エレベータかごに作用的に接続されるようにウェブ部の端部に配置された先端部とを備えている。基部、ウェブ部および先端部は、金属薄板材料からなる1つまたは複数の厚さで形成される。エレベータシステムは、ガイドレールおよびエレベータかごに作用的に接続されたブレーキメカニズムを備えている。ガイドレールは、該ガイドレールを故障させることなく、ブレーキメカニズムによりガイドレールに与えられるブレーキ力が、エレベータかごの速度をうまく減少させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】エレベータシステムの実施例の概略図である。
【
図2】エレベータシステムのガイドレールの実施例の断面図である。
【
図3】エレベータシステムのガイドレールの先端部の断面図である。
【
図4】エレベータシステムのガイドレールの先端部の他の実施例を示した断面図である。
【
図5】エレベータシステムのガイドレールの他の実施例の断面図である。
【
図6】エレベータシステムのガイドレールの別の実施例の断面図である。
【
図7】エレベータシステムのガイドレールの別の実施例の断面図である。
【
図8】エレベータシステムのガイドレールの別の実施例の断面図である。
【
図9】エレベータシステムのガイドレールの別の実施例の断面図である。
【
図10】エレベータシステムのガイドレールの別の実施例の断面図である。
【
図11】エレベータシステムの安全ブレーキメカニズムの実施例の断面図である。
【
図12】エレベータシステムのガイドレールを形成する方法を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1には、エレベータシステム10の実施例が示されている。エレベータシステム10は、昇降路12内に配置されており、昇降路12に固定された1つまたは複数のガイドレール14を備えている。ガイドレール14は、昇降路12を通してエレベータかご16の移動を案内するようにエレベータかご16に接続されている。
図1および
図2に示したように、ある実施例においては、エレベータかご16は、ガイドレール14と整合する少なくとも1つのガイドシュー18を備えている。
【0008】
図2には、ガイドレール14の実施例が示されている。断面が、金属薄板で形成されており、この金属薄板は、曲げ、ロール成形、溶接および/または他の処理によって最終的な形状へと形成される。
図2のガイドレール14が、金属薄板の単一の部品から形成される。しかし、他の実施例においては、ガイドレール14は、該ガイドレール14へと形成される金属薄板の2つ以上の部品から形成され得る。ガイドレール14は、2つの基部パッド22を有した基部20を備えており、該基部パッド22は、昇降路12の壁にかかるように構成されている。ウェブ24が、エレベータかご16へと向かって基部20から昇降路12へと1つの方向に延びる。基部20とウェブ24との間の移行領域においてガイドレール14の剛性を高めるために、材料の内側シート42と外側シート44との間に空間40が存在する。基部20およびウェブ24の一方または双方は、レール14が十分な剛性と、エレベータかご16を案内するのに十分な硬さとを有するように、金属薄板材料からなる複数の層を備えている。ウェブ24は、先端部26へと延びる。
図2に示したように、先端部26は、一般の鋼製ガイドレールと同様な寸法形状を有することができる。先端部26は、1つまたは複数の材料厚さ28を備えており、該材料厚さ28は、先端部の外側部分30と、先端部26の内側の先端キャビティ32とを形成する。
図2に示したように、エレベータかご16は、安全ブレーキ36を有したガイドシュー18を備えている。エレベータかご16を停止させることを要する条件が存在する場合には、安全ブレーキ36が、ガイドレール14と係合してエレベータかご16を停止させるように作動する。より詳細には、エレベータかご16を停止させるために、安全ブレーキ36は、先端部26の外側部分30にブレーキ力を与える。1つまたは複数の強化部34が、先端キャビティ32内に配置されており、さらに、先端部26を強化して先端部26が上記ブレーキ力に抵抗するように先端キャビティ32の少なくとも一部にわたってかかっている。先端部26に十分な剛性が無い場合には、ブレーキ力が与えられたときに、先端部26は、構造的に機能しなくなり、ガイドレール14の交換が必要となる。ある実施例、例えば、
図2の実施例においては、強化部34は、バッフル形状とすることができる。他の実施例、例えば、
図3の実施例においては、強化部34は、先端部26の側部38に向かって延びるリブとすることができ、または、
図4の実施例においては、強化部34は、先端キャビティ32内に配置された材料からなるループを備えることができる。他の実施例においては、充填材料が、注入、または先端部に付加的な剛性を与える他の手段によって先端キャビティ32内に挿入され得る。図示されるとともに本明細書で説明される例示的な実施例に加えて、強化部34の種々の構成を有した先端部26の多くの他の変更が存在し、これらの変更は、本発明と調和する。
【0009】
図2に示したガイドレール14の実施例は単に例示するためのものであり、ガイドレール14の形状の他の実施例が、
図5〜
図10に示されている。
図5では、ガイドレール14は、三角形の基部20を備えており、ウェブ24が基部20から先端部26へと延びる。
図2に示した実施例の4つの材料厚さとは対照的に、ガイドレール14のウェブ24は、2つの材料厚さ28を備えている。基部は、昇降路12の壁と接触する波形基部パッド22を備えている。
図6を参照すると、他の実施例は、折り曲げられた基部パッド22を有した偏平な基部20を備えている。また、
図6のガイドレール14のウェブ24は、2つの材料厚さ28を備えている。
図7の実施例は、三角形の基部20と、4つの材料厚さを有したウェブ24とを備えている。先端部26は、先端キャビティ32へと延びる強化部34を備えている。
図8には、先端部26が先端キャビティ32を備えていない実施例が示されており、ウェブ24は、2つの材料厚さ28を備えている。先端部26において壁厚さ28を並列に配置すると、隙間が無くなることにより剛性が高まり、したがって、先端部26に与えられるブレーキ力に抵抗するようになる。
図9には、2つの基部パッド22を有した基部20を備える実施例が示されており、1つの基部パッド22が、基部20の各端部に配置されている。ウェブ24は、4つの材料厚さを備えており、先端部26は、その末端部46へと延びる2つの強化部34を備えている。
【0010】
図10には、金属薄板の単一の部品から形成されるガイドレール14の他の実施例が示されている。ガイドレール14は、2つの基部パッド22を有した偏平な基部20を備えており、基部パッド22は、昇降路12の壁にかかるように構成されている。ウェブ24は、基部20からエレベータかご16に向かって1つの方向に延びる。本実施例においては、ウェブ24は、三角形のウェブ24を画定する2つのウェブ脚部58を備えている。先端部26は、互いに当節する3つの材料厚さ28を備えており、該3つの材料厚さ28は、これらの間に隙間を備えておらず、先端部26に与えられるブレーキ力に抵抗するのに効果的な堅固な形態とされている。
【0011】
図11に示したように、ガイドレール14のある実施例が、ガイドレール14のウェブ24と係合する安全ブレーキ36を備えるようにして用いられ得る。ブレーキフレーム48が、先端部26をガイドシュー18と係合させるように構成されている。ブレーキ部50が、先端部26の内側において、先端部26の周囲からウェブ24へと延びる。安全ブレーキ36は、望ましいときに係合され、ウェブ24にブレーキ力を与え、エレベータかご16を停止させる。この安全ブレーキ36の構成においては、安全ブレーキ36が先端部26と係合する一般の安全ブレーキの構成よりも、先端部26を強化する必要がない。さらに、特定のブレーキフレーム48の構成においては、建物の地震による移動や同様の状況が生じた場合に、ガイドレール14からブレーキフレーム48(およびエレベータかご16)が離脱することが防止される。この離脱の防止が生じるのは、ブレーキフレーム48とウェブ24との隙間が先端部26の幅よりも小さいためである。
【0012】
金属薄板でガイドレール14を形成することにより、十分な剛性および硬さを有した一般の鋼製ガイドレールよりも軽量なガイドレール14がもたらされる。軽量なガイドレール14は、昇降路12におけるガイドレール14の設置をより容易かつ安全なものとすることに役立つ。さらに、
図12に示したように、ガイドレール14は、現場、つまり昇降路12の完全に内側で形成され得る。一実施例においては、成形機52は、昇降路12内に配置されており、ローラ54と、溶接機(図示せず)と、金属薄板からなる偏平な部品でガイドレール14を形成するのに必要な他の構成要素とを備えている。金属薄板ストック56が、成形機52の第1の端部60へと供給され、そして、ロール成形され、成形され、打ち抜き加工され、および/または溶接されて、望ましい断面を有したガイドレール14が形成される。仕上げられたガイドレール14は、成形機52の第2の端部62から出て、ある実施例においては、成形機52によって、昇降路12内に位置決めされる、および/または昇降路12に固定され得る。ある実施例においては、成形機52は、ガイドレール14を形成するときに昇降路12に沿って移動するように構成され得る。例えば、成形機52は、昇降路12内に位置決めされ、固定されるガイドレール14の望ましい長さを形成することができる。そして、成形機52は、内部手段または外部手段によってレール14の長さに沿って駆動され、ガイドレール14の第2の長さを形成する。このプロセスは、完全なガイドレール14が完成するまで継続される。ガイドレール14を現場で形成することにより、設置プロセスを簡素化し、ある場合には、昇降路12の長さ全体に延びる単一のガイドレール14を形成することができる。ガイドレール14の個別のセグメントの間の継ぎ目がない上記ガイドレール14により、セグメントの間に生じる不整合が無くなり、エレベータシステム10の運転を滑らかで静かなものとする。
【0013】
限定された数の実施例のみと組み合わせて本発明を詳細に説明してきたが、本発明が上記の開示した実施例に限定されないことを理解されたい。むしろ、本明細書において説明されていないが、本発明の真意および範囲と釣り合ったあらゆる数の変更、代替物、代用物や同等の構成を組み込むように本発明を修正することができる。さらに、本発明の種々の実施例を説明してきたが、本発明の特徴は説明した実施例の数個のみを含むことができることを理解されたい。したがって、本発明は、上述の説明によって限定されるものとして解釈すべきものではないが、付記の特許請求の範囲によって限定されるのみである。