特許第5887346号(P5887346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5887346KCNQ2/3調節因子としての置換キノリン−3−カルボキサミド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5887346
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】KCNQ2/3調節因子としての置換キノリン−3−カルボキサミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/54 20060101AFI20160303BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20160303BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20160303BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160303BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
   C07D215/54
   C07D409/12CSP
   A61K31/47
   A61K31/4709
   A61P43/00 111
   A61P29/00
   A61P25/08
   A61P13/02
   A61P25/22
   A61P25/30
   A61P25/24
   A61P25/06
   A61P25/28
   A61P21/00
【請求項の数】15
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2013-525188(P2013-525188)
(86)(22)【出願日】2011年8月26日
(65)【公表番号】特表2013-536212(P2013-536212A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】EP2011004279
(87)【国際公開番号】WO2012025238
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年7月17日
(31)【優先権主張番号】10008924.2
(32)【優先日】2010年8月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390035404
【氏名又は名称】グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(72)【発明者】
【氏名】キューネルト・スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】バーレンベルク・グレーゴル
(72)【発明者】
【氏名】クレス・アヒム
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー・ヴォルフガング
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−536657(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/056865(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/097976(WO,A1)
【文献】 特開昭58−018361(JP,A)
【文献】 米国特許第4798619(US,A)
【文献】 国際公開第2008/121850(WO,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02532939(FR,A1)
【文献】 国際公開第2010/094644(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/094645(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/046108(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/133637(WO,A1)
【文献】 特表2009−542798(JP,A)
【文献】 特表2010−512305(JP,A)
【文献】 特開昭58−170760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K31
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
[式中、
は、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜10−脂肪族残基を示すか[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【化2】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基が、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、アリールまたはヘテロアリール残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が、F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4脂肪族残基[ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)C1〜4脂肪族残基およびNH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とし、
が、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とし、
「脂肪族基」および「脂肪族残基」は、各々の場合において、分枝鎖状または非分枝鎖状、飽和または不飽和であってよく、
「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」は、各々の場合において、飽和または不飽和であってよい
で表される置換された化合物であって、
遊離化合物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態、または生理学的に許容可能な酸または塩基の塩の形態にある化合物。
【請求項2】
が、;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
を表し、
そして、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてよい
ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;NO;CF;CN;OCF;SCF;(C=O)−C1〜4脂肪族残基、C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4脂肪族残基、S−C1〜4脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、ClおよびO−CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]からなる群から選択され、但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項5】
が、部分構造(T1)
【化3】
[式中、
mは、0、1、2、3または4を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4脂肪族残基またはC(=O)−OHを表すか、または一緒に=Oを表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【化4】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示す
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして、
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)]
を表すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項6】
が、部分構造(T1)
【化5】
[式中、
mは、0、1または2を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、フェニル、チエニルもしくはピリジルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示す
(ここで、ベンジル、フェニル、チエニルおよびピリジルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)]
を表すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項7】
が、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とする
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項8】
が、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜8−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合により非置換C1〜8脂肪族基を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とする
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項9】
が、部分構造(T1)
【化6】
[式中、
mは、0、1または2であり、そして
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し、
あるいは
式中、
mは0であり、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、そして
8cは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CH、C(=O)−O−Cおよびフェニルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール(ここで、フェニルは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を示す]
を表し、
が、;Cl;CF;CH;C;イソプロピル;シクロプロピルおよびO−CHからなる群から選択され、
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;CHCF;CN;OCFおよびNOからなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とし、
が、各々の場合において非置換であるかまたはF、Cl、OH、O−CH、CFおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されているエチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、エテニルまたはプロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)を示すか
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されているシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル(ここで、各々の場合における前記C1〜4−脂肪族残基は非置換である)を示し、
そしてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルは、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されていてよく、
但し、Rがピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルを示す場合には、これらの残基の各々は炭素原子を介して連結している
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項10】
化合物が以下:
1 4−メチル−2−プロピル−N−(チオフェン−2−イル−メチル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
2 N−(シクロヘプチル−メチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
3 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
4 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
5 2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
6 2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
7 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
8 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
9 2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
10 2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
11 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
12 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
13 2−tert−ブチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
14 2−tert−ブチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
15 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
16 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
17 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
18 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
19 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
20 2−シクロペンチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
21 2−シクロペンチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
22 N−(4,4−ジメチル−ペンチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
23 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
24 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;25 7−ブロモ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
26 7−ブロモ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
27 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
28 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
29 7−ブロモ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
30 7−ブロモ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
31 2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
32 2−エチル−N−[(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
33 7−シアノ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
34 2−エチル−N−[(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
35 7−シアノ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
36 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロピル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
37 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
38 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
39 7−シアノ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;および
40 7−シアノ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
を含む群から選択され、それぞれ遊離化合物;ラセミ化合物;鏡像異性体、ジアステレオマー、前記鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態にあるか;または生理学的に許容可能な酸もしくは塩基の塩の形態にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
遊離化合物;ラセミ化合物;鏡像異性体、ジアステレオマー、前記鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態にあるか;または生理学的に許容可能な酸もしくは塩基の塩の形態にある、請求項1〜10のいずれか一つに記載の少なくとも1種の化合物、
および場合により、少なくとも1種の薬学的に許容可能な助剤、および/または場合により、少なくとも1種のさらなる活性成分、
を含む、医薬組成物。
【請求項12】
疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の治療および/または予防において使用するための、請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項13】
前記疼痛が、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、筋肉疼痛、内臓痛および炎症性疼痛からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患治療および/または予防するための、請求項11に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記疼痛が、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、筋肉疼痛、内臓痛および炎症性疼痛からなる群から選択される、請求項14に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたキノリン−3−カルボキサミド、これらの化合物を含有する医薬組成物、ならびに、疼痛およびさらなる疾患および/または障害の治療および/または予防において使用するための、これらの化合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛、特に神経因性疼痛の治療は、医療において非常に重要である。有効な疼痛療法が世界的に必要とされている。患者にとって成功した満足な疼痛の治療であると理解されるような、疼痛の慢性および非慢性状態の患者に適した目標指向治療のための行動が急務であることは、適用される鎮痛薬および痛覚に関する基礎研究の分野において最近発行された多数の科学的研究論文にも記録されている。
【0003】
慢性疼痛の病態生理学的特徴は、ニューロンの過興奮性である。神経細胞の興奮性は、細胞の静止膜電位およびしたがって興奮性閾値を決定的に決定するため、Kチャネルの活性によって決定的に影響される。分子サブタイプKCNQ2/3(Kv7.2/7.3)の異種Kチャネルは、中枢(海馬、へんとう体)および末梢(後根神経節)神経系の種々の領域のニューロンにおいて発現され、その興奮性を調節する。KCNQ2/3Kチャネルの活性化は、細胞膜の過分極、およびこれに付随して、これらのニューロンの電気的興奮性減少につながる。後根神経節のKCNQ2/3発現ニューロンは、末梢から脊髄への侵害刺激の伝達に関与する(Passmoreら、J. Neurosci. 2003; 23(18): 7227〜36(非特許文献1))。
【0004】
その結果、KCNQ2/3アゴニストであるレチガビンの前臨床ニューロパシーおよび炎症性疼痛モデルにおいて鎮痛作用を検出することが可能となった(Blackburn−MunroおよびJensen、Eur J Pharmacol. 2003; 460(2〜3); 109〜16(非特許文献2);Dostら、Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 2004; 369(4): 382〜390(非特許文献3))。
【0005】
故に、KCNQ2/3Kチャネルは、疼痛の;特に、慢性疼痛、急性疼痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛および筋肉疼痛からなる群から選択される疼痛(Nielsenら、Eur J Pharmacol. 2004; 487(1〜3): 93〜103(非特許文献4))の、特に神経障害性および炎症性疼痛の治療に適した出発点を表す。
【0006】
その上、KCNQ2/3Kチャネルは、例えば、片頭痛(US2002/0128277(特許文献1))、認知疾患(Gribkoff、Expert Opin Ther Targets 2003; 7(6): 737〜748(非特許文献5))、不安(Korsgaardら、J Pharmacol Exp Ther. 2005、14(1): 282〜92(非特許文献6))、てんかん(Wickendenら、Expert Opin Ther Pat 2004; 14(4): 457〜469(非特許文献7);Gribkoff、Expert Opin Ther Targets 2008、12(5): 565〜81(非特許文献8);Miceliら、Curr Opin Pharmacol 2008、8(1): 65〜74(非特許文献9))、尿失禁(Strengら、J Urol 2004; 172: 2054〜2058(非特許文献10))、依存(Hansenら、Eur J Pharmacol 2007、570(1〜3): 77〜88(非特許文献11))、躁病/双極性障害(Denckerら、Epilepsy Behav 2008、12(1): 49〜53(非特許文献12))およびジストニアに関連する運動障害(Richterら、Br J Pharmacol 2006、149(6): 747〜53(非特許文献13))等、多数のさらなる疾患の療法に適した標的である。
【0007】
KCNQ2/3Kチャネルに対して親和性を有する置換化合物は、例えば先行技術(WO2008/046582(特許文献2)、WO2010/046108(特許文献3))から公知である。メラニン発現の調節因子は、例えば、WO2008/121850A2(特許文献4)から公知である。TGR5の複素環式調節因子は、例えば、WO2008/097976A1(特許文献5)から公知である。4−ヒドロキシ−置換キノリン誘導体は、例えば、US4,450,167(特許文献6)およびUS4,518,775(特許文献7)から公知である。
【0008】
WO2007/133637(特許文献8)は、VR1カチオン・チャネル等の哺乳類イオン・チャネルを変調することができるアミド誘導体を開示している。これらの化合物は、疼痛、炎症、外傷他を含む、哺乳動物における様々な状態の治療において有用である。
【0009】
FR2532939(特許文献9)は、鎮痛作用および抗炎症作用を有する2−置換4−ヒドロキシ−キノリン−カルボキサミドを開示している。
【0010】
WO2010/094644(特許文献10)およびWO2010/094645(特許文献11)は、置換モルホリニル−ピリジン誘導体および1,4−オキサゼパニル−ピリジン誘導体を開示している。いずれの化合物も、電位依存性K7(KCNQ)カリウム・イオン・チャネルの調節因子として記述されている。これらの化合物は、疼痛、てんかん、統合失調症、尿失禁等を含む様々な疾患の治療において有用である。
【0011】
WO2008/007211(特許文献12)は、置換N−二環式アルキル二環式カルボキシアミド化合物、および哺乳動物における、疼痛等のVR1受容体の過剰活性化によって引き起こされる疾患の状態の治療のためのそれらの使用を開示している。同様に、WO2008/050199(特許文献13)は、哺乳動物における、疼痛等のVR1受容体の過剰活性化によって引き起こされる疾患の状態の治療において有用な、置換フェニルメチルビシクロカルボキサミド化合物を開示している。
【0012】
EP0089597(特許文献14)は、スルホニル尿素誘導体、および抗糖尿病薬としてのそれらの使用を開示している。
【0013】
KCNQ2/3Kチャネル自体に対する親和性(力価、効力)に関してだけでなく、同程度またはより良好な特性を有するさらなる化合物が求められている。
【0014】
故に、代謝安定性、水性媒質への溶解度または化合物の透過性を改善することが有利な場合がある。これらの要因は、経口バイオアベイラビリティに有益な効果を及ぼすことができるか、またはPK/PD(薬物動態/薬力学的)プロフィールを変化させることができ、このことは、例えばより有益な有効性期間につながる。医薬組成物の摂取および排出に関与する輸送体分子との相互作用が弱いまたは存在しないことは、医薬組成物のバイオアベイラビリティ改善および最大でも低い相互作用の現れともみなされる。さらに、医薬組成物の分解および排出に関与する酵素との相互作用も、可能な限り低くなるはずであり、そのため、試験結果も、医薬組成物の相互作用が最大でも低いかまたは全くないと予測されることを示唆する。
【0015】
加えて、化合物が、KCNQファミリーの他の受容体に対して、例えばKCNQ1、KCNQ3/5またはKCNQ4に対して高選択性(特異性)を示せば有利な場合がある。高選択性は副作用プロフィールにプラス効果を及ぼし得、例えば、KCNQ1に対して親和性を(も)有する化合物は、心臓への(cardial)副作用の可能性が高くなりやすいことが公知である。したがって、KCNQ1に対する高選択性は望ましい場合がある。しかしながら、化合物が他の受容体に対して高選択性を示すことが有利となる場合もある。
【0016】
例えば、これらの受容体は心臓への副作用の可能性をおそらく有することが公知であるため、化合物がhERGイオン・チャネルまたはL型カルシウム・イオン・チャネル(フェニルアルキルアミン結合部位、ベンゾチアゼピン結合部位、ジヒドロピリジン結合部位)に対して低親和性を示すことが有利となる場合がある。さらに、他の内因性タンパク質(すなわち、受容体または酵素)との結合に対する選択性改善は、より良好な副作用プロフィールおよび結果として耐性改善をもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】US2002/0128277
【特許文献2】WO2008/046582
【特許文献3】WO2010/046108
【特許文献4】WO2008/121850A2
【特許文献5】WO2008/097976A1
【特許文献6】US4,450,167
【特許文献7】US4,518,775
【特許文献8】WO2007/133637
【特許文献9】FR2532939
【特許文献10】WO2010/094644
【特許文献11】WO2010/094645
【特許文献12】WO2008/007211
【特許文献13】WO2008/050199
【特許文献14】EP0089597
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Passmoreら、J. Neurosci. 2003; 23(18): 7227〜36
【非特許文献2】Blackburn−MunroおよびJensen、Eur J Pharmacol. 2003; 460(2〜3); 109〜16
【非特許文献3】Dostら、Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 2004; 369(4): 382〜390
【非特許文献4】Nielsenら、Eur J Pharmacol. 2004; 487(1〜3): 93〜103
【非特許文献5】Gribkoff、Expert Opin Ther Targets 2003; 7(6): 737〜748
【非特許文献6】Korsgaardら、J Pharmacol Exp Ther. 2005、14(1): 282〜92
【非特許文献7】Wickendenら、Expert Opin Ther Pat 2004; 14(4): 457〜469
【非特許文献8】Gribkoff、Expert Opin Ther Targets 2008、12(5): 565〜81
【非特許文献9】Miceliら、Curr Opin Pharmacol 2008、8(1): 65〜74
【非特許文献10】Strengら、J Urol 2004; 172: 2054〜2058
【非特許文献11】Hansenら、Eur J Pharmacol 2007、570(1〜3): 77〜88
【非特許文献12】Denckerら、Epilepsy Behav 2008、12(1): 49〜53
【非特許文献13】Richterら、Br J Pharmacol 2006、149(6): 747〜53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の目的は、先行技術の化合物を上回る利点を有する新たな化合物を提供することであった。これらの化合物は、特に、医薬組成物中、好ましくは、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の治療および/または予防用の医薬組成物中の薬理学的活性成分として適切でなくてはならない。
【0020】
その目的は、特許請求項の主題によって達成される。
【0021】
驚くべきことに、以下に記す一般式(I)の置換化合物が、疼痛の治療に適していることが見出された。驚くべきことに、以下に記す一般式(I)の置換化合物は、KCNQ2/3Kチャネルに対する優れた親和性も有し、したがって、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の予防および/または治療に適していることも見出された。置換化合物はそれにより、KCNQ2/3Kチャネルの調節因子、すなわちアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する。
【0022】
したがって、本発明は、一般式(I)の置換化合物
【0023】
【化1】
[式中、
は、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されているC1〜10−脂肪族残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、アリールまたはヘテロアリールを表し、
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;C(=O)H;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;SCF;S(=O)−OH;NO;OCF;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、N(C1〜4脂肪族残基)−C(=O)−C1〜4脂肪族残基またはN(C1〜4脂肪族残基)−S(=O)−C1〜4脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではなく、
は、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されているC2〜10−脂肪族残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を表し、
が3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、結合は3〜10員のヘテロ脂環式残基の炭素原子を介して行われており、
ここで、「脂肪族基」および「脂肪族残基」は、各々の場合において、分枝鎖状または非分枝鎖状、飽和または不飽和であってよく、
ここで、「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」は、各々の場合において、飽和または不飽和であってよく、
ここで、「脂肪族基」および「脂肪族残基」についての「一置換もしくは多置換されている」は、対応する残基または基について、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、CHO、COOH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、それぞれ互いに独立した一つまたは複数の水素原子の置換に関し、
ここで、「アリール」および「ヘテロアリール」についての「一置換もしくは多置換されている」は、対応する残基について、F、Cl、Br、I、NO、NH
【0024】
【化2】
、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C(=O)H、C(=O)OH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、それぞれ互いに独立した一つまたは複数の水素原子の置換に関する]
であって、
遊離化合物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態、または生理学的に許容可能な酸または塩基の塩の形態、または溶媒和物、特に水和物の形態である化合物
に関する。
【0025】
用語「C1〜10−脂肪族残基」、「C1〜8−脂肪族残基」、「C1〜6−脂肪族残基」および「C1〜4−脂肪族残基」および「C1〜2−脂肪族残基」は、本発明の意味で、1〜10個、または1〜8個、または1〜6個、または1〜4個、または1〜2個の炭素原子をそれぞれ含有する、分枝鎖状であっても非分枝鎖状であってもよく、また非置換であっても一置換もしくは多置換されていてもよい、非環式飽和または不飽和脂肪族炭化水素残基、すなわち、それぞれC1〜10アルカニル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニル、ならびにC1〜8アルカニル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニル、ならびにC1〜6アルカニル、C2〜6アルケニルおよびC2〜6アルキニル、ならびにC1〜4アルカニル、C2〜4アルケニルおよびC2〜4アルキニル、ならびにC1〜2アルカニル、C2−アルケニルおよびCアルキニルを含む。この場合、アルケニルは少なくとも一つのC−C二重結合(C=C−結合)を含み、アルキニルは少なくとも一つのC−C三重結合(C≡C−結合)を含む。好ましくは、脂肪族残基は、アルカニル(アルキル)およびアルケニル残基からなる群から選択され、より好ましくは、アルカニル残基である。好ましいC1〜10アルカニル残基は、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルからなる群から選択される。好ましいC1〜8アルカニル残基は、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチルからなる群から選択される。好ましいC1〜6アルカニル残基は、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルからなる群から選択される。好ましいC1〜4アルカニル残基は、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチルおよびtert.−ブチルからなる群から選択される。好ましいC2〜10アルケニル残基は、エテニル(ビニル)、プロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニルからなる群から選択される。好ましいC2〜8アルケニル残基は、エテニル(ビニル)、プロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルからなる群から選択される。好ましいC2〜6アルケニル残基は、エテニル(ビニル)、プロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルからなる群から選択される。好ましいC2〜4アルケニル残基は、エテニル(ビニル)、プロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)およびブテニルからなる群から選択される。好ましいC2〜10アルキニル残基は、エチニル、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニルおよびデシニルからなる群から選択される。好ましいC2〜8アルキニル残基は、エチニル、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびオクチニルからなる群から選択される。好ましいC2〜6アルキニル残基は、エチニル、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルからなる群から選択される。好ましいC2〜4アルキニル残基は、エチニル、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)およびブチニルからなる群から選択される。
【0026】
用語「C3〜6−脂環式残基」および「C3〜10−脂環式残基」は、本発明においては、3、4、5または6個の炭素原子および3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子をそれぞれ含有する環式脂肪族炭化水素を意味し、ここで、各々の場合における炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよく(しかし芳香族ではない)、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。脂環式残基は、脂環式残基の任意の望ましくかつ考えられる環員を介してそれぞれの上位の一般構造と結合していてよい。脂環式残基は、さらなる飽和、(部分)不飽和、(ヘテロ)環式、芳香族またはヘテロ芳香族環系と、すなわち、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリール残基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)と縮合されていてもよい。C3〜10脂環式残基は、さらに、例えばアダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルまたはビシクロ[2.2.2]オクチルの場合等、単架橋または多重架橋されていてよい。好ましいC3〜10脂環式残基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、
【0027】
【化3】
、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルからなる群から選択される。好ましいC3〜6脂環式残基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルからなる群から選択される。
【0028】
用語「3〜6員のヘテロ脂環式残基」および「3〜10員のヘテロ脂環式残基」は、本発明においては、3〜6個、すなわち3、4、5または6個の環員および3〜10個、すなわち3、4、5、6、7、8、9または10個の環員をそれぞれ有するヘテロ脂環式飽和または不飽和(しかし芳香族ではない)残基を意味し、ここで、各々の場合において、少なくとも一つ、適切ならば二つまたは三つもの炭素原子が、O、S、S(=O)、N、NHおよびN(C1〜8アルキル)からなる群からそれぞれ互いに独立に選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基、好ましくはN(CH)によって置き換えられており、ここで、前記環員は、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。ヘテロ脂環式残基は、前記ヘテロ脂環式残基の任意の望ましくかつ考えられる環員を介して上位の一般構造と結合していてよい。ヘテロ脂環式残基は、さらなる飽和、(部分)不飽和(ヘテロ)脂環式または芳香族またはヘテロ芳香族環系と、すなわち、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリール残基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)と縮合されていてもよい。好ましいヘテロ脂環式残基は、アゼチジニル、アジリジニル、アゼパニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジチオラニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロピロリル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジオキセパニル、ジヒドロインデニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリニル、ジヒドロイソインドリル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピリドインドリル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロカルボリニル、テトラヒドロイソオキサゾロ−ピリジニル、チアゾリジニルおよびチオモルホリニルからなる群から選択される。
【0029】
用語「アリール」は、本発明においては、フェニルおよびナフチルを含む、6〜14個の環員を有する芳香族炭化水素を意味する。各アリール残基は、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、ここで、アリール置換基は同じであっても異なっていてもよく、前記アリールの任意の望ましくかつ考えられる位置にあってよい。アリールは、前記アリール残基の任意の望ましくかつ考えられる環員を介して上位の一般構造と結合していてよい。アリール残基は、さらなる飽和、(部分)不飽和、(ヘテロ)脂環式、芳香族またはヘテロ芳香族環系と、すなわち、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリール残基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)と縮合されていてもよい。縮合アリール残基の例は、ベンゾジオキソラニルおよびベンゾジオキサニルである。好ましくは、アリールは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フルオレニルおよびアントラセニルからなる群から選択され、その各々は、それぞれ非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。特に好ましいアリールは、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されているフェニルである。
【0030】
用語「ヘテロアリール」は、本発明においては、少なくとも1個、適切ならば2、3、4または5個ものヘテロ原子を含有する5または6員の環式芳香族残基を表し、ここで、前記ヘテロ原子は、群S、NおよびOからそれぞれ互いに独立に選択され、ヘテロアリール残基は、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、ヘテロアリール上での置換の場合、置換基は同じであっても異なっていてもよく、前記ヘテロアリールの任意の望ましくかつ考えられる位置にあってよい。上位の一般構造との結合は、ヘテロアリール残基の任意の望ましくかつ考えられる環員を介して行われ得る。ヘテロアリールは、最大14個の環員を有する二環または多環系の一部であってもよく、ここで、環系は、さらなる飽和、(部分)不飽和、(ヘテロ)脂環式または芳香族またはヘテロ芳香族環と、すなわち、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリール残基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)と形成され得る。ヘテロアリール残基は、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、キノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、フリル(フラニル)、イミダゾリル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、インドリル、ナフチリジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、ピラゾリル、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピロリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、プリニル、フェナジニル、チエニル(チオフェニル)、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアジニルからなる群から選択されることが好ましい。フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルが特に好ましい。
【0031】
用語「C1〜4−脂肪族基を介してまたはC1〜8−脂肪族基を介して架橋されているアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式残基または脂環式残基」は、本発明においては、語句「アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式残基および脂環式残基」が上記で定義した意味を意味し、それぞれC1〜4−脂肪族基を介してまたはC1〜8−脂肪族基を介してそれぞれの上位の一般構造と結合していることを意味する。C1〜4脂肪族基およびC1〜8−脂肪族基は、すべての場合において、分枝鎖状であっても非分枝鎖状であってもよく、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。C1〜4脂肪族基は、すべての場合において、さらに飽和または不飽和であってよい、すなわち、C1〜4アルキレン基、C2〜4アルケニレン基またはC2〜4アルキニレン基であってよい。同じことがC1〜8−脂肪族基にも当てはまる、すなわち、C1〜8−脂肪族基は、すべての場合において、さらに飽和または不飽和であってよい、すなわち、C1〜8アルキレン基、C2〜8アルケニレン基またはC2〜8アルキニレン基であってよい。好ましくは、C1〜4−脂肪族基はC1〜4アルキレン基またはC2〜4アルケニレン基であり、より好ましくはC1〜4アルキレン基である。好ましくは、C1〜8−脂肪族基はC1〜8アルキレン基またはC2〜8アルケニレン基であり、より好ましくはC1〜8アルキレン基である。好ましいC1〜4アルキレン基は、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、−CH(CHCH)−、−CH−(CH−CH−、−CH(CH)−CH−CH−、−CH−CH(CH)−CH−、−CH(CH)−CH(CH)−、−CH(CHCH)−CH−、−C(CH−CH−、−CH(CHCHCH)−および−C(CH)(CHCH)−からなる群から選択される。好ましいC2〜4アルケニレン基は、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−C(CH)=CH−、−CH=CH−CH−CH−、−CH−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−、−C(CH)=CH−CH−、−CH=C(CH)−CH−、−C(CH)=C(CH)−および−C(CHCH)=CH−からなる群から選択される。好ましいC2〜4アルキニレン基は、−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CH−CH−、−C≡C−CH(CH)−、−CH−C≡C−CH−および−C≡C−C≡C−からなる群から選択される。好ましいC1〜8アルキレン基は、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、−CH(CHCH)−、−CH−(CH−CH−、−CH(CH)−CH−CH−、−CH−CH(CH)−CH−、−CH(CH)−CH(CH)−、−CH(CHCH)−CH−、−C(CH−CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−CH−(CH−CH−、−CH(CH)−CH−CH−CH−、−CH−CH(CH)−CH−CH−、−CH(CH)−CH−CH(CH)−、−CH(CH)−CH(CH)−CH−、−C(CH−CH−CH−、−CH−C(CH−CH−、−CH(CHCH)−CH−CH−、−CH−CH(CHCH)−CH−、−C(CH−CH(CH)−、−CH(CHCH)−CH(CH)−、−C(CH)(CHCH)−CH−、−CH(CHCHCH)−CH−、−C(CHCHCH)−CH−、−CH(CHCHCHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−および−CH−(CH−CH−からなる群から選択される。好ましいC2〜8アルケニレン基は、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−C(CH)=CH−、−CH=CH−CH−CH−、−CH−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−、−C(CH)=CH−CH−、−CH=C(CH)−CH−、−C(CH)=C(CH)−、−C(CHCH)=CH−、−CH=CH−CH−CH−CH−、−CH−CH=CH−CH−CH−、−CH=CH=CH−CH−CH−および−CH=CH−CH−CH=CH−からなる群から選択される。好ましいC2〜8アルキニレン基は、−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CH−CH−、−C≡C−CH(CH)−、−CH−C≡C−CH−、−C≡C−C≡C−、−C≡C−C(CH−、−C≡C−CH−CH−CH−、−CH−C≡C−CH−CH−、−C≡C−C≡C−CH−および−C≡C−CH−C≡Cからなる群から選択される。
【0032】
「脂肪族残基」および「脂肪族基」に関して、用語「一置換または多置換されている」は、本発明の意味で、対応する残基または基について、それぞれ互いに独立に、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、CHO、COOH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、一つまたは複数の水素原子の単一置換または多重置換、例えば、二置換、三置換および四置換を指す。多置換されている残基および基についての用語「多置換されている」は、異なる原子または同じ原子のいずれか上でのこれらの残基および基の多置換、例えば、CFもしくはCHCFの場合のように同じ炭素原子上で、またはCH(OH)−CH=CH−CHClの場合のように種々の点で三置換されていることを含む。置換基は、その部分に適切ならば、同様に一置換または多置換されていてよい。多重置換は、同じ置換基を使用して、または異なる置換基を使用して行うことができる。
【0033】
「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」に関して、用語「一置換または多置換されている」は、本発明の意味で、対応する残基について、それぞれ互いに独立に、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、CHO、COOH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、一つまたは複数の水素原子の単一置換または多重置換、例えば、二置換、三置換および四置換を指す。多置換されている残基および基についての用語「多置換されている」は、異なる原子または同じ原子のいずれか上でのこれらの残基および基の多置換、例えば、1,1−ジフルオロシクロヘキシルの場合のように同じ炭素原子上で、または1−クロロ−3−フルオロシクロヘキシルの場合のように種々の点で二置換されていることを含む。置換基は、その部分に適切ならば、同様に一置換または多置換されていてよい。多重置換は、同じ置換基を使用して、または異なる置換基を使用して行うことができる。
【0034】
「脂肪族残基」および「脂肪族基」の好ましい置換基は、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CONH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される。
【0035】
「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」の好ましい置換基は、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CONH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される。
【0036】
「アリール」および「ヘテロアリール」に関して、用語「一置換または多置換されている」は、本発明の意味で、それぞれ互いに独立に、F、Cl、Br、I、NO、NH
【0037】
【化4】
、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C(=O)H、C(=O)OH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、一つのまたは適切ならば異なる原子上での、一つまたは複数の水素原子の単一置換または多重置換、例えば、二置換、三置換および四置換を指し、ここで、置換基は、その部分に適切ならば、同様に一置換または多置換されていてよい。多重置換は、同じ置換基を用いて、または異なる置換基を使用して行われる。
【0038】
「アリール」および「ヘテロアリール」の好ましい置換基は、F、Cl、Br、I、NO、NH
【0039】
【化5】
、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、CONH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)、アリール、好ましくはフェニル、またはベンジル[各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、CN、CF、CH、C、iso−プロピル、tert.−ブチル、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、O−CH、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、S−CH、SCF、NO、NH、N(CH、N(CH)(C)ならびにN(Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている]、ヘテロアリール、好ましくはピリジル、チエニル、フリル、チアゾリルまたはオキサゾリル[各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、CN、CF、CH、C、iso−プロピル、tert.−ブチル、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、O−CH、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、S−CH、SCF、NO、NH、N(CH、N(CH)(C)ならびにN(Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている]からなる群から選択される。
【0040】
本発明による化合物は、置換基、例えば、R、RおよびR(第一世代置換基)によって定義され、適切ならばそれらの一部が置換されている(第二世代置換基)。定義に応じて、これらの置換基の置換基はそれらの一部が再置換されていてよい(第三世代置換基)。例えば、R=C1〜10脂肪族残基(第一世代置換基)であれば、C1〜10脂肪族残基はその一部が例えばNH−C1〜4脂肪族残基(第二世代置換基)で置換されていてよい。これにより、官能基R=(C1〜10脂肪族残基−NH−C1〜4脂肪族残基)が生成される。次いで、NH−C1〜4脂肪族残基はその一部が例えばCl(第三世代置換基)で再置換され得る。概して、これにより、NH−C1〜4脂肪族残基のC1〜4脂肪族残基がClによって置換されている官能基R=C1〜10脂肪族残基−NH−C1〜4脂肪族残基が生成される。
【0041】
しかしながら、好ましい実施形態において、第三世代置換基は再置換されない場合があり、すなわち、次の第四世代置換基はない。
【0042】
別の好ましい実施形態において、第二世代置換基は再置換されない場合があり、すなわち、次の第三世代置換基すらない。換言すれば、この実施形態において、例えば一般式(I)の場合、R〜Rの官能基は適切ならば各々置換されていてよいが、次いでそれぞれの置換基はそれらの一部が再置換されない場合がある。
【0043】
いくつかの場合において、本発明による化合物は、それぞれ非置換であるか、または一置換もしくは多置換されているアリールまたはヘテロアリール残基であるかまたはそれを担持する、または、環員(複数可)としてそれらを結合する炭素原子(複数可)もしくはヘテロ原子(複数可)と一緒になって、各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されている環、例えばアリールまたはヘテロアリールを形成する置換基によって定義される。これらのアリールまたはヘテロアリール残基およびこのようにして形成された(ヘテロ)芳香族環系はいずれも、適切ならば、脂環式、好ましくはC3〜6脂環式残基、またはヘテロ脂環式残基、好ましくは3〜6員のヘテロ脂環式残基と、またはアリールもしくはヘテロアリールと、例えば、シクロペンチル等のC3〜6脂環式残基またはモルホリニル等の3〜6員のヘテロ脂環式残基、またはフェニル等のアリールまたはピリジル等のヘテロアリールと縮合されていてもよく、ここで、このようにして縮合された脂環式またはヘテロ脂環式残基、アリールまたはヘテロアリール残基は、それらの一部がそれぞれ、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。
【0044】
いくつかの場合において、本発明による化合物は、各々の場合において、それぞれ、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されている脂環式残基またはヘテロ脂環式残基であるかまたはそれを担持する、または、環員(複数可)としてそれらを結合する炭素原子(複数可)もしくはヘテロ原子(複数可)と一緒になって、環、例えば、脂環式またはヘテロ脂環式環系を形成する置換基によって定義される。これらの脂環式またはヘテロ脂環式環系およびこの方式で形成された(ヘテロ)脂環式環系はいずれも、適切ならば、アリールもしくはヘテロアリールと、または脂環式残基、好ましくはC3〜6脂環式残基、またはヘテロ脂環式残基、好ましくは3〜6員のヘテロ脂環式残基と、例えば、フェニル等のアリール、またはピリジル等のヘテロアリール、またはシクロヘキシル等の脂環式残基またはモルホリニル等のヘテロ脂環式残基と縮合されていてもよく、ここで、このようにして縮合されたアリールもしくはヘテロアリール残基、または脂環式もしくはヘテロ脂環式残基は、それらの一部がそれぞれ、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい。
【0045】
本発明の範囲内では、式において使用される記号
【0046】
【化6】
は、対応する残基とそれぞれの上位の一般構造との連結を示す。
【0047】
残基が分子内に複数生じる場合、この残基は種々の置換基についてそれぞれ異なる意味を有し得、例えば、RおよびRがいずれも3〜6員のヘテロ脂環式残基を示す場合、3〜6員のヘテロ脂環式残基は、例えばRについてモルホリニルを表し得、Rについてピペラジニルを表し得る。
【0048】
用語「生理学的に許容可能な酸の塩」は、本発明の意味で、それぞれの活性成分と、特にヒトおよび/または他の哺乳動物において使用される場合に生理学的に許容可能な、無機または有機酸との塩を指す。塩酸塩が特に好ましい。生理学的に許容可能な酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、サッカリン酸(saccharic acid)、モノメチルセバシン酸、5−オキソプロリン、ヘキサン−1−スルホン酸、ニコチン酸、2、3または4−アミノ安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、α−リポ酸、アセチルグリシン、馬尿酸、リン酸、アスパラギン酸である。クエン酸および塩酸が特に好ましい。
【0049】
用語「生理学的に許容可能な塩基の塩」は、本発明の意味で、本発明によるそれぞれの化合物(例えば、適切な官能基の脱プロトン化時にアニオンとして)と、特にヒトおよび/または他の哺乳動物において使用される場合に生理学的に許容可能な、少なくとも一つのカチオンまたは塩基との、好ましくは少なくとも一つの無機カチオンとの塩を指す。特に好ましいのは、アルカリおよびアルカリ土類金属の塩、特に、(一)もしくは(二)ナトリウム、(一)もしくは(二)カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩だけでなく、アンモニウム塩[NH4−x[ここで、x=0、1、2、3または4であり、かつRは分枝鎖状または非分枝鎖状C1〜4脂肪族残基を表す]もである。
【0050】
一般式(I)による化合物の好ましい実施形態は、一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id):
【0051】
【化7】
を有する。
【0052】
本発明の別の好ましい実施形態は、一般式(I)による化合物
[式中、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜10−脂肪族残基、好ましくはC1〜8脂肪族残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示し、ここで、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【0053】
【化8】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示し、
ここでアリールまたはヘテロアリール残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、好ましくは、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を表し、ここで、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてよく、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基およびNH−S(=O)−C1〜4−脂肪族残基(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではなく、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基、好ましくはC2〜8−脂肪族残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく)
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している]
である。
【0054】
一般式(I)による化合物の好ましい実施形態において、残基
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜10−脂肪族残基、好ましくはC1〜8−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【0055】
【化9】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、アリールまたはヘテロアリール残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよい。
【0056】
一般式(I)による化合物のさらに好ましい実施形態において、残基
は、部分構造(T1)
【0057】
【化10】
[式中、
mは、0、1、2、3または4を示し、好ましくは、0、1または2を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4脂肪族残基またはC(=O)−OHを表すか、または一緒に=Oを表し、
好ましくは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
より好ましくは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
さらに一層好ましくは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、かつ
8cは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、好ましくはmが0ではない場合、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3から6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、好ましくはmが0である場合、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【0058】
【化11】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、aC1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示す]
を表す。
【0059】
好ましくは、
は、部分構造(T1)
[式中、
mは、0、1または2を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
好ましくは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜2脂肪族残基またはC1〜2脂肪族残基を表し、かつ
8cは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、好ましくはmが0である場合、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルまたはオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、かつ
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、好ましくは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で、好ましくはF、Cl、CH、O−CH、CFおよびOCFからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは二置換されていてもよく、
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、aC1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示す]
を表す。
【0060】
より好ましくは、
は、部分構造(T1)
[式中、
mは、0、1または2を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
好ましくは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜2脂肪族残基またはC1〜2脂肪族残基を表し、かつ
8cは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示すか、
または、好ましくはmが0である場合、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、フェニル、チエニルもしくはピリジルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、ベンジル、フェニル、チエニルおよびピリジルは、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、好ましくは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で、好ましくはF、Cl、CH、O−CH、CFおよびOCFからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは二置換されていてもよく、かつ
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)
を示す]
を表す。
【0061】
一般式(I)による化合物のさらに好ましい実施形態において、残基
は、部分構造(T1)
[式中、
mは、0、1または2であり、かつ
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基、好ましくはH、F、CHまたはOCHを表し、
8cは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す]、
あるいは
[式中、
mは0であり、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基、好ましくはH、F、CHまたはOCHを表し、かつ
8cは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CH、C(=O)−O−Cおよびフェニルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、フェニルは、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、好ましくは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で、好ましくはF、Cl、CH、O−CH、CFおよびOCFからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは二置換されていてもよい)
を示す]
を表す。
【0062】
特に好ましいのは、下記の一般式(Ie):
【0063】
【化12】
を有する一般式(I)による化合物である。
【0064】
一般式(I)による化合物の好ましい実施形態において、残基
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基[ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基を表す。
【0065】
好ましくは、
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を表し、
ここで、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよい。
【0066】
より好ましくは、
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、モルホリニルまたはピペリジニル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを表し、
ここで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、モルホリニルまたはピペリジニルは、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよい。
【0067】
さらに一層好ましくは、
は、H、F、Cl、Br、I、CN、CF、NO、OCF、SCF、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、O−メチル、O−エチル、O−(CH−O−CH、O−(CH−OH、S−メチル、S−エチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを指す。
【0068】
なお一層好ましくは、
は、H、F、Cl、CF、CN、SCF、OCF、CH、C、n−プロピル、iso−プロピル、t−ブチル、シクロプロピル、O−CHおよびO−Cからなる群から選択される。
【0069】
特に、
は、H、F、Cl、CF、CH、C、iso−プロピル、シクロプロピル、およびO−CHからなる群から選択され、好ましくはH、F、Cl、CF、CHおよびO−CHからなる群から選択される。
【0070】
一般式(I)による化合物の特に好ましい実施形態において、残基
はHではない。
【0071】
一般式(I)による化合物の好ましい実施形態において、残基
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基およびNH−S(=O)−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基
を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0072】
好ましくは、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基
を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0073】
より好ましくは、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基
を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0074】
本発明のさらに好ましい実施形態において、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;NO;CF;CN;OCF;SCF;(C=O)−C1〜4脂肪族残基、C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4脂肪族残基、S−C1〜4脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、ClおよびO−CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
からなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0075】
好ましくは、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NO、CF、CN、OCF、SCF、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、シクロプロピル、C(=O)−メチル、C(=O)−エチル、(C=O)−イソプロピル、(C=O)−t−ブチル、O−メチル、O−エチル、O−イソプロピル、O−t−ブチル、O−(CH−O−CH、S−メチル、S−エチルからなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0076】
詳細には、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NO、CF、CN、(C=O)−メチル、(C=O)−エチル、(C=O)−イソプロピル、(C=O)−t−ブチル、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、O−メチル、O−エチル、O−イソプロピル、O−t−ブチル、OCF、S−メチル、S−エチルおよびSCFからなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0077】
より詳細には、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、CH、CF、CN、OCFおよびNOからなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0078】
最も好ましくは、
、RおよびRは、それぞれ独立に、HおよびFからなる群から選択され、かつ
は、F、Cl、Br、CH、CF、OCF、CNまたはNOを示し、好ましくはF、Br、CFまたはCNを示す。
【0079】
一般式(I)による化合物の特に好ましい実施形態において、
残基R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではない。
【0080】
一般式(I)による化合物の好ましい実施形態において、残基
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基、好ましくはC2〜8−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0081】
一般式(I)による化合物のさらに好ましい実施形態において、残基
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基、好ましくはC2〜8−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0082】
好ましくは、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜8−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基、好ましくはC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0083】
より好ましくは、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基およびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜8−脂肪族残基、好ましくはC2〜6−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において場合によってC1〜8脂肪族基を介して架橋されていてもよく、好ましくはC1〜4脂肪族基(非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されているのが好ましく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0084】
さらにより好ましくは、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜8−脂肪族残基、好ましくはC2〜6−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において場合によって非置換C1〜8脂肪族基を介して架橋されていてもよく、好ましくは非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されているのが好ましく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0085】
さらにより好ましくは、
は、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜6−脂肪族残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換である]
を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基、好ましくはC3〜6−脂環式残基、または3から10員のヘテロ脂環式残基、好ましくは3から6員のヘテロ脂環式残基
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはOHもしくは非置換O−C1〜4−脂肪族残基で一置換もしくは多置換されていてもよい]
を示し、
ここで、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において場合によって非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されていてもよく、
が3から10員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0086】
特に、
は、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、エテニルおよびプロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)からなる群から好ましくは選択されるC2〜6−脂肪族残基[非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、より好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基およびN(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、さらに一層好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはO−メチル、OHおよびN(メチル)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は非置換である)]を示すか、あるいは
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルからなる群から好ましくは選択されるC3〜6−脂環式残基、またはピペリジニル(好ましくはピペリジン−4−イルまたはピペリジン−3−イル)、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルからなる群から好ましくは選択される3から6員のヘテロ脂環式残基[各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、より好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、ClおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基、好ましくはO−メチルで一置換もしくは多置換されている(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は非置換である)]を示し、
ここで、C3〜6−脂環式残基または3から6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して、好ましくは非置換C1〜2脂肪族基を介して架橋されていてよく、
が3から6員のヘテロ脂環式残基を示すならば、3から6員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結している。
【0087】
最も好ましくは、
は、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、エテニルまたはプロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)[各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−CH、CFおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−CHおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、より好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはO−CH、OHおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている]を示すか、または
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニル(好ましくはピペリジン−4−イルまたはピペリジン−3−イル)、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル[各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、ClおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基、好ましくはO−メチルで一置換もしくは多置換されている(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は非置換である)]を示し、
ここで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニル(好ましくはピペリジン−4−イルまたはピペリジン−3−イル)、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルは、各々の場合において、非置換C1〜4脂肪族基を介して、好ましくは非置換C1〜2脂肪族基を介して場合により架橋されていてよく、好ましくは架橋されており、
がピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル、ピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルを示すならば、これらの残基の各々は炭素原子を介して連結している。
【0088】
が、部分構造(T1)
【0089】
【化13】
[式中、
mは、0、1または2であり、かつ
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基、好ましくはH、F、CHまたはOCHを表し、
8cは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3から10員のヘテロ脂環式残基を示す]
あるいは
[式中、
mは0であり、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基、好ましくはH、F、CHまたはOCHを表し、かつ
8cは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CH、C(=O)−O−Cおよびフェニルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール
(ここで、フェニルは、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよく、好ましくは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で、好ましくはF、Cl、CH、O−CH、CFおよびOCFからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは二置換されていてもよい)
を示し、
は、H、F、Cl、CF、CH、C、iso−プロピル、シクロプロピルおよびO−CHからなる群から選択され、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、CF、CN、OCFおよびNOからなる群から選択され、但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではなく、
は、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、エテニルまたはプロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)(各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−CH、CFおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−CHおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、より好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはO−CH、OHおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている)を示すか、または
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニル(好ましくはピペリジン−4−イルまたはピペリジン−3−イル)、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル(各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、好ましくは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、ClおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基、好ましくはO−メチルで一置換もしくは多置換されている(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は非置換である))を示し、
ここで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニル(好ましくはピペリジン−4−イルまたはピペリジン−3−イル)、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルは、各々の場合において、非置換C1〜4脂肪族基を介して、好ましくは非置換C1〜2脂肪族基を介して場合により架橋されていてよく、
がピペリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルを示すならば、これらの残基の各々は炭素原子を介して連結している]
を表す、一般式(I)による化合物も特に好ましい。
【0090】
とりわけ特に好ましいのは、
1 4−メチル−2−プロピル−N−(チオフェン−2−イル−メチル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
2 N−(シクロヘプチル−メチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
3 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
4 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
5 2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
6 2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
7 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
8 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
9 2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
10 2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
11 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
12 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
13 2−tert−ブチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
14 2−tert−ブチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
15 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
16 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
17 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
18 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
19 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
20 2−シクロペンチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
21 2−シクロペンチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
22 N−(4,4−ジメチル−ペンチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
23 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
24 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
25 7−ブロモ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
26 7−ブロモ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
27 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
28 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
29 7−ブロモ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
30 7−ブロモ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
31 2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
32 2−エチル−N−[(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
33 7−シアノ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
34 2−エチル−N−[(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
35 7−シアノ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
36 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロピル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
37 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
38 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
39 7−シアノ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;および
40 7−シアノ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
を含む群から選択される、一般式(I)による化合物であって、それぞれ、遊離化合物;ラセミ化合物;鏡像異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態;または生理学的に許容される酸もしくは塩基の塩の形態;または溶媒和物、特に水和物の形態である化合物である。
【0091】
前述の一般式(I)の本発明による置換化合物および対応する立体異性体、ならびにまたそれぞれの対応する塩および溶媒和物は、毒物学的に安全であり、したがって、医薬組成物中の薬学的活性成分として適している。
【0092】
したがって、本発明はさらに、少なくとも一つの一般式(I)による化合物を、各々の場合において、適切ならば、その純粋な立体異性体、特に鏡像異性体もしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物の一つの形態で、または立体異性体、特に鏡像異性体および/もしくはジアステレオマーの任意の望ましい混合比での混合物の形態で、またはそれぞれ生理学的に許容される塩の形態で、もしくはそれぞれ対応する溶媒和物の形態で、ならびにまた場合により少なくとも一つの薬学的に許容される助剤および/または場合により少なくとも一つのさらなる活性成分を含有する、医薬組成物に関する。
【0093】
これらの本発明による医薬組成物は、特にKCNQ2/3Kチャネルの調節に、好ましくはKCNQ2/3Kチャネル阻害および/またはKCNQ2/3Kチャネル刺激に適しており、すなわち、アゴニストまたはアンタゴニスト作用を発揮する。
【0094】
同様に、本発明による医薬組成物は、好ましくは、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の予防および/または治療に適している。
【0095】
本発明による医薬組成物は、成人ならびに幼児および乳児を含む小児への投与に適している。
【0096】
本発明による医薬組成物は、液体、半固体または固体医薬品形態として、例えば、注射液、点滴剤、ジュース、シロップ剤、スプレー剤、懸濁剤、錠剤、パッチ剤、カプセル剤、硬膏剤、坐剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、乳剤、エアゾール剤の形態で、またはマルチ粒子形態の形態で、例えばペレット剤もしくは顆粒剤の形態で調製することができ、適切ならば、錠剤にプレス加工し、カプセル中にデカントし、または液体に懸濁してよく、そのまま投与してもよい。
【0097】
適切ならば、その純粋な立体異性体、特に鏡像異性体もしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物の一つ形態での、または立体異性体の、特に鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の望ましい混合比での混合物の形態での、または適切ならば、対応する塩の形態もしくはそれぞれ対応する溶媒和物の形態での、少なくとも一つの一般式(I)の置換化合物に加えて、本発明による医薬組成物は、慣例的に、例えば添加剤、充填剤、溶媒、賦形剤、界面活性物質、染料、保存剤、ブラスチング剤(blasting agent)、スリップ剤、滑沢剤、香料および結合剤からなる群から選択され得る、生理学的に許容される医薬品助剤をさらに含有し得る。
【0098】
使用される生理学的に許容される助剤およびその量の選択は、医薬組成物が、経口的に、皮下に、非経口的に、静脈内に、腹腔内に、皮内に、筋肉内に、鼻腔内に、頬側に、直腸内に、または皮膚、粘膜および目の感染部へ局所的に、のいずれで適用されるかによって決まる。錠剤、糖剤、カプセル剤、顆粒剤、ペレット剤、点滴剤、ジュースおよびシロップ剤の形態の製剤は、好ましくは経口適用に適しており、液剤、懸濁剤、容易に再構成可能な乾燥製剤およびスプレー剤は、好ましくは非経口、局所および吸入適用に適している。貯蔵中の、溶解形態の、または硬膏剤中の、本発明による医薬組成物中に使用される本発明による置換化合物、および適切ならば添加される皮膚浸透を促進するさらなる作用物質は、適切な経皮適用製剤である。経口的にまたは経皮的に適用可能な製剤形態は、本発明によるそれぞれの置換化合物を遅延方式で放出することもできる。
【0099】
本発明による医薬組成物は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、A.R. Gennaro(編)、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa、1985、特に第8部、第76から93章において記述されているもの等の、当技術分野において公知である従来の手段、デバイス、方法およびプロセスを活用して調製できる。対応する記述は、参照することにより本明細書に導入され、本開示の一部を形成する。上記で示した一般式(I)の本発明によるそれぞれの置換化合物の、患者に投与される量は変動し得、例えば、患者の体重または年齢、ならびに適用の種類、適応症および障害の重症度にも依存する。慣例的に、患者の体重1kg当たり、0.001から100mg/kg、好ましくは0.05から75mg/kg、特に好ましくは0.05から50mgの、少なくとも一つの本発明による化合物が適用される。
【0100】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、疼痛、特に急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される一つまたは複数の疾患および/または障害の治療および/または予防に適している。
【0101】
本発明による医薬組成物は、特に好ましくは、疼痛の、より特に好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛および筋肉疼痛の治療、最も詳細には神経障害性疼痛の治療に適している。
【0102】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、てんかんの治療および/または予防にも適している。
【0103】
したがって、本発明はさらに、KCNQ2/3Kチャネルの調節において使用するための、好ましくはKCNQ2/3Kチャネル阻害および/または刺激において使用するための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および適切ならば、一つまたは複数の薬学的に許容される助剤にも関する。
【0104】
したがって、本発明はさらに、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の予防および/または治療において使用するための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および適切ならば、一つまたは複数の薬学的に許容される助剤にも関する。
【0105】
疼痛、特に急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の予防および/または治療において使用するための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤が好ましい。
【0106】
疼痛、特に急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、最も特定すれば神経障害性疼痛からなる群から選択される障害および/または疾患の予防および/または治療において使用するための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤が特に好ましい。
【0107】
てんかんの予防および/または治療において使用するための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤も特に好ましい。
【0108】
したがって、本発明はさらに、KCNQ2/3Kチャネルの調節のための、好ましくはKCNQ2/3Kチャネル阻害および/または刺激のための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および適切ならば、一つまたは複数の薬学的に許容される助剤にも関する。
【0109】
したがって、本発明はさらに、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の予防および/または治療のための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および適切ならば、一つまたは複数の薬学的に許容される助剤にも関する。
【0110】
疼痛、とりわけ急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の予防および/または治療のための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤が好ましい。
【0111】
疼痛、特に急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、最も特定すれば神経障害性疼痛からなる群から選択される障害および/または疾患の予防および/または治療のための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤が特に好ましい。
【0112】
てんかんの予防および/または治療のための、少なくとも一つの一般式(I)による化合物、および場合により一つまたは複数の薬学的に許容される助剤も特に好ましい。
【0113】
本発明の別の態様は、哺乳動物における、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の、好ましくは、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉疼痛、内臓疼痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の治療および/または予防の方法であって、有効量の少なくとも一つの一般式(I)の化合物を、前記哺乳動物に投与するステップを含む方法である。
【0114】
疼痛に対する有効性は、例えば、ベネットもしくはチャン・モデル(Bennett, G.J.およびXie, Y.K.、A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man、Pain 1988、33(1)、87〜107;Kim, S.H.およびChung, J.M.、An experimental model for peripheral neuropathy produced by segmental spinal nerve ligation in the rat、Pain 1992、50(3)、355〜363)において、テイル・フリック実験(例えば、D’AmourおよびSmith (J. Pharm. Exp. Ther. 72、74 79 (1941))による)によって、またはホルマリン試験(例えば、D. Dubuissonら、Pain 1977、4、161〜174による)によって示すことができる。てんかんに対する有効性は、例えば、DBA/2マウス・モデル(De Sarroら、Naunyn−Schmiedeberg’s Arch. Pharmacol. 2001、363、330〜336)において実証することができる。
【0115】
本発明による化合物は、好ましくは、10000nM以下または8000nM以下、より好ましくは7000nM以下または6000nM以下、またさらに好ましくは5000nM以下または3000nM以下、さらに一層好ましくは2000nM以下または1000nM以下、またさらに一層好ましくは800nM以下または700nM以下、なお一層好ましくは600nM以下または500nM以下、またなお一層好ましくは400nM以下または300nM以下、最も好ましくは200nM以下または150nM以下、とりわけ120nM以下または100nM以下のEC50値を有する。EC50値を決定するための方法は、当業者に公知である。EC50値は、好ましくは蛍光測定法によって、特に好ましくは、「薬理学的実験」の箇所で後述する通りに決定される。
【0116】
本発明はさらに、本発明による置換化合物を調製するためのプロセスを提供する。
【0117】
後述する反応およびスキームにおいて使用される化学物質および反応成分は、市販されているか、または各々の場合において、当業者に公知である従来の方法によって調製できる。
【0118】
記述されている反応はそれぞれ、例えば圧力または成分が添加される順序に関して、当業者が精通している従来の条件下で行われ得る。適切ならば、当業者は、簡単な予備試験を行うことにより、それぞれの条件下で最適な手順を決定することができる。以上に記述した反応を使用して得られる中間体および最終生成物を、所望かつ/または必要ならば、当業者に公知である従来の方法を使用して、それぞれ精製および/または単離してよい。適切な精製プロセスは、例えば、抽出プロセス、およびカラム・クロマトグラフィーまたは分取クロマトグラフィー等のクロマトグラフィー・プロセスである。後述するプロセス・ステップ、ならびに中間体または最終生成物のそれぞれの精製および/または単離はいずれも、部分的にまたは完全に、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行うことができる。
【0119】
前述の一般式(I)の本発明による置換化合物が、その調製後に、それらの立体異性体の混合物の形態で、好ましくは、それらの種々の鏡像異性体および/またはジアステレオマーのラセミ化合物または他の混合物の形態で得られる場合、当業者に公知である従来のプロセスを使用して、分離し、適切ならば単離することができる。例は、クロマトグラフ分離プロセス、特に標準圧下または昇圧下での液体クロマトグラフィー・プロセス、好ましくはMPLCおよびHPLCプロセス、ならびにまた分別結晶プロセスを含む。これらのプロセスにより、個々の鏡像異性体、例えば、キラル固定相HPLCを利用して、またはキラル酸、例えば(+)−酒石酸、(−)−酒石酸もしくは(+)−10−カンファースルホン酸との結晶化を利用して形成されたジアステレオマー塩を、互いに分離することが可能になる。
【0120】
一般的な反応スキームI(前駆体HA−1、HA−2およびHA−3の合成):
【0121】
【化14】
残基R、R、R、R、RおよびRについて非常に広範な置換モデルを有する一般式HA−1、HA−2およびHA−3のキノリン−3−カルボン酸エステルの、複数の合成およびそれらへの合成経路が、最新の専門文献において公知である。
【0122】
例えば、一般式HA−1のキノリン−3−カルボン酸エステルは、例えば、一般式ES−1のβ−カルボニル−カルボン酸エステルによる一般式AN−1のアニリンの変換によって生成できる。
【0123】
一般式HA−2の2−ヒドロキシ−キノリン−3−カルボン酸エステルは、例えば、一般式ES−2のマロン酸誘導体による一般式AN−1のアニリンの変換によって生成できる。
【0124】
一般式HA−3の4−ヒドロキシ−キノリン−3−カルボン酸エステルは、例えば、一般式ES−3のマロン酸誘導体による一般式AN−2のアニリンの変換によって生成できる。
【0125】
残基R、R、R、R、RおよびRについて同様の置換モデルを有し、以下で概説する通りの、その合成があまり詳細には記述されていない、一般式HA−1、HA−2およびHA−3のこれまで未知の中間体は、これらの公知の方法に従い当業者によって、または公知の方法の組合せによって生成できる。
一般的な反応スキームII
【0126】
【化15】
段階01、段階05および段階08において、一般式HA−1、HA−6またはHA−8のキノリン−3−カルボン酸エステルはそれぞれ、当業者に公知の方法に従い、例えば、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して、一般式HA−4の酸に転換できる。
【0127】
段階03および段階06において、一般式HA−2の2−ヒドロキシ−キノリンカルボン酸または一般式HA−3の4−ヒドロキシ−キノリンカルボン酸は、当業者に公知の方法に従い、例えば、トリフルオロメタン−スルホン酸クロリドまたはオキシ塩化リンにより、一般式HA−7またはHA−5[式中、Xは、各々の場合において、脱離基、例えば、トリフルオロメタンスルホネートまたは塩素を示す]の化合物に転換できる。
【0128】
段階07において、一般式HA−7[式中、Xは、脱離基、例えば、メタンスルホネートまたは塩素を示す]のキノリン−3−カルボン酸エステルは、当業者に公知の方法に従い、例えばクロスカップリング、例えば、鈴木カップリング、スティルカップリングまたはブッフバルト・ハートウィッグカップリングによって、一般式HA−8の化合物に転換できる。
【0129】
段階04において、一般式HA−5[式中、Xは、脱離基、例えば、トリフルオロメタンスルホネートまたは塩素を示す]のキノリン−3−カルボン酸エステルは、当業者に公知の方法に従い、例えば、対応するアミンによる置換によって、対応するアルコールによる置換によって、またはクロスカップリング、例えば、鈴木カップリング、スティルカップリングもしくはブッフバルト・ハートウィッグカップリングによって、一般式HA−6の化合物に転換できる。
【0130】
段階02において、一般式HA−4の酸を、当業者に公知の方法に従い、例えば適切なカップリング試薬、例えばHATUを使用して、一般式R−(CH)−NHのアミンによる変換により、一般式(I)のアミドに転換できる。
【0131】
このようにして得られた一般式(I)の化合物を、当業者に公知である簡単な誘導体化反応、例えば、エステル化、エステル形成、アミド形成、エーテル化、エーテル開裂、還元、置換またはクロスカップリング反応によってさらに転換して、置換基R、R、R、R、R、RおよびRの一つまたは複数を導入および/または交換することができる。
【0132】
以後、若干数の例を活用して本発明について記述する。この記述は、例として意図されているに過ぎず、本発明の概念を限定するものではない。
なお、本願は特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る:
1.一般式(I)
【化16】
[式中、
は、非置換であるかまたは一置換もしくは多置換されているC1〜10−脂肪族残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、アリールまたはヘテロアリールを表し、
は、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;C(=O)H;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;SCF;S(=O)−OH;NO;OCF;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、N(C1〜4脂肪族残基)−C(=O)−C1〜4脂肪族残基またはN(C1〜4脂肪族残基)−S(=O)−C1〜4脂肪族残基(ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい);各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とし、
は、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されているC2〜10−脂肪族残基;各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を表し、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、結合は3〜10員のヘテロ脂環式残基の炭素原子を介して行われており、
「脂肪族基」および「脂肪族残基」は、各々の場合において、分枝鎖状または非分枝鎖状、飽和または不飽和であってよく、
「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」は、各々の場合において、飽和または不飽和であってよく、
「脂肪族基」および「脂肪族残基」についての「一置換もしくは多置換されている」は、対応する残基または基について、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、CHO、COOH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、それぞれ互いに独立した一つまたは複数の水素原子の置換に関し、
「脂環式残基」および「ヘテロ脂環式残基」についての「一置換もしくは多置換されている」は、対応する残基について、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、NH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基、=O、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、CHO、COOH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、それぞれ互いに独立にした一つまたは複数の水素原子の置換に関し、
「アリール」および「ヘテロアリール」についての「一置換もしくは多置換されている」は、対応する残基について、F、Cl、Br、I、NO、NH
【化17】
、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)−C1〜4脂肪族残基、OH、OCF、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)OH、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−NH−C1〜4−脂肪族残基、CN、CF、C(=O)H、C(=O)OH、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、C3〜6−脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−NH、C(=O)−NH(C1〜4脂肪族残基)およびC(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基による、それぞれ互いに独立した一つまたは複数の水素原子の置換に関する]
で表される置換された化合物であって、
遊離化合物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態、または生理学的に許容可能な酸または塩基の塩の形態にある化合物。
2.Rが、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜10−脂肪族残基を示すか[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【化18】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、O−CH−OH、O−CH−O−CH、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基が、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、アリールまたはヘテロアリール残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
が、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4脂肪族残基[ここで、C1〜4脂肪族残基は、各々の場合において、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、または一置換もしくは多置換されており、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、または一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−NH−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−N(C1〜4脂肪族残基)、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、NH−C(=O)C1〜4脂肪族残基およびNH−S(=O)−C1〜4脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とし、
が、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とする
ことを特徴とする、上記1に記載の化合物。
3.Rが、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;NO;OCF;SCF;C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
を表し、
そして、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜4脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、非置換C1〜4−脂肪族残基および非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてよい
ことを特徴とする、上記1または2に記載の化合物。
4.RがHではないことを特徴とする、上記1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
5.R、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;CN;CF;OCF;SCF;C(=O)H;C(=O)−OH;C(=O)−NH;S(=O)−OH;NO;C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4−脂肪族残基、O−C(=O)−C1〜4−脂肪族残基、S−C1〜4−脂肪族残基、S(=O)−C1〜4−脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、=O、OHおよびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい];各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、=O、OH、C1〜4−脂肪族残基およびO−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されており、そして各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されている、C3〜6−脂環式残基または3〜6員のヘテロ脂環式残基を表し、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とすることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
6.R、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;I;NO;CF;CN;OCF;SCF;(C=O)−C1〜4脂肪族残基、C1〜4脂肪族残基、O−C1〜4脂肪族残基、S−C1〜4脂肪族残基[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、ClおよびO−CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]からなる群から選択され、但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とすることを特徴とする、上記1〜5のいずれか一つに記載の化合物。
7.Rが、部分構造(T1)
【化19】
[式中、
mは、0、1、2、3または4を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4脂肪族残基またはC(=O)−OHを表すか、または一緒に=Oを表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、
【化20】
、ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示す
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして、
ベンジル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、チアゾリルおよびオキサゾリルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−OH、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、NH、NH(C1〜4脂肪族残基)、N(C1〜4脂肪族残基)、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)]
を表すことを特徴とする、上記1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
8.Rが、部分構造(T1)
【化21】
[式中、
mは、0、1または2を示し、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、O−C1〜4脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示すか
(ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−C、C3〜6脂環式残基、3〜6員のヘテロ脂環式残基、ベンジル、フェニル、チエニルもしくはピリジルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリールを示す
(ここで、ベンジル、フェニル、チエニルおよびピリジルは、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよく、そして
3〜6脂環式残基および3〜6員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、C1〜4−脂肪族残基およびC(=O)−OHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)]
を表すことを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つに記載の化合物。
9.Rが、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜10−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合によりC1〜8脂肪族基(同様に、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、NO、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、CF、CNおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とする
ことを特徴とする、上記1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
10.Rが、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4−脂肪族残基、OCF、SH、SCF、S−C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C2〜8−脂肪族残基を示すか
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、=O、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、SCF、S−C1〜4脂肪族残基、C(=O)−O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し
[ここで、各々の場合におけるC1〜4−脂肪族残基は、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、OCF、CFおよび非置換O−C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい]、
そして、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基は、各々の場合において、場合により非置換C1〜8脂肪族基を介して架橋されていてもよく、
ただし、Rが3〜10員のヘテロ脂環式残基を示す場合には、3〜10員のヘテロ脂環式残基は炭素原子を介して連結していることを条件とする
ことを特徴とする、上記1〜9のいずれか一つに記載の化合物。
11.Rが、部分構造(T1)
【化22】
[式中、
mは、0、1または2であり、そして
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、
8cは、非置換であるかまたはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C1〜4脂肪族残基を示すか
または、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、非置換O−C1〜4脂肪族残基、CFおよび非置換C1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、C3〜10−脂環式残基または3〜10員のヘテロ脂環式残基を示し、
あるいは
式中、
mは0であり、
8aおよびR8bは、それぞれ互いに独立に、H、F、O−C1〜4脂肪族残基またはC1〜4脂肪族残基を表し、そして
8cは、各々の場合において、非置換であるか、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CH、C(=O)−O−Cおよびフェニルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されている、アリールまたはヘテロアリール(ここで、フェニルは、非置換であっても、またはF、Cl、Br、I、OH、O−C1〜4脂肪族残基、OCF、CF、CN、C1〜4−脂肪族残基、C(=O)−CH、C(=O)−C、C(=O)−O−CHおよびC(=O)−O−Cからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい)を示す]
を表し、
が、H;F;Cl;CF;CH;C;イソプロピル;シクロプロピルおよびO−CHからなる群から選択され、
、R、RおよびRが、それぞれ互いに独立に、H;F;Cl;Br;CH;CF;CN;OCFおよびNOからなる群から選択され、
但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはHではないことを条件とし、
が、各々の場合において非置換であるかまたはF、Cl、OH、O−CH、CFおよびN(CHからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されているエチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、エテニルまたはプロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)を示すか
または、各々の場合において、非置換であるかまたはF、Cl、OH、O−C1〜4−脂肪族残基、CFおよびC1〜4−脂肪族残基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基で一置換もしくは多置換されているシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル(ここで、各々の場合における前記C1〜4−脂肪族残基は非置換である)を示し、
そしてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、ピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルは、各々の場合において、場合により非置換C1〜4脂肪族基を介して架橋されていてよく、
但し、Rがピペリジニルテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルを示す場合には、これらの残基の各々は炭素原子を介して連結している
ことを特徴とする、上記1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
12.化合物が以下:
1 4−メチル−2−プロピル−N−(チオフェン−2−イル−メチル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
2 N−(シクロヘプチル−メチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
3 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
4 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
5 2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
6 2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
7 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
8 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
9 2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
10 2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
11 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
12 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
13 2−tert−ブチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
14 2−tert−ブチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
15 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
16 N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
17 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
18 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
19 2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
20 2−シクロペンチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
21 2−シクロペンチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
22 N−(4,4−ジメチル−ペンチル)−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
23 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
24 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;25 7−ブロモ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
26 7−ブロモ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
27 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
28 7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
29 7−ブロモ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
30 7−ブロモ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
31 2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
32 2−エチル−N−[(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
33 7−シアノ−2−エチル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
34 2−エチル−N−[(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
35 7−シアノ−2−エチル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
36 N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロピル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド;
37 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
38 7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
39 7−シアノ−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;および
40 7−シアノ−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−2−イソプロピル−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド;
を含む群から選択され、それぞれ遊離化合物;ラセミ化合物;鏡像異性体、ジアステレオマー、前記鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態にあるか;または生理学的に許容可能な酸もしくは塩基の塩の形態にあることを特徴とする、上記1〜11のいずれか一つに記載の化合物。
13.遊離化合物;ラセミ化合物;鏡像異性体、ジアステレオマー、前記鏡像異性体もしくはジアステレオマーの任意の混合比での混合物または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーの混合物の形態にあるか;または生理学的に許容可能な酸もしくは塩基の塩の形態にある、上記1〜12のいずれか一つに記載の少なくとも1種の化合物、
および場合により、少なくとも1種の薬学的に許容可能な助剤、および/または場合により、少なくとも1種のさらなる活性成分、
を含む、医薬組成物。
14.少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の治療および/または予防において使用するための、好ましくは、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、筋肉疼痛、内臓痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の治療および/または予防において使用するための、上記1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
15.哺乳動物における、少なくとも部分的にKCNQ2/3Kチャネルによって媒介される障害および/または疾患の、好ましくは、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、筋肉疼痛、内臓痛および炎症性疼痛からなる群から選択される疼痛、てんかん、尿失禁、不安、依存、躁病、双極性障害、片頭痛、認知疾患ならびにジストニアに関連する運動障害からなる群から選択される障害および/または疾患の治療および/または予防の方法であって、有効量の上記1〜12のいずれか一つに記載の少なくとも1種の化合物を前記哺乳動物に投与するステップを含む方法。
【実施例】
【0133】
表示「当量」(eq.)はモル当量を意味し、「RT」は室温(23±7℃)を意味し、「M」はmol/lでの濃度の表示であり、「aq.」は水溶液を意味し、「sat.」は飽和を意味し、「sol.」は溶液を意味し、「conc.」は濃縮を意味する。
【0134】
さらなる略語:
AcOH 酢酸
d 日
dba ジベンジリデンアセトン
ブライン 飽和塩化ナトリウム水溶液(NaCl溶液)
CC シリカ・ゲル上でのカラム・クロマトグラフィー
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
ether ジエチルエーテル
EtOH エタノール
h 時間(複数可)
O 水
HATU O−(7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
m/z 質量対電荷比
MeOH メタノール
MeCN アセトニトリル
min 分
MS 質量分析
MW マイクロ波
N/A 利用不可
NEt トリエチルアミン
RS 反応溶液
THF テトラヒドロフラン
TMEDA N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(tetramethylethylendiamine)
キサントホス 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
調製された化合物の収率は、最適化されなかった。
【0135】
すべての温度は、補正されていない。
【0136】
明示的に記述されていないすべての出発材料は、市販されていた(例えば、Acros、Avocado、Aldrich、Bachem、Fluka、Lancaster、Maybridge、Merck、Sigma、TCI、Oakwood等の供給業者の詳細は、例えば、MDL、San Ramon、USのSymyx(登録商標)利用可能な化学物質データベース、またはACS、Washington DC、USのSciFinder(登録商標)データベースにおいてそれぞれ見ることができる)か、またはその合成が専門文献において既に正確に記述されている(実験指針は、例えば、Elsevier、Amsterdam、NLのReaxys(登録商標)データベース、またはACS、Washington DC、USのSciFinder(登録商標)データベースにおいてそれぞれ見ることができる)か、または当業者に公知である従来の方法を使用して調製できるかのいずれかであった。
【0137】
カラム・クロマトグラフィーに使用した固定相は、E.Merck、Darmstadt製のシリカ・ゲル60(0.04〜0.063mm)であった。
【0138】
クロマトグラフィー試験用の溶媒または溶離液の混合比はそれぞれ、体積/体積で明記する。
【0139】
H−NMR分光法を利用して、すべての中間生成物および例示化合物を分析的に特徴付けた。加えて、すべての例示化合物および選択した中間生成物について質量分析試験(MS、m/z[M+H])を行った。
【0140】
例の合成
例3の合成:N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
5.0g(24.6mmol)の1−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンを、2.6ml(24.6mmol)の3−オキソ−ヘキサン酸エチルエステルおよび5.6g(24.6mmol)の塩化スズ(II)二水和物と一緒に室温で3時間撹拌した。その後、混合物を80℃に16時間加熱した。室温に冷却後、混合物をEtOH(25ml)で希釈し、氷を添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。その後、溶液を濾去し、EtOAcで洗浄した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、Na−EDTA水溶液、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(DCM/ヘキサン 2:1)後、4.3g(13.7mmol、56%)の4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0141】
b)4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の合成
2M LiOH水溶液(44ml)を、MeOH/THF混合物(各々の場合において44ml)中の4.3g(13.7mmol)の4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの溶液に添加し、その後、混合物を60℃に72時間加熱した。有機溶媒を真空で可能な限り除去し、得られた水溶液をエーテルで洗浄し、2M塩酸でpH2に調整し、EtOAcで希釈した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。3.6g(12.0mmol、88%)の4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸が残留物として得られた。粗生成物を追加で精製することなくさらに変換した。
【0142】
c)N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
311μl(2.7mmol)の4−フルオロベンジルアミン、941mg(2.5mmol)のHATUおよび1ml(7.2mmol)のNEtを、THF(19ml)中の740mg(2.5mmol)の4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の溶液に連続して添加し、次いで、混合物を50℃で72時間撹拌した。次いで、混合物をEAで希釈し、4N NHCL水溶液、1M NaCO水溶液およびブラインで洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、シリカ・ゲルに通して濾過し、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 1:1)後、770mg(1.9mmol、76%)のN−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−プロピル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例3)が得られた。MS:m/z405.2[M+H]
【0143】
例15の合成:N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸メチルエステルの合成
4.0g(19.7mmol)の1−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン、11.5ml(98.5mmol)の4−クロロ−二酢酸エチルエステルおよび1.7ml(19.7mmol)の濃塩酸の混合物を、密封容器内、マイクロ波(50W)によって75℃に6分間加熱した。その後、混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、1M NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 3:17)後に得られた粗生成物(7.47g)をMeOH(76ml)に溶解し、35.3ml(70.6mmol)の2M LiOH水溶液を添加した。その後、混合物を室温で16時間撹拌し、60℃にさらに24時間加熱した。室温に冷却後、混合物を水およびEtOAcで希釈した。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 1:3)後、985mg(3.1mmol、16%)の2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸メチルエステルが得られた。
【0144】
b)2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の合成
2M LiOH水溶液(9.3ml)を、THF(25ml)中の980mg(3.1mmol)の2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸メチルエステルの溶液に添加し、その後、混合物を60℃に16時間加熱した。THFを真空で可能な限りで除去し、得られた水溶液をエーテルで洗浄し、2M塩酸でpHを2に調整し、EtOAcで希釈を実施した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。612mg(2.0mmol、66%)の2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸が残留物として得られた。粗生成物を追加で精製することなくさらに変換した。
【0145】
c)N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸からN−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例15)への変換は、例3のセクションc)において記述した方法に従って行った。MS:m/z407.1[M+H]
【0146】
例17の合成:N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
DCM(5ml)中の220mg(0.54mmol)のN−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(メトキシメチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例15)の溶液を−78℃に冷却し、5.4ml(5.4mmol、DCM中2M)の三臭化ホウ素を添加した。0℃に加熱後、混合物をこの温度で16時間撹拌した。次いで、1M NaHCO水溶液(15ml)および10%濃度のNa水溶液でクエンチを行った。次いで、これをMeOHおよびDCMで希釈し、有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 1:1→EtOAc/DCM 1:1)後、110mg(0.28mmol、52%)のN−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−2−(ヒドロキシ−メチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例17)が得られた。MS:m/z393.1[M+H]
【0147】
例18の合成:2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
1−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンおよび5,5−ジメチル−3−オキソヘキサン酸エチルエステルから4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルへの変換は、例3のセクションa)において記述した方法に従って行った。
【0148】
b)4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の合成
2M LiOH水溶液(10ml)を、MeOH/1,4−ジオキサン混合物(各々の場合において10ml)中の1.1g(3.0mmol)の4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの溶液に添加し、その後、混合物を80℃に72時間加熱した。有機溶媒を真空で可能な限り除去し、得られた水溶液をエーテルで洗浄し、2M塩酸でpH2に調整し、EtOAcで希釈した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。0.8g(2.5mmol、82%)の4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸が残留物として得られた。粗生成物を追加で精製することなくさらに変換した。
【0149】
c)2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
4−メチル−2−ネオペンチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸から2−(2,2−ジメチル−プロピル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例18)への変換は、例3のセクションc)において記述した方法に従って行った。MS:m/z433.2[M+H]
【0150】
例23の合成:N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)2−ヒドロキシ−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
12.6ml(0.09mol)のNEtを、DCM(170ml)中の16.6g(0.08mol)の1−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンの溶液に添加し、0℃に冷却した。その後、13.4ml(0.11mol)の3−クロロ−3−オキソ−プロパン酸エチルエステルを滴下添加し、次いで、混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、混合物を水で希釈し、DCM(3×)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 2:3)後、18.1g(0.07mol、87%)の2−ヒドロキシ−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0151】
b)4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
840μl(5.0mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を、DCM(30ml)中の1.0g(3.3mmol)の2−ヒドロキシ−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルおよび930μl(6.7mmol)のNEtの溶液に、0℃で滴下添加した。室温で4時間の撹拌後、混合物をDCM(30ml)で希釈し、水、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、真空濃縮した。1.32g(3.1mmol、92%)の4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが残留物として得られた。粗生成物を追加で精製することなくさらに変換した。
【0152】
c)(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
1.8g(5.6mmol)のCsCOおよび210mg(0.2mmol)のPd(PPhを、エタノール/トルエン混合物(1:9vv、20ml)中の800mg(1.9mmol)の4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルおよび320mg(3.7mmol)の(E)−プロペン−1−イル−ボロン酸の溶液に添加し、混合物を110℃に1時間加熱した。それから混合物を真空濃縮し、残留物をEtOAc(20ml)および水(20ml)で溶かした。有機相を分離し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EA/ヘキサン 1:9)後、450mg(1.4mmol、75%)の(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0153】
d)(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の合成
560mg(13.9mmol)のNaOHフロックを、0℃の水/EtOH混合物(各々の場合において21ml)中の450mg(1.4mmol)の(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの溶液に添加した。その後、混合物を90℃に16時間加熱した。次いで、これを真空濃縮し、残留物を水(20ml)で溶かし、EtOAcで洗浄した。それから、水相を2M塩酸でpH約2に調整し、EtOAcで抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、真空濃縮した。350mg(1.2mmol、85%)の(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸が残留物として得られた。粗生成物を追加で精製することなくさらに変換した。
【0154】
e)N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
(E)−4−メチル−2−(プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸からN−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−[(E)−プロパ−1−エニル]−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例23)への変換は、例3のセクションc)において記述した方法に従って行った。MS:m/z403.1[M+H]
【0155】
例24の合成:N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成は、例23のセクションa)およびセクションb)において記述した。
【0156】
b)4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
5.6ml(2.8mmol、THF中2M)の(2−メチルプロパ−1−エニル)臭化マグネシウムを、THF(10ml)中の600mg(1.4mmol)の4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル−オキシ)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルおよび75mg(0.1mmol)のNi(dppp)Clの溶液に、0℃で滴下添加した。その後、混合物を室温で16時間撹拌し、それから、飽和NHCl水溶液により0℃でクエンチした。次いで、これをEtOAcで抽出し、有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 1:19)後、200mg(0.6mmol、43%)の4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0157】
c)4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸の合成
4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルから4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸への変換は、例23のセクションd)において記述した方法に従って行った。
【0158】
d)N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
4−メチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸からN−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−2−(2−メチル−プロパ−1−エニル)−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例24)への変換は、例3のセクションc)において記述した方法に従って行った。MS:m/z417.2[M+H]
【0159】
例28の合成:7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)7−ブロモ−2−シクロプロピル−4−メチルキノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
例3のセクションa)において記述した合成に類似する合成を実施した。
【0160】
b)7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
トルエン(10ml)中の1.0g(2.99mmol)の7−ブロモ−2−シクロプロピル−4−メチルキノリン−3−カルボン酸エチルエステルの撹拌溶液に、10.5ml(トルエン中2M溶液、20.9mmol)のMeAlを室温で添加し、続いて3.74g(29.9mmol)の4−フルオロベンジルアミンを添加した。反応混合物を120℃で16時間加熱した。次いで、反応物を水(15ml)でクエンチし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層を2N HCl水溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/シクロヘキサン 1:2)後、900mg(2.2mmol、73%)の7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド(例28)が得られた。MS:m/z413.1[M+H]
【0161】
例31の合成:2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド
a)2−((ジメチルアミノ)メチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
1.0g(5.0mmol)の1−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン、3.4ml(25.0mmol)の3−クロロ−3−オキソプロパン酸エチルおよび435μl(5.0mmol)の濃塩酸の混合物を、密封容器内、MW中100℃に30分間加熱した。その後、混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、1M NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 3:17)後に得られた粗生成物(1.14g)をMeCN(6ml)に溶解し、2.7ml(15.5mmol)のDIPEAおよび838mg(10.3mmol)のジメチルアンモニウムクロリド(dimethylammoniumchlorid)を添加した。その後、混合物を室温で16時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を2N HCl水溶液および水で2回抽出した。合わせた水層をNaCOで塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物として、776mg(2.3mmol、46%)の2−((ジメチルアミノ)メチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0162】
b)2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミドの合成
トルエン(33ml)中の530mg(1.56mmol)の2−((ジメチルアミノ)メチル)−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステルの撹拌溶液に、5.5ml(トルエン中2M溶液、10.9mmol)のMeAlを室温で添加し、続いて1.77g(15.6mmol)の3−フルオロベンジルアミンを添加した。反応混合物を120℃で2日間加熱した。次いで、反応物を水でクエンチし、濃HCl水溶液でpH約2に酸性化した。EtoAcで洗浄後、水層をNaOHでpH約11に塩基性化した。次いで、溶液をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/ヘキサン 1:1→EtOAc/MeOH 9:1)後、60mg(0.14mmol、9%)の2−(ジメチルアミノメチル)−N−[(3−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−7−(トリフルオロメチル)−キノリン−3−カルボン酸アミド(例31)が得られた。MS:m/z420.2[M+H]
【0163】
例38の合成:7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド
DMF(3mL)中の880mg(2.13mmol)の7−ブロモ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド(例28)の溶液に、70μL(0.47mmol)のTMEDA、152mg(1.28mmol)のシアン化亜鉛、4mg(0.007mmol)のPddbaおよび25mg(0.040mmol)のキサントホスを添加した。反応溶液を脱気(degasses)し、窒素で3回フラッシュし、次いでMW中160℃で4分間加熱した。室温に冷却した後、混合物をセライトに通して濾過し、これをジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機層を真空濃縮した。残留物のCC(EtOAc/シクロヘキサン 1:2)後、325mg(0.90mmol、42%)の7−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(4−フルオロフェニル)−メチル]−4−メチル−キノリン−3−カルボン酸アミド(例38)が得られた。MS:m/z360.1[M+H]
【0164】
さらなる例の合成
さらなる例の合成は、既述した方法に従って行った。表1は、いずれの化合物がいずれの方法に従って生成されたかを示す。各々の場合においていずれの遊離体および試薬が使用されたか、当業者には明白である。
【0165】
【表1】
【0166】
薬理学的実験
方法I.電位感受性色素を使用する蛍光アッセイ(蛍光測定法)
KCNQ2/3チャネルを発現しているヒトCHO−K1細胞を、細胞培養ボトル(例えば、80cmのTCフラスコ、Nunc)中、10%のFCS(PAN Biotech、例えば3302−P270521)を含むDMEM−高グルコース(Sigma Aldrich、D7777)、またはMEMアルファ培地(1×、液体、Invitrogen、22571番)、10%のウシ胎仔血清(FCS)(Invitrogen、10270−106番、加熱不活性化したもの)および必須選択の抗生物質とともに、37℃、5%COおよび95%湿度で粘着性に培養する。
【0167】
測定用に播種する前に、細胞をCa2+/Mg2+を含まない1×DPBS緩衝液(例えば、Invitrogen、14190−094番)で洗浄し、アキュターゼ(PAA Laboratories、L11−007番)を使用(アキュターゼとともに37℃で15分間インキュベーション)することによって培養容器の底から取り除く。CASY(商標)細胞計数器(TCC、Scharfe System)を使用して、細胞数を決定する。各個々の細胞株の最適密度に応じて、20,000〜30,000個の細胞/ウェル/100μlを96ウェルCorning(商標)CellBIND(商標)アッセイ・プレート(Flat Clear Bottom Black Polystyrene Microplates、3340番)に播種する。次いで、新たに播種した細胞を室温で1時間定着させ、続いて、37℃、5%COおよび95%湿度で24時間インキュベーションする。
【0168】
膜電位アッセイ・キット(FLIPR用Red(商標)バルク・フォーマット部品R8123、MDS Analytical Technologies(商標))の電位感受性蛍光色素は、一つの容器の膜電位アッセイ・キットRed成分Aの内容物を、200mlの細胞外緩衝液(ES緩衝液、120mMのNaCl、1mMのKCl、10mMのHEPES、2mMのCaCl、2mMのMgCl、10mMのグルコース;pH7.4)に溶解することによって調製する。栄養培地を除去した後、細胞を200μlのES緩衝液で1回洗浄し、次いで、100μlの色素溶液中、暗所、室温で45分間ロードする。
【0169】
蛍光測定は、BMG Labtech FLUOstar(商標)、BMG Labtech NOVOstar(商標)またはBMG Labtech POLARstar(商標)機器(525nm励起、560nm発光、ボトム・リード・モード)で行う。色素とともにインキュベーションした後、所望の濃度の50μlの被験物質または対照とする目的で50μlのES緩衝液をアッセイ・プレートのウェルに塗布し、遮光しながら室温で30分間インキュベートする。次いで、色素の蛍光強度を5分間測定し、そして各ウェルの蛍光値Fを所定の一定時間で決定する。次いで、15μlのKCl溶液を各ウェルに添加する(カリウム・イオンの最終濃度92mM)。その後、すべての関連値が得られるまで(ほとんどの場合5〜30分間)、蛍光強度の変化をモニターする。KCl適用後の所定の時刻、この場合には蛍光ピークの時刻に、蛍光値Fを決定する。
【0170】
算出のために、蛍光強度Fを蛍光強度Fに対して補正し、カリウム・チャネルにおける標的化合物の活性(ΔF/F)を次の通りに決定する:
【0171】
【数1】
物質がアゴニスト活性を有するか否かを決定するために、
【0172】
【数2】
を対照ウェルの
【0173】
【数3】
と関連付けてよい。
【0174】
【数4】
は、被験物質の代わりに緩衝溶液のみをウェルに添加し、蛍光強度の値F1Kを決定し、上述した通りのカリウム・イオンを添加し、蛍光強度の値F2Kを測定することによって決定される。次いで、F2KおよびF1Kを次の通りに算出する:
【0175】
【数5】
物質は、
【0176】
【数6】
【0177】
【数7】
よりも大きい:
【0178】
【数8】
場合、カリウム・チャネルにおいてアゴニスト活性を有する。
【0179】
【数9】
【0180】
【数10】
との比較とは無関係に、
【0181】
【数11】
が用量依存的に増大するならば、標的化合物はアゴニスト活性を有すると結論付けることが可能である。
【0182】
EC50およびIC50値の算出は、「プリズムv4.0」ソフトウェア(GraphPad Software(商標))を活用して行われる。
【0183】
方法II.低強度テイル・フリック試験(ラット)
低強度テイル・フリック試験において、急性有害熱刺激に対する本発明による化合物の抗侵害受容作用の決定は、D’AmourおよびSmith (J. Pharm. Exp. Ther. 72、74 79 (1941)によって記述されている方法に従い、放射熱ビーム(鎮痛メーター;company Rhema Labortechnik、Hofheim、Germanyのモデル2011)に応答したラット尾の引っ込め反射(テイル・フリック)を測定することによって行われる。この目的のために、ラットをプレキシガラスの保定器に入れ、低強度放射熱ビーム(48℃)の焦点を尾根の背面に合わせた。約7秒の平均投薬前対照(pre−drug control)引っ込め潜時をもたらすように刺激強度を調整し、それにより、脊髄介在急性侵害受容反射の脊柱上での調節も可能となった。組織損傷を回避するために、30秒のカットオフ時間を適用した。体重200〜250gの雄スプラーグ・ドーリー系ラット(Janvier、Le Genest St.Isle、Frankreich)を使用した。1グループ当たり10匹のラットを使用した。本発明による化合物を投与する前に、5分間の間に2回、動物を予備試験し、これらの測定値の平均を予備試験平均として算出した。抗侵害受容作用は、経口化合物投与の20、40および60分後に決定した。抗侵害受容作用は、下記の式に従って尾引っ込め潜時の増大に基づいて算出したものであり、起こり得る最大効果のパーセンテージ(MPE[%])として表現される:
MPE=[(T−T)/(T−T)]*100
式中、Tは化合物の投与前の対照潜伏時間、Tは投与後の潜伏時間であり、Tはカットオフ時間であり、MPEは起こり得る最大効果である。バリアント分析(反復測定ANOVA)を用いることにより、本発明による化合物とビヒクル群との間の統計的有意差を試験することが可能になった。有意水準はp≦0.05に設定した。用量依存性を決定するために、閾値用量および最大有効用量を含む3〜5の対数的に増大する用量で本発明の特定の化合物を投与し、回帰分析を活用してED50値を決定した。ED50算出は、最大効能の時刻(通常は化合物投与の20分後)に実施した。
【0184】
薬理学的データ
本発明による化合物の薬理学的効果は、以上に記述した通りに決定した(薬理学的実験、それぞれ方法IおよびII)。
【0185】
対応する薬理学的データを表2にまとめる。
【0186】
【表2】