(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機(いわゆる、縦型の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明するが、洗濯、すすぎ、脱水を行うことができる洗濯機(いわゆる、全自動洗濯機)に適用することもできる。
【0010】
図1は、本発明の実施形態の洗濯機において外蓋を開いたときの外観斜視図である。なお、以下では、洗濯機100を正面から見たときの方向を基準として説明する。
【0011】
図1に示すように、洗濯機100は、筺体110と、この筺体110内に備える洗濯槽120とを含んで構成されている。
【0012】
筺体110は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成されたものであり、全体を支持するベース111と、前板112と、後板113と、左右の側板114と、トップカバー115(上板)と、を備えて略四角箱状に構成されている。
【0013】
トップカバー115には、洗濯槽120内に洗濯物を投入するための開口115aが形成されている。この開口115aは、上面視(平面視)において略半円状に形成され、直線部分が奥側に位置し、曲線部分が手前側に位置するように構成されている。また、開口115aは、径方向外側に延びる上端面115bと、鉛直方向下方に延びる周面115cとを有している。
【0014】
また、トップカバー115の手前側には、運転コースの設定や運転状態の表示などを行う操作パネル116と、洗剤(固形、液体)や仕上剤などを投入するための洗剤類投入ケース117と、が設けられている。操作パネル116は、開口115aの手前側において横長四角状に形成されている。洗剤類投入ケース117は、操作パネル116の左側に隣接して設けられている。
【0015】
操作パネル116は、各種操作ボタンスイッチや表示器を備え、機体底部に設けられたマイクロコンピュータ40(以下、マイコンと略記する。
図2参照)と電気的に接続されている。
【0016】
洗剤類投入ケース117は、上面視(平面視)において略三角形状に形成され、容器部118(
図7参照)と蓋部119とを備えて構成されている。蓋部119は、操作パネル116の表面116aに隣接する平面視四角形状の表面119a(第2の面)と、表面119aの後方に位置する平面視略三角形状の表面119bと、を有している。また、表面119bの高さは、表面119aよりも低く形成されている。また、表面119bは、上端面115bと面一になるように構成されている。
【0017】
また、操作パネル116の表面116aと蓋部119の一部である表面119aとは、面一となり、全体として左右方向に細長い四角形状の平坦な面となるように構成されている。また、蓋部119の表面119bは、開口115aの上端面115bおよび周面115cと面一となるように構成されている。
【0018】
また、トップカバー115には、開口115aを開閉する外蓋130(蓋体)が設けられている。この外蓋130は、一枚ものの板材を含んで略四角形状に構成され、開口115aの全体を上方から覆うことができる表面積(平面)を有している。また、外蓋130の後端は、左右方向を軸方向として回動自在に支持されている。このように、本実施形態の外蓋130は、山型に折れ曲がりながら開く二つ折りタイプの外蓋ではなく、外蓋130の先端(前端)が左右側面視において円弧状の軌跡を描いて開閉するものである。
【0019】
また、トップカバー115は、開口115aの左右両側部において前後方向に延在する縁部115d,115d(第1の面)を有している。この縁部115dと縁部115dとの間の距離L1は、外蓋130の横幅(左右方向の長さ)W1よりも短く形成されている。
【0020】
また、操作パネル116の表面116a(第2の面)および蓋部119の表面119a(第2の面)は、縁部115d,115d(第1の面)よりも低い位置(鉛直方向の下方となる位置)に形成されている。すなわち、第2の面の高さは、トップカバー115の開口115aの上端縁部と略同じ高さ、換言すると第1の面からユーザの手の厚み分低い位置に設定される。
【0021】
洗濯機100には、運転中に外蓋130を解放できないようにするためのロック機構が設けられている。このロック機構は、外蓋130の裏面側に設けられたロック突起60と、トップカバー115の上端面115bの位置に設けられたロック穴61とによって構成されている。ロック突起60には、左右方向に貫通する孔60aが形成されており、外蓋130を閉じて、ロック突起60がロック穴61に挿入されたときに、ロック穴61の内部に設けられたロックピン(不図示)が孔60aに挿入されることで外蓋130が開かないようにロックされる。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る洗濯機の概略構造を示す縦断面図である。
図2に示すように、洗濯機100は、筐体110内に、洗濯槽として、内槽9、外槽10、脈動翼盤11(回転翼盤)、流体バランサ12および洗濯水循環機構50を含んで構成されている。なお、本実施形態では、後記する循環ポンプ16を用いた洗濯水循環機構50を備えた洗濯機100を例に挙げて説明するが、循環ポンプ16を備えない洗濯機100にも適用することができる。
【0023】
図2に示すように、内槽9は、洗濯兼脱水槽として機能するものであり、有底円筒状に形成され、鉛直方向(上下方向)に回転軸を有している。また、内槽9は、その外周壁に通水および通風のための複数の小さな貫通孔9aが形成されるとともに、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔9bが形成されている。また、内槽9は、その上縁部に流体バランサ12を備えるとともに、底部に脈動翼盤11(回転翼盤)が回転可能に取り付けられている。
【0024】
外槽10は、内槽9を同軸上に内包し、その底部の外側に内槽9および脈動翼盤11を駆動する駆動装置13を備えて構成されている。また、外槽10は、図示説明は省略するが、筐体110の上端部の四隅部に設けた隅板に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置を介して該筐体1内の中心部に弾性支持されている。
【0025】
脈動翼盤11(パルセータともいう)は、略円盤状に形成され、内槽9の底部に設けられている。また、脈動翼盤11は、駆動装置13によって回転可能に支持されている。これにより、洗い時やすすぎ時に、脈動翼盤11を回転させることで洗濯水を洗濯物ごと攪拌することができる。
【0026】
流体バランサ12は、合成樹脂などでリング状に形成され、内槽9の胴板の上端縁部(上縁部)に設けられている。この流体バランサ12は、内部に比重の大きな流体(塩水など)を封入して構成され、内槽9の回転時に洗濯物の偏りなどによって偏心が生じたときに、流体バランサ12内での流体の移動によって偏心を打ち消し、回転のバランスを維持する機能を有している。
【0027】
駆動装置13は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した電動機13aと電磁操作クラッチ機構(クラッチ)13bと遊星歯車減速機構(不図示)を内蔵して構成されている。また、駆動装置13は、マイコン40によって電動機13aとクラッチ13bを制御することによって、クラッチ13bが内槽9を静止させるように係止、または自由に回転できるように解放した状態で、脈動翼盤11を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、内槽9と脈動翼盤11とを一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードと、を選択的に実行する機能を有する。
【0028】
また、外槽10の外側面(外周面)には、振動センサ27が取り付けられている。この振動センサ27は、内槽9が高速回転する脱水時の振動を検出する。
【0029】
また、外槽10の上端には、内槽9の上方を閉塞するとともに外槽10の上部開口を閉塞する槽カバー10aが設けられている。槽カバー10aは、洗濯物投入口10a1と、この洗濯物投入口10a1を開閉する内蓋23とを備えている。内蓋23は、洗濯物投入口10a1の後端に設けられたヒンジ機構23aを介して洗濯物投入口10a1の全体を開閉するように構成されている。
【0030】
また、外槽10の底部には、エアトラップ21aが設けられている。このエアトラップ21aは、内部の圧力がチューブ21bを介して水位センサ21に伝えられ、外槽10内の洗濯水の水位を検出する。
【0031】
洗濯水循環機構50は、循環ポンプ16、循環パイプ17(循環路)、循環水カバー30などで構成されている。
【0032】
循環ポンプ16は、機体底部に設けられ、循環パイプ17を介して洗濯水を、外槽10の底部に設けた通水通気口10bから循環水カバー30に通じる循環水入口33に向けて汲み上げる機能を有する。
【0033】
循環パイプ17には、循環ポンプ16の上流側に異物トラップ18が設けられ、異物トラップ18の上流側には、排水弁15を備えた排水ホース24が分岐して接続されている。
【0034】
循環ポンプ16が駆動すると、外槽10内の洗濯水は、外槽10の底部に設けた通水通気口10bから循環パイプ17を通り外槽10の上部に運ばれ、循環水入口33から循環水カバー30に入り、糸屑フィルタ(不図示)で糸屑が取り除かれ、散水口34から内槽9内に流れ込むようにして循環する。
【0035】
なお、洗濯機100は、ゴム製の蛇腹管29a,29b,29c,29d,29e,29fを備えている。これら蛇腹管29a〜29fは、振動変位する外槽10や槽カバー10aと、固定側(筐体110やトップカバー115など)に設けた乾燥ダクト22や給水電磁弁4、循環ポンプ16などとの接続に用いられる。給水電磁弁4には、水道栓と接続されるホース(不図示)が接続される水道水接続口4aがトップカバー115の上面に配置されている。
【0036】
乾燥ダクト22は、通水通気口10bと温風吹き出し口22aとの間を接続する。また、乾燥ダクト22の途中には、送風ファン19、ヒータ20、リントフィルタ(図示せず)、除湿機構22b、温度センサ26が設けられている。送風ファン19を運転し、ヒータ20を通電すると、内槽9内に温風が吹き込まれ、内槽9内の洗濯物が温められて水分が蒸発する。高温高湿となった空気は、貫通孔9a,9bを通り外槽10に出て、通水通気口10bから乾燥ダクト22に吸い込まれ、除湿機構22bを流下する冷却水で冷却除湿されて乾いた低温低湿空気となり、ヒータ20で再度加熱され、内槽9内に吹き込まれるようにして循環する。このように、水冷除湿方式によって洗濯機100の外部に水(液体)として排出することで、洗濯機100が設置される部屋内に湿気を出さないようにしている。これにより、洗濯機100が設置される部屋内の湿度が過度に高くなるのを防止でき、利用者に不快な感じを抱かせるのを防止できる。
【0037】
また、トップカバー115の後部内には、給水電磁弁4、ヒータ20、送風ファン19などの給水、乾燥に関連する部品が設けられている。
【0038】
このように構成された洗濯機100では、脈動翼盤11が回転することで、脈動翼盤11上の洗濯物が、該脈動翼盤11上を滑りながら該脈動翼盤11の回転方向に回転するとともに隆起部によって押し上げられて上下方向に移動する。このとき、洗濯水を循環しながら洗濯物の上方の散水口34から散水することで、洗濯物に洗濯水を行き渡らせることができる。こうすることで、内槽9内に洗濯物が洗濯水に浸かるほど洗濯水を溜めなくても、洗濯物を洗濯することができ、大幅な節水が可能になる。
【0039】
図3は、本発明の実施形態の洗濯機において外蓋開時の側面図である。
図3に示すように、トップカバー115の縁部115dは、前方に向けて下降するように傾斜している。
【0040】
外蓋130の後端部には、縁部115dよりも下方にヒンジ部131が設けられている。また、外蓋130は、鉛直方向(上下方向)に対して後方に倒れる角度で開くように設定され、外蓋130の重心位置が外蓋130の回動軸よりも後側に位置するように構成されている。これにより、外蓋130の解放状態(全開状態)を安定して維持できる。また、トップカバー115の縁部115は、洗濯機100の略最上面(ほぼ最上面)に位置している。
【0041】
図4は、本発明の実施形態の洗濯機において外蓋閉時の外観斜視図である。
図4に示すように、洗濯機100は、外蓋130を閉じたときに、外蓋130の左右両端の前後方向に延在する縁部130a,130aの裏面(下面)が、トップカバー115の左右の縁部115d,115dに上方から当接するようになっている。このように、本実施形態の洗濯機100は、従来から一般的に採用されているような、外蓋を閉じたときに、外蓋の表面と、トップカバーの表面とが面一(フラットな平面)となるように外蓋がトップカバーの凹みに嵌まり込むものではない。
【0042】
また、洗濯機100では、外蓋130を閉じたときに、外蓋130の前端(先端)が筺体110の前板112の後方に位置し、操作パネル116のほぼ全体と、洗剤類投入ケース117の蓋部119の表面119a(表面の一部)が露出するように構成されている。これにより、外蓋130を閉じたときに、操作パネル116による操作が損なわれるのを防止することができる。また、洗剤類投入ケース117を洗濯機100の手前つまり利用者により近くに配置できるので、洗剤類を投入し易くなる。また、開口115aに邪魔されることなく、洗剤類投入ケース117の洗剤や柔軟剤の投入室を広く確保することができる。
【0043】
図5(a)は
図4のI−I線矢視断面図、(b)は(a)のX部拡大図である。なお、以下では、外蓋130を閉じたときの方向を基準として説明する。
図5(a)に示すように、外蓋130は、ガラス板140、ベース板150、取っ手(把手)160が組み合わせて構成されている。
【0044】
ガラス板140は、平面視において四角状(
図4参照)に形成され、1枚の強化ガラスによって構成されている。このように洗濯機100の上面の広範囲にわたって1枚もののガラス板140を配置することで、従来からある全体が樹脂製の外蓋と比較してフラット感を高めることができ、高級感を演出することができる。
【0045】
ベース板150は、ガラス板140の裏面側のほぼ全体に配置され(
図1参照)、ガラス板140を支持する合成樹脂製のガラス支持部151を有している。また、ベース板150は、ガラス板140の前縁部を幅方向に沿って保持するガラス保持部152と、ガラス板140の後端部を幅方向に沿って保持するガラス保持部153と、を有している。ガラス保持部152,153は、ガラス支持部151とは別部材で構成されている。
【0046】
ガラス支持部151の後部には、ヒンジ部131が設けられている。このヒンジ部131は、公知の方法によって構成され、ガラス板140の下面側(裏面側)に設けられている。また、ガラス支持部151には、ヒンジ部131を取り囲むようにヒンジカバー151aが設けられている。
【0047】
また、トップカバー115には、水道水接続口4a(
図4参照)が設けられる上面115sから開口115aにかけて、外蓋130が開閉する際にヒンジカバー151a(ヒンジ部131)が接触するのを防止するための断面視略円弧形状の凹み部115tが形成されている。
【0048】
図5(b)に示すように、ガラス保持部152は、ガラス板140の表面の前端縁部に沿って配置される保持片152aと、ガラス板140の裏面の前端縁部に沿って配置される保持片152bと、保持片152aと保持片152bとの前端同士をつなぐ接続片152cと、を有し、断面視略U字状に形成されている。また、ガラス保持部152は、操作パネル116の表面116aおよび蓋部119の表面119a(第2の面)に対応する位置、換言すると、左右の縁部115d,115d(第1の面)と重ならない幅となるように構成されている(
図4参照)。
【0049】
また、ガラス保持部152の保持片152bは、ガラス板140の裏面に接しながら後方に延びる保持部152dと、ガラス板140から離れて後方に延びる連結部152eと、を有している。連結部152eには、ガラス板140の裏面に直交する方向に貫通する貫通孔152fが形成されている。
【0050】
ガラス支持部151の前端(先端)には、前記連結部152eが挿入される挿入穴151bが形成されている。また、ガラス支持部151には、貫通孔152fと連通する連通孔151cが形成されている。貫通孔152fと連通孔151cは、ガラス板140の面に直交する方向において互いに重なる位置に形成されている。
【0051】
そして、連通孔151cおよび貫通孔151fに固定部材154を挿入することで、ガラス支持部151とガラス保持部152とが連結固定される。すなわち、ガラス板140をベース板150に取り付ける場合には、ガラス板140をガラス支持部151に載せた後、ガラス板140の後端縁部をガラス保持部153を用いてガラス支持部151上に保持させる。そして、ガラス保持部152でガラス板140の前端縁部を挟み込み、連結部152eをガラス支持部151の挿入穴151bに挿入して、ガラス板140を保持する。そして、固定部材154を連通孔151c、貫通孔152fの順に挿入して、ガラス支持部151とガラス保持部152とを連結固定する。
【0052】
これにより、ガラス板140が前後方向にがたつくのを防止することができる。なお、ガラス保持部153は、ガラス板140の後端縁部に沿って保持するだけではなく、ガラス板140の左右両端の側面を保持する側面保持部153a(
図4参照)を有しているので、取付後にガラス板140が左右にがたつくのを防止することができる。このようにして、ガラス板140を前端縁部と後端縁部の少ない面積で保持することで、ガラス板140のガラス部分の露出面積を大きく確保することができる。
【0053】
取っ手160は、外蓋130の裏面側の先端(前端)に設けられている。すなわち、取っ手160は、ガラス支持部151と一体に形成され、前方に向けてガラス板140から徐々に離れる方向に延びる板部161を有している。この板部161の先端(前端)161aは、操作パネル116の表面116aの後端縁部に向けて延びている。また、板部161の先端161aは、外蓋130を閉じた状態で(
図5(b)参照)、表面116aよりも若干下方に位置している。これにより、利用者が取っ手160に指を挿し込んだときに、指が板部161の先端161aに当たるのを防止できる。
【0054】
また、取っ手160は、外蓋130を閉じたときに、外蓋130と、操作パネル116の表面116aおよび蓋部119の表面119aとの間の隙間Sに配置されるように、換言すると取っ手160によって隙間Sが閉塞されるように構成されている。板部161には、外側(前方側)に向いている面が湾曲面161bとなり、湾曲面161bとガラス保持部152の保持片152bの面とで、断面視略U字状となるように構成されている。このように、隙間Sが取っ手160によって塞がれているので、隙間Sから異物が入り込むのを防止することができる。
【0055】
図6は、外蓋を途中まで閉じたときの正面図である。なお、
図6は、蓋部119が全開した状態で、外蓋130が接触した状態を示している。
図6に示すように、取っ手160は、外蓋130のほぼ全幅に渡って設けられている。すなわち、取っ手160は、操作パネル116の表面116aおよび蓋部119の表面119a(第2の面)の全体に渡って配置されている。このように、取っ手160を外蓋130のほぼ全幅に設けることにより、隙間S(
図5(b)参照)のどの位置であっても、外蓋130を開閉することができる。また、取っ手160を第2の面に対応する位置のみに設けることにより、外蓋130を閉じたときに、外蓋130の左右両端の縁部130a,130aとトップカバー115の左右両端の縁部115d,115dとを面同士で接触させることができる。これにより、縁部130aと縁部115dとの間に隙間が形成されるのを防止でき、その隙間から塵埃が筺体110内に入り込むのを防止できる。
【0056】
図7は、洗剤類投入ケースの蓋部が開いている状態で外蓋接触直後の斜視図、
図8は、洗剤類投入ケースの蓋部が開いている状態で外蓋接触直後の側面図である。なお、
図7および
図8とも、蓋部119を全開した状態で、外蓋130が接触している状態を図示している(
図6についても同様)。
図7に示すように、洗剤類投入ケース117の蓋部119は、左側の縁部115dの下方に略前後方向に向くように軸P(
図6参照)を有し、蓋部119の表面119a(
図6参照)が上方(
図1参照)から左側方(
図6参照)を向くように回動しながら開く。
【0057】
また、蓋部119は、全開にした状態において、軸P(
図6参照)に沿う方向に延びる周縁部119cと、周縁部119cの前端から略上方に向けて延びる周縁部119dと、周縁部119dの上端から軸Pに沿って後方に向けて且つ前記周縁部119cよりも短く延びる周縁部119eと、周縁部119eの後端から略斜め後方下向き且つ前記周縁部119dの下端よりも高い位置に向けて延びる周縁部119fと、周縁部119fの後端から前記周縁部119c後端に向けて延びる周縁部119gと、を有している。また、周縁部119fは、蓋部119を閉じたときに開口115aの周面115cに沿うように凹形状に湾曲して形成されている。
【0058】
また、周縁部119fの一側(周縁部119e側)には、蓋部119を開ける際のつまみ部119hが蓋部119と一体に形成されている。また、つまみ部119hには、周縁部119fと略同じ曲率の湾曲部(R部)119iが形成されている。また、つまみ部119hは、蓋部119を閉じたときに、開口115aの周面115cから内方へ突出している。これにより、蓋部119を開くときに、つまみ部119hに容易に手を掛けることができ、蓋部119を容易に開けることができる。
【0059】
図8に示すように、蓋部119の裏面には、容器部118(
図7参照)の開口を密閉するためのシール部材(パッキン)119jが設けられている。
【0060】
また、蓋部119が全開であるときに、外蓋130が閉じられた場合、外蓋130が蓋部119に接触するように構成されている。すなわち、外蓋130に設けられた取っ手160が蓋部119に設けられたつまみ部119hの湾曲部119iに当接する。また、取っ手160は、
図6に示すように、全開したときに、ほぼ90度開くように構成されている。このように、外蓋130が当たる位置は、蓋部119の軸Pよりも内側(図示右側)であり、また蓋部119の重心Gの位置が軸Pよりも内側であるので、蓋部119が全開のときに外蓋130が接触したときに、蓋部119が閉まる方向(
図6のW方向)に回動する。
【0061】
このように、蓋部119をほぼ90度開くことができるので、利用者が洗剤類を投入する際、投入操作が損なわれるのを防止できる。しかも、蓋部119が90度開くようにしたとしても、仮に蓋部119が開いている状態で外蓋130を閉じたとしても、蓋部119が閉じる方向に動作するので、蓋部119が破損するのを防止することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の洗濯機100では、外蓋130が一枚ものの板材(ガラス板140とベース板150とが重ねて構成された板状のもの)で構成され、トップカバー115には、外蓋130が上方から当接して外蓋130を支持する縁部115d、115d(第1の面)と、この縁部115dよりも低く設定された操作パネル116の表面116a(第2の面)および蓋部119の表面119a(第2の面)と、を備える。これによれば、外蓋130の周囲に、外蓋130とトップカバー115とによって形成される溝が無くなるので、塵埃が溜まるのを抑制することができる(
図4参照)。しかも、外蓋130と表面116a,119a(第2の面)との間に隙間Sが形成されるので、外蓋130に新たに取っ手を設けることなく、外蓋130の先端をつまんで動かすだけで外蓋130を開閉することができる。
【0063】
また、本実施形態では、縁部115d(第1の面)がトップカバー115の左右両側に位置し、かつ、表面116a,119a(第2の面)が縁部115d間の手前側に位置している。これによれば、利用者の手前側に外蓋130と表面116a,119aとの間に隙間Sが形成されるので、外蓋130の開閉が容易になる(
図4参照)。
【0064】
また、本実施形態では、取っ手160が外蓋130を閉じたときの当該外蓋130と表面116a,119aとの間に形成された隙間Sに設けられている。これによれば、外蓋130を開いたときに、取っ手160が利用者側に向くので、外蓋130を閉じる際に、利用者が取っ手160に手を掛け易くなり、外蓋130の開閉が容易になる(
図1参照)。
【0065】
また、本実施形態では、取っ手160が縁部115d間における表面116a,119aに沿って全幅に設けられている。これによれば、外蓋130の左右方向のどの位置であっても外蓋130の開閉が容易になるとともに、隙間Sからの異物の侵入を防止することができる(
図1参照)。
【0066】
また、本実施形態では、外蓋130の表面全体をガラス板140にすることで、樹脂製のものに比べてフラット感を高めることができ、高級感を演出できる。
【0067】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。前記した実施形態では、外蓋130が後側に向けて開く場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、トップカバー115の左端に回動軸を設けて左開きとする構成であってもよい。この場合には、外蓋130の手前側の縁部(第1の面)と奥側の縁部(第1の面)とがトップカバーの手前側の縁部と奥側の縁部に当接し、右側面に外蓋130と第2の面との間に隙間Sが形成される。また、トップカバー115の右端に回動軸を設けて右開きとする構成であってもよい。
【0068】
また、本実施形態では、取っ手160を外蓋130のほぼ全幅に渡って設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、取っ手160を複数個に分割して配置してもよい。