(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5887400
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒
(51)【国際特許分類】
C08F 4/654 20060101AFI20160303BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20160303BHJP
C07F 7/18 20060101ALI20160303BHJP
【FI】
C08F4/654
C08F10/00 510
C07F7/18 R
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-505475(P2014-505475)
(86)(22)【出願日】2011年6月3日
(65)【公表番号】特表2014-513736(P2014-513736A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】CN2011000943
(87)【国際公開番号】WO2012142732
(87)【国際公開日】20121026
【審査請求日】2014年3月18日
(31)【優先権主張番号】201110102200.4
(32)【優先日】2011年4月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512172224
【氏名又は名称】ペトロチャイナ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PETROCHINA COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヂーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】タン, クゥイロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ハオ
(72)【発明者】
【氏名】イ, ジィェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】チュ, キンホン
(72)【発明者】
【氏名】ツイ, ウェイソン
(72)【発明者】
【氏名】バイ, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リュー, シンユェン
(72)【発明者】
【氏名】シュ, プー
(72)【発明者】
【氏名】ジュ, ワンキン
【審査官】
渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−173870(JP,A)
【文献】
特開2010−013588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F2、4、6−246
C07F7
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒であって、該触媒は、
(A)チタン、マグネシウム、ハロゲンを主成分とする固体チタン触媒成分と、
(B)アルキルアルミニウム化合物成分と、
(C)下記一般式(I)に示す化合物のうちから選ばれる少なくとも1つの、置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物成分と、
【化1】
(式中、R
1〜R
6基は、同一又は異なっており、水素、ハロゲン原子、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
20アルキル基、C
3〜C
20シクロアルキル基、C
6〜C
20アリール基、C
7〜C
20アルカリル基又はC
7〜C
20アラルキル基から選ばれ、2つ又は2つ以上のR
1〜R
6基が互いに結合して飽和又は不飽和の縮合環構造を形成していてもよく、該縮合環構造は、R
1〜R
6と同一に定義された基によって置換されることが可能であり、前記R
1〜R
6基は、炭素原子又は水素原子又はその両方の置換物として、1つ又は複数のヘテロ原子を含むもののいずれかから選ばれ、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、珪素、リン素またはハロゲン原子から選ばれており、R
a基とR
b基とは、同一又は異なっており、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
4アルキル基から選ばれる)
が反応した生成物であって、
前記触媒中における、前記固体チタン触媒成分と、前記アルキルアルミニウム化合物成分と、前記有機シロキサン化合物成分とのモル比は、前記チタンと前記アルミニウムと前記ケイ素とに基づいて、1:50〜150:5〜50であることを特徴とする、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒。
【請求項2】
前記置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物の一般式(I)では、前記R1〜R6は、同一又は異なり、前記水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒。
【請求項3】
前記置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物の一般式(I)では、前記Ra及びRbは、同一又は異なり、メチル基又はエチル基であることを特徴とする、請求項1に記載の、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒。
【請求項4】
オレフィン重合又は共重合の触媒として使用され、重合温度は、50〜100℃であり、重合反応圧は、常圧又は常圧より高い圧力であることを特徴とする、請求項1に記載の、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、オレフィン重合又は共重合に使用されるZiegler−Natta触媒の活性成分は、一般的に、チタン、マグネシウム及びハロゲンを主要成分とする。そして、該触媒が、重合反応に使用される場合、補助触媒であるアルキルアルミニウム化合物及び外部電子供与体成分を同時に添加しなければならない。
【0003】
オレフィンの特異的重合の場合、特にプロピレンの特異的重合では、外部電子供与体成分を添加しなければ、ほとんどの触媒によって得られる重合体の立体規則性は比較的低く、一般に90%より低く、工業生産及び重合体の応用に有効ではない。したがって、多くのプロピレン重合触媒にとっては、外部電子供与体の添加が重要な役割を果たしている。
【0004】
現在、外部電子供与体の種類は、当初の安息香酸エステル系から、現在広く使用されている有機シロキサン系まで発展してきている。例えば、特許US4562173には、オレフィン重合用触媒の成分が開示されている。当該触媒の成分は、一般式がSiR
m(OR’)
4−mである有機シロキサン化合物を含み、式中、Rが水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R’がアルキル基又はアリール基であり、mの範囲が0≦m≦4である。該特許に開示された実施例には、トリエトキシフェニルシランを外部供与電子体として用いて、プロピレン重合を行う場合、ポリプロピレン生成物の立体規則性は、比較例のp−メチル安息香酸エチル外部供与電子体より明らかに高いことが示されている。
【0005】
また、US4927797には、指定されたToho型チタンマグネシウム系触媒と組み合わせて使用され、一般式がR
1(OR
2)Si(OR
3)R
4である外部電子供与体が開示されている。式中、R
1は、第二級炭素原子又は第三級炭素原子の立体障害型のアルキル基又はシクロアルキル基を少なくとも1つ含み、R
2及びR
3は、アルキル基又はアリール基であり、R
4はSi原子に直接結合し、第一級水素原子を有するアルキル基である。好ましくは、R
1は、シクロヘキシル基又はt−ブチル基であり、R
2及びR
3は、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、それぞれ同一又は異なり、R
4は、1〜6個の炭素原子を含有する基である。更に好ましい化合物は、シクロヘキシルメチルジメトキシシランである。
【0006】
当該特許に開示された実施例には、シクロヘキシルメチルジメトキシシランは、当該指定された触媒の外部電子供与体として使用される場合、ジフェニルジメトキシシランと比較して、立体規則性、水素調節が安定し、減衰が遅いなどといったメリットを有しており、より工業装置の安定操作に利することが示されている。
【0007】
また、EP0350170には、オレフィン重合の触媒及びその重合方法が開示されている。前記触媒は、一般式がSiR
21R
22m(OR
23)
3−mである外部電子供与体を含み、R
21がシクロペンチル基、シクロペンテニル基又はシクロペンタジエニル基、及びこれらから誘導されたグループであり、R
22及びR
23が、それぞれ炭化水素基を表し、同一又は異なっていてよく、0≦m≦3である。好ましい化合物は、ジシクロペンチルジメトキシシランである。
【0008】
該特許の実施例には、前記触媒は、プロピレンの単独重合に使用される場合、活性が高く、重合体立体規則性が高いというメリットを有しており、ランダム共重合のポリプロピレンフィルム材の製造に使用される場合、高エチレン含有量、低いヒートシール開始温度、良好な透明性というメリットを有することが示されている。
【0009】
さらに、CN1176258には、プロピレンの重合、共重合の触媒系及び重合方法が開示されている。前記触媒系は、通常担体に担持されるZiegler−Natta触媒と、一般式がSiR
m(OR’)
4−mである外部電子供与体との組み合せを含むことが開示されている。式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びビニル基から選ばれる基であり、R’はアルキル基であり、mは0〜3である。ここで、Rがアルキル基である場合、RはR’と同一であってよく、mが0、1又は2である場合、R’基は同一又は異なってよく、mが1、2又は3である場合、R基は同一又は異なってよい。
【0010】
より詳細には、当該触媒系の外部電子供与体は、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン又はジシクロペンチルジメトキシシランから選ばれてもよい。当該触媒系は、活性が高く、重合体におけるキシレンの可溶物含有量が0.6〜3.0wt%以内であるように適切に制御し、高結晶度のポリプロピレン生成物を得ることができる。前記外部電子供与体は、ジシクロペンチルジメトキシシランであることが特に好ましい。
【0011】
該特許に公開された実施例によれば、ジシクロペンチルジメトキシシランは、他の幾つかの外部電子供与体と比較して、重合生成物におけるキシレン可溶物の含有量が最も低く、立体規則性が最も高い。
【0012】
また、EP0419249、EP0565173、EP0657476、EP0844260、US5166340、US5192732にも、触媒によるオレフィン重合反応に用いられる有機シロキサン系の外部供与電子体が開示されている。ここでは、まとめて参考の対象とする。
【0013】
触媒によるオレフィン重合に用いられる有機シロキサン系の外部電子供与体は、多くの特許公開で報告されている。代表例として、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等といった典型的な外部電子供与体がポリプロピレンの工業生産に広く使用されている。しかしながら、オレフィンの特異的重合、特にプロピレンの特異的重合の場合、従来技術のレベルでは、重合体の立体規則性は、一般的に、95〜99%の範囲内にある。重合生成物の立体規則性をさらに向上させることは、高結晶、高剛性の特殊製品を製造するために、重合体材料の力学性能の更なる向上のために、依然として十分重要な意義を持つ。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、チエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒を提供することにある。2つのチエニル基を置換基として含有する有機シロキサン化合物が、触媒によるオレフィン重合の外部電子供与体として用いられ、特に、プロピレン重合に適用され、非常に高い立体規則性の重合体を生成し、比較的高い収率が得られる。
【0015】
本発明におけるチエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒は、
(A)チタン、マグネシウム、ハロゲンを主成分とする固体チタン触媒成分と、
(B)アルキルアルミニウム化合物成分と、
(C)下記一般式(I)に示す化合物のうちから選ばれる少なくとも1つの、置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物成分と、
【0016】
【化1】
(式中、R
1〜R
6基は、同一又は異なっており、水素、ハロゲン原子、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
20アルキル基、C
3〜C
20シクロアルキル基、C
6〜C
20アリール基、C
7〜C
20アルカリル基又はC
7〜C
20アラルキル基から選ばれ、2つ又は2つ以上のR
1〜R
6基が互いに結合して飽和又は不飽和の縮合環構造を形成していてもよく、該縮合環構造は、R
1〜R
6と同一に定義された基によって置換されることが可能であり、前記R
1〜R
6基は、炭素原子又は水素原子又はその両方の置換物として、1つ又は複数のヘテロ原子を含むもののいずれかから選ばれ、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、珪素、リン素またはハロゲン原子から選ばれており、R
a基とR
b基とは、同一又は異なっており、直鎖又は分岐鎖のC
1〜C
4アルキル基から選ばれる)
が反応した生成物である。
【0017】
好ましくは、一般式(I)では、R
1〜R
6は、同一又は異なり、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選ばれ、R
aとR
bは、同一又は異なり、メチル基又はエチル基である。
【0018】
更に好ましくは、一般式(I)では、R
1〜R
6は、同一又は異なり、水素原子、メチル基から選ばれ、R
a及びR
bは、いずれもメチル基である。
【0019】
本発明の製造過程に係る外部電子供与体化合物の合成原理は、ハロゲン化チオフェン又はその誘導物RXが、触媒存在下で、マグネシウム粉末とグリニャール反応により、RMgXを生成してから、置換基がR
a又はR
bである任意のテトラアルコキシシランと反応して、溶剤中で目的物である二置換されたチエニルジアルコキシシランを生成する。上記二段階の反応は、同一の反応容器内で完成される。反応に係る触媒はヨウ素であり、溶剤はテトラヒドロフランであり、溶剤であるテトラヒドロフランは、回収されることで繰り返して利用可能である。
【0020】
本発明における外部電子供与体の化合物を合成するプロセスに使用する反応容器は、還流冷却管、温度計、攪拌器、加熱器及びバランス調整式原料供給器を備える反応器である。
【0021】
実験の全過程で使用されるテトラヒドロフラン、ハロゲン化チオフェンは、厳密な脱気脱水処理を行わなければならない。脱水方法では、テトラヒドロフラン又はハロゲン化チオフェンを還流装置の丸底フラスコに入れ、撹拌子を入れて、撹拌を開始させる。次に、ナトリウム金属を薄片状に切り、薄片状のナトリウムを投入し、気泡の放出がなくなるまで混合系を加熱還流させる。その後、液体を蒸留して乾燥させる。未反応のナトリウム金属は、無水エタノールで処理する。酸素除去方法では、テトラヒドロフラン又はハロゲン化チオフェンをシュレンクフラスコに入れた後、液体の入ったシュレンクフラスコを液体窒素中に入れて冷却する。液体が固体になった後、シュレンクフラスコを取り出し、真空ポンプでその中の空気を抽出する。フラスコ内の固体が室温で液体に変わった後、窒素を充填してから、窒素中で冷却し続ける。これを三回繰り返して行って完了する。
【0022】
具体的な製造過程は、窒素雰囲気下で、攪拌器、還流冷却管、温度計を備える三つ口フラスコ内に、マグネシウム粉末、溶剤であるテトラヒドロフラン、テトラアルコキシシラン及び
ヨウ素を添加する。撹拌還流状態で、
開始剤である純粋なハロゲン化チオフェンを添加して反応を引き起こす。反応が引き起こされた後、撹拌還流状態で、残りのテトラヒドロフラン及びハロゲン化チオフェン混合溶液を徐々に滴下する。滴下完了後、全体を数時間還流させてから、加熱を停止し、室温になるまで反応混合物を撹拌し続ける。窒素雰囲気下で、濾過管を用いて反応混合物を濾過分離し、脱気脱水されたテトラヒドロフランで濾過ケーク(filter cake)を洗浄する。得られた濾液に対して、窒素雰囲気下で常圧蒸留及び減圧蒸留を行い、目的物が得られる。目的物については、赤外線分光装置、核磁気共鳴スペクトル装置及び元素分析装置で、構造及び純度の測定を行う。
【0023】
製造過程中の実験供給原料は、開始剤と滴下原料との2つに分けられる。グリニャール反応が引き起こされるかどうかは、開始剤であるハロゲン化チオフェンの添加量に関連する。ハロゲン化チオフェンの添加量が少なすぎると、グリニャール反応が起きにくく、ハロゲン化チオフェンの添加量が多すぎると、突沸しやすくて危険である。本発明の開始剤におけるハロゲン化チオフェンの添加量は、ハロゲン化チオフェン全量の3%〜20%であり、好ましくは、5%〜10%である。
【0024】
本発明において、テトラアルコキシシランとハロゲン化チオフェンとのモル比は1:2〜2.4、好ましくは1:2.1〜2.2であり、テトラアルコキシシランとマグネシウム粉末とのモル比は1:2〜2.8、好ましくは1:2.1〜2.6である。
【0025】
本発明において、テトラヒドロフランが溶剤として使用され,その使用量については、反応物を溶解できる程度であり、特に厳密に要求されず、一般的には、テトラヒドロフランとマグネシウムとの質量比が2〜20である。
【0026】
本発明において、反応を引き起こすことができるように、ヨウ素が開始剤として使用され、ヨウ素とマグネシウム粉末との質量比は、一般的には0.01〜0.1である。
【0027】
本発明において、チタン、マグネシウム、ハロゲンを主成分とする固体チタン触媒成分は、下記の方法で製造することができる。
【0028】
1つの方法では、カルボン酸無水物系化合物の存在下で、アルコール系とハロゲン化マグネシウム及び炭化水素系溶剤により、ハロゲン化マグネシウムアルコラートを得る。続いて、アルコラートの均一溶液と液体のチタン化合物とを低温で接触させてから昇温する。ハロゲン化マグネシウムがチタン化合物において、低温から高温への昇温において再結晶する過程があることから、昇温過程で一定量の内部電子供与体化合物を添加して反応させる。引き続き昇温して、反応温度に達した時、更に一定量の内部電子供与体化合物を添加して反応を継続させる。そして、濾過、洗浄、乾燥を経て、固体チタン触媒を生成する。より詳細な製造方法は、公開特許ZL02148336.1に示されている。
【0029】
もう1つの方法では、一般式がMgCl
2nROHである球状の塩化マグネシウムアルコラート粒子を、低温で四塩化チタン溶液中に添加し、しばらく反応させ、40℃〜100℃に徐々に昇温する。一種類又は二種類の内部電子供与体を添加し、更にしばらく反応させる。濾過し、一定量の四塩化チタンを添加し、しばらく反応させ、四塩化チタンの添加及び濾過を1〜3回繰り返してよい。最後に、不活性炭化水素溶剤で洗浄し、乾燥を行い、球状の固体触媒を得る。より詳細な製造方法は、公開特許ZL94103454.2にも示されている。
【0030】
前記触媒の製造方法では、上記の内部電子供与体化合物は、多価カルボン酸エステル、酸無水物、ケトン、エーテル、スルホニル化合物等から選ばれてよい。
【0031】
本発明におけるアルキルアルミニウム化合物成分は、好ましくは、一般式がAlR
nX(3−n)である化合物である。式中のRが水素、又は炭素原子数が1〜20であるアルキル基、アラルキル基、アリール基であり、Xがハロゲンであり、nが1≦n≦3の整数である。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム等から選ばれ、好ましくはトリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムから選ばれる。
【0032】
本発明における触媒の各組成分(A)と(B)と(C)との比率は、チタン:アルミニウム:ケイ素のモル比が1:5〜1000:0〜500、好ましくは1:50〜150:5〜50である。
【0033】
本発明のオレフィン重合及び共重合は、本分野で周知の方法で行われる。液相バルク、又はバルクを不活性溶剤に入れた溶液において、又は気体相において、又は、気液相の組み合わせで、重合工程を行う。重合温度は、一般に、0〜150℃であり、好ましくは50〜100℃である。重合反応の圧力は、常圧又は常圧より高い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、ジチエニルジメトキシシランの赤外線スペクトル図である。
【
図2】
図2は、ジチエニルジメトキシシランの
13C核磁気共鳴スペクトル図である。
【
図3】
図3は、ジチエニルジエトキシシランの赤外線スペクトル図である。
【
図4】
図4は、ジチエニルジエトキシシランの
13C核磁気共鳴スペクトル図である。
【
図5】3−メチルチエニル-チエニルジメトキシシランの赤外線スペクトル図である。
【
図6】3−メチルチエニル-チエニルジメトキシシランの
13C核磁気共鳴スペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
1、元素分析、赤外線スペクトル及び
13C核磁気共鳴法を用いて、合成した外部電子供与体化合物の構造及び純度を測定する。
【0037】
2、沸騰するn−ヘプタンで抽出する手法で、重合生成物の立体規則性を測定する。これは、国際基準GB 2412−80に基づき行う。
【0038】
3、国際基準GB/T 3682−2000に基づき、重合生成物のメルトインデックスを測定する。
【実施例1】
【0039】
(1)ジチエニルジメトキシシランの合成
【0040】
窒素雰囲気下で、5.34gのマグネシウム粉末、1.62gのブロモチオフェン、20mLのテトラヒドロフランを、撹拌器、還流冷却管及び温度計を備えた250mlの三つ口フラスコに添加した。混合系を0.5時間還流した後、激しく反応するまで0.26gのヨウ素を添加した。反応が安定した後、試験管上部から、32.6gのブロモチオフェン、60mlのテトラヒドロフラン及び15.20gのテトラメトキシシランからなる混合溶液を徐々に滴下し、約2時間で滴下を完了させた。混合系を加熱撹拌し、5時間還流させた後、室温まで徐々に冷却した。窒素雰囲気下で、濾過管で濾過するとともに、テトラヒドロフランで固体物を数回洗浄した。得られた濾過液を常圧蒸留し、溶剤を回収した後、減圧精留を行った。130〜131℃、圧力25mmHgにおける生成物を収集し、元素分析、赤外線スペクトル分析及び
13C核磁気共鳴分析を行った。赤外線スペクトル図及び核磁気共鳴スペクトル図を、
図1及び
図2にそれぞれ示す。赤外線スペクトルによって、反応が進行したことが初歩的に証明された。また、
13C核磁気共鳴スペクトルによって、生成物の形成が明らかに証明された。元素分析結果によれば、合成した生成物のC含有量は46.04%、H含有量は5.37%であることが示された。これは、ジチエニルジメトキシシランにおける理論上のC含有量46.51%および理論上のH含有量5.43%と、基本的に一致し、ジチエニルジメトキシシランの生成物が合成されたことが更に検証された。
【0041】
(2)チタン含有の固体触媒の製造
【0042】
150mLのTiCl
4を添加し、且つ事前に−25℃まで冷却した撹拌付きのガラス反応瓶に、5.0グラムの球状のMgCl
2・2.85C
2H
5OH担体を添加し、80℃に徐々に昇温した。次に、2mmolの内部電子供与体であるフタル酸ジイソブチルを添加し、該温度を30分間保持し、130℃まで昇温し、2時間反応させた。濾過して、120mLのTiCl
4を添加し,130℃で2時間反応させた。TiCl
4の添加及び濾過の上記ステップを1回繰り返した。n-ヘキサンで6回洗浄した。最後に、真空で固体物を乾燥させ、本発明の球状固体触媒成分を3.2g生成した。
【0043】
(3)プロピレン重合実験
【0044】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジメトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分20.5mgを順次添加した。次に、液体プロピレンを500g導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例2】
【0045】
(1)ジチエニルジメトキシシランの合成
【0046】
窒素雰囲気下で、3.50gのマグネシウム粉末、1.30gのブロモチオフェン、20mLのテトラヒドロフランを、撹拌器、還流冷却管及び温度計を備えた250mlの三つ口フラスコに添加した。混合系を0.5時間還流した後、激しく反応するまで0.26gのヨウ素を添加した。反応が安定した後、試験管上部から、20.74gのブロモチオフェン、60mlのテトラヒドロフラン及び9.99gのテトラメトキシシランからなる混合溶液を徐々に滴下し、約2時間かけて滴下を完了させた。混合系を加熱撹拌し、5時間還流させた後、室温まで徐々に冷却した。窒素雰囲気下で、濾過管で濾過するとともに、テトラヒドロフランで固体物を数回洗浄した。得られた濾過液を常圧蒸留し、溶剤を回収した後、減圧精留を行った。130〜131℃、圧力25mmHgにおける生成物を収集した。合成された化合物の赤外線スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルは、
図1及び
図2と基本的に一致した。赤外線スペクトルによって、反応が進行したことが初歩的に証明された。また、
13C核磁気共鳴スペクトルによって、生成物の形成が明らかに証明された。
【0047】
(2)チタン含有の固体触媒の製造
【0048】
窒素で十分置換した三つ口フラスコに5gのMgCl
2無水物を添加し、27mlのn−デカン及び23.0mlのイソオクタノールを添加した。撹拌しながら130℃まで昇温し、この温度で3時間反応させた。1.17gの無水フタル酸を添加し、130℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、室温まで冷却し、安定した均一なアルコラート溶液を得た。窒素で十分置換され、且つ−25℃の200mlの四塩化チタンが予め入れられた反応器に、前記製造した均一な溶液を1時間かけて滴下した。滴下完了後、3時間かけて60℃まで昇温し、1.5mlのフタル酸ジイソブチルを添加した。更に30分間昇温し、温度が110℃に達した後、フタル酸ジイソブチル2.1mlを添加した。この温度で2時間反応させた。反応終了後、液体を濾過した。その後、新たに200mlの四塩化チタンを添加して、110℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過して取り出し、モレキュラーシーブで乾燥させたヘキサンで、6回加熱洗浄した。残りの固体生成物を真空乾燥させて固体触媒を得た。
【0049】
(3)プロピレン重合実験
【0050】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジメトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分18.8mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例3】
【0051】
(1)ジチエニルジメトキシシランの合成:実施例1と同様の方法である。
【0052】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0053】
(3)プロピレン重合実験
【0054】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジメトキシシラン0.45mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分19.3mgを順次添加した。500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例4】
【0055】
(1)ジチエニルジメトキシシランの合成:実施例1と同様の方法である。
【0056】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0057】
(3)プロピレン重合実験
【0058】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジメトキシシラン1.8mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分22.4mgを順次に添加した。500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温させた。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して取り出した。
【実施例5】
【0059】
(1)ジチエニルジメトキシシランの合成:実施例1と同様の方法である。
【0060】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0061】
(3)プロピレン重合実験
【0062】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った。その後、まず、常圧状態の重合反応釜に、水素を通気させ、釜圧が0.1MPaになった。そして、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジメトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分20.7mgを順次添加した。500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して取り出した。
【実施例6】
【0063】
(1)ジチエニルジエトキシシランの合成
【0064】
窒素雰囲気下で、窒素で置換された、還流冷却管、等圧滴下ロートを備えた250mlの乾燥した三つ口フラスコに、5.28gのマグネシウム粉末、30mLのテトラヒドロフラン、24.6mLのテトラエトキシシランを添加し、更に、23mLのブロモチオフェンを滴下ロートに添加した。撹拌しながら、純粋なブロモチオフェンを開始剤として適量添加し、テトラヒドロフランを自主的に沸騰させて還流させた。反応しない場合、少量のヨウ素を添加して反応を引き起こしてよい。残りのブロモチオフェンを30mLのテトラヒドロフランに加えて希釈し、滴下用溶液を調製した。反応開始後、調製した溶液を滴下し、テトラヒドロフランがわずかに沸騰するように滴下速度を制御し、2時間程度で滴下を完了した。滴下終了後、オイルバスで加熱し、40℃に保温して8時間反応させた。反応終了後、冷却静置した。窒素雰囲気下で、濾過、抽出して、濾過ケークを洗浄し、得られた濾過液を常圧蒸留した。その後、130−132℃、圧力20mmHgにおける留分を収集し、元素分析、赤外線スペクトル及び
13C核磁気共鳴測定を行った。赤外線スペクトル図及び核磁気共鳴スペクトル図を、
図3及び
図4にそれぞれ示す。赤外線スペクトルでは、合成反応が進行したことが初歩的に証明された。また、
13C核磁気共鳴スペクトルでは、生成物の形成が明らかに証明された。元素分析の結果によれば、合成した生成物におけるC含有量は50.14%、H含有量は5.72%であることが示された。これは、ジチエニルジエトキシシランにおける理論上のC含有量50.07%および理論上のH含有量5.63%と基本的に一致し、ジチエニルジエトキシシランの生成物が合成されたことが更に検証された。
【0065】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0066】
(3)プロピレン重合実験
【0067】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジエトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分33.5mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例7】
【0068】
(1)ジチエニルジエトキシシランの合成:実施例6と同様の方法である。
【0069】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0070】
(3)プロピレン重合実験
【0071】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジエトキシシラン1.8mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分23.6mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例8】
【0072】
(1)ジチエニルジエトキシシランの合成:実施例6と同様の方法である。
【0073】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0074】
(3)プロピレン重合実験
【0075】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った。その後、まず、常圧状態での重合反応釜に、水素を通気させ、釜圧が0.1MPaになった。濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物であるジチエニルジエトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分27.3mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して取り出した。
【実施例9】
【0076】
(1)3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシランの合成
【0077】
窒素雰囲気下で、窒素で置換された、還流冷却管、等圧滴下ロートを備えた250mlの三つ口フラスコに、5gのマグネシウム粉末、30mLのテトラヒドロフラン、13.47mLのテトラメトキシシランを添加し、更に、9mLの2−ブロモチオフェンを滴下ロートに添加した。撹拌しながら、純粋なブロモチオフェンを開始剤として適量添加し、テトラヒドロフランを自主的に沸騰させて還流させた。反応しない場合、少量のヨウ素を添加して反応を引き起こしてよい。残りの2−ブロモチオフェンを30mLのテトラヒドロフランに加えて希釈し、滴下用溶液を調製した。反応開始後、調製した原料溶液を滴下し、テトラヒドロフランがわずかに沸騰するように滴下速度を制御し、2時間程度で滴下を完了した。滴下終了後、オイルバスで加熱し、30−40℃に保温して7時間反応させた。更に、3−メチル−2−ブロモチオフェンを滴下ロートに添加すると共に、30mLのテトラヒドロフランを加えて希釈して滴下用の溶液に調製した。次に、調製した原料溶液を滴下し、テトラヒドロフランがわずかに沸騰するように滴下速度を制御し、2時間程度で滴下を完了した。滴下終了後、オイルバスで加熱し、30−40℃に保温して6時間反応させ、マグネシウム粉末を十分に反応させた。反応終了後、冷却静置した。窒素雰囲気下で、濾過、抽出して、濾過ケークを洗浄し、得られた濾過液を常圧蒸留した。その後、125−126℃、圧力20mmHgにおける留分を収集し、元素分析、赤外線スペクトル及び
13C核磁気共鳴測定を行った。赤外線スペクトル図及び核磁気共鳴スペクトル図を、
図5及び
図6にそれぞれ示す。赤外線スペクトルでは、合成反応が進行したことが初歩的に証明された。また、
13C核磁気共鳴スペクトルでは、生成物の形成が明らかに証明された。元素分析の結果によれば、合成した生成物におけるC含有量は48.09%、H含有量は5.56%であった。これは、3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシランにおける理論上のC含有量48.89%および理論上のH含有量5.19%と基本的に一致し、3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシランの生成物が合成されたことが更に検証された。
【0078】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0079】
(3)プロピレン重合実験
【0080】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物である3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分27.7mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例10】
【0081】
(1)3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシランの合成:実施例9と同様の方法である。
【0082】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0083】
(3)プロピレン重合実験
【0084】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った後、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物である3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシラン1.8mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分21.8mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して、取り出した。
【実施例11】
【0085】
(1)3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシランの合成:実施例6と同様の方法である。
【0086】
(2)チタン含有の固体触媒の製造:実施例1と同様の方法である。
【0087】
(3)プロピレン重合実験
【0088】
容積2Lのステンレス反応釜に、プロピレンガスで十分に置換を行った。その後、まず、常圧状態での重合反応釜に、水素を通気させ、釜圧が0.1MPaになった。そして、濃度2.4mol/Lのトリエチルアルミニウム溶液5ml、合成された外部電子供与体化合物である3−メチルチエニル−チエニルジメトキシシラン0.9mmol、上記製造したチタン含有の固体触媒成分23.4mgを順次添加した。次に、500gの液体プロピレンを導入し、70℃に昇温した。この温度で0.5時間反応させ、降温、減圧を行い、プロピレン重合体を生成して取り出した。
【0089】
実施例1と同様なチタン含有固体触媒成分及び重合方法を用いたが、外部電子供与体化合物をジシクロペンチルジメトキシシランに変更した。
【0090】
実施例1と同様なチタン含有固体触媒成分、外部電子供与体ジシクロペンチルジメトキシシランを用い、実施例5と同様な重合方法を用いた。すなわち、重合前に、まず反応釜に0.1MPaの水素を添加した。
【0091】
実施例1と同様なチタン含有固体触媒成分及び重合方法を用いたが、外部電子供与体化合物をシクロヘキシルメチルジメトキシシランに変更した。
【0092】
実施例1と同様なチタン含有固体触媒成分及び重合方法を用いたが、外部電子供与体化合物をトリエトキシフェニルシランに変更した。
【0093】
表1の重合実験結果により、本発明の、置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物を外部電子供与体として用いて生成した重合体の立体規則性は、特に水素を添加しない場合、比較例で使用した既知の典型的な有機シロキサン外部電子供与体より、明らかに高いことが読み取れる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係るチエニル基で置換したシランを含有するオレフィン重合反応の触媒は、置換基として2つのチエニル基を含有する有機シロキサン化合物を触媒によるオレフィン重合の外部電子供与体として用いており、特に、プロピレン重合に適用し、非常に高い立体規則性を有する重合体を生成し、比較的高い収率が得られる。