(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各超小型電子パッケージの前記端子は第1の端子であり、各超小型電子パッケージの前記第2の表面は、前記それぞれの基板の前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する、前記中央領域と対向する第1の縁部及び第2の縁部との間の周辺領域を有し、各超小型電子パッケージは、前記周辺領域のうちの少なくとも1つにおいて前記基板の前記第2の表面において露出する複数の第2の端子を更に備え、前記第2の端子は、前記各超小型電子パッケージを少なくとも1つの外部構成要素に接続するように構成され、
前記第2の端子のうちの少なくともいくつかは、前記アドレス信号以外の信号を運ぶように構成される、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
各超小型電子パッケージは、第3の超小型電子素子及び第4の超小型電子素子であって、それぞれは、前記基板の前記第1の表面に面する表面を有し、メモリ記憶アレイ機能を提供する能動デバイスを他のいずれの機能よりも多く具現化する、第3の超小型電子素子及び第4の超小型電子素子を備え、
各超小型電子パッケージの前記基板は、第3の超小型電子素子及び第4の開口部を有し、各超小型電子パッケージの前記第3の超小型電子素子及び前記第4の超小型電子素子はそれぞれ、該第3の超小型電子素子及び該第4の超小型電子素子の表面において、前記それぞれの基板の前記開口部のうちの少なくとも1つと位置合わせされる複数のコンタクトを有し、
各超小型電子パッケージは、前記第3の超小型電子素子及び前記第4の超小型電子素子のそれぞれの超小型電子素子の前記コンタクトと前記端子との間に電気的に接続された第2のリードを更に備え、前記第2のリードのそれぞれは前記開口部のうちの少なくとも1つと位置合わせされる部分を有し、
各超小型電子パッケージの前記基板の前記第3の開口部及び前記第4の開口部は、前記開口部の長さの方向に延在するそれぞれの平行な第3の軸及び第4の軸を有し、各第3の軸は、前記それぞれの基板の前記第1の開口部の前記第1の軸に平行である、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
前記第1の超小型電子パッケージ及び第2の超小型電子パッケージの前記端子は、第1のグリッド及び第2のグリッドの位置に配置され、該第1のグリッド及び該第2のグリッドは、前記第1の回路パネル表面及び第2の回路パネル表面に平行な直交するx方向及びy方向に互いに位置合わせし、該位置合わせは、前記グリッドの隣接する端子間の最小ピッチに等しい距離以内である、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
前記第1の超小型電子パッケージ及び第2の超小型電子パッケージの各超小型電子パッケージの前記端子は、第1のグリッド及び第2のグリッドの位置に配置され、前記第1のパッケージの前記第1のグリッド及び前記第2のパッケージの前記第2のグリッドは互いに位置合わせし、前記第1のパッケージの前記第2のグリッド及び前記第2のパッケージの前記第1のグリッドは互いに位置合わせし、該位置合わせは、前記第1の回路パネル表面及び第2の回路パネル表面に平行な直交するx方向及びy方向に存在し、該位置合わせは、前記グリッドの隣接する端子間の最小ピッチに等しい距離以内である、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
前記第1の超小型電子パッケージの前記端子のうちの1つの端子と、該端子に接続された前記第2の超小型電子パッケージの前記端子のうちの対応する1つの端子との間の前記回路パネルを通る前記電気的接続のスタブ長は、前記第1の超小型電子パッケージの前記端子の最小ピッチの7倍未満である、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
前記第1の超小型電子パッケージの前記端子と前記第2の超小型電子パッケージの前記端子との間の前記回路パネルを通る前記電気的接続の少なくとも一部は、ほぼ前記回路パネルの厚さの電気長を有する、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
前記パネルコンタクトは、前記回路パネルの第1の表面において露出する、直線状に延在する第1の列及び第2の列で配置された第1のパネルコンタクトであって、前記第1の超小型電子パッケージの前記端子に接合される、第1のパネルコンタクトと、前記回路パネルの第2の表面において露出する、直線状に延在する第1の列及び第2の列で配置された第2のパネルコンタクトであって、前記第2の超小型電子パッケージの前記端子に接合される、第2のパネルコンタクトとを含み、
前記第1のパネルコンタクトの前記第1の列は、前記第1の回路パネル表面及び第2の回路パネル表面に平行な直交するx方向及びy方向に、前記第2のパネルコンタクトの前記第2の列に位置合わせし、前記第1のパネルコンタクトの前記第2の列は、前記直交するx方向及びy方向に、前記第2のパネルコンタクトの前記第1の列に位置合わせし、
前記第1のパネルコンタクトの前記第1の列内の各コンタクトは、前記第2のパネルコンタクトの前記第1の列内の対応するコンタクトに結合され、前記第1のパネルコンタクトの前記第2の列内のそれぞれのコンタクトは、前記第2のパネルコンタクトの前記第2の列内の対応するコンタクトに結合される、請求項1に記載の超小型電子アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に関して説明する例示的な従来の超小型電子パッケージ112に鑑みて、本発明者らは、メモリ記憶アレイチップを組み込む超小型電子パッケージ及びそのような超小型電子パッケージを組み込む超小型電子アセンブリの電気的性能を改善するのに役立てることができる、行うことができる改善を認識した。
【0029】
特に、
図2〜
図4に示すもの等のアセンブリ内に設けられた場合の超小型電子パッケージの使用に関して改善を行うことができる。
図2〜
図4において、パッケージ112Aが回路パネルの表面に搭載され、別の同様なパッケージ112Bが回路パネルの反対側の表面上に、それに向き合って搭載される。パッケージ112A、112Bは通常、機能的及び機械的に互いに同等である。機能的及び機械的に同等なパッケージの他の対112Cと112D、及び112Eと112Fもまた、通常同じ回路パネル134に搭載される。回路パネルとそれに取り付けられたパッケージとは、一般にデュアルインラインメモリモジュール(「DIMM」)と呼ばれるアセンブリの一部を形成することができる。対向して搭載されたパッケージの対それぞれにおけるパッケージ、例えばパッケージ112A、112Bは、回路パネルの反対に位置する表面上のコンタクトに接続し、それぞれの対におけるパッケージ同士が通常それぞれの面積の90%よりも多く互いに重なるようになっている。回路パネル134内のローカル配線は、端子、例えばそれぞれのパッケージ上の「1」、「5」とラベルがついた端子を回路パネル上のグローバル配線に接続する。グローバル配線は、位置I、II、及びIII等の回路パネル34上の接続位置にいくつかの信号を伝えるのに用いる、バス136の信号導体を含む。例えば、パッケージ112A、112Bは、接続位置Iに結合したローカル配線によってバス136に電気的に接続され、パッケージ112C、112Dは、接続位置IIに結合したローカル配線によってバスに電気的に接続され、パッケージ112E、112Fは、接続位置IIIに結合したローカル配線によってバスに電気的に接続される。
【0030】
回路パネル134は、パッケージ112Aの一方の縁部116近くの「1」とラベルがついた端子が回路パネル134を貫いてパッケージ112Bの同じ縁部116近くのパッケージ112Bの「1」とラベルがついた端子に接続する、十文字すなわち「シューレース」パターンと同様に見えるローカル相互接続配線を用いて、パッケージ112A、112Bそれぞれの端子を電気的に相互接続する。しかし、回路パネル134に取り付けたパッケージ112Bの縁部116は、パッケージ12Aの縁部16から遠い。
図2〜
図4は、パッケージ112Aの縁部122近くの「5」とラベルがついた端子が回路パネル134を貫いてパッケージ112Bの同じ縁部122近くのパッケージ112Bの「5」とラベルがついた端子に接続するということを更に示す。アセンブリ138において、パッケージ112Aの縁部122はパッケージ112Bの縁部122から遠い。
【0031】
回路パネルを貫く、それぞれのパッケージ、例えばパッケージ112A上の端子と、その反対側に搭載されたパッケージ、すなわちパッケージ112B上の対応する端子との間の接続は、かなり長いものである。
図3において更にわかるように、同様の超小型電子パッケージ112A、121Bのそのようなアセンブリにおいて、回路パネル134は、バス136の信号導体を、バスからの同じ信号がそれぞれのパッケージに送信されることになっている場合には、「1」と印がついたパッケージ112Aの端子及び「1」と印がついたパッケージ112Bの対応する端子と電気的に相互接続することができる。同様に回路パネル134は、バス136の別の信号導体を、「2」と印がついたパッケージ112Aの端子及び「2」と印がついたパッケージ112Bの対応する端子と電気的に相互接続することができる。同じ接続の仕組みを、バスの他の信号導体及びそれぞれのパッケージの対応する端子にも当てはめることができる。
【0032】
回路パネル134上のバス136と、パッケージのそれぞれの対、例えば、基板の接続位置Iにおけるパッケージ112A、112B(
図2)、のそれぞれのパッケージとの間のローカル配線は、非終端スタブの形とすることができる。そのようなローカル配線は、比較的長い場合には、場合によっては後述するようにアセンブリ138の性能に影響を及ぼす場合がある。さらに、回路パネル134はまたローカル配線に、他のパッケージ、すなわちパッケージの対112C及び112D並びにパッケージの対112E及び112Fの或る特定の端子をバス136のグローバル配線に電気的に相互接続するよう求め、そのような配線も、同じようにアセンブリの性能に影響を及ぼす可能性がある。
【0033】
図4は更に、信号「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、及び「8」を運ぶよう割り当てられた端子のそれぞれの対の超小型電子パッケージ112Aと112Bとの間の相互接続を示す。
図4においてわかるように、端子の、基板の表面の中央領域124内ではなく、列114、118は各パッケージ112A、112Bそれぞれの縁部116、122の近くに露出するので、端子の列114、18が延在する方向142を横切る方向140に回路パネル134を横切るのに必要な配線は、非常に長くなる可能性がある。DRAMチップの長さは、それぞれの辺において10ミリメートルの範囲にすることができるということを認識すれば、或る信号が、2つの対向して搭載されるパッケージ112A、112Bの対応する端子に同じ信号をルーティングするのに必要な、
図2〜
図4に見られるアセンブリ138における回路パネル134内のローカル配線の長さは、5ミリメートルから10ミリメートルの間に及ぶ可能性があり、通常約7ミリメートルとすることができる。
【0034】
場合によっては、パッケージの端子同士を接続する回路パネル上の非終端配線が比較的長くても、アセンブリ138の電気的性能にひどく影響を及ぼすことはない場合がある。しかし、
図2に示すように、回路パネルのバス136から回路パネルに接続されたパッケージの多数の対のそれぞれに信号を転送する場合、バス136からそこに接続されたそれぞれのパッケージ上の端子まで延在するスタブ、すなわちローカル配線の電気長がアセンブリ138の性能に潜在的に影響を及ぼすということを本発明者らは認識している。非終端スタブ上の信号反射は、それぞれのパッケージの接続された端子から戻ってバス136上へと逆方向に伝わり、したがってバスからパッケージに転送される信号を劣化させてしまう可能性がある。この影響は、現在製造される超小型電子素子を含むいくつかのパッケージについては許容できる場合がある。しかし、高信号切り換え周波数もしくは低電圧スイング信号又はその両方で動作する現在又は将来のアセンブリにおいては、この影響は甚だしくなる可能性がある、ということを本発明者は認識している。これらのアセンブリについては、送信信号のセトリング時間、リンギング、ジッタ、又は符号間干渉が受け入れがたい程度まで増大する場合がある。
【0035】
本発明者らは、非終端スタブの電気長は通常、回路パネルのバス136を、そこに搭載されたパッケージの端子と接続するローカル配線よりも長いということを更に認識している。それぞれのパッケージ内の、パッケージ端子から内部の半導体チップまでの非終端配線によって、スタブ長が増加する。
【0036】
特定の例において、バス136は、DIMM等主流のメモリ記憶アレイ機能を有するアセンブリのコマンド−アドレスバスである。コマンド−アドレスバス136は、パッケージ内の回路、例えば、行アドレス及び列アドレスのデコーダ、並びにもしある場合にはバンク選択回路が使用して、超小型電子パッケージにおける超小型電子素子内のメモリ記憶アレイの全ての利用可能なアドレス指定可能メモリ位置からアドレス指定可能メモリ位置を決定することができる、超小型電子パッケージに転送されるアドレス情報を運ぶように構成することができる。コマンド−アドレスバス136は、接続位置、例えば、
図2に示す位置I、II、及びIIIに上述のアドレス情報を運ぶように構成することができる。この上述のアドレス情報は次に、ローカル配線によって、そこにパッケージ112A、112B、112C、112D、112E及び112Fが接続される回路パネルの互いに反対側の表面上のパネルコンタクトのそれぞれの組に分配することができる。
【0037】
特定の例において、超小型電子素子がDRAMチップであるかDRAMチップを含む場合、コマンド−アドレスバス136は、超小型電子パッケージに転送される超小型電子素子のコマンド−アドレスバスの1群の信号、すなわちコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てを運ぶように構成することができ、このコマンド信号は、ライトイネーブル、行アドレスストローブ、及び列アドレスストローブ信号を含み、このクロック信号は、アドレス信号をサンプリングするのに用いるクロックである。クロック信号はさまざまなタイプとすることができるが、一実施形態において、これらの端子が運ぶクロック信号は、差動又は真の及び補完クロック信号として受け取られる差動クロック信号の1つ又は複数の対とすることができる。
【0038】
したがって、本明細書において説明する本発明の或る特定の実施形態は、そのような第1のパッケージ及び第2のパッケージが回路パネル、例えば回路基板、モジュール基板若しくはカード、又はフレキシブル回路パネル、の互いに反対側の表面上に互いに対向して搭載される場合にスタブの長さを短くできるように構成した、超小型電子パッケージを提供する。回路パネル上に互いに対向して搭載される第1の超小型電子パッケージ及び第2の超小型電子パッケージを組み込むアセンブリは、それぞれのパッケージ間のスタブ長を著しく低減することができる。これらの電気的接続の長さを低減することによって、回路パネル及びアセンブリにおけるスタブ長を低減することができ、それが、第1のパッケージ及び第2のパッケージの両方において第1の端子によって運ばれ超小型電子素子に転送される上述の信号について、なかでもセトリング時間、リンギング、ジッタ、又は符号間干渉の低減等、電気的性能の改善に役立つことができる。さらに、回路パネルの構造の単純化、又は回路パネルの設計若しくは製造の複雑性及びコストの低減等、他の利点もまた得ることを可能にすることができる。
【0039】
本発明の或る特定の実施形態は、超小型電子素子、例えば半導体チップ又は半導体チップのスタックした配列が主としてメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成された、パッケージ又は超小型電子アセンブリを提供する。そのような超小型電子素子において、メモリ記憶アレイ機能を提供するように構成され、すなわち組み立てられ他のデバイスと相互接続された、内部の能動素子、例えばトランジスタの数は、いかなる他の機能を提供するように構成された能動素子の数よりも多い。したがって、一例において、DRAMチップ等の超小型電子素子は、その主要な又は唯一の機能としてメモリ記憶アレイ機能を有することができる。代替的に、別の例において、そのような超小型電子素子は、混合した使用法を有することができ、メモリ記憶アレイ機能を提供するように構成した能動素子を組み込むことができ、また、なかでもプロセッサ機能又は信号プロセッサもしくはグラフィックスプロセッサの機能等、別の機能を提供するように構成された他の能動素子も組み込むことができる。この場合、超小型電子素子は依然として、メモリ記憶アレイ機能を提供するように構成された能動素子の数を超小型電子素子のいかなる他の機能よりも多く有することができる。
【0040】
一実施形態において、パッケージの端子は、超小型電子アセンブリから離れる方を向く基板又は誘電層の第2の表面の中央領域に配置された第1の端子を含むことができ、中央領域は、基板又は誘電層の第1及び第2の周縁部に隣接する周辺領域間に配置される。中央領域は、端子の平行な列のうちの隣接する列間の最小ピッチの3.5倍以下の幅になるようにすることができる。
【0041】
本発明の或る特定の実施形態において、中央領域における第1の端子は、超小型電子パッケージに転送される超小型電子素子のコマンド−アドレスバスの1群の信号、すなわちコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てを運ぶように構成され、このコマンド信号は、ライトイネーブル、行アドレスストローブ、及び列アドレスストローブ信号を含み、このクロック信号は、アドレス信号をサンプリングするのに用いるクロックである。クロック信号はさまざまなタイプとすることができるが、一実施形態において、これらの端子が運ぶクロック信号は、差動又は真の及び補完クロック信号として受け取られる差動クロック信号の1つ又は複数の対とすることができる。
【0042】
回路パネル、例えばプリント回路基板、モジュールカード等の上で、コマンド−アドレスバスのこれらの上述の信号、すなわちコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号を、並列でそこに接続された多数の超小型電子パッケージ、特に回路パネルの互いに反対側の表面に搭載された第1の超小型電子パッケージ及び第2の超小型電子パッケージに、バスにより伝達することができる。本明細書における或る特定の実施形態について、コマンド−アドレスバス信号を運ぶ端子を、超小型電子パッケージの縁部近くの周辺領域内にではなくパッケージ表面の中央領域内に配置することによって、回路パネル上のコマンド−アドレスバス136(
図2)から超小型電子パッケージが電気的に接続される回路パネルの表面上の個々の接続位置に信号を運ぶのに用いられるスタブの長さを低減することができる。これらの電気的接続の長さを低減することによって、回路パネル及びアセンブリにおけるスタブ長を低減することができ、それが、第1のパッケージ及び第2のパッケージの両方において第1の端子によって運ばれ超小型電子素子に転送される上述の信号について、なかでもセトリング時間、リンギング、ジッタ、又は符号間干渉の低減等、電気的性能の改善に役立つことができる。さらに、回路パネルの構造の単純化又は回路パネルの設計若しくは製造の複雑性及びコストの低減等、他の利点もまた得ることを可能にすることができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、超小型電子パッケージは、上述のコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てを運ぶように構成された、中央領域における端子の4列以下の列を有することができる。或る特定の実施形態において、そのような端子の列が2列のみ存在することができる。他の実施形態において、そのような端子は1列のみ存在することができる。
【0044】
さらに、超小型電子パッケージのそれぞれの対が接続される接続位置間の、第1の端子によって運ばれる上述の信号、例えばコマンド−アドレスバス信号から信号をルーティングするのに必要な回路パネル上の配線のルーティング層の数を減らすことを可能にすることができる。具体的には、そのような信号を回路パネルに沿ってルーティングするのに必要なルーティング層の数は、場合によっては、4つ以下のルーティング層まで減らすことができる。特定の例において、そのような信号を回路パネルに沿ってルーティングするのに必要なルーティング層の数は、場合によっては、4つ、2つ、又は1つのルーティング層まで減らすことができる。しかし、回路パネル上に、上述のアドレス又はコマンド−アドレスバス信号を運ぶルーティング層の数よりも多い数の、他の信号を運ぶルーティング層が存在することができる。
【0045】
超小型電子パッケージはまた、第1の端子以外の第2の端子も有することができ、そのような端子は通常、上述のコマンド−アドレスバス信号の端子以外の信号を運ぶように構成されている。一実施形態において、そのような第2の端子は、周辺領域のうちの1つ又は複数において配置することができ、データ信号を運ぶように構成することができる。例えば、第2の端子は、データマスク及び並列終端をオン又はオフするのに用いる終端レジスタへのODTすなわち「オンダイターミネーション」信号だけではなく、超小型電子素子への及び/又はそこからの一方向又は双方向のデータ信号、ならびにデータストローブ信号を運ぶのに用いる端子を含むことができる。チップセレクト、リセット、電源電圧、例えばVdd、Vddq、及び接地、例えばVss及びVssq等の信号又は基準電位は、第2の端子によって運ぶことができる。これらの信号又は基準電位のいずれも、第1の端子によって運ぶ必要はない。いくつかの実施形態において、上述のアドレス又はコマンド−アドレスバス信号以外の信号を運ぶように構成したいくつかの又は全ての端子を第2の端子として配置することが可能であり、パッケージ上のどちらの位置であっても配置することができる。
【0046】
本明細書における本発明の実施形態は、その中に2つ以上の半導体チップ、すなわち、超小型電子素子を有するパッケージを提供する。多チップパッケージは、その中にあるチップを、なかでも、ボールグリッドアレイ、ランドグリッドアレイ又はピングリッドアレイ等の端子のアレイを通してそのパッケージが電気的に、かつ機械的に接続される場合がある回路パネル、例えば、プリント配線板に接続するのに必要とされる面積及び空間の量を削減することができる。そのような接続空間は、小型又はポータブル計算デバイス、例えば、通常パーソナルコンピュータの機能と広範な世界への無線接続性とを併せ持つ「スマートフォン」又はタブレット等のハンドヘルドデバイスでは特に制限される。マルチチップパッケージは、高度な高性能ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)チップ、例えば、DDR3タイプDRAMチップ及びその後続製品等の、大量の相対的に安価なメモリをシステムが利用できるようにするのに特に役に立つ可能性がある。
【0047】
マルチチップパッケージを接続するのに必要とされる回路パネルの面積の量は、パッケージ内の2つ以上のチップに至る途中に、少なくともいくつかの信号がその中を通って進行する共通端子をパッケージ上に設けることによって削減することができる。しかしながら、高性能動作をサポートしながら、それを果たすには課題がある。無終端スタブに起因した信号の望ましくない反射等の望ましくない影響を回避するには、バス136(
図2)等の、パッケージの外面にある端子を回路パネル上のグローバル配線と電気的に接続する回路パネル上のトレース、ビア、及び他の導体は長すぎてはならない。放熱も、高度なチップにとって課題を提示し、そのため、各チップの大きな平坦面のうちの少なくとも1つは、ヒートスプレッダに結合されるか、又は設置されたシステム内の流れ若しくは空気に暴露されるか若しくは熱連通していることが望ましい。以下に説明するパッケージは、これらの更なる目標に役立つことができる。
【0048】
本明細書における本発明の実施形態は、アセンブリ上の信号のスタブ長を低減する方法を提供することができる。したがって、パッケージ内の多数のチップの対応するコンタクトを、パッケージの外部の構成要素、例えばプリント回路基板等の回路パネル、外部の超小型電子素子、又はその他の構成要素と接続するように構成したパッケージの単一の共通端子と電気的に接続することができ、複数のそのような超小型電子パッケージを、回路パネルの互いに反対側の表面に搭載することができる。
【0049】
例えば、第1の超小型電子パッケージ10aの第1の列の第1の端子25aを第2の超小型電子パッケージ10bの第1の列の対応する第1の端子に電気的に接続する回路パネル60(
図5E)上のスタブの電気長は、それぞれのパッケージ上の第1の端子の最小ピッチの7倍よりも小さく、例えば第1の端子の隣接する列のピッチの7倍よりも小さくすることができる。言い換えれば、回路パネル60の第1及び第2の表面において露出した1対の電気的に結合した第1のパネルコンタクト65a及び第2のパネルコンタクト65bを回路パネル上のコマンド−アドレスバスの対応する信号導体に接続する導電性素子の全部合わせた合計の長さは、パネルコンタクトの最小ピッチの7倍よりも小さくすることができる。更に別の例において、第1の超小型電子パッケージ10aの第1の端子25aと第2の超小型電子パッケージ10bの対応する第1の端子との間の接続の電気長は、第1の表面61と第2の表面62との間の回路パネル60の厚さとほぼ同じにすることができる。
【0050】
図5A及び
図5Bは、そのような第1のパッケージ及び第2のパッケージが回路パネル、例えば回路基板、モジュール基板もしくはカード、又はフレキシブル回路パネルの互いに反対側の表面上に互いに向かい合って搭載された場合にスタブ長を低減することができるように構成された、特定のタイプの超小型電子パッケージ10を示す。
図5A及び
図5Bにおいてわかるように、超小型電子パッケージ10は、パッケージング構造、例えば互いに反対側の第1の表面21及び第2の表面22を有する基板20を含むことができる。第1及び第2の表面21、22は互いに反対側の方向を向いており、したがって、互いに対して反対側にあり、「互いに反対側の表面」である。
【0051】
図5Aにおいて、及び本明細書において説明する他の超小型電子パッケージの概略底面図の全てにおいて、基板20及び端子グリッドを透明で示す。これは、基板の平面に平行なx−y方向において超小型電子素子に対して基板及び端子グリッドの位置を示しながら、超小型電子素子の相対的な場所が底面図からよりはっきりと見えるようにするように行われている。
【0052】
場合によっては、基板20は、(基板の第1の表面21に対して平行な方向の)基板の平面において低い熱膨張係数(「CTE(coefficient of thermal expansion)」)、すなわち、12パーツパーミリオン/摂氏温度(以下、「ppm/℃」)未満のCTEを有する材料から本質的になることができ、半導体材料、例えばシリコン、又はセラミック材料若しくは二酸化シリコン、例えばガラス等の誘電体材料等から本質的になることができる。代替的に、基板20は、シート状基板を含むことができ、このシート状基板は、ポリイミド、エポキシ樹脂、熱可塑性物質、熱硬化プラスチック等の高分子材料、又は他の適した高分子材料から本質的になることもできるか、又はなかでもBT樹脂(ビスマレイミドトリアジン)のガラス強化構造又はFR4等のエポキシ樹脂ガラス等の合成高分子無機材料を含むか又はそれらの材料から本質的になる。一例では、そのような基板20は、基板の平面、すなわちその表面に沿った方向において30ppm/℃未満のCTEを有する材料から本質的になることができる。
【0053】
図5A及び
図5Bにおいて、基板20の第1の表面21に対して平行な方向は、本明細書では「水平」方向又は「横」方向と呼ばれるのに対して、第1の表面に対して垂直な方向は、本明細書では、上向き方向又は下向き方向と呼ばれ、本明細書では、「垂直」方向とも呼ばれる。本明細書で言及するこれらの方向は、言及する構造の基準系におけるものである。したがって、これらの方向は、重力基準系における通常の「上」方向又は「下」方向に対して任意の向きにあることができる。
【0054】
1つの特徴部が別の特徴部よりも「表面の上方において」高い高さに配置されているという記述は、その1つの特徴部が表面から同じ直交方向においてその別の特徴部よりも大きく離れた距離にあることを意味する。逆に、1つの特徴部が別の特徴部よりも「表面の上方において」低い高さに配置されているという記述は、その1つの特徴部が表面から同じ直交方向においてその別の特徴部よりも小さく離れた距離にあることを意味する。
【0055】
少なくとも1つの開口部26が、基板20の第1の表面21と第2の表面22との間に延在することができる。
図5Aに見て取ることができるように、基板20は、当該基板を貫通して延在する2つの開口部26a及び26bを有することができる。開口部26a、26bの最長寸法は、平行な第1の軸29a及び第2の軸29b(総称して軸29)を規定することができる。平行な第1の軸29a及び第2の軸29bは、軸29aと29bとの間に置かれた、基板20の第2の表面22の中央領域23を規定することができる。基板20の第2の表面22の周辺領域28は、中央領域23の外側に位置することができる。そのような周辺領域28は、基板20の第2の表面22の中央領域23と、対向する第1の縁部27a及び第2の縁部27bとの間に延在することができる。
【0056】
基板20は、当該基板上に露出した複数の端子25、例えば、導電性パッド、ランド、又は導電性ポストを有することができる。
図5Bに示すように、そのような端子25は、基板20の第2の表面22において露出することができる。端子25は、超小型電子パッケージ10と外部の構成要素の対応する導電性素子との接続用の端点として機能することができる。この外部の構成要素は、なかでも、回路パネル、例えば、プリント配線板、フレキシブル回路パネル、ソケット、他の超小型電子アセンブリ若しくはパッケージ、インタポーザ、又は受動構成要素アセンブリ(例えば、
図5E及び
図5Fに示す回路パネル)等である。一例では、そのような回路パネルは、マザーボード又はDIMMモジュールボードとすることができる。
【0057】
超小型電子パッケージ10は、外部の構成要素との接続用の端子25に取り付けられた接合素子11を備えることができる。この接合素子11は、例えば、はんだ、スズ、インジウム、共晶組成、若しくはそれらの組み合わせ等のボンドメタル又は導電性ペースト若しくは導電性接着剤等の別の接合材料の塊とすることができる。特定の実施形態では、端子25と外部の構成要素(例えば、
図5Eに示す回路パネル60)のコンタクトとの間の接合部は、所有者が共通する米国特許出願第13/155,719号及び第13/158,797号に記載されているような導電性マトリックス材を含むことができる。これらの米国特許出願の開示内容は、引用することによって本明細書の一部をなすものとする。特定の実施形態では、これらの接合部は、これらの米国特許出願に記載されているものと同様の構造を有することもできるし、これらの米国特許出願に記載されているような方法で形成することもできる。
【0058】
導電性素子が構造体の表面「において露出する」という記述は、この開示において用いられるとき、その導電性素子が、表面に対して垂直な方向に、構造体の外側からその表面に向かって移動する理論的な点との接触に利用可能であることを示す。したがって、構造体の表面において露出する端子又は他の導電性素子は、そのような表面から突出することもできるし、そのような表面と同一平面をなすこともできるし、そのような表面に対して陥凹して、構造体内の孔又は窪みを通じて露出することもできる。
【0059】
端子25は、基板20の第2の表面22の中央領域23において露出した第1の端子25aと、第2の表面の周辺領域28のうちの少なくとも1つにおいて露出した第2の端子25bとを含むことができる。本発明の或る特定の実施形態において、第1の端子25aは、コマンド−アドレスバスの或る特定の信号、すなわち、具体的には、超小型電子パッケージ10においてダイナミックメモリ記憶機能を提供するように構成された超小型電子素子30(後述)のアドレス信号の1組の全てを運ぶように構成することができる。
【0060】
例えば、超小型電子素子30がDRAM半導体チップを含むかDRAM半導体チップである場合、第1の端子25aは、パッケージ内の回路が、例えば、行アドレス及び列アドレスのデコーダ、並びにもしある場合にはバンク選択回路が使用して、パッケージにおける超小型電子素子内のメモリ記憶アレイの全ての利用可能なアドレス指定可能メモリ位置からアドレス指定可能メモリ位置を決定することができる、超小型電子パッケージ10に転送される十分なアドレス情報を運ぶように構成することができる。特定の実施形態において、第1の端子25aは、そのようなメモリ記憶アレイ内のアドレス指定可能メモリ位置を決定するのに超小型電子パッケージ10内のそのような回路が用いるアドレス情報の全てを運ぶように構成することができる。
【0061】
そのような実施形態の変形形態において、第1の端子25aは、そのようなメモリ記憶アレイ内のアドレス指定可能メモリ位置を決定するのに超小型電子パッケージ10内のそのような回路が用いるアドレス情報の大部分を運ぶように構成することができ、その場合には、超小型電子パッケージ上の上述の第2の端子25bのうちの少なくともいくつか等、他の端子が、アドレス情報の残りの部分を運ぶように構成される。そのような変形形態において、特定の実施形態において、第1の端子25aは、そのようなメモリ記憶アレイ内のアドレス指定可能メモリ位置を決定するのに超小型電子パッケージ10内のそのような回路が用いるアドレス情報の3/4以上を運ぶように構成することができる。
【0062】
特定の実施形態において、第1の端子25aはチップセレクト情報、例えば、チップ内のメモリ記憶位置にアクセスするために超小型電子パッケージ10内の特定のチップを選択するのに利用できる情報を運ぶように構成されない場合がある。別の実施形態において、第1の端子25aのうちの少なくとも1つは、実際にチップセレクト情報を運ぶことができる。
【0063】
通常、超小型電子パッケージ10内の超小型電子素子30がDRAMチップを含む場合には、一実施形態におけるアドレス信号は、パッケージの外部の構成要素、例えば、後述の回路パネル60等の回路パネルからパッケージに転送される全てのアドレス信号を含むことができ、それを用いて超小型電子パッケージ内のランダムアクセスアドレス指定可能メモリ位置を決定してそこに読み取りアクセス、又は読み取りアクセス又は書き込みアクセスのどちらかを行う。
【0064】
第2の端子25bのうちの少なくともいくつかは、第1の端子25aによって搬送されるアドレス信号以外の信号を搬送するように構成することができる。チップセレクト、リセット、電源電圧、例えばVdd、Vddq、並びに接地、例えばVss及びVssq等の信号又は基準電位は、第2の端子25bによって搬送することができる。本明細書において参照される実施形態のいずれにおいても、別段の記載がないがない限り、これらの信号又は基準電位のいずれも、第1の端子25aによって搬送する必要はない。
【0065】
特定の実施形態において、第1の端子25aのそれぞれは、超小型電子素子30のうちの少なくとも1つの超小型電子素子の動作モードを制御する情報を運ぶように構成することができる。より具体的には、第1の端子25aは、超小型電子パッケージ10に転送されるコマンド信号及び/又はクロック信号の特定の1組の全てを運ぶように構成することができる。そのような実施形態において、第1の端子25aは、外部の構成要素から超小型電子パッケージ10に転送されるコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てを運ぶように構成することができ、このコマンド信号は、行アドレスストローブ、列アドレスストローブ、及びライトイネーブルを含む。
【0066】
超小型電子素子のうちの1つ又は複数がダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)半導体チップ又はDRAMチップのアセンブリによって提供されるもの等のダイナミックメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成される一実施形態においては、コマンド信号は、ライトイネーブル、行アドレスストローブ、及び列アドレスストローブ信号である。ODT(オンダイターミネーション)、チップセレクト、クロックイネーブル等の他の信号は、第1の端子25aが運ぶ必要のあるコマンド信号の一部ではない。クロック信号は、アドレス信号をサンプリングするのに超小型電子素子のうちの1つ又は複数が用いるクロックとすることができる。例えば、
図5Aにおいて見られるように、 第1の端子25aは、アドレス信号A0〜A15(A0及びA15を含む)、及びバンクアドレス信号BA0、BA1及びBA2だけでなく、クロック信号CK及びCKB、行アドレスストローブRAS、列アドレスストローブCAS、及びライトイネーブル信号WEも含むことができる。
【0067】
この実施形態において、第2の端子25bのうちの少なくともいくつかは、第1の端子25aによって搬送されるコマンド信号、アドレス信号、及びクロック信号以外の信号を搬送するように構成することができる。チップセレクト、リセット、電源電圧、例えばVdd、Vddq、並びに接地、例えばVss及びVssq等の信号又は基準電位は、第2の端子25bによって搬送することができる。本明細書において参照される実施形態のいずれにおいても、別段の記載がないがない限り、これらの信号又は基準電位のいずれも、第1の端子25aによって搬送する必要はない。
【0068】
他の実施形態において、超小型電子素子のうちの1つ又は複数が、例えばNANDフラッシュメモリ等、DRAM以外についての技術において実施されるメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成される場合には、第1の端子25aが運ぶ必要のある特定のコマンド信号は、DRAMの場合に運ぶ必要のあるライトイネーブル、アドレスストローブ、及び列アドレスストローブ信号の群以外の、信号の異なる1組とすることができる。
【0069】
図5A及び
図5Bに示す例等の特定の例において、第2の端子25bは、周辺領域28のそれぞれにおける少なくとも1つの列内に配置することができる。一実施形態において、コマンド信号、アドレス信号、及びクロック信号以外の信号を運ぶように構成された第2の端子25bのうちの少なくともいくつかは、基板20の第2の表面22の中央領域23内に露出することができる。
【0070】
各図面において、
図5A及び
図5Bに示す第2の端子25b等、第2の端子の特定の構成を示すが、図示の特定の構成は例示の目的のためであり、限定するよう意図するものではない。例えば、第2の端子25bは、電源又は接地信号に接続するように構成される端子も含むことができる。第2の端子25bをそれぞれ2列の2つのグリッドに配列して示すが、それぞれのグリッドにおける第2の端子25bは3列に配列することができ、例えば、図示しない第3の列は、電源又は接地に接続するように構成されるいくつかの第2の端子を含む。
【0071】
基板20は更にオプションで、第1の表面21及び/又は第2の表面22の上に重なる誘電層12を含むことができる。
図5Bに示すように、誘電層12は、基板の第2の表面22の上に重なることができる。そのような誘電層12は、導電性素子24等の導電性素子及び端子25を基板20から絶縁することが必要であれば、そのような絶縁を行うことができる。この誘電層12は、基板20の「パッシベーション層」と呼ぶことができる。誘電層12は、無機又は有機の誘電材料又はその両方を含むことができる。誘電層12は、電着したコンフォーマルコーティング又はその他の誘電材料、例えばフォトイメージング可能なポリマー材料、例えばはんだマスク材料を含むことができる。特定の例において、誘電層12は、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第5,679,977号において記載されているものと同様の構造及び機能を有するエラストマー材料等のコンプライアントな材料から作製される層とすることができる。
【0072】
本明細書において説明する実施形態において、基板20の第1の表面21又は第2の表面22の上に重なる誘電層12は、基板の厚さよりも実質的に薄い厚さを有することができ、それにより、誘電層のCTEが基板材料のCTEよりも実質的に大きい場合であっても、基板材料のCTEとほぼ等しい有効CTEを基板が有することができる。一例において、基板20は12ppm/℃よりも小さい有効CTEを有することができる。
【0073】
超小型電子パッケージ10はまた、それぞれ基板20の第1の表面21に面する前面31を有する複数の超小型電子素子30を含むことができる。超小型電子素子30を、軸29の方向において互いからオフセットされたものとして
図5A及び他の図に示すが、必ずしもそのようにする必要はない。そのような超小型電子素子30のオフセットは、超小型電子素子の互いに関して上に重なる位置がよりわかりやすいように図示している。特定の実施形態において、超小型電子素子30のそれぞれの周縁部34aは、第1の共通平面内で位置合わせすることができ、超小型電子素子のそれぞれの周縁部34aと反対側の周縁部34bは、第2の共通平面内で位置合わせすることができる。
【0074】
一例において、超小型電子素子30のうちの1つ又は複数は、それぞれメモリ記憶アレイ機能を有するベアチップ又は超小型電子ユニットとすることができる。しかし特定の例において、超小型電子素子30のうちの1つ又は複数は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)記憶アレイ等のメモリ記憶素子を組み込むこともできるし、又は、DRAM記憶アレイ(例えば、DRAM集積回路チップ)として主として機能するように構成することもできる。後者の場合、第1の超小型電子素子及び第2の超小型電子素子のうちの1つ又は複数は、メモリ記憶アレイ機能を提供するように構成された能動素子、例えばトランジスタの数をいかなる他の機能よりも多く有することができる。「メモリ記憶素子」とは、本明細書において用いられるとき、電気インタフェースを介してデータをトランスポート等するように、データを記憶及び検索するのに使用可能な回路部とともにアレイに配置された多数のメモリセルを指す。特定の例では、超小型電子パッケージ10は、シングルインラインメモリモジュール(「SIMM」)又はデュアルインラインメモリモジュール(「DIMM」)に含めることができる。
【0075】
本明細書において説明する実施形態のいずれにおいても、超小型電子素子30のうちの1つ又は複数は、以下の技術、すなわち、なかでもDRAM、NANDフラッシュメモリ、RRAM(登録商標)(「抵抗変化型RAM」又は「抵抗変化型ランダムアクセスメモリ」)、相変化メモリ(「PCM」)、例えばトンネル接合デバイスを具体化するもの等の磁気抵抗変化型ランダムアクセスメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、スピントルクRAM、又は連想メモリのうちの1つ又は複数において実施することができる。
【0076】
特定の例では、メモリ記憶素子を備える超小型電子素子30は、少なくともメモリ記憶アレイ機能を有することができるが、この超小型電子素子は、フル機能メモリチップでない場合がある。そのような超小型電子素子は、それ自体バッファリング機能を有しない場合があるが、超小型電子素子のスタック内の他の超小型電子素子に電気的に接続される場合があり、そのスタック内の少なくとも1つの超小型電子素子が、バッファリング機能を有する(バッファリング超小型電子素子は、バッファチップ、フル機能メモリチップ、又はコントローラチップとすることができる)。
【0077】
他の例では、本明細書において説明するパッケージの任意のものにおける超小型電子素子のうちの1つ又は複数が、例えば、フラッシュメモリ、DRAM又は他のタイプのメモリ等のメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成された能動デバイス、例えばトランジスタの数を、他のいずれの機能よりも多く有することができるという点で、超小型電子素子のうちの1つ又は複数は主としてメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成することができ、別の超小型電子素子又は主として論理機能を提供するように構成された「論理チップ」とともにパッケージ内に配置することができる。特定の実施形態では、論理チップは、マイクロプロセッサ又は他の汎用計算素子等の、プログラマブル又はプロセッサ素子とすることができる。その論理チップは、マイクロコントローラ素子、グラフィックスプロセッサ、浮動小数点プロセッサ、コプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ等とすることができる。特定の実施形態では、論理チップは、ハードウェア状態機械機能を主に実行することができるか、又はそうでない場合、特定の機能若しくは目的を果たすように別の方法でハードコード化することができる。代替的には、論理チップは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)チップとすることができる。そのような変形形態では、その際、パッケージは「システムインパッケージ」(「SIP」)とすることができる。
【0078】
別の変形形態では、本明細書において説明されるパッケージのうちの任意のものにおける超小型電子素子は、同じ超小型電子素子内に共に埋め込まれた1つ又は複数の関連するメモリ記憶アレイを有するプログラマブルプロセッサ等の、その中に埋め込まれた論理機能及びメモリ機能を併せ持つことができる。そのような超小型電子素子は、プロセッサ等の論理機能が、メモリ記憶アレイ、又は特殊化した機能の場合があるいくつかの他の機能を実行する回路等の他の回路とともに埋め込まれるという点で、「システムオンチップ」(「SOC」)と呼ばれる場合もある。
【0079】
各超小型電子素子30は、その前面31において露出する複数の導電性コンタクト35を有することができる。
図5C及び
図5Dに示すように、各超小型電子素子30のコンタクト35は、前面のエリアの中央部分を占有する前面31の中央領域37に配置される1つ(
図5C)又は複数(
図5D)の列36に配置することができる。中央領域37は、例えば、超小型電子素子30の対向する周縁部32a、32b間の最短距離の中央3分の1を含む前面31のエリアを占有することができる。
図5Cに示す特定の例において、各超小型電子素子30のコンタクト35が、超小型電子素子の中央領域37において配列される場合には、超小型電子素子を二等分する軸39に沿ってコンタクトを配列することができる。
図5Bに示すように、各超小型電子素子30のコンタクト35は、開口部26のうちの少なくとも1つと位置合わせすることができる。
【0080】
そのような超小型電子素子30の1タイプにおいて、素子コンタクト35のうちのいくつかのコンタクトのそれぞれ1つは、超小型電子素子に供給される複数のアドレス信号のそれぞれのアドレス信号を専門に受け取る。この場合、そのようなコンタクト35のそれぞれは、外部から超小型電子素子30に供給される複数のアドレス信号のうちのそれぞれのアドレス信号1つを受け取ることができる。
【0081】
このタイプの超小型電子素子30の特定の一例において、それぞれの超小型電子素子が用いるクロックの縁部に対して、すなわち、異なる第1の電圧状態と第2の電圧状態との間でのクロックの遷移で、素子コンタクト35において存在する複数のアドレス信号のそれぞれをサンプリングすることができる。すなわち、それぞれのアドレス信号は、クロックのより低電圧の状態とより高電圧の状態との間の立ち上がり遷移において、又は、クロックのより高電圧の状態とより低電圧の状態との間の立ち下がり遷移においてサンプリングすることができる。したがって、複数のアドレス信号はクロックの立ち上がり遷移において全てサンプリングすることもできるし、そのようなアドレス信号はクロックの立ち下がり遷移において全てサンプリングすることもできるし、又は、別の例において、素子コンタクト35のうちの1つにおけるアドレス信号は、クロックの立ち上がり遷移においてサンプリングすることができ、別の1つの外部のコンタクトにおけるアドレス信号は、クロックの立ち下がり遷移においてサンプリングすることができる。
【0082】
主としてメモリ記憶アレイ機能を提供するように構成した、別のタイプの超小型電子素子30において、その上のアドレスコンタクトのうちの1つ又は複数を多重方式で用いることができる。この例において、それぞれの超小型電子素子30の特定の素子コンタクト35は、外部から超小型電子素子に供給される2つ以上の互いに異なる信号を受け取ることができる。したがって、第1のアドレス信号は異なる第1の電圧状態と第2の電圧状態との間のクロックの第1の遷移(例えば、立ち上がり遷移)において、特定のコンタクト35においてサンプリングすることができ、第1のアドレス信号以外の信号は、第1の電圧状態と第2の電圧状態との間のクロックの、第1の遷移と反対の第2の遷移(例えば、立ち下がり遷移)において、特定のコンタクトにおいてサンプリングすることができる。
【0083】
そのような多重方式において、それぞれの超小型電子素子30の同じ素子コンタクト35上で、クロックの同じサイクル内で2つの異なる信号を受け取ることができる。特定の場合において、この方法でのマルチプレクシングによって、それぞれの超小型電子素子30の同じ素子コンタクト35上で、同じクロックサイクル内で第1のアドレス信号とそれとは異なる信号とを受け取ることができる。更に別の例において、この方法でのマルチプレクシングによって、第1のアドレス信号と、異なる第2のアドレス信号とを、それぞれの超小型電子素子30の同じ素子コンタクト35上で同じクロックサイクル内で受け取ることができる。
【0084】
特定の例において、それぞれの超小型電子素子30は超小型電子素子のうちの他のものと機能的及び機械的に同等にすることができ、それにより、それぞれの超小型電子素子が、同じ機能を有する前面31において露出した導電性コンタクト35の同じパターンを有することができるが、それぞれの超小型電子素子の長さ、幅、及び高さの特定の寸法は他の超小型電子素子と異なることができる。
【0085】
図5A及び
図5Bに示す具体的な配列において、超小型電子パッケージ10は、第2の端子25b等、それぞれが超小型電子素子30のうちの特定の1つに専用の、パッケージの2つ以上の端子25を介してではなく、パッケージの共通の第1の端子25aを介して、多数の超小型電子素子30に共通の信号をルーティングするように構成することができる。このようにして、そこに超小型電子パッケージ10を接続することができる回路パネル(例えば
図5Eに示す回路パネル60)上のコンタクトの数を低減することを可能にすることができる。さらに、コンタクト、金属化ビア、及び回路パネル上の超小型電子パッケージ10の下にあるルーティング層の数を低減することを可能にすることができ、それによって回路パネルの設計を単純化することができ、その製造の複雑性及びコストを低減することができる。
【0086】
図5Aに示すように、超小型電子パッケージ10の第1の端子25aは、基板20の第2の表面22の中央領域23における1つ又は複数のグリッド15の場所に配列した第1の端子の1つ又は複数の組内に配置することができる。1つのグリッド15の各場所に配列した第1の端子25aのそれぞれの組は、第1の端子の1つ又は複数の列16を含むことができる。
図5Aに示すように、グリッド15の場所の全ては、第1の端子25aのうちの対応するものによって占有することができる。代替的に(図示せず)、グリッド15の1つ又は複数の列16の場所のうちの少なくとも1つは、第1の端子25aによって占有されない場合がある。例えば、第1の端子25aによって占有されていないそのような場所は、第2の端子25bによって占有することもできるし、そのような場所は、いかなる端子によっても占有しないこともできる。
図5Aに示すように、超小型電子パッケージ10は、第1の端子25aの2つの平行な列16を含むことができる。そのような列16は、開口部26の軸29に平行に向けることができる。
【0087】
超小型電子パッケージ10の第2の端子25bは、基板20の第2の表面22の周辺領域28における1つ又は複数のグリッド17の場所に配列した第2の端子の1つ又は複数の組内に配置することができる。1つのグリッド17の場所に配列した第2の端子25bのそれぞれの組は、第2の端子の1つ又は複数の列18を含むことができる。
図5Aに示すように、グリッド17の場所の全ては、第2の端子25bのうちの対応するものによって占有することができる。代替的に(図示せず)、グリッド17の場所のうちの少なくとも1つは、第2の端子25bによって占有されない場合がある。
図5Aに示すように、超小型電子パッケージ10のそれぞれのグリッド17は、第2の端子25bの2つの平行な列18を含むことができる。そのような列18は、
図5Aに示すように開口部26の軸29に平行に向けることもできるし、他の例においては、列18は他の向きにすることもできる(例えば
図4Aに示すように)。
【0088】
一実施形態において、アドレス信号以外の信号を運ぶように構成された第2の端子25bのうちの少なくともいくつかは、第1の端子25aも含むグリッド15内の場所に配列することができる。一例において、コマンド信号、アドレス信号、及びクロック信号以外の信号を運ぶように構成された第2の端子25bのうちの少なくともいくつかは、第1の端子25aも含むグリッド15内の場所に配列することができる。
【0089】
第1の端子25a及び第2の端子25bを、隣接した列16又は18内で軸29の方向において同じ相対的な場所に示すが、そのような端子は、実際には軸29の方向においていくらかオフセットされた場所に配置することができる。例えば、
図5Aには示していないが、第1の端子25a及び第2の端子25bのうちの少なくとも1つを、端子の隣接する列同士の間に配置することができる。他の例において、グリッド15、17のうちの1つ又は複数は、そのような列の端子25の大部分を貫いて列の軸が延在する、すなわちそれに対して中央に置いた、端子の列を含むことができる。しかしそのような列において、端子のうちの1つ又は複数は、列の軸に対して中央に置かれていない場合がある。この場合、このような1つ又は複数の端子は、たとえそのような端子が列の軸に対して中央に置かれていなくとも、特定の列の一部とみなされる。なぜなら、これらの端子は、任意の他の列の軸よりもその特定の列の軸に近いからである。列の軸は、列の軸に対して中央に置かれていないこれらの1つ又は複数の端子を貫いて延在することができ、又は、場合によっては、中央に置かれていない端子は列の軸から更に遠く、列の軸が列のこれらの中央に置かれていない端子を貫いて通りさえしない場合があるようになっていることもできる。グリッドにおけるそれぞれの列の列の軸に関して中央におかれていない端子が1つの列の中に、又は2つ以上の列の中にさえ、1つ、数個、又は多数存在することができる。さらに、端子25のグリッド15、17が、輪状、多角形、又は更には端子が散乱して分布したもの等、列以外のグループ分けをした端子の配列を含むことも可能である。
【0090】
他の実施形態において、以下に
図6A〜
図9Hを参照して示し説明するように、超小型電子パッケージ10が含む列16及び列18は、他の量及び構成とすることができる。例えば、本明細書において説明する実施形態のうちのいくつかにおいて、第1の端子は4つ以下の列又は2つ以下の列に配列することができる。各図には端子を1列及び2列有するグリッドを示すが、本明細書において説明する実施形態のうちのいかなるものにおけるグリッドも、端子の列を任意の数有することができる。
【0091】
コンタクト35と端子25との間の電気的接続は、リードのうちの少なくとも一部が開口部26のうちの少なくとも1つと位置合わせされるオプションのリード、例えばワイヤボンド40、又はその他の可能な構造を含むことができる。例えば、
図5Bにおいてわかるように、電気的接続のうちの少なくともいくつかは、基板の開口部26の縁部を越えて延在しコンタクト35と基板の導電性素子24とに接合されるワイヤボンド40を含むことができる。一実施形態において、電気的接続のうちの少なくともいくつかは、リードのボンドを含むことができる。そのような接続は、基板20の第1の表面21及び第2の表面22のうちのどちらか又は両方に沿って延在する、導電性素子24と端子25の間のリードを含むことができる。特定の例において、そのようなリードはそれぞれの超小型電子素子30のコンタクト35と第1の端子25aとの間で電気的に接続することができ、それぞれのリードは開口部26のうちの少なくとも1つと位置合わせされる部分を有する。
【0092】
パッケージの第1の端子25aを通過する少なくともいくつかの信号は、超小型電子素子30のうちの少なくとも2つに共通とすることができる。これらの信号は、基板20上又は基板20内を基板の第1及び第2の表面21、22に平行な方向に延在する導電性トレース等の接続を介して、端子25から超小型電子素子30の対応するコンタクト35までルーティングすることができる。例えば、基板20の第2の表面22の中央領域23に配置された第1の端子25aは、導電性トレース、導電性素子24、例えばボンドパッド、及び導電性素子24とコンタクト35とに接合されるワイヤボンド40を介して、それぞれの超小型電子素子30の導電性コンタクト35と電気的に接続することができる。
【0093】
図5A及び
図5Bに示すように、超小型電子パッケージ10は、互いに対してスタックした第1の超小型電子素子30a及び第2の超小型電子素子30bを含む2つの超小型電子素子30を含むことができる。
図5A及び
図5Bに示す実施形態において、第1の超小型電子素子30aの前面31は、基板20の第1の表面21と向かい合うことができ、第2の超小型電子素子30bの前面31と第1の超小型電子素子30aの背面33とは互いに面することができる。第2の超小型電子素子30bの前面31のうちの少なくとも一部は、第1の超小型電子素子30aの背面33の少なくとも一部の上に重なることができる。第2の超小型電子素子30bの前面31の中央領域37のうちの少なくとも一部は、第1の超小型電子素子30aの側縁部32bを越えて突出することができる。したがって、第2の超小型電子素子30bのコンタクト35は、第1の超小型電子素子30aの側縁部32bを越えて突出する位置に配置することができる。
【0094】
第2の超小型電子素子30bの前面31と基板20の第1の表面21の一部との間に、スペーサ14を配置することができる。そのようなスペーサ14は例えば、二酸化ケイ素等の誘電材料、シリコン等の半導体材料、又は接着剤の1つ又は複数の層から作製することができる。スペーサ14が接着剤を含む場合には、接着剤は第2の超小型電子素子30bを基板20に接続することができる。一実施形態において、スペーサ14は、基板20の第1の表面21に略垂直な垂直方向Vに、第1の超小型電子素子30aの前面31と背面33との間の厚さT2と略同じ厚さT1を有することができる。
【0095】
特定の実施形態において、スペーサ14は、バッファリング機能を果たすように構成されたチップを含む1つ又は複数の超小型電子素子に置き換えることができ、そのような超小型電子素子は、基板20の第1の表面21に面する表面を有する。一例において、そのようなバッファリングチップは、基板20の第1の表面21において露出したコンタクトに接合したフリップチップとすることができる。そのようなバッファ素子のそれぞれは、特にパッケージの第1の端子で受け取られる上述のコマンドアドレスバス信号用のパッケージの端子と、パッケージ内の超小型電子素子のうちの1つ又は複数との間の信号分離を行うのに用いることができる。一例において、そのようなバッファリングチップすなわちバッファ素子は、端子25のうちの少なくともいくつかと、超小型電子パッケージ10内の超小型電子素子30のうちの1つ又は複数とに電気的に接続することができ、バッファチップは、超小型電子パッケージの端子のうちの1つ又は複数で受け取られる少なくとも1つの信号を再生するように構成される。通常、1つ又は複数のバッファ素子が第1の端子で受け取られるか又は第2の端子で受け取られる信号を再生し、再生した信号をパッケージ内の超小型電子素子に転送する。
【0096】
特定の例において、そのようなバッファリングチップは、アドレス情報、又は一例において、超小型電子素子30a及び30bのうちの1つ又は複数に転送されるコマンド信号、アドレス信号、及びクロック信号を、バッファするように構成することができる。上述のように信号を再生することに代えて、又はそれに加えて、特定の例において、そのような更なる超小型電子素子は、第1の端子等そのような端子で受け取られるアドレス情報又はコマンド情報のうちの少なくとも1つを部分的に又は完全に復号化するように構成することができる。次に、復号化チップはそのような部分的な又は完全な復号化の結果を出力して、超小型電子素子30a及び30bのうちの1つ又は複数に転送することができる。
【0097】
特定の実施形態において、上述のバッファリングチップ及び/又は復号化チップの代わりに、又はそれに加えて、1つ又は複数の減結合コンデンサをスペーサ14が占有する空間のうちの少なくとも一部に配置することができ、そのような減結合コンデンサは、超小型電子パッケージ10内の内部電源及び/又は接地バスに電気的に接続することができる。
【0098】
第1の超小型電子素子30aと基板20の間、第1の超小型電子素子30aと第2の超小型電子素子30bの間、第2の超小型電子素子30bとスペーサ14の間、及びスペーサ14と基板20の間に、1つ又は複数の接着層13を配置することができる。そのような接着層13は、超小型電子パッケージ10の上述の構成要素を互いに接合する接着剤を含むことができる。特定の実施形態において、1つ又は複数の接着層13は、基板20の第1の表面21と第1の超小型電子素子30aの前面31の間に延在することができる。一実施形態において、1つ又は複数の接着層13は、第2の超小型電子素子30bの前面31のうちの少なくとも一部を、第1の超小型電子素子30aの背面33のうちの少なくとも一部に接着することができる。
【0099】
一例において、それぞれの接着層13は、部分的に又は完全にダイ取付け接着剤から作製することができ、シリコーンエラストマー等の低弾性係数材料からなることができる。一実施形態において、ダイ取付け接着剤はコンプライアントとすることができる。別の例において、この2つの超小型電子素子30が同じ材料で形成された従来の半導体チップである場合には、温度変化に応答して超小型電子素子が同じように膨張収縮する傾向があるので、それぞれの接着層13は、高弾性係数の接着剤又ははんだの薄い層から完全に又は部分的に作製することができる。用いる材料に関係なく、接着層13のそれぞれは内部に単一の層又は複数の層を含むことができる。スペーサ14が接着剤から作製される特定の実施形態において、スペーサ14と第2の超小型電子素子30bとの間及びスペーサ14と基板20との間に配置される接着層13は省くことができる。
【0100】
超小型電子パッケージ10はまた、各超小型電子素子30の背面33をオプションで覆うことも、部分的に覆うことも、むき出しのままにすることもできる、封止材料50を含むことができる。例えば
図5Bに示す超小型電子パッケージ10において、封止材料は各超小型電子素子30の背面33上に流し込むこと、ステンシル印刷すること、スクリーン印刷することも、ディスペンサーで供給することもできる。別の例において、封止材料50は、オーバモールドによって超小型電子素子30上に形成されるモールド成形材料(compound)とすることができる。
【0101】
超小型電子パッケージ10は、ワイヤボンド40と基板20の導電性素子24とをオプションで覆うことができる封止材料(図示せず)を更に含むことができる。そのような封止材料はまた、オプションで開口部26内へと延在することができ、超小型電子素子30のコンタクト35を覆うことができる。
【0102】
特定の実施形態において、超小型電子パッケージ10は、別のそのような超小型電子パッケージ及び後述する回路パネル60等の回路パネルとともに組み立てられるように構成されて、超小型電子パッケージのそれぞれが回路パネルの互いに反対側の表面に取り付けられるようにすることができる。
【0103】
次に
図5Eを参照して、超小型電子アセンブリ5は、共通の回路パネル60に搭載することができる2つ以上の超小型電子パッケージ10、例えば第1の超小型電子パッケージ10a及び第2の超小型電子パッケージ10bを含むことができる。回路パネル60は、互いに反対側の第1の表面61及び第2の表面62と、第1の表面及び第2の表面のそれぞれにおいて露出した複数の導電性の第1のパネルコンタクト65a及び第2のパネルコンタクト65b(総称してパネルコンタクト65)とを有することができる。超小型電子パッケージ10はパネルコンタクト65に、例えば端子25とパネルコンタクトとの間で延在することができる接合ユニット11によって搭載することができる。
図5Eに示すように、第1の超小型電子パッケージ10aの基板20の第2の表面22と第2の超小型電子パッケージ10bの基板の第2の表面とは、互いの少なくとも90%の上に重なることができる。特定の例において、回路パネル60は、CTEが30ppm/℃よりも小さい素子を含むことができる。一実施形態において、そのような素子は本質的に半導体、ガラス、セラミックス、又は液晶ポリマー材料からなることができる。
【0104】
第1の超小型電子パッケージ10aの第1の端子25aは、回路パネル60を介して第2の超小型電子パッケージ10bの第1の端子に電気的に接続することができる。第1の超小型電子パッケージ10aの第1の端子25aは、第1のグリッド15aの各場所に配列することができ、第2の超小型電子パッケージ10bの第1の端子25bは、第2のグリッド15bの各場所に配列することができる。
図5Aに示すように、第1の超小型電子パッケージ10aの第1のグリッド15aの第1の端子25aは、自らが接続された第2の超小型電子パッケージ10bの第2のグリッド15bの対応する第1の端子25bの1ボールピッチ内で位置合わせすることができる。
【0105】
本明細書において、特定の数のボールピッチ内での位置合わせとは、基板の第1の表面に垂直な水平方向に関してその特定の数のボールピッチ内で位置合わせされているということを意味する。例示的実施形態において、第1のパッケージ10a及び第2のパッケージ10bそれぞれのグリッド15a、15bの電気的に接続された端子のそれぞれの対は、回路パネル60の第1の表面61に平行かつ互いに直交するx、y方向に互いの1ボールピッチ内で位置合わせすることができる。
【0106】
一実施形態において、第1の超小型電子パッケージ10a及び第2の超小型電子パッケージ10bそれぞれのグリッド15a、15bは、機能的及び機械的に一致し、グリッド15a、15bのそれぞれが、同じ機能を有する超小型電子パッケージ10a又は10bそれぞれの基板20の第2の表面22で第1の端子25aの同じパターンを有することができるようにすることができる。ただし、それぞれの超小型電子パッケージ10の長さ、幅、及び高さの特定の寸法は他方の超小型電子パッケージと異なることができる。機能的及び機械的に一致したグリッド15a、15bを有するそのような実施形態において、それぞれの超小型電子パッケージ10の第1の端子25aは、第1の超小型電子パッケージ10aのグリッドの機能上の上端19(
図5Aにおいて見える)が第2の超小型電子パッケージ10bのグリッドの機能上の上端19の上に重なることができるような向きにすることができる。
【0107】
特定の例(図示せず)において、第1の超小型電子パッケージ及び第2の超小型電子パッケージ10のうちの少なくとも1つの基板20の第2の表面22に沿った第1の端子25aの空間的分布は、電気的に接続される対応するパネルコンタクト65の空間的分布とは異なって、第1の端子25aのうちの少なくとも1つが、電気的に接続される対応するパネルコンタクト65の上に直接重ならないようにすることができる。
【0108】
図5E及び本明細書における他の超小型電子アセンブリの横断面図に示すように、わかりやすくするために、各図からは第2の端子を省いている。例えば
図5Eにおいて、第2の端子は図示していないが、第2の端子はそれぞれの超小型電子パッケージ10の第2の表面22の周辺領域28内に存在することができる。それぞれの超小型電子パッケージ10の第2の端子は、例えば第2の端子とパネルコンタクトとの間に延在することができる接合ユニット11等の接合ユニットによって、パネルコンタクト65のうちの対応するものに搭載することができる。
【0109】
図5Eに示すように、超小型電子アセンブリ5の回路パネル60は、コマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てをルーティングする、1つ又は複数のルーティング層66、例えばその上の導電性トレースを含むことができる。
図5Eに示すように、回路パネル60を貫いて延在する金属化ビア67がルーティング層66の導電性構造68(例えば、トレース)によってパネルコンタクト65に結合することができる。特定の例において、回路パネル60の第1の表面61及び第2の表面62でそれぞれ露出した、電気的に結合した第1のパネルコンタクト65a及び第2のパネルコンタクト65bの対を接続する導電性素子の全部合わせた合計の長さ(例えば、ビア67及び導電性構造68)は、パネルコンタクト65の最小ピッチの7倍未満とすることができる。
【0110】
一例において、それぞれ2つの平行な列16に配列した第1の端子25aを有するグリッド15を有する超小型電子パッケージを有する超小型電子アセンブリの実施形態において、回路パネル60は、コマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号の全てをルーティングするのに必要な2つ以下のルーティング層66を含むことができる。しかし回路パネル60は、第1の端子25aによって運ばれる特定の信号以外の信号のルーティング用に3つ以上ルーティング層を含むことができる。
【0111】
図5Eに示す実施形態において、第1のパネルコンタクト65aは、第1の超小型電子パッケージ10aの第1の端子25aに接合することができ、回路パネル60の第1の表面61において露出した、直線状に延在する第1の列及び第2の列に配列することができ、第2のパネルコンタクト65bは、第2の超小型電子パッケージ10bの第1の端子25aに接合することができ、回路パネル60の第2の表面62において露出した、直線状に延在する第1の列及び第2の列に配列することができる。「A」とラベルがついた接合ユニット11に接合して示す第1のパネルコンタクト65aの第1の列は、回路パネルの厚さ方向に第2のパネルコンタクト65bの第2の列と位置合わせすることができ、第1のパネルコンタクト65aの第2の列は、回路パネルの厚さ方向にこれもまた「A」とラベルがついた接合ユニットに接合して示す第2のパネルコンタクト65bの第1の列と位置合わせすることができる。
【0112】
「A」とラベルがついた第1の表面61での第1のパネルコンタクト65aのそれぞれは、「A」とラベルがついた第2の表面62での対応する第2のパネルコンタクト65bに電気的に結合して、それぞれの表面61、62の第1の列のそれぞれのパネルコンタクト65が、反対側の表面の第1の列の対応するパネルコンタクトに結合するようになっていることができる。
図5Eにおいて、パネルコンタクト65のうちの対応するパネルコンタクト間の電気的接続の概略図を、点線69a及び69bによって示す。また、それぞれの表面61、62での第2の列のそれぞれのパネルコンタクト65は、反対側の表面の第2の列の対応するパネルコンタクトに結合することができる。
【0113】
超小型電子アセンブリ5において、第1の超小型電子パッケージ10aのそれぞれの第1の端子25aは、回路パネル60を貫いて、同じ機能を有する第2の超小型電子パッケージ10bの対応する第1の端子に、比較的短いスタブ長で電気的に結合することができる。本明細書において、「スタブ長」とは、回路パネルの第1の表面での超小型電子パッケージ10の端子25と、回路パネルの第2の対向する表面での超小型電子パッケージの対応する端子の間の、最短の電気的接続の合計の長さを意味する。一例において、第1の超小型電子パッケージ10aと第2の超小型電子パッケージ10bとの間の電気的接続のスタブ長は、それぞれの超小型電子パッケージの第1の端子25aの最小ピッチの7倍以下にすることができる。
【0114】
図5Fは、回路パネル60’を貫いて延在する金属化ビア67’が第1の超小型電子素子10a及び第2の超小型電子素子10bそれぞれの第1の端子25aと共通の垂直な平面内に配列する、
図5Eに対して上述した実施形態の変形形態を示す。ビア67’と第1の端子25aとは共通の垂直な平面内にあるが、第1の超小型電子パッケージ10a及び第2の超小型電子パッケージ10bのそれぞれにおける対応する第1の端子25aを、互いから水平方向にオフセットさせて、回路パネルの水平及び垂直に延在する導電性構造(例えば、トレース及び金属化ビア)が対応する第1の端子に電気的に接続することができるようにすることができる。
図5Eと同様に、
図5Fにおけるパネルコンタクト65のうちの対応するパネルコンタクト間の電気的接続の概略図を、点線69a及び69bによって示す。
【0115】
超小型電子アセンブリ5の特定の実施形態において、
図5Gに示すように、コマンド−アドレスバス信号は、複数の超小型電子パッケージ10a、10bが接続された回路パネル60等の回路パネル上の接続位置間で少なくとも1つの方向D1にルーティングして、コマンド−アドレスバス137の信号がそれぞれの接続位置I、II、又はIIIにおいて互いにわずかに異なる時間にパッケージ10a、10bのそれぞれの対に達するようにすることができる。
図5Gにおいてわかるように、この少なくとも1つの方向D1は、少なくとも1つの超小型電子素子30上の複数のコンタクト35の少なくとも1つの列36が延在する方向D2を横切るか又はその方向に直交することができる。そのようにして、回路パネル60上の(すなわち上の又は内の)コマンド−アドレスバス137の信号導体は、場合によっては、回路パネル60に接続された又は接続されるパッケージ10a又は10b内の超小型電子素子30上のコンタクト35のうちの少なくとも1つの列36に平行な方向D2に、互いから間隔を置いて配置することができる。
【0116】
そのような構成は、特にそれぞれの超小型電子パッケージ10a、10bの第1の端子25aがそのような方向D2に延在する1つ又は複数の列に配列される場合には、コマンド−アドレスバス信号をルーティングするのに用いる回路パネル60上の1つ又は複数のルーティング層の信号導体のルーティングを簡単にするのに役立つことができる。例えば、比較的少数の第1の端子がそれぞれのパッケージ上の同じ垂直レイアウト場所に配置される場合には、回路パネル上のコマンド−アドレスバス信号のルーティングを簡単にすることを可能にすることができる。したがって、
図5Aに示す例において、アドレス信号A3及びA1を受け取るように構成された第1の端子等、それぞれのパッケージ上の同じ垂直レイアウト場所には、第1の端子25aが2つのみ配置される。
【0117】
例示的実施形態において、超小型電子アセンブリ5は、ソリッドステートドライブコントローラ等のロジック機能を主として行うように構成された半導体チップを含むことができる超小型電子素子30’を有することができ、超小型電子パッケージ10a及び10bにおける超小型電子素子30のうちの1つ又は複数は、それぞれ不揮発性フラッシュメモリ等のメモリ記憶素子を含むことができる。超小型電子素子30’は、システム1300(
図13)等のシステムの中央処理ユニットを超小型電子素子30に含まれるメモリ記憶素子への及びそこからのデータ転送の監視から解放するように構成された、専用プロセッサを含むことができる。ソリッドステートドライブコントローラを含むそのような超小型電子素子30’は、システム1300等のシステムのマザーボード(例えば、
図13に示す回路パネル1302)上のデータバスへの及びそこからの直接メモリアクセスを行うことができる。特定の実施形態において、超小型電子素子30’は、バッファリング機能を果たすように構成することができる。例えば超小型電子素子30’は、超小型電子パッケージ10a及び10bのそれぞれに転送するよう上述のコマンド−アドレスバス信号を再生するように構成することができる。そのような超小型電子素子30’は、超小型電子アセンブリ5の外部の構成要素に関して超小型電子素子30のそれぞれについてインピーダンス分離を行うのに役立つように構成することができる。
【0118】
コントローラ機能及び/又はバッファリング機能を含む超小型電子素子30’を有する超小型電子アセンブリ5のそのような実施形態において、コマンド−アドレスバス信号はそれぞれの接続位置I、II、又はIIIにおいて超小型電子素子30’とパッケージ10a、10bのそれぞれの対との間でルーティングすることができる。
図5Gに示す特定の例において、接続位置I、II、又はIIIを通り越して延在するコマンド−アドレスバス137の一部は、方向D2又は方向D1を横切る別の方向に延在して超小型電子素子30’の各コンタクトに達することができる。一実施形態において、コマンド−アドレスバス137は、方向D1に延在して超小型電子素子30’の各コンタクトに達することができる。
【0119】
図6Aは、超小型電子パッケージ610の第1の端子625aが単一の列616を有するグリッド615内に配列された、
図5Aに対して上述した実施形態の変形形態を示す。グリッド615を、超小型電子素子630の前面631の外側の境界を越えて延在して示すが、必ずしもそのようにする必要はない。そのような実施形態のあり得る利点は
図6Bにおいてわかるが、
図6Bは、共通の回路パネル660に搭載することができる2つ以上の超小型電子パッケージ610を含むことができる超小型電子アセンブリ605を示す。
図6Bに示すように、第1の超小型電子パッケージ610a及び第2の超小型電子パッケージ610bのそれぞれにおける対応する第1の端子625aは、共通の垂直な平面内に配列することができる。回路パネルの構造はまた、この構造を有する超小型電子アセンブリ605において簡単にすることができる。なぜなら、電気的に接続された第1の端子625aのそれぞれの対間のルーティングは概ね垂直方向、すなわち回路パネルの厚さを貫く方向にすることができるからである。すなわち、回路パネルの互いに反対側の表面661、662に搭載された超小型電子パッケージ610の対応する第1の端子625aのそれぞれの対を電気的に接続するのに必要なのが回路パネル660上のビア接続のみとすることができる。
【0120】
そのような実施形態において、第1の超小型電子パッケージ610a及び第2の超小型電子パッケージ610bのそれぞれにおける対応する第1の端子625aは、互いから水平方向にオフセットさせないことができる(又は、例えば製造公差に起因する水平方向のオフセットを最小にすることができる)ので、回路パネル660を貫く第1の超小型電子パッケージ610a及び第2の超小型電子パッケージ610bの第1の端子625a間での、コマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号を運ぶ電気的接続のうちの少なくともいくつかは、ほぼ回路パネルの厚さの電気長を有することができる。本明細書において、「固定電位の信号」は、電源信号及び接地(基準電位)信号を含む。
【0121】
さらに、超小型電子パッケージ610のそれぞれの対が接続される接続位置間の、回路パネルに沿ってコマンド−アドレスバス信号をルーティングするのに必要な回路パネル660上の配線のルーティング層の数を減らすことができる。具体的には、そのような信号を回路パネル660に沿ってルーティングするのに必要なルーティング層の数は、場合によっては、2つ以下のルーティング層まで減らすことができる。特定の例において、そのような信号を回路パネル660に沿ってルーティングするのに必要なルーティング層は、1つのみとすることができる。しかし、回路パネル660上及び内に、コマンド−アドレスバスの上述の信号を運ぶのに用いるルーティング層の数よりも多い数の、他の信号を運ぶのに用いるルーティング層が存在することができる。
【0122】
図7Aは、超小型電子パッケージ710の第1の端子725aが平行な第1のグリッド715a及び第2のグリッド715b内のそれぞれの場所に配列された第1の端子の第1及び第2の組内に配置され、それぞれのグリッドが第1の端子の2つの隣接する列716を有する、
図5Aに対して上述した実施形態の変形形態を示す。この実施形態において、第1のグリッド715a内の場所に配列された第1の組における第1の端子725aは、第2のグリッド715b内の場所に配列された第2の組における第1の端子と同じ信号割り当てを全て運ぶように構成することができ、第1の組及び第2の組における第1の端子のうちの対応する端子の場所は、第1のグリッドと第2のグリッドとの間の第3の理論上の軸729cに関して鏡像をなすように示され、この第3の理論上の軸は開口部726a、726bの平行な第1の軸729a及び第2の軸729bと平行である。この実施形態において、第1のグリッド715a内の場所に配列された第1の端子の第1の組における特定の信号を運ぶように構成された、それぞれの第1の端子725aは、第2のグリッド715b内の場所に配列された第1の端子の第2の組における同じ信号を運ぶように構成された対応する第1の端子に対して、第3の理論上の軸729cの回りで対称とすることができる。言い換えれば、第1の組における第1の端子725aの信号割り当ては、第2の組における対応する第1の端子の信号割り当てに対応しその鏡像である。
【0123】
第1の端子725aの信号割り当てがその回りで対称である第3の理論上の軸729cは、基板720上のさまざまな場所に置くことができる。特定の実施形態において、特に、縁部727a、727bに平行な方向に第1の端子の列716が延在し第1のグリッド715a及び第2のグリッド715bが基板の対向する第1の縁部727a及び第2の縁部727bから等距離に置かれた、パッケージの中心軸の回りで対称な位置に配置されている場合には、第3の軸729cは、この中心軸とすることができる。
【0124】
代替的に、この対称軸は、縁部727a、727bから等距離の中心軸から水平方向(第3の軸729cに垂直な方向)にオフセットさせることができる。一例において、第3の軸729cは、第2の表面の対向する第1の縁部727a及び第2の対向する縁部727bから等距離に置かれた基板720の第2の表面722の中心線から、第1の端子725aの1ボールピッチ内に置くことができる。
【0125】
特定の例において、第1のグリッド715aの第1の端子725aは、第1の超小型電子素子730aと電気的に接続することができ、第2のグリッド715bの第1の端子は、第2の超小型電子素子730bと電気的に接続することができる。そのような場合、第1のグリッド715aの第1の端子725aはまた、第2の超小型電子素子730bと電気的に接続しないことができ、パッケージ710の第2のグリッド715bの第1の端子725aはまた、第1の超小型電子素子730aと電気的に接続しないことができる。更に別の例において、第1のグリッド715a及び第2のグリッド715bのそれぞれの第1の端子725aは、第1の超小型電子素子730a及び第2の超小型電子素子730bのそれぞれと電気的に接続することができる。
【0126】
第2のグリッド715bにおける信号割り当てが第1のグリッド715aにおけるそれらの鏡像である状態で信号CK(クロック)を運ぶように割り当てられた第1のグリッドの第1の端子725aは、信号CKを運ぶように割り当てられた第2のグリッドの対応する第1の端子と同じ、グリッド内での相対的垂直場所(第3の軸729cに沿った方向)にある。しかし、第1のグリッド715aは2つの列716を含み、信号CKを運ぶように割り当てられた第1のグリッドの端子は、第1のグリッドの2つの列のうちの左側の列にあるので、配列が鏡像であるためには、信号CKを運ぶように割り当てられた第2のグリッド715bの対応する端子は、第2のグリッドの2つの列のうちの右側の列になければならない。
【0127】
それに従った別の例において、第1の端子の第1のグリッド715a及び第2のグリッド715bのそれぞれの「A3」として示す、アドレス情報を運ぶように割り当てられた端子(
図7Aに示す)は、超小型電子パッケージ710内の1つ又は複数の超小型電子素子の対応する「A3」と名前のついた素子コンタクト(
図7Bに示す)を指定するということが明白である。したがって、そこを通って情報が同じ名前、例えば「A3」を有する素子コンタクトに転送される、第1の端子の第1の組及び第2の組のそれぞれにおける超小型電子パッケージ710の外部のそのような対応する第1の端子725aは、たとえ第1の組及び第2の組における対応する第1の端子の名前が異なっていようとも、鏡像の信号割り当てを有すると考えられる。したがって、一例において、第1の端子の第1の組及び第2の組のそれぞれにおいて、鏡像の信号割り当て、例えば、「A3」と指定された信号割り当てを有する第1の端子725aのそれぞれの組に割り当てられた信号が、超小型電子素子上の「A3」という名前を有する素子コンタクトに入力される情報を運ぶ端子を特定することが可能である。ただし、第1の組及び第2の組のそれぞれにおける対応する端子の名前は、例えば第1の組においてA3L(A3左)という名前を与え、第2の組においてA3R(A3右)と言う名前を与えることができる等、互いに異なることができる。
【0128】
さらに、
図7Aにおいて「A3」で示す第1の端子の対応する対において超小型電子パッケージ710に提供されるアドレス情報は、場合によっては、超小型電子構造の外部の場所でのドライバ回路の同一の出力から生じることができる。その結果、信号「A3」を運ぶように割り当てられた(すなわち、上述のように、その上の情報を超小型電子素子の「A3」と名前のついた素子コンタクトに転送するための)第1のグリッド715aの第1の端子725aは、信号「A3」を運ぶように割り当てられた第2のグリッド715bの対応する第1の端子725aと同じ、グリッド内での相対的垂直場所(方向142)にある。
【0129】
この配列のもうひとつの結果は、信号WE(ライトイネーブル)を運ぶように割り当てられた端子もまた、第1のグリッド715a及び第2のグリッド715bのそれぞれにおいて同じ、グリッド内での相対的垂直場所にあるということである。しかし、第1のグリッド715aにおいて、WEを運ぶように割り当てられた端子は、第1のグリッドの2つの列716のうちの右側の列にあり、配列が鏡像であるためには、信号WEを運ぶように割り当てられた第2のグリッド715bの対応する端子は、第2のグリッドの2つの列のうちの左側の列になければならない。
図7Aにおいてわかるように、第1のグリッド715a及び第2のグリッド715bのそれぞれにおけるそれぞれの第1の端子725aについて、少なくとも、上述のコマンド−アドレスバス信号を運ぶように割り当てられたそれぞれの第1の端子について、同じ関係が当てはまる。
【0130】
図7Aに示すように、第2の端子725bは、平行な第1のグリッド717a及び第2のグリッド717b内に存在することができ、そのような第1のグリッド及び第2のグリッドにおける第2の端子725bのうちの対応する端子の場所は、第3の軸729cの回りで鏡像をなすことができる。特定の例(図示せず)において、第2の端子725bのうちのいくつか又は全ては、第1の端子725aが配列される基板720上の同じグリッド715a、715b内に配列することができる。第2の端子725bのうちのいくつか又は全ては、第1の端子725aのうちのいくつか又は全てと同じ列に配置することも異なる列に配置することもできる。場合によっては、第2の端子725bと同じグリッド又は列内に1つ又は複数の第1の端子725aを点在させることができる。
【0131】
図6Aの実施形態と同様に、
図7Aの実施形態の潜在的利点が
図7Bにおいてわかる。
図7Bは、共通の回路パネル760に搭載することができる2つ以上の超小型電子パッケージ710を含むことができる超小型電子アセンブリ705を示す。
図7Bに示すように、第1の超小型電子パッケージ710a及び第2の超小型電子パッケージ710bのそれぞれにおける対応する第1の端子725aは、共通の垂直な平面内に配列することができ、それによって、回路パネル760を貫く第1の超小型電子パッケージ710a及び第2の超小型電子パッケージ710bの第1の端子725a間でのコマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号を運ぶ電気的接続のうちの少なくともいくつかが、ほぼ回路パネルの厚さの電気長を有することができる。
【0132】
図8Aは、超小型電子パッケージ810が3つの超小型電子素子830を含む、
図7Aに対して上述した実施形態の変形形態を示す。この実施形態において、超小型電子パッケージ810は、それぞれ基板820の第1の表面821に平行な単一の平面内に配列された前面831を有する第1の超小型電子素子830a及び第2の超小型電子素子830bと、第1の超小型電子素子及び第2の超小型電子素子のそれぞれの背面833上に少なくとも部分的に重なる前面831を有する第3の超小型電子素子830cとを含む。一例において、3つの超小型電子素子830を有するそのような超小型電子パッケージにおいて、第3の超小型電子素子830cはNANDフラッシュ素子とすることができる。
【0133】
基板820は、第3の開口部の長さ方向に延在する第3の軸829cを有する第3の開口部826cを有することができ、第3の軸は、第1の開口部826a及び第2の開口部826bそれぞれの第1の軸829a及び第2の軸829bと平行である。第3の超小型電子素子830cは、開口部826のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、その第1の表面831の複数のコンタクト835を有することができる。
【0134】
図7Aに示す実施形態と同様に、超小型電子パッケージ810の第1の端子825aは、平行な第1のグリッド815a及び第2のグリッド815b内に配列され、それぞれのグリッドは第1の端子の2つの隣接する列816を有し、第1のグリッド及び第2のグリッドにおける端子825aのうちの対応する端子の場所は、第1の軸829a及び第2の軸829bに平行な、第1のグリッドと第2のグリッドの間の第4の軸829d(第3の軸829cと一致することができる)の回りで鏡像をなすように示される。
【0135】
この変形形態において、第2の端子825bのうちのいくつかは、第1の端子825aのグリッド815に平行に向いたグリッド817内に置くことができ、第2の端子のうちのいくつかは、第1の端子825aのグリッド815に垂直に向いたグリッド817a及び817b内に置くことができる。
【0136】
超小型電子素子830a、830b及び830cの一部の上に重なることができ、そこに電気的に接続することができる第2の端子825bのグリッド817、817a、817bは、任意の適切な配列に配置された端子を有することができ、グリッドのうちの1つにおける信号割り当てがグリッドのうちの別の1つの端子における信号割り当ての鏡像であるグリッド内にこれらの第2の端子を配置するという要件はない。
図8Aに示す特定の例において、2つのグリッド817の信号割り当ては第4の軸829dの回りで互いに対称であり、第4の軸はこれらのグリッド817間の方向に延在する。
【0137】
また、
図8Aに示すように、グリッド817aにおける第2の端子825bの信号クラス割り当ては、第4の軸829dの回りで対称とすることができ、グリッド817bにおける第2の端子の信号クラス割り当ては、第4の軸の回りで対称とすることができる。本明細書において用いられるとき、2つの信号クラス割り当ては、それらの信号割り当てが同じ割り当てのクラスにある場合には、たとえそのクラス内での数値インデックスが異なっていようと、互いに関して対称とすることができる。例示的信号クラス割り当ては、データ信号、データストローブ信号、データストローブ補数信号、及びデータマスク信号を含むことができる。特定の例において、グリッド817bにおいて信号割り当てDQSH#及びDQSL#を有する第2の端子825bは、たとえそれらの第2の端子が異なる信号割り当てを有していようと、データストローブ補数である自らの信号クラス割り当てについて第4の軸829dの回りで対称である。
【0138】
図8Aに更に示すように、例えばデータ信号DQ0、DQ1、...等についてのデータ信号の超小型電子パッケージ上のグリッド817a及び817b内の第2の端子825bの空間的場所への割り当ては、第4の軸829d等の垂直軸の回りでモジュロX対称性を有することができる。このモジュロX対称性は、1つ又は複数の対の第1のパッケージ及び第2のパッケージが互いに対向して回路パネルに搭載され、回路パネルはそれぞれの対向して搭載されるパッケージの対における第1のパッケージ及び第2のパッケージの対応する第2の端子の対に電気的に接続する、
図5Eにおいて見られるアセンブリ5における信号完全性を保つのに役立つことができる。本明細書において用いられるとき、端子の信号割り当てが或る軸の回りで「モジュロX対称性」を有する場合には、同じインデックス番号の「モジュロX」を有する信号を運ぶ端子が、その軸の回りで対称である場所に配置される。したがって、
図5E等におけるそのようなアセンブリ5において、モジュロX対称性によって回路パネルを介した電気的接続を行うことができ、第1のパッケージの端子DQ0が回路パネルを介して同じインデックス番号のモジュロX(この場合Xは8)を有する第2のパッケージの端子DQ8に電気的に接続することができ、それにより、回路パネルの厚さを本質的に真っ直ぐ貫く、すなわちそれに垂直な方向に接続を行うことができる。
【0139】
一例において、「X」は2
n(2のn乗)という数字とすることができる。ただしnは2以上である。又は、Xは8×Nとすることができる。ただしNは2以上である。したがって一例において、Xは1/2バイトにおけるビット数(4ビット)、1バイトにおけるビット数(8ビット)、複数バイトにおけるビット数(8×N、ただしNは2以上)、ワードにおけるビット数(32ビット)、又は複数ワードにおけるビット数と等しくすることができる。そのようにして、一例において、
図8Aに示すようにモジュロ8対称性がある場合には、データ信号DQ0を運ぶように構成されたグリッド817bにおけるパッケージ端子DQ0の信号割り当ては、第4の軸829dの回りで、データ信号DQ8を運ぶように構成された別のパッケージ端子DQ8の信号割り当てと対称である。さらに、グリッド817aにおけるパッケージ端子DQ1及びDQ9の信号割り当てについても同じことが当てはまる。
図8Aにおいて更にわかるように、グリッド817bにおけるパッケージ端子DQ2及びDQ10の信号割り当ては、第4の軸829dの回りでモジュロ8対称性を有し、グリッド817aにおける端子DQ3及びDQ11についても同じことが当てはまる。本明細書において説明するもの等のモジュロ8対称性は、パッケージ端子DQ0〜DQ15の信号割り当てのそれぞれに関してグリッド817a及び817bにおいて見られる。
【0140】
図示してはいないが、モジュロ数「X」は2
n(2のn乗)以外の数字とすることができ、2よりも大きい任意の数とすることができることに注意することが重要である。したがって、対称性が基づくモジュロ数Xは、パッケージがそのために組み立てられる又は構成されるデータサイズにおいて存在するビット数によって決まることができる。例えば、データサイズが8ビットの代わりに10ビットである場合には、信号割り当てはモジュロ10対称性を有することができる。データサイズが奇数ビットを有する場合には、モジュロ数Xはそのような数を有することができる場合さえあってよい。
【0141】
そのような実施形態の潜在的な利点は
図8Bにおいてわかるが、
図8Bは、共通の回路パネル860に搭載することができる2つ以上の超小型電子パッケージ810を含むことができる超小型電子アセンブリ805を示す。
図8Bに示すように、第1の超小型電子パッケージ810a及び第2の超小型電子パッケージ810bのそれぞれにおける対応する第1の端子825aは、共通の垂直な平面内に配列することができる。
【0142】
そのような実施形態において、第1の超小型電子パッケージ810a及び第2の超小型電子パッケージ810bのそれぞれにおける対応する第1の端子825aは、互いから水平方向にオフセットさせないことができる(又は、例えば製造公差に起因する水平方向のオフセットを最小にすることができる)ので、回路パネル860を貫く第1の超小型電子パッケージ810a及び第2の超小型電子パッケージ810bの第1の端子825a間での、コマンド信号、アドレス信号、バンクアドレス信号、及びクロック信号を運ぶ電気的接続のうちの少なくともいくつかは、ほぼ回路パネルの厚さの電気長を有することができる。
【0143】
図9Aは、超小型電子パッケージ910が4つの超小型電子素子930を含む、
図8Aに対して上述した実施形態の変形形態を示す。この実施形態において、超小型電子パッケージ910は、それぞれ基板920の第1の表面921に平行な単一の平面内に配列された前面931を有する第1の超小型電子素子930a及び第3の超小型電子素子930cと、それぞれ第1の超小型電子素子及び第3の超小型電子素子のうちの少なくとも1つの背面933上に少なくとも部分的に重なる前面931を有する第2の超小型電子素子930b及び第4の超小型電子素子930dとを含む。
【0144】
基板920は、第4の開口部の長さ方向に延在する第4の軸929dを有する第4の開口部926dを有することができ、第4の軸は、第1の開口部926a、第2の開口部926b、及び第3の開口部926cそれぞれの第1の軸929a、第2の軸929b、及び第3の軸929cと平行である。第4の超小型電子素子930cは、開口部926のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、その第1の表面931の複数のコンタクト935を有することができる。
【0145】
図8Aに示す実施形態と同様に、超小型電子パッケージ910の第1の端子925aは、平行な第1のグリッド915a及び第2のグリッド915b内に配列され、それぞれのグリッドは第1の端子の2つの隣接する列916を有し、第1のグリッド及び第2のグリッドにおける端子925aのうちの対応する端子の場所は、平行な第1の軸929a、第2の軸929b、第3の軸929c、及び第4の軸929dに平行な、第1のグリッドと第2のグリッドの間の第5の軸929eの回りで鏡像をなすように示される。
【0146】
4つの超小型電子素子930と、間にある軸929eの回りで互いに鏡像をなす、第1の端子925aの2つのグリッド915とを有するこのような実施形態において、グリッドのそれぞれは、超小型電子素子のうちの少なくとも2つに電気的に接続することができる。
【0147】
そのような実施形態の潜在的な利点は
図9Bにおいてわかるが、
図9Bは、共通の回路パネル960に搭載することができる2つ以上の超小型電子パッケージ910を含むことができる超小型電子アセンブリ905を示す。
図9Bに示すように、第1の超小型電子パッケージ910a及び第2の超小型電子パッケージ910bのそれぞれにおける対応する第1の端子925aは、共通の垂直な平面内に配列することができる。
【0148】
図9A及び
図9Bに示す実施形態の変形形態(図示せず)において、第4の超小型電子素子930dは第1の超小型電子素子930aの上に部分的に重なることができるが、第3の超小型電子素子930cの上に重ならない場合がある。そのような変形形態において、
図9Bに示すスペーサ914等の第2のスペーサを超小型電子パッケージ910に加えることができる。そのような第2のスペーサは、第3の超小型電子素子930cに隣接して、第4の超小型電子素子930dの前面931と基板920の第1の表面921との間に配置することができる。そのようなスペーサによって、 第2の超小型電子素子930bにいくらか機械的支持を提供することができる
図9Bに示すスペーサ914と同様の方法で、第4の超小型電子素子930dに更なる機械的支持を提供することができる。この変形形態は、超小型電子素子の隣接して互いに一部重なる2つの対を含むことができ、これは、同じ基板の上に重なる、互いに隣接して配置された超小型電子素子の2つの対30a、30b(
図5B)の外観を有する。
【0149】
図9C〜
図9Fは、
図9Aに示す超小型電子パッケージの実施形態の変形形態を示す。
図9Cは、それぞれ単一の列916を有する2つの平行なグリッド915内に配列された第1の端子925aを有する超小型電子パッケージ901を示す。
【0150】
図9Dは、それぞれ2つの列916を有する4つの平行なグリッド915内に配列された第1の端子925aを有する超小型電子パッケージ902を示す。
図9Dに示すように、2つの外側のグリッド915a及び915bは、平行な第1の軸929a、第2の軸929b、第3の軸929c、及び第4の軸929dに平行な、外側のグリッド間の第5の軸929eの回りで互いに鏡像をなすことができ、2つの内側のグリッド915c及び915dは、第5の軸の回りで互いに鏡像をなすことができる。
図9Dの変形形態(図示せず)において、それぞれの外側のグリッド915a及び915bはまた、内側のグリッド915c及び915dのうちの隣接するものに対し鏡像をなすことができる。
【0151】
図9E〜
図9Hは、開口部926のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、その第1の表面931の複数のコンタクト935をそれぞれが有する、4つの超小型電子素子930を有する超小型電子パッケージ903、903’、904、及び904’を示すが、第1の開口部926a及び第3の開口部926cは第1の開口部及び第3の開口部の長さ方向に延在する共通の第1の軸929aを有し、第2の開口部926b及び第4の開口部926dは第2の開口部及び第4の開口部の長さ方向に延在する共通の第2の軸929bを有する。第1の軸929a及び第2の軸929bは互いに平行とすることができる。
【0152】
図9Eに示す超小型電子パッケージ903は、2つの平行な列916を有する単一のグリッド915内に配列された第1の端子925aを有する。
図9Fに示す超小型電子パッケージ903’は、間に延在する軸929eの回りで互いに鏡像をなす2つの平行なグリッド915内に配列された第1の端子925aを有し、それぞれのグリッドは2つの平行な列916を有する。
【0153】
図9Gに示す超小型電子パッケージ904は、第1の中間軸929e’に沿って配列された2つのグリッド915内に配列された第1の端子925aを有し、それぞれのグリッドは2つの平行な列916を有する。第1の端子925aの2つのグリッド915は、第2の中間軸929fの回りで互いに鏡像をなすことができ、第2の中間軸は第1の中間軸を横切る(すなわち交差する)。一実施形態において、第2の中間軸929fは第1の中間軸929e’に直交することができる。第2の端子925bのグリッド917のそれぞれもまた、第1の中間軸929e’及び/又は第2の中間軸929fの回りでグリッド917のうちの別のものに対して鏡像をなすことができるか、又は、それぞれのグリッド917は、グリッド917の対間に延在する任意の他の中間軸の回りで他のグリッド917のうちの1つ又は複数に対して鏡像をなすことができる。
【0154】
図9Hに示す超小型電子パッケージ904’は、それぞれ2つの平行な列916を有する4つの平行なグリッド915内に配列された第1の端子925aを有し、それぞれのグリッド915は、隣接するグリッド915間で第1の軸929a及び第2の軸929bに平行な方向に延在する第1の中間軸929eの回りで、及び/又は、隣接するグリッド915間で第1の軸及び第2の軸を横切る方向に延在する第2の中間軸929fの回りで、少なくとも1つの更なるグリッド915に対し鏡像をなす。一実施形態において、第2の中間軸929fは、第1の軸929a及び第2の軸929bに直交することができる。第2の端子925bのグリッド917のそれぞれはまた、第1の中間軸929e及び/又は第2の中間軸929fの回りでグリッド917のうちの別のものに対し鏡像をなすことができるか、又は、それぞれのグリッド917は、グリッド917の対間に延在する任意の他の中間軸の回りで他のグリッド917のうちの1つ又は複数に対し鏡像をなすことができる。
【0155】
図10A及び
図10Bは、それぞれ
図5A及び
図7Aに示す超小型電子パッケージの実施形態の変形形態を示す。
図10Aに示す超小型電子パッケージ1010は、超小型電子パッケージ1010の超小型電子素子1030がそれぞれ基板1020の第1の表面1021に平行な単一の平面内に配列された前面1031を有するということを除き、
図5Aに示す超小型電子パッケージ10と同じである。
図10Bに示す超小型電子パッケージ1010’は、超小型電子パッケージ1010’の超小型電子素子1030がそれぞれ基板1020の第1の表面1021に平行な単一の平面内に配列された前面1031を有するということを除き、
図7Aに示す超小型電子パッケージ710と同じである。
【0156】
図11は、
図8Aに示す超小型電子パッケージの実施形態の変形形態を示す。
図11に示す超小型電子パッケージ1110は、超小型電子パッケージ1110の超小型電子素子1130がそれぞれ基板1120の第1の表面1121に平行な単一の平面内に配列された前面1131を有するということを除き、
図8Aに示す超小型電子パッケージ810と同じである。
【0157】
図12A及び
図12Bは、それぞれ
図9E及び
図9Fに示す超小型電子パッケージの実施形態の変形形態を示す。
図12Aに示す超小型電子パッケージ1210は、超小型電子パッケージ1210の超小型電子素子1230がそれぞれ基板1220の第1の表面1221に平行な単一の平面内に配列された前面1231を有するということを除き、
図9Eに示す超小型電子パッケージ903と同じである。
図12Bに示す超小型電子パッケージ1210’は、超小型電子パッケージ1210’の超小型電子素子1230がそれぞれ基板1220の第1の表面1221に平行な単一の平面内に配列された前面1231を有するということを除き、
図9Fに示す超小型電子パッケージ903’と同じである。
【0158】
図12C及び
図12Dは、それぞれ
図9G及び
図9Hに示す超小型電子パッケージの実施形態の変形形態を示す。
図12Cに示す超小型電子パッケージ1201は、超小型電子パッケージ1201の超小型電子素子1230がそれぞれ基板1220の第1の表面1221に平行な単一の平面内に配列された前面1231を有するということを除き、
図9Gに示す超小型電子パッケージ904と同じである。
図12Dに示す超小型電子パッケージ1201’は、超小型電子パッケージ1201’の超小型電子素子1230がそれぞれ基板1220の第1の表面1221に平行な単一の平面内に配列された前面1231を有するということを除き、
図9Hに示す超小型電子パッケージ904’と同じである。
【0159】
図5A〜
図12Dを参照して上述した超小型電子パッケージ及び超小型電子アセンブリは、
図13に示すシステム1300等、さまざまな電子システムの構造において利用することができる。例えば、本発明のさらなる実施形態によるシステム1300は、他の電子構成要素1308及び1310とともに上述した超小型電子パッケージ及び/又は超小型電子アセンブリ等、複数のモジュール又は構成要素1306を含む。
【0160】
図示の例示的システム1300において、システムは、フレキシブルプリント回路基板等の、回路パネル、マザーボード、又はライザーパネル1302を含むことができ、回路パネルは、モジュール又は構成要素1306を互いに相互接続する多数の導体1304を含むことができる。多数の導体1304のうち、1つのみを
図13に示す。そのような回路パネル1302は、システム1300に含まれる超小型電子パッケージ及び/又は超小型電子アセンブリのそれぞれに又はそこから信号を伝達することができる。しかしこれは単に例示的なものであり、モジュール又は構成要素1306同士の間の電気的接続を行う任意の適切な構造も用いることができる。
【0161】
特定の実施形態では、システム1300は、半導体チップ1308等のプロセッサも備えることができ、各モジュール又は構成要素1306は、クロックサイクルにおいてN個のデータビットを並列に転送するように構成することができ、プロセッサは、クロックサイクルにおいてM個のデータビットを並列に転送するように構成することができるようになっている。MはN以上である。
【0162】
一例では、システム1300は、クロックサイクルにおいて32個のデータビットを並列に転送するように構成されたプロセッサチップ1308を備えることができ、このシステムは、
図5Aを参照して説明したモジュール10等の4つのモジュール1306も備えることができ、各モジュール1306は、クロックサイクルにおいて8つのデータビットを並列に転送するように構成されている(すなわち、各モジュール1306は、第1の超小型電子素子及び第2の超小型電子素子を備えることができ、これらの2つの超小型電子素子のそれぞれは、クロックサイクルにおいて4つのデータビットを並列に転送するように構成されている)。
【0163】
別の例では、システム1300は、クロックサイクルにおいて64個のデータビットを並列に転送するように構成されたプロセッサチップ1308を備えることができ、このシステムは、
図9Aを参照して説明した超小型電子パッケージ910等の4つのモジュール1306も備えることができ、各モジュール1306は、クロックサイクルにおいて16個のデータビットを並列に転送するように構成されている(すなわち、各モジュール1306は4つの超小型電子素子を備えることができ、これらの4つの超小型電子素子のそれぞれは、クロックサイクルにおいて4つのデータビットを並列に転送するように構成されている)。
【0164】
図13に示す例では、構成要素1308は半導体チップであり、構成要素1310はディスプレイスクリーンであるが、他の任意の構成要素をシステム1300において用いることができる。もちろん、説明を明瞭にするために、
図13には2つの追加の構成要素1308及び1310しか示されていないが、システム1300は、任意の数のそのような構成要素を備えることができる。
【0165】
モジュール又は構成要素1306並びに構成要素1308及び1310は、破線で概略的に示す共通のハウジング1301内に実装することができ、必要に応じて互いに電気的に相互接続して所望の回路を形成することができる。ハウジング1301は、例えば、携帯電話又は携帯情報端末において使用可能なタイプのポータブルハウジングとして示され、スクリーン1310は、このハウジングの表面において露出することができる。構造1306が撮像チップ等の光感知素子を備える実施形態では、光をこの構造体に送るレンズ1311又は他の光学デバイスも設けることができる。ここでも、
図13に示す単純化したシステムは単なる例示にすぎず、デスクトップコンピュータ、ルータ等の固定構造と一般に考えられるシステムを含む他のシステムを、上記で議論した構造体を用いて作製することができる。
【0166】
図5A〜
図12Dを参照して上述した超小型電子パッケージ及び超小型電子アセンブリはまた、
図14に示すシステム1400等の電子システムの構造においても利用することができる。例えば、本発明の更なる実施形態によるシステム1400は、構成要素1306を複数の構成要素1406と取り替えたということを除き、
図13に示すシステム1300と同じである。
【0167】
構成要素1406のそれぞれは、
図5A〜
図12Dを参照して上述した超小型電子パッケージ又は超小型電子アセンブリのうちの1つ又は複数とすることができ、又はそれを含むことができる。特定の例において、構成要素1406のうちの1つ又は複数は、
図5Aに示す超小型電子アセンブリ5の変形形態とすることができ、回路パネル60は露出した縁部のコンタクトを含み、それぞれの超小型電子アセンブリ5の回路パネル60は、ソケット1405に挿入するのに適切とすることができる。
【0168】
それぞれのソケット1405は、ソケットの片側又は両側に複数のコンタクト1407を含むことができ、それにより、それぞれのソケット1405が、超小型電子アセンブリ5の上述の変形形態等、対応する構成要素1406の対応する露出した縁部のコンタクトとかみ合うのに適切となることができる。図示の例示的システム1400において、システムは、フレキシブルプリント回路基板等の第2の回路パネル1402又はマザーボードを含むことができ、第2の回路パネルは、構成要素1406を互いに相互接続する多数の導体1404を含むことができる。多数の導体1404のうち、1つのみを
図14に示す。
【0169】
特定の例において、システム1400等のモジュールは複数の構成要素1406を含むことができ、それぞれの構成要素1406は超小型電子アセンブリ5の上述の変形形態である。それぞれの構成要素1406は、それぞれの構成要素1406に又はそこから信号を伝達するように、第2の回路パネル1402に搭載され電気的に接続することができる。システム1400の具体的な例は単に例示的なものであり、構成要素1406間の電気的接続を行う任意の適切な構造も用いることができる。
【0170】
上記で説明した超小型電子パッケージのいずれか又は全てにおいて、超小型電子素子のうちの1つ又は複数の背面は、製造の完了後に超小型電子パッケージの外表面において少なくとも部分的に露出させることができる。したがって、
図5Aに関して上述した超小型電子パッケージ10において、超小型電子素子の背面は、完成した超小型電子パッケージ10内の封入材の外表面において部分的又は全面的に露出させることができる。
【0171】
上述した実施形態のいずれかにおいて、超小型電子パッケージ及び超小型電子アセンブリは、任意の適した熱伝導性材料から部分的又は全体的に作製されるヒートスプレッダを備えることができる。適した熱伝導性材料の例には、金属、グラファイト、熱伝導性接着剤、例えば、熱伝導性エポキシ樹脂、はんだ等、又はそのような材料の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。一例では、ヒートスプレッダは、実質的に連続した金属シートとすることができる。
【0172】
図5Bに示す例において、超小型電子パッケージ10は、なかでも熱接着剤、熱伝導性グリース、又ははんだ等の熱伝導性材料等を介して、超小型電子素子30a及び30bのうちの1つ又は複数の表面、例えば、第2の超小型電子素子30bの背面33に熱的に結合することができるヒートシンク又はヒートスプレッダ55を含むことができる。特定の例(図示せず)において、ヒートスプレッダ55はその1つ又は複数の表面に複数のフィンを含むことができる。
【0173】
一実施形態では、ヒートスプレッダは、超小型電子素子のうちの1つ又は複数に隣接して配置された金属層を備えることができる。この金属層は、超小型電子パッケージの背面において露出することができる。代替的に、ヒートスプレッダは、超小型電子素子のうちの1つ又は複数の、少なくとも背面をカバーするオーバモールド又は封入材を含むことができる。一例では、ヒートスプレッダは、
図5A及び
図5Bに示す超小型電子素子30a及び超小型電子素子30b等の超小型電子素子のうちの1つ又は複数の、前面及び背面のうちの少なくとも一方と熱連通することができる。いくつかの実施形態では、ヒートスプレッダは、超小型電子素子のうちの隣接するものの隣接する縁部間に延在することができる。ヒートスプレッダは、周囲環境への放熱を改善することができる。
【0174】
特定の実施形態では、金属製又は他の熱伝導性材料製の事前に形成されたヒートスプレッダを、熱伝導性接着剤又は熱伝導性グリース等の熱伝導性材料を用いて、超小型電子素子のうちの1つ又は複数の背面に取り付けるか又は配置することができる。接着剤が存在する場合、この接着剤は、例えば、コンプライアントに取り付けられた素子間の熱膨張差を吸収するように、ヒートスプレッダと、このヒートスプレッダが取り付けられた超小型電子素子との間の相対的な移動を可能にするコンプライアント材料とすることができる。ヒートスプレッダは、モノリシック構造とすることができる。代替的に、ヒートスプレッダは、互いに離間した複数のスプレッダ部を備えることができる。特定の実施形態では、ヒートスプレッダは、
図5A及び
図5Bに示す超小型電子素子30a及び超小型電子素子30b等の超小型電子素子のうちの1つ又は複数の背面の少なくとも一部分に直接接合されたはんだの層とすることができるか、又はこのはんだの層を含むことができる。
【0175】
本発明は特定の実施形態を参照しながら本明細書において説明されてきたが、これらの実施形態は本発明の原理及び応用形態を例示するにすぎないことは理解されたい。それゆえ、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に数多くの変更を加えることができること、及び他の構成を考案することができることは理解されたい。
【0176】
様々な従属請求項及びそこに記載した特徴を、初期の請求項に提示したものとは異なる方法で組み合わせることができることが認識されるであろう。個々の実施形態に関して説明した特徴は、説明した実施形態の他のものと共有することができることも認識されるであろう。