(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1ボディと、第2ボディと、それらの接続部端面の間にシール部材を介在させ、前記第1ボディと前記第2ボディに接続用工具を係合させ、その係合面に荷重を加えることで前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を互いに圧入状態とし、前記圧入状態をクランプにより保持する接続部を有するマニホールドの組立方法において、
前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の本体部内側の、前記接続部端面に対向する面であって、前記シール部材の中心軸に対し概垂直な複数の前記係合面を利用すること、
を特徴とするマニホールド組立方法。
第1ボディと、第2ボディと、それらの接続部端面の間にシール部材を介在させ、前記第1ボディと前記第2ボディの係合面に荷重を加えることで前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を互いに圧入する接続用工具において、
前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の本体部内側にある前記接続部端面に対向する面であって、前記シール部材の中心軸に対し概垂直な複数の前記係合面に係合する係合面を有すること、を特徴とする接続用工具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1ボディ2と第2ボディ3をシール部材6に圧入させるには、大きな引き寄せ荷重が必要である。そのため、特許文献1では、大きな荷重に耐えられ、かつ、シール部材6を均一に圧入するために取付溝4m、及び取付溝5mを設けていた。しかし、
図26に示すように、取付溝4m、及び取付溝5mを設けるためのスペースにより、第1ボディ2と第2ボディ3の間隔が広がり、コンパクト化を阻害していた。
【0009】
また、接続用のクランプの第1クランプ部材と第2クランプ部材の係合部が、外力により誤って外れることがあった。
【0010】
また、マニホールドを固定板に固定するために、専用固定部材と専用固定部材を取り付ける取付溝スペースが必要であった。その結果、部品点数が増え、コンパクト化を阻害していた。
【0011】
また、
図15の従来技術に係る流体制御機器マニホールドが固定板に固定された状態を示す断面図において、第1ボディ2B1と第2ボディ2B2を接続してクランプ60Bでクランプ後、そのボディの取付けボルトにより直接固定板80へ固定する。この場合、ボディの固定面から接続部までの寸法バラツキにより隙間Zが発生し、無理に取付けボルトを締めることで、ボディ本体及び接続部に無理な荷重が加わり、流体漏れ、作動不良の原因となることがあった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決することができる流体制御機器マニホールド、マニホールド組立方法、及び接続用工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0014】
(1)第1ボディと、第2ボディと、それらの間にシール部材を介在させ、前記第1ボディと前記第2ボディに接続用工具を係合させ、その係合面に荷重を加えることで前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を互いに圧入状態にし、前記圧入状態をクランプにより保持する接続部を有する流体制御機器マニホールドにおいて、前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の本体部の内側には
、引き寄せ方向に対し概直角方向に広がる前記係合面が設けられていること、を特徴とする。
【0015】
上記(1)の構成では、本体部の内側の係合面を使って引き寄せるため、取付溝を別に設ける必要が無くなり、取付溝スペースが不要となる。そのため、流体制御機器マニホールドのコンパクト化を図ることができる。さらに、複数の係合面により係合面積を増加させることができ、引き寄せ荷重を分散させられるため、ボディを歪ませたり破損させることなく荷重を加えることができる。
【0016】
(2)(1)に記載する流体制御機器マニホールドにおいて、前記係合面は、前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方のネジ孔に設けられた面を含むこと、が好ましい。
【0017】
上記(2)の構成では、ネジ孔として設けられた孔の接続部側の面を係合面としても利用する。そのためネジ孔が貫通していれば、係合面をボディの端面から深い位置に設けることができ、シール部材に対し広い範囲から均等に引寄せ荷重を加えることができる。その結果、シール部材が傾いて圧入されることを防止することができる。
【0018】
(3)(1)又は(2)に記載する流体制御機器マニホールドにおいて前記係合面は、前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の成型肉盗みに設けられた面を含むこと、が好ましい。
【0019】
上記(3)の構成では、成形湯流れを良くしたり、樹脂の成形引けを防止したり、成形樹脂素材を節約するために設けられた肉盗みをそのまま係合面として使用することができる。その結果、係合面を設けるためのスペースは不要となる。
【0020】
(4)(1)及至(3)に記載するいずれか一つの流体制御機器マニホールドにおいて前記係合面の範囲は、前記本体部の接続用工具挿入側端面から最も離れた距離が、前記端面と前記シール部材の中心軸までの距離より大きいこと、が好ましい。
【0021】
上記(4)の構成では係合面となる範囲が本体部端面からの距離においてシール部材の中心軸を超えた位置に達しており、この係合面に引き寄せ荷重を加えるとその荷重はシール部材の中心軸を挟んで両側に加わるため、シール部材が傾いて圧入されることを防止することができる。
【0022】
(5)(1)及至(4)に記載するいずれか一つの流体制御機器マニホールドにおいて前記第1ボディ及び前記第2ボディのいずれか一方又は両方は、少なくとも弁座を2つ設けていること、前記係合面は、前記弁座の間の区切壁面を含んでいること、が好ましい。
【0023】
上記(5)の構成では、区切壁面を係合面として使用することができる。区切壁面は係合面積が広く、構造的に強度があるためその広い係合面積により引き寄せ荷重を分散することができ、その構造的な強度によりボディを歪ませたり破損させたることなく荷重を加えられることができる。その結果、流体漏れや作動不良等の不具合を防ぐことができる。
【0024】
(6)(1)及至(5)に記載するいずれか一つの流体制御機器マニホールドにおいて、前記クランプは第1クランプ部材と第2クランプ部材で構成され、前記接続部をクランプすること、前記第1クランプ部材には固定板に固定するための取付面が形成され、前記取付面が前記固定板に当接しているときには、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材は分解できないこと、が好ましい。
【0025】
上記(6)の構成では、クランプは接続部を保持すると共に流体制御機器マニホールドを固定板へ固定し、さらに固定板に取付いている限り、クランプが外れることがない。その結果、固定のための取付溝及びそのスペースは不要となり、専用の固定部材が不要になり、さらに誤ってクランプが外れることも防止できる。
【0026】
(
7)に記載する流体制御機器マニホールドにおいて、前記第1クランプ部材は、接続部の全周の1/2を超える部分と係合すること、が好ましい。
【0027】
上記(7)の構成では、第1クランプ部材は接続部の全周の1/2を超える部分と係合するため第1クランプ部材のみで仮止めすることが容易にでき、組立作業性が良くなる。
【0028】
(8)(1)及至(7)に記載するいずれか一つの流体制御機器マニホールドにおいて、前記クランプと前記接続部の係合面は互に平行であること、が好ましい。
【0029】
上記(8)の構成では、複数の接続部位置やクランプ部材位置と、固定板との間の距離のバラツキをクランプの中の移動により吸収するため、流体制御機器マニホールドに不要な荷重を加えることなく流体制御機器マニホールドを固定板へ固定することができる。
【0030】
(9)(1)及至(8)に記載するいずれか一つの流体制御機器マニホールドにおいて、前記第1ボディと前記第2
ボディは2つ又は3つの弁座を有し、前記接続部が1箇所以上であること、が好ましい。
【0031】
上記(9)の構成では弁座の数が4つ以上の全ての数のマニホールドへの対応が可能となる。この結果、ボディの種類は2種類のみで良い。
【0034】
(
10)第1ボディと、第2ボディと、それらの間にシール部材を介在させ、前記第1ボディと前記第2ボディに接続用工具を係合させ、その係合面に荷重を加えることで前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を互いに圧入状態とし、前記圧入状態をクランプにより保持する接続部を有するマニホールドの組立方法において、前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の本体部内側の、引き寄せの方向に対し概直角方向に広がる複数の前記係合面を利用すること、が好ましい。
【0035】
上記(
10)の構成では、本体部の内側の係合面を使って引き寄せるため、取付溝を別に設ける必要が無くなり、取付溝スペースが不要となる。そのため、流体制御機器マニホールドのコンパクト化を図ることができる。さらに、複数の係合面により係合面積を増加させることができ、引き寄せ荷重を分散させられるため、ボディを歪ませたり破損させることなく荷重を加えることができる。
(11)(10)に記載するマニホールドの組立方法において、前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を前記圧入状態にさせた後、前記第1ボディ及び前記第2ボディのいずれか一方又は両方にその他の構成部材を組付けること、が好ましい。
上記(11)の構成では、組立後は他の部材により覆われる係合面を利用することができる。さらに組立で係合面の凹凸を覆うため、外観を良好にできる。
【0036】
(12)第1ボディと、第2ボディと、それらの間にシール部材を介在させ、前記第1ボディと前記第2ボディの係合面に荷重を加えることで前記第1ボディと前記第2ボディを引き寄せ、前記シール部材を互いに圧入する接続用工具において、前記第1ボディと前記第2ボディのいずれか一方又は両方の本体部内側にあ
る引き寄せの方向に対し概直角方向に広がる複数の前記係合面に係合する係合面を有すること、が好ましい。
【0037】
上記(12)の構成では、本体部内側の係合部で引き寄せるため、取付溝を設ける必要が無くなり、取付溝のペースが不要となる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、取付溝を使用せずに第1部品及び第2部品をシール部材に圧入することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明に係る流体制御機器マニホールド、マニホールド組立方法及び接続用工具の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
[第1実施形態]
<流体制御機器マニホールドの全体構成>
図1は第1実施形態に係る流体制御機器マニホールドが固定板に固定された状態の上面図である。
図2は第1実施形態に係る
図1に示す流体制御機器マニホールドのAA断面図である。
図1及び
図2に示すように、流体制御機器マニホールド1は、第1ボディ2、第2ボディ3、シール部材6(
図1及び
図2中ではクランプ60内に収納されているため、表面には示されない。)、クランプ60により構成される。
【0042】
<第1ボディ及び第2ボディの全体構成>
第1ボディ2、第2ボディ3、及びシール部材6は、腐食性の高い液体を流す流体制御機器であるため耐薬品性の高い樹脂でできている。
【0043】
図4は第1実施形態に係る第1ボディの上面図である。
図5は第1実施形態に係る第1ボディの下面図である。
図8は第1実施形態に係る
図10に示す第1ボディとシール部材の組立手順(第1工程)を示す図である。
図4及び
図5に示すように、第1ボディ2は、略直方体の本体部20及び本体部20から延びる第1接続部4と第1ポート212及び第2ポート222により構成されている。同様に第2ボディ3は、
図8に示すように、略直方体の本体部30及び本体部30から延びる第2接続部5とポートにより構成されている。第1ボディ2及び第2ボディ3の構成と作用効果はほぼ同様であるため、以下においては、第1ボディ2を説明することにより第2ボディ3の詳細な説明を割愛する。
【0044】
<第1ボディ及び第2ボディの接続部構成>
図6は第1実施形態に係る
図5に示す第1ボディのCC断面図である。
図6に示す、第1接続部4は、円筒状をなし、流路4hの第1流路開口部4jが第1接続部端面4iに開口している。第1接続部4の第1接続部端面4iには、第1流路開口部4jと同心円状に、環状突起4bとその内径と外径側にシール溝4aが形成されている。また第1接続部端面4iの外周には、凸部4gが突設されている。
【0045】
図4及び
図5に示すように、第1接続部4には、後述するクランプ60が係合される第1接続部保持面4fが環状に形成されている。第1接続部保持面4fに接続用工具を挿入し係合させることはない。第1接続部保持面4fは平面形状である。
【0046】
<シール部材の構成>
シール部材6は、PFAなどの比較的硬く耐腐食性がある樹脂を材質とし、シール部材本体部11と把持部12と張出部13とを備える。
【0047】
図23は第1実施形態に係るシール部材の平面図である。
図24は第1実施形態に係るシール部材のEE断面図である。
図23及び
図24に示すように、シール部材本体部11は、流路となる内面11fと、第1及び第2接続部4,5の環状突起4b,5bを圧入嵌合する環状溝11a,11bが両端面に形成され、断面が左右対称の円筒形状部である。
【0048】
図24に示す環状溝11a,11bの溝幅は、第1及び第2接続部4,5の環状突起4b,5bの肉厚寸法と同一又は僅かに大きく形成されているガイド部11eと、その奥に実線と破線で囲まれた圧入代11c、11dがそれぞれ設けられ、第1及び第2接続部4,5の環状突起4b,5bの肉厚寸法より小さく形成されている部分とから成る。
【0049】
シール部材本体部11は、内周面と外周面に、シール溝4a,5aの底部に設けた傾斜と対応するように傾斜が設けられ、環状溝11a,11bに第1及び第2接続部4,5の環状突起4b,5bを圧入したときに、傾斜面同士が当接し、環状溝11a,11bの溝幅が狭まり、圧入状態を維持する力が働くため、シール力が低下するのを防止している。
【0050】
図23及び
図24に示すように、シール部材6には、張出部13が本体部11の外周面から外に向かって環状に形成されている。張出部13の外縁部には、複数の把持部12が所定間隔で一体的に形成されている。各把持部12は、第1及び第2接続部4,5の凸部4g,5gに引っ掛けて係合する引掛部12aが、内向きに(中心に向かって)突き出して設けられている。なお、
図24では、シール部材6の形状を理解し易いように、把持部12の外周線を省略している。
【0051】
<第1ボディ及び第2ボディの本体部構成>
図4及び
図5に示すように、本体部20には第1機能部21及び第2機能部22が並列に配置されている。
【0052】
図4及び
図5に示すように、第1機能部21及び第2機能部22の間には、区切壁203が形成されている。
図7は第1実施形態に係る
図5に示す第1ボディのDD断面図である。区切壁203は、
図7に示すように、上面2Aから下面2Bに達し、第1接続部端面4iと概平行に形成されている。区切壁203は、肉盗み203Aを含んだ肉厚形状で形成され壁面への荷重に耐えられるように強度が上げられている。
【0053】
区切壁203にある第1接続部端面4iに対向する面
216と面226を係合面として使用した場合には、係合面積を広くとれ引き寄せ荷重を分散することができ強度もあるため、ボディ部材を歪ませることなく荷重を加えられることができる。
【0054】
図4、
図6に示すように、第1ボディ2の上面2A側には、第1弁室211と第2弁室221が形成されている。
【0055】
図6に示すように、第1弁室211は、第1弁孔211Bを介して流路4hと連通している。また、第2弁室221は、第2弁孔221Bを介して流路4hと連通している。
【0056】
図4及び
図5に示すように、略直方体形状の本体部20の四側面に外周壁204A〜204Dが形成されている。外周壁204Aには、第1接続部4が設けられている。外周壁204Aと外周壁204Bは、区切壁203と平行の関係にある。また、外周壁204Cと外周壁204Dは互いに平行の関係にあり、区切壁203及び外周壁204Aと外周壁204Dとは直角の関係にある。外周壁204Cには、垂直方向に第1ポート212及び第2ポート222が設けられている。
【0057】
図4及び
図5に示すように、外周壁204D側の第1ポート212及び第2ポート222の中心付近にあたる位置にはボディ凸部2Hが設けられており、ボディ凸部2Hの高さは
図1に示すように、固定板80までの距離とほぼ同じである。これにより、ボディ凸部2Hは第1ポート212及び第2ポート222へチューブを差込む際に加わる荷重を受止め、第1ボディ2が固定板側へたわむことを防ぐことができる。特に、第1ボディに対しクランプが片側のみで固定されるときに有効である。
【0058】
図5に示すように、第1機能部21の四隅には、第1ネジ孔214、第2ネジ孔215が形成されている。この第1ネジ孔214,第2ネジ孔215は、上面2Aから下面2Bにかけて挿通しており、第1機能部21の上面2A側に組み付けられる弁体及び弁駆動部2Nと、下面2B側に組み付けられるボトムプレート2Mを、第1機能部21を挟んで締付けるための取付ネジを通すための孔である。また、第1ネジ孔214、第2ネジ孔215にあって、第1接続部端面4iと対向する面に、第1ネジ孔係合面216、第2ネジ孔係合面217が形成されている。
【0059】
図5に示すように、第2機能部22の四隅には、第1ネジ孔224、第2ネジ孔225が形成されているおり、第1機能部21と同様に
、第1ネジ孔係合面226、第2ネジ孔係合面227が形成されている。
【0060】
ネジ孔は貫通しているため係合面をボディの端面から深い位置に設けることができ、シール部材圧入の際、
第1ボディ2及び第2ボディ3に対してより均等に引寄せ荷重を加えることができる。
【0061】
また、第1ネジ孔214、第2ネジ孔215、及び第1ネジ孔224、第2ネジ孔225は、いずれも金型による樹脂成形により形成されており、単にネジ貫通用の孔が形成されているだけではなく、成形湯流れを良くするため、及び成形ヒケを防止すること、及び不要な樹脂素材を削減すること、のために設けられた成形肉盗みが施されている。これにより単なるネジ孔以上の広い面積を持つ係合面として利用することができる。
【0062】
また、第1機能部21の第1ボトム218は円筒形状であり、その円筒曲面の中の第1接続部端面4iに概対向する部分を第1ボトム係合面218aとして利用できる。同様に第2機能部22の第2ボトム228の側面を第2ボトム係合面228aとして利用できる。
【0063】
本体部20にある金型で形成される抜き面の中の、第1接続部端面4iに概対向する面をそのまま係合面として利用できるので、その形状、位置の選択自由度が大きくなる。
【0064】
第1ネジ孔係合面216、第2ネジ孔係合面217、及び第1ネジ孔係合面226、第2ネジ孔係合面227の範囲は、本体部20の下面2Bから最も離れた距離が、下面2Bとシール部材6の中心軸Y(本実施形態においては、流路4hの中心軸でもある)までの距離より長い。それにより、流路壁213、223を囲んだ外周部の第1ネジ孔係合面216,第2ネジ孔係合面217、及び第1ネジ孔係合面226、第2ネジ孔係合面227に係合する
後述の第1係合部27の第1係合凸部274、276
及び第2係合凸部275,27
7は、シール部材6の中心軸Y(流路4hの中心軸でもある)よりも上部に位置する部分まで挿入される。その位置はシール部材6の環状溝11aの全周の3/4に達する。そのため、シール部材6の環状溝11aの全周に対しほぼ均等に圧入荷重(引き寄せ荷重)を行き渡らせることができる。
【0065】
<クランプの構成>
図3は第1実施形態に係る
図1に示す流体制御機器マニホールドのBB断面図である
。図13は第1実施形態に係る
図12に示す組立手順(第4工程)のFF断面の分解図である。
図3に示すクランプ60は、第1ボディ2の第1接続部4と第2ボディ3の第2接続部5がシール部材6に圧入された状態を保持する部材である。
【0066】
図13に示すように、クランプ60は、第1クランプ部材61及び第2クランプ部材62で構成されている。
【0067】
保持部611には、扇状の第1保持溝612が形成されている。また、第1保持溝612の保持側面617は平面形状であり、シール部材6の圧入が完了した接続部
4の第1接続部保持面4fを保持する際、第1接続部保持面4fに対して平行な位置関係になる。
【0068】
また、第1クランプ部材61と同様に第2クランプ部材62の内側にも扇状の第2保持溝622と保持側面627が形成されている。第1クランプ部材61と第2クランプ部材62を嵌合させることで、第1保持溝612及び第2保持溝622によりシール部材6の圧入が完了した接続部
4,5を覆い保持することができる保持溝610が形成される。
【0069】
第1保持溝612及び第2保持溝622により形成される保持溝610の径は、接続部4の径よりも僅かに大きい。そのため、
図3に示すように、保持溝610により接続部を保持した時、保持溝610と接続部4との間に隙間Xが形成される。
【0070】
また、第1保持溝612は、
図3に示すように、接続部
4,5の全周の1/2を超える部分と係合するように形成されている。本実施形態においては具体的に2/3を超える部分と係合するように形成されている。それにより、第1クランプ部材61のみで接続部の仮保持を行いながら第2クランプ部材62を装着できるため作業性が良い。また第1クランプ部材61の構造強度を増加させることができ、クランプ60の破損を防ぐことができる。また、上から覆う側の第1クランプ部材61の係合面積を大きくすることにより、外部からの衝撃等があった場合でも外れにくくすることができる。
【0071】
本実施形態においては
、第1保持溝612は接続部4,5の全周の2/3を超える部分と係合するようにしたが、1/2を超える部分と係合することができれば、2/3を超える部分と係合している場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0072】
また、
図13に示すように保持部611の両端部には、第2クランプ部材62の嵌合凸部623と嵌合する嵌合凹部613が形成されている。嵌合凸部623と嵌合凹部613が嵌合することにより、第1クランプ部材61と第2クランプ部材62は接続部
4,5を覆い保持した状態とすることができる。
【0073】
図13に示すように、第1クランプ部材61は、接続部を保持する保持部611の他に固定板80に固定するための取付部614を有する。
【0074】
取付部614には、固定板80と当接する当接面616と、固定板に固定するためのネジ孔615が形成されている。取付部614は、略直方体形状のブロックであり、保持部611の一端部に対して垂直方向に形成されている。
図3に示すように、第1クランプ部材61は第2クランプ部材62を装着した状態で、ネジ孔615へ固定ネジ85を挿入し固定板80に固定される。したがって、第2クランプ部材62は、第1クランプ部材61と第1ボディ2と第2ボディ3と固定板80とに囲われるため、外力により誤って第1クランプ部材61から外れることが防げる。
【0075】
<接続用工具の構成>
図16は第1実施形態に係る接続用工具の正面図である。
図17は第1実施形態に係る接続用工具の
左側面図である。
図18は第1実施形態に係る第1係合部の正面図である。
図19は第1実施形態に係る第1係合部の右側面図である。
図20は第1実施形態に係る第1係合部の上面図である。
図21は第1実施形態に係る第1係合部の外観斜視図である。
図27は第1実施形態に係る接続用工具の下面図である。
図28は第1実施形態に係る
図27に示す接続用工具のHH断面図である。
図29は第1実施形態に係る
図28に示す接続用工具のFF断面図である。
【0076】
図16に示すように、接続用工具40は、第1係合部材7、第2係合部材8及びカム部材9を有する。接続用工具40は、第1ボディ2と、第2ボディ3をシール部材6に圧入するための工具である。接続用工具40は、力を伝達する際の変形を防ぐため、剛性がある金属(ステンレス等)を材質とする。
【0077】
図16、28に示す、カム部材9は、レバー部を有し、揺動軸90と連結部材55を介して固定シャフト10と、固定ネジにより第1係合部材7に固定されている。カム部材9は、揺動軸90を軸に回転するカム機構を構成する。
図28及び
図29に示すように、カム部材9と第1係合部材7の間には、固定シャフト10
に対して第2係合部材8を軸方向にスライド移動させる円筒形状の軸受81を介して、第2係合部材8が配置されている。
【0078】
さらに、第2係合部材8に固定された円筒ピン52が、第1係合部材7に固定された軸受78の軸受面78Aにガイドされているため、第1係合部材7に対し第2係合部材8は回転すること無く移動できる。第2係合部材8はスプリング10Aによりカム部材9側に押付けられている。
図27に示すように、カム部材9を破線で示す位置にまで移動させると、第2係合部材8は、第1係合部材7側に近づくようにスライド移動する。
【0079】
(第1係合部材)
第1係合部材7は、
図16に示すように、第1係合部27は、固定部73と第1固定部材77とに挟み込まれることで固定され、構成されている。
【0080】
第1固定部材77は、
図16に示すように、断面L形状であって第1係合部27と当接する当接部772が形成されている。
【0081】
図18乃至
図21に示すように、第1係合部27は、固定部73と第1固定部材77とに挟み込まれる第1取付部279と、第1基板部271と、第1係合ブロック272と、第2係合ブロック273を有する。第1基板部271と第1係合ブロック272、第2係合ブロック273は一体削り出し加工により形成される。第1基板部271と第1取付部279間は、引き寄せ方向とは垂直の溝271Dとボス279Aを係合させ荷重を受け、ボルトで固定している。このときボルトへ引き寄せ方向の荷重は掛からない。
【0082】
図21に示すように、第1係合ブロック272は、第1機能部21の第1ネジ孔214と係合する第1係合凸部274及び第2ネジ孔215と係合する第2係合凸部275が形成されている。
【0083】
さらに、第1係合ブロック272には、
図5に示す流路壁213に対応する円筒凹み形状の第1流路係合部272Aが形成されている。
【0084】
また、
図21に示すように、第1係合ブロック272の中心には、流路4hとは直交する方向に円筒凹み形状の第1ボトム係合部272Bが形成されている。
【0085】
以上により第1ボディ2の第1機能部21の
凹部は第1係合ブロック272の
凸部形状と合致し、互の広い範囲において係合面が形成される。
【0086】
具体的には、
図19に示すように第1係合凸部274は、シール部材6の中心軸Y(流路4hの中心軸でもある)よりも上部に挿入され係合し、押圧力を伝えることができる。
【0087】
なお、第2係合ブロック273の形状は、第1係合ブロック272の形状と同一であるため、詳細な説明を割愛する。また、同一の作用効果を奏する。
【0088】
さらに、第1係合部材7には、脱落防止板271Cが設けられている。脱落防止板271Cと第1基板部271により第1ボディ2を挟み込みボルト271Bによりボルト取付け孔271Aにねじ込み固定することにより、圧入作業中に第1ボディ2が外れたり、係りが浅かったりすることを防ぐことができる。
【0089】
(第2係合部材)
また、第2係合部材8の形状は第1係合部材7の形状と大きな違いがない。そのため、詳細な説明を割愛する。また、同一の作用効果を奏する。
【0090】
これにより第1係合部材
7と第2係合部材
8の各係合凸部はシール部材6の中心軸Y(流路4hの中心軸でもある)よりも
第1ボディ2の上部に挿入され係合し、その位置はシール部材6の環状溝11aの全周の3/4に達するため、シール部材6の環状溝11aに対してほぼ全周を均一に押圧することができる。
【0091】
<接続用工具の取り扱い方法>
第1ボディ2と第2ボディ3の間にシール部材6を仮挿入させ、第1係合部材7の第1係合ブロック272と第2係合ブロック273を、第1ボディ2の第1機能部21と第2機能部22の第1ボトム218側から挿入し係合させ、第2係合部材8を同様に第2ボディ3と係合させ、(第1と同一のため割
愛)カム部材9は、レバー部を揺動軸90を軸に回転させることにより、第1ボディ2と第2ボディ3は引き寄せられ、シール部材6を圧入することができる。
【0092】
また、カム部材9を用いたカム機構を用いることによりレバー部の角度により、第1係合部材7と第2係合部材8の間の微妙な位置調整を行うことができる。したがって、第1ボディ2と第2ボディ
3とシール部材6に対し、必要以上の力を加えることなく、破壊させることなく圧入作業をすることができる。
【0093】
また、接続用工具40は、カム部材9を用いたカム機構を用いることにより、回転運動を直進変位に変換及び増力することができる。そのため、レバー部へ小さな力を加えるだけで大きな圧入力を発生させることができる。
【0094】
また、接続用工具40は、カム部材9の位置を
図27の実線で示すアンクランプ位置から
図27の破線で示すクランプ位置に変更するワンアクションで操作することができる。そのため作業は短時間となり作業性を向上させることができる。
【0095】
<流体制御機器マニホールドの組立工程>
次に、流体制御機器マニホールド1のマニホールド組立工程を示す。マニホールド組立工程は、以下の5つの工程により行われる。
【0096】
図8乃至
図12に第1実施形態に係るマニホールド組立工程(1)〜(5)の断面図を示す。なお、
図10乃至
図12には、説明がし易いように接続用工具40のうち第1係合部材7及び第2係合部材8の一部のみを示す。
【0097】
(1)第1工程は、第1ボディ2と第2ボディ3をシール部材6に手作業で仮挿入する工程である。
【0098】
図8は第1実施形態に係る
図10に示す第1ボディ
2とシール部材
6の組立手順(第1工程)を示す図である。
図9は第1実施形態に係る
図10に示す第2ボディ
3とシール部材
6の組立手順(第1工程)を示す図である。
図8に示すように、第1接続部4にシール部材6を挿入する。このとき第1接続部4の環状突起4bをシール部材のガイド部11eと係合させ、第1接続部4の凸部4gとシール部材6の引掛部12aを係合させる。続いて
図9に示すように第2接続部5とシール部材6を同様に係合させる。
【0099】
(2)第2工程は、接続用工具40を第1ボディ2と第2ボディ3に装着する工程である。
【0100】
図10に示すように、第1機能部21の第1ネジ孔214に第1係合ブロック272の第1係合凸部274を挿入し、第2ネジ孔215に第2係合凸部275を挿入する。また、第2機能部22の第1ネジ孔224に第2係合ブロック273の第1係合凸部276を挿入し、第2ネジ孔225に第2係合凸部277を挿入する。
【0101】
同様に、第1機能部31の第1ネジ孔314に第1係合ブロック282の第1係合凸部284を挿入し、第2ネジ孔315に第2係合凸部285を挿入する。また、第2機能部32の第1ネジ孔324に第2係合ブロック283の第1係合凸部286を挿入し、第2ネジ孔325に第2係合凸部287を挿入する。
【0102】
図10に示すように、接続用工具40の第1係合ブロック272及び第2係合ブロック273は
、第1ボディ2及び第2ボディ3に対して、シール部材6の中心軸Y(流路4hの中心軸でもある)よりも深く入り込むことができる。具体的には
図10、
図19に示すように、第1、第2係合凸部274、275,276、277、284,285,286,287は、シール部材6の中心軸Y(流路4hの中心軸でもある)よりも上部に位置する部分まで挿入される。その位置はシール部材6の環状溝11aの全周の3/4に達する。
【0103】
(3)第3工程は、接続用工具40により第1ボディ2と第2ボディ3の接続部4,5
をシール部材6に圧入する工程である。
【0104】
カム部材9を
図16及び
図17に示す位置から180度移動させる。それにより、第2係合部材8はカム部材9に押圧され第1係合部材7側へと移動する。そのため、第2係合部材8は固定シャフト10を軸に、第1係合部材7側に摺動移動し、第1係合部材7に近付く。
【0105】
第1係合部材7と第2係合部材8を引き寄せることにより、第1ボディ2、第2ボディ3が近付く。それにより、第1係合部材7及び第2係合部材8は、
図10に示す状態から
図11に示す状態に移動し、第1ボディ2の第1接続部4と第2ボディ3の第2接続部5がシール部材6に圧入される。
【0106】
図10に示すように、接続用工具40の第1係合ブロック272及び第2係合ブロック273はシール部材6の中心軸Yよりも深く入り込むことができる。また
図19に示すように、第1係合凸部274は、シール部材6の中心軸Yよりも上部に位置する部分まで挿入される。その他第1係合凸部276、第2係合凸部275,277等も同様に奥まで挿入される。そのため、シール部材6の圧入部である環状溝11a,11bの全周の約3/4を第1係合ブロック272及び第2係合ブロック273の係合面同士が向き合う範囲に含めることができ、シール部材6の環状溝11a,11bに対してほぼ全周を均一に押圧することができる。したがって、シール部材6が傾いて圧入されることを防止することができ、シールを確実にすることができる。
【0107】
また、全周の約3/4と係合するため、第1係合部材7と第2係合部材8の引寄せ荷重を確実に伝えることができる。
【0108】
また、全周の約3/4と係合していることにより、第1接続部4及び第2接続部5の中心軸がずれることがない。そのため、第1接続部4と第2接続部5の中心軸をずらすことなく、接続部4、5の内側面の全周にわたって常に均一に力を加えることができる。
【0109】
また、全周の約3/4と係合していることにより、ほぼ全周に均一に力を加えることができる。それにより、第1ボディ2及び第2ボディ3を引き寄せる際に、
接続部の平行を保って引き寄せることができ、シール部材6の環状溝11a,11bの全周に均一な力を加えることができる。それにより確実に圧入シールさせることができる。
【0110】
また、第1係合部材7及び第2係合部材8は固定シャフト10を軸として移動するため安定した平行移動が可能となる。安定した平行移動が可能なことにより、第1係合部材7と第2係合部材8は平行に引寄せられ、シール部材6の環状溝11a,11bの全周にわたって均一に力を加えることができる。
【0111】
また、接続部4、5の内側面の全周にわたって均一に力を加えることができることにより、結果として、接続部4、5に形成された環状突起
4b、5b(図14参照)をシール部材
6の環状溝
11a、11bの圧入代
11c、11dに圧入するだけの必要な力を加えることができる。
【0112】
また、第1係合部材7は第1係合凸部274、276、第2係合凸部275、277を有し、第1ボディ2のうち8か所の係合孔
(ネジ孔)と係合することができる。同様に、第2係合部材8は、第1係合凸部284、286、第2係合凸
部285
、287を有し、第2ボディ3のうち8か所の係合孔
(ネジ孔)と係合することができる。
【0113】
そのため、係合部面積が広がり係合部に生じる応力や歪を小さく抑えることができる。また作業中に、第1係合部材7が第1ボディ2から、第2係合部材8が第2ボディ3から外れることはなく確実に作業することができる。
【0114】
(4)第4工程は、クランプ60を第1接続部4及び第2接続部5にクランプ60を被せ、
図13に示すように、第1ボディ2と第2ボディ3をシール部材6に圧入した状態でクランプ60を被せる。具体的には、
図13の上方向から第1クランプ部材61を被せ、その状態で
図13の下方向から第2クランプ部材62を第1クランプ部材61に嵌合させる。
図3に示すように保持部611の両端部には、第2クランプ部材62の嵌合凸部623と嵌合する嵌合凹部613が形成されている。
図11の状態にクランプ60を被せると
図12に示す状態となる。
【0115】
その後、接続用工具40を第1ボディ2及び第2ボディ3から取り外すことにより第4工程を終了する。
【0116】
以上の工程により、第1ボディ2と第2ボディ3の接続工程は終了する。
【0117】
(5)第5工程は、接続部をクランプ後、
図1、
図2に示すように、第1ボディ2及び第2ボディ3に流体制御に必要な弁体及び駆動部2Nやボトムプレート2M等を組み付ける工程である。
【0118】
図1及び
図2に示すように、第1ボディ2と第2ボディ3を組付後に必要な部品を取り付けることで、組付後の際に外面に現れない係合面を組立時に利用することができる。例えば、第1ネジ孔214、224、及び第2ネジ孔215、225等は、第1機能部21及び第2機能部22を固定するためのネジを差し込むネジ孔として使用される。組付後にネジを差し込む等の組付を行うことで、組付時には第1ネジ孔214、224、及び第2ネジ孔215、225を使用することができる。
【0119】
以上の工程により、流体制御機器マニホールドの組立工程は終了する。
【0120】
<流体制御機器マニホールドの固定>
本発明による流体制御機器マニホールドが、固定ネジ85により固定板80に固定された状態を説明する。
【0121】
図1に示すように、流体制御機器マニホールド1は、固定ネジ85により、固定板80に固定することができる。
【0122】
図14は第1実施形態に係る流体制御機器マニホールドが固定板に固定された状態の接続部の断面図である。
図14に示すように、保持部611の内側には、接続部を保持した時に保持溝610と接続部の間に隙間Xが形成される。隙間Xは複数のボディ2A1、2A2、2A3を接続する際に、固定板80と接続部とクランプ60との間の距離のバラツキを吸収することに使われる。
【0123】
すなわち、クランプ60を固定板80に固定した場合、ボディ2A1、2A2、2A3に大きさや接続部の位置やクランプ60の寸法でバラツキがあったとしても、そのバラツキを吸収し、流体制御機器マニホールド1の接続部及び本体部に不要な外力を加えることがなく、シール不良や破損を防ぐことができる。
【0124】
<変形例>
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で色々な応用が可能である。
【0125】
例えば、マニホールド組立方法において、その他の構成部材は、係合面を覆うことがないものであればシール部材を圧入状態にする前に組付けることもできる。また、その他の構成部材の組み付けを
マニホールドを固定板に固定する前とすることもできるし、固定後とすることもできる。
【0126】
例えば、ボディにおいて、弁座を持たない場合もあり、その場合は同じ流体制御機能のための同じ構造とすることもできる。
【0127】
例えば、第1クランプ部材61への第2クランプ部材62の固定をネジ締めで行うこともできる。
【0128】
例えば
、ボディにおいて、弁座を持たない場合もあり、その場合は同じ流体制御機能のための同じ構造の間の区切壁面とすることもできる。
【0129】
例えば、シール部材の中心軸に対し概垂直な係合面の範囲は、シール部材の中心軸に対し、上下と左右の両方に配置されていても良い。
【0130】
例えば、係合面は肉盗みに限らず、機能上の理由で設けられた面であっても良い。
【0131】
例えば、ネジ孔に設けられた係合面は、各ボディのネジ1箇所でも良い。または2箇所でも良い。または全てでも良い。または、区切り壁面を跨いだネジ孔でも良い。
【0132】
例えば、係合面は複数であっても良い。また、曲面であっても良い。
【0133】
例えば、実施例では第1ボディと第2ボディは
、各ボディを構成する機能部の連
結数を除いてほぼ同じ構造としているが、どちらか片側のボディは従来技術である取付溝を有し、接続工具においても片側の係合部は従来の取付溝形状であっても良い。これにより片側のボディの取付溝スペースを設ける必要がなくなり。コンパクトにできる。
【0134】
例えば、接続用工具の脱落防止板271Cは、板状でなくても良い。ボルトの頭部のみを係合わせたり、固定はスナップフィット爪でも良い。また、ボディと係合部材を十分に係合できれば、脱落防止板がなくても良い。また、脱落防止板271Cは、第1基板部271と同じように、板状部に係合ブロック部を一体で形成してボディの弁室側の形状と係合させることもできる。
【0135】
例えば、
図22は変形例に係る第1係合部の
上面図である。
図22に示すように、第1係合ブロック472の第1係合凸部474、第2係合凸部475、第2係合ブロック473の第1係合凸部476の3列の係合凸部とすることができる。
【0136】
例えばさらに、図示しないが第2係合凸部475を無くし、第1係合凸部474と第1係合凸部476とすることもできる。
【0137】
例えば、第2係合凸部475は、係合面と係合し直接押圧する面ではなく、ガイド機能のみ持つ部分とすることもできる。第1係合凸部474及び第1係合凸部476は、外周壁面と区切壁面と係合する部分であり、最も押圧力を与える部分であるため、当該部分のみを形成することによっても同様の効果を得ることができるからである。
【0138】
[第2実施形態]
第2実施形態における流体制御機器マニホールド50を
図30乃至
図38を用いて説明する。
図30に、流体制御機器マニホールド50の正面図を示す。
図31は、
図30に示す流体制御機器マニホールド50のHH断面図を示す。
図32に、流体制御機器マニホールド50(壁面取付時)の外観正面斜視図を示す。
図33に、流体制御機器マニホールド50(壁面取付時)の外観背面斜視図を示す。
図34に、流体制御機器マニホールド50(床面取付時)の外観正面斜視図を示す。
図35に、流体制御機器マニホールド50(床面取付時)の外観背面斜視図を示す。
図36に、
図30に示す流体制御機器マニホールド50のII断面図を示す。
図37に、
図30に示す流体制御機器マニホールド(2)のII断面図を示す。
図38に、従来技術にかかる流体制御マニホールドの断面図を示す。
図38は、
図30に示す流体制御機器マニホールドのII断面に対応する。
【0139】
<流体制御機器マニホールドの全体構成>
第2実施形態における流体制御機器マニホールド50のうち第1実施形態と同様である部分は詳細な説明を割愛する。なお、第1実施形態における流体制御機器マニホールド1は第2実施形態においては流体制御機器マニホールド50とする。その他、第2実施形態における流体制御機器マニホールド50に係る部材等のうち第1実施形態の流体制御機器マニホールド1と同様の部材については第1実施形態で説明した符号をそのまま用いることで説明を割愛する。
【0140】
図33に示すように、略直方体形状の本体部30の壁面取付側の周壁304Dには複数の回転止凸部3Xが設けられている。回転止凸部3Xの固定板接地面3XAは、クランプ70の接地面714A、718Aと水平平面位置に形成されている。回転止凸部3Xが形成されていることにより、壁面取付時に本体部30とクランプ70をほぼ平面にして本体部30と壁面の隙間を埋めることができる。すなわち、本体部30の周壁304Dと壁面の間には隙間があるため回転止凸部3Xを設けることで回転止凸部3Xの固定板接地面3XAとクランプ70の接地面714A、718Aと壁面がほぼ同一平面になるため、本体部30の回転等のガタつきを防止することができる。さらに、回転止凸部3Xは、取付壁面との間にわずかに隙間があることが好ましい。これにより、クランプ70により本体部30を固定した際、クランプ70や本体部30に無理な力が加わることを防止することができる。
【0141】
また、回転止凸部3Xが形成されていることで本体部30と壁面との間に隙間がなくなり、本体部30の強度を強くすることができる。すなわち、クランプ70と本体部30の間に大きな隙間がある場合には取付時に本体部30に対して壁面に向かう方向の力が加わると本体部30はたわみ接続部や本体部30に応力が掛かる。回転止凸部3Xが形成されていることで本体部30と壁面の間の隙間がなくなりたわみを防止することができるため接続部や本体部30への応力を低減することができる。
【0142】
図35に示すように、本体部30の床接地面30Aとクランプ70の接地面714A、718Aはほぼ同一平面である。そのため、床接地面30Aには回転止凸部3Xを形成する必要がない。なお、床接地面30Aと接地面714A、718Aの平面が異なる場合には、壁面取付時と同様に回転止凸部3Xを形成することができる。回転止凸部3Xを形成することにより接地面を合わせて本体部30と壁面の隙間を埋めることで回転等のガタつきを防止することができる。さらに、床接地面30Aは、取付壁面との間に僅かに隙間があることが好ましい。
【0143】
図36に示すように、第2ボディ3内には弁室374が形成されており、弁室374に対して第1連通流路371及び第2連通流路372が連通している。弁室374の下面には弁座376が形成されている。また、ダイアフラム弁体373が摺動可能に、弁座376に対して当接離間可能に取り付けられている。また、弁室374の内周側面には壁面部375が形成されている。
【0144】
図36に示すように、第1連通流路371の流路側面371Aは、弁座376とほぼ同じ高さに形成されている。それにより、第1連通流路371から流入した流体は弁座376との接合部により減速することなく第2連通流路372へと流入することができる。
【0145】
具体的には、従来の第2ボディ3Bにおいては、第1連通流路391の流路側面391Aとの間に弁座部396Aが形成されている。そのため、第1連通流路391から流入した流体は弁座部396Aにぶつかる。弁座部396Aが流体の流れを妨害することになるため、第1連通流路391から第2連通流路392への流れが悪くなる。
【0146】
従来の弁座部396Aが形成されたものと、本発明のように流路側面371Aが弁座376とほぼ同じ高さに形成されているものを比較すると、弁座部396Aが形成されていないことにより流体の流れを妨害することがない。
【0147】
さらに、
図37に示す場合、弁室384の壁面部385には弁体383の中心軸に対して径方向に拡径する拡径部387が形成されている。拡径部387は壁面部385を掘削することにより拡径されている。拡径部387が形成されていることにより、弁室384の体積が増加する。体積が増加することにより、弁室384に流入する流体が増加するため、第1連通流路381から第2連通流路382へと流れる流れがさらに良くなる。
【0148】
なお、第2連通流路382から第1連通流路381へと流体を流すことができる。
【0149】
<クランプの構成>
図30に示すクランプ70は、第1ボディ2の第1接続部と第2ボディ3の第2接続部がシール部材に圧入された状態を保持する部材である。
【0150】
図31に示すように、クランプ70は、第1クランプ部材71及び第2クランプ部材72で構成されている。
【0151】
図31に示すように、保持部711には、扇状の第1保持溝712が形成されている。また、第1保持溝712の保持側面717は平面形状であり、シール部材6の圧入が完了した接続部の第1接続部保持面4fを保持する際、第1接続部保持面4fに対して平行な位置関係になる。
【0152】
また、第1クランプ部材71と同様に第2クランプ部材72の内側にも扇状の第2保持溝722と保持側面727が形成されている。第1クランプ部材71と第2クランプ部材72を嵌合させることで、第1保持溝712及び第2保持溝722によりシール部材6の圧入が完了した接続部を覆い保持することができる保持溝710が形成される。
【0153】
第1保持溝712及び第2保持溝722により形成される保持溝710の径は、接続部4の径よりも僅かに大きい。そのため、
図31に示すように、保持溝710により接続部を保持した時、保持溝710と接続部4との間に隙間Xが形成される。
【0154】
また、第1保持溝712は、
図31に示すように、接続部の全周の1/2を超える部分と係合するように形成されている。本実施形態においては具体的に2/3を超える部分と係合するように形成されている。それにより、第1クランプ部材71のみで接続部の仮保持を行いながら第2クランプ部材72を装着できるため作業性が良い。また第1クランプ部材71の構造強度を増加させることができ、クランプ70の破損を防ぐことができる。また、上から覆う側の第1クランプ部材71の係合面積を大きくすることにより、外部からの衝撃等があった場合でも外れにくくすることができる。
【0155】
本実施形態においては
、第1保持溝712は接続部4,5の全周の2/3を超える部分と係合するようにしたが、1/2を超える部分と係合することができれば、2/3を超える部分と係合している場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0156】
また、
図31に示すように保持部711の両端部には、第2クランプ部材72の嵌合凸部723と嵌合する嵌合凹部713が形成されている。嵌合凸部723と嵌合凹部713が嵌合することにより、第1クランプ部材71と第2クランプ部材72は接続部を覆い保持した状態とすることができる。
【0157】
図31に示すように、第1クランプ部材71は、接続部を保持する保持部711の他に固定板80に固定するための第1取付部714及び第2取付部718を両側に有する。
【0158】
第1取付部714には、固定板80と当接する接地面714Aと、固定板に固定するためのネジ孔715が形成されている。第1取付部714は、略直方体形状のブロックであり、保持部711の一端部に対して垂直方向に形成されている。また、同様に第2取付部718には、固定板80と当接する接地面718Aと、固定板に固定するためのネジ孔719が形成されている。第2取付部718は、略直方体形状のブロックであり、保持部711の一端部に対して垂直方向に形成されている。
【0159】
図31に示すように、第1クランプ部材71は第2クランプ部材72を装着した状態で、ネジ孔715及びネジ孔719へ固定ネジ85を挿入し固定板80に固定される。したがって、第2クランプ部材72は、第1クランプ部材71と第1ボディ2と第2ボディ3と固定板80とに囲われるため、外力により誤って第1クランプ部材71から外れることが防げる。
【0160】
さらに、第2実施形態においては、固定板80に対して第1取付部714及び第2取付部718の2箇所を用いて固定することができる。第1実施形態においては、取付部が一方にのみ形成されていた。一方のみ取付部が形成されている場合、他方はフリーな状態となっている。作業者はフリーな状態となっていると手で触りたくなる習性があることを本出願人は確認している。固定板80に対して第1取付部714及び第2取付部718の2箇所を用いて固定されているため作業者が手で触り第1クランプ部材71が外れる等の問題を防止することができる。
【0161】
また、固定板80に対して第1取付部714及び第2取付部718の2箇所を用いて固定されているため、第1取付部714側及び第2取付部718側からの押圧力を受けた場合であっても外れることがない。