(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である広告効果測定システム1のシステム構成を表す図である。広告効果測定システム1は、電子書籍閲覧端末100及び広告効果測定装置200を備える。電子書籍閲覧端末100と広告効果測定装置200とは、ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。
【0013】
電子書籍閲覧端末100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。電子書籍閲覧端末100は、電子書籍閲覧プログラムを実行することによって、入力部101、書籍データ記憶部102、表示部103、表示制御部104、履歴記録部105、操作履歴記憶部106、通信部107を備える装置として機能する。なお、電子書籍閲覧端末100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。電子書籍閲覧プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、電子書籍閲覧プログラムは電気通信回線を介して伝送されても良い。
【0014】
入力部101は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部101は、ユーザが電子書籍閲覧端末100を操作するための機能をユーザに提供する。
書籍データ記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。書籍データ記憶部102は、電子書籍のデータを記憶する。
【0015】
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動方式ディスプレイ(電子ペーパー)等の画像表示装置を用いて構成され、電子書籍のデータなどを表示する。電子書籍のデータには、書籍の中の各ページのデータが含まれている。また、広告のページに関しては、広告に含まれる1以上の広告コンテンツのデータが含まれている。広告コンテンツとは、一つの広告のページで操作可能なコンテンツを表す。広告コンテンツの具体例としては、写真の画像、検索画面、アンケートに回答するための画面などがある。
【0016】
表示制御部104は、入力部101を介して入力されたユーザの操作内容を解析し、表示部103の表示を制御する。例えば、次ページ表示の操作が入力された場合には、表示制御部104は現在表示されている電子書籍の次のページのデータを書籍データ記憶部102から読み出す。そして、表示制御部104は、読み出したデータを表示部103に表示させる。例えば、電子書籍を変更する操作が入力された場合には、表示制御部104は変更後の電子書籍のトップページのデータを書籍データ記憶部102から読み出す。そして、表示制御部104は、読み出したデータを表示部103に表示させる。
【0017】
また、表示制御部104は、表示するページのデータとして、広告を表示することを指示する情報(以下、「広告表示指示」という。)が記録されている場合には、広告表示指示に従って所定の広告サーバにアクセスする。表示制御部104は、そのページに表示すべき広告のデータを広告サーバから受信し、自装置の記憶装置に記録する。以下の説明では、表示制御部104は受信した広告のデータを書籍データ記憶部102に記録する。ただし、表示制御部104が受信した広告のデータを記録する記録先は、書籍データ記憶部102に限定される必要は無い。表示制御部104が広告サーバから受信するデータには、広告コンテンツのデータ、広告メタデータ、広告IDなどが含まれている。
また、表示制御部104は、入力部101を介して入力されたユーザの操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0018】
履歴記録部105は、表示制御部104から出力されたユーザの操作内容に基づいて、操作履歴レコードを生成する。そして、履歴記録部105は、生成した操作履歴レコードを、操作履歴記憶部106に記録する。
操作履歴記憶部106は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。操作履歴記憶部106は、操作履歴テーブルを記憶する。操作履歴テーブルは、複数の操作履歴レコードを有するテーブルである。
【0019】
通信部107は、ネットワークを介してデータの送受信を行う。例えば、通信部107は、操作履歴記憶部106に記録されている操作履歴を所定のタイミングで広告効果測定部200に送信する。所定のタイミングとは、例えば表示制御部104の動作が終了した時点(電子書籍閲覧アプリケーションが終了した時点)である。
【0020】
図2は、電子書籍閲覧端末100の表示部103における表示の具体例を示す図である。表示部103には、電子書籍IDが“mg_001”である電子書籍のデータに含まれている広告が表示されている。この広告は、広告IDが“ad_101”という広告であり、広告の対象となっている商品は自動車である。一つの広告には一つの広告IDが付与される。広告IDは他の広告と重複しないため、広告IDによって広告を識別可能である。一つの広告には一以上の広告コンテンツが含まれている。各広告コンテンツを表示するためのボタン20(20−1〜20−7)が表示部103に表示されている。入力部101がタッチパネルで構成されている場合には、表示部103に表示されているボタン20にユーザが指で触れることによって、そのボタン20に応じた広告コンテンツが表示部103に表示される。
【0021】
「写真」と記載されたボタン20−1がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−1に対応付けられている自動車の写真の画像データを書籍データ記憶部102から読み出す。そして、表示制御部104は、読み出した写真の画像データを表示部103に表示させる。
図2は、このような処理が行われた電子書籍閲覧端末100の状態を示している。表示制御部104は、「写真」のボタン20−1が操作された場合に、この操作内容を履歴記録部105に出力する。また、表示制御部104は、広告ad_101のページに移行する操作(例えば、広告が表示される一つ前のページでの次ページ表示の操作)がなされた場合に、この操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0022】
「360°回転」と記載されたボタン20−2がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−2に対応付けられている回転表示可能な画像データを書籍データ記憶部102から読み出す。この画像データは、自動車の外観を自由な視点で表示させることができる画像フォーマットで構成されたデータである。そして、表示制御部104は、読み出した画像データを表示部103に表示させる。表示制御部104は、「360°回転」のボタン20−2が操作された場合に、この操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0023】
「スペック表示」と記載されたボタン20−3がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−3に対応付けられているスペック表示データを書籍データ記憶部102から読み出す。スペック表示データは、自動車のスペックを表示するための画面を表すデータであり、例えば画像データであっても良いし、HTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語で記載されたテキストデータであっても良い。表示制御部104は、「スペック表示」のボタン20−3が操作された場合に、この操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0024】
「オプション検索」と記載されたボタン20−4がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−4に対応付けられているオプション検索用データを書籍データ記憶部102から読み出す。オプション検索用データは、広告の対象となっている自動車に取り付け可能なオプション機器を検索するための操作画面を表示部103に表示させるデータである。また、オプション検索用データは、検索条件に応じた検索結果のテーブルを含んでいる。表示制御部104は、検索条件の入力の後に検索実行のボタンが操作されると、入力された検索条件に応じた検索結果(オプションの情報)をオプション検索用データから取得し、検索結果を表示部103に表示させる。表示制御部104は、「オプション検索」のボタン20−4が操作された場合や、検索実行のボタンが操作された場合などに、これらの操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0025】
「ローンシミュレーション」と記載されたボタン20−5がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−5に対応付けられているローンシミュレーション用データを書籍データ記憶部102から読み出す。ローンシミュレーション用データは、広告の対象となっている自動車を購入するための自動車ローンをシミュレーションするための操作画面を表示部103に表示させるデータである。また、ローンシミュレーション用データは、ローン条件に応じたシミュレーション結果のテーブルを含んでいる。表示制御部104は、ローン条件の入力の後にシミュレーション実行のボタンが操作されると、入力されたローン条件に応じたシミュレーション結果をローンシミュレーション用データから取得し、シミュレーション結果を表示部103に表示させる。表示制御部104は、「ローンシミュレーション」のボタン20−5が操作された場合や、シミュレーション実行のボタンが操作された場合などに、これらの操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0026】
「販売店検索」と記載されたボタン20−6がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−6に対応付けられている販売店検索用データを書籍データ記憶部102から読み出す。販売店検索用データは、広告の対象となっている自動車を取り扱っている販売店を検索するための操作画面を表示部103に表示させるデータである。また、販売店検索用データは、検索条件に応じた検索結果のテーブルを含んでいる。表示制御部104は、検索条件の入力の後に検索実行のボタンが操作されると、入力された検索条件に応じた検索結果(販売店の情報)を販売店検索用データから取得し、検索結果を表示部103に表示させる。表示制御部104は、「販売店検索」のボタン20−5が操作された場合や、検索実行のボタンが操作された場合などに、これらの操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0027】
「試乗予約」と記載されたボタン20−7がユーザによって操作されると、表示制御部104は、予めそのボタン20−7に対応付けられている試乗予約用データを書籍データ記憶部102から読み出す。試乗予約用データは、広告の対象となっている自動車への試乗の予約を行うための操作画面を表示部103に表示させるデータである。また、試乗予約用データは、試乗予約のメールの宛先のメールアドレスを含んでいる。表示制御部104は、試乗予約に必要な情報(ユーザの氏名や住所など)の入力の後に試乗予約実行のボタンが操作されると、入力された情報を本文に含んだメールを、試乗予約用データに含まれるメールアドレス宛に送信する。表示制御部104は、「試乗予約」のボタン20−7が操作された場合や、試乗予約実行のボタンが操作された場合などに、これらの操作内容を履歴記録部105に出力する。
【0028】
図3は、電子書籍閲覧端末100における表示の遷移の例を示す図である。電子書籍IDが“mg_001”である電子書籍では、第22ページのデータとして、広告を表示することを指示する情報(広告表示指示)が記録されている。表示部103に第20ページが表示されている場合に、ユーザが次ページ表示の操作を行うと、表示制御部104は次ページ(第21ページ)のデータを表示させる。
【0029】
さらにユーザが次ページ表示の操作を行うと、表示制御部104は、第22ページのデータに記載されている広告表示指示を読み出す。表示制御部104は、広告表示指示に従って所定の広告サーバにアクセスする。表示制御部104は、第22ページのデータとして表示すべき広告のデータを、広告サーバから受信する。
図3の場合、表示制御部104は、表示すべき広告のデータとして広告ID“ad_101”の広告コンテンツのデータを受信し、トップページとして指定されている広告コンテンツを表示部103に表示させる。
図3の例では、トップに指定されている広告コンテンツのデータは自動車の写真の画像データである。ユーザが「360°回転」のボタン20−2、「スペック表示」のボタン20−3、「試乗予約」のボタン20−7、「写真」のボタン20−1を順に操作すると、
図3に示される矢印及び番号に沿った流れで各広告コンテンツが表示部103に表示される。その後、ユーザが次ページ表示の操作を行うと、表示制御部104は次ページ(第23ページ)のデータを表示させる。
【0030】
図4は、電子書籍閲覧端末100の操作履歴記憶部105に記録される履歴テーブルの具体例を示す図である。履歴テーブルは複数のレコード30(30−1〜30−12)を有する。履歴テーブルの各レコード30は、端末ID、操作日時、電子書籍ID、頁番号、広告ID、操作IDの各値を持つ。
【0031】
端末IDは、操作された電子書籍閲覧端末100に付与されているIDを表す。操作日時は、操作が行われた日時を表す。電子書籍IDは、操作時に表示されていた電子書籍のIDを表す。なお、電子書籍が雑誌である場合には、電子書籍IDに代えて雑誌IDがレコード30に記録されても良い。頁番号は、操作が行われた際に表示されていたページ番号を表す。広告IDは、操作が行われた際に表示されていた広告のIDを表す。なお、操作が行われた際に表示されていた広告が無い場合(すなわち広告以外のページが表示されていた場合)には、そのレコード30には広告IDの値が記録されない。操作IDは、操作の内容を表すIDである。操作IDは、例えば、上述した各ボタン20や試乗予約実行のボタンや検索実行のボタン等に対応付けられたIDである。各ボタンが操作された際に、そのボタンに対応付けられている操作IDがレコード30に記録される。
【0032】
履歴テーブルに記録されている各レコード30は、操作日時の順に時系列に並んでいる。そのため、あるレコード30と次のレコード30との操作日時の差は、原則としてあるレコード30の操作がなされてから次のレコード30の操作がなされるまでの時間を表す。この時間は、あるレコード30の操作がなされて表示される広告コンテンツが表示されていた時間(広告コンテンツにユーザが滞在していた時間)の推定値として取り扱うことができる。
【0033】
電子書籍ID及び頁番号は、書籍データに埋め込まれたメタデータに記録されている。書籍データは、ページ毎にメタデータを有している。各メタデータには頁番号が記されている。また、広告のデータに含まれる広告メタデータには、広告IDや各広告コンテンツにおける操作に対応する操作IDが記されている。
【0034】
広告効果測定装置200は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備える。広告効果測定装置200は、広告効果測定プログラムを実行することによって、通信部201、操作履歴記憶部202、操作回数取得部203、操作回数記憶部204、CVD(Conversion Depth)記憶部205、測定部206、レポート作成部207を備える装置として機能する。なお、広告効果測定装置200の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。広告効果測定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、広告効果測定プログラムは電気通信回線を介して伝送されても良い。
【0035】
通信部201は、ネットワークを介してデータの送受信を行う。例えば、通信部201は、電子書籍閲覧端末100から操作履歴を受信し、受信した操作履歴を操作履歴記憶部202に書き込む。
操作履歴記憶部202は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。操作履歴記憶部202は、通信部201によって受信された操作履歴を記憶する。操作履歴記憶部202は、複数の電子書籍閲覧端末100の操作履歴を記憶しても良い。
【0036】
図5は、広告効果測定装置200の操作履歴記憶部202に記録される履歴テーブルの具体例を示す図である。履歴テーブルは複数のレコード40(40−1〜40−8)を有する。履歴テーブルの各レコード40は、電子書籍閲覧端末100の操作履歴記憶部105に記録されている各レコード30と同じ構成である。操作履歴記憶部202は、端末ID毎に履歴テーブルを記憶しても良い。操作履歴記憶部202は、端末ID及び電子書籍ID毎に履歴テーブルを記憶しても良い。
【0037】
操作回数取得部203は、操作履歴記憶部202に記憶されている操作履歴を参照し、広告コンテンツに関する各操作の回数を取得する。操作回数取得部203が参照する操作履歴は、操作履歴記憶部202に記憶されている全てのレコード40であっても良いし、操作日時が所定の期間に含まれるレコード40のみであっても良い。どのような範囲のレコード40を参照して各操作の回数を取得するかは、広告効果測定装置200の管理者などによって適宜設定される。操作の具体例としては、例えば写真の画像という広告コンテンツを表示させる操作や、販売店の検索画面というコンテンツを表示させる操作や、アンケートに回答するための画面というコンテンツにおいて回答結果を集計サーバに送信する操作などがある。操作回数取得部203は、操作毎の回数を取得すると、取得結果を操作回数記憶部204に記録する。操作回数取得部203は、端末IDや電子書籍IDに関わらず、全ての端末ID及び電子書籍IDに関する操作履歴の累積値として操作回数を取得しても良い。
【0038】
操作回数取得部203は、同一の広告ページが開かれている間に複数回同じ操作が行われた場合には、それらをまとめて1回としてカウントしても良い。操作回数取得部203は、例えば操作履歴記憶部202が記憶する操作履歴テーブルにおいて、端末ID毎に時系列にレコード40が並べられている状態において、同じ頁番号が連続している複数のレコード40を同一のページが開かれている間に行われた操作のレコード40として判断する。したがって、操作履歴記憶部202は、同じ頁番号が連続している複数のレコード40において同一の操作IDが複数個検出された場合であっても、まとめて1回として回数をカウントする。
【0039】
図5の例では、レコード40−1及びレコード40−4は、操作IDが同一であるものの、頁番号が連続して“22”のままであるため、操作回数取得部203はまとめて1回とカウントする。一方、
図5の例でレコード40−4及びレコード40−6は、その間に位置するレコード40−5において頁番号が異なっているため、連続して頁番号が同一とはなっていない。そのため、それぞれのレコードにおいて1回ずつ回数がカウントされる。結果として、
図5に示された操作履歴では、操作ID“ct_001”の回数は2回とカウントされる。
【0040】
操作回数記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成され、操作回数テーブルを記憶する。操作回数テーブルは、操作回数取得部203による取得結果を表す。すなわち、操作回数テーブルは、各操作の回数を表すレコードを複数有するテーブルである。
【0041】
図6は、操作回数記憶部204に記録される操作回数テーブルの具体例を示す図である。操作回数テーブルは複数のレコード50(50−1〜50−7)を有する。操作回数テーブルの各レコード50は、広告ID、操作ID、滞在時間、操作回数の各値を持つ。操作回数テーブルのレコード50は、広告ID及び操作IDの組合せ毎に生成される。操作回数取得部203は、操作履歴記憶部202に記録されている全ての端末ID及び全ての電子書籍IDについてのレコード30を参照し、広告ID及び操作IDの組合せ毎にレコード30の数をカウントする。カウント結果の値が、操作回数としてレコード50に記録される。また、操作回数取得部203は、操作IDが示す操作がなされてから次の操作がなされるまでの時間を、操作履歴テーブルに基づいて算出し、その累積値を滞在時間として算出する。操作回数テーブルは、電子書籍閲覧端末100から広告効果測定装置200に操作履歴が届く度に作成されても良いし、広告効果測定装置200において広告効果を測定する際に作成されても良いし、他のタイミングで作成されても良い。
【0042】
CVD記憶部205は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。CVD記憶部205は、各操作とCVDの値とを対応付けたCVDテーブルを予め記憶する。CVDの値は、その操作が行われたことに対する広告効果の評価の値を表す。言い換えると、CVDの値は、その操作を行ったユーザが広告に対して示している興味の度合いの推定値を表す値である。例えば、写真の画像を表示するための操作を行うことと、試乗予約を実行する操作を行うこととでは、その操作を行ったユーザにおける広告への興味の度合いは異なる。すなわち、試乗予約を実行する操作を行ったユーザは、広告への興味の度合いが大きい。このような判断基準に基づいて、各操作のCVDの値は予め決定されCVDテーブルに予め設定されている。本実施形態では、高いCVDの値は、その操作を行ったユーザが広告に興味を示していることを表す。
【0043】
図7は、CVD記憶部205に記録されるCVDテーブルの具体例を示す図である。CVDテーブルは複数のレコード60(60−1〜60−7)を有する。CVDテーブルの各レコード60は、広告ID、操作ID、CVDの各値を持つ。CVDテーブルの各レコード60は、広告ID及び操作IDの組合せ毎に予め登録される。各レコード60は、広告ID及び操作IDの組合せに対応するCVDの値を記録している。
【0044】
測定部206は、操作回数記憶部204に記憶された操作回数テーブルと、CVD記憶部205に記憶されたCVDテーブルと、に基づいて広告効果を測定する。例えば、測定部206は、各操作の回数とその操作のCVDの値とを乗算し、全ての操作についての累積値を広告毎に算出する。算出された値が、その広告における広告効果の測定値である。この値が高いほど、この広告に興味を持ったユーザが多いと推定できる。すなわち、広告効果が高いという測定結果が得られる。また、測定部206は、広告毎に、各CVDの値毎に操作回数の累積値を算出しても良い。高いCVDの値に対する操作回数の累積値が高い場合には、興味を持ったユーザが多いと推定できる。すなわち、広告効果が高いという測定結果が得られる。
【0045】
レポート作成部207は、測定部206による測定結果に基づいて、広告効果を表すレポートを作成し、作成したレポートのデータを出力する。出力の態様は、プリンタによる印刷であっても良いし、画像表示装置における表示であっても良いし、他の情報処理装置へのレポートデータの送信であっても良いし、他の態様であっても良い。
【0046】
図8は、レポート作成部207が作成するレポートの具体例を示す図である。レポートには、操作回数をCVD毎に集計した表とグラフが記載される。レポートは、Webブラウザに表示可能なフォーマットや、表計算ソフトで読み取り可能なファイルフォーマット等で出力される。
【0047】
図9は、広告効果測定システム1の動作の流れを示すシーケンス図である。電子書籍閲覧端末100の履歴記録部105は、操作が行われる度に操作履歴を記録する(ステップS101)。そして、所定のタイミングで通信部107は操作履歴を広告効果測定装置200に送信する(ステップS102)。
広告効果測定装置200の通信部201は、操作履歴を電子書籍閲覧端末100から受信すると操作履歴記憶部202に記録する(ステップS201)。操作回数取得部203は、所定の範囲の日時で行われた履歴テーブルのレコード40を読み出し、各操作の操作回数を取得し、操作回数を操作回数記憶部204に記録する(ステップS202)。測定部206は、操作回数記憶部204に記録された操作回数に基づいて、広告効果を測定する(ステップS203)。そして、レポート作成部207は、測定結果に基づいてレポートを作成する(ステップS204)。
【0048】
広告効果測定システム1によれば、一つの広告に含まれる複数の操作毎にCVDが設定される。そして、ユーザによって行われた操作に対応するCVDに基づいて広告効果の測定が行われる。そのため、従来のように単に広告が表示された回数に基づいて広告効果の測定を行う場合に比べて、広告効果の測定をより精度高く行う事が可能となる。
【0049】
また、操作毎に設定されるCVDの値は、その操作を行ったユーザにおける広告への興味の度合いの推定値を表す。そのため、上述した構成によって広告効果の測定が行われることにより、より精度良く各広告に対してユーザが示した興味の度合いを評価することが可能となる。
【0050】
また、操作回数取得部203は、同一の広告ページが開かれている間に複数回同じ操作が行われた場合にはそれらをまとめて1回としてカウントする。そのため、むやみに操作の回数が上昇してしまうことを防止し、より精度良く広告効果の測定を行う事が可能となる。
【0051】
<変形例>
書籍データ記憶部102に記憶されているデータの一部は、電子書籍閲覧端末100とは異なる装置に記憶されていても良い。その場合、書籍データ記憶部102は、他の装置に記憶されているデータのアドレスを記憶している。表示制御部104は、表示しようとするページのデータが書籍データ記憶部102に記憶されていない場合、書籍データ記憶部102に記憶されているアドレスに基づいて他の装置にアクセスし、表示しようとするページのデータをダウンロードする。そして、表示制御部104は、ダウンロードしたデータを表示部103に表示させる。
【0052】
通信部107がネットワークを介して広告効果測定装置200に操作履歴を送信する所定のタイミングは上述したものに限定されない。例えば、操作履歴記憶部105に記憶されている操作履歴のレコード30の数が閾値を超えた時点であっても良い。例えば、操作履歴記憶部105に記憶されている操作履歴のデータ容量が閾値を超えた時点であっても良い。例えば、所定のタイミングになった際に通信部107がネットワークに接続されていない場合には、次に通信部107がネットワークに接続された時点であっても良い。
【0053】
通信部107がネットワークを介して広告効果測定装置200に操作履歴を送信するタイミングは、履歴記録部105によってレコード30が生成された時点であっても良い。この場合は、電子書籍閲覧端末100は以下のように構成されても良い。操作履歴記憶部106を備えない。履歴記録部105は、生成したレコード30を操作履歴記憶部106に書き込まず、通信部107に出力する。
【0054】
通信部107がネットワークを介して広告効果測定装置200に操作履歴を送信する所定のタイミングとなる前に、未送信の操作履歴のデータ容量が操作履歴記憶部106の蓄積容量を超えてしまった場合には、履歴記録部105は古い順にレコード30を削除するように構成されても良い。
【0055】
電子書籍閲覧端末100は、CVD記憶部205を備える様に構成されても良い。この場合、レコード30にはCVDの値を記録する領域が設けられる。履歴記録部105は、レコード30を生成する際に、操作IDに応じたCVDの値をCVD記憶部205から読み出し、レコード30に記録する。このように構成された場合、広告効果測定装置200は以下のように構成されても良い。CVD記憶部205を備えない。操作回数記憶部204のレコード50にはCVDの値を記録する領域が設けられる。測定部206は、操作回数テーブルのレコード50に記録された操作回数及びCVDに基づいて広告効果の測定値を算出する。
【0056】
各操作に対応するCVDの値は、CVD記憶部205に記憶されているのではなく、各書籍のデータ中にメタデータ等の形式で埋め込まれていても良い。この場合、レコード30にはCVDの値を記録する領域が設けられる。表示制御部104は、操作内容に応じたCVDの値を書籍データから取得し、入力部101を介して入力されたユーザの操作内容とCVDの値を履歴記録部105に出力する。履歴記録部105は、レコード30を生成する際に、操作IDに応じたCVDの値をレコード30に記録する。このように構成された場合、広告効果測定装置200は以下のように構成されても良い。CVD記憶部205を備えない。操作回数記憶部204のレコード50にはCVDの値を記録する領域が設けられる。測定部206は、操作回数テーブルのレコード50に記録された操作回数及びCVDに基づいて広告効果の測定値を算出する。
【0057】
操作回数取得部203は、操作履歴記憶部202が記憶する操作履歴テーブルにおいて、所定の時間内(例えば5分以内)に行われた操作のレコード40を、同一のページが開かれている間に行われた操作のレコード40として判断しても良い。この場合、操作履歴記憶部202は、ある操作IDが記録されたレコード40と、同一の操作IDが記録された他のレコード40が存在した場合において、それらの操作日時の時間差が所定時間内である場合にはまとめて1回として回数をカウントする。所定の時間が5分である場合、
図5の例ではレコード40−1とレコード40−4は、同一のページが開かれている間に行われた操作のレコード40として判断される。この場合、操作回数取得部203は、レコード40−4を無視して、次のレコードに処理を移す。レコード40−1とレコード40−6は、操作日時の差が所定の時間を超えているため、同一のページが開かれている間に行われた操作のレコード40ではないと判断される。結果として、
図5に示された操作履歴では、操作ID“ct_001”の回数は2回とカウントされる。
【0058】
操作回数取得部203は、端末ID毎に各操作の操作回数の累積値を取得しても良い。この場合、端末ID毎に広告効果が取得される。操作回数取得部203は、電子書籍ID毎に各操作の操作回数の累積値を取得しても良い。この場合、電子書籍ID毎に広告効果が取得される。また、複数の異なる電子書籍に対して同じ広告が付与される場合には、それらの同じ広告に対して同一の広告IDが付与されることが望ましい。また、複数の異なる電子書籍に付与される同一の広告では、同じ操作に対して同一の操作IDが付与されることが望ましい。
【0059】
端末IDに代えてユーザIDが用いられても良い。端末IDが電子書籍閲覧端末毎に付与されるIDであるのに対し、ユーザIDは電子書籍閲覧端末100のユーザ毎に付与されるIDである。そのため、ユーザIDが用いられた場合は、複数の電子書籍閲覧端末100を使用している一人のユーザについて、ユーザ毎の広告効果を取得することが可能となる。
【0060】
履歴記録部105は、電子書籍閲覧端末100に備えられた不図示の位置情報取得装置から現在位置の位置情報を取得し、位置情報を含めた操作履歴レコードを生成しても良い。この場合、操作回数取得部203は、位置情報が示す所定の範囲(地域)毎に各操作の操作回数の累積値を取得しても良い。このように構成されることにより、所定の範囲(地域)毎に広告効果を取得することが可能となる。なお、位置情報取得装置とは、例えば無線通信基地局との通信に基づいて現在位置の情報を取得する装置であっても良いし、GPS(Global Positioning System)等の人工衛星との通信によって現在位置の情報を取得する装置であっても良いし、他の方法によって現在位置の情報を取得する装置であっても良い。
【0061】
広告コンテンツのデータは、必ずしも表示制御部104によって表示の度に広告サーバから受信される必要はない。例えば、広告コンテンツのデータは、電子書籍のデータと共に又は電子書籍のデータの一部として、予め書籍データ記憶部102に記録されていても良い。
また、表示制御部104が受信した広告のデータは、所定の時間の間は書籍データ記憶部102に記録されており、その間は表示制御部104は表示の必要が生じた際に広告サーバにアクセスせずに書籍データ記憶部102から読み出して表示を行っても良い。
【0062】
上記の説明では、広告が掲載される媒体として電子書籍を例に説明した。電子書籍に掲載される広告は、従来のウェブに掲載されるバナー広告とは異なり、書籍のページ内で表示された広告領域の中でコンテンツを展開するものが適切である。すなわち、ウェブに掲載されたバナー広告は、クリックしたユーザを他のウェブサイトに誘導することを目的としているが、書籍に掲載された広告では、ユーザの書籍閲覧を邪魔しないようにする必要があるためである。また、ユーザが読んでいる書籍(特に雑誌)の世界観を崩さないようにする必要もあるためである。上述した広告効果測定システム1では、書籍の広告のページから他のページやウェブサイトに移動することなく複数の広告コンテンツを表示可能な広告について、広告の効果をより精度良く測定できる。そのため、広告効果測定システム1では、書籍に掲載された広告に特有の事情にしたがって広告の効果を測定できるため、書籍に掲載された広告の効果を測定することに関し大きな効果を奏する。しかしながら、広告効果測定システム1は、その適用範囲を必ずしも書籍に掲載された広告に限定する必要は無い。広告効果測定システム1は、ウェブサイトに掲載された広告についても、同様の効果を奏することが可能である。
【0063】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。