特許第5887981号(P5887981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5887981
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】紫外線照射装置、及び照度調整方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 13/08 20060101AFI20160303BHJP
   F21V 14/04 20060101ALI20160303BHJP
   F21V 9/10 20060101ALI20160303BHJP
   F21V 7/22 20060101ALI20160303BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20160303BHJP
【FI】
   F21V13/08
   F21V14/04
   F21V9/10
   F21V7/22 210
   F21Y101:00 300
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-30592(P2012-30592)
(22)【出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-168274(P2013-168274A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石飛 裕和
(72)【発明者】
【氏名】川鍋 保文
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 行正
(72)【発明者】
【氏名】大場 洋
(72)【発明者】
【氏名】島村 洋行
(72)【発明者】
【氏名】大野 正之
(72)【発明者】
【氏名】今井 誠
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−218775(JP,A)
【文献】 特開平09−318946(JP,A)
【文献】 特開2005−038627(JP,A)
【文献】 特開2008−116676(JP,A)
【文献】 特開2011−215639(JP,A)
【文献】 特開2011−233484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 13/08
F21V 7/22
F21V 9/10
F21V 14/04
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を放射する光源と、
前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、
前記光源、及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタと、
前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する傾斜角度で設けられた補助反射ミラーと、を備え、
前記補助反射ミラーの面内は、
前記干渉フィルタの中心波長よりも短波長側に応答感度のピークを有する照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定されており、
前記干渉フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで、前記干渉フィルタの中心波長、及び前記照度計の応答感度に対応する波長域で前記照射エリアを均一に照射する
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
紫外線を放射する光源と、
前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、
前記光源、及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタ、及び吸収フィルタと、
前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する傾斜角度で設けられた補助反射ミラーと、を備え、
前記吸収フィルタは、
前記干渉フィルタの中心波長に応答感度のピークを有する第1照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する直接光を吸収する位置に、又は大きさで配置されており、或いは、照度が低い箇所を照射する直接光の吸収を抑える位置に、又は大きさで配置されており、
前記補助反射ミラーの面内は、
前記第1照度計よりも短波長側に応答感度のピークを有する第2照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定されており、
前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで、前記第1照度計、及び前記第2照度計のそれぞれの応答感度に対応する波長域で前記照射エリアを均一に照射する
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタは、
前記光源及び照射エリアの間で互いに上下に配置されており、
前記干渉フィルタのエリア内に前記吸収フィルタ部分的に配置されており、又は、前記吸収フィルタのエリア内に前記干渉フィルタ部分的に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記補助反射ミラーの反射面がアルミニウム材から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記補助反射ミラーが干渉膜ミラーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記補助反射ミラーが、複数の波長ごとに異なる反射特性をもつ干渉膜ミラーを備えることを特徴とする請求項1〜3、及び5のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記補助反射ミラーの面内は、
当該補助反射ミラーの面内への入射光の入射角度の大きさに応じて、前記第2照度計の応答感度に対応する波長域の反射率を小さくする分光反射特性が設定されている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記補助反射ミラーの面内は、
前記干渉フィルタへの入射光の入射角度の大きさに応じて、前記第2照度計の応答感度に対応する波長域の反射率を小さくする分光反射特性が設定されている
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
紫外線を放射する光源と、
前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、
前記光源及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタ、及び吸収フィルタと、
前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する補助反射ミラーと、を備え、
前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで前記照射エリアを均一に照射する紫外線照射装置の照度調整方法において、
前記干渉フィルタの中心波長に応答感度を有する第1照度計と、前記第1照度計よりも短波長側に応答感度のピークを有する第2照度計とのそれぞれで照射エリア内の照度分布を測定し、それぞれの照度分布の測定結果に基づいて、前記補助反射ミラーの傾斜角度を、前記照射エリアの全域で必要な照度が得られる傾斜角度に調整するステップと、
前記第1照度計で照度分布を測定し、この測定結果に基づいて、照度が高い箇所を照射する直接光を吸収する位置に、又は大きさで前記吸収フィルタを配置し、或いは、照度が低い箇所を照射する直接光の吸収を抑える位置に、又は大きさで前記吸収フィルタを配置し、かつ、
前記第2照度計で照度分布を測定し、この測定結果に基づいて、前記補助反射ミラーの分光反射特性を、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定するステップと、
を備えることを特徴とする照度調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置の照度調整技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルの製造工程においては、液晶パネルの基板を貼り合わせる紫外線硬化樹脂を硬化させたり、液晶パネルの液晶配向特性を付加したりするために、紫外線照射装置が用いられている。
【0003】
ランプを紫外線光源とした紫外線照射装置では、ランプの照射範囲や照度分布によって、均一な照度が得られる照射エリアが制限される。そこで近年では、ランプから放射される光の一部を反射する反射部材を紫外線照射装置に設け、当該反射部材の形状や傾斜角度を適宜に調整することで、均一な照度で照射可能なエリアを拡大し、液晶パネル等の比較的大きな照射対象の全面を均一な照度で紫外線照射可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−218775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光源と照射エリアの間に、干渉フィルタを配置すると、当該干渉フィルタが有する光学特性の入射角依存性により、照射エリアでの照度分布が崩れてしまい、均一な照射ができなかった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、均一な照度での照射を可能にする紫外線照射装置、及び照度調整方法提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、紫外線を放射する光源と、前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、前記光源、及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタと、前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する傾斜角度で設けられた補助反射ミラーと、を備え、前記補助反射ミラーの面内は、前記干渉フィルタの中心波長よりも短波長側に応答感度のピークを有する照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定されており、前記干渉フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで、前記干渉フィルタの中心波長、及び前記照度計の応答感度に対応する波長域で前記照射エリアを均一に照射することを特徴とする紫外線照射装置を提供する。
本発明は、紫外線を放射する光源と、前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、前記光源、及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタ、及び吸収フィルタと、前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する傾斜角度で設けられた補助反射ミラーと、を備え、前記吸収フィルタは、所定の波長に応答感度のピークを有する第1照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する直接光を吸収する位置に、又は大きさで配置されており、或いは、照度が低い箇所を照射する直接光の吸収を抑える位置に、又は大きさで配置されており、前記補助反射ミラーの面内は、前記第1照度計よりも短波長側に応答感度のピークを有する第2照度計で前記照射エリアを測定した場合に、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定されており、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで、前記第1照度計、及び前記第2照度計のそれぞれの応答感度に対応する波長域で前記照射エリアを均一に照射することを特徴とする紫外線照射装置を提供する。
【0010】
また本発明は、上記紫外線照射装置において、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタは、前記光源及び照射エリアの間で互いに上下に配置されており、前記干渉フィルタのエリア内に前記吸収フィルタ部分的に配置されており、又は、前記吸収フィルタのエリア内に前記干渉フィルタ部分的に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記紫外線照射装置において、前記補助反射ミラーの反射面がアルミニウム材から形成されていることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記紫外線照射装置において、前記補助反射ミラーが干渉膜ミラーであることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記紫外線照射装置において、前記補助反射ミラーが、複数の波長ごと
に異なる反射特性をもつ干渉膜ミラーを備えることを特徴とする。
上記紫外線照射装置において、前記補助反射ミラーの面内は、当該補助反射ミラーの面内への入射光の入射角度の大きさに応じて、前記第2照度計の応答感度に対応する波長域の反射率を小さくする分光反射特性が設定されていることを特徴とする。
上記紫外線照射装置において、前記補助反射ミラーの面内は、前記干渉フィルタへの入射光の入射角度の大きさに応じて、前記第2照度計の応答感度に対応する波長域の反射率を小さくする分光反射特性が設定されていることを特徴とする。
【0014】
また上記目的を達成するために、本発明は、紫外線を放射する光源と、前記光源から放射される紫外線を反射する半楕円筒状の反射ミラーと、前記光源及び照射エリアの間に配置され、前記反射ミラーから反射された紫外線が通る干渉フィルタ、及び吸収フィルタと、前記照射エリアの周囲に配置され、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアの外に向かう紫外線を、前記照射エリア内で照度が低い箇所に反射する補助反射ミラーと、を備え、前記干渉フィルタ、及び前記吸収フィルタを通って前記照射エリアを直接照射する紫外線と、前記補助反射ミラーで反射された紫外線とで前記照射エリアを均一に照射する紫外線照射装置の照度調整方法において、前記干渉フィルタの中心波長に応答感度を有する第1照度計と、前記第1照度計よりも短波長側に応答感度のピークを有する第2照度計とのそれぞれで照射エリア内の照度分布を測定し、それぞれの照度分布の測定結果に基づいて、前記補助反射ミラーの傾斜角度を、前記照射エリアの全域で必要な照度が得られる傾斜角度に調整するステップと、前記第1照度計で照度分布を測定し、この測定結果に基づいて、照度が高い箇所を照射する直接光を吸収する位置に、又は大きさで前記吸収フィルタを配置し、或いは、照度が低い箇所を照射する直接光の吸収を抑える位置に、又は大きさで前記吸収フィルタを配置し、かつ、前記第2照度計で照度分布を測定し、この測定結果に基づいて、前記補助反射ミラーの分光反射特性を、照度が高い箇所を照射する反射光を抑える分光反射特性に設定するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、照射エリアの周囲に配置され、フィルタを通って照射エリアの外に向かう紫外線を、照射エリア内で照度が低い箇所に反射する補助反射ミラーと、を備え、フィルタを通って照射エリアを直接照射する紫外線と、補助反射ミラーで反射された紫外線とで照射エリアを均一に照射するため、フィルタが配置されている場合でも、均一な照度での照射が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る紫外線照射装置の基本構成を模式的に示す斜視図である。
図2】紫外線照射装置の概略構成を示す正面図である。
図3】干渉フィルタの分光特性を示す図である。
図4】2つの照度計の応答感度を示す図である。
図5】応答感度が異なる2つの照度計を用いたワークの照度分布調整手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は本実施形態に係る紫外線照射装置1の概略構成を示す斜視図であり、図2は紫外線照射装置1の概略構成を示す正面図である。
【0022】
これらの図に示すように、紫外線照射装置1は、紫外線を直下のワーク2に照射する複数の照射器3と、それぞれの照射器3ごとにワーク2との間に配設された干渉フィルタ4とを備え、照射器3が照射する紫外線をワーク2に干渉フィルタ4を通して照射するとともに、更に、2つの照度計20A、20Bを有する照度分布測定用具21、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23を備えている。
【0023】
ワーク2は、幅Wが約620mm、長さLが約750mmの照射エリア2Aを有する矩形状を成し、この照射エリア2Aに例えば液晶パネルが載置されて紫外線が照射される。このワーク2は、ワーク冷却ステージ7に載置固定されて照射エリア2Aの全面が一様に冷却されている。
【0024】
照射器3は、図2に示すように、底面開放型の直方体状の照射器筐体10を有し、この照射器筐体10には、波長約200nm〜600nmの紫外線を線状に放射する線状紫外線光源たるメタルハライドランプ11と、このメタルハライドランプ11を包囲する半楕円筒状(シリンドリカル状)の反射ミラー12とが内設され、メタルハライドランプ11から放射される紫外線を反射ミラー12で反射して照射器筐体10の底面から線状に紫外線を照射する。
【0025】
干渉フィルタ4は、誘電体多層膜から成る透過フィルタであり、図1及び図2に示すように、照射器3の底面全体を十分に覆う面積を有し、当該照射器3とワーク2(すなわち、照射エリア2A)の間であって、照射器3の底面に近付けて配置されている。
【0026】
干渉フィルタ4が透過する透過波長域は、紫外線照射装置1の使用用途に応じて適宜に設定され、本実施形態では、液晶パネルの製造(液晶の配向制御や貼り合わせなど)に最適な帯域が設定されている。
【0027】
具体的には、本実施形態の干渉フィルタ4は、図3に示すように、干渉フィルタ4は、約390nm付近を中心波長λcとし、約100nmの半値幅Δλを有している。なお、図3に示す透過特性の入射角依存性については後述する。
【0028】
この紫外線照射装置1では、前掲図2に示すように、3つの照射器3、及び干渉フィルタ4がワーク2の幅方向に所定の間隔Mでワーク2の幅Wの方向に並列に設けられている。このとき、横並びの照射器3のうちの両端の照射器3は、内蔵のメタルハライドランプ11がワーク2の幅W(すなわち、照射エリア2A)の若干外側に位置するように配置されている。すなわち、ワーク2の照射エリア2Aの略全域が中央の照射器3により照射され、また幅W方向の両端部で照度が低下する箇所については、中央の照射器3を挟んだ両端の照射器3の照射によって照度の低下が補われる。なお、中央の照射器3(すなわち、ワーク2の幅W内に内蔵のメタルハライドランプ11が配置される照射器3)は1つに限らず、複数の照射器3を並設して構成しても良く、これにより、照射エリア2Aの幅Wを拡張できる。また、両端の照射器3(すなわち、ワーク2の幅Wの外に内蔵のメタルハライドランプ11が配置される照射器3)についても同様に、各端部に複数の照射器3を並設しても良い。
【0029】
ただし、両端の照射器3については、内蔵のメタルハライドランプ11の直下にワーク2が位置しないため、ワーク2の照射エリア2Aに照射されずに外に漏れる紫外線が比較的多く、効率が悪い。
【0030】
そこで、この紫外線照射装置1では、図1及び図2に示すように、ワーク2の幅Wの方向に並列に並んだ照射器3のうちの両端の照射器3の直下のそれぞれに、照射器3から照射された紫外線をワーク2の照射エリア2Aに反射する第1補助反射ミラー22が設けられている。これにより、図2に矢印K1で示すように、両端の照射器3からワーク2の外側に向かう光K2が第1補助反射ミラー22でワーク2に向けて反射され、ワーク2が効率良く照射される。
【0031】
また、照射器3の長手方向両端部のそれぞれには(すなわち、ワーク2の長さL方向の両端のそれぞれには)、図1及び図2に示すように、3つの照射器3に亘る長さの上記第2補助反射ミラー23がワーク2の長さL方向の両端に当該長さL方向に沿って設けられている。これらの第2補助反射ミラー23は、干渉フィルタ4の出射側に近接して配置され、各照射器3のメタルハライドランプ11から長手方向に放射されてワーク2の長さLの外に漏れる光(図示略)を当該ワーク2に向けて反射する。これにより、各照射器3からワーク2の長さL方向の外に漏れる光がワーク2の照射に使われ、ワーク2が効率良く照射されることとなる。
【0032】
このように、並設された複数の照射器3の周囲を囲むように第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23を備えることにより、ワーク2の外側に漏れる光が、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23のいずれかでワーク2に反射されることから、複数の照射器3を用いて比較的大きな照度で、かつ、効率良くワーク2を照射することができる。
【0033】
本実施形態では、これら第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23には、特定の波長域の反射率を高めて照射エリア2Aの照度を高めるべく、誘電体多層膜から成る増反射膜(干渉膜)が反射面にコーティングされた干渉膜ミラーとして構成されている。また、後に詳述するが、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23は、不要な波長域を反射せずに透過させてカットするダイクロイックミラーの一態様としてのメタルダイクロミラーとしても構成されている。
【0034】
ここで、複数の照射器3を並べてワーク2を照射する場合、ワーク2の中央部(換言すれば、並設された複数の照射器3の並び中央の直下部分)に対しては、図2に示すように、両端の照射器3の光K2も照射されることから、照度が他の箇所よりも突出して大きくなり易い。これに対して、例えば、両端の照射器3のメタルハライドランプ11の出力を中央の照射器3よりも下げることで、ワーク2の中央部での照度を抑えることができるものの、そうすると、両端の照射器3で照らされているワーク2の両端部の照度も低下してしまう。
【0035】
そこで、本実施形態では、並設された複数の照射器3のメタルハライドランプ11の出力を略同一としつつ、両端の照射器3の放射光のうちワーク2を直射照射する直射光K2の成分を減衰させる吸収フィルタ30を設けた構成としている。この吸収フィルタ30は、所定の波長域(本実施形態では、後述の照度計20Aが応答感度を有する波長域)の光を吸収して減衰させるものであり、吸収特性に入射角度依存性を有しないものが用いられている。かかる吸収フィルタ30は、両端の照射器3に対応して設けられた各干渉フィルタ4の底面(照射エリア2Aとの対向面)に、直射光K2が通る範囲のみを覆い、ワーク2の外側に向かう光、すなわち第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23で反射される光が通る範囲を避けて配置されている。
【0036】
これにより、ワーク2の中央部の照度を抑えつつ、ワーク2の縁部での照度低下が防止され、ワーク2の全面に亘り均一、かつ高照度な紫外線照射が可能になる。
【0037】
なお、吸収フィルタ30を干渉フィルタ4の上面(照射器3との対向面)に設けても良い。
【0038】
上記照度分布測定用具21は、ワーク2の照射エリア2Aの照度分布を測定するための器具であり、紫外線照射装置1の製造時や、メタルハライドランプ11の交換等のメンテナンス時にワーク2に載置して使用され、照度分布の測定後には、ワーク2から取り除かれる。
【0039】
具体的には、照度分布測定用具21は、図1に示すように、照度計20A、20Bと、ワーク2内を照度計20A、20Bが移動可能に、なおかつ、これらの照度計20A、20Bが同一の箇所の照度を測定可能に支持する支持機構38とを備えている。
【0040】
支持機構38は、ワーク2に載置される矩形の枠体35と、この枠体35の対向する1対の辺で支持される2本の支持棒36、37とを有し、これら支持棒36、37は、互いに直交するように枠体35に設けられており、支持棒36、37の交点に、2つの照度計20A、20Bが並設されている。支持棒36、37のそれぞれは、枠体35の辺にガイドされて当該辺に沿って所定長単位で1ステップずつ移動可能に構成されており、これにより、照度計20A、20Bがワーク2の幅Wの方向、長さLの方向の任意の位置に配置可能に成されている。また、照度計20Aと照度計20Bとは、支持棒36、37の1ステップの移動距離と等しい離間だけ離間配置されており、支持棒36、37を1ステップ分だけずらすことで、照度計20Aと照度計20Bとで同じ箇所で照度を測定可能になっている。
【0041】
なお、支持棒36、37の交点に、照度計20A、20Bのいずれかを両者を交換自在に設ける構成とすることで、照度計20A、20Bの両方で同一箇所を測定可能にしてもよい。
【0042】
図4は照度計20A、20Bの応答感度を示す図である。なお、この図では、照度計20A、20Bの応答感度を両者の相対値で示している。また、以下の説明では、各照射器3から干渉フィルタ4への入射角は最大50度以下であるものとする。
【0043】
照度計20A、20Bは、それぞれ紫外波長域の照度を測定する器具であり、図4に示すように、照度計20A、20Bのそれぞれは、所定の応答感度を有する波長域、及び応答感度がピークとなるピーク波長が異なっている。
【0044】
具体的には、照度計20Aは、波長300nm〜390nmに応答感度を有し、約365nmの波長に応答感度のピークを有し、また照度計20Bは、波長290nm〜340nmに応答感度を有し、約313nmの波長に応答感度のピークを有している。
【0045】
これらの照度計20A、20Bのピーク波長は、当該紫外線照射装置1を液晶パネルの液晶配向特性の付加に用いる際に、高い均斉度が要求される波長に合わせて決定されたものである。本実施形態の紫外線照射装置1にあっては、上記の照度計20A、20Bを用いてワーク2の照射エリア2Aの照度分布を測定した際に、照度計20Aで測定したときに照度の平均値が100mW/cm2、均斉度が10%以内、照度計20Bで測定したときに照度の平均値0.1〜0.25mW/cm2、均斉度が16%以内という数値が実現されている。
【0046】
なお、紫外線照射装置1を他の用途に用いる場合に、その用途において高い均斉度が求められる波長に応答感度のピークを有した照度計が上記照度計20A、20Bとして用いられる。
【0047】
ところで、照射器3が放射する光は、干渉フィルタ4を通してワーク2の照射エリア2Aに照射されているが、干渉フィルタ4は、図3に示すように、透過特性に入射角度依存性を有しており、光の入射角度が大きくなるほど、矢印Xで示すように、透過波長域が短波長側にシフトする。したがって、照射器3から干渉フィルタ4に斜入射してワーク2に到達する光については、透過特性の角度依存により、直入射時よりも短波長の成分が多く含まれることとなる。
【0048】
このため、照度計が干渉フィルタ4の中心波長λcに応答感度を有する場合、当該照度計でワーク2の照度分布を測定し、ワーク2の照度分布を均一に調整したとしても、干渉フィルタ4に斜入射することで透過した短波長側の光成分については、照度分布の均一性が担保されておらず、例えば液晶パネルの液晶配向特性に影響が生じたりする。
【0049】
特に、本実施形態の紫外線照射装置1のように、ワーク2の幅Wの外側にも照射器3を配置する構成にあっては、この照射器3からワーク2に届く光は干渉フィルタ4に斜入射して透過した成分を多く含むため、短波長の成分が多くなる。
【0050】
さらに係る問題は、反射面が干渉膜ミラーとして構成された第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23にも同様に生じる。特に、これら第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23のうち、メタルハライドランプ11と直交して配置される第2補助反射ミラー23については、当該メタルハライドランプ11から入射する光の入射角が大きくなることから、短波長の成分が多くなる。
【0051】
そこで本実施形態の紫外線照射装置1にあっては、上記の2つの照度計20A、20Bを備えた照度分布測定用具21によりワーク2の照度分布を測定し、これらの測定結果に基づいて、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の反射特性、並びに吸収フィルタ30の配置の調整を行うことで、紫外波長域のうち、液晶パネルの液晶配向特性の付与に必要な少なくとも2つの波長について高い均斉度を実現している。
【0052】
図5は、照度計20A、20Bを用いたワーク2の照度分布調整手順を示すフローチャートである。
【0053】
この図に示すように、先ず、照度分布測定用具21をワーク2に載置し(ステップS1)、応答感度のピーク波長が異なる上記照度計20A、20Bのそれぞれでワーク2の照射エリア2Aの照度分布を測定する(ステップS2)。そして、両方の照度計20A、20Bの照度分布に基づいて、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の傾斜角度(取付角度)を適宜に調整することで、照射エリア2Aの全域で必要な照度が得られるように反射角度を調整する(ステップS3)。具体的には、上述の通り、ワーク2の照射エリア2Aの照度分布は、中央部が高く周辺部で低くなる傾向があることから、周辺部の照度を補うように、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の傾斜角度を調整する。
【0054】
このステップS3の調整により、照度計20A、20Bの各波長域について照射エリア2Aで必要な照度が確保される。
【0055】
次いで、照度計20A、20Bのうち、高波長側に応答感度を有する照度計20Aで照度分布を測定し(ステップS4)、この測定結果に基づいて、照度が高い箇所への直射光K2の照射を抑え、また照度が低い箇所に向かう直射光K2の吸収を抑えるように吸収フィルタ30の配置位置、及び/又は大きさを調整する(ステップS5)。
【0056】
このとき、照度分布の均一性の指標としては、照射エリア2Aの各測定点で測定した照度値の最大と最小を用いて求められる均斉度が用いられる。この均斉度は、照度値の最大を最大照度値、最小を最小照度値とすると次式により示される。
【0057】
均斉度=[(最大照度値−最小照度値)/(最大照度値+最小照度値)×100%]
本実施形態では、この均斉度が約10%以下となるように照度分布を調整することとしている。
【0058】
ここで、上述の通り、干渉フィルタ4、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23での透過波長域の短波長側へのシフトによって、これら干渉フィルタ4、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23での制御対象外の短波長成分が照射エリア2Aに照射される。この結果、照度計20A、20Bのうち、高波長側に応答感度を有する照度計20Aで照度分布を測定して高い均斉度が得られた状態であっても(ステップS5の調整後の状態)、低波長側に応答感度を有する照度計20Bで照度分布を測定すると均斉度が低い状態となる。
【0059】
そこで、照度計20Bで照射エリア2Aの照度分布を測定して照度が高い箇所を特定し(ステップS6)、特定した箇所での照度を抑えるように、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の分光反射特性を調整する(ステップS7)。
【0060】
具体的には、本実施形態では、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の面内において、照度計20Aの応答感度に対応する波長域での分光反射特性を維持しつつ、照度計20Bの応答感度に対応する波長域での分光反射特性を、当該照度計20Bによる照度分布の測定結果に基づいて、照度が高い箇所への反射光の光量を抑えるように変更する。
【0061】
上述の通り、制御対象外の短波長成分は、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23への入射角度が大きいほど多くなることから、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の面内では、少なくとも入射光の入射角度が大きくなる箇所において、照度計20Bの応答感度に対応する波長域の反射率が小さくなるように(或いはカット(透過)するように)分光反射特性が設定される。
【0062】
また、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23への入射角度が小さい箇所であっても、干渉フィルタ4への入射角度が大きい光が入射する箇所についても、照度計20Bの応答感度に対応する波長域の反射率が小さくなるように(或いはカット(透過)するように)分光反射特性が設定される。
【0063】
そして、このように設定した分光反射特性となるように、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の反射面に形成する誘電多層膜の膜厚や積層数を代える等して反射特性を調整する。かかる調整により、照度計20Bで測定した場合でも、照射エリア2Aでの上記均斉度を約20%以下にできる。
【0064】
なお、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の反射面においては、照度計20Aの応答感度の波長域に対しては増反射(反射率が高い)するように反射特性が調整されており、これにより、照度計20Aで測定される波長域の光量の低下を防止している。
【0065】
このように、上記ステップ7の調整は、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の傾斜角度を固定した状態で行われ当該傾斜角度が変更されることがないため、これら第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23が分光反射特性に角度依存を有していても、このときの傾斜角度に応じて適切に、照度計20Bの応答感度の波長域について照度分布が調整される。
【0066】
そして、図5のフローチャートに従った調整により、照度計20A、20Bの両方の応答感度の波長域について照射エリア2Aでの照度分布を均一にすることができる。これにより、例えば液晶パネルの液晶配向特性の付加といったように、光の波長の影響を受けやすい製造プロセスの光源として、この紫外線照射装置1を好適に用いることができる。
【0067】
なお、図5に示したフローチャートにおいて、吸収フィルタ30が吸収率(透過率)に入射角依存性を有しないため、ステップS4、S5での吸収フィルタ30による照度分布の調整を、ステップS6、S7での第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の分光反射特性の調整の後に行うこともできる。この場合、吸収フィルタ30としては、照度計20Aの応答感度の波長域を吸収する吸収フィルタと、照度計20Bの応答感度の波長域を吸収する吸収フィルタとのそれぞれを用いることができる。すなわち、ステップS6、S7の後に、照度計20A、及び照度計20Bの両方で照度分布を測定し、照度計20Aの測定結果に基づいて当該照度計20Aの応答感度の波長域を吸収する吸収フィルタを照度が高い箇所への照射を抑えるように設置し、同様に、照度計20Bの測定結果に基づいて当該照度計20Bの応答感度の波長域を吸収するフ吸収フィルタを照度が高い箇所への照射を抑えるように設置する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、照射エリア2Aの周囲に配置され、干渉フィルタ4を通って照射エリア2Aの外に向かう紫外線を、照射エリア2A内で照度が低い箇所に反射する第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23を備え、干渉フィルタ4を通って照射エリア2Aを直接照射する紫外線と、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23で反射された紫外線とで照射エリア2Aを均一に照射するため、干渉フィルタ4が配置されている場合でも、均一な照度での照射が可能になる。
【0069】
特に本実施形態によれば、照射器3の反射ミラー12から反射された紫外線が通るフィルタを干渉フィルタ4とすることで所望の波長域の光だけを効率良く照射することができる。
【0070】
また本実施形態によれば、照射器3の反射ミラー12から反射された紫外線が通るフィルタに吸収フィルタ30を含むことで、照度が高い箇所への照射光量を適切に抑えることができる。
【0071】
特に、吸収フィルタ30として、吸収特性(透過特性)に入射角依存性を有しないものを用いることで、当該吸収フィルタ30が照射器3と照射エリア2Aの間に介在しても、この吸収フィルタ30に斜入射した光によって照射エリア2Aでの均斉度が劣化することもない。
【0072】
また本実施形態によれば、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23を干渉膜ミラーから構成し、当該干渉膜ミラーが上記照度計20A、20Bの各応答感度の波長域ごとに異なる反射特性を有する構成とした。
【0073】
これにより、干渉フィルタ4、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23への斜入射に起因する短波長シフトによって生じた短波長の光をカット(透過、或いは低反射)する反射特性を第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23に持たせることで、当該短波長の光による照射エリア2Aの均斉度の劣化が抑えられる。
【0074】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、紫外線照射装置1が2つの照度計を備える場合を例示したが、これに限らず、応答感度のピーク波長が互いに異なる3以上の照度計を備え、それぞれで照射領域内の照度分布を測定し、それぞれの照度分布の測定結果で均一な照度分布となるように調整しても良い。
【0076】
また例えば、上述した実施形態では、干渉フィルタ4を各照射器3の底面を覆うように設けた上で、吸収フィルタ30を照射エリア2Aの照度分布に基づいて、高い照度の箇所への照射を抑えるように干渉フィルタ4の底面(照射エリア2Aとの対向面)に部分的に配置する構成とした。しかしながら、これに限らず、吸収フィルタ30を各照射器3の底面を覆うように設けた上で、干渉フィルタ4を吸収フィルタ30の上面又は底面に部分的に配置する構成としても良い。
【0077】
また、例えば本実施形態では、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23をメタルダイクロミラーとし、誘電多層膜の素性を変更することで、照度計20Bの応答感度の波長域の光の反射を抑える構成とした。
【0078】
しかしながら、これに限らず、例えばアルミニウム材から成る金属ミラーとし、反射面に照度計20Bの応答感度の波長域の光を吸収する吸収フィルタを設けることで光の反射を抑える構成としても良い。
【0079】
また例えば本実施形態において、第1補助反射ミラー22、及び第2補助反射ミラー23の反射面の分光反射特性を変えるに際して、反射面内の必要な箇所について部分的に反射率を変えて分光反射特性を変える構成としても良い。
【符号の説明】
【0080】
1 紫外線照射装置
2 ワーク
2A 照射エリア
4 干渉フィルタ(フィルタ)
11 メタルハライドランプ(光源)
12 反射ミラー
20A、20B 照度計
21 照度分布測定用具
22 第1補助反射ミラー
23 第2補助反射ミラー
30 吸収フィルタ(フィルタ)
図1
図2
図3
図4
図5