(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のインバータは、前記第2の記憶ノードにそのゲートが接続され、前記第1の記憶ノードにそのドレインが接続された電界効果型の第1の駆動トランジスタを備え、
前記第2のインバータは、前記第1の記憶ノードにそのゲートが接続され、前記第2の記憶ノードにそのソースが接続された電界効果型の第2の駆動トランジスタを備える、
請求項8に記載の半導体装置。
前記第1及び第2のインバータはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータである、請求項8又は9に記載の半導体装置。
前記第1の容量素子と同じ前記MIS構造を有し、前記第2の記憶ノード及び前記ワード線に接続され、前記第2の記憶ノードと前記ワード線との間に静電容量を持つ第2の容量素子をさらに備える、請求項13に記載の半導体装置。
前記第1のインバータは、前記第2の記憶ノードにそのゲートが接続され、前記第1の記憶ノードにそのドレインが接続された電界効果型の第1の駆動トランジスタを備え、
前記第2のインバータは、前記第1の記憶ノードにそのゲートが接続され、前記第2の記憶ノードにそのソースが接続された電界効果型の第2の駆動トランジスタを備える、
請求項19に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0017】
<発明の実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る半導体装置1の構成例を示すブロック図である。半導体装置1は、回路10及びSRAM11を有する。回路10は、SRAM11のアドレス端子にアドレス信号を供給し、SRAM11へのデータ書き込み及びSRAM11からのデータ読み出しを行う。SRAM11は、入力データ端子(D_IN)を介して回路10から書き込みデータを受信する。また、SRAM11は、出力データ端子(D_OUT)を介して回路10に読み出しデータを供給する。半導体装置1は、例えば、マイクロコントローラ、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサである。この場合、SRAM11は、マイクロプロセッサに内蔵された内部キャッシュメモリである。
【0018】
SRAM11は、複数のメモリセル(SRAMセル)160が格子状に配置されたSRAMセルアレイ16と、その周辺回路を含む。行選択回路12は、アドレス信号をデコードし、アドレス信号で指定されるメモリセル160に対応したワード線WLを複数のワード線(WL0、WL1、・・・)の中から選択する。列選択回路13は、アドレス信号をデコードし、アドレス信号で指定されるメモリセル160に対応した一対のビット線BL_T及びBL_Bを複数のビット線対(BL0_T及びBL0_B、BL1_T及びBL1_B、・・・)の中から選択する。書き込み回路14は、書き込み対象のセル160に対応した一対のビット線BL_T及びBL_Bを駆動し、当該セル160に対するデータ書き込みを行う。読み出し回路15は、読み出し対象のセル160に対応した一対のビット線BL_T及びBL_Bに接続され、当該セル160に保持されたデータを検出し増幅する。
【0019】
続いて以下では、SRAMセル160の構成について詳細に説明する。SRAMセル160は、2つの記憶ノードNA及びNBを有し、双安定性を持つフリップフロップ回路によってデータを記憶する。双安定型のフリップフロップ回路は、記憶するデータに応じて、記憶ノードNA及びNBのうち一方をHIGHレベルに設定し、他方をLOWレベルに設定する。双安定型のフリップフロップ回路は、一般的に、2つのインバータを用いた正帰還ループ回路によって構成される。言い換えると、双安定型のフリップフロップ回路は、互いに交差接続された2つのインバータ(NOTゲート)によって構成される。
【0020】
図2〜4は、SRAMセル160の第1〜第3の構成例を示す回路図である。
図2に示された第1の構成例は、2つのインバータ1611及び1612を用いた正帰還ループを含むフリップフロップ回路161を有する。インバータ1611は、第2の記憶ノードNBに入力端子が接続され、第1の記憶ノードNAに出力端子が接続されている。一方、インバータ1612は、第1の記憶ノードNAに入力端子が接続され、第2の記憶ノードNBに出力端子が接続されている。
【0021】
一対のビット線BL_T及びBL_Bと記憶ノードNA及びNBとの接続は、転送トランジスタ(転送ゲート)NM3及びNM4によって制御される。転送トランジスタNM3及びNM4は、NMOSトランジスタである。転送トランジスタNM3及びNM4のゲートはワード線WLに接続されている。転送トランジスタNM3のソース及びドレインの一方はビット線BL_Tに接続され、他方は記憶ノードNAに接続されている。転送トランジスタNM4のソース及びドレインの一方はビット線BL_Bに接続され、他方は記憶ノードNBに接続されている。つまり、転送トランジスタNM3及びNM4は、当該セル160に対応するワード線WLが選択状態(HIGHレベル)であるか非選択状態(LOWレベル)であるかに応じて、記憶ノードNA及びNBと一対のビット線BL_T及びBL_Bとの間の接続を制御する。
【0022】
図3は、電界効果トランジスタを用いてフリップフロップ回路161を構成した例を示している。具体的に述べると、
図3に示された第2の構成例は、CMOSインバータ型のSRAMセル160を示している。
図3では、インバータ1611は、高位基準電圧(VDD)と低位基準電圧(GND)との間に直列に接続されたPMOSトランジスタPM1及びNMOSトランジスタNM1を有する。トランジスタPM1及びNM1のゲートは、記憶ノードNBに接続されている。トランジスタPM1及びNM1のドレインは、記憶ノードNAに接続されている。インバータ1612は、高位基準電圧(VDD)と低位基準電圧(GND)との間に直列に接続されたPMOSトランジスタPM2及びNMOSトランジスタNM2を有する。トランジスタPM2及びNM2のゲートは、記憶ノードNAに接続されている。トランジスタPM2及びNM2のドレインは、記憶ノードNBに接続されている。
【0023】
図4もまた、電界効果トランジスタを用いてフリップフロップ回路161を構成した例を示している。具体的に述べると、
図4に示された第3の構成例は、抵抗負荷型のSRAMセル160を示している。
図4では、インバータ1611は、記憶ノードNAを駆動する駆動トランジスタNM1、及び抵抗負荷R1を有する。駆動トランジスタNM1は、記憶ノードNBにそのゲートが接続され、記憶ノードNAにそのドレインが接続されたNMOSトランジスタである。インバータ1612は、記憶ノードNBを駆動する駆動トランジスタNM2、及び抵抗負荷R2を有する。駆動トランジスタNM2は、記憶ノードNAにそのゲートが接続され、記憶ノードNBにそのドレインが接続されたNMOSトランジスタである。
【0024】
本実施の形態のSRAMセル160は、
図2〜4に示されているように、ワード線WLと記憶ノードNA及びNBとの間に接続された容量CG1及びCG2を有する。容量CG1は、ワード線WLと記憶ノードNAとの間に静電容量を有する。容量CG2は、ワード線WLと記憶ノードNBとの間に静電容量を有する。
図2〜4の例では、容量CG1及びCG2は、Pチャネル(P型反転層)を利用するMIS(Metal Insulator Semiconductor)容量として構成されている。MIS容量は、ゲート電極と、ゲート酸化膜(絶縁層)を介してゲート電極に対向する半導体領域(半導体基板又はウエル)との間の静電容量がゲート電圧に応じて変化することを利用した可変容量素子である。Pチャネル型のMIS容量である容量CG1及びCG2は、PMOSトランジスタと同様の構造、つまりソース及びドレインに対応する2つのP+拡散領域を有する構造であってもよい。また、容量CG1及びCG2は、PMOSトランジスタのソース及びドレインに対応する2つのP+拡散領域のうち一方のP+拡散領域のみを有する構造であってもよい。Pチャネル型のMIS容量においても、P+拡散領域とN型の半導体領域(N型の半導体基板又はNウエル)との界面が逆バイアスとなるように、N型の半導体領域(基板又はウエル)は高位基準電圧VDDに接続される。
【0025】
Pチャネル型のMIS容量は、ゲート〜ソース間電圧VGSに応じて、その静電容量CGSが変更される。
図5は、Pチャネル型のMIS容量としての容量CG1及びCG2のゲート〜ソース間電圧VGSとゲート〜ソース間の静電容量CGSの関係を示すグラフである。
図5に示すように、VGSが−VDD、つまりゲートがLOW(GND)レベルでありソースがHIGH(VDD)レベルである場合に、容量CG1及びCG2は相対的に大きな静電容量CLを持つ。これは、N型の半導体領域(基板又はウエル)の電位(VDD)に比べてゲート電位が十分に低いためにPチャネル(P型の反転層)が形成され、P型反転層の電位がソースと同電位(VDD)であるためである。この場合、P型反転層とソースが電気的に接続され、ゲートとソースの間にはゲート酸化膜の静電容量のみが存在することになり、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に大きい値CLとなる。
【0026】
一方、VGSがゼロ以上である場合、容量CG1及びCG2は相対的に小さい静電容量CSを持つ。例えば、容量CG1及びCG2のゲートがLOW(GND)レベルでありソースもLOW(GND)レベルである場合、ゲートとN型の半導体領域(基板又はウエル)の電位差によってP型反転層が形成されるものの、P型反転層がLOW(GND)レベルのソースに接続した瞬間にP型反転層がGND電位となる。このとき、ゲートもGND電位であるため、P型反転層が消滅する(P型反転層が存在できない)。従って、ゲートとソースの間に存在したゲート酸化膜の静電容量が消滅することになり、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に小さい値CSとなる。
【0027】
また、容量CG1及びCG2のゲートがHIGH(VDD)レベルである場合、ゲートとN型の半導体領域(基板又はウエル)が実質的に同電位となる。よって、P型反転層は形成されない。HIGH(VDD)レベル又はLOWレベル(GND)のソースは、N型の半導体領域(基板又はウエル)と電気的に分離(ゼロ若しくは逆バイアス)されているから、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に小さい値CSとなる。
【0028】
図2〜4では、容量CG1は、ゲートがワード線WLに接続され、ソースが記憶ノードNAに接続されている。同様に、容量CG2は、ゲートがワード線WLに接続され、ソースが記憶ノードNBに接続されている。容量CG1及びCG2が、Pチャネルトランジスタと同様に2つのP+拡散領域、つまりソース及びドレインを含む構造を持つ場合、ソース及びドレインと共に記憶ノードNA又はNBに接続すればよい。このように接続された容量CG1は、ワード線WLの選択状態及び記憶ノードNAに保持された電圧に応じて、ワード線WLと記憶ノードNAの間の静電容量CGSを以下のように変化させる。容量CG2も同様である。
【0029】
(1)ワード線が非選択状態(LOW(GND)レベル)であり、且つ記憶ノードNAがHIGH(VDD)レベルである場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは−VDDにバイアスされる。よって、容量CG1は相対的に大きい静電容量CLを持つ。
(2)ワード線が非選択状態(LOW(GND)レベル)であり、且つ記憶ノードNAがLOW(GND)レベルである場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは0Vにバイアスされる。よって、容量CG1は相対的に小さい静電容量CSを持つ。
(3)ワード線が選択状態(HIGH(VDD)レベル)である場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは0V又は+VDDにバイアスされる。よって、容量CG1は、記憶ノードNAがHIGH(VDD)レベルであるかLOW(GND)レベルであるかにかかわらず、相対的に小さい静電容量CSを持つ。
【0030】
続いて以下では、
図6のタイミングチャートを用いて、SRAMセル160の読み出し動作について説明する。
図6は、
図3又は
図4の構成例に関するタイミングチャートであり、記憶ノードNAがHIGHレベルを記憶し、記憶ノードNBがLOWレベルを記憶している場合におけるSRAMセル160の読み出し動作を示している。
図6(A)は、ワード線WLの電位を示している。
図6(B)は、ビット線BL_T及びBL_Bの電位を示している。
図6(C)は、記憶ノードNA及びNBの電位を示している。
【0031】
ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)である期間(
図6の期間T1)では、ワード線WL及び記憶ノードNAに接続された容量CG1は、容量CG2に比べて大きな静電容量CLを有する。一方、期間T1において、ワード線WL及び記憶ノードNBに接続された容量CG2は、容量CG1に比べて相対的に小さい静電容量CSを有する。したがって、ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)から選択状態(HIGHレベル)に変化するタイミングにおいて(
図6の期間T2)、記憶ノードNAの電位は、大きな静電容量CLを有する容量CG1に保持された電荷によってHIGH(VDD)レベルよりも高いレベルまで押し上げられる。なお、容量CG2は相対的に小さい静電容量CSを持つに過ぎないから、LOWレベルを保持する記憶ノードNBの電位上昇は小さく抑えられるため、ビット反転を招くことなない。
【0032】
HIGH(VDD)レベルよりも高い値に押し上げられた記憶ノードNAは、
図3及び4に示したように、記憶ノードNBを駆動するトランジスタNM2のゲートに接続されている。よって、トランジスタNM2は、VDDで動作する場合に比べてその駆動能力が向上する。したがって、ビット線(BL_B)にチャージされた電荷の転送トランジスタ(NM4)及び駆動トランジスタ(NM2)を介した放電が速やかに行われ、これによりLOW電位を保持する記憶ノードNBの電位上昇が抑制される。記憶ノードNBの電位上昇がインバータ1611を構成するトランジスタ(PM1及びNM1)のゲート閾値電圧より低く抑えられることで、記憶ノードNA及びNBのデータ反転(データ破壊)が抑制される。このため、SRAMセル160は、読み出し時のSNMを改善し、読み出し速度の高速化に寄与できる。
【0033】
さらに、本実施の形態に係るSRAMセル160は、記憶ノードNAとワード線WLとの間に静電容量を持つ容量CG1を含む。これによって、SRAMセル160は、特許文献1のSRAMセルとは対照的に、高抵抗を持つ負荷トランジスタPM1(又は抵抗負荷R1)による遅延を受けることなく、HIGHレベルを保持する記憶ノードNAの電位を速やかに昇圧することができる。つまり、
図6の期間T2に示されているように、ワード線WLが選択状態に変化したことに応答して、HIGHレベルを保持する記憶ノードNAの電位を速やかに押し上げることができる。よって、本実施の形態は、読み出し時のSNM不良に起因するデータ反転(データ破壊)を十分に抑制することができ、読み出し速度の高速化に寄与できる。
【0034】
なお、ワード線WLが選択状態(HIGHレベル)である場合、オン状態にある負荷トランジスタPM1(又は抵抗負荷R1)によって、記憶ノードNAの電位はVDDに戻される。ただし、SRAMセル160を構成する負荷トランジスタPM1(又は抵抗負荷R1)は、一般的に高抵抗に設定される。このため、ワード線WLが選択された直後における記憶ノードNAの電位上昇期間(T2)は確保される。言い換えると、記憶ノードNAの電位上昇は、ワード線WLが選択された後の暫くの期間に限られ、ワード線WLが選択状態(HIGHレベル)である全期間(
図6の期間T2及びT3の間)にわたって得られるものではない。しかしながら、SRAMセル160の記憶データの反転(データ破壊)及びビット線の放電もワード線WLが選択された直後に起こる動作である。よって、このことは、データ反転の抑制効果、及びビット線の放電速度(読み出し速度)の高速化の効果を過度に損なうものではない。反対に、ワード線WLの選択期間の後半において、
図6の期間T3に示されているように、HIGHレベルを記憶している記憶ノードNAの電位がVDDまで下がることによって、駆動トランジスタNM2のオーバードライブが継続されることに起因する信頼性の低下を低減できる。
【0035】
次に、ワード線が選択状態(HIGHレベル)から非選択状態(LOWレベル)に遷移する場合について説明する。ワード線が選択状態(HIGHレベル)である間(
図6の期間T2及びT3)では、容量CG1及びCG2はともに小さい静電容量CSを有する。したがって、ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)に遷移するタイミングでのSRAMセル160の動作は、容量CG1及びCG2が設けられていない通常のSRAMセルと実質的に同様の動作となる。
【0036】
ここで、SRAMセル160との比較のために特許文献1に開示されたSRAMセル(
図20のSRAMセル900)の読み出し操作について説明する。
図21は、記憶ノードNAがHIGHレベルを記憶し、記憶ノードNBがLOWレベルを記憶している場合におけるSRAMセル900の読み出し動作を示している。なお、
図21は、記憶ノードNA及びNBのビット反転(データ破壊)が発生する場合を示している。すでに述べたように、
図20のSRAMセル900では、負荷トランジスタ(PM1)を介して給電ノードNDDから記憶ノードNAに高電圧が伝搬する。このため、
図21(D)に示されているように、ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)から選択状態(HIGHレベル)に変化した直後のタイミング(期間T4)において、記憶ノードNAの電圧は十分に上昇しない。よって、ビット線BL_Bにチャージされている電荷が十分に放電されず、LOWレベルを保持する記憶ノードNBの電位が上昇し、最悪の場合には、記憶ノードNA及びNBのビット反転が発生してしまう。
【0037】
図22も、記憶ノードNAがHIGHレベルを記憶し、記憶ノードNBがLOWレベルを記憶している場合におけるSRAMセル900の読み出し動作を示している。ただし、
図22は、記憶ノードNA及びNBのビット反転(データ破壊)が発生しない場合を示している。この場合にも、
図22(D)に示されているように、ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)から選択状態(HIGHレベル)に変化した直後のタイミング(期間T4)において、記憶ノードNAの電圧は十分に上昇しない。よって、ビット線BL_Bにチャージされている電荷が十分に放電されず、読み出し速度の高速化の効果は小さい。
【0038】
図6と
図21及び22の対比から明らかであるように、本実施の形態に係るSRAMセル160は、
図20のSRAMセル900に比べて、ワード線WLが選択状態(HIGHレベル)に変化した直後に記憶ノードNAの電位を速やかに昇圧することができる。よって、本実施の形態に係るSRAMセル160は、
図20のSRAMセル900に比べて、読み出し時のSNM不良に起因するデータ反転(データ破壊)を十分に抑制することができ、読み出し速度のより一層の高速化に寄与できる。
【0039】
加えて述べると、
図20のSRAMセル900は、容量素子C1が記憶ノードNA及びNBに接続されていない。したがって、
図20のSRAMセル900は、半導体製造プロセスの微細化および定電圧化で顕著になるソフトエラー耐性の向上に寄与しない。これに対して、本実施の形態に係るSRAMセル160は、記憶ノードNA及びNBに接続された容量CG1及びCG2を有するため、ソフトエラー耐性を向上させることができる。
【0040】
続いて以下では、本実施の形態に係るSRAMセル160のレイアウトに関して説明する。
図7は、
図3に示したSRAMセル160の半導体基板上での素子配置の具体例を示すレイアウト図(平面図)である。
図8は、
図7のI−I断面線での断面図を示している。
図3に示したSRAM16の構成例は、容量CG1及びCG2を含めて左右対称な構造を有しているため、
図7に示されているように、対称性の高い素子配置を採用することができる。対称性の高い素子配置は、周辺セルとの間で拡散領域を共用すること等によって省スペース化がしやすく、チップ面積の増大の抑制に寄与できる点で有効である。
【0041】
図7に示されたレイアウトでは、2つのPウエル及び1つのNウエルが半導体基板に形成されている。なお、例えば、Pウエルを形成せずに、P型の半導体基板を用いてもよい。2つのPウエルには、周囲をフィールド酸化膜(素子間分離層)によって囲まれたN+拡散領域21及び22が形成されている。また、Nウエルには、周囲をフィールド酸化膜(素子間分離層)によって囲まれたP+拡散領域23及び24が形成されている。
【0042】
ポリシリコン配線(導電層)31は、N+拡散領域21及びP+拡散領域23に跨って形成されており、トランジスタNM1及びPM1より成るCMOSインバータ1611の共通ゲート電極として用いられる。同様に、ポリシリコン配線(導電層)32は、N+拡散領域22及びP+拡散領域24に跨って形成されており、トランジスタNM1及びPM1より成るCMOSインバータ1612の共通ゲート電極として用いられる。
【0043】
図7に示されたコンタクト間を繋ぐ二重線は、上層の配線層に形成される配線を模式的に示したものである。例えば、ポリシリコン配線31(つまりトランジスタNM1及びPM1のゲート)は、コンタクト41、43及び44によって、記憶ノードNB(つまりトランジスタNM2及びPM2のドレイン)に接続されている。また、ポリシリコン配線32(つまりトランジスタNM2及びPM2のゲート)は、コンタクト42、45及び46によって、記憶ノードNA(つまりトランジスタNM1及びPM1のドレイン)に接続されている。
【0044】
続いて、Pチャネル型のMIS容量としての容量CG1及びCG2の構造に関して説明する。容量CG1を形成するために、PMOSトランジスタPM1のドレイン側の拡散領域(P+拡散領域23)は、
図7の下方向に延在している。ポリシリコン配線(導電層)33は、N+拡散領域21及びP+拡散領域23に跨って形成されており、コンタクト47を介してワード線WLに接続される。つまり、ポリシリコン配線33は、転送トランジスタNM3のゲート電極として機能するとともに、容量CG1のゲート電極として機能する。このように、ポリシリコン配線33及びP+拡散領域23をオーバーラップさせることによって容量CG1が形成される。同様に、ポリシリコン配線34及びP+拡散領域24をオーバーラップさせることによって容量CG2が形成される。
【0045】
なお、
図7の例では、容量CG2を形成するスペースを確保するために、トランジスタNM1及びPM1のゲートポリ(ポリシリコン配線31)の左端にコンタクト41が配置されている。同様に、容量CG1を形成するスペースを確保するために、トランジスタNM2及びPM2のゲートポリ(ポリシリコン配線32)の右端にコンタクト42が配置されている。しかしながら、コンタクト41は、NM1とPM1の間のゲートポリ(ポリシリコン配線31)上に形成されてもよい。同様に、コンタクト42は、NM2とPM2の間のゲートポリ(ポリシリコン配線32)上に形成されてもよい。
【0046】
図8は、トランジスタPM2及びPチャネル型の容量CG2が形成された領域の断面図である。Pチャネル型の容量CG1の断面構造も、
図8の容量CG2と同様である。容量CG2は、ゲート電極(ポリシリコン配線34)、ゲート酸化膜(絶縁層)51、N型半導体領域(Nウエル61)、及びN型半導体領域に隣接するP+拡散領域24によって形成される。図示していないが、N型半導体領域(Nウエル61)は、高位基準電圧VDDに接続される。コンタクト49は、PMOSトランジスタPM2のソースとして用いられるP+拡散領域24上に形成され、PM2のソースを上層の少なくとも1つの配線層に電気的に接続する。層間絶縁膜63は、半導体基板と上層の配線層(不図示)の間を絶縁する。なお、
図7及び8の例では、容量CG2は、ソースに相当するP+拡散領域24を有するが、ドレインに相当するP+拡散領域は有していない。つまり、PMOSトランジスタであればドレインが形成される領域には、フィールド酸化膜62が設けられている。
【0047】
より詳しく述べると、容量CG2のMIS構造は、N型の半導体領域(Nウエル61)、N型の半導体領域(Nウエル61)の表面領域(611)上に形成された絶縁層(ゲート酸化膜51)、絶縁層(ゲート酸化膜51)上に形成された導電層(ポリシリコン配線34)、N型の半導体領域(Nウエル61)の表面領域に隣接して形成された第2導電型の半導体領域(P+拡散領域24)を含む。そして、導電層(ポリシリコン配線34)は、ワード線WLに接続される。また、第2導電型の半導体領域(P+拡散領域24)は、記憶ノードNBに接続される。
【0048】
図9は、
図8に示したSRAMセル160が複数個配置されたセルアレイのレイアウトを示す平面図である。
図9の例では、メモリセル内の素子配置の対称性を利用して、拡散領域21〜24が縦方向の隣接セル間で共通化されている。つまり、NMOSトランジスタNM1〜NM4のソースは、隣接セルのNM1〜NM4のソースと共通化されている。また、PMOSトランジスタPM1及びPM2のソースは、隣接セルのPMOSトランジスタPM1及びPM2のソースと共通化されている。
【0049】
なお、SRAMセル160に関する上述の説明では、SRAMセル160がシングルポートSRAMセルである場合について述べた。しかしながら、SRAMセル160は、デュアルポートSRAMセルであってもよい。
図10は、デュアルポートSRAMセルとしてのセル160の構成例を示している。
図10の例では、第2のワード線WL_2、並びに第2のビット線対BL_T2及びBL_B2が設けられている。転送トランジスタNM5は、ビット線BL_T2と記憶ノードNAの間を接続する。また、転送トランジスタNM6は、ビット線BL_B2と記憶ノードNAの間を接続する。Pチャネル型の容量CG3及びCG4は、容量CG1及びCG2と同様に構成されている。容量CG3及びCG4は、記憶ノードNA及びNBとワード線WL2との間に静電容量を持つ。
【0050】
<発明の実施の形態2>
上述した発明の実施の形態1では、ワード線WLと記憶ノードNA及びNBの間に静電容量を持つ容量CG1及びCG2がPチャネル型のMIS容量である場合について説明した。本実施の形態では、上述した実施の形態1に係るSRAMセル160が有する容量CG1及びCG2をNチャネル型のMIS容量に置き換えた変形例について説明する。
【0051】
図2〜4に示したSRAMセル160の構成例における容量CG1及びCG2をNチャネル型のMIS容量に置き換えた場合の構成例を
図11〜13に示す。Nチャネル型のMIS容量である
図11〜13の容量CG1及びCG2は、NMOSトランジスタと同様の構造、つまりソース及びドレインに対応する2つのN+拡散領域を有する構造であってもよい。また、容量CG1及びCG2は、ソース及びドレインのうち一方に対応する1つのN+拡散領域のみを有する構造であってもよい。Nチャネル型のMIS容量においても、N+拡散領域とP型の半導体領域(P型の半導体基板又はPウエル)との界面が逆バイアスとなるように、P型の半導体領域(基板又はウエル)は低位基準電圧GNDに接続される。
【0052】
Nチャネル型のMIS容量は、ゲート〜ソース間電圧VGSに応じて、その静電容量CGSが変更される。
図14は、Nチャネル型のMIS容量としての容量CG1及びCG2のゲート〜ソース間電圧VGSとゲート〜ソース間の静電容量CGSの関係を示すグラフである。
図14に示すように、VGSが+VDD、つまりゲートがHIGH(VDD)レベルでありソースがLOW(GND)レベルである場合に、容量CG1及びCG2は相対的に大きな静電容量CLを持つ。これは、P型の半導体領域(基板又はウエル)の電位(GND)に比べてゲート電位が十分に高いためにNチャネル(N型の反転層)が形成され、N型反転層の電位がソースと同電位(GND)であるためである。この場合、N型反転層とソースが電気的に接続され、ゲートとソースの間にはゲート酸化膜の静電容量のみが存在することになり、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に大きい値CLとなる。
【0053】
一方、VGSがゼロ以下である場合、容量CG1及びCG2は相対的に小さい静電容量CSを持つ。例えば、容量CG1及びCG2のゲートがHIGH(VDD)レベルでありソースもHIGH(VDD)レベルである場合、ゲートとP型の半導体領域(基板又はウエル)の電位差によってN型反転層が形成されるものの、N型反転層がHIGH(VDD)レベルのソースに接続した瞬間にN型反転層がVDD電位となる。このとき、ゲートもVDD電位であるため、N型反転層が消滅する(N型反転層が存在できない)。従って、ゲートとソースの間に存在したゲート酸化膜の静電容量が消滅することになり、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に小さい値CSとなる。
【0054】
また、容量CG1及びCG2のゲートがLOW(GND)レベルである場合、ゲートとP型の半導体領域(基板又はウエル)が実質的に同電位となる。よって、N型反転層は形成されない。LOW(GND)レベル又はHIGHレベル(VDD)のソースは、P型の半導体領域(基板又はウエル)と電気的に分離(ゼロ若しくは逆バイアス)されているから、ゲート〜ソース間の静電容量CGSは相対的に小さい値CSとなる。
【0055】
図11〜13では、容量CG1は、ソースがワード線WLに接続され、ゲートが記憶ノードNAに接続されている。同様に、容量CG2は、ソースがワード線WLに接続され、ゲートが記憶ノードNBに接続されている。このように接続された容量CG1及びCG2は、ワード線WLと記憶ノードNAの間の静電容量CGSの変化は、
図2〜4に示したPチャネル型のMIS容量の場合と同様となる。つまり、容量CG1は、ワード線WLの選択状態及び記憶ノードNAに保持された電圧に応じて、ワード線WLと記憶ノードNAの間の静電容量CGSを以下のように変化させる。容量CG2も同様である。
【0056】
(1)ワード線が非選択状態(LOW(GND)レベル)であり、且つ記憶ノードNAがHIGH(VDD)レベルである場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは+VDDにバイアスされる。よって、容量CG1は相対的に大きい静電容量CLを持つ。
(2)ワード線が非選択状態(LOW(GND)レベル)であり、且つ記憶ノードNAがLOW(GND)レベルである場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは0Vにバイアスされる。よって、容量CG1は相対的に小さい静電容量CSを持つ。
(3)ワード線が選択状態(HIGH(VDD)レベル)である場合、ゲート〜ソース間電圧VGSは0V又は−VDDにバイアスされる。よって、容量CG1は、記憶ノードNAがHIGH(VDD)レベルであるかLOW(GND)レベルであるかにかかわらず、相対的に小さい静電容量CSを持つ。
【0057】
したがって、本実施の形態に係るSRAMセル160の読み出し動作は、
図6のタイミングチャートを用いて説明した実施の形態1と同様となる。したがって、本実施の形態に係るSRAMセル160は、ワード線WLが選択状態に変化したことに応答して、HIGHレベルを保持する記憶ノードNAの電位を速やかに押し上げることができる。よって、本実施の形態は、読み出し時のSNM不良に起因するデータ反転(データ破壊)を十分に抑制することができ、読み出し速度の高速化に寄与できる。
【0058】
また、ワード線の非選択時には、LOWレベルを保持する記憶ノードNBに接続された容量CG2は相対的に小さい静電容量CSを持つに過ぎない。このため、LOWレベルを保持する記憶ノードNBの電位上昇は小さく抑えられるため、ビット反転を招くことなない。
【0059】
また、本実施の形態に係るSRAMセル160は、ワード線WLの選択期間の後半において、
図6の期間T3に示されているように、HIGHレベルを記憶している記憶ノードNAの電位がVDDまで下がることによって、駆動トランジスタNM2のオーバードライブが継続されることに起因する信頼性の低下を低減できる。
【0060】
また、本実施の形態に係るSRAMセル160は、記憶ノードNA及びNBに接続された容量CG1及びCG2を有するため、ソフトエラー耐性を向上させることができる。
【0061】
なお、本実施の形態に係るSRAMセル160は、上述した実施の形態1と同様にデュアルポートSRAMセルであってもよい。
【0062】
<発明の実施の形態3>
上述した発明の実施の形態1及び2では、ワード線WLと記憶ノードNA及びNBの間に静電容量を持つ容量CG1及びCG2がMIS容量である場合について説明した。しかしながら、容量CG1は、(A)ワード線WLが非選択状態(通常はLOWレベル)であり且つ記憶ノードNAがHIGHレベルを保持する場合に相対的に大きい静電容量CLを持ち、(B)ワード線WLが非選択状態(通常はLOWレベル)であり且つ記憶ノードNAがLOWレベルを保持する場合に相対的に小さい静電容量CSを持てばよい。つまり、容量CG1は、ワード線WLと記憶ノードNAの間の電位差に応じて、ワード線WLと記憶ノードNAの間の静電容量が上述のように変化する可変容量素子であればよい。容量CG2も同様である。
【0063】
このような特性を持つ可変容量素子は、実施の形態1及び2で述べた構造のPチャネル型及びNチャネル型のMIS容量に限られない。CMOSプロセスにおいては、ゲートポリシリコン(ゲート電極)と拡散領域の間の静電容量を利用する他の構造を持つMIS容量(MOS容量)を形成することもできる。ゲートポリシリコン(ゲート電極)と拡散領域の間の静電容量を利用するMIS容量は、空乏層の幅又は反転層の有無が印加電圧によって変化するため、印加電圧の上昇と共に静電容量が非線形に増加する特性を持つ素子を形成することができる。
【0064】
図3に示したSRAMセル160の構成例において容量CG1及びCG2を上述した特性を持つ可変容量素子に置き換えた場合の構成例を
図15に示す。なお、
図2及び4に示したSRAMセル160の構成例に含まれる容量CG1及びCG2を上述した特性を持つ可変容量素子に置き換えてもよい。
【0065】
図16は、ワード線WLが非選択状態(LOWレベル)であるときの可変容量CG1及びCG2)の静電容量と記憶ノードに記憶されたビット値(つまり、記憶ノードの電位)との関係を示すグラフである。
【0066】
本実施の形態に係るSRAMセル160の読み出し動作は、
図6のタイミングチャートを用いて説明した実施の形態1と同様となる。したがって、本実施の形態に係るSRAMセル160は、ワード線WLが選択状態に変化したことに応答して、HIGHレベルを保持する記憶ノードNAの電位を速やかに押し上げることができる。よって、本実施の形態は、読み出し時のSNM不良に起因するデータ反転(データ破壊)を十分に抑制することができ、読み出し速度の高速化に寄与できる。
【0067】
また、ワード線の非選択時には、LOWレベルを保持する記憶ノードNBに接続された容量CG2は相対的に小さい静電容量CSを持つに過ぎない。このため、LOWレベルを保持する記憶ノードNBの電位上昇は小さく抑えられるため、ビット反転を招くことなない。
【0068】
また、本実施の形態に係るSRAMセル160は、ワード線WLの選択期間の後半において、
図6の期間T3に示されているように、HIGHレベルを記憶している記憶ノードNAの電位がVDDまで下がることによって、駆動トランジスタNM2のオーバードライブが継続されることに起因する信頼性の低下を低減できる。
【0069】
また、本実施の形態に係るSRAMセル160は、記憶ノードNA及びNBに接続された容量CG1及びCG2を有するため、ソフトエラー耐性を向上させることができる。
【0070】
なお、本実施の形態に係るSRAMセル160は、上述した実施の形態1と同様にデュアルポートSRAMセルであってもよい。
【0071】
<発明の実施の形態4>
発明の実施の形態1〜3で説明したSRAMセル160を到来したSRAM11は、書き込みマージンを悪化させることなく、読み出しマージン(SNM)の向上と読み出し速度の高速化が可能である。一方、書き込みマージンを向上させるための技術(書き込みアシスト技術)が提案されている。例えば、特開2007−12214号公報および特開2011−65727号公報は、書き込みアシスト技術を提案している。実施の形態1〜3で説明したSRAMセル160は、通常のSRAMセルと同様のワード線、ビット線、及び電源構造を持つため、これらの書き込みアシスト技術を容易に適用することができる。SRAMセル160に書き込みアシスト技術を適用することによって、SRAMセル160の書き込みマージンが向上し、SRAMの更なる低電力化が実現できる。
【0072】
特開2007−12214号公報に開示された書き込みアシスト技術は、書き込みマージンを向上させるために、書き込み期間に選択されたSRAMセルの電源電圧をVDDレベルよりも低い電圧に設定する。特開2007−12214号公報に開示された書き込みアシスト技術を適用したSRAM41を含む半導体装置4の構成例を
図17に示す。
図17のSRAM41は、電圧生成回路17で生成されるVDDレベルよりも低い電圧を、書き込み期間に選択されたセル列に含まれるSRAMセル160の電源に印加する。これにより、書き込みマージンが向上するため、実施の形態1〜3で述べた読出しマージン(SNM)向上との相乗効果によって、SRAMの更なる低電力化が実現できる。
【0073】
特開2011−65727号公報に開示された書き込みアシスト技術は、書き込み期間に選択されたビット線対BL_T及びBL_BのLowレベルを負電圧に設定する。特開2011−65727号公報に開示された書き込みアシスト技術を適用したSRAM41を含む半導体装置4の構成例を
図18に示す。
図18のSRAM41は、電圧生成回路17で生成された負電圧を書き込み回路14と列選択回路13を介して選択されたビット線対BL_T及びBL_Bに印加する。これにより、書き込みマージンが向上するため、実施の形態1〜3で述べた読出しマージン(SNM)向上との相乗効果によって、SRAMの更なる低電力化が実現できる。
【0074】
また、書き込みマージンを向上させるため、書き込み期間に選択されたワード線WLをVDDレベルよりも高い電圧に設定してもよい。このような書き込みアシスト技術を適用したSRAM41を含む半導体装置4の構成例を
図19に示す。
図19のSRAM41は、電圧生成回路17で生成されたVDDレベルよりも高い電圧を行選択回路12を介して選択されたワード線WLに印加する。これにより、書き込みマージンが向上するため、実施の形態1〜3で述べた読出しマージン(SNM)向上との相乗効果によって、SRAMの更なる低電力化が実現できる。
【0075】
なお、書き込みアシスト技術に関する詳細な動作、及び書き込みマージン向上のメカニズムは、上述した各文献を参照することで明確になるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0076】
<その他の実施の形態>
上述した実施の形態1及び2では、ワード線WLが選択状態(HIGHレベル)であるときに容量CG1及びCG2が相対的に小さい静電容量CS有する例について示した。しかしながら、容量CG1及びCG2は、ワード線WLが選択状態(HIGHレベル)であるときに大きな静電容量(例えば静電容量CL)を有してもよい。
【0077】
また、容量CG1及びCG2は、発明の実施の形態1〜3で述べたように、静電容量に関して実質的に同一の特性を持つことが好ましい。つまり、容量CG1及びCG2は、ソース〜ゲート間電圧が同じであるときに実質的に同一の静電容量をもち、実質的に同一の静電容量の非線形性(電圧依存性)を持つことが好まし。しかしながら、容量CG1及びCG2は、静電容量に関する特性が相違していてもよい。
【0078】
また、上述した実施の形態1〜3では、ワード線の非選択時の電位及び記憶ノードのLOWレベルの電位を規定する低位基準電圧が接地電位GNDであるとして説明した。しかしながら、低位基準電圧は、VDDより低い電圧であればよく、GND以外の電圧であってもよい。
【0079】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。