特許第5889831号(P5889831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5889831化粧材のトリミング装置、被覆製品の製造装置及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889831
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】化粧材のトリミング装置、被覆製品の製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B27M 1/00 20060101AFI20160308BHJP
   B23C 3/12 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   B27M1/00 F
   B23C3/12 Z
   B23C3/12 C
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-97106(P2013-97106)
(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2014-217897(P2014-217897A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2015年11月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395012617
【氏名又は名称】加藤木材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久也
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−224910(JP,A)
【文献】 実開平2−94017(JP,U)
【文献】 特開2010−208269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27M 1/00 − 3/38
B23C 3/12
B27C 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の端面に接着された化粧材の余剰端部を除去して面取りする化粧材のトリミング装置であって、
前記化粧材の余剰端部に沿って移動するトリミングヘッドを備え、
前記トリミングヘッドは、駆動モータと、該駆動モータの駆動軸に連結されて前記化粧材の余剰端部を除去する回転カッターと、該回転カッターの軸心側に取り付けられる取付部材と、該取付部材に前記回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されて前記基材上を転動する案内部と、を備え
前記トリミングヘッドは、前記案内部の外周面に圧接する圧接片を備えることを特徴とする化粧材のトリミング装置。
【請求項2】
前記回転カッターは、前記化粧材の化粧面の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃を備える請求項1記載の化粧材のトリミング装置。
【請求項3】
基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置であって、
前記基材の端面に前記化粧材を接着する化粧材の接着装置と、
請求項1又は2に記載の化粧材のトリミング装置と、を備えることを特徴とする被覆製品の製造装置。
【請求項4】
基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造方法であって、
前記基材の端面に前記化粧材を接着する化粧材の接着工程と、
請求項1又は2に記載の化粧材のトリミング装置を用いて、前記基材の端面に接着された前記化粧材の余剰端部を除去して面取りする化粧材のトリミング工程と、を備えることを特徴とする被覆製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧材のトリミング装置、被覆製品の製造装置及び製造方法に関し、さらに詳しくは、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる化粧材のトリミング装置、被覆製品の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の化粧材のトリミング装置として、基材の端面に接着された化粧材の余剰端部を除去して面取りするもの(「ラウンドトリミング装置」とも称される。)が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。このトリミング装置は、例えば、図20に示すように、化粧材109の余剰端部に沿って移動するトリミングヘッド141を備え、このトリミングヘッド141は、駆動モータ147と、駆動モータ147の駆動軸147aに連結されて化粧材109の余剰端部を除去する回転カッター148と、トリミングヘッド141の本体141aに設けられるブラケット149に回転自在に支持されて基材108上を転動する案内部152(例えば、ベアリングの外輪等)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−208269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の化粧材のトリミング装置では、案内部152がトリミングヘッド141の本体141aに設けられるブラケット149に回転自在に支持されているので、案内部152と回転カッター148との軸心を正確に位置決めし難く、基材108に対する案内部152の倣いにズレが生じ易くなる。その結果、例えば、図21(a)に示すように、回転カッター148の刃先外径より案内部152の外径が小さい場合には、回転カッター148の刃先が化粧材109に深く入り込みすぎてしまう。また、例えば、図21(b)に示すように、回転カッター148の刃先外径より案内部152の外径が大きい場合には、回転カッター148の刃先が化粧材109に浅くしか入り込まず余剰端部の取り残しが生じてしまう。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる化粧材のトリミング装置、被覆製品の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基材の端面に接着された化粧材の余剰端部を除去して面取りする化粧材のトリミング装置であって、前記化粧材の余剰端部に沿って移動するトリミングヘッドを備え、前記トリミングヘッドは、駆動モータと、該駆動モータの駆動軸に連結されて前記化粧材の余剰端部を除去する回転カッターと、該回転カッターの軸心側に取り付けられる取付部材と、該取付部材に前記回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されて前記基材上を転動する案内部と、を備え、前記トリミングヘッドは、前記案内部の外周面に圧接する圧接片を備えることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1記載において、前記回転カッターは、前記化粧材の化粧面の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃を備えることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置であって、前記基材の端面に前記化粧材を接着する化粧材の接着装置と、請求項1又は2に記載の化粧材のトリミング装置と、を備えることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造方法であって、前記基材の端面に前記化粧材を接着する化粧材の接着工程と、請求項1又は2に記載の化粧材のトリミング装置を用いて、前記基材の端面に接着された前記化粧材の余剰端部を除去して面取りする化粧材のトリミング工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧材のトリミング装置によると、化粧材の余剰端部に沿って移動するトリミングヘッドを備え、トリミングヘッドは、駆動モータと、駆動モータの駆動軸に連結されて化粧材の余剰端部を除去する回転カッターと、回転カッターの軸心側に取り付けられる取付部材と、取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されて基材上を転動する案内部と、を備える。これにより、トリミングヘッドが化粧材の余剰端部に沿って移動する際に、案内部が基材上を転動しつつ回転カッターが化粧材の余剰端部を除去して化粧材が面取りされる。そして、案内部は、回転カッターに取り付けられた取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されているので、案内部と回転カッターとの軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる。
また、前記トリミングヘッドが、前記案内部の外周面に圧接する圧接片を備えるので、圧接片が案内部の外周面に圧接することで、案内部の回転カッターとの供回りを防止できるとともに、案内部の外周面への切削屑等の異物の付着を防止することができる。
さらに、前記回転カッターが、前記化粧材の化粧面の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃を備える場合は、回転カッターが化粧材の余剰端部を除去する際に、化粧材の裏面側にはみ出た接着材を容易に取り去り得るとともに、バリの発生を抑制できる。
【0008】
本発明の被覆製品の製造装置によると、上述の化粧材のトリミング装置を備えるので、トリミングヘッドが化粧材の余剰端部に沿って移動する際に、案内部が基材上を転動しつつ回転カッターが化粧材の余剰端部を除去して化粧材が面取りされる。そして、案内部は、回転カッターに取り付けられた取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されているので、案内部と回転カッターとの軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる。よって、好適な被覆製品が得られる。
【0009】
本発明の被覆製品の製造方法によると、上述の化粧材のトリミング装置を用いるので、トリミングヘッドが化粧材の余剰端部に沿って移動する際に、案内部が基材上を転動しつつ回転カッターが化粧材の余剰端部を除去して化粧材が面取りされる。そして、案内部は、回転カッターに取り付けられた取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されているので、案内部と回転カッターとの軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる。よって、好適な被覆製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係る被覆製品の製造装置の側面図である。
図2】実施例に係る化粧材の接着装置の斜視図である。
図3】上記化粧材の接着装置の平面図である。
図4図3のIV−IV線断面拡大図である。
図5図3のV−V線断面拡大図である。
図6図4のVI矢視図である。
図7】実施例に係るエンドカット部の斜視図である。
図8】実施例に係るトリミング部の斜視図である。
図9】上記トリミング部の作用説明図である。
図10】実施例に係る化粧材のトリミング装置の斜視図である。
図11】上記化粧材のトリミング装置の側面図である。
図12】上記化粧材のトリミング装置の要部断面図である。
図13図12のXIII矢視図である。
図14】上記化粧材のトリミング装置の作用説明図である。
図15図14の要部拡大図である。
図16】実施例に係る回転カッターの先端刃(逆リード)を説明するための説明図である。
図17】その他の形態の化粧材のトリミング装置を説明するための説明図である。
図18】その他の形態の回転カッターの先端刃(正リード)を説明するための説明図である。
図19】その他の形態の化粧材の接着装置を説明するための説明図である。
図20】従来の化粧材のトリミング装置を説明するための説明図である。
図21】上記従来の化粧材のトリミング装置を説明するための説明図であり、(a)は回転カッターの刃先外径より案内部の外径が小さい形態を示し、(b)は回転カッターの刃先外径より案内部の外径が大きい形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0012】
<化粧材のトリミング装置>
本実施形態に係る化粧材のトリミング装置は、基材(8)の端面(8a)に接着された化粧材(9)の余剰端部(S)を除去して面取りする化粧材のトリミング装置(6)であって、化粧材の余剰端部に沿って移動するトリミングヘッド(41)を備え、トリミングヘッドは、駆動モータ(47)と、駆動モータの駆動軸(47a)に連結されて化粧材の余剰端部を除去する回転カッター(48)と、回転カッターの軸心側に取り付けられる取付部材(49)と、取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されて基材上を転動する案内部(52)と、を備える(例えば、図12等参照)。なお、上記トリミングヘッド(41)は、例えば、少なくとも水平方向及び垂直方向に移動可能とされていることができる。
【0013】
本実施形態に係る化粧材のトリミング装置としては、例えば、上記トリミングヘッド(41)は、案内部(52)の外周面に圧接する圧接片(57)を備える形態(例えば、図13等参照)を挙げることができる。
【0014】
本実施形態に係る化粧材のトリミング装置としては、例えば、上記回転カッター(48)は、化粧材(9)の化粧面(9b)の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃(62)を備える形態(例えば、図16等参照)を挙げることができる。
【0015】
<被覆製品の製造装置>
本実施形態に係る被覆製品の製造装置は、基材(8)の端面(8a)に化粧材(9)を接着してなる被覆製品の製造装置であって、基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着装置(3,3’)と、上述の化粧材のトリミング装置(6)と、を備える(例えば、図1及び図12等参照)。
【0016】
本実施形態に係る被覆製品の製造装置としては、例えば、上記化粧材の接着装置(3、3’)は、所定の搬送方向(P)に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面(9a)に接着材(10)を塗布する塗布部(17)と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部(18)と、を備える形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。これにより、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材を厳密に温度管理することなく加工コストを抑制して基材及び化粧材を接着することができる。また、上述の化粧材のトリミング装置によって、回転カッターが化粧材の余剰端部を除去する際に化粧材の裏面側にはみ出た接着材を容易に取り去ることができる。なお、上記「化粧材の裏面」とは、化粧材の意匠面とは反対側の接着面を意図する。
【0017】
上述の形態の場合、例えば、上記塗布部(17)は、基材(8)の端面(8a)の高さ(h1)より大きな塗布幅(h3)で化粧材(9)の裏面(9a)に接着材(10)を塗布することができる(例えば、図4等参照)。これにより、比較的薄厚の化粧材を採用しても基材及び化粧材を確実に接着することができる。また、基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制され、後工程において接着材の余剰端部を容易に除去することができる。
【0018】
上述の形態の場合、例えば、上記押圧部(18)は、接着材(10)が基材(8)の端面(8a)の上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材(9)の裏面(9a)を基材の端面に押圧することができる(例えば、図5等参照)。これにより、基材及び化粧材の接着性をより高め得るとともに、接着材の余剰部位を容易に除去できる。なお、上記接着材のはみ出し量(h4)としては、例えば、0.1〜0.5mm(好ましくは0.1〜0.3mm)を挙げることができる。
【0019】
上述の形態の場合、例えば、上記塗布部(17)は、接着材(10)を塗布するスリット状の塗布口(20a)を有する塗布ノズル(20)と、化粧材(9)を挟んで塗布ノズルに対向して配設され且つ塗布ノズルに向かって化粧材(9)を押圧する回転可能な押圧ローラ(21)と、を備えることができる(例えば、図3及び図4等参照)。これにより、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。
【0020】
<被覆製品の製造方法>
本実施形態に係る被覆製品の製造方法は、基材(8)の端面(8a)に化粧材(9)を接着してなる被覆製品の製造方法であって、基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着工程と、上述の化粧材のトリミング装置(6)を用いて、基材の端面に接着された化粧材の余剰端部(S)を除去して面取りする化粧材のトリミング工程と、を備える(例えば、図1及び図12等参照)。
【0021】
本実施形態に係る被覆製品の製造方法としては、例えば、上記化粧材の接着工程は、上述の化粧材の接着装置(3、3’)を用いて、所定の搬送方向に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面に接着材を塗布してから、接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する工程である形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。これにより、化粧材の裏面に接着材が塗布されて基材及び化粧材が接着される。その結果、基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制することができる。また、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材及び化粧材を確実に接着することができる。
【0022】
上述の形態の場合、例えば、上記塗布工程は、基材(8)の端面(8a)の高さ(h1)より大きな塗布幅(h3)で化粧材(9)の裏面に接着材(10)を塗布することができる(例えば、図4等参照)。これにより、比較的薄厚の化粧材を採用しても基材及び化粧材を確実に接着することができる。また、基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制され、後工程において接着材の余剰部分を容易に除去することができる。
【0023】
上述の形態の場合、例えば、上記押圧工程は、接着材(10)が基材(8)の端面(8a)の上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材(9)の裏面(9a)を基材の端面に押圧することができる(例えば、図5等参照)。これにより、基材及び化粧材の接着性をより高め得るとともに、接着材の余剰部位を容易に除去できる。なお、上記接着材のはみ出し量(h4)としては、例えば、0.1〜0.5mm(好ましくは0.1〜0.3mm)を挙げることができる。
【0024】
上述の形態の場合、例えば、上記塗布工程は、接着材(10)を塗布するスリット状の塗布口(20a)を有する塗布ノズル(20)と、化粧材(9)を挟んで塗布ノズルに対向して配設され且つ塗布ノズルに向かって化粧材(9)を押圧する回転可能な押圧ローラ(21)と、を備える塗布部(17)を用いることができる(例えば、図3及び図4等参照)。これにより、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。
【0025】
なお、上記基材の材質としては、例えば、パーティクルボード、中質繊維板(MDF)、木質単板、木質合板等の木製の基材としてもよい。さらに、樹脂製や金属製の基材としてもよい。さらに、上記化粧材の材質としては、例えば、メラミン樹脂、ダップ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、柔軟性を有する材料からなされてもよい。また、上記化粧材は、例えば、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。さらに、上記化粧材の厚さとしては、例えば、0.3〜2.0mm(好ましくは0.3〜1.2mm、特に0.3〜0.5mm)を挙げることができる。さらに、上記接着材としては、例えば、ホットメルト系接着材等を挙げることができる。
【0026】
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
【実施例】
【0027】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0028】
(1)被覆製品の製造装置の構成
本実施例に係る被覆製品の製造装置1は、図1に示すように、以下に述べる搬送部2、化粧材の接着装置3、エンドカット部4、トリミング部5及び化粧材のトリミング装置6(「ラウンドトリミング装置」とも称される。)を備えている。なお、本実施例では、上記被覆製品として、パーティクルボード製の基材8の端面8aにメラミン樹脂製の化粧材9を接着してなる被覆製品W(図10参照)を例示する。また、上記基材8は、その角部が円弧状に面取りされている。
【0029】
上記搬送部2は、図1に示すように、基材8を所定の搬送方向Pに搬送するものである。この搬送部2は、搬送方向Pに沿って周回可能に設けられるベルトコンベア12を備えている。このベルトコンベア12の上方には、回転可能な複数のコロ13が搬送方向Pに沿って配設されている。そして、ベルトコンベア12の周回駆動によって、ベルトコンベア12とコロ13との間に挟持される基材8が搬送方向Pに搬送される。
【0030】
なお、上記被覆製品の製造装置1には基材8の投入口側に、基材8の端面8aが当接して搬送方向Pと直交する方向を位置決めするガイド部14(図3参照)が設けられている。
【0031】
上記化粧材の接着装置3は、図2及び図3に示すように、基材8の端面8aに化粧材9を接着するものである。この接着装置3は、搬送方向Pに搬送される基材8の端面8aに向かって送り出される化粧材9の裏面9aにホットメルト系接着材10を塗布する塗布部17と、この塗布部17により接着材10が塗布された化粧材9の裏面9aを基材8の端面8aに押圧する押圧部18と、を備えている。
【0032】
上記塗布部17は、図4に示すように、基材8の端面8aの高さh1(例えば、約20mm等)より大きな塗布幅h3(例えば、約20.6mm等)で化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するスリット状の塗布口20aを有する塗布ノズル20を備えている。この塗布ノズル20は、接着材10を収容したタンク(図示省略)に接続されている。また、塗布ノズル20に対向する位置には、化粧材9を塗布ノズル20に向かって押圧する回転可能な押圧ローラ21が配設されている。この押圧ローラ21の回転駆動により、塗布ノズル20及び押圧ローラ21の間に挟持された化粧材9が搬送方向Pに対して所定角度で傾斜する送り方向Q(図3参照)に送り出される。
【0033】
なお、図4及び図5に示すように、上記化粧材9の高さh2(例えば、約22mm等)は、後述のトリミング部によるトリミング前の状態において基材8の高さh1及び接着材10の塗布幅h3より大きな値とされている。さらに、上記化粧材9の厚さは約0.3mmとされている。また、上記塗布ノズル20には、図6に示すように、塗布口20aのスリット長さを調整するための調整部材40がスリットの長手方向に位置調整自在に取り付けられている。
【0034】
さらに、上記塗布部17は、図3に示すように、化粧材9を縦置きで載置するテーブル22と、このテーブル22上に載置された化粧材9の裏面9aに当接して化粧材9の送り方向Qと直交する方向を位置決めするガイド部23と、が設けられている。このガイド部23には、化粧材9を加熱する面ヒータ等の加熱部24が設けられている。
【0035】
上記押圧部18は、図5に示すように、接着材10が塗布され送り方向Qに送り出される化粧材9の裏面9aを、搬送方向Pに搬送される基材8の端面8aに押圧して接着する回転可能なプレスローラ26を備えている。このプレスローラ26は、接着材10が基材8の端面8aの上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材9の裏面9aを基材8の端面8aに押圧する。なお、上記接着材10のはみ出し量h4は約0.3mmとされている。
【0036】
上記エンドカット部4は、押圧部18の搬送方向Pの下流側に配設されている(図1参照)。このエンドカット部4は、図7に示すように、基材8に接着された化粧材9の搬送方向Pの先端側及び後端側の余剰端部を除去する回転可能な回転カッター28を備えている。なお、上記エンドカット部4では、化粧材9の余剰端部の全てが除去されずに化粧材のトリミング装置6で除去される余剰端部S(図14参照)が残っている。
【0037】
上記トリミング部5は、エンドカット部4の搬送方向Pの下流側に配設されている(図1参照)。このトリミング部5は、図8に示すように、基材8に接着された化粧材9の高さ方向の上縁側及び下縁側の余剰端部を除去する回転可能な回転カッター29を備えている。この回転カッター29は、化粧材9の上縁側及び下縁側とともに、接着材10の基材8の端面8aの上縁側及び下縁側から上下にはみ出た部分を除去する(図9参照)。なお、上記回転カッター29の先端刃は、後述する回転カッター48と略同様にして、化粧材9の化粧面9bの外側(すなわち、化粧材9の基材8と反対側)に向かって切削屑S’を送り出すような逆リードとなっている(図16参照)。
【0038】
上記化粧材のトリミング装置6は、トリミング部5の搬送方向Pの下流側に配設されている(図1参照)。この化粧材のトリミング装置6は、図10に示すように、基材8の端面8aに接着された化粧材9の搬送方向Pの先端側及び後端側の余剰端部S(図14参照)を除去して面取りするものである。
【0039】
上記化粧材のトリミング装置6は、図11に示すように、化粧材9の余剰端部Sに沿って移動するトリミングヘッド41を備えている。このトリミングヘッド41は、スライダ43に対して水平軸43a周りに回動可能とされている。このスライダ43は、ベース44に対して水平方向に移動可能とされている。
【0040】
上記トリミングヘッド41は、図12及び図13に示すように、駆動モータ47、回転カッター48、取付部材49及びベアリング50を備えている。この駆動モータ47は、トリミングヘッド41の本体41aに取り付けられている。また、回転カッター48の中心穴には、キー溝を介して駆動モータ47の駆動軸47aが連結されている。そして、回転カッター48は、トリミングヘッド41が化粧材9の余剰端部Sに沿って移動する際に駆動モータ47の駆動により化粧材9の余剰端部Sを除去する。また、取付部材49は、その一端外周側が回転カッター48の中心穴に挿着され、その他端側が回転カッター48の軸心方向に突出している。
【0041】
上記ベアリング50は、取付部材49の軸方向の一端外周側に設けられている。このベアリング50は、内輪51と、外輪52(本発明に係る「案内部」として例示する。)と、内輪51及び外輪52の間に転動自在に支持された多数のボール53と、を備えている。この内輪51は、取付部材49の先端フランジ49aと回転カッター48の先端側に配置された環状スペーサー54との間に挟持されている。また、外輪52は、取付部材49に対して回転カッター48の軸心回りに回転自在に支持されている。そして、外輪52は、トリミングヘッド41が化粧材9の余剰端部Sに沿って移動する際に基材8の外周面上を転動する。なお、本実施例では、ベアリングとしてボールベアリング50を例示したが、これに限定されず、例えば、ローラーベアリングを採用してもよい。
【0042】
上記トリミングヘッド41の本体41aには、平板状のブラケット56が取り付けられている。このブラケット56の先端両側には、その下端がベアリング50の外輪52の外周面に圧接する複数(図中2つ)の平板状の圧接片57の上端側が取り付けられている。具体的に、圧接片57は、長孔58を介してブラケット56にボルト止めされている。そして、圧接片57は、ボルト止め位置を調節することでベアリング50の外輪52の外周面に対して位置調整自在とされている。
【0043】
上記回転カッター48は、図15に示すように、放射状に突出する複数(図中4つ)の突起部61aを有する本体61と、これら各突起部61aの先端側に取り付けられる超鋼製又はダイヤモンド製の先端刃62(「チップ」とも称される。)と、を備えている。この先端刃62は、図16に示すように、化粧材9の化粧面9bの外側(すなわち、化粧材9の基材8と反対側)に向かって切削屑S’を送り出すような逆リードとなっている。すなわち、先端刃62は、その先端面の化粧材9の化粧面9b側が切削方向Rと反対方向に傾くように化粧材9の厚さ方向に対して鋭角θ1で傾斜して配設されている。
【0044】
(2)被覆製品の製造方法
次に、上記構成の被覆製品の製造装置1を用いる被覆製品Wの製造方法について説明する。なお、本実施例では、化粧材9は、テーブル22上で加熱部24(図3参照)により所定温度(例えば、20℃等)に加熱される一方、基材8は、被覆製品の製造装置1への投入前及び投入後に何ら加熱されず、非加熱状態の基材8に対して加熱状態の化粧材9を接着するものとする。
【0045】
先ず、ベルトコンベア12の周回駆動により基材8が搬送方向Pに搬送されるとともに、押圧ローラ21の回転駆動により化粧材9が送り方向Qに送り出される(図3参照)。そして、塗布ノズル20により化粧材9の裏面9aに接着材10が塗布される(図4参照)。次に、プレスローラ26により接着材10が塗布された化粧材9の裏面9aが基材8の端面8aに押圧されて両者8、9が接着される(図5参照)。
【0046】
そして、接着された基材8及び化粧材9がエンドカット部4に搬送されると、回転カッター28により化粧材9の搬送方向Pの先端側及び後端側の余剰端部が除去される(図7参照)。次に、エンドカットされた基材8及び化粧材9がトリミング部5に搬送されると、回転カッター29により化粧材9の上縁側及び下縁側の余剰端部が除去される(図8参照)。このとき、化粧材9の上縁側及び下縁側とともに、化粧材9の裏面9a側にはみ出た接着剤が取り去られる(図9参照)。
【0047】
次いで、トリミング部5でトリミングされた基材8及び化粧材9がトリミング装置6に搬送される。すると、トリミングヘッド41が化粧材9の搬送方向Pの先端側の余剰端部Sに沿って移動してから化粧材9の搬送方向Pの後端側の余剰端部Sに沿って移動する(図14参照)。このトリミングヘッド41の移動中には、ベアリング50の外輪52が基材8の外周面上を転動しつつ回転カッター48が化粧材9の余剰端部Sを除去する。このとき、化粧材9の余剰端部Sとともに化粧材9の裏面9a側にはみ出た接着剤が取り去られる(図14参照)。その結果、基板8の外径形状に応じて化粧材9が面取りされて被覆製品W(図10参照)が得られることとなる。
【0048】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の化粧材のトリミング装置6によると、化粧材9の余剰端部Sに沿って移動するトリミングヘッド41を備え、トリミングヘッド41は、駆動モータ47と、駆動モータ47の駆動軸47aに連結されて化粧材9の余剰端部Sを除去する回転カッター48と、回転カッター48の軸心側に取り付けられる取付部材49と、取付部材49に回転カッター48の軸心回りに回転自在に支持されて基材8上を転動するベアリング50の外輪52と、を備える。これにより、トリミングヘッド41が化粧材9の余剰端部Sに沿って移動する際に、ベアリングの50外輪52が基材8上を転動しつつ回転カッター48が化粧材9の余剰端部Sを除去して化粧材9が面取りされる。そして、ベアリング50の外輪52は、回転カッター48に取り付けられた取付部材49に回転カッター48の軸心回りに回転自在に支持されているので、ベアリング50の外輪52と回転カッター48との軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材8に対するベアリング50の外輪52の倣いズレを抑制して化粧材9の余剰端部Sを正確に除去して面取りすることができる。特に、本実施例によると、化粧材9の余剰端部Sが逆テーパ状に形成されている場合であっても化粧材9の余剰端部Sを正確に除去して面取りすることができる。
【0049】
また、本実施例では、トリミングヘッド41は、ベアリング50の外輪52の外周面に圧接する圧接片57を備える。この圧接片57がベアリング50の外輪52の外周面に圧接することで、ベアリング50の外輪52の回転カッター48との供回りを防止できるとともに、ベアリング50の外輪52の外周面への切削屑等の異物の付着を防止することができる。
【0050】
さらに、本実施例では、化粧材のトリミング装置6の回転カッター48は、化粧材9の化粧面9bの外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃62を備える。これにより、回転カッター48が化粧材9の余剰端部Sを除去する際に、化粧材9の裏面9a側にはみ出た接着材を容易に取り去り得るとともに、バリの発生を抑制できる。さらに、本実施例では、トリミング部5の回転カッター29の先端刃も逆リードとなっているので、回転カッター48と略同様の作用・効果を発揮する。
【0051】
また、本実施例では、化粧材の接着装置3は、所定の搬送方向Pに搬送される基材8の端面8aに向かって送り出される化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布する塗布部17と、塗布部17により接着材が塗布された化粧材9の裏面9aを基材8の端面8aに押圧する押圧部18と、を備える。これにより、塗布部17と押圧部18との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材8及び化粧材9の接着までの時間が短くなる。その結果、基材8を厳密に温度管理することがなく加工コストを抑制して基材8及び化粧材9を接着することができる。また、上述の化粧材のトリミング装置6によって、回転カッター48が化粧材9の余剰端部Sを除去する際に化粧材9の裏面9a側にはみ出た接着材を容易に取り去ることができる。
【0052】
また、本実施例では、ガイド部14(図3参照)で基材8を加熱する必要がなく、ガイド部14として効果的なガイド機能を発揮する比較的長尺のものを採用できる。これに対して、従来のようにガイド部で基材を加熱するものでは、加熱によりガイド部が変形し易く長尺のガイド部を採用し難い。
【0053】
また、本実施例では、塗布部17は、基材8の端面8aの高さh1より大きな塗布幅h3で化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するので、比較的薄厚(例えば、厚さ0.5mm以下)の化粧材9を採用しても基材8及び化粧材9を確実に接着することができる。また、基材8の表面側への接着材10の乗り移りが抑制され、後工程において接着材10の余剰部位を容易に除去することができる。これに対して、従来のように基材の端面に接着材を塗布して基材及び化粧材を接着するものでは、基材の表面側へ接着材が乗り移り易く、後工程における接着材の余剰端部の除去作業が煩雑となる。
【0054】
さらに、本実施例では、塗布部17は、接着材10を塗布するスリット状の塗布口20aを有する塗布ノズル20と、化粧材9を挟んで塗布ノズル20に対向して配設され且つ塗布ノズル20に向かって化粧材9を押圧する押圧ローラ21と、を備える。これにより、塗布部17を小型化することができる。よって、塗布部17と押圧部18との間隔がより短くなり、基材8及び化粧材9の接着性をより高めることができる。
【0055】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、基板8上を転動する案内部としてベアリング50の外輪52を例示したが、これに限定されず、取付部材49に回転カッター48の軸心回りに回転自在に支持される回転ローラを案内部として採用してもよい。また、例えば、図17に示すように、ベアリング50の外輪52に装着される環状アダプタ64a,64b,64cを案内部として採用してもよい。この場合、例えば、外径d1,d2,d3の異なる複数の環状アダプタ64a,64b,64cを用意しておけば、回転カッター48の先端刃62の劣化状況等に応じて適当な環状アダプタを選択することができる。
【0056】
また、上記実施例では、化粧材9の化粧面9bの外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃62を備える回転カッター48を例示したが、これに限定されず、例えば、図18に示すように、化粧材9の化粧面9bの内側(すなわち、基材8側)に向かって切削屑S’を送り出すような正リードの先端刃62’を備える回転カッターとしてもよい。この場合、先端刃62’は、通常、その先端面の化粧材9の裏面9a側が切削方向Rと反対方向に傾くように化粧材9の厚さ方向に対して鋭角θ2で傾斜して配設されている。
【0057】
また、上記実施例では、化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布する塗布ノズル20を備える塗布部17を例示したが、これに限定されず、例えば、図19に示すように、化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布する塗布ローラ33を備える塗布部17’としてもよい。この場合、通常、塗布ローラ33は、接着材10を収容した収容室34内に臨んでいる。
【0058】
また、上記実施例では、化粧材9を基材8の端面8aに押圧する回転可能なプレスローラ26を備える押圧部18を例示したが、これに限定されず、例えば、プレスローラ26に替えて又は加えて、化粧材9を基材8の端面8aに押圧する固定ガイドを備える押圧部としてもよい。
【0059】
また、上記実施例では、基材8を搬送方向Pに搬送するベルトコンベア12を備える搬送部2を例示したが、これに限定されず、例えば、ローラコンベア、チェーンコンベア等の他のコンベアを備える搬送部としたり、基材を搬送方向に搬送するロボットハンドを備える搬送部としたりしてもよい。
【0060】
また、上記実施例では、塗布ノズル20(又は塗布ローラ33)及び押圧ローラ21によって化粧材9を送り方向Qに送り出す送出部を構成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図19に示すように、塗布部17とは別に化粧材9を挟持して送り方向Qに送り出す回転可能な送出ローラ36を備える送出部としてもよい。
【0061】
また、上記実施例では、基材8の端面8aの高さh1より大きな塗布幅h3(塗布高さh3)で化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、基材8の端面8aの高さh1より小さな塗布幅で化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、加熱状態の化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、夏場等で非加熱状態の化粧材9が比較的高温(例えば、約20℃等)である場合には、化粧材9を強制的に加熱することなく化粧材9の裏面9aに接着材10を塗布するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、非加熱状態の基材8の端面8aに化粧材9を接着するようにしたが、これに限定されず、例えば、加熱状態の基材8の端面8aに化粧材9を接着するようにしてもよい。
【0063】
さらに、上記実施例では、化粧材9をエンドカット部4によりエンドカットした後にトリミング部5でトリミングするようにしたが、これに限定されず、例えば、化粧材9をトリミング部5でトリミングした後にエンドカット部4によりエンドカットするようにしてもよい。
【0064】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0065】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
基材の端面に接着された化粧材の余剰端部を除去して面取りする技術として広く利用される。特に、家具の表面材、床材、壁材、扉材、間仕切り材、カウンタ材などの建材用の被覆製品を製造する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0067】
1;被覆製品の製造装置、6;化粧材のトリミング装置、8;基材、8a;端面、9;化粧材、9b;化粧面、41;トリミングヘッド、47;駆動モータ、48;回転カッター、49;取付部材、52;外輪、57;圧接片、62;先端刃、64a〜64c;環状アダプタ、S;余剰端部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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