特許第5889843号(P5889843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889843
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】ゴーグル
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/02 20060101AFI20160308BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20160308BHJP
   G02C 5/14 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   A61F9/02 330
   G02C7/10
   G02C5/14
   A61F9/02 320
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-153369(P2013-153369)
(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公開番号】特開2015-23892(P2015-23892A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年3月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511080328
【氏名又は名称】株式会社 グラスアート
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】山下 昌幸
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0178185(US,A1)
【文献】 特表2010−522356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/02
G02C 5/14
G02C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴーグルにおいて、フロント部は硬質樹脂で構成する正面部と、その背面側には軟質樹脂製で互いに積層された中間部と内面部を着脱出来るように備え、また、正面部の両側端にゴーグルを着用する場合に頭部に巻き付けるバンドを連結すると共に正面部の両側端部のヨロイ部に側方の視界を拡張する為に貫通した穴を有しさらに上記軟質樹脂製の上記中間部の正面側及び上記内面部の内面側に複数の切欠き部を設けた形態とし、上記内面部は中間部よりさらに柔らかくてクッション性に優れた樹脂としたことを特徴とするゴーグル。
【請求項2】
上記内面部は中間部の背面に接着して一体化した請求項1記載のゴーグル。
【請求項3】
上記軟質樹脂製の中間部の正面にはツメを突出し、該ツメを正面部に設けた係合穴に係合することで取付けるようにした請求項1、又は請求項2記載のゴーグル。
【請求項4】
上記バンドに代わってフロント部の両側端にはツルを取付けて構成した請求項1、請求項2、又は請求項3記載のゴーグル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主としてスポーツ選手が着用する場合に、側方への視界を拡張出来るゴーグルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スポーツ選手は、運動中にそれぞれのスポーツに適したゴーグルを着用して運動することが多い。例えば、水泳選手の場合には、競泳中に水から目を保護するためのスイミング用ゴーグルを使用する。長距離ランナーの場合には、ランニング中に強い太陽光線から目を保護する為にサングラス型ゴーグルを使用する。また、オートバイレーサーの場合には、練習走行やレース中に風圧や塵埃などから目を保護するためにオートバイ用のゴーグルを着用している。
【0003】
このように、ゴーグルにもその形態は色々あり、各種スポーツに適したゴーグルが使用されている。しかし基本的な形態はフロント部と該フロント部から延びるバンドを取付け、フロント部が顔に密着することが出来るような構造としている。従って、視界は正面に限られて側方の視界は遮られ、少なくとも側方は見え難い。
【0004】
また、フロント部の内面は常に顔に接する為に、運動する際に発生する汗が付着して汚れが発生する。一般的なメガネのフロント部の場合には、該メガネを着用する際にフロント部の中央部に取付けた鼻当てパットが鼻の両脇に接するだけであり、その他の部分は顔に接していない。しかし、ゴーグルを着用する場合にはフロント部周辺の内面が広範囲に亘って接することで汗が付着して細菌が発生し、不衛生である。
【0005】
また、フロント部の全周が顔に接することで内部が密閉され、その為に空気の出入りが閉ざされてフロント部のレンズが曇ることになる。ゴーグルの曇り止めに関しては特開2002−330990号に係る「スポーツ用ゴーグル」が知られている。該スポーツ用ゴーグルはフィット感に優れ、換気効率が良いのはいうまでもなく、換気用ファンシステムのスイッチ操作がし易く、しかもゴーグルを着用した場合に重量バランスが崩れることもなく、装着感が良いようにして構成している。
【0006】
すなわち、ゴーグル枠とこのゴーグル枠に嵌め込まれたゴーグルレンズと、ゴーグル枠の左右に連結されたヘッドバンドから成り、前記ゴーグル枠の上部に換気用ファンシステムの換気ファンユニットを取り付け、ゴーグル枠の左右のヘッドバンドの連結位置下方寄りの一端部に換気用ファンシステムの電源ユニットを取り付け、同他端部に換気用ファンシステムのスイッチユニットを取り付けたものとしている。しかし、このように構成されるゴーグルの構造は複雑化し、コストも高く換気用ファンシステムが故障する虞もある。
【特許文献1】特開2002−330990号に係る「スポーツ用ゴーグル」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来のゴーグルには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であって、着用したゴーグルに衝撃が作用した場合にこの衝撃を緩和することが出来ると共に、フロント部に嵌るガラスの曇りを防止し、しかも側方からの視界を遮ることのないゴーグルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゴーグルを着用した場合に顔に馴染むようにそのフロント部は滑らかに湾曲し、一般には2層構造又は3層構造としている。例えば、正面部と中間部、及び内面部の3層を有し、正面部は硬質樹脂製とし、正面部に形成しているリム部にはレンズ又はサングラスを嵌めている。そして、上記中間部は樹脂製とし上記正面部の背面に密着して取付けられる。
【0009】
ここで、中間部にはツメが突出し、該ツメは正面部に設けた係合穴に係合して着脱自在に取付けることが出来る。また、内面部はクッション性に優れた樹脂など(例えば、シリコン樹脂やスポンジ)で構成し、上記中間部の背面に接着して積層されている。ここで、中間部又は内面部には外部に連通する通気穴を設けている。一方、正面部の側方(ヨロイ部)には穴が貫通し、この穴を通して視線が通るようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゴーグルのフロント部は内側にクッション性に優れた内面部を有しており、その為にフロント部に衝撃が加わった場合であっても、顔が受ける衝撃は緩和される。そして、内面部又は中間部には通気穴(隙間)が設けられている為に、ゴーグル内部の空気は出入りすることが出来る為に、フロント部のレンズが曇ることはない。
【0011】
そして、中間部にはツメを突出しており、該ツメは正面部に設けた係合穴に係合して取付けられているが、内面部が汗などで汚れた場合には内面部が接着している中間部を取外して交換することが出来る。一方、正面部の側方(ヨロイ部)には穴が設けられている為に、この穴を通して側方を見ることが出来る。従って、激しい運動をする選手が着用する場合、側方の視界も目に入ることで視界が大きくなり、他の選手の動きやボールの動きを素早くとらえることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るゴーグルの平面図。
図2】本発明に係るゴーグルの正面図。
図3】本発明に係るゴーグルの側面図。
図4】ゴーグルのフロント部の展開図。
図5】ゴーグルのフロント部の展開図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図3は本発明に係るゴーグルを示す実施例であり、図1は平面図、図2は正面図、図3は側面図をそれぞれ表している。同図の1はフロント部、2はバンドを示し、該バンド2は伸縮性を有してフロント部1の両側端に連結している。そして、フロント部1は大きく湾曲した形状とし、顔に掛けた場合には顔との間に隙間なく密着することが出来るようにしている。
【0014】
ところで、上記フロント部1は3層構造とし、正面部3と中間部4及び内面部5から構成している。正面部3は硬質樹脂製で中間部4は軟質樹脂製とし、内面部5はさらに柔らかいクッション性に優れた樹脂(例えば、スポンジなど)が用いられる。正面部3は連結部7にて繋がれた両リム部6,6を有し、リム部6,6にはレンズ又はサングラスが嵌り、リム部6,6の外側にはヨロイ部8,8を形成している。
【0015】
上記バンド2はヨロイ部8,8の先端に繋がれて連結している。そして、中間部4はその形状を正面部3と同じようにリム部を有し、両リム部は中央の連結部にて繋がれ、同じく内面部4の形状も正面部3及び中間部4と同じく連結部の両側にリム部を連続して形成した形状としている。ただし、中間部4及び内面部5のリム部にはレンズやサングラスは嵌らない。あくまでも正面部3のリム部に積層されるだけの形態と成っている。ここで、中間部4は正面部3より僅かに大きな形状としており、その為に、該中間部4の周辺部は正面部3から僅かにはみ出している。
【0016】
図4はフロント部1を分解して正面部3から中間部4と内面部5を分離した展開図である。内面部5は中間部4の背面に接着されて一体化した構造であるが、中間部4の中央連結部9には正面側へ突出する2本のツメ10,10を有し、また中間部4の両側部には筒11,11を正面側へ突出している。ここで、筒11,11には貫通した穴を形成している。
【0017】
正面部3の中央連結部7の背面には係合穴が設けられ、両側部には穴が貫通しており、上記中間部4はツメ10,10が係合穴に係合し、筒11,11が穴に嵌ることで正面部3に取付けられる。図4に示すように、中間部4を分離した正面部3の中央部には鼻当てパット12,12が背面側に突出し、該鼻当てパット12,12は中間部4に設けた鼻当てパット13,13に形成した溝に嵌ることが出来る。
【0018】
すなわち、中間部4の鼻当てパット13,13の表面には内面部4に設けた鼻当てパット14,14の溝に嵌合し、同時に正面部3の鼻当てパット12,12が中間部4の鼻当てパット13,13に形成した嵌合溝に嵌って互いに積層される。従って、鼻当てパット12,12、13,13が互いに嵌合することで位置決めされる。
【0019】
そして、中間部4の正面には複数の切欠き部15,15・・・が形成され、内面部5の内面側にも複数の切欠き部16,16・・・を有している。従って、前記図1に示すように、正面部3の背面側に中間部4を取付けた場合、間には隙間17,17・・・が形成され、そして、ゴーグルを着用した場合には内面部5に設けた切欠き部16,16・・・は顔との間に隙間を形成することが出来る。
【0020】
これら、隙間17,17・・・は通気孔として機能し、ゴーグルを着用した場合にリム部6,6は閉じた空間となり、その為に該リム部6,6に嵌ったレンズが曇ることになる。本発明では上記切欠き部15,15・・・、及び16,16・・・にて形成される隙間17,17・・・から空気の出入りが行われてレンズやサングラスの曇り止めとして機能することが出来る。
【0021】
そして、ヨロイ部8,8に設けている穴20,20はフロント部1の視界が側部まで拡張され、スポーツ選手にとって側方の視界が得られることは便利である。例えば、サッカー選手、野球選手などは、他の選手の動きやボールの動きをヨロイ部8,8に設けた穴20,20を通して側方からとらえることが出来る。
【0022】
一方、この実施例ではゴーグルを着用する為にフロント部1にバンド2を連結しているが、一般的なメガネのようにツルを取付けることも可能である。ただし、ツルの先端部は耳に完全に係止しる形状とし、激しい動きに対してフロント部1が位置ズレすることなく、フロント部1が顔から外れ落ちることがないようにすることが必要となる。
【0023】
図5はフロント部1の展開図を示す他の実施例であり、このゴーグルの場合には正面部3の両側端部に形成しているヨロイ部18,18を大きく延ばした形状としている。その為に該ヨロイ部18,18に形成する穴は大きく成り、中間部4の両側部に突出した大きな筒19,19を該穴に嵌めることが出来、側方の視界はさらに拡張される。
【0024】
一方、前記実施例では、正面部3の背面側には中間部4と内面部5を積層した構造としているが、正面部3の背面に軟質樹脂から成る層を設けた2層構造とし、この軟質樹脂層を着脱可能な取付け構造とする場合もある。
【符号の説明】
【0025】
1 フロント部
2 バンド
3 正面部
4 中間部
5 内面部
6 リム部
7 連結部
8 ヨロイ部
9 連結部
10 ツメ
11 筒
12 鼻当てパット
13 鼻当てパット
14 鼻当てパット
15 切欠き部
16 切欠き部
17 隙間
18 ヨロイ部
19 筒
20 穴









図1
図2
図3
図4
図5