(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889853
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】カード処理装置およびカード案内パーツ
(51)【国際特許分類】
G06K 7/00 20060101AFI20160308BHJP
【FI】
G06K7/00 082
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-204069(P2013-204069)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-69482(P2015-69482A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】西家 徹
(72)【発明者】
【氏名】三好 良平
(72)【発明者】
【氏名】村上 和則
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健二
【審査官】
岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−320509(JP,A)
【文献】
特開2003−317045(JP,A)
【文献】
特開2009−193443(JP,A)
【文献】
米国特許第06318632(US,B1)
【文献】
特表2001−509969(JP,A)
【文献】
特開2005−135141(JP,A)
【文献】
特開2003−076951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00 − 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを保持するカードにデータの読取または書込のいずれかの処理を行うカード処理部と、
前記カード処理部を収納する筐体と、
前記筐体へのカードの挿入を受け付け、前記カード処理部が前記処理を可能な位置にカードを迎えるカード挿入口と、
前記カード挿入口へのカードの挿入方向に略平行な案内面を有し、前記カード挿入口の前記挿入方向上流側に配されてカードを案内するカード案内部と、
前記カード案内部に設けられてカードの静電気を非接触で除去する除電部材と、
を備え、
前記カード案内部は、前記案内面内に、前記除電部材の厚さよりも深く形成された窪みを有し、
前記除電部材は、前記窪み内に配されている
カード処理装置。
【請求項2】
前記筐体の外面のうち操作者が触れる位置に、接触物の静電気を除去する第二除電部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項3】
前記第二除電部材は、前記筐体の底面に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項4】
データを保持するカードにデータの読取または書込のいずれかの処理を行うカード処理部と、
前記カード処理部を収納する筐体と、
前記筐体へのカードの挿入を受け付け、前記カード処理部が前記処理を可能な位置にカードを迎えるカード挿入口と、
前記カード挿入口へのカードの挿入方向に略平行な案内面を有し、前記カード挿入口の前記挿入方向上流側に配されてカードを案内するカード案内部と、
前記カード案内部に設けられてカードの静電気を非接触で除去する除電部材と、
前記筐体の外面のうち操作者が触れる位置に、接触物の静電気を除去する第二除電部材と、
を備えるカード処理装置。
【請求項5】
前記第二除電部材は、前記筐体の底面に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のカード処理装置。
【請求項6】
データを保持するカードにデータの読取または書込のいずれかの処理を行うカード処理部と、前記カード処理部を収納する筐体と、前記筐体へのカードの挿入を受け付け、前記カード処理部が前記処理を可能な位置にカードを迎えるカード挿入口と、を備えるカード処理装置に取り付け可能であって、
前記カード挿入口へのカードの挿入方向に略平行な案内面を備え、前記カード挿入口の前記挿入方向上流側に配されるカード案内部と、
前記カード案内部に設けられてカードの静電気を非接触で除去する除電部材と、
を備え、
前記カード案内部は、前記案内面内に、前記除電部材の厚さよりも深く形成された窪みを有し、
前記除電部材は、前記窪み内に配されている
カード案内パーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カード処理装置およびカード案内パーツに関する。
【背景技術】
【0002】
現金の代わりに決済手段として機能する各種カード(クレジットカード、デビットカード決済に用いられるキャッシュカード、電子マネーを具備するICカード等)による決済が、広く利用されている。各種カードによる決済時、カード保有者である顧客が暗証番号を入力するピン(PIN:Personal Identification Number)パッド装置やカードリーダライタなどのカード処理装置が用いられている。カード処理装置は、IC(Integrated Circuit)カードなどのデータを保持するカードに、データの読取や書込の処理を行う。カード処理装置の筐体内には、カードリーダ/ライタなどの電子部品が収納されている。
【0003】
一般に、このようなカードは合成樹脂により形成されており、静電気を帯びやすい。カード処理装置のうち、筐体にカードを挿入して用いるものは、カードが帯電している場合に、カードの静電気が筐体内のカードリーダ/ライタ等の電子部品に悪影響を及ぼすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、筐体に挿入するカードの静電気を除去することができるカード処理装置およびカード案内パーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のカード処理装置は、カード処理部と、筐体と、カード挿入口と、カード案内部と、除電部材と、を備える。カード処理部は、データを保持するカードにデータの読取または書込のいずれかの処理を行う。筐体は、前記カード処理部を収納する。カード挿入口は、前記筐体へのカードの挿入を受け付け、前記カード処理部が前記処理を可能な位置にカードを迎える。カード案内部は、前記カード挿入口へのカードの挿入方向に略平行な案内面を有し、前記カード挿入口の前記挿入方向上流側に配されてカードを案内する。除電部材は、前記カード案内部に設けられてカードの静電気を非接触で除去する。
さらに、前記カード案内部は、前記案内面内に、前記除電部材の厚さよりも深く形成された窪みを有し、前記除電部材は、前記窪み内に配されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態のピンパッド装置の外観を示す正面側から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態のピンパッド装置の外観を示す背面側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態のピンパッド装置の外観を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態のピンパッド装置の外観を示す
図3の右側面図である。
【
図5】
図5は、
図3の一部拡大図であって、実施形態のカード案内部の構造を一部断面で示す右側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態のピンパッド装置の外観を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
カード処理装置の実施形態について、ピンパッド装置を例に、図面を用いて説明する。以下、カードはICカードを例として説明する。カードによる電子決済は、ピンパッド装置を決済端末に接続させて実行する。ピンパッド装置は、番号入力を行うための入力装置であって、ICカードに搭載されているICチップに対するデータの読み書きを実行するICカードリーダライタを備えるものである。以下、ピンパッドを決済端末に接続したものを決済端末システムと称する。ICカードがクレジットカードである場合、ピンパッド装置は、電子決算に際して、ICカードからクレジットカード番号等のカードデータを読み取ったり、暗証番号の入力を受け付けたりする。
【0008】
そして、決済端末システムでは、入力された暗証番号の認証、読み取ったカードデータに基づく問合せ情報の作成、決済機関コンピュータへの問合せ情報の送信が実行される。決済機関コンピュータでは、信用照会が行われ、問合せに対する承認応答を返信する。決済端末システムでは、承認応答を受信すると、決済処理が実行される。
【0009】
決済端末は、マイクロコンピュータを内蔵し、このマイクロコンピュータが、キーボード、ディスプレイ、プリンタ、磁気カードリーダ等の各部をバスラインと各種制御回路とを介して駆動制御する。このようなマイクロコンピュータは、CPUに、バスラインを介して、コンピュータプログラム(起動プログラムや制御プログラム)等の固定的データを格納するROMと各種データを書き換え自在に格納するRAMとを接続することにより構成される。
【0010】
マイクロコンピュータには、バスラインを介して、通信インターフェース、不揮発性メモリ、および、ピンパッド接続インターフェースが接続される。通信インターフェースは、通信回線である公衆回線網、CAFIS(Credit And Finance Information Switching System)等の中継センターを介して、クレジット会社や銀行等が備える決済機関コンピュータに接続され、決済機関コンピュータとの間でデータ通信を行う。不揮発性メモリは、データを書き換え自在に記憶するメモリであり、各種コンピュータプログラムや各種ファイル等が格納されている。
【0011】
ピンパッド接続インターフェースの規格は、一例として、USB(Universal Serial Bus)である。したがって、ケーブル3は、データ通信のための信号ケーブルとして設計され、決済端末からの制御信号はケーブル3を介してピンパッド装置1のマイクロコンピュータに入力される。そして、ケーブル3は、その一方でピンパッド装置1の駆動用の電源をピンパッド装置1に供給する。つまり、外部電源から電力が決済端末に供給されて決済端末が駆動し、さらに、ケーブル3によって電力がピンパッド装置1に供給されてピンパッド装置1が駆動する。
【0012】
図1は、ピンパッド装置1の外観を示す正面側から見た斜視図であり、
図2は、背面側から見た斜視図であり、
図3は、平面図であり、
図4は、
図3の右側面図である。
【0013】
ピンパッド装置1は、筐体2、ケーブル3、操作部4、表示部5、カード挿入口6、カード案内部7、除電部材8、第二除電部材9、および目隠しカバー10を備えている。
【0014】
筐体2は、薄い箱型で、プリント基板などの電子部品を収納している。筐体2に収納された電子部品は、カード処理部(不図示)である。カード処理部は、ICカードなどのデータを保持するカードに、少なくともデータの読取または書込のいずれかの処理を行う。
【0015】
筐体2は、底面2aの奥側から突出した脚部21を有している。脚部21は、ピンパッド装置1を卓上に置いたときに筐体2の底面2aの手前側の辺とともに卓に接して、筐体2の上面2bを正面側へ傾ける。ケーブル3は、脚部21の背面側に設けられている。ケーブル3は、ピンパッド装置1への電力供給や、他装置とのデータ授受を行う。
【0016】
操作部4は、筐体2の上面2bの手前側に設けられている。また、操作部4は、0〜9の置数キーを含む複数のキーを備えている。表示部5は、筐体2の上面2bの奥側に設けられている。また、表示部5は、例えば液晶パネルなどで実現され、操作者への操作案内や、操作者の操作内容などを表示する。
【0017】
カード挿入口6は、筐体2の背面2cに設けられている。また、カード挿入口6は、筐体2へのカードの挿入を受け付け、カード処理部が処理を可能な位置にカードを迎える。
【0018】
目隠しカバー10は、顧客が暗証番号を入力する際、第三者から暗証番号を見られないようにする。目隠しカバー10は、顧客が暗証番号を入力する面側(
図1の手前側)以外で、操作部4の周辺を囲うよう構成される。
【0019】
筐体2は、小案内部22を備えている。小案内部22は、筐体2に一体成形されている。この小案内部22は、カード挿入口6の下縁を奥側へ円弧状に突出させた形状である。言い換えると、小案内部22は、上面がカード挿入口6の下縁に連続する平面になっている。
【0020】
ここで、
図5は、
図3のA−Aで切断した一部拡大図であって、カード案内部7の構造を一部断面で示す右側面図である。カード案内部7は、カード挿入口6の挿入方向上流側に配されている。
【0021】
カード案内部7は、カード挿入口6へのカードの挿入方向に略平行な案内面7aを有している。案内面7aは、操作者がカードを容易にカード挿入口6に挿入できるようにするためのもので、小案内部22の表面と略同じ高さに位置する。つまり、カード案内部7は、小案内部22を延長する。このようなカード案内部7は、案内面7aの下面手前側から小案内部22の下面を経て筐体2の背面2cへと連なる取付片71を有する。取付片71は、小案内部22の下面および筐体2の背面2cに貼付されて、案内面7aを所定の位置に保持する。
【0022】
そして、カード案内部7は、除電部材8の土台として機能する。カード案内部7と除電部材8とにより、カード案内パーツ11が構成される。カード案内パーツ11は、データを保持するカードにデータの読取または書込のいずれかの処理を行うカード処理部と、カード処理部を収納する筐体2と、筐体2へのカードの挿入を受け付け、カード処理部が処理を可能な位置にカードを迎えるカード挿入口6と、を備えるピンパッド装置1に取り付け可能である。カード案内パーツ11は、カード挿入口6へのカードの挿入方向に略平行な案内面7aを備え、カード挿入口6の挿入方向上流側に配されるカード案内部7と、カード案内部7に設けられてカードの静電気を非接触で除去する除電部材8と、を備える。
【0023】
除電部材8は、近接物であるカードが帯びた静電気を非接触で除去するシート状の部材であって、カード案内部7に設けられる。詳細には、除電部材8は、案内面7a内に配される。より詳細には、除電部材8は、案内面7a内に除電部材8の厚さよりも深く形成された窪み72内に配される。これにより、除電部材8の表面は、案内面7aよりも下がった位置に位置し、案内面7a上を移動するカードから退避している。
【0024】
図6は、ピンパッド装置1の外観を示す底面図である。第二除電部材9は、接触物の静電気を除去するシート状の部材であって、筐体2の外面のうち操作者が触れる位置(例えば底面2a)に設けられている。
【0025】
このような構成において、ピンパッド装置1は、カード挿入口6に挿入されたクレジットカードの暗証番号照会などに用いられる。操作者が、暗証番号を操作部4から入力すると、表示部5が入力文字分の記号などを表示する。
【0026】
カード挿入口6にカードが挿入される際、カードは、除電部材8に近接する。その際、除電部材8は、カード表面の静電気を除去する。また、カード挿入などの操作を行う操作者が、ピンパッド装置1を持ち上げるなどする際、筐体2の底面2aに貼付された第二除電部材9に触れると、操作者の静電気が除去される。
【0027】
このように、本実施形態によれば、カード挿入口6にカードが挿入される前に、カード表面の静電気を除電部材8が除去する。これにより、カードの静電気が筐体2内の電子部品に悪影響を及ぼす不都合を回避することができる。
【0028】
また、除電部材8は、カードに触れないよう設けられる。仮に、除電部材8がカードに触れる位置に設けられていると、カードに擦られた除電部材8が磨耗するとともに除電部材8から塵が生じる。この塵が筐体2内に入り込んで電子機器に付着すると誤作動を引き起こす原因となることがある。しかしながら、本実施形態によれば、除電部材8にカードが触れないので、カードに擦られた除電部材8が磨耗するとともに除電部材8から塵が生じるといった不具合を起こすことがない。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、カード挿入口6にカードが挿入される前に、操作者が帯びている静電気を第二除電部材9が除去する。これにより、操作者の静電気がカードを帯電させることを防止できる。
【0030】
なお、本実施形態では、小案内部22とカード案内部7とを別に設けているが、実施にあたっては、カード案内部7に小案内部22を一体に設けてよく、あるいは、カード案内部7を筐体2と一体にしてもよい。
【0031】
また上述では、第二除電部材9は、筐体2の外面のうち操作者が触れる位置として底面2aに設けられていると説明しているが、
図6に示すように底面2a全体に第二除電部材9を設けるような構成に限定されない。例えば、底面2a全体ではなく、底面2aの一部や、底面2aの複数ヶ所に第二除電部材9を備えるようにしても良い。さらに、第二除電部材9をピンパッド装置1の側面や、側面と底面のどちらにも備えるようにしても良い。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1…ピンパッド装置、
2…筐体、2a…底面、2b…上面、2c…背面、21…脚部、22…小案内部、
3…ケーブル、
4…操作部、
5…表示部、
6…カード挿入口、
7…カード案内部、7a…案内面、71…取付片、72…窪み、
8…除電部材、
9…第二除電部材、
10…目隠しカバー、
11…カード案内パーツ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2003−317045号公報