(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889870
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】再利用可能な材料からのミネラルウール
(51)【国際特許分類】
C03C 13/06 20060101AFI20160308BHJP
D01F 9/08 20060101ALI20160308BHJP
B09B 3/00 20060101ALI20160308BHJP
E04B 1/90 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
C03C13/06ZAB
D01F9/08 Z
B09B3/00 303A
B09B3/00 303D
B09B3/00 303Z
E04B1/90 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-504952(P2013-504952)
(86)(22)【出願日】2011年4月7日
(65)【公表番号】特表2013-530110(P2013-530110A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】US2011031555
(87)【国際公開番号】WO2011130090
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年3月24日
(31)【優先権主張番号】61/323,164
(32)【優先日】2010年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512127109
【氏名又は名称】ユーエスジー・インテリアズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ダブリュ・ブラウン
【審査官】
吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−170716(JP,A)
【文献】
特開平02−051443(JP,A)
【文献】
特開昭55−027866(JP,A)
【文献】
特開昭56−005352(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2120231(GB,A)
【文献】
特開昭58−161938(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0284781(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00970927(EP,A2)
【文献】
国際公開第96/014454(WO,A1)
【文献】
国際公開第96/014274(WO,A1)
【文献】
米国特許第04720295(US,A)
【文献】
米国特許第05576252(US,A)
【文献】
米国特許第3220915(US,A)
【文献】
英国特許出願公告第1455428(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 13/00 − 13/06
C03B 37/01 − 37/06
B09B 3/00
D01F 9/08
E04B 1/90
INTERGLAD
GAZ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発原料として、少なくとも、脱工業レンガチップ、使用済みコンクリート、スラグを用い、出発原料中の使用済みコンクリートの乾燥重量が、5〜20質量%であり、繊維直径が4.5〜5.6μm(ミクロン)である再利用材料を含むミネラルウールであって、
組成範囲が、
シリカ(SiO
2)が36〜44質量%、
アルミナ(Al
2O
3)が8〜14質量%、
酸化マグネシウム(MgO)が4〜13質量%、
酸化カルシウム(CaO)が32〜44質量%、
酸化鉄(Fe2O3)が0.00〜3.00質量%、
酸化ナトリウム(Na2O)が0.00〜1.50質量%、
酸化カリウム(K2O)が0.00〜1.50質量%、
酸化チタン(TiO2)が0.00〜1.50質量%、
五酸化リン(P2O5)が0.00〜0.50質量%、
酸化マンガン(Mn2O3)が0.00〜0.60質量%、
酸化クロム(Cr2O3)が0.00〜0.01質量%、であり、
かつ、
【数1】
で定義される酸対塩基比が、重量比で
1.00〜
1.20の範囲であ
ることを特徴とするミネラルウール。
【請求項2】
前記再利用材料が、使用済みレンガチップ、廃棄ガラス、鋳物砂およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のミネラルウール。
【請求項3】
乾燥重量で2%〜4%の範囲のパーセンテージを占める未使用ミネラルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のミネラルウール。
【請求項4】
少なくとも、
脱工業レンガチップ、使用済みコンクリート、スラグの再利用可能な材料を選択し、
前記
再利用可能な材料を含む複数の出発材料を、使用済みコンクリートの割合が出発材料の乾燥重量の
5〜20%を占めるように組み合わせ、
前記組み合わせた出発材料を処理して、
4.5〜5.6μm(ミクロン)の繊維直径を有し、
組成範囲が、
シリカ(SiO
2)が36〜44質量%、
アルミナ(Al
2O
3)が8〜14質量%、
酸化マグネシウム(MgO)が4〜13質量%、
酸化カルシウム(CaO)が32〜44質量%、
酸化鉄(Fe2O3)が0.00〜3.00質量%、
酸化ナトリウム(Na2O)が0.00〜1.50質量%、
酸化カリウム(K2O)が0.00〜1.50質量%、
酸化チタン(TiO2)が0.00〜1.50質量%、
五酸化リン(P2O5)が0.00〜0.50質量%、
酸化マンガン(Mn2O3)が0.00〜0.60質量%、
酸化クロム(Cr2O3)が0.00〜0.01質量%、であり、
かつ、
【数1】
で定義される酸対塩基比が1.
01〜1.
15の範囲であり、
前記処理が、
前記組み合わせた出発材料を加熱して、液体を形成するステップと、
前記液体を冷却するステップと、
前記液体を冷却しながらブローして、前記ミネラルウールを製造するステップと、を含むことを特徴とするミネラルウールの製造方法。
【請求項5】
前記再利用可能な材料が、使用済みレンガチップ、廃棄ガラス、使用済み鋳物砂およびこれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のミネラルウールの製造方法。
【請求項6】
出発材料が、乾燥重量で2%〜4%の範囲のパーセンテージを占める未使用ミネラルをさらに含むことを特徴とする請求項3または4に記載のミネラルウールの製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載のミネラルウールを含む製品が、吸音天井パネル、ルースミネラルウールまたはミネラルウールのバットであることを特徴とするミネラルウール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35U.S.C.119(e)に従って、2010年4月12日出願の米国仮特許出願第61/323,164号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、人造繊維の製造、特に、ミネラルウールの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
ミネラルウールは、天然または合成ミネラルまたは金属酸化物から作製された繊維である。ミネラルウールの工業用途としては、断熱、ろ過および防音が挙げられる。
【0004】
ミネラルウールの製造プロセスには、概して、数多くの、成分または出発材料とも呼ばれる原料を、キューポラ等の炉で組み合わせることが含まれる。従来の原料としては、溶鉱炉スラグ、未使用ミネラルおよび燃料としての石炭が挙げられる。ある製造技術には、当該技術分野において既知であるとおり、炉を、高温、例えば、1400〜2000℃の範囲、好ましくは、1600℃で、加熱し、原料を相転移または溶融して、液体を形成し、ホイールスピナーを用いて、気流または蒸気を液体にブローすることが含まれる。最終生成物は、微細な絡み合った不織繊維の塊である。
【0005】
従来のミネラルウールにおいて、成分は、典型的に、構成繊維の目標酸−塩基(A/B)比を維持するように選択され、かつ配合される。A/B比は、繊維溶解度、または繊維が血液や唾液といった生体流体にいかに容易に溶解するかを示すことから、主要パラメータである。これは、人間の健康に関係するという理由から重要な特徴である。これらの材料は、建設構造材料にそれらを用いる結果、人間と接触する可能性が高いからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ミネラルウール製造において出発材料として従来から用いられる未使用ミネラルとしては、珪岩および花崗岩が例示される。場合によっては、未使用ミネラルは、乾燥重量で、出発材料の比較的高い比率を占める。かかる未使用ミネラルをミネラルウールの製造に用いるのは、建設業界における資源保存および材料の再利用という傾向のために、現在のところ、あまり望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のミネラルウールおよび関連の製造方法は、従来のミネラルウールの上述した問題に取り組むものである。天然または未使用ミネラルを、再利用可能な材料に置き換えることによって、本発明のミネラルウールの環境価値が、従来のミネラルウールに比べて大幅に増大した。本発明のミネラルウールにおいて、コンクリート、レンガチップ、廃棄ガラス、炉スラグ等の再利用建設材料を、珪岩および花崗岩等の未使用ミネラルと置き換える。再利用可能な材料を用いることは、U.S.Green Building Council,a Washington,D.C.をベースとする非営利連合およびEnergy and Environmental Design(LEED)プログラムの指導により、推奨されている。高いLEED格付けに寄与することにより、本発明のミネラルウールは、この一般的な建設材料の世間のイメージを高めている。本発明の改善されたミネラルウールまたは繊維状ウールで製造された製品も、建物のLEED格付けを改善する製品の能力ゆえ、価値を与えている。
【0008】
より具体的には、再利用材料を含み、酸対塩基比が所定の範囲内であるミネラルウールが提供される。他の実施形態において、再利用可能な材料を選択し、再利用可能な材料を含む複数の出発材料を組み合わせ、組み合わせた出発材料を処理して、特定の範囲内の酸対塩基比を有する、ミネラルウールを製造することを含む、ミネラルウールを製造する方法が提供される。
【0009】
一般的な処理工程に含まれるのは、組み合わせた出発材料を加熱して、液体を形成し、液体を冷却しながらブローして、ミネラルウール材料を製造することである。
【0010】
上記のプロセスはまた、ミネラルウールの「紡糸」としても知られている。ミネラルウールはまた、「スパン」、「スパンウール」または「スパン繊維」とも呼ばれることがある。
【0011】
さらに他の実施形態において、天井タイルまたはパネルに、望ましい吸音特性が提供される。吸音天井タイルまたはパネルとしても知られている本発明のパネルは、本発明のミネラルウールから作製される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
未使用ミネラルと置き換えた再利用材料を含むミネラルウールが提供される。再利用材料の組み込みにより、本発明のミネラルウールは、高LEEDスコアで格付けされるため、従来のミネラルウールよりも望ましい改善をもたらしている。好ましくは、高LEEDミネラルウールを作製するための、再利用可能物とも呼ばれる再利用可能な材料としては、これらに限られるものではないが、スラグ、使用済みコンクリート、レンガチップ、廃棄ガラス、鋳物砂およびこれらの材料の組み合わせが挙げられる。
【0013】
本発明のミネラルウールを製造するためのミネラルウール製造に再利用可能な材料を利用することは、主な材料資源を保存するのを支援し、未使用ミネラルまたはその他天然資源を抽出および処理するよりも、通常、エネルギー消費が遥かに少なく、使用可能な材料が廃棄物または公害問題にならないよう支援するため望ましい。再利用可能物には、脱工業および使用済み材料が含まれる。典型的に、脱工業材料の再利用は、廃棄物を生成する非効率的な製造プロセスを間接的に推奨する恐れがあるため、環境上あまり利点がないと考えられる。それでも、一般的に、再利用可能な材料を用いることは、未使用ミネラルまたは天然資源よりも環境的に好ましい。
【0014】
再利用可能な材料をミネラルウール製造に適用する実現可能性は、複合体の性質および様々な再利用可能な材料およびその成分の全く異なる特性を考慮すると、意外である。本発明のミネラルウールおよび関連の製造プロセスにおいて、脱工業および使用済み再利用可能な材料は、出発原料の大半を構成する。微量の未使用ミネラルもまた含まれてもよいが、この天然資源は、再利用可能物と完全に置き換えられるのが好ましい。得られるミネラルウールは、再利用可能な材料の含量が多く、本発明の製品を従来のミネラルウールよりも望ましいものとしている。
【0015】
本出願において、「脱工業」とは、製造廃棄物から得られた再利用可能な材料を指す。各生成プロセスにおいて再生可能なスクラップ材料は、再利用可能な材料として適格でない。「使用済み」再利用可能な材料は、製品の最終消費者としてのそれらの役割において、家庭または商業、工業および企業設備から生成される、それらの本来の目的にはもはや用いることのできない廃棄物材料と定義される。使用済み材料としては、道路の改築またはビルの解体により得られるコンクリートが挙げられる。LEED認証は、ビルの環境に対する悪影響を減じ、かつ、居住者の健康と福祉を改善しながら、利益性を増大する設計および建設実務を推奨するものである。
【0016】
上述したとおり、酸対塩基比は、ミネラルウール製造の目標パラメータである。本発明のミネラルウールの酸対塩基比(A/B)は、酸化アルミニウムとシリカ対酸化カルシウムと酸化マ
グネシウムの比
【数1】
で定義される。
【0017】
本発明のミネラルウールは、特定の範囲内に入るA/B比を有するように設計される。個々の成分を、その化学組成について分析し、そこから、出発材料の化学組成を全体として計算することができる。再利用可能な材料は、他の再利用可能な材料、いくつかのその他の再利用可能な材料、未使用ミネラルまたは未使用ミネラルの組み合わせと組み合わせて用いて、本発明のミネラルウールを作製することができる。A/B比は、好ましくは、1.0〜1.5、より好ましくは、1.01〜1.15の範囲である。さらに好ましくは、A/B比は、1.0〜1.3の範囲にあるのが好ましい。さらに好ましくは、A/B比は、1.0〜1.2の範囲にあるのが好ましい。
【0018】
強熱減量(LOI)とも呼ばれる使用済みコンクリートの水分含量は、ミネラルウールの原料としてその性能を阻害しない。場合によっては、コンクリートのLOI値は32%と大きい。表2に示すとおり、このLOIは、他の一般的な出発材料より2倍以上絶対値が大きい。この大きなLOIの正確な理由は不明であるが、コンクリートまたはコンクリート自体に含まれるか焼材料中の結合水が失われる結果と思われる。
【0019】
従来、ミネラルウール製造業者は、不安定な性質と認識されているコンクリートのような複合材料を用いることを避けてきた。意外にも、使用済みコンクリートは、十分に安定であり、LEED RC値修正材として非常に有効であることが分かった。ミネラルウールの製造業者はまた、キューポラを詰らせ、生産を阻害する傾向のある「微細」または小粒子を多い割合で含む材料を概して避けている。本発明の製品および方法における使用済みコンクリートは、粒子サイズ感受性のあるキューポラに対応するために、長さ約5〜10cm(2インチ〜4インチ)および幅約7.5〜15cm(3インチ〜6インチ)のコンクリート粒子を十分な数含むのが好ましい。しかしながら、本発明のミネラルウールおよび製造方法の実施形態は、キューポラ作業に限定されない。例えば、電気炉または水中燃焼溶融炉における作業にも好適と考えられ、微細なこれより小さなサイズの粒子も許容されるであろう。
【0020】
出発材料は、炉スラグ、脱工業および/または使用済み供給源から得られたレンガチップ、廃棄ガラス、鋳物砂、未使用ミネラルおよびこれらの組み合わせのうち1つ以上を任意選択的に含む。好適な未使用ミネラルとしては、地層から得られた珪岩および花崗岩が挙げられる。未使用ミネラルはまた、天然岩または微量ミネラルとも呼ばれることがある。本発明のミネラルウールの単一組成は、以下の材料の全てを含むとは限らないものと考えられる。表1に、いくつかの任意選択的な出発材料を、各出発材料が構成するであろう乾燥重量のパーセンテージと共に挙げる。
【0022】
表2に、Lake Bluff,IllinoisにあるVulcan Materials Companyの使用済みコンクリート試料およびChicago,ILのFeHog LLC Environmental Servicesより「A」レンガチップとして販売されている使用済みレンガの酸化物分析を示す。同じく示されているのは、廃棄ガラスおよび鋳物砂を含む本発明のミネラルウール製造において実用的と考えられるいくつかの他の出発材料の酸化物分析である。
【0023】
廃棄ガラスは、多くの形態、色、化学組成および等級で提供される。供給源には、任意のガラス関連製造工業、商業または工業再生および都市廃棄物収集が含まれる。好ましくは、本発明の廃棄ガラスは、LEED RC格付け計算に最も寄与するため、使用済み再利用可能な材料である。
【0024】
化学的性質は、本発明のミネラルウールの出発材料として廃棄ガラスを選択するための主な基準である。住宅の再利用可能な材料ストリームからの透明ガラスを分析したところ、適切な材料と見込まれた。褐色ガラスも出発材料と考えられる。パイレックス(登録商標)ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、鏡およびクリスタルは、それらの化学組成にホウ素が含まれるため除かれる。
【0025】
廃棄鋳物砂は、鉄および非鉄金属の鋳物鋳造プロセスの副生成物である。この材料の95%までの大半は、鉄鋳造プロセスから生成される。自動車工業およびそのサプライヤが、この材料の主な生成者である。化学組成およびA/B比の計算は、America,Coopersville,MIのResource Recovery Corporationからの微粉鋳造鋳型を利用して、本明細書に記載した方法に従って完了した。この材料は、本発明のミネラルウール製造と適合するものと期待される。壊れていない鋳型がキューポラ作業に好ましい。
【0027】
表2に示すとおり、使用済みコンクリート材料は、1未満のA/B比を有し、これはスラグと同様である。使用済みコンクリートを用い、1.00〜1.20の範囲の目標A/B比範囲内にとどめるためには、珪岩および/またはレンガチップの組み合わせを用いて、得られるミネラルウールの化学組成のバランスをとるのが好ましい。ミネラルウールの化学組成とは、紡糸繊維状ウール材料の酸対塩基(A/B)比を示す用語である。本発明の製造プロセスにおいて、所望の比を得るための工程が採られる。
【0028】
レンガチップのA/B比は100を超える。このように、出発材料中のレンガチップが比較的少量だと、大量のスラグ、コンクリートまたは低A/B比のその他材料を利用するときに、目標のA/B比が維持される。本発明の使用済みレンガチップ出発材料は、ミネラルウールのLEED再利用寄与値を大幅に改善するために必要な使用済みコンクリートの量を減じる可能性を提供するものである。
【0029】
出発材料を増やし、特に、未使用ミネラルを、再利用可能な材料、好ましくは、使用済みコンクリート、使用済みレンガチップまたはこれらの組み合わせと置き換えることにより、本発明の方法により生成されるミネラルウールは、最終ミネラルウール製品に起因するLEED RCを増大する。LEED格付けは、次の式:
LEED RC=X+(0.5×Y)
を用いて計算される。
【0030】
この式において、LEED RCは、一般的にLEED格付けとして知られるLEED再利用寄与であり、Xは使用済み再利用含量のパーセンテージを表わし、Yは脱工業再利用含量のパーセンテージを表わす。ビルおよび幹線道路解体事業、再生コンクリート、準備されたコンクリート(すなわち、粉砕、清浄および等級分けしたもの)等からの現場を供給源とする使用済みコンクリートを用いるのが好ましい。「準備された」コンクリートとは、全国共通で利用可能な豊富な/一貫した供給源を表わす(すなわち、IDOT仕様書、ASTM D−448−08)。
【0031】
表3〜4に、好適なA/B比のミネラル−ウール繊維製品を与えると期待される出発材料の様々な比を挙げる。パーセンテージは乾燥重量基準である。Microsoft Excel(登録商標)表計算プログラム用のSolver Add−In(登録商標)ツールを用いて、所望のA/B比および既知の酸化物分析に従って設定された理論的制約に基づいて、表3の値を計算した。表3および4に示した出発材料は、再利用可能な脱工業レンガチップ、再利用可能な使用済みコンクリート、スラグおよび未使用ミネラル珪岩を含む。
【0034】
これらの材料の既知の酸化物分析により、数学モデルを開発して、使用済みコンクリート、スラグおよびレンガチップを含むミネラル繊維ブレンドを処方した。これら3つの材料は、これら3つの材料全てが、本質的に、使用済みか脱工業であるため選択した。基本的に、これらの3つの材料は、100%再利用可能なミネラル繊維を任意で生成する。使用済みレンガチップを、好ましくは、脱工業レンガチップと置き換えて、本発明のミネラルウールに改善されたLEED格付けスコアを与えることが考えられる。
【0035】
試行中、材料のブレンドは、既存のミネラル繊維製造作業のセットアップのために、3つの構成成分に限定した。試行実行時、作業を存続しながら、合計で4つのビンフィーダーをキューポラに加えた。材料は、コーク(キューポラ燃料)、スラグ、脱工業レンガチップおよび珪岩を含んでいた。使用済みコンクリートをプラント試行に組み込むために、これらの材料の1つは、ビンフィードシステムを空にして、選択した再利用可能な材料、使用済みコンクリートに置き換えられる必要があった。珪岩は未加工材料であるため、排除が自然の選択であった。しかしながら、コンクリートの長期使用が望ましい場合には、他の貯蔵ビンおよびフィーダーの追加が、使用済みコンクリートのためには示唆される。
【0036】
数学的定式化モデルを作るために、前述のMicrosoft Excel表計算プログラム用のSolver Add−In(登録商標)ツールを用いた。このツールを用いて、モデルを設計して、特定の制約に従いつつ、特定の目標変数のためにミネラル繊維ブレンドを最適化した。具体的に、制約は、個々の酸化物の量、A/B比、組み合わせたSiO
2+Al
2O
3および組み合わせたCaO+MgOについて与えた。モデルで用いた制限を表5に示すが、それは国際人工ガラス繊維規格に基づくUSGガイドラインにある厳しい制限により展開したものである。
【0038】
表6および7に、好適なA/B比を有するミネラルウール繊維となる使用済みコンクリート、スラグおよび花崗岩出発材料のパーセンテージを挙げる。表6の式選択は、表7の式選択に対応している。
【0041】
表8および9に、脱工業レンガチップ、スラグ、未使用ミネラルおよび乾燥重量で低〜中比率のコンクリートを含む出発材料の比を挙げる。式数は、LEED RC値と同じである。表7に、脱工業レンガチップ、使用済みコンクリート、スラグおよび珪岩を含む出発材料の組成を示す。表8に、同じLEED RC値を与えるやや異なる出発材料の組成を示す。
【0044】
表10に、脱工業レンガチップと使用済みコンクリートのみを含む出発材料の比を示す。この処方は、高濃度のコンクリートを使用しており、製造業者により、目標A/B比を維持しつつ、高いLEED RC値を達成することが可能となる。また、A/B比は増大するものの、レンガチップは、再利用可能なコンクリートの代替となるであろうことが分かる。
【0046】
表11に、広い濃度範囲にわたって使用済みコンクリートを含む出発材料の理論比を示す。表12に、表11の理論一括式を示す。ただし、コンクリートのLOIを考慮してある。A/B比は、これらの理論値を計算するのに、1.0〜1.5の範囲に維持する。
【0049】
一実施形態において、数学モデルで、1.056に等しい目標A/B比(「モデルA/B比」)および5%使用済みコンクリート混合物について出発材料の量を計算した。以下の表13に、「ミネラル量」および「一括投入処方」で表わした出発材料ブレンドを示す。「ミネラル量」は、キューポラに入る材料のLOI減少に従う得られたミネラル使用率に対応し、「一括投入処方」は、点火前のキュープラに入る材料の重量パーセンテージに対応する。出発材料の第2のブレンドは、10%の使用済みコンクリートを含んでいた。以下の表13参照のこと。用語「ミネラル量」と「一括投入処方」の同じ定義が当てはまる。
【0052】
得られる繊維特性を評価した。表15に、試行繊維の物理特性を示し、表16に、ウォルワースのXRFにより求めた繊維の化学分析を示す。繊維は、典型的に、対照(4.6ミクロン)と比べると、やや大きな繊維直径(4.5〜5.6ミクロン)を有していた。ショット含量に関して、試行材料は、対照と比べると、全体のショット含量が少なかったように見られた。しかしながら、試行は、対照よりも遅く行ったため、全体のショット含量にも影響したであろうことに留意すべきである。マイクロネア値は、対照よりやや大きく、与えられた重量基準あたりの気孔率が高いことを示している。
【0053】
表14に示す化学分析に関して、試行材料のA/B比は、対照材料に近く、USGミネラル繊維の許容A/B比範囲内であった。A/B比は、予測モデルより高かったが、依然として製品使用の安全範囲に比較的近く、その範囲内であった。この材料は、USGミネラル繊維の標準要件に全て適合し、生成に関する問題は何ら観察されることなく、Sandstone(登録商標)の生成にうまく利用された。
【0056】
他の実施形態において、数学モデルは、10%および15%使用済みコンクリートの目標処方に設定した。第1の実施形態の実際のA/B比は、モデルにより予測された値を超えたように見えていたため、本実施形態のブレンドを処方するときはモデル目標を下げた。充填サイクル時間は、本実施形態においても対照より長かった。以下の表17に、15%使用済みコンクリートを含む「ミネラル量」および「一括入力処方」で表わした出発材料ブレンドを示す。出発材料の第2のブレンドは、20%使用済みコンクリートを含有していた。以下の表16を参照のこと。
【0059】
得られたミネラルウール繊維は、表19および20に記載した特性を有していた。繊維直径は大きく、合計ショット含量は、概して、対照材料に匹敵する、またはそれより少なかった。ショット含量の減少は、標準生成に比べて、キューポラの運転が遅かったことに関係すると考えられる。繊維は、1.00〜1.20の許容されるA/B比範囲内であった。繊維の実際のA/B比は、再び、モデル予測より、約0.11〜0.15大きかった。このように、さらなるモデルは、この補正を考慮して作製されるであろうことが考えられる。
【0062】
ミネラル繊維の生成スループットの減少が上述した実施形態において観察されたが、この繊維のLEED RC可能性は、増大した製造コストを払うことが期待される。
【0063】
表21は、使用済みレンガチップを組み込む提案されたミネラル繊維ブレンドを示す。使用済みの再利用可能なレンガを選択すると、必要とされる使用済みコンクリート使用を大幅に減少することが期待される。高LEED RCミネラル繊維についてキューポラスループット率が大幅に改善された60%LEED RC繊維が得られることが期待される。この使用済み再利用可能なレンガの利用においては、60%LEED RC繊維を得るのに、脱工業レンガの供給源を用いるときに必要とされる20%コンクリートミネラルに比べて、わずか12.6%コンクリートミネラルを必要とするだけである。このコンクリートの使用は、恐らく、製造作業にとって不利益とはならない。
【0065】
本発明のミネラルウールを製造する方法は、再利用可能なコンクリートおよび再利用可能なレンガチップを含むいくつかの出発材料を組み合わせることを含む。組み合わせた出発材料を処理して、所定の範囲内の酸対塩基比を有するミネラルウール製品を製造する。未使用ミネラルは全て一緒に排除することができ、ミネラルウールは、再利用可能なコンクリートおよび再利用可能なレンガチップのみから紡糸することができると考えられる。さらに、再利用可能なガラスまたは再利用可能な鋳物砂をミネラルウールの製造に用いてよいと考えられる。
【0066】
他の実施形態において、ミネラルウール製品を製造する方法は、出発材料の乾燥重量の12%〜84%のパーセンテージを占める使用済み再利用可能なコンクリートと、出発材料の乾燥重量の2%〜4%のパーセンテージを占める微量ミネラルを組み合わせることを含む。出発材料を混合してから、加熱して、液体を形成する。上述したとおり、液体をブローして、1.0〜1.5の範囲内の酸対塩基比(A/B)を有するミネラルウール製品を形成する。
【0067】
さらに他の実施形態において、ミネラルウールを製造する方法は、複数の出発材料を組み合わせることを含む。本発明の方法の特徴は、出発材料が、使用済み再利用可能な材料、好ましくは、使用済みコンクリート、使用済みまたは脱工業レンガチップ、使用済み材料の組み合わせ、または使用済みと脱工業材料の組み合わせを含むことである。使用済みコンクリートの典型的な供給源は、道路の建設およびビルの解体プロジェクトからの残骸である。使用済みコンクリートは、金網、鉄筋(リバー)およびアスファルト等の汚染物質を比較的含まない。使用済みレンガチップの典型的な供給源は、耐火レンガ廃棄物である。
【0068】
出発材料を選択したら、それらを処理して、全て参考文献として援用される米国特許第2,020,403号明細書、第4,270,295号明細書および第5,709,728号明細書に記載されたような従来の技術を用いて、ミネラルウール製品を製造する。組み合わせた原料は、所定の範囲内の酸対塩基(A/B)比を有する。好ましくは、A/B比は、
【数2】
であり、所定の比の範囲は、1.0〜1.5、より好ましくは、1.0〜1.2、さらに好ましくは、1.01〜1.15である。
【0069】
組み合わせる際、原料は、キューポラ等の好適な炉に運搬されて、1,400℃〜2,000℃の範囲の温度まで加熱されてから、空気または蒸気にブローされると、当該技術分野において既知であるとおりにミネラルウール繊維が製造される。本発明は、キューポラタイプの炉に限定されない。電気炉または水中燃焼溶融炉等の他の炉も同様に機能するであろう。キューポラに用いる材料は、正常な床通気性および燃焼気流が可能となる特定の製品サイズを必要とする。電気炉または水中燃焼溶融炉は、砂の粒子のサイズまでの任意のサイズの材料に対応する。典型的なキューポラサイズは、7.5〜10cm(3〜4インチ)/10〜15cm(4〜6インチ)である。
【0070】
本発明のミネラルウールは、例えば、吸音パネル、構造パネル、ルースミネラルウール、ミネラルウールのバットを含む製品の適用に特に好適である。パネルは、音の減衰が望まれる家庭や事務所等のビルにおいて、天井パネルとして用いられることが多い。
【0071】
本発明のミネラルウール、関連製品および関連製造方法の特定の実施形態を本明細書に記載してきたが、当業者であれば、そのより広い態様および以下の請求項に規定された本発明から逸脱することなく、変更および修正を行えることは理解されるであろう。