(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
試験ストリップと検査計測器とを含むグルコース測定システムにより血糖濃度を判定する方法であって、前記検査計測器は、前記試験ストリップに複数の試験電圧を印加するように、かつ前記試験ストリップの試験チャンバ内の電気化学反応により生じる電流トランジェント出力を測定するように構成されたマイクロコントローラを有し、前記方法が、
前記試験ストリップの少なくとも2つの電極をストリップ測定回路に接続するために、前記検査計測器のストリップポートコネクタの中に前記試験ストリップを挿入することと、
試料の付着後に試験手順を開始することと、
試験手順の開始から第1の時間間隔の間、前記試験ストリップの前記少なくとも2つの電極に第1の電圧を印加して、前記試料中の分析物の形質転換を引き起こすことと、
前記第1の電圧を、前記第1の電圧と異なる第2の電圧に切り替えることと、
前記第2の電圧を、前記第1又は第2の電圧と異なる第3の電圧に変更することと、
前記第1の電圧から前記第2の電圧への前記切り替えのための時間間隔の間であるが、前記第2の電圧に完全に切り替わる前に、前記電極からの電流トランジェントの第1の電流出力を測定することと、
前記第2の電圧から前記第3の電圧への前記変更の後に、前記電極からの前記電流トランジェントの第2の電流出力を測定することと、
前記電極において前記第3の電圧が維持された後の前記電流トランジェントの定常電流出力を推定することと、
前記グルコース濃度に影響を与える温度に対する補正なしに、前記電流トランジェントの前記第1、第2、及び定常電流出力に基づいて、血糖濃度を算出することと、
を含む方法。
前記第2の電流出力を測定することが、試験手順の開始後約4.1秒の時点で、前記少なくとも2つの電極の電流出力を測定することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
前記製造パラメータaが約0.192を含み、bが約0.678を含み、pが約0.523を含み、zgrが約2を含み、スケーリング又は補正係数cがおよそ約20を含む、請求項6に記載の血糖測定システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0013】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に沿って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0014】
図1Aは、計測器10と、グルコース試験ストリップ62の形態の生体内感知装置とを含む糖尿病管理システムを示す。計測器(計測器ユニット)は、分析物測定及び管理ユニット、グルコース測定器、測定器、及び分析物測定デバイスと呼ばれる場合もあることに留意されたい。一実施形態において、計測器ユニットは、インスリン送達デバイス、追加の分析物試験デバイス、及び薬物送達デバイスと組み合わされてもよい。計測器ユニットは、ケーブル又は好適なワイヤレス技術、例えば、GSM
(登録商標)、CDMA、BlueTooth
(登録商標)、WiFi等などによって、リモートコンピュータ又はリモートサーバーと接続されてもよい。
【0015】
図1Aに戻って参照すると、グルコース測定器又は計測器ユニット10は、ハウジング11と、ユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)と、ディスプレイ14と、ストリップポート開口部22と、を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。ユーザーインターフェースボタン18は、2方向トグルスイッチの形態であることができる。データには、分析物濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに一般的健康状態及び運動レベルを挙げることができる。メータ10の電子要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置され得る。
【0016】
図1Bは、回路基板34の上面上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素には、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が含まれる。下面上の電子構成要素としては、電池コネクタ(図示せず)及びデータポート13を挙げることができる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、電池、データポート13、並びにユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)に電気的に接続され得る。
【0017】
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を印加することを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。TI−MSP 430は、定電位機能及び電流計測機能の一部を実行するようにも構成され得る。加えて、MSP 430は揮発性及び不揮発性メモリも含み得る。別の実施形態では、電子部品の多くは、特定用途向け集積回路(ASIC)の形態のマイクロコントローラと一体化されてもよい。
【0018】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップに電気的接続を形成するように構成されてもよい。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成されてもよい。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、場合により背面照明を含んでもよい。データポート13は、接続リード線に取り付けられた好適なコネクタを受容することにより、血糖メータ10をパーソナルコンピュータなどの外部デバイスに接続することができるようになっている。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信を可能にする任意のポートであってよい。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。計測器ユニットは、例えば、電池などの電源に電気的に接続されるように構成され得る。
【0019】
図1C〜
図1E、
図2、
図3、及び
図4Bは、本明細書に記載の方法及びシステムと共に使用するのに適した例示的な試験ストリップ62の様々な図を示す。代表的な実施形態では、
図1Cに示されるように、遠位端80から近位端82まで延び、かつ側縁部56、58を有する細長い本体を含む試験ストリップ62が提供される。
図1Dに示されるように、試験ストリップ62はまた、第1の電極層66と、第2の電極層64と、2つの電極層64と66との間に挟まれるスペーサ60と、を含む。第1の電極層66は、第1の電極66と、第1の接続トラック76と、第1の接触パッド67と、を含むことができ、
図1D及び
図4Bに示されるように、第1の接続トラック76は、第1の電極66を第1の接触パッド67に電気的に接続する。
図1D及び
図4Bに示されるように、第1の電極66は、第1の電極層66の試薬層72の直下の部分であることに留意されたい。同様に、第2の電極層64は、第2の電極64と、第2の接続トラック78と、第2の接触パッド63と、を含むことができ、
図1D、
図2、及び
図4Bに示されるように、第2の接続トラック78は、第2の電極64を第2の接触パッド63に電気的に接続する。
図4Bが示すように、第2の電極64は、第2の電極層64の試薬層72の上方部分であることに留意されたい。本明細書で使用するとき、用語「電極層」及び「電極」は、電極又は電極の特定の場所を包含する通常領域を指すために同じ意味で使用される。
【0020】
図に示されるように、試料受容チャンバ61は、
図1D及び
図4Bに示されるように、第1の電極66、第2の電極64、及び試験ストリップ62の遠位端80の近くのスペーサ60によって画定される。第1の電極66及び第2の電極64は、
図4Bに示されるように、試料受容チャンバ61の底部及び上部をそれぞれ画定することができる。スペーサ60の切り欠き領域68は、
図4Bに示されるように、試料受容チャンバ61の壁部を画定することができる。一態様において、試料受容チャンバ61は、
図1C〜
図1Eに示されるように、試料入口及び/又は脱気孔を提供するポート70を含んでもよい。例えば、ポートの1つは流体試料が入るのを可能にし、他のポートは空気が出るのを可能にし得る。
【0021】
代表的な実施形態では、試料受容チャンバ61(若しくは試験セル又は試験チャンバ)の容量は小さくてもよい。例えば、チャンバ61は、約0.1マイクロリットル〜約5マイクロリットル、約0.2マイクロリットル〜約3マイクロリットル、又は、好ましくは、約0.3マイクロリットル〜約1マイクロリットルの範囲内の容量を有してもよい。小さな試料容量を提供するために、切り欠き68は、約0.01cm
2〜約0.2cm
2、約0.02cm
2〜約0.15cm
2、又は、好ましくは、約0.03cm
2〜約0.08cm
2の範囲の面積を有してもよい。更に、第1の電極66及び第2の電極64は、約1ミクロン〜約500ミクロンの範囲、好ましくは約10ミクロン〜約400ミクロンの範囲、より好ましくは約40ミクロン〜約200ミクロンの範囲内で離間していてもよい。電極の間隔が比較的近いことは、酸化還元サイクルを発生させるのも可能となり得、その場合、第1の電極66で発生する酸化された媒介物質は、第2の電極64に拡散して還元され、続いて第1の電極66に拡散して戻って再び酸化される。電極の様々なそうした容量、面積、及び/又は間隔は、本開示の趣旨及び範囲内であることを当業者なら理解するであろう。
【0022】
一実施形態において、第1の電極層66及び第2の電極層64は、金、パラジウム、炭、銀、プラチナ、酸化スズ、イリジウム、インジウム、又はこれらの組み合わせ(例えば、インジウムドープ酸化スズ)などの材料から形成される導電材料であってもよい。更に、電極は、スパッタリング、化学めっき法、又はスクリーン印刷法によって導電材料を絶縁シート(図示せず)の上に配置することによって形成されてもよい。1つの代表的な実施形態において、第1の電極層66及び第2の電極層64は、それぞれ、スパッタされたパラジウム及びスパッタされた金から作製することができる。スペーサ60として使用することができる好適な材料としては、例えば、プラスチック(例えば、PET、PETG、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン)、シリコン、セラミック、ガラス、接着剤、及びこれらの組み合わせなどの様々な絶縁材料が挙げられる。一実施形態において、スペーサ60は、ポリエステルのシートの両面にコーティングされた両面接着剤の形態であってもよく、その場合、接着剤は、感圧性接着剤又は加熱活性化接着剤であってもよい。第1の電極層66、第2の電極層64、及び/又はスペーサ60用の種々のその他の材料が本開示の趣旨及び範囲内であることに出願人は留意する。
【0023】
第1の電極66又は第2の電極64のいずれかは、印加された試験電圧の大きさ及び/又は極性に応じて、作用電極の機能を実行することができる。作用電極は、還元された媒介物質の濃度に比例する限界試験電流を測定することができる。例えば、電流制限種が還元された媒介物質(例えば、フェロシアニド)の場合、第2の電極64に関して試験電圧が酸化還元媒介物質の電位よりも十分に大きい限り、その媒介物質は第1の電極66で酸化され得る。このような状況では、第1の電極66は作用電極の機能を果たし、第2の電極64は対電極/参照電極の機能を果たす。対電極/参照電極を単に参照電極又は対電極として参照してもことに出願人は留意する。制限酸化は、測定された酸化電流が、バルク溶液から作用電極表面へ拡散する還元された媒介物質の流量に比例するように、全ての還元された媒介物質が作用電極面で枯渇したときに生じる。「バルク溶液」という用語は、枯渇領域内に還元された媒介物質が存在しない、作用電極から十分に離れた溶液の一部を指す。試験ストリップ62に関して特に明記しない限り、以下、検査計測器10により印加された電位は全て、第2の電極64に関して記述されるものであることに留意するべきである。
【0024】
同様に、試験電圧が酸化還元媒介物質の電位より十分に低い場合には、その還元された媒介物質は、制限電流として第2の電極64で酸化され得る。このような状況では、第2の電極64は作用電極の機能を実行し、第1の電極66は対電極/参照電極としての機能を実行する。
【0025】
初めに、分析は、所定量の流体試料をポート70を介して試料受容チャンバ61内に導入することを含み得る。一態様において、ポート70及び/又は試料受容チャンバ61は、毛細管作用により流体試料が試料受容チャンバ61を充填するように構成され得る。第1の電極66及び/又は第2の電極64は、試料受容チャンバ61の毛管現象を促進するために、親水性試薬でコーティングされてもよい。例えば、2−メルカプトエタンスルホン酸などの親水性部分を有するチオール誘導体化試薬を、第1の電極及び/又は第2の電極にコーティングしてもよい。
【0026】
上記のストリップ62の分析では、試薬層72は、PQQ補助因子をベースとしたグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)及びフェリシアニドを含むことができる。別の実施形態では、PQQ補助因子をベースとした酵素GDHは、FAD補助因子をベースとした酵素GDHと置き換えられてもよい。血液又は対照溶液が試料反応チャンバ内に投入されると、グルコースは、下の化学変化T.1に示されるように、GDH
(ox)により酸化され、このプロセスにおいてGDH
(ox)をGDH
(red)に変化させる。GDH
(ox)はGDHの酸化状態を指し、GDH
(red)はGDHの還元状態を指すことに留意されたい。
T.1 D−グルコース+GDH
(ox)→グルコン酸+GDH
(red)
【0027】
次に、GDH
(red)は、下の化学変化T.2に示すように、フェリシアニド(即ち、酸化された媒介物質、又はFe(CN)
63−)により活性化した酸化状態に戻る。GDH
(ox)を再生する処理において、T.2に示すように、フェロシアニド(即ち、還元された媒介物質、又はFe(CN)
64−)がこの反応により生成される。
T.2 GDH
(red)+2Fe(CN)
63−→GDH
(ox)+2Fe(CN)
64−
【0028】
図5は、第1の接触パッド67a、67b及び第2の接触パッド63とインターフェースをとる検査計測器100を示す簡略図を提供する。
図2に示されるように、第2の接触パッド63を使用して、検査計測器に対する電気的接続を、U字形の切欠き部65を介して確立することができる。一実施形態において、検査計測器100は、
図5に示されるように、第2の電極コネクタ101と、第1の電極コネクタ(102a、102b)と、試験電圧ユニット106と、電流測定ユニット107と、プロセッサ212と、記憶装置210と、表示装置202とを備え得る。第1の接触パッド67は、67a及び67bで表わされる2つのプロングを含むことができる。1つの代表的な実施形態において、第1の電極コネクタ102a及び102bは、それぞれ、プロング67a及び67bに別々に接続される。第2の電極コネクタ101は、第2の接触パッド63に接続されることができる。検査計測器100は、試験ストリップ62が検査計測器10に電気的に接続されているか否かを判定するために、プロング67aと67bとの間の抵抗又は電気的導通を測定することができる。
【0029】
一実施形態において、検査計測器100は、第1の接触パッド67と第2の接触パッド63との間に、試験電圧及び/又は電流を印加することができる。ストリップ62が挿入されたことを検査計測器100が認識した時点で、検査計測器100のスイッチが入り、流体検出モードを開始する。一実施形態において、流体検出モードにより、検査計測器100は約1マイクロアンペアの定電流を、第1の電極66と第2の電極64との間に印加する。試験ストリップ62は当初乾燥しているので、検査計測器10は比較的大きな電圧を測定する。投与プロセス中に流体試料が第1の電極66と第2の電極64との間の隙間を埋めると、検査計測器100は、所定閾値未満となる測定電圧の低下を測定することになり、検査計測器10はグルコース試験を自動で開始する。
【0030】
一実施形態において、検査計測器100は、
図6Aに示されるように、所定の間隔で複数の試験電圧を印加することによりグルコース試験を実施してもよい。複数の試験電圧は、第1の時間間隔t
1の第1の試験電圧E1と、第2の時間間隔t
2の第2の試験電圧E2と、第3の時間間隔t
3の第3の試験電圧E3と、を含み得る。第3の電圧E3の起電力の大きさ、極性、又はこれら両方の組み合わせは、第2の試験電圧E2と異なっていてもよい。好ましい実施形態において、E3はE2と同じ大きさであるが、極性が逆であってもよい。グルコース試験の時間間隔t
Gは、グルコース試験を実施する時間量を示す(但し、グルコース試験に関連する全算出期間とは限らない)。グルコース試験の時間間隔t
Gは、約1秒〜約5秒の範囲であり得る。更に、
図6Aに示されるように、第2の試験電圧E2は、直流(DC)試験電圧成分及び重畳された交流(AC)、あるいは振動試験電圧成分を含み得る。重畳された交流又は振動試験電圧成分は、t
capで示される時間間隔の間印加される。
【0031】
時間間隔のいずれかの間に測定される複数の試験電流値は、1マイクロ秒毎に約1回の測定から100ミリ秒毎に約1回の測定の範囲の頻度で実行されてもよい。3つの試験電圧が連続様式で用いられる実施形態が記載されるが、グルコース試験は、異なる数の開回路及び試験電圧を含んでもよい。例えば、代替実施形態として、グルコース試験は、第1の時間間隔に対する開回路と、第2の時間間隔に対する第2の試験電圧と、第3の時間間隔に対する第3の試験電圧と、を含み得る。名称「第1」、「第2」、及び「第3」は便宜上選択されたものであり、試験電圧を印加する順番を必ずしも反映するものではないことに留意するべきである。例えば、ある実施形態は、第1及び第2の試験電圧を印加する前に第3の試験電圧が印加された場合の電位波形を有し得る。
【0032】
グルコース分析が開始されると、検査計測器10は、第1の試験電圧E1(例えば、
図6Aでは約20mV)を第1の時間間隔t
1(例えば、
図6Aでは1秒)の間印加してもよい。第1の時間間隔t
1は、約0.1秒〜約3秒の範囲、好ましくは約0.2秒〜約2秒の範囲、最も好ましくは約0.3秒〜約1秒の範囲であり得る。
【0033】
第1の時間間隔t
1は、試料受容チャンバ61が完全に試料で充填され得るように、更には、試薬層72が少なくとも部分的に溶解又は溶媒和し得るように、十分に長くてもよい。一態様において、第1の試験電圧E1は、相対的に少量の還元又は酸化電流が測定されるように、媒介物質の酸化還元電位に相対的に近い値であり得る。
図6Bは、第2の時間間隔t
2及び第3の時間間隔t
3と比べて、第1の時間間隔t
1の間に比較的少量の電流が観察されたことを示している。例えば、フェリシアニド及び/又はフェロシアニドを媒介物質としてを用いた場合、
図6Aの第1の試験電圧E1は、約1mV〜約100mVの範囲、好ましくは約5mV〜約50mVの範囲、及び最も好ましくは約10mV〜約30mVの範囲であってもよい。印加電圧は、好ましい実施形態では正値として与えられるが、負の領域の同じ電圧を利用して特許請求の範囲に記載されている発明の意図される目的を達成することができる。
【0034】
第1の試験電圧E1を印加した後、検査計測器10は、第1の電極66と第2の電極64との間に第2の試験電圧E2(例えば、
図6Aでは約300mVolt)を、2の時間間隔t
2(例えば、
図6Aでは約3秒)の間印加する。第2の試験電圧E2は、制限酸化電流が第2の電極64で測定されるように、媒介物質酸化還元電位に対して十分大きな負の値を持ち得る。例えば、フェリシアニド及び/又はフェロシアニドを媒介物質として用いた場合、第2の試験電圧E2は、約0mV〜約600mVの範囲、好ましくは100mV〜約600mVの範囲、及びより好ましくは約300mVであり得る。
【0035】
第2の時間間隔t
2は、還元された媒介物質(例えばフェロシアニド)の生成速度を制限酸化電流の大きさに基づいてモニタすることができるように。十分に長くあるべきである還元された媒介物質は、試薬層72による酵素反応により生成される。第2の時間間隔t
2の間において、還元された媒介物質の制限量は、第2の電極64で酸化され、また酸化された媒介物質の非制限量は第1の電極66で還元されて、第1の電極66と第2の電極64との間に濃度勾配が生じる。
【0036】
代表的な実施形態において、第2の時間間隔t
2はまた、十分な量のフェリシアニドが第2の電極64で生成されることができるように十分に長くあるべきである。第3の試験電圧E3の間に、第1の電極66でフェロシアニドを酸化させるための制限電流が測定されるように、第2の電極64において十分な量のフェリシアニドが要求される。第2の時間間隔t
2は、60秒未満であってもよく、好ましくは約1秒〜約10秒、より好ましくは約2秒〜約5秒の範囲であり得る。同様に、
図6Aでt
capと指示された時間区分はまた、時間の範囲を超えて持続してもよいが、1つの代表的な実施形態では約20ミリ秒の長さである。1つの代表的な実施形態において、重畳された交流試験電圧成分は、第2の試験電圧E2を印加後、約0.3秒〜約0.4秒後に印加されて、周波数約109Hz、振幅約+/−50mVの正弦波を誘発する。
【0037】
図6Bは、第2の時間間隔t
2の開始後の相対的に小さなピークi
pbと、その後に続く第2の時間間隔t
2の間の酸化電流の絶対値の漸増を示している。この小さなピークipbは、第1の電圧E1から第2の電圧E2へと移行(ここでは移行線T
Lとして参照される)した後の還元された媒介物質の初期枯により現れる。この後、小さなピークi
pbが試薬層72によるフェロシアニドの発生により引き起こされた後に酸化電流の絶対値が漸減し、このフェロシアニドは次いで第2の電極64へと拡散する。
【0038】
第2の試験電圧E2を印加後、第3の時間間隔t
3(例えば、
図6Aで1秒)の間、検査計測器10は、第1の電極66と第2の電極64との間に第3の試験電圧E3(例えば、
図6Aの約−300mV)を印加する。第3の試験電圧E3は、第1の電極66で制限酸化電流が測定されるように、媒介物質の酸化還元電位に対して十分大きな正値であってよい。例えば、媒介物質としてフェリシアニド及び/又はフェロシアニドを用いる場合、第3の試験電圧E3は、約0mV〜約−600mVの範囲、好ましくは約−100mV〜約−600mVの範囲にあり、より好ましくは約−300mVであってもよい。
【0039】
第3の時間間隔t
3は、第1の電極66の近傍で還元された媒介物質(例えばフェロシアニド)の拡散を酸化電流強度に基づいてモニターするために十分な長さであってよい。第3の時間間隔t
3の間、還元された媒介物質の制限量が第1の電極66で酸化され、また酸化された媒介物質の非制限量が第2の電極64で還元される。第3の時間間隔t
3は、約0.1秒〜約5秒、好ましくは約0.3秒〜約3秒、より好ましくは約0.5秒〜約2秒の範囲であってもよい。
【0040】
図6Bは第3の時間間隔t
3の始まりにある相対的に大きなピークi
pcと、これに続く定常電流i
ss値への減少を示している。一実施形態において、第2の試験電圧E2は第1の極性を有することができ、また第3の試験電圧E3は、第1の極性と逆の第2の極性を有してもよい。他の実施形態では、第2の試験電圧E2は、媒介物質の酸化還元電位に対して十分に負であってもよく、また第3の試験電圧E3は、媒介物質の酸化還元電位に対して十分に正であってもよい。第3の試験電圧E3は、第2の試験電圧E2の直後に印加されてもよい。しかしながら、当業者は、第2及び第3の試験電圧の大きさ及び極性は、分析物濃度を判定する方法に従って選択することができることを理解するであろう。
【0041】
血糖濃度は試験電流値に基づいて判定することができる。数式1に示されるグルコースアルゴリズムを用いて、第1のグルコース濃度G
1を計算することができる。
【数3】
式中、i
1は第1の試験電流値であり、
i
2は第2の試験電流値であり、
i
3は第3の試験電流値であり、
項a、p、及びzは、実験的に導かれた校正定数であり得る。
【0042】
数式1の全ての試験電流値(例えば、i
1、i
2、及びi
3)には、電流の絶対値を用いる。第1の試験電流値i
1及び第2の試験電流値i
2はそれぞれ、第3の時間間隔t
3の間に現れる1つ以上の予め定められた試験電流値の平均又は総和として定義され得る。i
2項は、全て第3の時間間隔の間に測定される、第4の電流値i
4、第5の電流値i
5、及び第6の電流値i
6に基づく第2の電流値である。第3の試験電流値i
3は、第2の時間間隔t
2の間に現れる1つ以上の予め定められた試験電流値の平均又は総和として定義されることができる。当業者は、名称「第1」、「第2」、及び「第3」は便宜上選択されたものであり、必ずしも電流値が算出される順序を反映するものではないこと理解するであろう。数式1の変形は、「Method and Apparatus for Rapid Electrochemical Analysis」と題された、2005年9月30日に出願され、2010年7月6日に特許付与された米国特許第7749371号に見出すことができ、当該特許は参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
【0043】
ここで
図6A及び
図6Bを参照すると、第2の試験電位時間間隔t
2の開始後(即ち、移行線T
L)(
図6A)に観測されるピーク電流(
図6B)は、i
pbで表わされることができ、第3の試験電位時間間隔t
3(
図6A)の開始時に見られるピーク電流は、i
pcで表わされることができる。数式2は、干渉物質を含有しグルコースを含まない試料を用いて試験ストリップ62を試験した場合の、第1の電流トランジェントCTと第2の電流トランジェントCTとの間の関係を表す。
式2 i
pc−2i
pb=−i
ss
【0044】
第1の期間t
1の間、典型的には試料中にグルコースが存在しないので、試薬層72は相当量の還元された媒介物質を生成しないと考えられる。そのため、電流トランジェントは、干渉物質の酸化のみを反映することになる。約1.0秒の時間スケール領域前半では、試薬層72がグルコース反応による還元された媒介物質を大量に生成しないと仮定する。更に、生成されている還元された媒介物質のほとんどは、最初に試薬層72が付着していた第1電極66の近傍に残り、第2電極64へ拡散するものはわずかであると仮定する。したがって、i
pbの大きさの大部分は、第2の電極64における干渉物質の酸化に起因する直接的な干渉電流である。
【0045】
4.1秒の付近で第3の電圧E3(例えば、約−300mV)がストリップに提供された後の期間において、試薬層72は、グルコースの存在下でグルコース反応により、第1の電極66で有意な量の還元された媒介物質を生成する。酸化された媒介物質による干渉物質の酸化の可能性により、有意な量の還元された媒介物質もまた生成され得る。上述のように、酸化された媒介物質を還元する干渉物質は電流に寄与し、こうして生じる電流は間接電流と呼ぶことができる。更に、干渉物質はまた、第1の電極66で直接酸化される可能性があり、こうして生じる電流は直接電流と呼ぶことができる。媒介物質が作用電極で酸化される可能性のある状況では、直接酸化と間接酸化の合計は、酸化された媒介物質が作用電極に付着しなかった場合に測定された直接酸化電流とほぼ等しいと仮定できる。要約すると、i
pbの大きさは、間接的及び直接的な干渉物質の酸化、及び第1の電極66又は第2の電極64の一方におけるグルコース反応に起因する。i
pbは、主に干渉物質により制御されると判断されるため、i
pcをi
pbと共に用いて、補正係数を決定することができる。例えば、以下に示すように、i
pbをi
pcと共に用いた数学的関数により、グルコースと比例するが干渉物質の影響を受けにくい補正電流i
2(Corr)を決定することができる。
【数4】
【0046】
数式3は、グルコースに比例し、干渉物質に起因する電流の相対的割合が除去されている電流i
2(Corr)を算出するために実験的に導かれた。i
ss項は、グルコースが存在しないときに分子がゼロに近付くように分子と分母の両方に加えられた。第2の電位を印加後の定常電流i
ssの判定は、参照により本出願に組み込まれる同時係属中の特許出願第11/278341号に詳述されている。i
ssを算出する方法のいくつかの例は、米国特許第5,942,102号及び同第6,413,410号に見出すことができ、当該特許のそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0047】
数式1に戻って参照すると、数式3は、電流測定値i
4、i
5、i
6、及びi
7に基づくi
1、i
3、及びi
2として数式4で表わすことができる。
【数5】
式中、上記のように、i
2は、全て第3の時間間隔t
3の間に測定される、第4の電流値i
4、第5の電流値i
5、及び第6の電流値i
6に基づく第2の電流値であり、一実施形態では第1の時間間隔t
1中に測定される第7の電流値であるi
7、及びb並びにFは、実験的に導かれた定数である。各電流測定の時間窓については以下に記載する。
【0048】
分析物中の干渉物質の存在を勘案するこの技術を、温度変化による影響を勘案するように更に改良することができる。代表的な一実施形態において、i
7は、第1の電圧E1から第2の電圧へのランピングの間の時間間隔で測定された試験電流値であってもよく、便宜上、本試験では約1.0秒と表わされている。このランプ電流i
7は、第1の電圧E1から第2の電圧E2へのランピングの時間間隔中の移行線T
Lにおける電流変化として観測されたが、ランプ電流i
7は、第1の電圧E1が第2の電圧E2へと完全に切り替わった時点(
図6Bにおいて移行線T
Lの後又は約1.1秒以降)で測定された電流ではなく、第1の電圧E1が第2の電圧E2へのランピング過程にあるとき(
図6Bにおいて0.7秒から1.1秒近くまで)に測定される電流によって画定される好適な範囲内のある時点で測定されてもよい。好ましい実施形態において、及び演算処理を簡略化するために、本出願人らは、ランプ電流i
7を、電圧がE1からE2に変化することにより引き起こされる電流トランジェントに入ってから、1.0秒に等しい試験時間に測定される試験電流として選択したが、関連試験ストリップの特定の構造に応じてランプ電流i
7が変化し得ることは明らかであろう。
【0049】
数式4は、更に正確なグルコース濃度を与えるように変更することができる。数式5に示されているように、i
1項は、試験電流値の総和の単純な平均を用いる代わりに、ピーク電流値i
pb及びi
pcと定常状態電流ii
ssとを含むように定義することができ、これは数式3と似ている。
【数6】
式中、定常電流i
ssの算出は、数学モデル、外挿、事前に定められた時間間隔の間の平均、それらの組み合わせ、又は定常電流を算出するための任意の数のその他の方法に基づいて行なうことができる。
【0050】
あるいは、i
ssは、5秒の時点の試験電流値に定数K
8(例えば、0.678)を乗ずることにより推定することができる。このように、
【数7】
となる。K
8項は数式6を用いて推定することができる。
【数8】
式中、数0.975は、第3の試験電圧E3が印加されてからの秒数であって、ストリップ62の特定の実施形態の約5秒における電流に相当し、約0.95秒から1秒にわたる線形変化を仮定しての、0.95から1秒の間の平均電流であり、D項は、血液中の典型的な拡散係数であって約5×10
−6cm
2/秒であり、またL項は、スペーサ60の高さを表し、約0.0095cmであると仮定する。
【0051】
数式3に再度戻ると、
図6A及び
図6Bの試験電圧及び試験電流波形に基づき、i
pcは約4.1秒時点の試験電流値であり得、i
pbは、約1.1秒時点の試験電流値であり得る。
【0052】
数式1に戻ると、i
2は
【数9】
であると定義され得、i
3は
【数10】
であると定義され得る。
【0053】
数式7に示されるように、数式3は数式1及び2と結合されて、血液試料中の内因性及び/又は外因性の干渉物質の存在を補正することができる更に正確なグルコース濃度を判定するための数式を得ることができる。
【数11】
式中、第1のグルコース濃度G
1は、血糖アルゴリズムの出力であり、項a、p、及びzは、試験ストリップの製造サンプルから実験的に導出できる定数である。
【0054】
i
1、i
3、及びi
2を算出することができる時間間隔の選択は、「Methods and Apparatus for Analyzing a Sample in the Presence of Interferents」と題された同時係属の特許出願公開第2007/0227912号に記載されており、ストリップロットを較正する方法は米国特許第6,780,645号に記載されており、当該文献は共に、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
【0055】
好ましい実施形態において、数式7のグルコース濃度G
1は、電流i
2(Corr)を利用する数式8によって判定され、(グルコースに比例し、干渉物質に起因する電流の相対的割合が除去されている)。
【数12】
及び
であり、a、b、p、及びzgrは製造パラメータである。
【0056】
同時係属中の米国特許出願第2009/0301899号(以下「‘899出願」)に示されかつ記載されている代替実施形態では、電流i
pbは、電極に印加される電圧が20mVを超えるとき、及び約300mVであるときに測定される電流となるように選択された。その結果、‘899出願の実施形態では、電流は印加電圧が300mVであるときに(
図6A)測定される(
図6B)。したがって、システムは、印加電圧が実際に約300mVであることを確実にするために、約1.1秒の時点の電流出力i
pbの電流値を探す。約1.1秒の時点の電流i
pbを用いる場合、本出願人らは、試験ストリップ62に与える周囲温度の影響を補正しなければならなかった。温度補正はグルコース値G
1に対して行われる必要があるので、本出願人らは、‘899出願に示されかつ記載されるこの実施形態を、「強制的に温度補正されたグルコース濃度」と指定する。
【0057】
この強制的に温度補正されたグルコース濃度計算では、i
pbは約1.1秒の時点で測定された電流であり、i
pcは約4.1秒の時点のストリップ62の電極から測定された電流であり、i
ssは約5秒の時点で測定された電流である。表記法の簡略化のため、この強制的に温度補正されたグルコース濃度計算の数式8.1は、以下の表記法で数式8.2:
【数13】
として表わすことができる。ストリップに対する印加電圧(
図6A)が300mV未満(好ましくは100mV未満、及び最も好ましくは約20mV)であるときに電流i
pbを測定すると、グルコース反応に対する周囲温度の影響が著しく低減されることが本出願人らにより見出された。本出願人らにとって特に予想外であったのは、印加電圧が約20mVである期間の後でかつ駆動電圧が300mVに近づく前の時間間隔に測定された電流(
図6Bではi
pbの代わりにi
paで示されている)は、ストリップ62で生じる電気化学反応に周囲温度が与える影響に起因した温度補正を必要とせずに、グルコース濃度の判定を可能とすることであった。
【0058】
その結果、本出願の好ましい実施形態では、この時間間隔中に測定された電流を、低電圧(例えば、20mV)からより高い電圧(例えば、300mV)に移行する線T
Lで示される時点又はそれ以前の任意の時間の測定電流となるように選択する。移行線T
L(
図6Aにおいて低電圧E1がより高い電圧E2へと変換する時点)の位置を判定することのあいまいさは、
図6Bの電流トランジェントCTに反映されるので、本出願人らは、1秒の時点の電流トランジェントを測定することに決めた。したがって、数式8.1において、i
pc及びi
ssは数式8.3と同じ値を有するが、期間t
2で測定した電流は、約1秒の時点で(又は移行線T
Lにおいて若しくはそれ以前で印加電圧が300mV未満に維持されている任意の時間に)測定した電流である。この測定電流は、数式8.3ではi
paとして表わされており、他の製造パラメータbに変更を加えなくてもいいようにスケーリング係数「c」を有する。
【数14】
【0059】
製造パラメータbは製造工程で概ね一定に保たれるので、かかるパラメータbが一旦決定されると、パラメータbを製造工程で予め決められたものと同じに維持することができるように、数式8.3のスケーリング係数cは約5〜約25(好ましくは約20)となり得る。
表記法の簡略化のため、本実施形態に適用されるとき、数式8.3は、以下の表記法で数式8.4として表わすことができる。
【数15】
【0060】
数式8.3における移行線T
Lにおいて又はそれ以前(あるいは算出を簡略化するために、1.0秒の時点)の試験電流の測定値は、温度変化に対してより感受性があると考えられる試験電流の値を提供する。換言すれば、測定又はサンプリング電流i
pbを、印加電圧が300mV未満及び好ましくは約20mVである間の移行線T
Lにおいて又はそれ以前に得る場合、‘899出願で提供される特定のアルゴリズムを使用した更なる補正を行うことなく、グルコース濃度は本質的に正しいと考えられる。第2の電圧E2に完全に移る前に出力電流i
paを測定することの驚くべき利点を、
図7A〜
図7Eとの関連で明らかにする。
【0061】
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、及び
図7Eは、
図6Bの電流トランジェントの間の異なる期間において得た測定試験電流、及び温度が試験電流にどのような影響を与えるかを示す5つの別個のプロットである。データがストリップの利用実態を十分に反映するのを確実にするために、
図7A〜
図7Eのデータは、グルコース濃度範囲が70mg/dLから500mg/dL超過の試料を含み、3つの異なるロットの試験ストリップを使用し、加えて供血者は数人であり、ヘマトクリットレベルは正常であった。
図7Aでは、
図6Aの印加電圧が、選択した周囲温度範囲0℃〜40℃にわたって約20mVである場合、得た測定電流は、
図7Aではわずか約8マイクロアンペアだけ変化していることがわかる。
図7Bに示されるように、
図6Aの駆動電圧が温度範囲にわたって約300mVである場合、(約2秒において得た)測定電流は25マイクロアンペアまで変化し、測定電流において温度と印加電圧との間の相関関係が存在することを示している。
図7C〜
図7Eはこの相関関係を更に裏付けている。試験電流値と温度との間の相関関係のレベルは、電流トランジェントに入る時間の増加に伴って変化することが示されている。
図7Aに示される、電流トランジェントに入る移行線T
Lにおいて又はその前に(1.0秒の時点)得た測定又はサンプリング電流i
paは、温度との高い相関を明らかにしている。しかしながら、この温度依存性は、
図7B〜
図7Eでは経時的に減少することが示されており、したがって、移行線T
Lにおいて又はそれ以前の印加電圧が低い間に(300mV未満及び好ましくは約20mV)得た測定又はサンプリング電流i
pa(
図6Bのi
pbではない)は、正確なグルコース濃度計算を達成するのに最も適していると思われる。印加電圧は、好ましい実施形態では正値として与えられるが、負の領域の同じ電圧を利用して本発明の意図される目的を達成することも可能である。
【0062】
図8は、低いグルコース濃度(70mg/dL)、中程度のグルコース濃度(250mg/dL)、又は高いグルコース濃度(500mg/dL)のいずれかを有する試料に関し、電圧が20mVから300mVに変化する(約1.0秒の時点)前の時間間隔内で測定された試験電流値を温度と対比したプロットを示す。3つのグルコース濃度の測定は、7℃、23℃、及び43℃の3つの個別の温度で行われた。
図8は、各グルコース値に基づいて各温度毎にグループ分けしたデータを示しており、(移行線T
Lにおいて又はそれ以前に得た)測定又はサンプリング電流i
paと温度との間の強い相関関係を明らかにしている。更に、この上昇間隔中の測定又はサンプリング試験電流は、グルコース濃度とよりも、温度とより高度に相関している。サンプリング電流は温度と高度に相関するので、本出願人らは、これら電流値をアルゴリズムで用いることにより、算出されたグルコース濃度の温度に対する感度を低減し、それによりグルコース濃度の追加的温度補正が必要なくなると考える。
【0063】
移行線T
Lにおける又はそれ以前の測定値であり、電圧が電流トランジェントCTに入って300mV未満である間の電流の測定値は、例えば+/−20mVといった低い試験電位が適用される可能性がある時間間隔t
1内の最終測定点を表す。+/−20mVのような低電圧は、電気化学セルの分極電圧よりも低いので、グルコース及び媒介種は実質的に不活性のままとなる。したがって、本出願人らは、分極電圧より低い電圧では、試料の抵抗は主に、ヘモグロビン値などの試料特性及び温度などの環境因子に依存すると考える。
【0064】
図9Aは、1.0秒の時点で(
図6Bの移行線T
Lにおいて又はそれ以前に)得た試験電流を温度と対比して示しており、
図9Bは、電流トランジェントCTに入って約1.1秒の時点で(
図6Bの移行線T
L以降に)得た試験電流を示しており、ここでも
図7A〜
図7E及び
図8に関連して記載したのと同じ温度条件(7℃、23℃、及び43℃)を用いている。
図9Bは、移行線T
Lにおける又はそれ以前のサンプリング電流の大きさと比べるとはるかに大きい、移行線T
L以降のサンプリング電流を示す。具体的には、
図9A及び
図9Bは、
図9Aの移行線T
Lにおける又はそれ以前の測定値(
図6Bでは約1秒の時点のi
pb)に関する試験電流と温度との相関関係が、
図9Bの移行線T
L以降、即ち、0.1秒後の約1.1秒の時点で得た電流測定値(
図6Bのi
pb)と比べて高いことを示している。
【実施例】
【0065】
実施例1:温度補正のない場合のバイアスの決定
試験ストリップのバッチを、600を超える全血試料(数nに関しては以下の表1を参照のこと)を用いて試験し、該試料は3種類の異なるグルコース濃度(即ち、73mg/dL、250mg/dL、及び500mg/dL)を有し、ヘマトクリット値は全て正常であり、例えば、約42%であった。一連の同じ全血試料を3つの異なる温度(5℃、23℃、及び45℃)で試験した。温度補正を用いず、上記の数式8を用い、ipb=1.1(即ち、古いアルゴリズム)及びipb=1.0(即ち、新しいアルゴリズム)で、各データ点に関するグルコース濃度を前述の通りに判定した。
【0066】
次に、グルコース測定における相対誤差の推定であるバイアスを、古いアルゴリズム及び新しいアルゴリズムを用いて割り出した各グルコース濃度に関して算出した。各グルコース濃度のバイアスは、下記の式によって割り出した。
式9 バイアスabs=G
calculated−G
reference
(G
referenceがグルコース75mg/dL未満の場合)及び
【数16】
(G
referenceがグルコース75mg/dL以上の場合)
式中、バイアス
absは絶対バイアスであり、Bias%はバイアス率であり、G
calculatedは、古い又は新しいアルゴリズムよって割り出したグルコース濃度であり、G
referenceは参照グルコース濃度である。
【0067】
図10は、1.0秒の時点でi
paを測定し、数式8及び8.4(本出願の温度補正を行わないアルゴリズム)を用いて算出したグルコース測定値(
図10のGSampleUG_バイアス_2)に関する、YSI Life Sciences(YSI)基準に対する補正されていないバイアスのプロットであり、電流トランジェントに入って約1.1秒の時点でi
pbを測定する、数式8及び8.2(‘899出願の必要な温度補正を有するアルゴリズム)を用いて分析した同じ試料データ(
図10のSampleUG_バイアス)と比較している。
【0068】
図10のデータから分かるように、印加電圧が300mVである移行線T
Lの後(約1.1秒時点)ではなく、トランジェントCTに入って印加電圧が300mV未満である、移行線T
Lよりわずか前又は先立って(印加電圧が約20mVである1.0秒の時点)で試験電流を測定することで、例えば、特に低温で顕著なバイアスの著しい改善をもたらす。バイアスのこうした改善は、補正係数cを用いて電流i
pa(印加電圧が300mVの時点)を測定することにより達成され、例えば、同じ製造パラメータp、a、b、及びZの更なる修正を必要としない。好ましい実施形態において、aは約0.192であり、bは約0.678であり、pは約0.523であり、zgrは約2であり、スケーリング又は補正係数cは、およそ約15〜約25、最も好ましくは、約20である。
【0069】
図10のデータは、下記の表1に示されているように、ISO(国際標準化機構)の異なるバイアス基準の範囲内の低下率(%)として表すこともできる。
【表1】
【0070】
表1のデータは、i
paを移行線T
Lの前、即ち、1.0秒の時点で測定する場合に、各ISOバイアス基準の範囲内に含まれるデータの割合が増加することを示している。+/−20%バイアスでは、本発明で記載する技術に対する温度補正なしにバイアス基準の範囲内に含まれる割合は96.9%である。それに対して、印加電圧300mVがもたらす電流を利用する技術では、+/−20%バイアスを満たす割合は、温度補正を用いない場合、90%未満(約86.5%)となる。データを86.5%から95%へと改善するために、温度補正を行わなければならず、グルコース測定がより複雑となった。
【0071】
図11は、本明細書に記載の新しく発見された技術を用いるフローチャートを使用してグルコース濃度を判定する1つの方法を示す。ユーザーは、試験ストリップ62を検査計測器10に挿入し(検査計測器10は流体検出モードを開始する)、その後試験ストリップ62に試料を塗布する。関連した電気回路網を有する検査計測器10は、試料の存在を検出し(試料検出は略して示されていない)、ステップ1802に示されるように試験電圧を印加し、存在する場合、血液サンプル中の分析物(例えば、グルコース)を他の化学製品に形質転換させる。試験電圧に応答して、ステップ1804に示されるように、検査計測器10は試験電流を測定する。次いで、検査計測器のマイクロプロセッサは、正確な分析物(例えば、グルコース)測定値を判定して表示することができるように、得られた試験電流値を処理する。
【0072】
該方法の別のステップは、ステップ1806に示されるように、対照溶液(CS)/血液鑑別試験を行うことができる。ステップ1808に示されるように、CS/血液鑑別試験が試料は血液であると判定すると、方法1800は、血糖アルゴリズムの適用1810、ヘマトクリット補正1812、エラーチェック1000、を含む一連のステップに移行し、CS/血液鑑別試験が試料はCSである(即ち、血液でない)と判定すると、方法1800は、CSグルコースアルゴリズムの適用1824、及びエラーチェック1000、を含む一連のステップに移行する。エラーチェック1000を行った後、エラーがないかどうかを判定するためにステップ1818を実施することができる。エラーがない場合には、検査計測器10は、ステップ1820に示されるように、グルコース濃度を報知し(例えば、表示、通知、又は伝達)、エラーがある場合には、ステップ1822に示されるように、計測器10はエラーメッセージを報知する。ステップのそれぞれに関する具体的詳細は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる、同時係属中の米国特許出願公開第2009/0301899号に示されかつ記載されている。
【0073】
2006年3月31日出願の「Electrochemical Method of Discriminating Control Solution from Blood」と題する米国特許出願公開第2007/0235347号、2007年9月28日出願の「Systems and Methods of Discriminating Control Solution From a Physiological Sample」と題する米国特許出願公開第2009/0084687号、及び2008年1月17日出願の「System and Method For Measuring an Analyte in a Sample」と題する米国特許出願公開第2009/0184004号、並びに2010年7月6日に付与された米国特許第7,749,371号は、参照によりそれら全体が本出願に組み込まれる。
【0074】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) 試験ストリップと検査計測器とを含むグルコース測定システムにより血糖濃度を判定する方法であって、前記検査計測器は、前記試験ストリップに複数の試験電圧を印加するように、かつ前記試験ストリップの試験チャンバ内の電気化学反応により生じる電流トランジェント出力を測定するように構成されたマイクロコントローラを有し、前記方法が、
前記試験ストリップの少なくとも2つの電極をストリップ測定回路に接続するために、前記検査計測器のストリップポートコネクタの中に前記試験ストリップを挿入することと、
試料の付着後に試験手順を開始することと、
試験手順の開始から第1の時間間隔の間、前記試験ストリップの前記少なくとも2つの電極に第1の電圧を印加して、前記試料中の分析物の形質転換を引き起こすことと、
前記第1の電圧を、前記第1の電圧と異なる第2の電圧に切り替えることと、
前記第2の電圧を、前記第1又は第2の電圧と異なる第3の電圧に変更することと、
前記第1の電圧から前記第2の電圧への前記切り替えのための時間間隔の間であるが、前記第2の電圧に完全に切り替わる前に、前記電極からの電流トランジェントの第1の電流出力を測定することと、
前記第2の電圧から前記第3の電圧への前記変更の後に、前記電極からの前記電流トランジェントの第2の電流出力を測定することと、
前記電極において前記第3の電圧が維持された後の前記電流トランジェントの定常電流出力を推定することと、
前記グルコース濃度に影響を与える温度に対する補正(compensation for temperature on the glucose concentration)なしに、前記電流トランジェントの前記第1、第2、及び第3の電流出力に基づいて、血糖濃度を算出することと、
を含む方法。
(2) 試験ストリップと検査計測器とを含むグルコース測定システムにより血糖濃度を判定する方法であって、前記検査計測器は、前記試験ストリップに複数の試験電圧を印加するように、かつ前記試験ストリップの試験チャンバ内の電気化学反応により生じる電流トランジェント出力を測定するように構成されたマイクロコントローラを有し、前記方法が、
前記試験ストリップの少なくとも2つの電極をストリップ測定回路に接続するために、前記検査計測器のストリップポートコネクタの中に前記試験ストリップを挿入することと、
試料の付着後に試験手順を開始することと、
試験手順の開始から第1の時間間隔の間、前記試験ストリップの前記少なくとも2つの電極に第1の電圧を印加して、前記試料中の分析物の形質転換を引き起こすことと、
前記第1の電圧を、前記第1の電圧と異なる第2の電圧に切り替えることと、
前記第2の電圧を、前記第1又は第2の電圧と異なる第3の電圧に変更することと、
前記第1の電圧から前記第2の電圧への前記切り替えのための時間間隔の間であるが、前記第2の電圧に完全に切り替わる前に、前記電極からの電流トランジェントの第1の電流出力を測定することと、
前記第2の電圧から前記第3の電圧への前記変更の後に、前記電極からの前記電流トランジェントの第2の電流出力を測定することと、
前記電極において前記第3の電圧が維持された後の前記電流トランジェントの定常電流出力を推定することと、
次の形態の数式:
【数17】
(式中、G
1はグルコース濃度を含み、
【数18】
であり、
式中、
a、b、c、p、zgrは製造パラメータを含み、
i
4.1は、試験手順の開始後約4.1秒の時点で測定した電流であり、
i
5は、試験手順の開始後約5秒の時点で測定した電流であり、
i
1.0は、試験手順の開始後約1秒の時点で測定した電流である)を用いて、前記グルコース濃度に影響を与える温度に対する補正なしに、前記電流トランジェントの前記第1、第2、及び第3の電流出力に基づいて、血糖濃度を算出することと、を含む方法。
(3) 前記第1の電流出力を測定することが、試験手順の開始後約1秒の時点で、前記少なくとも2つの電極の電流出力を測定することを含む、実施態様1又は2に記載の方法。
(4) 前記第2の電流出力を測定することが、試験手順の開始後約4.1秒の時点で、前記少なくとも2つの電極の電流出力を測定することを含む、実施態様1又は2に記載の方法。
(5) 前記定常電流出力を推定することが、試験手順の開始後約5秒の時点で、前記少なくとも2つの電極の電流出力を測定することを含む、実施態様1又は2に記載の方法。
【0076】
(6) 前記算出することが、グルコース濃度を算出するために次の形態の数式:
【数19】
(式中、G
1はグルコース濃度を含み、
【数20】
であり、
式中、
a、b、c、p、zgrは製造パラメータを含み、
i
4.1は、試験手順の開始後約4.1秒の時点で測定した電流であり、
i
5は、試験手順の開始後約5秒の時点で測定した電流であり、
i
1.0は、試験手順の開始後約1秒の時点で測定した電流である)を用いることを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 血糖測定システムであって、
分析物試験ストリップであって、
上に配置された試薬を有する基材と、
試験チャンバ内の前記試薬に近接する少なくとも2つの電極と、
を含む分析物試験ストリップと、
分析物計測器であって、
前記2つの電極に接続するように配設されたストリップポートコネクタと、
電源と、
前記試験ストリップが前記ストリップポートコネクタに挿入され、血液試料中のグルコースの化学変化を目的として前記血液試料が前記試験チャンバ内に付着すると、グルコース濃度に対する追加的温度補正なしにマイクロコントローラによって前記血液試料の前記グルコース濃度が判定されるように、前記ストリップポートコネクタ及び前記電源と電気的に結合された前記マイクロコントローラと、
を含む分析物計測器と、
を含む血糖測定システム。
(8) 前記マイクロコントローラが、前記電極に対して複数の電圧を供給し、かつ次の形態の数式:
【数21】
(式中、G
1はグルコース濃度を含み、
【数22】
であり、
式中、
a、b、c、p、zgrは製造パラメータを含み、
i
4.1は、試験手順の開始後約4.1秒の時点で測定した電流であり、
i
5は、試験手順の開始後約5秒の時点で測定した電流であり、
i
1.0は、血液試料の試験手順の開始後約1秒の時点で測定された電流である)を用いて、前記電極からの電流トランジェント出力からグルコース濃度を算出するようにプログラムされる、実施態様6に記載の血糖測定システム。
(9) ユーザーの生理液中のグルコース濃度を測定する血糖測定システムであって、前記システムが、
試験ストリップであって、作用電極と、電極と、試験区域内に媒介物質を有する試薬層と、を有する電気化学セルを含み、前記電極は対応する接触パッドに接続される、試験ストリップと、
マイクロプロセッサと、前記試験ストリップの前記接触パッドを電気的に接続する試験ストリップポートと接続している試験回路と、を有する分析物計測器であって、それにより前記計測器は、生理液が前記電極に付着した後、第1、第2、及び第3の電圧を印加するように、かつ、前記グルコース濃度に対して温度補正を行わずに前記計測器によって測定される、前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化する前又は変化する時点の第1の測定電流、第2、第3及び第4の測定電流、前記第2の電圧から前記第3の電圧に変化した後に測定されるピーク電流、及び定常電流から、グルコース濃度を判定するように構成される、分析物計測器と、
を含む血糖測定システム。
(10) 前記第1の測定電流が、前記血液試料の前記付着より1.1秒前に(prior to 1.1 seconds)測定される電流を含む、実施態様7に記載のグルコース測定。
【0077】
(11) 前記計測器が、前記電極に対して複数の電圧を供給し、かつ次の形態の数式:
【数23】
式中、G
1はグルコース濃度を含み、
【数24】
であり、
式中、
a、b、c、p、zgrは製造パラメータを含み、
i
4.1は、前記血液試料の付着開始後約4.1秒の時点で測定した電流であり、
i
5は、前記血液試料の付着開始後約5秒の時点で測定した電流であり、
i
1.0は、前記血液試料の付着開始後約1秒の時点で測定した電流である)を用いて、前記電極からの電流トランジェント出力からグルコース濃度を算出するようにプログラムされる、実施態様7に記載の血糖測定システム。
(12) 前記製造パラメータaが約0.192を含み、bが約0.678を含み、pが約0.523を含み、zgrが約2を含み、スケーリング又は補正係数cがおよそ約20を含む、実施態様7及び9のいずれか一項に記載の血糖測定システム。