(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プレ電極組立体を準備する前記ステップは、金属シートを打抜いて、前記複数のセグメント電極及び前記複数の隆起コネクタを形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
金属シートを打抜く前記ステップは、金属シートを打抜いて、前記複数のセグメント電極及び複数のコネクタを形成するステップと、次いで、前記複数のコネクタを曲げて、前記複数の隆起コネクタを形成するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
プレ電極組立体を巻く前記ステップは、前記プレ電極組立体をリードチューブの周りに巻くステップを含み、前記リードチューブは、それを貫通する少なくとも1つの内腔を含む、請求項6に記載の方法。
リード本体の一部分を成形する前記ステップは、ポリマーチューブ材を前記プレ電極組立体の周りに配置するステップと、熱収縮チューブ材を前記ポリマーチューブ材の上に配置するステップと、前記ポリマーチューブ材を加熱して、前記ポリマーチューブ材を前記セグメント電極の周りにリフローさせるステップと、前記熱収縮チューブ材を除去するステップとを含む、請求項11に記載の方法。
前記複数のセグメント電極は、横列及び縦列の形態に配列され、前記セグメント電極の各々は、前記複数の隆起コネクタのうちの1つを用いて、隣接した横列又は隣接した縦列のセグメント電極に直接結合される、請求項15に記載の組立体。
前記複数のセグメント電極は、横列及び縦列の形態で配列され、前記セグメント電極の各々は、前記複数の隆起コネクタのうちの1つを用いて、隣接した横列のセグメント電極に直接結合され、前記複数の隆起コネクタのうちの別の1つを用いて、隣接した縦列のセグメント電極に直接結合される、請求項15に記載の組立体。
前記複数のセグメント電極は、横列及び縦列の形態で配列され、前記セグメント電極の各々は、前記複数の隆起コネクタのうちの少なくとも1つを用いて、隣接した各横列のセグメント電極に直接結合され、前記複数の隆起コネクタのうちの少なくとも別の1つを用いて、隣接した各縦列のセグメント電極に直接結合される、請求項15に記載の組立体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、電気刺激システム、並びに、かかる電気刺激システムを製造及び使用する方法の分野に関する。本発明はまた、セグメント電極の複数のセットを有する電気刺激リードの形成、並びにセグメント電極、リード、及び電気刺激システムを製造及び使用する方法に関する。
【0012】
脳深部刺激のためのリードは、刺激電極、記録電極、又はその両方の組合せを含む。少なくともいくつかの刺激電極、記録電極、又はその両方は、リードの円周の周りを部分的にだけ延びるセグメント電極の形態で設けられる。セグメント電極は、電極のセットの形態で設けられ、各セットは、特定の長手方向位置のところのリードの周りに分配された電極を有する。
【0013】
開業医は、記録電極を使用してターゲット神経の位置を決定し、次に、記録リードの取外し及び刺激リードの挿入なしに、その状態で刺激電極を位置決めする。いくつかの実施形態では、記録及び刺激の両方に同じ電極が使用される。いくつかの実施形態では、別々のリードが使用され、第1のリードはターゲット神経を識別する記録電極を有し、第2のリードは刺激電極を有し、ターゲット神経の識別後、第2のリードを第1のリードと交換する。リードは、ターゲット神経の位置をより正確に決定するために、リードの外周に間をあけて配置された記録電極を含む。少なくともいくつかの実施形態では、リードは、記録電極を使用して神経を見つけた後に刺激電極がターゲット神経と整列することができるように回転可能である。本明細書では、リードは、例示の目的で脳深部刺激における使用に関して説明されるが、任意のリードを、脳深部刺激以外の適用例に使用してもよいことを理解すべきである。
【0014】
脳深部刺激デバイス及びリードは、例えば、特許文献1(「脳刺激のためのデバイス及び方法」)、特許文献2(「脳刺激システムのための非円形遠位端部を有するリード並びに製造及び使用方法」)、特許文献3(「刺激リード及びリード製造の方法」)、特許文献4(「移行部を有するリード並びに製造及び使用方法」)、特許文献5(「刺激リードのための電極並びに製造及び使用方法」)、特許文献6(「スプリット電極による脳深部刺激電流ステアリング」)、特許文献7〜9に記載されている。これらの文献の各々を本明細書に援用する。
【0015】
図1は、脳刺激のためのデバイス100の1つの実施形態を示す。デバイスは、リード110と、リード110の外周に少なくとも部分的に配置された複数の電極125と、複数の端子135と、電極を制御ユニットに接続するためのコネクタ130と、リードを患者の脳に挿入してそれを位置決めするのを助けるスタイレット140を含む。スタイレット140は、剛性材料で作られるのがよい。スタイレットに適当な材料の例は、限定するわけではないが、タングステン、ステンレス鋼、及びプラスチックを含む。スタイレット140は、ハンドル150を有し、ハンドル150は、リード110の中への挿入、並びにスタイレット140及びリード110の回転を助ける。コネクタ130は、好ましくはスタイレット140を取外した後、リード110の近位端部の上に装着される。
【0016】
制御ユニット(図示せず)は、典型的には、患者の身体の中、例えば、患者の鎖骨領域の下に埋込まめる埋込み可能なパルス発生器である。パルス発生器は、8つの刺激チャンネルを有し、刺激チャンネルは、各チャンネルからの電流刺激の大きさを制御するように独立にプログラム可能である。いくつかの場合、パルス発生器は、8つよりも多い刺激チャンネル(例えば、16、32、又はそれよりも多い刺激チャンネル)を有していてもよい。制御ユニットは、リード110の近位端部のところの複数の端子135を受入れる1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多いコネクタポートを有するのがよい。
【0017】
作動の一例では、脳内の望ましい位置へのアクセスは、鎖骨ドリル(通常バリと呼ばれる)を用いて患者の頭蓋骨又は頭蓋にドリル孔をあけ、硬膜又は脳被覆を凝固及び切開することによって達成される。リード110を、スタイレット140の支援により、頭蓋及び脳組織の中に挿入する。例えば定位固定フレーム及びマイクロドライブモータシステムを使用して、リード110を脳内のターゲット位置に案内する。いくつかの実施形態では、マイクロドライブモータシステムは、全自動であってもよいし、半自動であってもよい。マイクロドライブモータシステムは、リード110の挿入作動、リード110の後退作動、又はリード110の回転作動のうちの1つ又は2つ以上(単独で又は組合せて)を実施するように構成されるのがよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、ターゲット神経によって刺激された筋肉又は他の組織、又は、患者又は臨床医に応答するユニットに結合された測定デバイスが、制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに結合される。測定デバイス、ユーザ、又は臨床医は、ターゲット筋肉又は他の組織による応答を刺激又は記録電極に指示し、ターゲット神経を更に識別し、刺激電極の位置決めを容易にする。例えば、ターゲット神経が振戦を受けた筋肉に差し向けられる場合、測定デバイスを使用して、筋肉を観察し、神経の刺激に応答する振戦周波数又は振幅の変化を指示する。変形例として、患者又は臨床医は、筋肉を観察し、フィードバックを行ってもよい。
【0019】
脳深部刺激のためのリード110は、刺激電極、記録電極、又はその両方を含む。少なくともいくつかの実施形態では、リード110は、記録電極を使用して神経を位置決めした後で刺激電極がターゲット神経と整列することができるように回転可能である。
【0020】
刺激電極は、リード110の外周に配置され、ターゲット神経を刺激する。刺激電極は、電流が各電極からリード110の長さ方向に沿う電極の位置から全ての方向に等しく放出されるように、リング形であるのがよい。けれども、リング電極は、典型的には、刺激電流をリードの一方の側にだけ差し向けることはできない。しかしながら、セグメント電極を使用すれば、リードの一方の側に、そして一方の側の一部分にさえも、刺激電流を差し向けることができる。セグメント電極を、一定の電流刺激を送出する埋込み可能なパルス発生器と共に使用するとき、刺激をリードの軸線の周囲の位置に正確に送出する電流ステアリング(すなわち、リードの軸線の周囲の半径方向の位置決め)を達成することができる。
【0021】
電流ステアリングを達成するために、リング電極に加えて又はその変形例として、セグメント電極を利用してもよい。次の説明において刺激電極を述べるが、次に説明する刺激電極の全ての形態は、記録電極を配列するのに利用されてもよいことを理解すべきである。
【0022】
図2は、脳刺激に対するリード200の遠位部分の1つの実施形態を示している。リード200は、リード本体210と、1つ又は2つ以上の選択的なリング電極220と、複数セットのセグメント電極230を含む。リード本体210は、生体適合性の非導電材料で形成されるのがよく、かかる材料は、例えば、ポリマー材料等である。適当なポリマー材料は、限定するわけではないが、シリコーン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素、ポリエチレン等を含む。リード200をいったん身体に埋込むと、リード200は、身体組織と長期間接触する。少なくともいくつかの実施形態では、リード200は、1.5mmよりも大きくない断面直径を有し、断面直径は、1mm〜1.5mmの範囲内にある。少なくともいくつかの実施形態では、リード200は、少なくとも10cmの長さを有し、リード200の長さは、25cm〜70cmの範囲内にある。
【0023】
電極は、金属、合金、導電性酸化物、又は他の任意適当な導電性の生体適合性材料を使用して作られる。適当な材料の例は、限定するわけではないが、プラチナ、プラチナイリジウム合金、イリジウム、チタン、タングステン、パラジウム、又はパラジウムロジウム等を含む。好ましくは、電極は、生体適合性材料であり且つ予想される使用期間にわたって且つ作動環境における予想される作動条件下で実質的に腐食しない材料で作られる。
【0024】
電極の各々は、使用されてもよいし、使用されなくても(オフ)よい。電極を使用するとき、電極は、アノード又はカソードとして使用され、アノード又はカソード電流を送出する。いくつかの場合、電極は、ある期間にわたってアノードであり、ある期間にわたってカソードであってもよい。
【0025】
リング電極220の形態をなす刺激電極は、通常、リード200の遠位端部の近くのリード本体210のいずれかの部分の上に配置される。
図2では、リード200は、2つのリング電極220を含む。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又はそれよりも多くのリング電極220を含む任意の数のリング電極220を、リード本体210の長さ方向に沿って配置することができる。任意の数のリング電極を、リード本体210の長さ方向に沿って配置してもよいことを理解すべきである。いくつかの実施形態では、リング電極220は、実質的に円筒形であり、リード本体210の外周全体に巻かれる。いくつかの実施形態では、リング電極220の外径は、リード本体210の外径に実質的に等しい。リング電極220の長さは、望ましい処理及びターゲット神経の位置により異なる場合がある。いくつかの実施形態では、リング電極220の長さは、リング電極220の直径よりも小さいか又はそれに等しい。他の実施形態では、リング電極220の長さは、リング電極220の直径よりも大きい。
【0026】
脳深部刺激リードは、セグメント電極のうちの1つ又は2つ以上のセットを含むのがよい。セグメント電極は、脳深部刺激のターゲット構造が、典型的には、遠位電極アレイの軸線に関して対称的ではないので、リング電極よりも優れた電流ステアリングを提供することができる。変形例として、ターゲットは、リードの軸線を含む平面の片側に位置決めされてもよい。半径方向セグメント電極アレイ(「RSEA」)の使用により、電流ステアリングは、リードの長さ方向に沿ってだけでなくリードの外周の周囲でも実施することができる。これは、場合によっては他の組織の刺激を回避しながら、正確な3次元ターゲット決定及び神経ターゲット組織への電流刺激の送出を提供する。
【0027】
図2では、複数のセグメント電極230を有するリード200が示されている。任意の数のセグメント電極230がリード本体210上に配置されてもよく、セグメント電極230は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又はそれよりも多くのセグメント電極230を含む。任意の数のセグメント電極230がリード本体210の長さ方向に沿って配置されてもよいことを理解すべきである。
【0028】
セグメント電極230は、セグメント電極のセットにグループ分けされ、各セットは、リード200の特定の長手方向部分のところでリード200の外周に配置される。リード200は、任意の数のセグメント電極230をセグメント電極の所定のセットをなして有するのがよい。リード200は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれよりも多くのセグメント電極230を所定のセットをなして有する。少なくともいくつかの実施形態では、リード200のセグメント電極230の各セットは、同じ数のセグメント電極230を含む。リード200上に配置されたセグメント電極230は、リード200上に配置されたセグメント電極230のうちの他の少なくとも1つのセットと異なる数の電極を含んでいてもよい。
【0029】
セグメント電極230の寸法及び形状は、変化してもよい。いくつかの実施形態では、セグメント電極230は全て、同じ寸法、形状、直径、幅、又は面積、又はそれらの任意の組合せを有する。いくつかの実施形態では、各外周セットのセグメント電極230(又は、リード200上に配置された全てのセグメント電極)は、同一の寸法及び形状のものである。
【0030】
セグメント電極230の各セットは、リード本体210の外周に配置され、リード本体210の周りで実質的に円筒形状をなすのがよい。セグメント電極の所定のセットの個々の電極の間の間隔は、リード200上のセグメント電極の別のセットの個々の電極の間の間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、等しい空間、隙間、又は切欠きが、リード本体210の外周の各セグメント電極230の間に配置される。他の実施形態では、セグメント電極230の間の空間、隙間、又は切欠きの寸法又は形状が異なる場合がある。他の実施形態では、セグメント電極230の間の空間、隙間、又は切欠きは、セグメント電極230の特定のセットについて又はセグメント電極230の全てのセットについて、一様であってもよい。セグメント電極230のセットは、リード本体210の長さ方向に沿って不規則な間隔に位置決めされてもよいし、規則的な間隔に位置決めされてもよい。
【0031】
リング電極220又はセグメント電極230に取付けられる導線は、リード本体210に沿って延びる。それらの導線は、リード200の材料の中を通って延びていてもよいし、リード200の1つ又は2つ以上の内腔に沿って延びていてもよいし、その両方であってもよい。導線は、電極220、230を制御ユニット(図示せず)に結合させるために、コネクタのところに(端子を介して)設けられている。
【0032】
リード200がリング電極220とセグメント電極230の両方を含むとき、リング電極220及びセグメント電極230は、任意適当な形態に配列される。例えば、リード200が、2つのセットのリング電極220と2つのセットのセグメント電極230を含むとき、リング電極220は、2つのセットのセグメント電極230(例えば、
図2を参照)の横に位置する。変形例として、2つのセットのリング電極220は、2つのセットのセグメント電極230(例えば、
図3Aを参照)の近位側に配置されてもよいし、2つのセットのリング電極220は、2つのセットのセグメント電極230(例えば、
図3Bを参照)の遠位側に配置されてもよい。他の形態(例えば、リング及びセグメント電極が交互に配置される)も可能であることを理解すべきである。
【0033】
セグメント電極230の位置を変えることによって、ターゲット神経の異なるカバー範囲を選択するのがよい。例えば、
図3Aの電極配列は、神経ターゲットがリード本体210の遠位先端により近くなると医師が予想する場合に役立つ場合があり、
図3Bの電極配列は、神経ターゲットがリード本体210の近位端部により近くなると医師が予想する場合に役立つ場合がある。
【0034】
リング電極220及びセグメント電極230の任意の組合せがリード200上に配置される。例えば、リードは、第1のリング電極と、2つのセットのセグメント電極と、リードの端部にある最終リング電極とを含み、各セットは、3つのセグメント電極230で形成される。この配列は、単に1−3−3−1形態と呼ばれる。この略記法で電極を呼ぶことが有用である。従って、
図3Aの実施形態は、1−1−3−3形態と呼ぶことができ、
図3Bの実施形態は、3−3−1−1形態と呼ぶことができる。他の8つの電極形態は、例えば、4つのセットのセグメント電極をリード上に配置する2−2−2−2形態、4つのセグメント電極230を有する2つのセットのセグメント電極をリード上に配置する4−4形態を含む。いくつかの実施形態では、リードは、16の電極を含む。16電極リードのための可能な形態は、限定するわけではないが、4−4−4−4、8−8、3−3−3−3−3−1(及びこの形態の全ての再配列)、及び2−2−2−2−2−2−2−2を含む。
【0035】
図4は、リード200の長さ方向に沿った様々な電極レベルに沿った半径方向電流ステアリングを示す概略図である。リング電極を有する在来のリード形態は、リードの長さ方向(z軸線)に沿う電流ステアリングを可能にするに過ぎないが、セグメント電極形態は、x軸線、y軸線、並びにz軸線の電流ステアリングが可能である。従って、刺激の重心を、リード200を包囲する3次元空間の任意の方向にステアリングすることができる。いくつかの実施形態では、半径方向距離r及びリード200の周方向の角度θは、(刺激は、主にカソードの近くで起こるけれども、強力なアノードも刺激を引起こすことを認識して)各電極に導入されるアノード電流のパーセントによって指示される。少なくともいくつかの実施形態では、セグメント電極に沿うアノード及びカソードの形態により、刺激の重心をリード200に沿う様々な異なる位置にシフトさせることを可能にする。
【0036】
図4から認識されるように、刺激の重心は、リード200の長さ方向に沿う各レベルでシフトされるのがよい。リードの長さ方向に沿う異なるレベルのセグメント電極の複数のセットの使用により、3次元電流ステアリングを可能にする。いくつかの実施形態では、セグメント電極のセットは、集合的にシフトされる(すなわち、刺激の重心は、リードの長さ方向に沿う各レベルにおいて同様である)。少なくともいくつかの他の実施形態では、セグメント電極の各セットは、独立に制御される。セグメント電極の各セットは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれよりも多くのセグメント電極を含む。異なる刺激輪郭が、各レベルのセグメント電極の数を変えることによって生成されることを理解すべきである。例えば、セグメント電極の各セットが2つのセグメント電極のみを含むとき、一様に分配された隙間(選択的に刺激することはできない)が、刺激輪郭に形成される。いくつかの実施形態では、1つのセットの少なくとも3つのセグメント電極230を利用することにより、真の360°選択を可能にする。
【0037】
前に示したように、上述した形態はまた、記録電極を利用しながら使用されるのがよい。いくつかの実施形態では、ターゲット神経又は患者又は臨床医に応答するユニットによって刺激された筋肉又は他の組織に結合された測定デバイスは、制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに結合される。測定デバイス、ユーザ、又は臨床医は、刺激又は記録電極に対するターゲット筋肉又は他の組織による反応を示し、ターゲット神経を更に識別し、刺激電極の位置決めを容易にする。例えば、ターゲット神経が振戦を受けた筋肉に差し向けられると、測定デバイスを使用して、筋肉を観察し、神経の刺激に応答した振戦周波数又は振幅の変化を示す指示する。変形例として、患者又は臨床医は、筋肉を観察し、フィードバックを行ってもよい。
【0038】
リードの信頼性及び耐久性は、設計及び製造の方法に大きく依存する。以下で説明する製造技術は、製造可能で信頼できるリードを生成することができる方法を提供する。
【0039】
リード200がセグメント電極230の複数のセットを含むとき、セグメント電極230の異なるセットの対応する電極がリード200の長さ方向に沿って半径方向を互いに整列させるように、リード200を形成することが望ましい場合がある(例えば、
図2に示すセグメント電極230)。リード200の長さ方向に沿うセグメント電極230の異なるセットの対応する電極の間の半径方向の整列により、セグメント電極の異なるセットの対応するセグメント電極の間の位置又は向きに関する不確実性を低下させるのがよい。従って、リード200の長さ方向に沿ったセグメント電極の異なるセットの対応する電極が、リード200の製造中、半径方向を互いに整列させ且つ半径方向を互いに対してシフトさせないように、電極アレイを形成することが有益である。
【0040】
図5は、セグメント電極の複数のセットを有するリード200の別の実施形態の側面図である。
図5に示すように、2つのセットのセグメント電極230の個々の電極は、リード本体210の長さ方向に沿って互いに対して互い違いに配置される。場合によっては、リード200の長さ方向に沿ったセグメント電極の異なるセットの対応する電極の互い違いの位置決めは、特定の適用例のために設計される。
【0041】
セグメント電極を備えたリードの製造における課題は、電極のセット内における電極の所望の整列、及び、電極のセット間における電極の所望の整列を達成してそれを維持することを含む。1つのセットの電極の半径方向と電極の半径方向の間の所望の分離、及び、異なるセットの電極と電極の間の軸線方向分離を維持する問題が存在する。加えて、リード本体からの電極の脱落を回避する問題が存在する。
【0042】
セグメント電極を備えたリードは、これらの課題に取組む(例えば、課題をなくす又は低減する)ことができる様々な異なる方法で製造される。
図6は、セグメント電極を有するリードを製造する方法の1つの実施形態の一部のフローチャートである。第1のステップ602では、電極及び隆起コネクタを有するプレ電極組立体を準備する。好ましくは、プレ電極組立体は、金属製の電極と金属製の電極を互いに結合する金属製のコネクタとを有する金属製の組立体である。好ましくは、電極及びコネクタは、単一の金属シートから形成される。
【0043】
図7A及び
図7Bは、電極702及び隆起コネクタ704を有するプレ電極組立体700の1つの実施形態を示す。各電極702は、隆起コネクタ704の少なくとも1つ、2つ、又は3つによって少なくとも1つの他の電極に直接結合される。少なくともいくつかの実施形態では、電極702は、横列の1つのセット、縦列の1つのセット、又は横列及び縦列の両方で構成される。所定の横列又は縦列をなす電極を、隣接する横列又は縦列の電極に対して整列させてもよいし、互い違いにしてもよい。典型的には、各横列又は各縦列状の電極は、少なくとも1つ、2つ、又は3つのコネクタを使用して、隣接した横列又は縦列の電極に直接結合される。いくつかの実施形態では、横列又は縦列の各電極は、隣接した横列又は縦列の電極にコネクタによって直接結合される。少なくともいくつかの実施形態では、例えば
図7Aに示すように、電極は、横列及び縦列をなして配列され、各電極は、隣接した縦列の電極にコネクタによって直接結合され、且つ、隣接した横列の電極にコネクタによって直接結合される。少なくともいくつかの実施形態では、例えば
図7Aに示すように、電極は、横列及び縦列をなして配列され、各電極は、隣接した各縦列の電極に少なくとも1つのコネクタによって直接結合され、隣接した各横列の電極に少なくとも1つのコネクタによって直接結合される。
図7A及び
図7Bは、単一のコネクタを使用して互いに結合された2つの電極を図示しているけれども、多数のコネクタを2つの電極間で用いてもよいことを理解すべきである。
【0044】
隆起コネクタ704は、後で説明するように、リード製造中の電極702を整列した状態に保持するように設けられ、リード製造中に除去される。好ましくは、電極702及び隆起コネクタ704は、同じ材料で作られる。少なくともいくつかの実施形態では、電極702及び隆起コネクタ704は、単一の金属シートから形成される。好ましくは、プレ電極組立体は、電極702と隆起コネクタ704との間の隙間706を含む。好ましくは、隆起コネクタ704は、隆起コネクタ704の厚さよりも大きい量だけ、電極702よりも上に隆起し、隆起コネクタ704の厚さの少なくとも2倍、3倍、4倍、又は10倍隆起するのがよい。このことは、製造プロセスの際、隆起コネクタ704の除去を容易にする。
【0045】
隆起コネクタ704は、任意適当なサイズ、幅、長さ、及び厚さを有する。隆起コネクタ704の長さは、隆起コネクタ74によって結合される2つの電極間の分離距離である。幅及び厚さは、電極を所望の配列に維持する際の所望量の安定性を得るように選択される。この要因は、より幅広の又はより厚いコネクタを有するプレ電極組立体を備えたチューブ(以下を参照)を形成する際の追加の取組みによって、並びに、隆起コネクタの除去によって除去される材料の追加の量によって相殺されることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、隆起コネクタの幅は、その長さの2分の1、3分の1、又は4分の1よりも大きくない。隆起コネクタの各々の幅及び厚さは、一様であってもよいし、隆起コネクタの長さ方向に沿って変化してもよいことを認識すべきである。隆起コネクタはまた、同じ長さ、幅、及び厚さを有していてもよいし、隆起コネクタ間でこれらのパラメータのばらつきがあってもよいことを認識すべきである。
【0046】
電極702及び隆起コネクタ704を有するプレ電極組立体700は、任意適当な方法によって形成される。例えば、プレ電極組立体700は、金属又はその他の導電性材料のシートを打抜くことによって、又は、金属又はその他の導電性材料を所望の形状に機械加工又は成形することによって形成される。好ましくは、プレ電極組立体700の打抜き又は成形により、
図7A及び
図7Bに示すように、電極に対して隆起した隆起コネクタ704を得る。そうでなければ、隆起コネクタ704を、別のステップで隆起させてもよく、かかるステップでは、例えば、プレ電極組立体の打抜き(例えば、第2の打抜きステップ)又はその他の曲げによって、隆起コネクタを形成する。プレ電極組立体を打抜き又は成形によって形成する際、電極間及びコネクタ間の隙間706を形成するのがよい。変形例として又はそれに加えて、隙間の一部又は全てを、打抜き前に形成してもよいし、打抜き後又は成形後に形成してもよく、隙間は、例えば、打抜き、切断等の方法によって形成される。
【0047】
選択的には、電極702は、タブ710を含む。タブ710は、製造中に折曲げられ、後で説明するリード本体の材料と電極を相互連結させる。タブ710は、リード本体の中に突出して、個々の電極セグメントの脱落を阻止する固定機構を提供する。
【0048】
図6に戻ると、ステップ604において、例えば
図8に示すように、プレ電極組立体をチューブ形態に形成する。少なくともいくつかの実施形態では、チューブの形成を容易にするために、プレ電極組立体700をマンドレル又はその他の円筒形要素の周りに巻く。1つの実施形態では、例えば
図9に示すように、プレ電極組立体700をリードチューブ712の周りに巻き、リードチューブ712は、中心内腔714と、選択的な1つ又は2つ以上の導体内腔716を含む。
図8及び
図9に示す実施形態は、円形断面を有するチューブを示しているが、他のタイプのチューブを形成してもよいことを理解すべきであり、かかる他のタイプのチューブは、限定するわけではないが、正方形、矩形、長円形、三角形、六角形、又は八角形の断面を有するチューブを含む。別の実施形態では、プレ電極組立体は、円筒形に形成され又は丸められる。
【0049】
プレ電極組立体によって形成されたチューブは、チューブに沿う長手方向軸線を有する。好ましくは、隆起コネクタの各々は、長手方向軸線に対する任意の電極の半径よりも大きい半径のところに配置される。
【0050】
プレ電極組立体は、任意適当な方法によって円筒形に保持される。例えば、ストラップ又はファスナをプレ電極組立体に取付け、プレ電極組立体の周りに巻き、プレ電極組立体を円筒形に保持する。その代わりに又はそれに加えて、プレ電極組立体の2つ又は3つ以上の部分は重なり、キャリアの重なり領域は、溶接、半田付け、接着剤の塗布等によって互いに取付けられる。他の実施形態では、形成プロセスにより金属が降伏し、従って、例えば材料の変形によって、材料の形状が恒久的に変化する。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態では、プレ電極組立体をチューブの形態に形成する前又はその後、導線(図示せず)を個々の電極402に取付ける。導線は、例えば、電極702と接触するように一部分を除去した絶縁ワイヤである。異なる導線を各電極702に取付けるのがよい。他の実施形態では、同じ導線を2つ又は3つ以上の電極に取付けてもよい。
【0052】
導線は、任意適当な方法によって取付けられ、かかる方法は、限定するわけではないが、溶接、半田付け、圧接、ステーキング(かしめ)、導電性接着剤の使用等を含む。導線は、電極702の任意適当な部分に取付けられる。いくつかの実施形態では、導線は、導体内腔716(例えば、
図9参照)内に配置される。1つ又は2つ以上の導線が、各導体内腔716内に配置されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、単一の導線が各導体内腔716内に配置される。例えば、リードチューブの一部分を切除又は除去することによって、導体内腔の一部を露出させ、電極への導線の取付けのための出入口を設けてもよい。
【0053】
図6に戻ると、ステップ606において、リード本体の少なくとも一部分をプレ電極組立体の周りに形成する。
図10は、プレ電極組立体700の1つの実施形態を示し、リード本体720の一部分が、プレ電極組立体の電極702及び隆起コネクタ704の周りに形成されている。
図11は、リード本体720の一部分、電極702及び隆起コネクタ704の断面図である。
図11に示すように、好ましくは、リード本体720の一部分は、隆起コネクタ704の下に形成される。好ましくは、形成されたリード本体の一部分は、後で説明するように、隆起コネクタの除去後、電極702をリード内に所望の配向及び形態で保持することが可能である。選択的には、リード本体の形成により、リング電極722等の他の電極をリードの構造に組入れてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、
図11に示すように、リード本体の一部分は、その形成中、
図9のリードチューブ712等のプレ構造をリード本体に組入れてもよい。
【0054】
リード本体の一部分は、任意適当な方法によって形成され、かかる方法は、限定するわけではないが、リード本体の一部分をプレ電極組立体の周りに成形するステップを含む。別の実施例として、ポリマーチューブ材(例えば、ポリウレタン又はシリコーンチューブ材)等のポリマー材料をプレ電極組立体の上に載置し、それを加熱して、ポリマーチューブ材をリフロー(溶融して再固化)し、リード本体の一部分を形成してもよい。いくつかの実施形態では、リフロー前、熱収縮管をポリマーチューブ材の上に一時的に載置し、リフロー中、ポリマーチューブ材を保持してもよい。次いで、ポリマーチューブ材のリフロー後、熱収縮チューブを除去する(例えば、切離す)。
【0055】
図6に戻ると、ステップ608において、隆起コネクタを研削によって除去する。
図2及び
図12は、隆起コネクタを除去した後のリードの実施形態を示す。いくつかの実施形態では、隆起コネクタは、センタレス研磨によって除去される。選択的には、研削はまた、リード本体の一部分、電極、又はその両方を除去してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、研削により、遠位端のところで又はリード全体に沿って等直径のリードを形成する。
【0056】
上記明細書、実施例、及びデータは、本発明の構成物の製造及び使用の説明を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができるので、本発明はまた、以下に添付された特許請求の範囲に属するものである。