(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889966
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】プリントヘッドモジュール
(51)【国際特許分類】
B29C 67/00 20060101AFI20160308BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20160308BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20160308BHJP
【FI】
B29C67/00
B41J2/01 307
B33Y30/00
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-137320(P2014-137320)
(22)【出願日】2014年7月3日
(65)【公開番号】特開2015-128892(P2015-128892A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2014年7月3日
(31)【優先権主張番号】103100420
(32)【優先日】2014年1月6日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514008930
【氏名又は名称】三緯國際立體列印科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYZprinting, Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】511067204
【氏名又は名称】金▲宝▼電子工業股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】511067167
【氏名又は名称】泰金▲宝▼電通股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 洋得
(72)【発明者】
【氏名】陳 建志
(72)【発明者】
【氏名】湯 益欽
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲英▼棋
【審査官】
鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/088253(WO,A1)
【文献】
特表2011−511719(JP,A)
【文献】
特表2000−500709(JP,A)
【文献】
特表2004−504177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 67/00−67/08
B29C 31/00−31/10
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モデル材料を用いてベースの搬送面に3D物体を層毎に形成するよう構成されたプリントヘッドモジュールであって、
収容溝および支持体を含むブラケットと、
前記ブラケットの上に配置され、前記支持体に固定された押圧部材、前記押圧部材に枢接されたロック部材、および前記押圧部材と前記ロック部材の間にもたれかかる弾性部材を含み、前記ロック部材が、少なくとも1つの第1位置決め部および第1材料入口を有し、前記押圧部材が、前記第1材料入口に対応し、前記モデル材料を供給する第2材料入口を有するロック機構と、
前記収容溝内に取り外し可能に配置され、前記第1位置決め部と係合するよう構成された少なくとも1つの第2位置決め部を含み、前記弾性部材が押圧されると、前記押圧部材から離れようとする復元力が前記ロック部材に提供されて、前記ロック部材と前記ブラケットの間に制限されるプリントヘッドと
を含むプリントヘッドモジュール。
【請求項2】
前記第1位置決め部が、前記収容溝に面した凸部を含み、前記第2位置決め部が、前記プリントヘッドの上面に対応して配置された凹部を含む請求項1に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項3】
前記押圧部材が、さらに、少なくとも1つの開口を含み、前記ロック部材が、さらに、少なくとも1つのフックを含み、前記フックが、前記押圧部材と前記ロック部材が互いに接続されるよう、前記開口を通過し、且つ前記開口と係合する請求項1に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項4】
前記プリントヘッドが、さらに、ノズルを含み、前記ブラケットが、さらに、前記ノズルに対応する材料供給管を含み、前記材料供給管を介して前記モデル材料を前記ノズルに伝送する請求項1に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項5】
前記モデル材料が、熱溶融材料であり、前記プリントヘッドモジュールが、さらに、
前記プリントヘッドに結合されるとともに、前記ノズル内の前記モデル材料を加熱するよう構成され、前記モデル材料を溶かして溶融モデル材料にし、前記溶融モデル材料を前記ノズルから押し出す加熱ユニットを含む請求項4に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項6】
前記プリントヘッドに配置されたファンをさらに含み、前記ファンの空気出口面が、前記材料供給管に面した請求項5に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項7】
前記空気出口面と前記材料供給管の縦方向が鋭角となるよう、前記ファンと前記プリントヘッドの間に配置された傾斜部材をさらに含む請求項6に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項8】
前記ファンに接続された放熱ブロックをさらに含む請求項6に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項9】
前記ブラケットが、さらに、複数のスルーホールを含み、前記ブラケットがスライドレールに沿ってスライドできるよう、前記スライドレールが前記スルーホールを通過する請求項1に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項10】
前記ブラケットに結合され、前記スライドレールに沿ってスライドするよう前記ブラケットを駆動するモータをさらに含む請求項9に記載のプリントヘッドモジュール。
【請求項11】
前記プリントヘッドが、さらに、前記プリントヘッドの上面に設置された第3材料入口を含み、前記第3材料入口が、前記第1材料入口および前記第2材料入口に対応する請求項1に記載のプリントヘッドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントヘッドモジュールに関するものであり、特に、取り外し可能なプリントヘッドモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援製造(computer-aided manufacturing, CAM)の進歩に伴い、製造業において3D印刷の技術が発展し、設計のオリジナル概念から製品を迅速に製造できるようになった。3D印刷技術は、事実上、一連のラピッドプロトタイピング(rapid prototyping, RP)技術の総称であり、基本原理は、ラピッドプロトタイピング機械を使用し、X‐Y平面上にスキャンした加工物の断面形状を形成して、Z座標で層厚を断続的に移動させ、最終的に3D物体を形成する積層製造である。3D印刷技術は、どの幾何形状にも応用可能であり、RP技術は、特に複雑な部品に対して優れた作品を生み出すため、労力と加工時間を大幅に節約することができる。3D印刷技術は、CAD(computer-aided design)ソフトウェアによって設計されたデジタル3Dモデルの物体を短時間でユーザーに提供し、モデルの幾何曲線を触ったり、実際に感じたりできるだけでなく、部品の組み立て可能性や可能な機能の試験を行うこともできる。
【0003】
しかしながら、上述したRP技術を利用する現在の3Dプリンタは、通常、スライドレールに沿ってスライドするよう適合されたブラケットにプリントヘッドが直接固定配設されるため、プリントヘッドがスライドレールに沿って前後にスライドして、3Dプリンタのベースに熱溶融材料を噴射することができる。このような配置により、プリントヘッドは、スライド可能なブラケットに固定配設されることから、プリントヘッドを単独で取り外すことは非常に困難であり、不可能でもある。したがって、プリントヘッドのクリーニング、交換またはメンテナンスが難しいため、現在の3Dプリンタは、メンテナンスの面で非常に不便であり、たくさんの労力もかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ブラケットから容易に取り外し、組み立てることができるプリントヘッドモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態において、モデル材料を用いてベースの搬送面に3D物体を層毎に形成するよう構成されたプリントヘッドモジュールを提供する。プリントヘッドモジュールは、ブラケットと、ロック機構と、プリントヘッドとを含む。ブラケットは、収容溝と、支持体とを含む。ロック機構は、ブラケットの上に配置され、押圧部材と、ロック部材と、弾性部材とを含む。押圧部材は、収容溝の上に固定される。ロック部材は、弾性部材が押圧部材とロック部材の間にもたれかかるよう、押圧部材に枢接される(pivotally connected)。ロック部材は、少なくとも1つの第1位置決め部および第1材料入口を有し、押圧部材は、第1材料入口に対応し、モデル材料を供給する第2材料入口を有する。プリントヘッドは、収容溝内に取り外し可能に配置され、第1位置決め部と係合するよう構成された少なくとも1つの第2位置決め部を含む。弾性部材は、押圧されると押圧部材から離れようとする復元力をロック部材に提供して、プリントヘッドをロック部材とブラケットの間に制限する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のプリントヘッドモジュールは、ブラケット上に配置されたロック機構とプリントヘッドの位置決め部の間の構造的係合を利用するため、プリントヘッドがブラケットの収容溝内に配置された時に、ロック機構がプリントヘッドの位置決め部と係合され、プリントヘッドをブラケットに固定し、且つそこから容易に取り外すことができる。これにより、本発明のプリントヘッドモジュールは、クリーニング、交換およびメンテナンス中に、ブラケットから容易に取り外したり、組み立てたりすることができるため、使用およびメンテナンス上のプリントヘッドモジュールの便利性を向上させる。
【0007】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る3Dプリンタに適用するプリントヘッドモジュールの概略図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの側面図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの拡大図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分的拡大図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分的拡大図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールのファンおよび放熱ブロックの概略図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールのプリントヘッドおよび放熱ブロックの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解すべきこととして、前記および他の詳細な説明、特徴および効果は、以下の図面と併せた実施形態を提供することによって、より包括的に説明することを意図する。以下の実施形態において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、単に添付の図面における方向を指すものである。そのため、方向性の用語は、説明のために用いるものであって、本発明を限定するものではない。また、以下の実施形態において、同一の、または類似する参照番号は、同一の、または類似する構成要素を示す。
【0010】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る3Dプリンタに適用するプリントヘッドモジュールの概略図である。
図1を参照すると、本実施形態のプリントヘッドモジュール100は、3Dプリンタ10に適用することができる。3Dプリンタ10は、例えば、デジタル3Dモデルに基づいて3D物体20を印刷するよう構成される。3Dプリンタ10は、本実施形態のプリントヘッドモジュール100と、ベース200と、スライドレール300とを含む。プリントヘッドモジュール100は、モデル材料を用いてベース200上に3D物体20を層毎に形成するよう構成される。
図1に示したベース200は、搬送面210を有し、プリントヘッドモジュール100によって提供されたモデル材料を搬送する。モデル材料は、例えば、
図1に示すように、熱溶融材料で構成された固体フィラメント400であってもよく、ノズル139に伝送される。スライドレール300は、ベース200の上方に配置される。本実施形態において、スライドレール300の延伸方向は、搬送面210に平行である。プリントヘッドモジュール100は、スライドレール300に沿って前後にスライドするよう構成され、ベース200は、例えば、プリントヘッドモジュール100に平行に、且つ相対して移動することができる。
【0011】
詳しく説明すると、3Dプリンタ10は、さらに、プリントヘッドモジュール100に結合され、デジタル3Dモデルを処理するよう構成された制御ユニットを含む。デジタル3Dモデルは、CAD(computer-aided design)、アニメーションモデリングソフトウェア等を用いてコンピュータホストで作成したデジタル3D画像ファイルであってもよい。制御ユニットは、デジタル3Dモデルに基づいて、スライドレール300に沿って移動するようプリントヘッドモジュール100を制御し、プリントヘッドモジュール100は、移動しながらモデル材料を搬送面210に層毎に分配して、3D物体20を形成する。
【0012】
図2は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの側面図である。
図3は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの拡大図である。
図2および
図3を参照すると、本実施形態において、プリントヘッドモジュール100は、ブラケット110と、ロック機構120と、プリントヘッド130とを含む。ブラケット110は、収容溝112と、支持体111とを含み、ブラケット110は、
図1に示すように、スライドレール300の上にスライド可能に配置される。本実施形態において、ブラケット110の底部は、スライドレール300を通すための複数のスルーホール114を含む。つまり、スライドレール300は、スルーホール114を通過するため、ブラケット110は、スライドレール300に沿って前後にスライドすることができる。本実施形態において、プリントヘッドモジュール100は、さらに、ブラケット110に結合されたモータ140を含み、スライドレール300に沿ってスライドするようブラケット110を駆動する。本実施形態において、3Dプリンタ10の制御ユニットは、デジタル3Dモデルに基づいてモータ140を制御し、スライドレール300に沿ってスライドするようブラケット110を駆動することにより、プリントヘッドモジュール100の全体の動きを制御する。
【0013】
また、プリントヘッド130は、ロック機構120を介して収容溝112内に取り外し可能に配置される。ロック機構120は、ブラケット110の上に配置され、押圧部材122と、ロック部材124と、弾性部材126とを含む。押圧部材122は、支持体111に固定され、収容溝112の上方に設置される。本実施形態において、支持体111は、ロック孔111aと、固定部111bとを含む。押圧部材122は、押圧部材122が支持体111に固定されるよう、ロック孔111aを通過して、それと係合する第2フック122cを含む。ロック部材124は、押圧部材122に枢接され、回転方向R1に沿って押圧部材122に相対して回転する。詳しく説明すると、ロック部材124は、
図3に示すように、ロック部材124が回転方向R1に沿って押圧部材122に相対して回転できるよう、さらに、押圧部材122の回転軸にスリーブ接続(sleeved on)された旋回素子124cを含む。弾性部材126は、押圧部材122とロック部材124の間にもたれかかる。プリントヘッド130は、収容溝112内に取り外し可能に配置される。
【0014】
図4は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分的拡大図である。
図3および
図4を参照しながら、詳細に説明すると、ロック部材124は、少なくとも1つの第1位置決め部124aと、第1材料入口
124dとを有する。押圧部材122は、モデル材料が第1材料入口
124dおよび第2材料入口
122bを通過してプリントヘッド130に供給されるよう、第1材料入口
124dに対応し、且つ連結した第2材料入口
122bを有する。プリントヘッド130は、第1位置決め部124aに対応する少なくとも1つの第2位置決め部132と、プリントヘッド130の上面に設置された第3材料入口131とを含む。第3材料入口131は、モデル材料が材料入口122b、124dおよび131を順番に通過してプリントヘッド130にスムーズに供給されるよう、第1材料入口
124dおよび第2材料入口
122bに対応する。プリントヘッド130を収容溝122内に配置する時は、使用者がロック部材124を持ち上げることにより、ロック部材124を押圧部材122に向かって回転させることができる。この時、押圧部材122とロック部材124の間に配置された弾性部材126が押圧され、押圧部材122から離れようとする復元力F1がロック部材124に提供される。プリントヘッド130を収容溝122内に配置した後、使用者は、ロック部材124を解放することができる。この時、ロック部材124は、弾性部材126によって提供された復元力F1を負っているため、元の位置に戻る。これにより、ロック部材124の第1位置決め部124aがプリントヘッド130の第2位置決め部132と係合されて、プリントヘッド130をロック部材124とブラケット110の間に制限する。
【0015】
同様に、プリントヘッド130をブラケット110から取り外す時は、使用者が再度ロック部材124を持ち上げることにより、ロック部材124を押圧部材122に向かって回転させることができるため、第1位置決め部124aが第2位置決め部132から外れて、プリントヘッド130とブラケット110の間の構造的干渉を解放することができる。これにより、使用者は、プリントヘッド130をブラケット110から容易に取り外すことができる。
【0016】
本実施形態において、第1位置決め部124aは、収容溝112に面する凸部であってもよい。第2位置決め部132は、プリントヘッド130の上面134に配置され、凸部と係合するのに適した凹部であってもよい。また、プリントヘッド130は、
図4に示すように、さらに、ケース138を含む。第2位置決め部132および第3材料入口131は、ケース138の上面134に配置される。詳しく説明すると、押圧部材122は、さらに、少なくとも1つの位置決め孔122aを含む。ロック部材124は、さらに、少なくとも1つの第1フック124bを含む。第1フック124bは、押圧部材122とロック部材124が互いに接続されるよう、位置決め孔122aを通過し、且つ位置決め孔122aと構造的に干渉する。
【0017】
上述した配置により、プリントヘッド130が収容溝122内に配置された時、ロック部材124の第1位置決め部124aがプリントヘッド130の第2位置決め部132と係合され、プリントヘッド130がブラケット110に固定される。プリントヘッド130をブラケット110から取り外す時は、使用者が押圧部材122に向かってロック部材124を持ち上げるだけで、第1位置決め部124aが第2位置決め部132から分離して、プリントヘッド130とブラケット110の間の構造的干渉が解放され、使用者は、プリントヘッド130をブラケット110から取り外すことができる。
【0018】
図5は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分的拡大図である。
図6は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールの部分図である。
図5および
図6を参照すると、本実施形態において、プリントヘッド130は、さらに、ノズル139を含む。ブラケット110は、さらに、材料供給管116と、材料供給モジュール118とを含む。材料供給モジュール118は、材料供給管116とノズル139の間に設置され、モデル材料をノズル139に伝送する。材料供給管116は、支持体111の固定部111bに配置され、材料入口122b、124d、131およびノズル139に対応する。プリントヘッド130が収容溝112内に配置された時、ノズル139の位置が材料供給管116の位置と対応するため、モデル材料は、材料供給モジュール118により材料供給管116を通ってノズルに伝送される。また、プリントヘッドモジュール100は、さらに、加熱ユニット150を含んでもよい。モデル材料は、
図6に示すように、固体フィラメント400の形状をした熱溶融材料であってもよい。モデル材料は、
図3に示すように、材料供給管116を通ってノズル139に伝送される。加熱ユニット150は、ノズル139に伝送されたモデル材料を加熱するよう構成され、それにより、モデル材料を溶融状態の溶融モデル材料に変えて、プリントヘッド130から搬送面122に層毎に押し出し、
図1に示すように、互いに積み重ねられた複数のモデル材料層で構成された3D物体20を形成する。本実施形態において、モデル材料は、例えば、ポリ乳酸(polylactic acid, PLA)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene)またはその他の熱溶融ポリマーであってもよい。
【0019】
本実施形態において、プリントヘッドモジュール100は、
図3に示すように、さらに、プリントヘッド130の上に配置されたファン160を含む。ファン160の空気出口面は、材料供給管116に面し、空気出口面は、例えば、材料供給管116の縦方向に平行であってもよい。また、別の実施形態において、
図2および
図5に示すように、ファン160の空気出口面162と材料供給管116の縦方向A1の間が鋭角となるよう、プリントヘッドモジュール100は、
図5に示すように、さらに、ファン160とプリントヘッド130の間にもたれかかる傾斜部材180を含む。これにより、ファン160によって提供された冷却空気がノズル139に向かって伝送され、ノズル139の温度が高くなりすぎてモデル材料が急に柔らかくなったり、溶けたりしないようにする。
【0020】
また、プリントヘッド130は、さらに、ノズル139に結合された温度検知ユニット136を含み、ノズル139の温度を検知する。本実施形態において、3Dプリンタ10の制御ユニットは、温度検知ユニット136を介してノズル139の温度を取得し、それに基づいてノズル139の温度を特定範囲内に制御する。言及すべきこととして、ノズル139の温度は、モデル材料の融点よりも実質的に高くなるよう制御されるため、モデル材料は、溶けて溶融モデル材料になることができる。
【0021】
図7は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールのファンおよび放熱ブロックの概略図である。
図8は、本発明の1つの実施形態に係るプリントヘッドモジュールのプリントヘッドおよび放熱ブロックの概略図である。
図7および
図8を参照すると、本実施形態において、上述した配置の他に、プリントヘッドモジュール100は、さらに、放熱ブロック170を含み、材料供給管138の放熱をさらに行ってもよい。放熱ブロック170は、ファン160に接続されるため、ファン160によって提供された冷却空気が放熱ブロック170に伝送され、放熱ブロックの放熱を補助する。本実施形態において、ファン160は、
図7に示すように、プリントヘッド130のケース138および放熱ブロック170と係合した複数のリベット(rivet)を有するため、プリントヘッド130、放熱ブロック170およびファン160の間の接続関係が固定される。
【0022】
以上のように、本発明のプリントヘッドモジュールは、ブラケット上のロック機構とプリントヘッドの位置決め部の間の構造的係合を利用するため、プリントヘッドがブラケットの収容溝内に配置された時に、ロック機構がプリントヘッドの位置決め部と係合され、プリントヘッドをブラケットに固定し、且つそこから容易に取り外すことができる。それにより、本発明のプリントヘッドモジュールは、クリーニング、交換およびメンテナンス時に、プリントヘッドを取り外したり、組み立てたりすることができるため、プリントヘッドモジュールの使用およびメンテナンス上の便利性をさらに向上させることができる。
【0023】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のプリントヘッドモジュールは、クリーニング、交換およびメンテナンス時に、プリントヘッドを取り外したり、組み立てたりすることができるため、プリントヘッドモジュールの使用およびメンテナンス上の便利性をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0025】
10 3Dプリンタ
20 3D物体
100 プリントヘッドモジュール
110 ブラケット
111 支持体
111a ロック孔
111b 固定部
112 収容溝
114 スルーホール
116 材料供給管
118 材料供給モジュール
120 ロック機構
122 押圧部材
122a 位置決め孔
124d 第1材料入口
122c 第2フック
124 ロック部材
124a 第1位置決め部
124b 第1フック
124c 旋回素子
122b 第2材料入口
126 弾性部材
130 プリントヘッド
131 第3材料入口
132 第2位置決め部
134 上面
136 温度検知ユニット
138 材料供給管
139 ノズル
140 モータ
150 加熱ユニット
160 ファン
162 空気出口面
170 放熱ブロック
200 ベース
210 搬送面
300 スライドレール
A1 縦方向
F1 復元力
R1 回転方向