【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る半導体集積回路は、通信装置と他の通信装置とが複数の通信路を介して通信する通信システムにおいて、前記通信装置に実装される半導体集積回路であって、第1の通信路を介して前記他の通信装置と通信する第1の通信部と、第2の通信路を介して前記他の通信装置と通信する第2の通信部と、前記通信装置から前記他の通信装置に送信すべき送信データを制御するデータ制御部と、を備え、前記データ制御部は、前記送信データを処理することにより、第1のデータと、当該第1のデータに関連する第2のデータとを生成するデータ処理部と、前記第1のデータが前記第1の通信部から前記他の通信装置に送信され、前記第2のデータが前記第2の通信部から前記他の通信装置に送信されるよう、データを振り分けるデータ振分部と、を有し、前記送信データは、前記第1の通信路及び前記第2の通信路の
実効通信量に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとに振り分けられ、前記第1の通信路及び前記第2の通信路のうち
実効通信量が低い側の通信路を介した通信においては、
実効通信量の差に応じて同一のデータが重複して送信されることを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係る半導体集積回路によれば、データ処理部は、送信データを処理することにより、第1のデータと、当該第1のデータに関連する第2のデータとを生成する。また、データ振分部は、第1のデータが第1の通信部から第1の通信路を介して他の通信装置に送信され、第2のデータが第2の通信部から第2の通信路を介して他の通信装置に送信されるよう、データを振り分ける。このように、第1の通信路及び第2の通信路の一方又は双方に完全な送信データを送信するのではなく、送信データを第1のデータと第2のデータとに振り分けて、第1の通信路を介して第1のデータを送信し、第2の通信路を介して第2のデータを送信する。その結果、第1のデータ及び第2のデータの一方のみを取得しても完全な送信データを復元できないため、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
また、第1の態様に係る半導体集積回路によれば、送信データは、第1の通信路及び第2の通信路の
実効通信量に基づいて、第1のデータと第2のデータとに振り分けられる。その結果、
実効通信量の高い通信路に多くのデータを振り分けることにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る半導体集積回路は、通信装置と他の通信装置とが複数の通信路を介して通信する通信システムにおいて、前記他の通信装置に実装される半導体集積回路であって、第1の通信路を介して前記通信装置と通信する第1の通信部と、第2の通信路を介して前記通信装置と通信する第2の通信部と、前記通信装置から受信した受信データを制御するデータ制御部と、を備え、前記第1の通信部は、第1のデータを前記通信装置から受信し、前記第2の通信部は、第2のデータを前記通信装置から受信し、前記データ制御部は、互いに関連する前記第1のデータと前記第2のデータとを対応付けるデータ対応付け部と、前記データ対応付け部によって対応付けられた前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて、前記通信装置から前記他の通信装置に送信された送信データを復元するデータ処理部と、を有し、前記送信データは、前記第1の通信路及び前記第2の通信路の
実効通信量に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとに振り分けられ、前記第1の通信路及び前記第2の通信路のうち
実効通信量が低い側の通信路を介した通信においては、
実効通信量の差に応じて同一のデータが重複して送信されることを特徴とするものである。
【0009】
第2の態様に係る半導体集積回路によれば、第1の通信部は第1のデータを通信装置から受信し、第2の通信部は第2のデータを通信装置から受信する。また、データ対応付け部は、互いに関連する第1のデータと第2のデータとを対応付ける。そして、データ処理部は、データ対応付け部によって対応付けられた第1のデータと第2のデータとに基づいて、通信装置から他の通信装置に送信された送信データを復元する。このように、第1の通信路及び第2の通信路の一方又は双方に完全な送信データを送信するのではなく、送信データを第1のデータと第2のデータとに振り分けて、第1の通信路を介して第1のデータを送信し、第2の通信路を介して第2のデータを送信する。その結果、第1のデータ及び第2のデータの一方のみを取得しても完全な送信データを復元できないため、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
また、第2の態様に係る半導体集積回路によれば、送信データは、第1の通信路及び第2の通信路の
実効通信量に基づいて、第1のデータと第2のデータとに振り分けられる。その結果、
実効通信量の高い通信路に多くのデータを振り分けることにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データを暗号化することによって生成された暗号化データを含み、前記第2のデータは、前記暗号化データの復号に用いる暗号鍵を含むことを特徴とするものである。
【0011】
第3の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データを暗号化することによって生成された暗号化データを含み、第2のデータは、暗号化データの復号に用いる暗号鍵を含む。このように、暗号化データと暗号鍵とを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データを含み、前記第2のデータは、前記分割処理及び前記並び替え処理の手順に関する情報を含むことを特徴とするものである。
【0013】
第4の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データを含み、第2のデータは、分割処理及び並び替え処理の手順に関する情報を含む。このように、複数の分割データと、分割処理及び並び替え処理の手順に関する情報とを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0014】
本発明の第5の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データのうちの第1群の分割データを含み、前記第2のデータは、前記複数の分割データのうちの第2群の分割データを含むことを特徴とするものである。
【0015】
第5の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データのうちの第1群の分割データを含み、第2のデータは、複数の分割データのうちの第2群の分割データを含む。このように、第1群の分割データと第2群の分割データとを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データのうちの第1群の分割データと、前記分割処理及び前記並び替え処理の手順に関する情報とを含み、前記第2のデータは、前記複数の分割データのうちの第2群の分割データを含むことを特徴とするものである。
【0017】
第6の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データに対して所定の分割処理及び並び替え処理が行われた複数の分割データのうちの第1群の分割データと、分割処理及び並び替え処理の手順に関する情報とを含み、第2のデータは、複数の分割データのうちの第2群の分割データを含む。このように、第1群の分割データ並びに分割処理及び並び替え処理の手順に関する情報と、第2群の分割データとを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0018】
本発明の第7の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データのうちの特定のビットのデータを抽出した第1群のビットデータを含み、前記第2のデータは、前記送信データのうちの他の特定のビットのデータを抽出した第2群のビットデータを含むことを特徴とするものである。
【0019】
第7の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データのうちの特定のビットのデータを抽出した第1群のビットデータを含み、第2のデータは、送信データのうちの他の特定のビットのデータを抽出した第2群のビットデータを含む。このように、第1群のビットデータと第2群のビットデータとを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0020】
本発明の第8の態様に係る半導体集積回路は、第1又は第2の態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データのうちの特定のビットのデータを抽出した第1群のビットデータと、ビット抽出の手順に関する情報とを含み、前記第2のデータは、前記送信データのうちの他の特定のビットのデータを抽出した第2群のビットデータを含むことを特徴とするものである。
【0021】
第8の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは、送信データのうちの特定のビットのデータを抽出した第1群のビットデータと、ビット抽出の手順に関する情報とを含み、第2のデータは、送信データのうちの他の特定のビットのデータを抽出した第2群のビットデータを含む。このように、第1群のビットデータ及びビット抽出の手順に関する情報と、第2群のビットデータとを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0024】
本発明の第
9の態様に係る半導体集積回路は、第1〜第8のいずれか一つの態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記第2のデータのエラー訂正コードを含み、前記第2のデータは、前記第1のデータのエラー訂正コードを含むことを特徴とするものである。
【0025】
第
9の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは第2のデータのエラー訂正コードを含み、第2のデータは第1のデータのエラー訂正コードを含む。このように、エラー訂正コードを送信することにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。また、第1のデータのエラー訂正コードを第2のデータに含め、第2のデータのエラー訂正コードを第1のデータに含めることにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0026】
本発明の第
10の態様に係る半導体集積回路は、第1〜第8のいずれか一つの態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1の通信路の通信成功率が前記第2の通信路の通信成功率より高い場合、前記第2のデータには、前記第1のデータに付加されるエラー訂正コードよりもエラー訂正能力の高いエラー訂正コードが付加されることを特徴とするものである。
【0027】
第
10の態様に係る半導体集積回路によれば、第1の通信路の通信成功率が第2の通信路の通信成功率より高い場合、第2のデータには、第1のデータに付加されるエラー訂正コードよりもエラー訂正能力の高いエラー訂正コードが付加される。このように、通信成功率の低い第2の通信路を介して送信される第2のデータには、エラー訂正能力の高い訂正コードを付加することにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。
【0028】
本発明の第
11の態様に係る半導体集積回路は、第1〜第8のいずれか一つの態様に係る半導体集積回路において特に、前記第1のデータは、前記送信データを含み、前記第2のデータは、前記送信データのエラー訂正コードを含むことを特徴とするものである。
【0029】
第
11の態様に係る半導体集積回路によれば、第1のデータは送信データを含み、第2のデータは送信データのエラー訂正コードを含む。このように、エラー訂正コードを送信することにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。また、送信データとエラー訂正コードとを異なる通信路を介して送信することにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0030】
本発明の第
12の態様に係る通信装置は、第1の態様に係る半導体集積回路を備えることを特徴とするものである。
【0031】
第
12の態様に係る通信装置によれば、第1の態様に係る半導体集積回路を備えることにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0032】
本発明の第
13の態様に係る通信装置は、第2の態様に係る半導体集積回路を備えることを特徴とするものである。
【0033】
第
13の態様に係る通信装置によれば、第2の態様に係る半導体集積回路を備えることにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0034】
本発明の第
14の態様に係る通信システムは、第
12の態様に係る通信装置と、第
13の態様に係る通信装置とを備えることを特徴とするものである。
【0035】
第
14の態様に係る通信システムによれば、第
12の態様に係る通信装置と、第
13の態様に係る通信装置とを備えることにより、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
【0036】
本発明の第15の態様に係る通信方法は、第1の通信装置と第2の通信装置とが複数の通信路を介して通信する通信システムにおける通信方法であって、(A)前記第1の通信装置において、前記第1の通信装置から前記第2の通信装置に送信すべき送信データを処理することにより、第1のデータと、当該第1のデータに関連する第2のデータとを生成するステップと、(B)前記第1の通信装置において、前記第1のデータが第1の通信路を介して前記
第2の通信装置に送信され、前記第2のデータが第2の通信路を介して前記第2の通信装置に送信されるよう、データを振り分けるステップと、(C)前記第2の通信装置において、前記第1の通信路を介して前記第1のデータを受信し、前記第2の通信路を介して前記第2のデータを受信するステップと、(D)前記第2の通信装置において、互いに関連する前記第1のデータと前記第2のデータとを対応付けるステップと、(E)前記ステップ(D)によって対応付けられた前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて、前記送信データを復元するステップと、を備え、前記送信データは、前記第1の通信路及び前記第2の通信路の
実効通信量に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとに振り分けられ、前記第1の通信路及び前記第2の通信路のうち
実効通信量が低い側の通信路を介した通信においては、
実効通信量の差に応じて同一のデータが重複して送信されることを特徴とするものである。
【0037】
第15の態様に係る通信方法によれば、第1の通信装置は、送信データを処理することにより、第1のデータと、当該第1のデータに関連する第2のデータとを生成する。また、第1の通信装置は、第1のデータが第1の通信路を介して第2の通信装置に送信され、第2のデータが第2の通信路を介して第2の通信装置に送信されるよう、データを振り分ける。第2の通信装置は、第1のデータを第1の通信路を介して受信し、第2のデータを第2の通信路を介して受信する。また、第2の通信装置は、互いに関連する第1のデータと第2のデータとを対応付け、対応付けられた第1のデータと第2のデータとに基づいて送信データを復元する。このように、第1の通信路及び第2の通信路の一方又は双方に完全な送信データを送信するのではなく、送信データを第1のデータと第2のデータとに振り分けて、第1の通信路を介して第1のデータを送信し、第2の通信路を介して第2のデータを送信する。その結果、第1のデータ及び第2のデータの一方のみを取得しても完全な送信データを復元できないため、通信の秘匿性を向上することが可能となる。
また、第15の態様に係る通信方法によれば、送信データは、第1の通信路及び第2の通信路の
実効通信量に基づいて、第1のデータと第2のデータとに振り分けられる。その結果、
実効通信量の高い通信路に多くのデータを振り分けることにより、通信の信頼性を向上することが可能となる。