特許第5890180号(P5890180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890180
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスの用量設定機構
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20160308BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   A61M5/24
   A61M5/31
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-546793(P2011-546793)
(86)(22)【出願日】2010年1月22日
(65)【公表番号】特表2012-515587(P2012-515587A)
(43)【公表日】2012年7月12日
(86)【国際出願番号】EP2010050709
(87)【国際公開番号】WO2010084164
(87)【国際公開日】20100729
【審査請求日】2013年1月11日
(31)【優先権主張番号】09000895.4
(32)【優先日】2009年1月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12/357,899
(32)【優先日】2009年1月22日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エドワード・ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・デッテ
(72)【発明者】
【氏名】クリスツィアン・ポーメレアオ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビージー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・パーキンス
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・プランプトリ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−519074(JP,A)
【文献】 米国特許第05376081(US,A)
【文献】 特表2005−532855(JP,A)
【文献】 米国特許第06936032(US,B1)
【文献】 特開平04−259470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、該薬物送達デバイスは:
針アセンブリを装着するための遠位端、及び用量ダイヤルグリップを含む近位端を有するハウジング(4);
ハウジング(4)内の用量設定機構:その機構は上記薬物送達デバイスに回転可能に装着され、そして操作上該用量ダイヤルグリップ(76、144)に連結された用量ダイヤルスリーブ(70)を含み;
窓44を備えているハウジング(4);それを通して、用量ダイヤルスリーブ(70)の外部表面(72)の一部が目視し得て;そして
用量ダイヤルスリーブ(70)の外部表面(72)上に提供されているダイヤルし得る用量の可視的な表示(152);
ハウジング(4)を、近位端が左を指し、遠位端が右を指すように保持するとき、可視的な表示(152)が非反転であり、そして、ハウジングを、遠位端が左を指し、近位端が右を指すように保持するとき、可視的な表示(152)が反転し、ここで
a)可視的な表示(152)が、数字付きのらせん状列を含むスケール配置を含み、そして
b)非反転数字が左から右へ進む数列で配置され、
ここで、可視的な表示が用量を設定するために備えられておりそして
ここで、該薬物送達デバイスは、
用量ダイヤルスリーブ(70)の外部表面(72)の周囲に提供されるらせん状ネジ溝(74);
用量ダイヤルスリーブ(70)の外部表面(72)上のらせん状ネジ溝(74)内に収まるよう適合されたらせん状リブ(46)が提供されるハウジング(4);
らせん状ネジ溝(24)を含むピストンロッド(20);
駆動スリーブ(30);
駆動スリーブ(30)の内部表面に沿って伸びるらせん状ネジ溝(38);
駆動スリーブ(30)のらせん状ネジ溝(38)内で働くように適合されているピストンロッド(20)のらせん状ネジ溝(24);並びに
用量ダイヤルスリーブ(70)及び駆動スリーブ(30)を同一速度でピストンロッド(20)に登っていくことを可能とする同一リードを有する用量ダイヤルスリーブ(70)上のらせん状ネジ溝(74)、及び駆動スリーブ(30)のらせん状ネジ溝(38);を更に含む、上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
用量ダイヤルスリーブ(70)がハウジング(4)に関してらせん状に移動する請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
スケール配置(152)が、最大スケール参照数字(154)及び最小スケール参照数字(156)を含み、最大スケール参照数字(154)は最大設定可能用量を提示し、そして最大及び最小参照数字(154、156)間で、他の用量が増分で示される請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
近位端で用量ダイヤルグリップ(76、144)を更に含み、用量ダイヤルグリップ(76、144)は、これら2部品間での相対的運動を阻止するため用量ダイヤルスリーブ(70)を固定している請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
薬物送達デバイスがペン型薬物送達デバイスである請求項1〜のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
薬物送達デバイスが使い捨て薬物送達デバイスである請求項1〜のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
薬物送達デバイスが再使用可能な薬物送達デバイスである請求項1〜のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
特許文献1は、薬物送達デバイスに対する用量設定機構を記載し、参照することにより全体を本明細書に組み入れられており、読者に更なる情報が提供される。
【0002】
本特許出願は、一般的に、薬物送達デバイスの用量設定機構に関する。より特別には、本特許出願は、一般的には、ペン型薬物送達デバイスなどの薬物送達デバイスに関する。そのようなデバイスは、多用量のカートリッジから医薬品の自己投与のために提供され、そして、使用者が送達用量を設定することを可能にする。本出願により、使い捨て及び再使用可能な両方の薬物送達デバイスにおける適用を見出すであろう。しかし、発明の態様は、その他のシナリオにも、等しく適用可能である。
【背景技術】
【0003】
ペン型薬物送達デバイスは、正式の医学的訓練を受けていない人々による規則的な注入が発生する適用分野を有する。患者に自己投与が疾病の効果的な処置を可能にするような糖尿病を患う患者間で、これが急速に一般的になりつつある。
【0004】
糖尿病はいくつかの問題を起こすことが示された。例えば、糖尿病を抱えている人々は、高血圧、腎臓病、神経損傷、心臓病、そして、ある環境下では、失明にすら罹り易い。これらの問題により引き起こされる損傷は、長年に亘って血糖が調節出来なかった患者において、発生し得る。血糖を効果的なインスリン投与法により制御下で維持できることは、この損傷の発生を防止するのを助けることができる1つの方法である。
【0005】
また、糖尿病を抱えている人々は、血糖が高すぎると、「糖尿病性昏睡」に陥ることもある。彼らが十分な食事を取らないか、又はインスリン若しくは食事の調節なしで運動を多くやりすぎると、彼らはまた、低すぎる血糖(即ち、低血糖症)を発症することになる。糖尿病性昏睡及び低血糖症の両者は、非常に深刻であり、そして、迅速な処置を行わない場合、致命的になり得る。血糖を詳しく観察し、高すぎる又は低すぎる血糖の初期兆候及び症候に注意し、そして、これらの病態を迅速に処置することは、これらの問題を深刻になりすぎることから防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願出願番号第11/520598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ペン型薬物送達デバイスは、そのような問題が発生するのを防ぐように、糖尿病を患っている患者を助けるために設計され開発された。上記で確認された環境は、薬物送達デバイス、特に、糖尿病を処置するために使用し得るデバイスに対する多数のデザイン上の考察、及び基準を浮き彫りにしている(highlight)。1つの例として、1つの要求事項は、薬物送達デバイスは、構造上強固でなければならないことである。薬物送達デバイスは、また、薬物送達デバイスの操作、及びデバイス操作の理解の観点より使用するためには容易でなければならない。糖尿病患者は、自分自身に、繰り返し、インスリン溶液を注入しなければならず、そして、注入すべきインスリンの量は、患者毎に、そして、注入毎にすら変化するかもしれない。少なくともこの理由のために、ある糖尿病患者は 継続的に、定量された同一、又は恐らく異なる事前設定された量のインスリン溶液を正確に、そして最小の器用さの課題でもって、注入することを可能にする薬物送達デバイスを必要とするかもしれない。これは、更なる、デザイン上の課題を提示するものであり、何故ならば、ある糖尿病患者の場合、使用者は視力障害であるかも知れず、及び/又は、限定された器用さを有する肉体的虚弱者であるかも知れないからである。
【0008】
患者の視力障害及び限定された器用さの問題は、患者に彼らの弱い利き手の使用を強いる薬物送達デバイスにより更に深刻になるであろう。換言すれば、左手を使用する方が好ましい糖尿病を患っている人々(即ち、左利きの患者)には、もはや、彼らの弱い利き手、又は弱い手を使用するよう強制できないように、この使用者の優先性を考慮した薬物送達デバイスに対して、彼らはより大きな期待又は必要性を有している。
【0009】
例えば、ある研究により、成人人口の約10%が左利きであると言われている。
また、これら左利きの個人は、医薬品送達デバイスのような、右利き用のツール及びデバイスの普及により、時々、不利益な状態に置かれていることは一般的に知られている。多くのツール及び薬物送達デバイスは、使用者の左手ではなく、使用者の右手で快適に使用できるよう設計されている。1つの例のように、右利き用はさみは、それに沿って切る線は、右利き使用者には見ることができるが、左利き使用者には隠されている。更にその上、これらのはさみのハンドルは、左利き使用者には、持つのが困難であるか、又は不快であるような方法で、しばしば、形作られている。結果として、そのような場合における広範囲な使用は、効率、及び/又は、不快さのレベルを変化させることになるかもしれない。ツールやデバイスの右利き性質の別の例で示す通り、コンピュータマウスは、時々、左手より右手の方がより良く適合するよう作られている。
【0010】
結果として、薬物送達の使用に関して、多くの左利き患者、特に、部分的な失明等の制約及び限定された器用さに既に病んでいる患者は更に、右利き用薬物送達デバイスを使用するとき、高められた課題に直面することになる。これらの患者は、ある薬物送達デバイスを操作するために、弱い利き手の使用を強いられ、それらデバイスの多くは、複雑な用量設定及び注入操作を有している。特に、左利き患者が、かれらの弱い利き手を使って、医薬品(インスリンなどの)の正確な用量を設定し、その後、また、医薬品用量を注入しなければならないことは、真実であるかもしれない。上記で既に述べた通り、インスリンなどの不正確な用量設定、又はある自己投与薬物の注入は、致命的な結果を導くことになるかもしれない。
【0011】
従って、薬物送達デバイスの設計及び開発において、これらの左利き、及び右利きの課題を考慮するための一般的な必要性はある。そのような薬物送達デバイスは、使用者に彼らの強い利き手(かれらの左手)を使って、薬物の正確な用量を設定し、その後、注入することを可能とするであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
例示的な実施態様によると、薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスハウジングハウジング、及び該薬物送達デバイスハウジングに含まれる薬剤を含む。用量ダイヤルスリーブは、前記ハウジング内に位置し、そして、前記薬物送達デバイス内に含まれる前記医薬品の非反転用量を設定するために回転可能である。前記非反転用量は、前記薬物送達デバイスの使用者の方向へ前記用量ダイヤルスリーブを回転することにより増加し得る。薬物送達に関して、前記薬剤の前記用量は、前記使用者から離れる方向に前記用量ダイヤルスリーブを回転することにより減少させ得る。
【0013】
好ましい実施態様によると、本明細書で使用される「薬剤」又は「薬物」は、両者共、少なくとも1つの、1500Daまでの分子量を有する薬学的に活性な化合物、又は薬学的に活性なペプチド、蛋白質、DNA、RNA、抗体、酵素、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又はそれらの混合物を含む薬学的処方品を意味し、好ましくは、少なくとも1つのペプチド、更に好ましくは、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置に対して好ましいペプチド、特に、特に好ましくは、ヒトインスリン、又はヒトインスリン同族体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその同族体若しくは誘導体、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4の同族体若しくは誘導体を含む。
【0014】
インスリン同族体としては、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリン、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、ここで、B29位において、Lysは、Proで代替され;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン及びDes(B30)ヒトインスリンがある。
【0015】
インスリン誘導体としては、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン;及び,B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
【0016】
エキセジン−4は、好ましくは、エキセジン−4(1−39)、ペプチドの配列:HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0017】
エキセジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物のリスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
【0018】
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセジン−4誘導体のC末端に結合してもよく;
又は以下のエキセジン−4誘導体の配列:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
から選択され、又は、エキセジン−4誘導体のいずれかとの薬物的に許容可能な塩又は溶媒和物から選択される。
【0019】
ホルモンとしては、好ましくは、脳下垂体ホルモン、又は視床下部ホルモン、又は調節活性ペプチド、及び2008年編纂の、Rote Liste、第50章にリストアップされたそれらの拮抗剤がある。ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、 ゴセレリンがある。
【0020】
薬学的に許容可能な塩としては、例えば、酸付加塩、及び塩基付加塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基付加塩としては、例えば、アルカリ又はアルカリ性の、例えば、Na+、又は、K+、又はCa2+、又はアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)から選択されるカチオンを有する塩であり、ここで、R1〜R4は、互いに独立して、水素、場合により置換されるC1−C6−アルキル基;場合により置換されるC2−C6−アルケニル基;場合により置換されるC6−C10−アリール基;又は、場合により置換されるC6−C10−ヘテロアリール基を意味する。更なる薬学的に許容される塩の例としては、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17.Ed.Alfonso R.Gennaro(Ed.), Mark Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0021】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0022】
別の配置において、ペン型薬物送達デバイスは薬物送達デバイスハウジングを含む。ハウジングは、針アセンブリを装備するための遠位端を有し、そして、近位端は用量ダイヤルグリップを含む。カートリッジは、前記ハウジング内に含まれ、前記カートリッジは薬物を含む。用量ダイヤルスリーブは、回転して装備され、そして、前記用量ダイヤルグリップに操作上連結される。用量ダイヤルグリップは、用量を設定するため、使用者の方向へ回転できる。前記用量ダイヤルグリップが回転するにつれて、用量ダイヤルグリップ及び用量ダイヤルスリーブの両者が、前記薬物送達ハウジングの該近位端から並進移動する。前記ハウジングの窓から目視できる非反転のスケールは、前記用量の代表例である。この薬物送達デバイスにおいて、前記用量は、前記用量ダイヤルグリップを前記使用者の方向に回転して増加し得る。
【0023】
出願人が提案した薬物送達デバイスの様々な態様のこれらの並びにその他の利点は、添付の図面の適切な参照と共に、次の詳細な記載を読むことにより当業者には明確になるであろう。
【0024】
例示的な実施態様は図面を参照して本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第一の、カートリッジフル状態での、位置におけるデバイスの1つの配置に従った薬物送達デバイスの第一の実施態様の断面図を示す。
図2】第二の、最大の第一用量をダイヤルした位置における図1の薬物送達デバイスの断面図を示す。
図3】第三の、最大の第一用量を投与した位置における図1の薬物送達デバイスの断面図を示す。
図4】第四の、最終用量をダイヤルした位置における図1の薬物送達デバイスの断面図を示す。
図5】第五の、最終用量を投与した位置における図1の薬物送達デバイスの断面図を示す。
図6図1の薬物送達デバイスの第一の詳細な切り取り内部図を示す。
図7図1の薬物送達デバイスの第二の詳細な部分的切り取り内部図を示す。
図8図1の薬物送達デバイスの第三の詳細の部分的切り取り内部図を示す。
図9】用量のダイヤルアップの間、図1で示された薬物送達デバイスの部品の第一の相対的運動を示す。
図10】用量のダイヤルダウンの間、図9で示された薬物送達デバイスの部品の相対的運動を示す。
図11】用量を投与する間、図9で示された薬物送達デバイスの部品の相対的運動を示す。
図12】第二の、最大の第一用量をダイヤルした位置における図1の薬物送達デバイスの部分的切り取り内部図を示す。
図13】第四の、最終用量が設定された位置における図1の薬物送達デバイスの部分的切り取り内部図を示す。
図14】第一、第三又は第五の位置の1つにおける図1の薬物送達デバイスの部分的切り取り内部図を示す。
図15】右利きの使用者が図1の薬物送達デバイスでいかにして用量を設定するかを示す。
図16】左利きの使用者が図1の薬物送達デバイスでいかにして用量を設定するかを示す。
図17図1の薬物送達デバイス用に使用し得るスケールの配置を示す。
図18】用量ダイヤルスリーブの外部表面に沿って提供される図17のスケールの配置を示す。
図19】右利きの使用者が図1に示す薬物送達デバイスにより用量をいかにして注入するかを示す。
図20】右利きの使用者が図1の薬物送達デバイスでいかにして用量を設定するかを示す。
図21】左利きの使用者が別の薬物送達デバイスでいかにして用量を設定するかを示す。
図22図20の別の薬物送達デバイスに使用し得る別のスケールの配置を示す。
図23】用量ダイヤルスリーブの外部表面に沿って提供される図22の別のスケールの配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜5を先ず参照して、複数の操作位置:用量設定、用量の投与、又は注入:の内の1つの配置に準拠した薬物送達デバイスが示されている。薬物送達デバイス1は、第一のカートリッジ保持部品2、及び第二の主(外部)ハウジング部品4を有するハウジングを含む。カートリッジ保持手段2の第一端及び主ハウジング4の第二端は保持機構6により一緒に固定される。この図示した配置において、カートリッジ保持手段2は、主ハウジング4の第二端の内部で固定される。
【0027】
医薬品の多数の用量を投与し得るカートリッジ8は、カートリッジ保持部品2に供給されている。好ましくは、カートリッジは、1日に1回又はそれ以上、頻繁に投与しなければならない薬剤のタイプを含む。そのような薬剤の1つはインスリンである。ピストン10は、カートリッジの第一端で保持される。取り外し可能なキャップ12は、カートリッジ保持部品2の第二端上に開放自在に保持される。
【0028】
図1〜5で図示された薬物送達デバイスの投与設定機構は、使い捨ての、又は再使用可能な薬物送達デバイスとして活用し得る。薬物送達デバイスが使い捨て薬物送達デバイスを含む場合、カートリッジは、デバイスを破壊することなしでは、デバイスから取り外すことができない。あるいは、薬物送達デバイスが、再使用可能な薬物送達デバイスを含む場合、カートリッジは取り外し可能であり、そして、デバイスを破壊することなくデバイスを取り外すことができる。図1〜5で示す薬物送達デバイス1において、この薬物送達デバイスは、使い捨て薬物送達として図示される。しかし、当業者は、用量設定機構は、また、再使用可能な薬物送達デバイスにも使用でし得ることを認識できるであろう。
【0029】
使用時、取り外し可能なキャップ12は、使用者により、適切な針ユニット(図示されていないが)で代替することがきる。そのような針ユニットは、ハウジングの遠位端上にねじ込み、或いはこの遠位端にスナップ締めし得る。代替可能なキャップ14は、主ハウジング4から伸びるカートリッジ保持部品2を覆うために用いられる。好ましくは、代替可能なキャップ14がカートリッジ保持部品2を覆う位置にあるとき、単一体全体の印象を与えるために、代替可能なキャップ14の外部寸法は同様か、又は全く同一である。図示した配置において、インサート16が、主ハウジング4の第一端で提供される。インサート16は、回転方向の又は軸方向の運動に対して固定される。インサート16は、ねじ付き円形開口部18を備えている。或いは、インサートは、メスねじを有する放射状に内側に向いたフランジの形体を有する主ハウジングと一体化して成形し得る。
【0030】
第一のらせん状ネジ溝19は、ピストンロッド20の第一端から伸びる。1つの配置において、ピストンロッド20は、一般的に断面が円形であるが、しかしながら、他の配置も、また、使用し得る。ピストンロッド20の第一端(ピストンロッド20の遠位端)は、インサート16におけるねじ付き開口部18を通して伸びる。押さえ(pressure foot)22は、ピストンロッド20の第一端又は遠位端に位置している。押さえ22は、カートリッジピストン10の第二端に隣接するよう配列されている。第二のらせん状ネジ溝24は、ピストンロッド20の第二端(ピストンロッド20の近位端)から15を伸びる。図示した配置において、第二のらせん状ネジ溝24は、ピストンロッド20の第二端又は近位端から伸びる。
【0031】
図示した配置において、第二のらせん状ネジ溝24は、完全ならせん状ネジ溝よりむしろ一連の部分的ならせん状ネジ溝を含む。この図示した配置の1つの利点は、製造することが容易であり、そして、薬物送達デバイス1から医薬品を投与するとき、使用者がデバイスを作動するために必要な全ての力を低減化することを助ける。
【0032】
第一のらせん状ネジ溝19及び第二のらせん状ネジ溝24は、向かい合って配置されている、即ち、ネジ溝は反対側である。ピストンロッド20の第二端(即ち、ピストンロッド20の近位端)は、受容収納部26を備えている。駆動スリーブ30はピストンロッド20の周りに伸びる。駆動スリーブ30は一般的に円筒形状である。駆動スリーブ30は、第一端で、第一の放射状に伸びるフランジ32を備えている。第二の放射状に伸びるフランジ34は、第一フランジ32から駆動スリーブ30に沿って、間隔を開けて提供される。中間のらせん状ネジ溝36は、第一フランジ32及び第二フランジ34間で延長される駆動スリーブ30の外側部分で提供される。らせん状ネジ溝38は、駆動スリーブ38の内部表面に沿って伸びる。ピストンロッド20の第二らせん状ネジ溝24は、らせん状ネジ溝38内で駆動するように適合されている。
【0033】
第一フランジ32の第一端は、インサート16の第二の側に合致するように適合されている。部品ナット40は、駆動スリーブ30と主ハウジング2の間で位置し、第一フランジ32及び第二フランジ34間に配置されている。図示した配置において、部品ナット40は半割りナットを含む。部品ナット40は、駆動スリーブ30の中間らせん状ネジ溝38に一致する内部らせん状ネジ溝を有する。1つの好ましい配置において、部品ナット40の外部表面及び主ハウジング4の内部表面は、部品ナット40及び主ハウジング4間の相対的回転運動を阻止するために、これらの2つの成分間の相対的な長手方向の移動を可能としつつスプライン42(参照:図10、11、15及び16)により一緒に鍵をかけられる。
【0034】
駆動スリーブ30の第二端(駆動スリーブ30のの近位端)と駆動スリーブ30の第二端(駆動スリーブ30の遠位端)で提供されるエクステンション38間でショルダー37が形成される。エクステンション38は、駆動スリーブ30の残りの部分と比較して、内径及び外径が低下する。エクステンション38の第二端は外側に放射状に向いたフランジ39を備えている。以下でより詳細に記述する通り、クリッカー50及びクラッチ60は駆動スリーブ30の周囲に、駆動スリーブ30と用量ダイヤルスリーブ70の間に配置される。
【0035】
クリッカー50は駆動スリーブ30の第二フランジ34に隣接して位置する。クリッカー50は、一般的に、円筒形であり、そして、第一端で、柔軟性のらせん状延長アーム52を備えている(参照:例えば、図6)。アーム52の自由端は、放射状に向いた歯型部材54を備えている。クリッカー50の第二端は、一連の円周上に向いた鋸歯56(図7)を備えている。各々の鋸歯は、長手方向に向いた表面及び傾斜した表面を含む。
【0036】
別の配置において、クリッカーは更に少なくとも1つのスプリング部材を含む。少なくとも1つのスプリング部材は、クラッチ60の再設定、次いで、薬剤の以前に設定された量の投与を支援する。クラッチ60は、駆動スリーブ30の第二端に隣接して位置する。クラッチ60は、一般的に、円筒形状であり、そして、第一端(遠位端)で一連の円周方向に向いた鋸歯(66)を備えている(参照:例えば、図7)。それぞれの鋸歯は長手方向に向いた表面及び傾斜した表面を含む。クラッチ60の第二端64(近位端)方向に向かって、放射状に内側方向に向いたフランジ62が位置する。クラッチ60のフランジ62は、駆動スリーブ30のショルダー37とエクステンション38の放射状に外方向に向いたフランジ39の間に配置されている。
【0037】
クラッチ60の第二端は、複数の犬歯65(参照:例えば、図8)を備えている。クラッチ60は、クラッチ60と駆動スリーブ30間の相対的回転運動を阻止するために、スプライン(図示されていない)を経由して駆動スリーブ30に固定される。1つの好ましい配置において、クリッカー50及びクラッチ60は、それぞれ、駆動スリーブ30の約半分の長さまで伸びる。しかし、これらの部品の相対的な長さに関してその他の配置も可能であることは当業者には理解されるであろう。クリッカー50及びクラッチ60は、例えば、図6及び7で示す通りに係合される。
【0038】
用量ダイヤルスリーブ70は、クリッカー50の外部、及びクラッチ60、及び主ハウジング4の放射状に向いた内側で提供される。用量ダイヤルスリーブ70は、遠位端73及び近位端77を含む。らせん状ネジ溝74は、用量ダイヤルスリーブ70の外部表面72の周囲で提供される。主ハウジング4は窓を備えており、それを通して、用量ダイヤルスリーブ70の外部表面72の一部が目視し得る。
【0039】
主ハウジング4は更に用量ダイヤルスリーブ70の外部表面上のらせん状ネジ溝74に位置するように適合されたらせん状リブ46を備えている。1つの好ましい配置において、らせん状リブ46は、主ハウジング4の内部表面の単掃引のため伸びている。第一の止め具は、スプライン42及びらせん状のリブの間に備わっている。第二の止め具は、第一の止め具に対して180″の角度で配置されているが、主ハウジング4における窓44の周囲の枠で形成される。
【0040】
図1〜5に戻って、用量ダイヤルグリップ76は、用量ダイヤルスリーブ70の第二端の外部表面の周囲に配置されている。用量ダイヤルグリップ76の外部直径は、好ましくは、主ハウジング4の外部直径に対応する。用量ダイヤルグリップ76は、これら2つの部品間の相対的運動を阻止するため用量ダイヤルスリーブ70に固定される。用量ダイヤルグリップ76は、中央の開口部78を備えている。用量ダイヤルグリップ76の第二端に位置する環状の収納部80は、開口部78の周囲に伸びる。一般的に‘T’部分のボタンはデバイスの第二端に提供される。85ボタンのステム(stem)84は、用量ダイヤルグリップ76中の開口部78を通して、駆動スリーブ30のエクステンション38の内部直径を通して、そして、ピストンロッド20の近位端での受容収納部26に伸び得る。ステム84は、駆動スリーブ30における限定された軸運動に対して保持され、それに対する回転に抗して保持される。ボタン82のヘッド85は、一般的に円形である。スカート86はヘッド85の外周に依存する。スカート86は、用量ダイヤルグリップ76のリング状10の収納部80に位置するように適合される。
【0041】
好ましい配置に準拠した右手操作の薬物送達デバイスの操作が、これから、記載される。図9、10及び11におけるA,B,C,D,E,F及びGの矢印は、1つの配置におけるボタン82、用量ダイヤルグリップ76、用量ダイヤルスリーブ70、駆動スリーブ30、15クラッチ60、クリッカー50、及び部品ナット40のそれぞれの移動を表わす。
【0042】
図9で図示した配置において、用量をダイヤルするために、使用者は彼らの左手に主ハウジング4を保持し、そして右手を使用者から離れた方向にある用量ダイヤルグリップ76(矢印B)を回転するために使う。これは、また、図15で示され、ここで、使用者は彼らの右手を使って、矢印120の方向:使用者から離れた方向、に用量ダイヤルグリップ76を回転させる。クリッカー50及びクラッチ60を係合させて、駆動スリーブ30、クリッカー50、クラッチ60及び用量ダイヤルスリーブ70は使用者方向に向かって、用量ダイヤルグリップ76と一緒に回転する。ダイヤルされている聴覚及び触覚のフィードバックは、クリッカー50及びクラッチ60により提供される。トルクは、クリッカー50とクラッチ60の間の鋸歯56、66を通して伝達される。柔軟性のアーム52は変形し、爪を生成するためにスプライン42上に鋸歯部材54を引きずる。好ましくは、スプライン42は、それぞれの爪(click)が従来のユニット用量などに対応するよう配置される。
【0043】
用量ダイヤルスリーブ70上のらせん状ネジ溝74及び駆動スリーブ30内のらせん状ネジ溝38は同一のリードを有する。これは用量ダイヤルスリーブ70(矢印C)を主ハウジング4から近位方向へ伸びることを可能にする(図15も参照)。このようにして、駆動スリーブ30(矢印D)は、ピストンロッド20を同一速度で登っていく。走行の限界点で、用量ダイヤルスリーブ70上の放射状の止め具104(参照:例えば、図12)は、更なる移動を阻止するため、主ハウジング4に備えられた第一止め具100又は第二止め具102と係合する。ピストンロッド20の回転は、ピストンロッド20のオーバーホールされた、駆動するネジ山が反対方向のために阻止される。主ハウジング4に鍵をかけられた、部品ナット40は、駆動スリーブ30(矢印D)の回転により、中間ネジ山36に沿って前進させられる。
【0044】
ダイヤルしうる用量の可視的な表示、例えば、参照数字又はスケールは、用量ダイヤルスリーブ70の外部表面72上に提供され得る(参照、例えば、図12及び14)。例えば、図17は、用量ダイヤルスリーブ外部表面72上に提供出来得る第一スケール配置122を示す。図17で示されたスケール配置122において、配置122は5個の数字の列:第一列124、第二列126、第三列128、第四列130、及び第五列132を含む。各列において、数字の列は、1つが列の上に進むにつれて、2の因数だけ低下していく。例えば、配置122の左手側に位置する第一列124において、第一列124は、参照数字「80」で始まり、そして、この列で提供される互いの数字に対して2の因数だけ減少していく(即ち、80ユニット、その後、78ユニット、その後、76ユニット、など)。
【0045】
この第一のスケール配置122は、使用者がセットする投与量として、薬物送達デバイスの窓44を通して使用者に確実な可視的な表示を提供する。図17で提供される第一スケール配置122から判るように、最大スケール参照数字「80」134は、第一列124の底で提供され、そして、最小スケール参照数字「0」136は、第五列132の最上部で提供される。このスケール配置122によって、薬物送達デバイス1による最大設定可能な用量は、「80」ユニット134であり、そして、最小設定可能用量は、「0」ユニット136である。最大と最小参照数字124、136の間で、それぞれ、他の用量は、増分2:(例えば、2、4、6、8など)で記述される。単一ユニット用量、及び奇数ユニット用量も、設定し得て、そして、これらは、偶数の参照番号間で提供される複数のスケールマークにより提供される。例えば、ハーフスケールマーク(「1」ユニット)138は、最小設定可能用量「0」ユニット136と2ユニット間で、列132の最上部において提供される。
【0046】
また、この第一スケール配置122からも見られ得るように、参照数字がスケール122の右手側から上昇し、又は第五スケール配置列132は、スケール122の左側へ前進していく(第一スケール配置列124の方向に向かって)。図18は 用量ダイヤルスリーブ70の外部表面72に沿って提供される図17のスケール配置を示す。図18から見られるように、スケール配置122は、遠位端73で提供される最大設定可能な用量値「80」、及び用量ダイヤルスリーブ70の近位端74で提供される最小設定可能な用量値「0」を有する。断続的なスケール数字「60」ユニット172、「40」ユニット176、及び「20」ユニット178も、また、提供される。
【0047】
結果として、スケール配置122が、図1〜5で示された用量ダイヤルスリーブ70上で提供されるなら、使用者が、用量を図9及び図15で図示したように使用者の右手で用量を設定するために、用量ダイヤルグリップ76により、使用者から離れた方向に、用量ダイヤルスリーブ70を回転するにつれて、用量ダイヤルスリーブ70が、ハウジングの外へ伸びていくであろう。例えば、図15において、使用者は彼らの右手で、30ユニットの用量を設定した。図15で示す通り、使用者が用量ダイヤルグリップ76を回転し、従って、用量ダイヤルグリップ70を使用者から離れた方向に動くにつれて(矢印120で示されたこの方向)、図17のスケール配置122は、用量ダイヤルスリーブ70の外部ドラムに沿って提供され、そして、窓44により直立配向で読み取り可能となる。
【0048】
結果的に、使用者が彼らの手をこの用量ダイヤルスリーブを回転するために用いるにつれて、使用者は少なくとも2つの重要事項:(1)窓44によって目視できる用量、及び(2)薬物送達デバイスの供給体がハウジング上で含むかもしれないその他の表示(ラベル112からの)の、正しい目視による確認が得られるであろう。例えば、ラベル112は:薬物送達デバイスで提供された薬剤の説明書、薬物の使用期限、提供される薬剤のタイプのある種のカラー指定、又は提供される薬物送達デバイスのタイプのある種のカラー指定を含む。丁度1つの例として、薬物送達デバイスのラベル112は、薬物送達デバイスにおいて提供されるインスリンのタイプ(例えば、長時間活性、又は短時間活性)の色表示、及び/又は、薬物送達デバイスが、右利き、又は左利きの糖尿病患者用であることを示すことができるであろう。即ち、これは、用量を設定し、及び/又は、用量を注入するために左手を使うことを好む傾向にあるこれらの糖尿病患者用である。
【0049】
図1〜5に図示された薬物送達デバイス1に戻って、最終用量投与位置(参照:例えば、図4、5及び13)に到達するとき、部品ナット40の第二表面上で形成される放射状の止め具106は、駆動スリーブ30の第二フランジ34の第一表面上の放射状止め具108に隣接し、ナット40及び駆動スリーブ30が更に回転することを阻止する。別の配置において、部品ナット40の第一表面は、第一フランジ32の第二表面上に提供された放射状止め具と隣接した放射状止め具を備え得る。これは、薬物送達デバイスの組立中カートリッジがフル位置におけるナット40の位置を助ける。
【0050】
使用者が不注意に望ましい投与量を超えてダイヤルした場合、図9の薬物送達デバイスは、カートリッジからの医薬品の投与を行わずに投与量をダイヤルダウンすることを可能にする(参照:例えば、図10)。例えば、図15で示す通り、使用者は30ユニットの用量を設定した。しかし、使用者は、すぐに、以前に設定した30ユニットの用量を投与することなく、この投与量をダイヤルダウンしたいと欲するかもしれない。この配置において、使用者が投与量のダイヤルダウンするために、用量ダイヤルスリーブ70は、使用者の方向に回転し、そして、用量ダイヤルグリップ76は反対方向に回転する(参照:例えば、図10における矢印B)。これはシステムを逆方向に作動させることになる。この柔軟なアーム52は、クリッカー50の回転を阻止する。クラッチ60を通して伝達されたトルクは、ダイヤルされた用量の減少に対応してクリックを作るために、鋸歯56、66を互いにかみあわせる(ride over)。好ましくは、鋸歯56、66は、各々の鋸歯の円周の範囲がユニット用量に対応するように、配置されている。
【0051】
所要の用量がダイヤルされたとき、使用者は、その後、この用量を、ボタン82を押し下げて投与し得る(参照:例えば、図11)。使用者が、図11及び図18に示す通りボタン82を押し下げるにつれて、これは、クラッチ60を用量ダイヤルスリーブに関して軸方向にクラッチ60を移動させ、そして70を犬歯65から解除する。しかし、クラッチ60は駆動スリーブ30の回転に対して固定されたままになっている。用量ダイヤルスリーブ70及び関連する用量ダイヤルグリップ76は回転に対して自由である(らせん状ネジ溝74に位置付けられたらせん状リブ46で導かれる)。
【0052】
軸方向の移動は、鋸歯56、66を固定するためのクリッカー50の柔軟性アーム52を変形させ、投与中オーバーホールはできなくなる。未だ、軸方向に移動することは自由ではあるが、これが駆動スリーブ30に主ハウジング4に関して回転させることを阻止する。この変形は、その後、クリッカー50を促進するのに使われ、そして、クラッチ60は、駆動スリーブ30に沿って戻り、圧力がボタン82から除去されたとき、クラッチ60と用量ダイヤルスリーブ70の間の結合を回復させる。駆動スリーブ38の長手軸方向の移動はピストンロッド20をして、インサート16中の開口部18を通して5を回転させ、それにより、カートリッジ8におけるピストン18を前進させる。
【0053】
図19から見られるように、使用者が彼らの手を用いて、ボタン82を押し下げるにつれて、使用者は、窓44を経由して目視できるスケール配置122によって、投与量が投与されていることを監視することができる。加えて、使用者が、用量を投与する間、彼らの手を使ってボタン82を押し下げるにつれて、ハウジングに沿って提供された他のラベリング124(参照:例えば、図15)も、また、目視可能である。
【0054】
しかし、もし左利き使用者(即ち、左利き糖尿病患者)は、彼らの左手を使い、一番目に用量を設定し、そしてその後、二番目に、以前に設定されたこの用量を投与する場合、これらの事象はいずれも起こらないであろうことは認識されるであろう。例えば、図16は、左利きの使用者が、図1〜5で図示された薬物送達デバイスで用量を設定するならば、何が起こるかを説明している。第一に、左利き使用者がかれらの手を使って、薬物送達のハウジング4を保持し、そしてその後、用量ダイヤルグリップ76を使用者の左手で回す。この方向においては、用量ダイヤルグリップ76は、使用者の方向に回転させて、右利きの薬物送達デバイスを有する使用者よりむしろ離れて用量を設定しなければならない。図16において、これは矢印110で表される。このような事象において、用量ダイヤルスリーブ70提供されるスケール配置122及びラベリング112の両者は反転させられ:それらは、図16で示す通り、右側が上になるよりむしろ上下反転するであろう。従って、薬物送達デバイスの左利き使用者にとって、用量ダイヤルスリーブ上で提供されるスケール並びにラベリング112は、左利き使用者にとって読み取ることができるスケール及び読み取ることができるラベリングを提供するように修正されなければならない。
【0055】
図21は、別の薬物送達デバイス140を説明し、ここで、用量は、矢印142の方向へ用量ダイヤルグリップ144を回転し:即ち、用量ダイヤルグリップ144の使用者側への回転により、左利きの使用者により選択され得る。この配置において、使用者は彼らの右手にハウジング146を保持する。その後、用量ダイヤルグリップ142を経由して用量を設定するために、使用者は彼らの手を用いることができる。使用者が用量を設定するにつれて、別のスケール配置152は、使用者が図16におけるデバイス1で図示された反転スケール122より、むしろ右側面が上になる方位で薬物送達デバイスの窓150によってスケール配置152を見ることができるように提供されなければならない。この構成において読み取ることができ、そして、反転していない目視可能なスケールを提供するために、図17で提供された修正スケールが提供されなければならない。
【0056】
図22は、図21の薬物送達デバイス140における用量ダイヤルスリーブの外部表面に沿って提供できる別のスケール配置152の1つの配置を図示する。図21で提供される用量設定機構と共に薬物送達デバイス140の別の配置の一般的構造は、図1〜5で図示した薬物送達デバイス1の一般的構造及び操作と本質的には同一である。しかし、別のスケール配置152及び別のラベリング148は、図20で図示したデバイス1のスケール配置122及びラベリング112から修正されたものである。この別の構成において、左利きの使用者が用量を設定するとき、スケール152及びラベル148も、正しい方向でみることができ:ここで、スケール及びラベルは右側面が上であり、反転していない。
【0057】
図22は、そのような修正スケール152に対する1つの配置を示す。この別のスケール配置から見ることができるように、再び、参照数字の5つの列:第一列160、第二列162、第三列166、第四列166、第五列168が提供される。17で示す第一スケール配置122から見ることができるように、別のスケール配置152の5つの列の方向は、図17で提供されたスケール配置から入れ替わっている。
【0058】
スケール配置152は、最大スケール参照数字「80」154、及び最小スケール参照数字「0」156を含む。図17で提供されたスケール配置と同様に、最大スケール参照数字154は、薬物送達デバイス140により設定可能な最大用量を示し、そして、「80」ユニットである。最大と最小参照数字間で、他の用量は2の増分で示される:(即ち:2、4、6、8など)。再び、単一ユニット用量及び奇数ユニット用量は、また、偶数の参照番号間で提供されるハッシュマークによって提供される。例えば、ハッシュマーク170は、最大用量「80」ユニットと78ユニット用量の間の用量である79ユニット用量を示す。
【0059】
しかし、図17のスケール配置122とは異なり、別のスケール配置152において、最大設定可能用量「80」ユニットを含む参照数字列は、スケール配置の右手に沿って提供され、一方、最小用量「0」ユニットは、直ちに、配置の左手で提供される第五スケール配置列168で提供される。図17で提供される修正スケール配置152及びスケール配置122間の別の差異は、修正スケール配置152において、用量設定数字は列の底から列の最上部まで増加していくことである。例えば、スケール配置152の第一列160において、用量は、最小「0」、2、4などから増加していくであろう。結果的に、もし修正スケール配置152が、図22で図示したように薬物送達デバイス140の用量ダイヤルスリーブ上に提供されるならば、より高い用量数字154は、用量ダイヤルスリーブの遠位端に沿って存在し、一方、より低い用量数字は用量ダイヤルスリーブ70の近位端に沿って存在する。結果的に、使用者が、用量ダイヤルスリーブを使用者の左手で使用者の方向へ用量ダイヤルグリップ76により回転させるにつれて、用量ダイヤルスリーブ70はハウジングの外へ伸び、そしてスケール配置152は、目視可能な窓44において右側を上にして読みとることが可能となり、そして、図16で示す通り、もはや、反転しないであろう。
【0060】
図23は用量ダイヤルスリーブ70の外部表面72に沿って提供される図18のスケール配置を図示する。図18から見ることができるように、スケール配置122は、遠位端73で提供される最大設定可能な用量値「80」、及び用量ダイヤルスリーブ70の近位端74で提供される最小設定可能な用量値「0」を有する。中間スケール数字「60」ユニット186、「40」ユニット184、及び「20」ユニット182も、また、提供されるが、しかし、用量ダイヤルスリーブの外部表面72に沿ったそれらの相対的位置が、図18と比べると修正されている。
【0061】
図20で図示された薬物送達デバイスの1から、図21の薬物送達デバイス140にすることができる別の修正は、ラベル148の方向が変化したことである。
【0062】
ところで、図21の薬物送達デバイス140でもって、使用者が右手でデバイスハウジング4を保持し、そして彼らの左手で、矢印142方向へ用量ダイヤルグリップを回転することにより用量を設定するにつれて、左利き使用者は、右端を上にする手法でラベルを見ることができる。即ち、ラベル148は、最早、反転されない。
【0063】
本薬物送達デバイスの例示的な実施態様が説明された。しかし、変更及び修正は、請求項で定義される、ここに提案する薬物送達デバイスの真の範囲及び精神から離脱することなくこれらの実施態様に対して実施できることを当業者は理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23