【課題を解決するための手段】
【0012】
例示的な実施態様によると、薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスハウジングハウジング、及び該薬物送達デバイスハウジングに含まれる薬剤を含む。用量ダイヤルスリーブは、前記ハウジング内に位置し、そして、前記薬物送達デバイス内に含まれる前記医薬品の非反転用量を設定するために回転可能である。前記非反転用量は、前記薬物送達デバイスの使用者の方向へ前記用量ダイヤルスリーブを回転することにより増加し得る。薬物送達に関して、前記薬剤の前記用量は、前記使用者から離れる方向に前記用量ダイヤルスリーブを回転することにより減少させ得る。
【0013】
好ましい実施態様によると、本明細書で使用される「薬剤」又は「薬物」は、両者共、少なくとも1つの、1500Daまでの分子量を有する薬学的に活性な化合物、又は薬学的に活性なペプチド、蛋白質、DNA、RNA、抗体、酵素、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又はそれらの混合物を含む薬学的処方品を意味し、好ましくは、少なくとも1つのペプチド、更に好ましくは、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置に対して好ましいペプチド、特に、特に好ましくは、ヒトインスリン、又はヒトインスリン同族体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその同族体若しくは誘導体、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4の同族体若しくは誘導体を含む。
【0014】
インスリン同族体としては、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリン、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、ここで、B29位において、Lysは、Proで代替され;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン及びDes(B30)ヒトインスリンがある。
【0015】
インスリン誘導体としては、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン;及び,B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
【0016】
エキセジン−4は、好ましくは、エキセジン−4(1−39)、ペプチドの配列:HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2のペプチドを意味する。
【0017】
エキセジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物のリスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセジン−4(1−39);
【0018】
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセジン−4誘導体のC末端に結合してもよく;
又は以下のエキセジン−4誘導体の配列:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセジン−4(1−39)−NH
2,
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
から選択され、又は、エキセジン−4誘導体のいずれかとの薬物的に許容可能な塩又は溶媒和物から選択される。
【0019】
ホルモンとしては、好ましくは、脳下垂体ホルモン、又は視床下部ホルモン、又は調節活性ペプチド、及び2008年編纂の、Rote Liste、第50章にリストアップされたそれらの拮抗剤がある。ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、 ゴセレリンがある。
【0020】
薬学的に許容可能な塩としては、例えば、酸付加塩、及び塩基付加塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基付加塩としては、例えば、アルカリ又はアルカリ性の、例えば、Na
+、又は、K+、又はCa
2+、又はアンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)から選択されるカチオンを有する塩であり、ここで、R1〜R4は、互いに独立して、水素、場合により置換されるC1−C6−アルキル基;場合により置換されるC2−C6−アルケニル基;場合により置換されるC6−C10−アリール基;又は、場合により置換されるC6−C10−ヘテロアリール基を意味する。更なる薬学的に許容される塩の例としては、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17.Ed.Alfonso R.Gennaro(Ed.), Mark Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0021】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0022】
別の配置において、ペン型薬物送達デバイスは薬物送達デバイスハウジングを含む。ハウジングは、針アセンブリを装備するための遠位端を有し、そして、近位端は用量ダイヤルグリップを含む。カートリッジは、前記ハウジング内に含まれ、前記カートリッジは薬物を含む。用量ダイヤルスリーブは、回転して装備され、そして、前記用量ダイヤルグリップに操作上連結される。用量ダイヤルグリップは、用量を設定するため、使用者の方向へ回転できる。前記用量ダイヤルグリップが回転するにつれて、用量ダイヤルグリップ及び用量ダイヤルスリーブの両者が、前記薬物送達ハウジングの該近位端から並進移動する。前記ハウジングの窓から目視できる非反転のスケールは、前記用量の代表例である。この薬物送達デバイスにおいて、前記用量は、前記用量ダイヤルグリップを前記使用者の方向に回転して増加し得る。
【0023】
出願人が提案した薬物送達デバイスの様々な態様のこれらの並びにその他の利点は、添付の図面の適切な参照と共に、次の詳細な記載を読むことにより当業者には明確になるであろう。
【0024】
例示的な実施態様は図面を参照して本明細書に記載される。