特許第5890231号(P5890231)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5890231ケース組み立て用シート、包装ケース及び包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890231
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】ケース組み立て用シート、包装ケース及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/20 20060101AFI20160308BHJP
【FI】
   B65D3/20
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-87265(P2012-87265)
(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公開番号】特開2013-216346(P2013-216346A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】591123252
【氏名又は名称】菱江産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 誠
(72)【発明者】
【氏名】庄 美月
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−020818(JP,A)
【文献】 特開平11−180432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 3/02−3/20
B65D 5/10−5/14
B65D 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に折れ線が形成された所定形状のプラスチックシートであって折れ線に沿ってシートを折り曲げることにより有底筒形の包装ケースに組み立てられるケース組み立て用シートにおいて、
包装ケース(1)の前後となる前面部(2)と後面部(3)とこれら両面部の少なくとも一方の側端に設けられた糊代片(5)とが縦折れ線(4,6)で区画され、
前面部(2)と後面部(3)の下端には互いに組み合わさって包装ケース(1)の底面部を構成する底フラップ(7,7)が横折れ線(8)を挟んでそれぞれ設けられ、
両底フラップ(7,7)は、それぞれ前面部(2)と後面部(3)の下辺の中央位置から底フラップ(7)の外縁に至る縦折れ線(10)と当該縦折れ線(10)の根元部から左右に分岐した斜め折れ線(11,11)により左右底面部(71,72)と折り返し面部(73,73)とに区画されているとともに、左右底面部(71,72)の何れか一方の先端部に横折れ線(12)により区画された糊代面部(75)が設けられた構成を有することを特徴とするケース組み立て用シート。
【請求項2】
両底フラップ(7,7)の折り返し面部(73,73)の両側に、それぞれ前面部(2)と後面部(3)の下辺から伸びた縦折れ線(13)により折り返し面部(73)と区画された起立面部(76)が設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載のケース組み立て用シート。
【請求項3】
両底フラップ(7,7)の折り返し面部(73,73)の両側に、それぞれ前面部(2)と後面部(3)の下辺から伸びて斜め折れ線(11)と交差する縦折れ線(13)により折り返し面部(73)と区画されていて、表面に前記縦折れ線(13)の根元部から分岐して外縁に至る斜め折れ線(14)が形成されてなる起立面部(76)が設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載のケース組み立て用シート。
【請求項4】
底フラップ(7)の左右底面部(71,72)を区画する縦折れ線(10)の長さ(L)が、包装ケース(1)に組み立てられたときに前面部(2)と後面部(3)の上辺により区画されるケース開口の中心(O)と前面部(2)又は後面部(3)の上辺の中央を結んだ長さ(L1)よりも長く設定(L>L1)された構成を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のケース組み立て用シート。
【請求項5】
前面部(2)と後面部(3)の少なくとも何れか一方に包装ケース(1)の蓋部を構成する蓋面部(17)が設けられた構成を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のケース組み立て用シート。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のケース組み立て用シート(1S)を用いて組み立てられた包装ケース。
【請求項7】
請求項6に記載の包装ケース(1)に物品が収納されてなる包装体。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明度の高いプラスチックにより成形されたシートを所定形状に打ち抜き、その表面に形成された折れ線に沿って折り曲げて組み立てられ、化粧品や日用品その他の物品を収納して販売や展示に供するのに好適なプラスチックシート製の包装ケース及びこれを組み立てるためのケース組み立て用シートの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
店頭で化粧品などを陳列し展示販売する際に、例えば図13(A)に示されるような略円筒形の包装ケースが利用されている。
この包装ケース100は、同図(B)に示されるように、略矩形のプラスチックシートの両端部を接着して筒状に形成された、包装ケース100の周側面部を構成する本体シート101と、底面部を構成する底枠102と、蓋面部を構成する蓋枠103とからなり、折れ線に沿って二つ折りにされた本体シート101を押し開いて円筒形となし、その上下開口に底枠102と蓋枠103を嵌め入れて一体化することで組み立てられるようになっている。
【0003】
また、矩形に開口する箱形の包装ケースにおいては、包装ケースの底面部を構成する底フラップを互いに貼り合わせてケース内方に折り畳めるように設けることで、包装ケースの保管や輸送時にはケースを平面的に折り畳んでおき、物品を包装する際には二つ折りされていたケースを立体的な箱形にワンタッチで組み立てることができるように構成されたものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−180139号公報
【特許文献2】特開2011−63276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図示した略円筒形の包装ケース100は、本体シート101、底枠102及び蓋枠103の三点の部材により構成されているため製作コストが嵩み、また、ケースの組み立てにも手間を要し、物品の包装コストは高くならざるを得ない。
略円筒形の包装ケースの簡易な構成として、円筒状の本体シートの上下両辺に折れ線を挟んで底面部や蓋面部を構成する略円形のシート片を連設した構成が考えられるが、これでは組み立てた包装ケースの剛性が低くなってケースに収容した物品が抜け落ちたり外力を受けたときに傷ついたりする虞がある。また、一枚のシートで包装ケースが組み立てられるようにするため、包装ケースの略円形の底面部を複数枚の底フラップを組み合わせて構成することが考えられるが、これでは底フラップの組み合わせに手間がかかり、包装ケースの組み立てに時間がかかってしまう。
略円筒形の包装ケースは、前記箱形の包装ケースのような二つ折り状態からワンタッチで立体的に組み立てることができる構成のものは従来にはなく、前記のように、包装ケースの周側面部と底面部や蓋面部を別部材で構成せざるを得ないのが実状である。
【0006】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、所定形状に裁断された一枚のプラスチックシートを折り曲げて略円形や楕円形の開口面を有する筒形の包装ケースを構成し、二つ折りにした状態から簡易な操作で立体的に組み立てることができ、組み立てられたケースで物品を安定的に包装できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、表面に折れ線が形成された所定形状のプラスチックシートであって折れ線に沿ってシートを折り曲げることにより円形又は楕円形の開口面を有する有底筒形略円筒形の包装ケースに組み立てられるケース組み立て用シートにおいて、
包装ケースの前後となる前面部と後面部とこれら両面部の少なくとも一方の側端に設けられた糊代片とが縦折れ線で区画され、
前面部と後面部の下端には互いに組み合わさって包装ケースの底部を構成する底フラップが横折れ線を挟んでそれぞれ設けられ、
両底フラップは、それぞれ前面部と後面部の下辺の中央位置から底フラップの外縁に至る縦折れ線と当該縦折れ線の根元部から左右に分岐した斜め折れ線により左右底面部と折り返し面部とに区画されているとともに、左右底面部の何れか一方の先端部に横折れ線により区画された糊代面部が設けられた構成を有することを特徴とする。
なお、前記横折れ線は縦折れ線に対して垂直に交差する向きに設けられた折れ線、斜め折れ線は縦折れ線と横折れ線に対して斜めに交差する向きに設けられた折れ線をいう。
【0008】
これによれば、前記構成のケース組み立て用シートをその表面に付された折れ線に沿って折り曲げ、糊代片を前面部又は後面部の側端部に固着し、前面部と後面部の下側で対向する両底フラップの糊代面部を対向する他側の底フラップの外面に固着することにより包装ケースに組み立てることができる。
組み立てられた包装ケースは、各折れ線に沿って折り曲げられた状態で、糊代片を介して筒状に一つながりに接続した前面部と後面部がそれぞれの両側の縦折れ線で二つ折りに折れ曲がって上下に重なり、互いに糊代面部を固着して一体に接続した両底フラップは前面部と後面部の下辺である横折れ線に沿って包装ケースの内側に折り曲げられて、前面部と後面部の間に折り畳まれる。二つ折りに折り畳んだ状態で包装ケースを保管したり運搬したりすれば、多数の包装ケースを小さな収容スペースに積み重ねておくこが可能であり、保管や運搬のためのスペースが嵩張ることはない。
【0009】
二つ折りに折り畳まれた状態から包装ケースを組み立てるには、包装ケースを手で把持して前記折れ重なった前面部と後面部の縦折れ線に沿った両側部に指を掛け、両側部を指で挟む要領で当該両側部にケース内方向きの力を加えれば、前記縦折れ線を軸に前面部と後面部が開く方向に変形するのに連動して、ケース内側に折り畳まれていた両底フラップが前記前面部と後面部の下辺間に展開し、有底筒形の立体的なケース形態に組み立てることができる。
すなわち、前記二つ折り状態の前面部と後面部の両側部を把持して両側部を近づける方向に力を加えれば、重なっていた前面部と後面部が両側部に沿った縦折れ線を軸に互いに遠ざかる向きに開いて湾曲し、これに伴って両底フラップの折り返し面部が前面部と後面部の内面に圧接して包装ケースの底部側開口面を押し開かせるとともに、両底フラップの互いに噛み合った左右底面部が偏平状に変形して底部側開口面内に繰り出し、当該左右底面部をその中央で区画する縦折れ線が底面部下方に向けて山折れすることにより展開した両底フラップが保形され、上面を開口した有底筒形に包装ケースを組み立てることができる。
【0010】
組み立てられた包装ケースは、その底面部が互いに糊代面部により一体に固着された一対の底フラップを組み合わせて構成されているので十分な剛性を備え、包装ケース内で物品を当該底面部上に載せて安定的に収納することが可能である。
そして、組み立てられた包装ケースの上面開口から物品を収納し、別成形した蓋部を上面開口に取り付けて開口を閉鎖することで物品の包装が完了し、これを店頭での陳列や展示販売に供することができる。
ケース組み立て用シートの、前面部と後面部の少なくとも何れか一方に包装ケースの蓋部を構成する蓋面部を設けてもよい。
【0011】
前記構成のケース組み立て用シートにおいて、二つ折り状態の包装ケースを組み立てる際に、前面部と後面部の両側部を押動する操作に連動して、前面部と後面部の間に折り畳まれた両底フラップを起こし易くしてスムーズに展開させるため、両底フラップの折り返し面部の両側に、それぞれ前面部と後面部の下辺から伸びた縦折れ線により折り返し面部と区画された起立面部が設けられていることが好ましい。
また、両底フラップの折り返し面部の両側に、それぞれ前面部と後面部の下辺から伸びて斜め折れ線と交差する縦折れ線により折り返し面部と区画されていて、表面に前記縦折れ線の根元部から分岐して外縁に至る斜め折れ線が形成されてなる起立面部が設けられていてもよい。
さらに、底フラップの左右底面部を区画する縦折れ線の長さ(L)が、包装ケースに組み立てられたときに前面部と後面部の上辺により区画されるケース開口の中心(O)と前面部又は後面部の上辺の中央を結んだ長さ(L1)よりも長く設定(L>L1)された構成を有することが好ましい。縦折れ線の長さが前記の如く設定されていれば、包装ケースの前面部と後面部の両側部を押動操作した際に、両底フラップの左右底面部が変形して包装ケースの底面部が組み上がる過程で、縦折れ線が山折れすることにより包装ケースの底部側開口面が蓋部側開口面よりも開口したときに、「カチッ」というシート同士が屈曲し或いは擦れる音を発するとともに押動操作により手にかかる負荷が突然大きくなって、組み立てが完了したことを認識させるクリック感を得ることができる。前記音が発せられた位置で包装ケースの側端部から指を外せば、底部側開口面内に展開した両底フラップが保形され、包装ケースは有底筒形に保持される。
【0012】
前記構成において、ケース組み立て用シートを構成するプラスチックシートの材質としては、耐折性が良好なポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、或いはポリ乳酸などの生物由来性樹脂、その他の樹脂単体又はこれらの複合体からなるプラスチックシートを用いることができる。特にポリエステル製のシートは、透明性が良好で剛性が高い点で好ましく、中でも未延伸のポリエステル製シートは、より透明性が良好で且つ未延伸であるためシートの方向に関係なく強度が高い点で好ましい。
プラスチックシートの肉厚は、0.1〜0.8mmに設定することができる。0.1mmより薄いとシート面板の折れ曲がりや破損を来しやすくなり、0.8mmよりも厚いと折り曲げ加工に要する圧力は大となる。耐折性や剛性などを考慮すると、0.2〜0.6mmに設定することが好ましい。
プラスチックシートの表面に形成される、折れ線である折り曲げ罫線の種類は問わず、ミシン目などのスリットを断続させた罫線や凹穴状の押し罫線、V字やU字状、台形状の溝を断続又は連続させた罫線、溝内を二段溝状とした二段罫線、筋状の溝を平行に近接配置した罫線などプラスチックシートを罫線に沿って折り曲げることが可能な適宜な種類の罫線をケースの寸法やプラスチックシートの材質、剛性、厚みなどに応じて適宜に設定することができる。
ケース組み立て用シートを糊代片や糊代面部で固着する手段は、接着剤や粘着剤、片面や両面粘着テープなど、適宜な固着手段を用いることができる。
なお、本発明は開口面が円形や略円形、楕円形、略楕円を呈する包装ケースの他に、二つ折りに畳まれた状態から立体的に組み立てられる筒形の包装ケースであって、開口面が方形状や多角形状、その他の形状を呈する構成のものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の包装ケースに別成形の蓋部を装着して構成された包装体の正面側外観斜視図(A)と側面側外観斜視図(B)である。
図2図1の包装ケースのシート展開図である。
図3図2のシートの底フラップを折り曲げて接着剤の塗布位置を示した図である。
図4図1の包装ケースを二つ折りにした状態の外観図である。
図5】(A)〜(D)は二つ折りにした状態の包装ケースを立体的に組み立てる過程を説明するための図であり、包装ケースはその底面側の外観を示している。
図6】第1実施形態におけるシートの展開図の折れ線の別形態を示した図である。
図7】本発明の第2実施形態におけるシートの展開図である。
図8】本発明の第3実施形態におけるシートの展開図である。
図9】本発明の第4実施形態の包装ケースの正面側外観図(A)と側面側外観斜視図(B)である。
図10図9の包装ケースのシート展開図である。
図11図9の包装ケースに物品を収納した状態の正面側外観図である。
図12図9の包装ケースの底面部のクッション機能を説明するための図である。
図13】従来の包装ケースの外観図(A)と組み立て前における構成部材の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態の包装ケースに蓋部を装着して構成された包装体を示しており、この包装体Pは、ケース組み立て用シート1Sを折り曲げて上部が楕円形に開口した有底筒形の包装ケース1を組み立て、この包装ケース1の上部開口に別成形した蓋部15を装着して一体に取り付け、開蓋した蓋部15から包装ケース1内に物品を収納して展示販売に供されるように構成したものである。
【0015】
ケース組み立て用シート1Sは、透明なプラスチックシートを所定形状に打抜き、その表面に複数の折れ線を付設して形成されており、図2に示されるように、包装ケース1の前後となる前面部2と後面部3を縦折れ線4で区画するとともに前面部2の側端に設けられた糊代片5を縦折れ線6で区画し、前面部2と後面部3の下端に、それぞれ互いに組み合わさって包装ケース1の底部を構成する底フラップ7,7をそれぞれ突設し、且つ前後両面部2、3と底フラップ7,7の境界を横折れ線8で区画して形成してある。
【0016】
より詳しくは、前面部2と後面部3は、ともに周囲が方形に縁取られ、それぞれ上端よりも若干下側の面内に、蓋部15の周面に設けた突起が嵌る係合孔21,31を形成してある。また、後面部3の上端中央には、陳列用のフックが貫通する通孔32aを有する係止片32が横折れ線9を挟んで突設してある。
【0017】
前面部2と横面部3の下端に突設された底フラップ7,7は同形状を呈しており、その面内を、それぞれ前面部2と後面部3の下辺の中央位置から底フラップ7の外縁に至る縦折れ線10と当該縦折れ線10の根元部から左右に分岐した斜め折れ線11,11により、左側底面部71と右側底面部72と折り返し面部73,73とに区画するとともに、右側底面部72の先端部に、前記縦折れ線10に沿って適宜な幅切除した切欠部74を設け、この切欠部74に横折れ線12により区画された糊代面部75を並設して形成してある。
【0018】
また、両底フラップ7,7の折り返し面部73,73の両側には、それぞれ前面部2と後面部3の下辺から下方に伸びて前記斜め折れ線11,11と交差する縦折れ線13,13により折り返し面部73,73と区画されていて、表面に前記縦折れ線13の根元部から分岐して外縁に至る斜め折れ線14が形成されてなる、外周が湾曲した形状の起立面部76,76を一体に連設してある。
なお、両底フラップ7、7の左右底面部71,72を区画する前記縦折れ線10の長さL(図2中の符号参照)は、包装ケース1が組み立てられたときに前面部2と後面部3の上辺により区画されるケース開口の中心Oと前面部2又は後面部3の上辺の中央を結んだ長さL1(図1中の符号参照)よりも長く、つまりL>L1となるように設定してある。
【0019】
このように形成されたケース組み立て用シート1Sは以下のようにして包装ケース1に組み立てることができる。
先ず、図3に示されるように、横折れ線8で底フラップ7,7を内折れさせて前面部2と後面部3の内面に折り重ねるとともに糊代面部75,75を横折れ12で外折れさせ、糊代片5と糊代面部75,75の表面に接着剤16を塗布する。
次いで、前面部2、後面部3及び糊代片5を縦折れ線4,6に沿ってそれぞれ内折れさせ、糊代片7を後面部3の側端外面に接着して前後両面部2,3を一体の筒状となし、糊代面部75,75を、前後両面部2,3が折り重なることに伴って、それぞれの糊代面部75,75に折り重なる、対向位置の他側の底フラップ7の左側底面部71の外面にそれぞれ接着する。
糊代片5と糊代面部75,75の接着が完了した包装ケース1は、図4に示されるように、前面部2と後面部3がそれぞれの両側の縦折れ線4,6で二つ折りに折れ曲がって上下に重なり、両底フラップ7,7は前面部2と後面部3の間に折り畳まれ、かかる二つ折り状態で収容スペースを嵩張らせることなく保管や運搬に供することができる。
【0020】
二つ折りに折り畳まれた包装ケース1を立体的に組み立てるには、図5(A)に示されるように包装ケース1を把持して、前面部2と後面部3の両側部に指を掛けて両側部が近づく方向に力を加えれば、重なっていた前面部2と後面部3が両側部に沿った縦折れ線4,6を軸に互いに遠ざかる向きに開いて湾曲し、これに伴い前後両面部2,3の間に折り畳まれた両底フラップ7,7の起立面部76,76が斜め折れ線14と縦折れ線13に沿って折れ曲がり、前記縦折れ線13の折れ曲がりにより折り返し面部73,73を前面部2と後面部3の内面に圧接せしめて包装ケース1の底部側開口面を押し開かせる。
さらに、同図(B)に示されるように、両底フラップ7,7の折り返し面部73,73が前後両面部2,3の内面に圧接するのに伴って、互いに噛み合った左右底面部71,72が斜め折れ線11,11に沿って偏平状に変形して底部側開口面内に繰り出すとともに、当該左右底面部71,72をその中央で区画する縦折れ線10が底面部下方に向けて山折れする。
そして、同図(C)に示されるように、縦折れ線10が山折れすることにより包装ケース1の底部側開口面が蓋部側開口面よりも開口したときに、「カチッ」というシート同士が屈曲し或いは擦れる音を発するとともに、前面部2と後面部3の両側部を押動操作する指にかかる負荷が突然大きくなって、組み立てが完了したことを認識させるクリック感が得られ、音がした位置で前記両側部に掛けた指を外せば、同図(D)に示されるように、底部側開口面内に展開した両底フラップ7,7が保形され、包装ケース1は有底筒形に保持されて組み立てが完了する。
【0021】
さらに、前述の如く、組み立てられた包装ケース1の上部開口に別成形した蓋部15を装着して一体に取り付け、開蓋した蓋部15から包装ケース1内に物品を収納して、ケース内に包装された物品を店頭で陳列し、展示販売に供することができる。
組み立てられた包装ケース1は、その底面部が、図1及び図5(D)に示されるように、底フラップ7,7が、互いに左側底面部71,71の先端をケース内方に突出させて正面視V字形に噛み合い、前面部2と後面部3の下端部間に保形されるので、このV字形に噛み合った底フラップ7,7で包装ケース1内に収納される物品を安全に保護して包装することができる。すなわち、V字形に噛み合った底フラップ7,7は、その上面に下向きの荷重がかかると、これに反発して元に戻ろうとするクッション性或いはスプリング性を発揮し、物品を収納した状態で搬送中に包装ケース1に下向きの荷重がかかったり陳列中に包装ケース1が落下して衝撃を受けたりしても、これら荷重や衝撃をV字形の底フラップ7,7が吸収し、物品が傷ついたり破損したりすることを防止することが可能である。
【0022】
なお、包装ケース1を二つ折り状態から立体的に組み立てる際に、二つ折りの包装ケース1の両側部を押動操作するのに伴って両底フラップ7,7が底部側開口面ン内でよりスムーズに展開するように、図6に示されるように、起立面75の面内に設ける斜め折れ線14は湾曲させることが好ましい。
また、前記押動操作の際に、両底フラップ7,7の起立面部76が先に開き、これに連動してその後から折り返し面部73,73が起きるように、前後両面部2,3と両底フラップ7,7を区画する横折れ線8のうち、起立面部75を区画する領域の横折れ線81は曲り易い柔らか目の折れ線、折り返し面部73を区画する領域の横折れ線82は曲り難い固めの折れ線に設けることが好ましい。これにより、二つ折りの包装ケース1を、より組み立てやすくなり、また、所定の立体的形状に確実に組み上げることが可能となる。
【0023】
図7は本発明の第2実施形態におけるケース組み立て用シート1Sを示している。図示したケース組み立て用シート1Sも、前記と同様に糊代片5と糊代面部75,75を固着して包装ケース1に組み立てられ、同図に示されるような底フラップ7の形態でも、前記と同様の操作で二つ折り状態の包装ケース1を立体的に組み立てることが可能である。
【0024】
図8は本発明の第3実施形態におけるケース組み立て用シート1Sを示しており、これは、前面部2の上端に横折れ線18を挟んで蓋面部17を設けた形態である。蓋面部17を一体に設けることで、別成形の蓋部15を用いることなく、包装ケース1単体で包装体Pを構成することが可能となる。
【0025】
また、図9は本発明の第4実施形態の包装体Pを示しており、この包装体Pは、前記形態の如き別成形の蓋部15を用いずに、前面部2の上部に蓋面部17が一体に設けられたケース組み立て用シート1Sを折り曲げて組み立てられる包装ケース1単体で構成したものである。
【0026】
図10に示されるように、本形態のケース組み立て用シート1Sも、前記各形態と同様に、包装ケース1の前後となる前面部2と後面部3を縦折れ線4で区画するとともに後面部3の側端に設けられた糊代片5を縦折れ線6で区画し、前面部2と後面部3の下端に、それぞれ互いに組み合わさって包装ケース1の底部を構成する底フラップ7,7をそれぞれ突設し、且つ前後両面部2、3と底フラップ7,7の境界を横折れ線8で区画して形成してある。
【0027】
より詳しくは、前面部2は、その上辺が所定の曲率半径で略々扇形に湾曲し、この上辺よりも下方の面内に当該上辺と略同じ曲率半径で且つ反対向きに湾曲した湾曲折れ線19が設けられ、当該湾曲折れ線19で区画された前面部2の上部を略楕円形の蓋面部17としてある。
前面部2の略々扇形に湾曲した上端であって蓋面部17の先端部には、湾曲折れ線19を挟んで差込み片17aが設けられ、蓋面部17の面内であって差込み片17aと対向する位置には指掛け用の湾曲したスリット17bを形成してある。
また、後面部3の上部中央には、陳列用のフックが貫通する通孔32aを形成してある。
【0028】
前面部2と横面部3の下端に突設された底フラップ7,7は同形状を呈しており、その面内を、それぞれ前面部2と後面部3の下辺の中央位置から底フラップ7の外縁に至る縦折れ線10と当該縦折れ線10の根元部から左右に分岐した斜め折れ線11,11により、左側底面部71と右側底面部72と折り返し面部73,73とに区画するとともに、右側底面部72の先端部に、前記縦折れ線10に沿って適宜な幅切除した切欠部74を設け、この切欠部74に横折れ線12により区画された糊代面部75を並設して形成してある。
また、両底フラップ7,7の折り返し面部73,73の両側には、それぞれ前面部2と後面部3の下辺から下方に伸び縦折れ線13により折り返し面部73,73と区画されていて、前面部2と後面部3の側部下端から下方に突設した起立面部76,76を一体に連設してある。
【0029】
このように形成されたケース組み立て用シート1Sは、前記各形態と同様にして包装ケース1に組み立てることができる。
すなわち、横折れ線8で底フラップ7,7を内折れさせて前面部2と後面部3の内面に折り重ねるとともに糊代面部75,75を横折れ12で外折れさせ、糊代片5と糊代面部75,75の表面に接着剤16を塗布し、次いで、前面部2、後面部3及び糊代片5を縦折れ線4,6に沿ってそれぞれ内折れさせ、糊代片7を前面部2の側端外面に接着して前後両面部2,3を一体の筒状となし、糊代面部75,75を、前後両面部2,3が折り重なることに伴って、それぞれの糊代面部75,75に折り重なる、対向位置の他側の底フラップ7の左側底面部71の外面にそれぞれ接着することで、両底フラップ7,7が前面部2と後面部3の間に折り畳まれた二つ折り状態の包装ケース1が形成される。
【0030】
そして、二つ折りに折り畳まれた包装ケース1を把持し、前面部2と後面部3の両側部に指を掛けて両側部が近づく方向に力を加えて、重なっていた前面部2と後面部3を押し開けば、両底フラップ7,7の起立面部76,76が縦折れ線13に沿って折れ曲がり、これに伴って互いに噛み合った両底フラップ7,7の左右底面部71,72が斜め折れ線11,11に沿って偏平状に変形して底部側開口面内に繰り出し、当該左右底面部71,72をその中央で区画する縦折れ線10が底面部下方に向けて山折れして、底部側開口面内に両底フラップ7,7が展開することで、包装ケース1が有底筒形に保持されて組み立てが完了する。
【0031】
組み立てられた包装ケース1は、図11に示されるように、その上部開口から物品Gを収納し、湾曲折れ線19に沿って蓋面部17を折り曲げて上部開口を閉鎖して、ケース内に包装された物品を店頭で陳列し、展示販売に供することができる。
【0032】
包装ケース1に収納された物品Gは、図12に示されるように、ケース底面部のV字形に噛み合った底フラップ7,7上に載ってケース内に包持され、包装ケース1に下向きの荷重や衝撃がかかっても、V字形の底フラップ7,7がこれを吸収して物品Gに傷がついたり破損したりすることを効果的に防止し、収納された物品Gを安全に保護して包装することが可能である。
【0033】
なお、図示した包装体P、ケース組み立て用シート1S及び包装ケース1は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明はこれらに限定されず、収納する物品の形態や包装の態様などに応じて他の適宜な形態で構成することが可能である。各図に示した構成の組み合わせは適宜に行われる。また、本発明は上部が円形や略円形、方形、その他多角形状に開口した包装ケースにも適用が可能である。
【符号の説明】
【0034】
P 包装体、1 包装ケース、1S ケース組み立て用シート、2 前面部、3 後面部、5 糊代片、7 底フラップ、71,72 左右底面部、73 折り返し面部、74 切欠部、75 糊代面部、76 起立面部、4,6,10,13 縦折れ線、8,9,12,18 横折れ線、11,14 斜め折れ線、15 蓋部、16 接着剤、17 蓋面部、19 湾曲折れ線、G 物品
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