(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、給紙元が前記第2給紙部である印刷ジョブの実行中に、次に実行する印刷ジョブにおける給紙元が前記第1給紙部であると判断した場合において、実行中の印刷ジョブの終了以前に、前記接離駆動部により、前記第1給紙台上の最上位の印刷媒体と前記第1ローラとを当接させるための相対移動を開始させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
前記制御部は、本印刷装置の動作を停止したときに、前記第2ローラに印刷媒体が挟持されている場合、前記駆動源の前記出力軸を前記第2回転方向に回転駆動させて、印刷媒体を解放するまで前記第2ローラを駆動させることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
用紙のサイズや種類が変わっても安定してたるみの形成および斜行補正を行うため、レジストローラへと用紙を搬送する外部給紙部の一次給紙ローラおよび内部給紙部の中間搬送ローラには、安定した搬送性能が求められる。
【0008】
しかし、上述のように駆動力伝達系にワンウェイクラッチを設けた場合、ワンウェイクラッチのバックラッシュやオーバーランの影響で、一次給紙ローラおよび中間搬送ローラの搬送精度が低下することがある。また、駆動力伝達系に電磁クラッチを設けた場合、電磁クラッチの動作に要する時間のために駆動力の伝達が遅れ、その結果、一次給紙ローラおよび中間搬送ローラの搬送精度が低下することがある。このようなレジストローラへの搬送精度の低下により、レジストローラでの用紙のたるみ量が不安定になったり、レジストローラへの衝突時の用紙の速度が想定よりも速くなって衝突音が大きくなったりする不都合があった。
【0009】
駆動力伝達系のワンウェイクラッチ等の駆動力切断手段を削除すれば、上述のようなレジストローラへの搬送精度の低下を抑えることが可能になる。
【0010】
ここで、モータから外部給紙部の一次給紙ローラへの駆動力伝達系のワンウェイクラッチ等の駆動力切断手段を削除すると、内部給紙部からの給紙における中間搬送ローラの駆動時にも、外部給紙部の一次給紙ローラが駆動される。一次給紙ローラは、前述のように、サイド給紙トレイ上の用紙をピックアップして搬送するものであるため、用紙に当接している。このため、内部給紙部からの給紙時に一次給紙ローラが駆動されることは好ましくない。このようなことから、モータから一次給紙ローラへの駆動力伝達系ではワンウェイクラッチ等の駆動力切断手段を削除することは好ましくない。
【0011】
一方、モータから中間搬送ローラへの駆動力伝達系の駆動力切断手段を削除すると、外部給紙部からの給紙における一次給紙ローラの駆動時にも、内部給紙部の中間搬送ローラが駆動される。中間搬送ローラは、前述のように、内部給紙部からの給紙時に、給紙トレイからローラにより取り出されて搬送されてきた用紙を受け取ってレジストローラへと搬送するものである。外部給紙部からの給紙時には、内部給紙部の給紙トレイから中間搬送ローラへの用紙の搬送は行われない。このため、外部給紙部からの給紙時に内部給紙部の中間搬送ローラが駆動されても、空転するだけであり、これによる不都合はない。
【0012】
ところで、印刷装置において、用紙の詰まり(ジャム)が発生して、印刷ジョブの実行中に動作を停止することがある。このように印刷装置の動作が停止した場合、ユーザが、装置内に残留した用紙を取り除く、ジャム解除の作業を行う。
【0013】
ここで、モータから中間搬送ローラへの駆動力伝達系の駆動力切断手段を削除した構成において、内部給紙部から給紙する印刷ジョブの実行中に、ジャムの発生により、中間搬送ローラが用紙をニップ(挟持)した状態で印刷装置の動作が停止したとする。中間搬送ローラにニップされた用紙を取り除くためにユーザが用紙を引っ張ると、中間搬送ローラが回転する。この回転は、駆動力伝達系によりモータの出力軸に伝達される。これにより、モータの出力軸が回転する。
【0014】
ユーザが、中間搬送ローラによる用紙の搬送方向(下流側)に用紙を引っ張った場合、中間搬送ローラの回転により、モータの出力軸は逆転方向に回転する。ここで、モータが一次給紙ローラを用紙の搬送方向に駆動させる回転方向を正転方向、モータが中間搬送ローラを用紙の搬送方向に駆動させる回転方向を逆転方向とする。モータの出力軸が逆転方向に回転しても、その回転は、モータから外部給紙部の一次給紙ローラへの駆動力伝達系のワンウェイクラッチ等により、一次給紙ローラへは伝達されない。
【0015】
しかし、ユーザが、中間搬送ローラによる用紙の搬送方向の反対側(上流側)に用紙を引っ張った場合、中間搬送ローラの回転により、モータの出力軸は正転方向に回転する。これにより、外部給紙部の一次給紙ローラが回転する。この結果、意図しない用紙が、一次給紙ローラによりサイド給紙トレイからレジストローラへと送り出されてしまう。
【0016】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、レジストローラへの印刷媒体の搬送精度の低下を抑えるようにしても、ジャム解除時に意図しない印刷媒体がレジストローラへと送り出されることを防止できる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、印刷媒体を印刷部へと搬送するレジストローラと、第1給紙台上に積載された印刷媒体を分離して前記レジストローラへ搬送する第1ローラを有する第1給紙部と、第2給紙台から取り出された印刷媒体を受け取って前記レジストローラへ搬送する第2ローラを有する第2給紙部と、第1回転方向および第2回転方向の回転駆動力を出力する出力軸を有する駆動源と、前記第1回転方向の回転駆動力のみを前記駆動源の前記出力軸から前記第1ローラへ伝達する第1伝達部と、前記駆動源の前記出力軸と前記第2ローラとを常時、前記第1回転方向および第2回転方向の回転駆動力を伝達可能に接続する第2伝達部と、前記第1給紙台上の最上位の印刷媒体と前記第1ローラとを接離させる接離駆動部と、前記第1給紙部からの給紙を行う場合、前記駆動源の前記出力軸を前記第1回転方向に回転駆動させ、前記第2給紙部からの給紙を行う場合、前記駆動源の前記出力軸を前記第2回転方向に回転駆動させる制御部とを備え、前記制御部は、前記第2給紙部からの給紙の際、前記接離駆動部により前記第1給紙台上の最上位の印刷媒体と前記第1ローラとを離間させることにある。
【0018】
本発明に係る印刷装置の第2の特徴は、前記制御部は、給紙元が前記第2給紙部である印刷ジョブの実行中に、次に実行する印刷ジョブにおける給紙元が前記第1給紙部であると判断した場合において、実行中の印刷ジョブの終了以前に、前記接離駆動部により、前記第1給紙台上の最上位の印刷媒体と前記第1ローラとを当接させるための相対移動を開始させることにある。
【0019】
本発明に係る印刷装置の第3の特徴は、前記制御部は、本印刷装置の動作を停止したときに、前記第2ローラに印刷媒体が挟持されている場合、前記駆動源の前記出力軸を前記第2回転方向に回転駆動させて、印刷媒体を解放するまで前記第2ローラを駆動させることにある。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、第2伝達部が駆動源の出力軸と第2ローラとを常時、駆動力伝達可能に接続していることで、第2ローラによるレジストローラへの印刷媒体の搬送精度の低下を抑えるようにしている。そして、制御部は、第2給紙部からの給紙の際、第1給紙台上の最上位の印刷媒体と第1ローラとを離間させている。これにより、ジャム解除時に第2ローラがニップしている印刷媒体が引っ張られることにより第2ローラが回転し、この回転が第2伝達部、駆動源の出力軸、第1伝達部により伝達されて第1ローラが回転しても、意図しない印刷媒体が第1給紙台からレジストローラへと送り出されることがない。したがって、第1の特徴によれば、レジストローラへの印刷媒体の搬送精度の低下を抑えるようにしても、ジャム解除時に意図しない印刷媒体がレジストローラへと送り出されることを防止できる。
【0021】
本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、給紙元が第2給紙部である印刷ジョブの実行中に、次に実行する印刷ジョブにおける給紙元が第1給紙部であると判断した場合において、実行中の印刷ジョブの終了以前に、第1給紙台上の最上位の印刷媒体と第1ローラとを当接させるための相対移動を開始させる。これにより、印刷装置は、次の印刷ジョブの給紙を速やかに開始でき、生産性の低下を抑えることができる。
【0022】
本発明に係る印刷装置の第3の特徴によれば、制御部は、印刷装置の動作を停止したときに、第2ローラに印刷媒体が挟持されている場合、印刷媒体を解放するまで第2ローラを駆動させる。これにより、ジャム解除時に第2ローラが印刷媒体を挟持していることがないようにして、意図しない印刷媒体が第1給紙台からレジストローラへと送り出されることをより確実に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0025】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成図、
図2は、
図1に示す印刷装置の制御系の構成を示すブロック図、
図3は、
図1に示す印刷装置の共通駆動部の正面図、
図4は、共通駆動部の側面図である。以下の説明において、ユーザが位置する
図1の紙面表方向を前方とする。また、
図1に示すように、ユーザから視て、上下左右を上下左右方向とする。
【0027】
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が通常経路RC、一点鎖線で示す経路が反転経路RR、破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が給紙経路RSである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0028】
図1、
図2に示すように、本実施の形態に係る印刷装置1は、給紙部2と、印刷部3と、上面搬送部4と、排紙部5と、反転部6と、制御部7と、各部を収納または保持する筐体8とを備える。
【0029】
給紙部2は、用紙Pの給紙を行う。給紙部2は、外部給紙部11と、内部給紙部12と、レジストローラ13と、昇降モータ14と、内部給紙モータ15と、共通駆動部16と、レジストモータ17とを備える。
【0030】
外部給紙部11は、レジストローラ13へ用紙Pを搬送する。外部給紙部11は、請求項の第1給紙部に相当する。外部給紙部11は、外部給紙台21と、外部給紙スクレーパローラ22(以下、適宜にスクレーパローラ22という)と、外部給紙ピックアップローラ23(以下、適宜にピックアップローラ23という)と、サバキ板24とを備える。
【0031】
外部給紙台21は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台21は、一部が筐体8の外部に露出して設置されている。外部給紙台21は、請求項の第1給紙台に相当する。
【0032】
スクレーパローラ22は、外部給紙台21上に積層された用紙Pのうちの最上位(最も上側)の用紙Pに当接し、回転することで、積層された用紙Pから最上位の用紙Pを分離してレジストローラ13側(右側)へ送る。スクレーパローラ22は、外部給紙台21の右端部の上方に配置されている。スクレーパローラ22は、請求項の第1ローラに相当する。
【0033】
ピックアップローラ23は、下方に配置されたサバキ板24との間で用紙Pをさばいて右側へ搬送する。ピックアップローラ23は、スクレーパローラ22の右側に隣接して配置されている。
【0034】
サバキ板24は、ピックアップローラ23により用紙Pが1枚ずつ搬送されるように用紙Pをさばくためのものである。サバキ板24は、ピックアップローラ23に下方から当接する。
【0035】
内部給紙部12は、レジストローラ13へ用紙Pを搬送する。内部給紙部12は、請求項の第2給紙部に相当する。内部給紙部12は、複数の内部給紙台31と、複数の内部給紙スクレーパローラ32(以下、適宜にスクレーパローラ32という)と、内部給紙ピックアップローラ33(以下、適宜にピックアップローラ33という)と、複数のサバキ板34と、複数対の縦搬送ローラ35と、中間搬送ローラ36とを備える。
【0036】
内部給紙台31は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。内部給紙台31は、筐体8内の下部に配置されている。内部給紙台31には、可動板37が設けられている。可動板37は、内部給紙台31の底面上に設けられた板状部材からなる。可動板37上に用紙Pが積載される。可動板37は、図示しない可動板モータにより、左端側が上下動可能に構成されている。これにより、可動板37上に積載された最上位の用紙Pをスクレーパローラ32に当接させることができるようになっている。内部給紙台31は、請求項の第2給紙台に相当する。
【0037】
スクレーパローラ32は、内部給紙台31の可動板37上に積層された用紙Pのうちの最上位の用紙Pに当接し、回転することで、積層された用紙Pから最上位の用紙Pを分離して左側へ送る。スクレーパローラ32は、内部給紙台31の左端部の上方に配置されている。
【0038】
ピックアップローラ33は、下方に配置されたサバキ板34との間で用紙Pをさばいて左側へ送り出す。ピックアップローラ33は、スクレーパローラ32の左側に隣接して配置されている。
【0039】
サバキ板34は、ピックアップローラ33により用紙Pが1枚ずつ搬送されるように用紙Pをさばくためのものである。サバキ板34は、ピックアップローラ33に下方から当接する。
【0040】
縦搬送ローラ35は、スクレーパローラ32およびピックアップローラ33により内部給紙台31から取り出された用紙Pを中間搬送ローラ36へと搬送する。縦搬送ローラ35は、給紙経路RSに沿って配置されている。
【0041】
中間搬送ローラ36は、内部給紙台31から取り出されて給紙経路RSに沿って搬送されてきた用紙Pを受け取ってレジストローラ13へ搬送する。中間搬送ローラ36は、駆動側ローラ36aと従動側ローラ36bとの対で構成される。駆動側ローラ36aは、共通駆動部16により回転駆動される。従動側ローラ36bは、駆動側ローラ36aに接するように配置され、駆動側ローラ36aの回転に従動して回転する。中間搬送ローラ36は、給紙経路RSの下流部に配置されている。中間搬送ローラ36は、請求項の第2ローラに相当する。
【0042】
レジストローラ13は、外部給紙部11、内部給紙部12、反転部6から搬送されてきた用紙Pを一旦止め、用紙Pにたるみが形成された後、印刷部3に向けて搬送する。レジストローラ13は、給紙経路RSと反転経路RRとの合流地点の近傍の通常経路RC上に配置されている。
【0043】
昇降モータ14は、外部給紙台21を昇降させる。これにより、昇降モータ14は、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とを接離させる。昇降モータ14は、請求項の接離駆動部に相当する。
【0044】
内部給紙モータ15は、複数のピックアップローラ33および複数対の縦搬送ローラ35を駆動させる。ピックアップローラ33が回転すると、図示しないベルトプーリ機構を介して、スクレーパローラ32もピックアップローラ33と同期して同方向に回転する。内部給紙モータ15は、図示しないクラッチにより各ピックアップローラ33および各縦搬送ローラ35に接続/解除可能になっている。クラッチにより、駆動するピックアップローラ33およびスクレーパローラ32、縦搬送ローラ35が切り替えられる。
【0045】
共通駆動部16は、外部給紙部11のスクレーパローラ22およびピックアップローラ23と、内部給紙部12の中間搬送ローラ36とを駆動させる。
図3、
図4に示すように、共通駆動部16は、共通モータ41と、外部側駆動力伝達部42と、内部側駆動力伝達部43とを備える。
【0046】
共通モータ41は、正転方向(第1回転方向)および逆転方向(第2回転方向)の回転駆動力を発生する。共通モータ41は、正転方向および逆転方向の回転駆動力を出力する出力軸41aを有する。共通モータ41は、請求項の駆動源に相当する。
【0047】
外部側駆動力伝達部42は、正転方向の回転駆動力のみを共通モータ41の出力軸41aからピックアップローラ23およびスクレーパローラ22へ伝達する。外部側駆動力伝達部42は、請求項の第1伝達部に相当する。外部側駆動力伝達部42は、ワンウェイクラッチ46と、出力ギア47と、従動ギア48とを備える。
【0048】
ワンウェイクラッチ46は、共通モータ41の出力軸41aに設けられている。ワンウェイクラッチ46は、共通モータ41の正転方向(右回り)の回転駆動力および逆転方向(左回り)の回転駆動力のうち、正転方向の回転駆動力のみを、出力ギア47へ伝達する。
【0049】
出力ギア47は、従動ギア48と歯合され、従動ギア48へ回転駆動力を伝達する。出力ギア47は、ワンウェイクラッチ46を介して、共通モータ41の出力軸41aに設けられている。ワンウェイクラッチ46の機能により、共通モータ41の出力軸41aが正転方向に回転すると、出力ギア47は同方向に回転するが、出力軸41aが逆転方向に回転しても、出力ギア47は回転しない。
【0050】
従動ギア48は、回転軸49に設けられている。従動ギア48は、出力ギア47と歯合されている。これにより、従動ギア48は、出力ギア47の回転に応じて回転し、回転軸49を回転させる。回転軸49は、ピックアップローラ23が設けられている軸であり、回転軸49が回転することにより、ピックアップローラ23が回転軸49と同方向に回転する。ピックアップローラ23は、スクレーパローラ22と図示しないベルトプーリ機構により接続されている。ピックアップローラ23が回転すると、ベルトプーリ機構を介して、スクレーパローラ32もピックアップローラ23と同期して同方向に回転する。
【0051】
内部側駆動力伝達部43は、共通モータ41の出力軸41aと中間搬送ローラ36とを常時、正転方向および逆転方向の回転駆動力を伝達可能に接続する。ここで、「常時、正転方向および逆転方向の回転駆動力を伝達可能に接続」は、内部側駆動力伝達部43が、ワンウェイクラッチや電磁クラッチ等の、回転駆動力の伝達を切断可能とするための駆動力切断手段を有していないことを意味する。内部側駆動力伝達部43は、請求項の第2伝達部に相当する。内部側駆動力伝達部43は、出力プーリ51と、ベルト52と、従動プーリ53とを備える。
【0052】
出力プーリ51は、共通モータ41の回転駆動力をベルト52へ伝達する。出力プーリ51は、共通モータ41の出力軸41aに設けられている。
【0053】
ベルト52は、出力プーリ51により伝達される共通モータ41の回転駆動力を、従動プーリ53へ伝達する。ベルト52は、出力プーリ51と従動プーリ53との間に掛け渡されている。
【0054】
従動プーリ53は、回転軸54に設けられている。従動プーリ53は、ベルト52により伝達される回転駆動力により回転する。これにより、従動プーリ53は、出力プーリ51の回転に応じて回転し、回転軸54を回転させる。回転軸54は、中間搬送ローラ36の駆動側ローラ36aが設けられている軸であり、回転軸54が回転することにより、駆動側ローラ36aが回転軸54と同方向に回転する。また、従動側ローラ36bが駆動側ローラ36aの回転に従動して回転する。
【0055】
レジストモータ17は、レジストローラ13を回転駆動させる。
【0056】
印刷部3は、給紙された用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに印刷を行う。印刷部3は、レジストローラ13の下流側に配置されている。印刷部3は、ベルト搬送部56と、インクジェットヘッド部57とを備える。
【0057】
ベルト搬送部56は、レジストローラ13から搬送されてきた用紙Pをベルト上に吸着保持して搬送する。ベルト搬送部56のベルトが掛け渡されたローラが図示しないモータにより駆動されることにより、ベルトが回転し、ベルト上の用紙Pが搬送される。
【0058】
インクジェットヘッド部57は、用紙Pの搬送方向と略直交する方向(前後方向)に複数のノズルが配列されたラインタイプの複数のインクジェットヘッド(図示せず)を有する。インクジェットヘッド部57は、ベルト搬送部56の上方に配置されている。インクジェットヘッド部57は、ベルト搬送部56により搬送される用紙Pにインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を印刷する。
【0059】
上面搬送部4は、ベルト搬送部56によって搬送されてきた用紙Pを右方向から左方向へとUターンするように搬送する。上面搬送部4は、複数対の上面搬送ローラ59を備える。
【0060】
上面搬送ローラ59は、用紙Pをニップして搬送する。1対の上面搬送ローラ59は、反転経路RRの上流部に配置されている。他の上面搬送ローラ59は、印刷部3と排紙部5との間の通常経路RCに沿って配置されている。複数対の上面搬送ローラ59は、図示しない複数のモータにより回転駆動される。
【0061】
排紙部5は、印刷済みの用紙Pを排紙して積載する。排紙部5は、切替部61と、排紙ローラ62と、排紙台63とを備える。
【0062】
切替部61は、用紙Pの搬送経路を排紙経路RDと反転経路RRとの間で切り替える。切替部61は、図示しないソレノイドにより駆動される。切替部61は、排紙経路RDと反転経路RRとの分岐点に配置されている。排紙経路RDは、通常経路RCの下流側の端部から排紙台63に向けて延びる経路である。
【0063】
排紙ローラ62は、上面搬送部4により搬送されてきた用紙Pを搬送して排紙台63へと排紙する。排紙ローラ62は、排紙経路RDに沿って、切替部61と排紙台63との間に配置されている。
【0064】
排紙台63は、排紙ローラ62により排紙された用紙Pを積載する。
【0065】
反転部6は、両面印刷の際に、片面印刷済みの用紙Pを反転させてレジストローラ13へと搬送する。反転部6は、反転ローラ66と、スイッチバック部67と、再給紙ローラ68と、切替ゲート69とを備える。
【0066】
反転ローラ66は、上面搬送部4により搬送されてきた用紙Pをスイッチバック部67に一時的に搬入した後に搬出して、再給紙ローラ68へと搬送する。反転ローラ66は、最も下流側の上面搬送ローラ59とスイッチバック部67の搬入口との間の反転経路RR上に配置されている。反転ローラ66は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0067】
スイッチバック部67は、反転ローラ66が用紙Pを一時的に搬入するための空間である。スイッチバック部67は、排紙台63の下部に形成されている。スイッチバック部67は、反転ローラ66の近傍が用紙Pを搬入するために開口されている。
【0068】
再給紙ローラ68は、反転ローラ66により搬送されてきた用紙Pをレジストローラ26へと搬送する。再給紙ローラ68は、反転ローラ66とレジストローラ26との間の反転経路RR上に配置されている。再給紙ローラ68は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0069】
切替ゲート69は、上面搬送ローラ59によって搬送されてきた用紙Pを反転ローラ66へとガイドする。また、切替ゲート69は、反転ローラ66によってスイッチバック部67から搬出される用紙Pを再給紙ローラ68へとガイドする。切替ゲート69は、最も下流側の上面搬送ローラ59、反転ローラ66、および再給紙ローラ68の3個所の重心近傍に配置されている。
【0070】
制御部7は、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部7は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
【0071】
次に、印刷装置1の動作について説明する。
【0072】
図5、
図6は、印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図5、
図6のフローチャートの処理は、例えば、印刷装置1に外部のPC(パーソナルコンピュータ)から印刷ジョブが入力されることにより開始となる。
【0073】
ここで、印刷装置1は、待機中において、外部給紙台21上の最上位の用紙Pにスクレーパローラ22が当接した状態になっている。また、内部給紙台31の可動板37の左端側が持ち上げられ、可動板37上の最上位の用紙Pがスクレーパローラ32に当接した状態になっている。
【0074】
印刷ジョブを受信すると、
図5のステップS10において、制御部7は、当該印刷ジョブの実行時の給紙元が、内部給紙部12であるか否かを判断する。ここで、制御部7は、印刷ジョブに含まれる用紙情報に基づき、給紙元が外部給紙部11、内部給紙部12のいずれであるかを判断できる。
【0075】
給紙元が内部給紙部12であると判断した場合(ステップS10:YES)、ステップS20において、制御部7は、昇降モータ14を制御して外部給紙台21を規定量だけ下降させる。具体的には、制御部7は、外部給紙台21を下降させるよう昇降モータ14を所定時間だけ駆動させる。これにより、制御部7は、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とを離間させる。
【0076】
次いで、ステップS30において、制御部7は、内部給紙部12からの給紙、および印刷を開始する。
【0077】
一方、給紙元が外部給紙部11であると判断した場合(ステップS10:NO)、制御部7は、ステップS20の処理は行わず、ステップS30において、外部給紙部11からの給紙、および印刷を開始する。
【0078】
ここで、給紙および印刷について、給紙元が外部給紙部11である場合、給紙元が内部給紙部12である場合についてそれぞれ説明する。
【0079】
給紙元が外部給紙部11である場合、まず、制御部7は、共通モータ41の正転駆動を開始させる。これにより、
図7に示すように、共通モータ41の出力軸41aが右回りに回転する。これとともに、ワンウェイクラッチ46を介して、出力ギア47が右回りに回転する。これにより、従動ギア48および回転軸49が左回りに回転することで、ピックアップローラ23およびスクレーパローラ22が左回りに回転する。この結果、外部給紙台21上に積層された用紙Pから最上位の用紙Pがスクレーパローラ22により分離され、スクレーパローラ22およびピックアップローラ23によりレジストローラ13へ向けて搬送される。
【0080】
なお、この際、共通モータ41が正転駆動されることで、ベルト52により伝達される回転駆動力により従動プーリ53および回転軸54が右回りに回転する。この結果、
図7に示すように、中間搬送ローラ36の駆動側ローラ36aが右回りに回転するとともに、従動側ローラ36bが駆動側ローラ36aの回転に従動して左回りに回転する。ここで、外部給紙部11からの給紙時には、中間搬送ローラ36へ用紙Pは搬送されないため、中間搬送ローラ36は空転する。
【0081】
上述のように外部給紙台21からレジストローラ13へ向けて搬送された用紙Pがレジストローラ13に突き当たり、所定量のたるみが形成されるタイミングで、制御部7は、共通モータ41を停止させる。その後、制御部7は、レジストモータ17を制御してレジストローラ13を駆動させる。これにより、レジストローラ13から印刷部3へと用紙Pが搬送される。
【0082】
印刷部3では、用紙Pは、ベルト搬送部56により搬送されつつ、インクジェットヘッド部57により印刷される。
【0083】
片面印刷の場合、一方の面に印刷された用紙Pは、上面搬送部4により通常経路RCに沿って搬送され、切替部61によって通常経路RCから排紙経路RDへと導かれる。そして、用紙Pは、排紙ローラ62により排紙台63へと排紙される。
【0084】
両面印刷の場合、一方の面に印刷された用紙Pは、上面搬送部4により通常経路RCに沿って搬送され、切替部61によって通常経路RCから反転経路RRへと導かれる。その後、用紙Pは、反転部6において、切替ゲート69により反転ローラ66へと導かれ、反転ローラ66によりスイッチバック部67へと搬入される。次に、用紙Pは、反転ローラ66によりスイッチバック部67から搬出されるとともに、切替ゲート69により再給紙ローラ68へと導かれ、再給紙ローラ68によりレジストローラ13へと搬送される。用紙Pは、レジストローラ13からベルト搬送部56へと送り出される。ここで、用紙Pは、反転部6によって反転されているので、未印刷面(他方の面)が上に向けられており、インクジェットヘッド部57により他方の面に印刷される。そして、両面印刷済みの用紙Pは、上面搬送部4から排紙部5へと搬送され、排紙ローラ62により排紙台63へと排紙される。
【0085】
一方、給紙元が内部給紙部12である場合、まず、制御部7は、印刷に使用する用紙Pが積載された内部給紙台31に対応するピックアップローラ33および縦搬送ローラ35をクラッチにより内部給紙モータ15に接続させる。その後、制御部7は、内部給紙モータ15を駆動させる。これにより、スクレーパローラ32およびピックアップローラ33により内部給紙台31から用紙Pが取り出され、縦搬送ローラ35が用紙Pを中間搬送ローラ36に向けて搬送する。
【0086】
内部給紙台31から取り出された用紙Pが中間搬送ローラ36に到達する前に、制御部7は、共通モータ41の逆転駆動を開始させる。これにより、
図8に示すように、共通モータ41の出力軸41aおよび出力プーリ51が左回りに回転する。この出力プーリ51の回転駆動力がベルト52により従動プーリ53へと伝達され、従動プーリ53および回転軸54が左回りに回転する。この結果、中間搬送ローラ36の駆動側ローラ36aが左回りに回転するとともに、従動側ローラ36bが駆動側ローラ36aの回転に従動して右回りに回転する。
【0087】
用紙Pが中間搬送ローラ36に到達すると、用紙Pが駆動側ローラ36aと従動側ローラ36bとにニップされつつ、レジストローラ13へ向けて搬送される。
【0088】
なお、共通モータ41が逆転駆動されても、ワンウェイクラッチ46の機能により、出力軸41aの左回りの回転駆動力は、出力ギア47へは伝達されない。このため、ピックアップローラ23およびスクレーパローラ22は回転しない。
【0089】
上述のように中間搬送ローラ36からレジストローラ13へ向けて搬送された用紙Pがレジストローラ13に突き当たり、所定量のたるみが形成されるタイミングで、制御部7は、共通モータ41を停止させる。その後、制御部7は、レジストモータ17を制御してレジストローラ13を駆動させる。これにより、レジストローラ13から印刷部3へと用紙Pが搬送される。
【0090】
印刷部3へと搬送された用紙Pは、前述した給紙元が外部給紙部11である場合と同様に、片面印刷または両面印刷されて排紙される。
【0091】
印刷装置1では、印刷ジョブで指定された印刷枚数に応じて、用紙Pが順次給紙され、複数枚の用紙Pが同時に搬送経路上を搬送される。両面印刷の場合は、外部給紙部11または内部給紙部12から給紙される用紙Pと、反転部6から再給紙される片面印刷済みの用紙Pとが交互に、レジストローラ13から印刷部3へと搬送される。
【0092】
図5に戻り、ステップS30で給紙および印刷を開始した後、ステップS40において、制御部7は、受信済みの次の印刷ジョブがあるか否かを判断する。
【0093】
次の印刷ジョブがあると判断した場合(ステップS40:YES)、ステップS50において、制御部7は、次の印刷ジョブの実行時の給紙元が、外部給紙部11であるか否かを判断する。
【0094】
次の印刷ジョブの実行時の給紙元が外部給紙部11であると判断した場合(ステップS50:YES)、ステップS60において、制御部7は、現在、給紙および印刷を実行中の印刷ジョブの給紙元が内部給紙部12であるか否かを判断する。
【0095】
実行中の印刷ジョブの給紙元が内部給紙部12であると判断した場合(ステップS60:YES)、ステップS70において、制御部7は、外部給紙台21の上昇開始タイミングを決定する。具体的には、制御部7は、実行中の印刷ジョブによる印刷枚数分の排紙終了の予測タイミングから、外部給紙台21をステップS20で下降させた規定量だけ上昇させるために要する時間だけ前のタイミングを、外部給紙台21の上昇開始タイミングとする。
【0096】
次いで、ステップS80において、制御部7は、外部給紙台21の上昇開始タイミングになったか否かを判断する。外部給紙台21の上昇開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS80:NO)、制御部7は、ステップS80を繰り返す。
【0097】
外部給紙台21の上昇開始タイミングになったと判断した場合(ステップS80:YES)、ステップS90において、制御部7は、昇降モータ14を制御して外部給紙台21を上昇させる。具体的には、制御部7は、上昇開始タイミングで昇降モータ14の駆動を開始させ、図示しない上限センサで外部給紙台21上の最上位の用紙Pが検出されると、昇降モータ14を停止する。これにより、外部給紙台21が規定量だけ上昇し、最上位の用紙Pにスクレーパローラ22が当接した状態になる。
【0098】
次いで、ステップS100において、制御部7は、実行中の印刷ジョブによる印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。ここで、制御部7は、排紙ローラ62の下流側近傍に設けられた図示しない用紙センサにより、印刷枚数分の最後の用紙Pの後端が通過したことが検出されると、印刷枚数分の排紙が終了したと判断する。印刷枚数分の排紙が終了していないと判断した場合(ステップS100:NO)、制御部7は、ステップS100を繰り返す。
【0099】
印刷枚数分の排紙が終了したと判断した場合(ステップS100:YES)、制御部7は、ステップS30へ進み、次の印刷ジョブにおける給紙および印刷を開始する。なお、ステップS70で述べたように外部給紙台21の上昇開始タイミングを決定しているので、外部給紙台21の上昇終了と、実行中の印刷ジョブによる印刷枚数分の排紙終了とは、ほぼ同時となる。
【0100】
一方、ステップS60において、実行中の印刷ジョブの給紙元が外部給紙部11であると判断した場合(ステップS60:NO)、外部給紙台21の上昇が不要なため、制御部7は、ステップS100へ進み、以降の処理を行う。
【0101】
また、ステップS50において、次の印刷ジョブの実行時の給紙元が内部給紙部12であると判断した場合(ステップS50:NO)、ステップS110において、制御部7は、実行中の印刷ジョブの給紙元が外部給紙部11であるか否かを判断する。
【0102】
実行中の印刷ジョブの給紙元が外部給紙部11であると判断した場合(ステップS110:YES)、ステップS120において、制御部7は、実行中の印刷ジョブにおける印刷枚数分の給紙が終了したか否かを判断する。ここで、制御部7は、レジストローラ13の上流側近傍に設けられた図示しない用紙センサにより、印刷枚数分の最後の用紙Pの後端が通過したことが検出されると、印刷枚数分の給紙が終了したと判断する。印刷枚数分の給紙が終了していないと判断した場合(ステップS120:NO)、制御部7は、ステップS120を繰り返す。
【0103】
印刷枚数分の給紙が終了したと判断した場合(ステップS120:YES)、ステップS130において、制御部7は、ステップS20と同様に、昇降モータ14を制御して外部給紙台21を規定量だけ下降させる。この後、制御部7は、ステップS100へ進み、以降の処理を行う。
【0104】
一方、ステップS110において、実行中の印刷ジョブの給紙元が内部給紙部12であると判断した場合(ステップS110:NO)、外部給紙台21の下降が不要(すでに下降済み)なため、制御部7は、ステップS100へ進み、以降の処理を行う。
【0105】
また、ステップS40において、次の印刷ジョブがないと判断した場合(ステップS40:NO)、
図6のステップS140において、制御部7は、実行中の印刷ジョブによる印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。印刷枚数分の排紙が終了していないと判断した場合(ステップS140:NO)、制御部7は、
図5のステップS40へ戻る。
【0106】
印刷枚数分の排紙が終了したと判断した場合(ステップS140:YES)、ステップS150において、制御部7は、排紙終了した印刷ジョブの給紙元が内部給紙部12であるか否かを判断する。
【0107】
排紙終了した印刷ジョブの給紙元が内部給紙部12であると判断した場合(ステップS150:YES)、ステップS160において、制御部7は、昇降モータ14を制御して外部給紙台21を上昇させる。ここで、制御部7は、上限センサで外部給紙台21上の最上位の用紙Pが検出されるまで外部給紙台21を上昇させる。これにより、外部給紙台21上の最上位の用紙Pにスクレーパローラ22が当接した状態になる。以上により、制御部7は、一連の動作を終了する。
【0108】
一方、排紙終了した印刷ジョブの給紙元が外部給紙部11であると判断した場合(ステップS150:NO)、外部給紙台21の上昇が不要なため、制御部7は、そのまま一連の動作を終了する。
【0109】
ところで、印刷ジョブの実行中において、用紙Pのジャムが発生することがある。制御部7は、搬送経路上に配置された複数の用紙センサ(図示せず)における用紙Pの検出タイミングが正常であるか否かに基づき、用紙Pのジャムが発生したか否かを判断できる。ジャムが発生したと判断すると、制御部7は、印刷装置1の動作を停止する。これにより、用紙Pの搬送が停止し、搬送経路上を搬送中の用紙Pが印刷装置1内に残留する。印刷装置1内に残留した用紙Pは、ユーザが行うジャム解除の作業により取り除かれる。
【0110】
ここで、給紙元が内部給紙部12の印刷ジョブの実行中に、ジャムの発生により、中間搬送ローラ36が用紙Pをニップ(挟持)した状態で印刷装置1の動作が停止したとする。この場合、ユーザがジャム解除の作業において、中間搬送ローラ36にニップされた用紙Pを下流側に引っ張る場合と、上流側に引っ張る場合とがある。
【0111】
ユーザが用紙Pを下流側に引っ張る場合、
図9に示すように、用紙Pが下流側(上側)に引っ張られることで、中間搬送ローラ36の駆動側ローラ36aとともに回転軸54および従動プーリ53が左回りに回転する。従動側ローラ36bは右回りに回転する。従動プーリ53が左回りに回転すると、その回転駆動力がベルト52により出力プーリ51へと伝達され、出力プーリ51および共通モータ41の出力軸41aが左回り(逆転方向)に回転する。
【0112】
共通モータ41の出力軸41aが逆転方向に回転しても、ワンウェイクラッチ46の機能により、出力ギア47は回転しない。このため、ピックアップローラ23およびスクレーパローラ22は回転しない。
【0113】
一方、ユーザが用紙Pを上流側に引っ張る場合、
図10に示すように、用紙Pが上流側(下側)に引っ張られることで、中間搬送ローラ36の駆動側ローラ36aとともに回転軸54および従動プーリ53が右回りに回転する。従動側ローラ36bは左回りに回転する。従動プーリ53が右回りに回転すると、その回転駆動力がベルト52により出力プーリ51へと伝達され、出力プーリ51および共通モータ41の出力軸41aが右回り(正転方向)に回転する。
【0114】
共通モータ41の出力軸41aが右回りに回転すると、ワンウェイクラッチ46を介して、出力ギア47が右回りに回転する。これにより、従動ギア48および回転軸49が左回りに回転することで、ピックアップローラ23およびスクレーパローラ22が左回りに回転する。
【0115】
このため、スクレーパローラ22が外部給紙台21上の最上位の用紙Pに当接していると、意図しない用紙Pがレジストローラ13へと送り出されてしまう。印刷装置1では、上述のように、給紙元が内部給紙部12の印刷ジョブを実行する際は、外部給紙台21を下降させ、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とを離間させている。これにより、ユーザがジャム解除の際に、中間搬送ローラ36がニップした用紙Pを上流側に引っ張っても、ピックアップローラ23およびスクレーパローラ22により外部給紙台21上の用紙Pがレジストローラ13へと送り出されることはない。
【0116】
以上説明したように、印刷装置1では、内部側駆動力伝達部43は、ワンウェイクラッチ等の駆動力切断手段を有しておらず、常時、回転駆動力を伝達可能に共通モータ41の出力軸41aと中間搬送ローラ36とを接続している。これにより、印刷装置1では、中間搬送ローラ36による用紙Pの搬送精度の低下を抑えるようにしている。そして、制御部7は、内部給紙部12からの給紙の際、外部給紙台21を下降させ、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とを離間させている。これにより、ジャム解除時に中間搬送ローラ36がニップしている用紙Pが上流側に引っ張られることにより中間搬送ローラ36が回転し、この回転が内部側駆動力伝達部43、共通モータ41の出力軸41a、外部側駆動力伝達部42により伝達されてピックアップローラ23およびスクレーパローラ22が回転しても、意図しない用紙Pが外部給紙台21からレジストローラ13へと送り出されることを防止できる。
【0117】
また、制御部7は、給紙元が内部給紙部12である印刷ジョブの実行中に、次の印刷ジョブにおける給紙元が外部給紙部11であると判断した場合、実行中の印刷ジョブの終了(印刷枚数分の排紙終了)以前の上昇開始タイミングで外部給紙台21の上昇を開始させる。これにより、印刷装置1は、次の印刷ジョブの給紙を速やかに開始でき、生産性の低下を抑えることができる。
【0118】
なお、制御部7は、ジャムの発生により印刷装置1の動作を停止したときに、中間搬送ローラ36に用紙Pがニップされている場合、共通モータ41の逆転駆動により、用紙Pを解放するまで中間搬送ローラ36を駆動させるようにしてもよい。この場合、例えば、制御部7は、動作停止時において、中間搬送ローラ36の下流側近傍に配置された図示しない用紙センサで用紙Pが検出されている場合、中間搬送ローラ36に用紙Pがニップされていると判断する。そして、制御部7は、中間搬送ローラ36の下流側近傍の用紙センサにより用紙Pの後端が通過したことが検出されると、中間搬送ローラ36が用紙Pを解放したと判断する。これにより、ジャム解除時に中間搬送ローラ36が用紙Pをニップしていることがないようにして、意図しない用紙Pが外部給紙台21からレジストローラ13へと送り出されることをより確実に防止できる。
【0119】
また、外部側駆動力伝達部42および内部側駆動力伝達部43は、本実施の形態で示した構成に限らない。例えば、ギアを用いて内部側駆動力伝達部43を構成してもよい。
【0120】
また、本実施の形態では、外部給紙台21を昇降させることにより、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とを接離させる構成とした。しかし、これに限らず、外部給紙台21とスクレーパローラ22との相対移動により、外部給紙台21上の最上位の用紙Pとスクレーパローラ22とが接離可能な構成であればよい。
【0121】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。