(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の位置に設けられ、前記保持部が接触可能な接触面を有し、前記保持部が前記接触面に接触した状態で前記保持部により保持される前記基板に第1の温度処理を行う第1の温度処理部と、
前記第2の位置で前記基板を支持可能に構成され、前記基板に第2の温度処理を行う第2の温度処理部と、
前記保持部と前記第2の温度処理部との間で前記基板の受け渡しを行うための受け渡し機構とをさらに備え、
前記相対的移動部は、前記基板を保持する前記保持部が前記第1の温度処理部の前記接触面に接触するように、前記保持部を前記第1の位置に移動させるように構成された、請求項3または4記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0062】
[1]第1の実施の形態
第1の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、基板の露光方法および基板処理方法について図面を用いて説明する。以下の説明においては、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0063】
(1)基板処理装置の構成
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、
図1ならびに後述する
図2〜
図4および
図9〜
図12には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0064】
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、第1の処理ブロック10、第2の処理ブロック11および第3の処理ブロック12を含む。インデクサブロック9は、メインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。メインコントローラ30は、インデクサブロック9、第1の処理ブロック10、第2の処理ブロック11および第3の処理ブロック12の動作を制御する。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
【0065】
第1の処理ブロック10は、全領域露光処理部10A、中間膜用熱処理部10B、中間膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。中間膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで全領域露光処理部10Aおよび中間膜用熱処理部10Bに対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
【0066】
インデクサブロック9と第1の処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9と第1の処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から第1の処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを第1の処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
【0067】
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2においては、基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS6にも同様に設けられる。
【0068】
第2の処理ブロック11は、現像用熱処理部11A,11B、現像処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。現像処理部60は第2のセンターロボットCR2を挟んで現像用熱処理部11A,11Bに対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
【0069】
第1の処理ブロック10と第2の処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、第1の処理ブロック10と第2の処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを第1の処理ブロック10から第2の処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wを第2の処理ブロック11から第1の処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
【0070】
第3の処理ブロック12は、誘導自己組織化材料(DSA:Directed Self Assembly)膜用熱処理部12A,12BおよびDSA膜用塗布処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。DSA膜用塗布処理部70は第3のセンターロボットCR3を挟んでDSA膜用熱処理部12A,12Bに対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
【0071】
第2の処理ブロック11と第3の処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、第2の処理ブロック11と第3の処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wを第2の処理ブロック11から第3の処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを第3の処理ブロック12から第2の処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
【0072】
本実施の形態において、基板処理装置500には、所定パターンのレジスト膜f1a(後述する
図4(a)参照)が形成された基板Wが搬入される。以下の説明においては、基板Wの主面とは、所定パターンのレジスト膜f1a(
図4(a))が形成された基板Wの一面をいい、基板Wの裏面とは、主面の反対側の基板Wの他面をいう。本実施の形態に係る基板処理装置500の内部では、基板Wの主面が上方に向けられた状態で、基板Wに各種の処理が行われる。
【0073】
図2は
図1の基板処理装置500の一方の概略側面図であり、
図3は
図1の基板処理装置500の他方の概略側面図である。なお、
図2においては、基板処理装置500の一側方に設けられるものを主に示し、
図3においては、基板処理装置500の他側方に設けられるものを主に示している。
【0074】
まず、
図2を用いて、基板処理装置500の構成について説明する。
図2に示すように、第1の処理ブロック10の中間膜用塗布処理部50(
図1)には、3個の塗布ユニット50Uが上下に積層配置されている。各塗布ユニット50Uは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに中間膜の塗布液(以下、中間液と呼ぶ。)を供給する供給ノズル52を備える。本実施の形態においては、中間液は現像液に不溶な処理液である。
【0075】
第2の処理ブロック11の現像処理部60(
図1)には、5個の現像液供給ユニット60Uが上下に積層配置されている。各現像液供給ユニット60Uは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル62を備える。
【0076】
第3の処理ブロック12のDSA膜用塗布処理部70(
図1)には、3個の塗布ユニット70Uが上下に積層配置されている。各塗布ユニット70Uは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板WにDSA膜の塗布液(以下、DSA液と呼ぶ。)を供給する供給ノズル72を備える。
【0077】
次に、
図3を用いて、基板処理装置500の構成について説明する。
図3に示すように、第1の処理ブロック10の全領域露光処理部10Aには、8個の全領域露光ユニット100が積層配置されている。各全領域露光ユニット100は、予め基板Wの主面上に形成されたレジスト膜f1a(後述する
図4(a)参照)を改質させる光RL(後述する
図4(b)参照)を出射する光出射器170(
図1)を備える。また、各全領域露光ユニット100は、基板Wを保持するローカル搬送ハンドRHR(
図1)を備える。さらに、全領域露光ユニット100は、光出射器170に対してローカル搬送ハンドRHRを相対的に移動させるローカル搬送機構140(後述する
図5)を備える。全領域露光ユニット100の詳細は後述する。
【0078】
第1の処理ブロック10の中間膜用熱処理部10Bには、4個の加熱ユニットHPおよび4個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、全領域露光処理部10Aには、最上部に全領域露光ユニット100の動作を制御するローカルコントローラLCが配置される。中間膜用熱処理部10Bには、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが配置される。
【0079】
第2の処理ブロック11の現像用熱処理部11A,11Bには、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部11A,11Bには、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0080】
第3の処理ブロック12のDSA膜用熱処理部12A,12Bには、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、DSA膜用熱処理部12A,12Bには、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0081】
(2)基板処理装置の動作および基板の処理方法
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作および基板Wの処理方法について
図1〜
図4を参照しながら説明する。
図4は、第1の実施の形態に係る基板Wの処理方法を示す模式図である。
図4では、処理が行われるごとに変化する基板Wの状態が断面図で示される。
【0082】
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上にはキャリアCが搬入される。基板処理装置500に搬入されるキャリアC内には、複数枚の基板Wが多段に収納される。基板処理装置500への搬入時において、各基板Wの主面には、
図4(a)に示すように、所定パターンのレジスト膜f1aが形成されている。本実施の形態において、
図4(a)に示される基板Wの状態を初期状態と呼ぶ。レジスト膜f1aは、予め他の基板処理装置によりフォトリソグラフィ技術を用いて形成される。
【0083】
インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された初期状態の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRはX方向に移動しつつZ方向に平行な軸の周りで回転移動し、初期状態の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0084】
基板載置部PASS1に載置された初期状態の基板Wは、第1の処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを全領域露光処理部10Aに搬入する。
図4(b)に示すように、全領域露光処理部10Aでは、全領域露光ユニット100により基板Wの主面上の全領域にレジスト膜f1aを改質させる光RLが照射される(全領域露光処理)。本実施の形態では、レジスト膜f1aを改質させる光RLとして紫外線が用いられる。
図4(b)および後述する
図4(c)では、改質されたレジスト膜を符号f1bで表す。
【0085】
その後、第1のセンターロボットCR1は、全領域露光処理部10Aから全領域露光処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを中間膜用熱処理部10Bに搬入する。続いて、第1のセンターロボットCR1は、中間膜用熱処理部10Bから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを中間膜用塗布処理部50に搬入する。中間膜用塗布処理部50では、塗布ユニット50Uにより基板Wの主面に現像液に不溶な中間液が塗布される(中間液塗布処理)。それにより、基板Wの主面のレジスト膜f1bが形成されていない領域上に現像液に不溶な中間液が供給される。
【0086】
次に、第1のセンターロボットCR1は、中間膜用塗布処理部50から中間液塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを中間膜用熱処理部10Bに搬入する。中間膜用熱処理部10Bにより熱処理が行われることにより、
図4(c)に示すように、中間液が硬化して中間膜f2が形成される。その後、第1のセンターロボットCR1は、中間膜用熱処理部10Bから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0087】
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、第2の処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを現像処理部60に搬入する。現像処理部60においては、全領域露光処理後かつ中間膜f2の形成後の基板Wに対して現像処理が行われる。この場合、中間膜f2は現像液に不溶であるので、改質されたレジスト膜f1bのみが現像液で除去される。それにより、
図4(d)に示すように、現像処理後の基板Wの主面上には、中間膜f2にレジスト膜f1bと同じパターンを有する除去部分が形成される。
【0088】
次に、第2のセンターロボットCR2は、現像処理部60から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部11A,11Bに搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、現像用熱処理部11A,11Bから熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0089】
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、第3の処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板WをDSA膜用熱処理部12A,12Bに搬入する。続いて、第3のセンターロボットCR3は、DSA膜用熱処理部12A,12Bから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板WをDSA膜用塗布処理部70に搬入する。DSA膜用塗布処理部70では、塗布ユニット70Uにより基板Wの主面にDSA液が塗布される(DSA液塗布処理)。それにより、
図4(e)に示すように、基板Wの主面の中間膜f2が形成されていない領域上にDSA液f3が供給される。DSA液f3は異なる特性を有する2種類の高分子成分(親水性高分子および疎水性高分子)を含む。そのため、DSA液塗布処理後、基板Wの主面の中間膜f2が形成されていない領域上では、DSA液f3にミクロ相分離が生じる。ミクロ相分離により、第1の重合体および第2の重合体が生成される。
【0090】
次に、第3のセンターロボットCR3は、DSA膜用塗布処理部70からDSA液塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板WをDSA膜用熱処理部12A,12Bに搬入する。DSA膜用熱処理部12A,12Bにより熱処理が行われることにより、
図4(f)に示すように、基板Wの主面の中間膜f2が形成されていない領域上に第1の重合体f3aおよび第2の重合体f3bが形成される。
【0091】
その後、第3のセンターロボットCR3は、DSA膜用熱処理部12A,12Bから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
【0092】
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、第2の処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを基板載置部PASS4に載置する。
【0093】
基板載置部PASS4に載置された基板Wは、第1の処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを基板載置部PASS2に載置する。
【0094】
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
【0095】
基板処理装置500による処理済みの基板Wを収納するキャリアCは、基板Wに後工程の処理を行うさらに他の基板処理装置に搬送される。さらに他の基板処理装置においては、
図4(g)に示すように、エッチング装置により第1の重合体f3aおよび第2の重合体f3bのうちの一方の重合体(
図4(g)では、第2の重合体f3b)のみが除去される。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aのパターンよりも小さい線幅を有する第1の重合体f3aのパターンを基板Wの主面上に形成することができる。また、
図4(a)のレジスト膜f1aのパターンよりも小さい線幅を有する第2の重合体f3bの除去部分を基板Wの主面上に形成することができる。このようにして、露光パターンの微細化が実現される。基板Wの主面における第2の重合体f3bの除去部分には、例えばイオン注入が行われる。
【0096】
(3)全領域露光ユニット
次に、全領域露光ユニット100について図面を用いて詳細に説明する。
図5は
図3の全領域露光ユニット100の外観斜視図であり、
図6は
図3の全領域露光ユニット100の模式的断面図である。
【0097】
図6に示すように、全領域露光ユニット100は筐体190を含む。筐体190は直方体形状を有し、一側壁190Wに開口部191が形成されている。一側壁190Wには、開口部191を開閉するシャッタ192とシャッタ192を駆動するシャッタ駆動部193が設けられている。
図5では筐体190の図示を省略する。
【0098】
図5および
図6に示すように、筐体190の内部には、主として載置部110、ローカル搬送機構140および光出射器170が設けられる。
【0099】
全領域露光ユニット100においては、筐体190内の開口部191の近傍に載置部110が配置される。載置部110は、冷却プレート120、複数(本例では3つ)の固定支持ピン121および水冷配管WPを含む。
【0100】
冷却プレート120の上面が水平になるように、冷却プレート120が筐体190に一体的に固定されている。複数の固定支持ピン121は冷却プレート120の上面から上方へ突出するように設けられる。水冷配管WPは冷却プレート120の内部に設けられている。水冷配管WPに冷却媒体を循環させることにより冷却プレート120の温度を調整することができる。それにより、例えば複数の固定支持ピン121上で支持される基板Wの温度を調整することができる。なお、本実施の形態において、水冷配管WPは設けられなくてもよい。
【0101】
冷却プレート120上にはさらに基板検出センサ(図示せず)が設けられている。基板検出センサによる検出結果に基づいて、冷却プレート120上に基板Wが存在するか否か(載置部110に基板Wが載置されているか否か)が判定される。
【0102】
載置部110を挟んで筐体190内の開口部191に対向する位置にローカル搬送機構140が配置される。ローカル搬送機構140は、第1の搬送筐体150、第1の送り軸151、プーリ152、ベルト153、第2の搬送筐体160、第2の送り軸161、スライドレール162、および送り軸駆動モータM20,M30を含む。ローカル搬送機構140には、基板Wを保持するローカル搬送ハンドRHRが設けられている。
【0103】
第1の搬送筐体150内に、第1の送り軸151、プーリ152およびベルト153が収納されている。第1の搬送筐体150の下端部には、送り軸駆動モータM20が取り付けられている。第1の送り軸151は上下方向に延びるように配置されている。ローカル搬送ハンドRHRが第1の送り軸151に接続されている。第1の送り軸151の下端部にプーリ152が取り付けられている。プーリ152にはベルト153が接続されている。送り軸駆動モータM20が動作することにより、発生される回転力がベルト153およびプーリ152を介して第1の送り軸151に伝達される。それにより、第1の送り軸151が回転し、ローカル搬送ハンドRHRが上下方向(
図5および
図6の矢印M1の方向)に移動する。
【0104】
第2の搬送筐体160内に、第2の送り軸161、スライドレール162および送り軸駆動モータM30が収納されている。第2の送り軸161は水平方向に延びるように配置されている。同様に、スライドレール162も水平方向に延びるように配置されている。第1の搬送筐体150が第2の送り軸
161およびスライドレール162に接続されている。第2の送り軸161の一端部に送り軸駆動モータM30が接続されている。送り軸駆動モータM30が動作することにより、第2の送り軸161が回転し、ローカル搬送ハンドRHRが第1の搬送筐体150とともに水平方向(
図5および
図6の矢印M2の方向)に移動する。
【0105】
ローカル搬送ハンドRHRは、主として水平方向の移動により後述する第1の位置P1(
図7(c))と第2の位置P2(
図7(c))との間を移動する。ローカル搬送ハンドRHRには、固定支持ピン121と干渉しないように複数(本例では2つ)の切り込み(スリット)が設けられている。
【0106】
第2の搬送筐体160の上部に光出射器170が取り付けられている。光出射器170は例えば発光ダイオード(LED)からなる長尺状の出射面171を有する。出射面171は処理対象となる基板Wの外径(例えば300mm)よりも大きい長さを有する。光出射器170の出射面171から帯状の光RLが出射される。
【0107】
光出射器170は、後述する第1の位置P1(
図7(c))と第2の位置P2(
図7(c))との間に光RLを出射するようにかつ帯状の光RLがローカル搬送ハンドRHRにより保持される基板Wの水平方向の移動経路を横切るように配置される。
【0108】
全領域露光ユニット100の動作について説明する。
図7および
図8は、全領域露光ユニット100の動作を説明するための図である。以下に説明する全領域露光ユニット100の各構成要素の動作は、例えば
図3の全領域露光処理部10Aに設けられたローカルコントローラLCにより制御される。なお、全領域露光ユニット100の各構成要素の動作は、
図1のメインコントロ−ラ30により制御されてもよい。
【0109】
本実施の形態においては、基板処理装置500の電源がオン状態である間、光出射器170から帯状の光RLが出射される。なお、筐体190内に基板Wが搬入され、筐体190内から基板Wが搬出されるまでの間のみ出射面171(
図5)から帯状の光RLが出射されてもよい。
【0110】
まず、
図7(a)に示すように、初期状態の基板W(
図4(a))が第1のセンターロボットCR1(
図1)により開口部191(
図6)を通して全領域露光ユニット100内に搬入され、搬入された基板Wが載置部110の固定支持ピン121上に載置される。
【0111】
この状態で、ローカル搬送機構140の送り軸駆動モータM20,M30(
図6)が動作することにより、
図7(b)に示すように、ローカル搬送ハンドRHRの先端部が冷却プレート120と固定支持ピン121上で支持される基板Wとの間の空間に挿入される。
【0112】
続いて、ローカル搬送機構140の送り軸駆動モータM20(
図6)が動作することにより、
図7(c)に示すように、ローカル搬送ハンドRHRが固定支持ピン121の上端部よりも高い位置まで上昇する。それにより、ローカル搬送ハンドRHRにより基板Wが受け取られる。
【0113】
全領域露光ユニット100においては、予め第1の位置P1および第2の位置P2が設定されている。本例では、
図7(c)に一点鎖線で示すように、第1の位置P1は、載置部110の固定支持ピン121の上端部よりもやや上方の位置に設定される。第2の位置P2は、第1の位置P1と同じ高さでかつ載置部110の側方の位置に設定される。
【0114】
次に、ローカル搬送機構140の送り軸駆動モータM30(
図6)が動作することにより、
図8(a)に示すように、基板Wを保持するローカル搬送ハンドRHRが第1の位置P1から第2の位置P2まで水平方向に移動する。
【0115】
上記のように、光出射器170から出射される帯状の光RLは基板Wの移動経路を横切る。この場合、ローカル搬送ハンドRHRが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの一側部から他側部に向かって帯状の光RLが走査される。これにより、主面上の全ての領域に対して光RLが照射され、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される(全領域露光処理)。
【0116】
その後、さらにローカル搬送機構140の送り軸駆動モータM30(
図6)が動作することにより、
図8(b)に示すように、基板Wを保持するローカル搬送ハンドRHRが第2の位置P2から第1の位置P1まで水平方向に移動する。この場合においても、ローカル搬送ハンドRHRが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの他側部から一側部に向かって帯状の光RLが走査される。これにより、主面上の全ての領域に対して再び光RLが照射され、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される(全領域露光処理)。
【0117】
続いて、ローカル搬送ハンドRHRが固定支持ピン121の上端部よりも低い位置まで下降する。それにより、
図7(b)に示されるように、基板Wが固定支持ピン121上に載置される。この状態で、ローカル搬送ハンドRHRの先端部が冷却プレート120と固定支持ピン121上で支持される基板Wとの間の空間から引き抜かれる。最後に、第1のセンターロボットCR1(
図1)により、全領域露光処理後の基板W(
図4(b))が開口部191(
図6)を通して搬出される。
【0118】
上記の全領域露光ユニット100においては、光出射器170から照射される帯状の光RLは均一な強度分布を有することが好ましく、基板Wの主面に光RLが照射される間のローカル搬送ハンドRHRの移動速度は一定であることが好ましい。この場合、基板Wの主面における光RLの受光量分布を均一にすることができる。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aを均一に改質させることができる。
【0119】
上記の全領域露光ユニット100においては、基板Wが第1の位置P1から第2の位置P2まで移動することにより十分な量の光RLが基板Wに照射されるのであれば、基板Wが第2の位置P2から第1の位置P1まで移動する間光出射器170の出射面171を遮光部材で覆ってもよい。
【0120】
上記の載置部110においては、冷却プレート120の上面から上方へ突出するように複数の固定支持ピン121が設けられる。これに代えて、載置部110は以下の構成を有してもよい。例えば、冷却プレート120には複数の貫通孔が形成されてもよい。さらに、載置部110においては、それらの複数の貫通孔を通して上下動可能に構成された複数の可動支持ピンが設けられてもよい。
【0121】
この場合、複数の可動支持ピンが冷却プレート120の上方に突出する状態で、載置部110と
図1の第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2との間の基板Wの受け渡し、および載置部110とローカル搬送ハンドRHRとの間の基板Wの受け渡しを行うことができる。また、複数の可動支持ピン上に基板Wが載置された状態で、複数の可動支持ピンの上端部を冷却プレート120の上面とほぼ同じ高さまで下降させる。これにより、基板Wを冷却プレート120の上面に近接させることができる。さらにこの状態で、冷却プレート120の温度を調整することにより、基板Wの温度を効率よく調整することができる。
【0122】
また、載置部110においては、冷却プレート120に代えて基板Wを加熱することが可能に構成された加熱プレートが設けられてもよい。この場合、載置部110において基板Wを加熱することが可能となる。
【0123】
さらに、全領域露光ユニット100においては、例えば載置部110の下方の位置に基板Wを加熱する加熱プレートがさらに設けられてもよい。この場合、ローカル搬送機構140が載置部110と加熱プレートとの間で基板Wを搬送することにより、全領域露光ユニット100内で全面露光処理および基板Wの加熱処理を連続的に行うことができる。
【0124】
(4)第1の実施の形態の効果
(4−1)本実施の形態に係る全領域露光ユニット100においては、ローカル搬送機構140により基板Wを保持するローカル搬送ハンドRHRが光出射器170に対して相対的に移動されつつ、光出射器170から出射される光RLが基板Wの主面に照射される。それにより、基板Wの主面に形成されたレジスト膜f1aが改質される。この場合、基板W上のレジスト膜f1aに微細なパターンの露光を行うための複雑な光学機構が不要である。したがって、簡単な構成かつ低コストで基板Wの主面に形成されたレジスト膜f1aを露光することが可能となる。
【0125】
(4−2)本実施の形態では、全領域露光処理時に基板Wの主面上で帯状の光RLが走査される。それにより、基板Wの主面に形成されたレジスト膜f1aが効率よく露光される。
【0126】
(4−3)本実施の形態では、基板Wの搬送中にレジスト膜f1aが露光されるので、基板処理のスループットが向上する。
【0127】
(4−4)本実施の形態では、ローカル搬送ハンドRHRが第1の位置P1から第2の位置P2に移動する間および第
2の位置P
2から第
1の位置P
1に移動する間でそれぞれレジスト膜f1aが露光される。それにより、基板Wの主面に十分な量の光RLを照射することができる。
【0128】
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、基板の露光方法および基板処理方法について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図9(a)は第2の実施の形態に係る基板処理装置を示す平面図であり、
図9(b)は
図9(a)のQ1線における側面図である。
【0129】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、第1の処理ブロック10に
図1の全領域露光処理部10Aに代えて熱処理部10Hが設けられる。熱処理部10Hにおいては、複数の温度調整ユニット200が積層配置される。
【0130】
図9(b)に示すように、各温度調整ユニット200は、主として筐体190内に光出射器170および載置部220が設けられた構成を有する。
図6の全領域露光ユニット100と同様に、筐体190の一側壁には、基板Wを搬入するためおよび基板Wを搬出するための開口部191が形成されている。また、載置部220は、
図5および
図6の載置部110と同じ構成を有する。
【0131】
温度調整ユニット200においては、筐体190の開口部と載置部220との間に光RLが出射されるように光出射器170が配置される。本実施の形態では、温度調整ユニット200、第1のセンターロボットCR1およびハンドCRH1,CRH2により全領域露光ユニット100が構成される。本例では、筐体190の外部に第1の位置P1が設定され、筐体190内の載置部220上に第2の位置P2が設定される。
【0132】
光出射器170から光RLが出射された状態で、第1のセンターロボットCR1により基板Wを保持するハンドCRH1(またはハンドCRH2)が第1の位置P1から第2の位置P2に移動される。また、第1のセンターロボットCR1により基板Wを保持するハンドCRH1(またはハンドCRH2)が第2の位置P2から第1の位置P1に移動される。このように、基板Wを保持するハンドCRH1(またはハンドCRH2)が光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの主面上で帯状の光RLが走査される。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される。
【0133】
本実施の形態では、第1のセンターロボットCR1により搬送される基板Wに全領域露光処理が行われる。そのため、第1のセンターロボットCR1と別体で基板Wを搬送するための機構(例えば、
図5および
図6のローカル搬送機構140)を設ける必要がない。したがって、より簡単な構成かつ低コストで基板Wに全領域露光処理を行うことが可能となる。その結果、基板処理装置500の複雑化および大型化がさらに抑制されるとともに、基板処理装置500の製造コストの増加がさらに抑制される。
【0134】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、基板の露光方法および基板処理方法について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図10(a)は第3の実施の形態に係る基板処理装置を示す平面図であり、
図10(b)は
図10(a)のQ2線における側面図である。
【0135】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、インデクサブロック9内に光出射器170が設けられる。また、第1の処理ブロック10に
図1の全領域露光処理部10Aに代えて中間膜用熱処理部10Cが設けられる。中間膜用熱処理部10Cは
図1の中間膜用熱処理部10Bと同じ構成を有する。
【0136】
図10(a)および
図10(b)に示すように、インデクサブロック9においては、Y方向におけるインデクサロボットIRと基板載置部PASS1,PASS2との間に上方から光RLが出射されるように光出射器170が配置される。本実施の形態では、光出射器170、インデクサロボットIRおよびハンドIRHにより全領域露光ユニット100が構成される。本例では、Y方向におけるインデクサブロック9の略中央部に第1の位置P1が設定され、基板載置部PASS1に第2の位置P2が設定される。
【0137】
光出射器170から光RLが出射された状態で、インデクサロボットIRにより基板Wを保持するハンドIRHが第1の位置P1から第2の位置P2に移動される。このように、基板Wが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの主面上で帯状の光RLが走査される。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される。
【0138】
本実施の形態では、インデクサロボットIRにより搬送される基板Wに全領域露光処理が行われる。そのため、インデクサロボットIRと別体で基板Wを搬送するための機構(例えば、
図5および
図6のローカル搬送機構140)を設ける必要がない。したがって、より簡単な構成かつ低コストで基板Wに全領域露光処理を行うことが可能となる。その結果、基板処理装置500の複雑化および大型化がさらに抑制されるとともに、基板処理装置500の製造コストの増加がさらに抑制される。
【0139】
本実施の形態においては、光出射器170は、基板Wが第1の位置P1から第2の位置P2に搬送される場合にのみ光RLを出射するように構成されることが好ましい。
【0140】
[4]第4の実施の形態
第4の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、基板の露光方法および基板処理方法について、第3の実施の形態と異なる点を説明する。
図11(a)は第4の実施の形態に係る基板処理装置を示す平面図であり、
図11(b)は
図11(a)のQ3線における側面図である。
【0141】
図11(a)および
図11(b)に示すように、インデクサブロック9においては、Y方向における複数のキャリア載置台40とインデクサロボットIRとの間に上方から光RLが出射されるように光出射器170が配置される。本実施の形態においては、光出射器170、インデクサロボットIRおよびハンドIRHにより全領域露光ユニット100が構成される。本例では、各キャリア載置台40に載置されるキャリアC内に第1の位置P1が設定され、Y方向におけるインデクサブロック9の略中央部に第2の位置P2が設定される。
【0142】
光出射器170から光RLが出射された状態で、インデクサロボットIRにより基板Wを保持するハンドIRHが第1の位置P1から第2の位置に移動され、初期状態の基板WがキャリアC内から取り出される。このように、基板Wが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの主面上で帯状の光RLが走査される。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される。
【0143】
本実施の形態においても、インデクサロボットIRにより搬送される基板Wに全領域露光処理が行われる。そのため、インデクサロボットIRと別体で基板Wを搬送するための機構(例えば、
図5および
図6のローカル搬送機構140)を設ける必要がない。したがって、より簡単な構成かつ低コストで基板Wに全領域露光処理を行うことが可能となる。その結果、基板処理装置500の複雑化および大型化がさらに抑制されるとともに、基板処理装置500の製造コストの増加がさらに抑制される。
【0144】
本実施の形態においても、光出射器170は、基板Wが第1の位置P1から第2の位置P2に搬送される場合にのみ光RLを出射するように構成されることが好ましい。
【0145】
[5]第5の実施の形態
第5の実施の形態に係る露光装置、基板処理装置、基板の露光方法および基板処理方法について、第3の実施の形態と異なる点を説明する。
図12(a)は第5の実施の形態に係る基板処理装置を示す平面図であり、
図12(b)は
図12(a)のQ4線における側面図である。
【0146】
本実施の形態においては、
図12(a)および
図12(b)に示すように、インデクサブロック9内に基板Wの方向等を調整するためのアライメント装置300が設けられる。アライメント装置300内には、基板Wを支持する支持部(図示せず)と、支持部により支持された基板Wの方向等を調整する調整機構(図示せず)が設けられる。インデクサブロック9においては、X方向におけるアライメント装置300とインデクサロボットIRとの間に上方から光RLが出射されるように光出射器170が配置される。本実施の形態においては、光出射器170、インデクサロボットIRおよびハンドIRHにより全領域露光ユニット100が構成される。本例では、X方向におけるアライメント装置300の側方の位置に第1の位置P1が設定され、アライメント装置300内に第2の位置P2が設定される。
【0147】
光出射器170から光RLが出射された状態で、インデクサロボットIRにより基板Wを保持するハンドIRHが第1の位置P1から第2の位置P2に移動され、基板Wがアライメント装置300内に搬入される。また、インデクサロボットIRにより基板Wを保持するハンドIRHが第2の位置P2から第1の位置P1に移動され、基板Wがアライメント装置300内から搬出される。このように、基板Wを保持するハンドIRHが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wの主面上で帯状の光RLが走査される。それにより、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される。
【0148】
また、本実施の形態においても、インデクサロボットIRにより搬送される基板Wに全領域露光処理が行われる。そのため、インデクサロボットIRと別体で基板Wを搬送するための機構(例えば、
図5および
図6のローカル搬送機構140)を設ける必要がない。したがって、より簡単な構成かつ低コストで基板Wに全領域露光処理を行うことが可能となる。その結果、基板処理装置500の複雑化および大型化がさらに抑制されるとともに、基板処理装置500の製造コストの増加がさらに抑制される。
【0149】
なお、光出射器170はアライメント装置300内に設けられてもよい。この場合、アライメント装置300、インデクサロボットIRおよびハンドIRHにより全領域露光ユニット100が構成される。
【0150】
[6]第6の実施の形態
第6の実施の形態に係る露光装置および基板処理装置について説明する。以下に説明する基板処理装置においては、第1の実施の形態と同様の方法で基板Wに複数の処理(全領域露光処理、中間液塗布処理、現像処理およびDSA液塗布処理)が行われる。
【0151】
(1)基板処理システムの構成
図13は、第6の実施の形態に係る基板処理システムの模式的平面図である。
図13および後述する
図14〜
図17には、
図1と同様に位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。
【0152】
図13に示すように、基板処理システム1000は、基板処理装置600およびホストコンピュータ800を備える。
【0153】
基板処理装置600は、インデクサブロック14、第1の処理ブロック15および第2の処理ブロック16を備える。
図13に示すように、インデクサブロック14は、複数の
キャリア載置台40および搬送部112を含む。各
キャリア載置台40には、複数の基板Wを多段に収納するキャリアCが載置される。
【0154】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置600の種々の構成要素を制御する。また、制御部114は、有線通信または無線通信によりホストコンピュータ800に接続されている。制御部114とホストコンピュータ800との間で種々のデータの送受信が行われる。
【0155】
搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。また、後述の
図17に示すように、搬送部112には、キャリアCと搬送機構115との間で基板Wを受け渡すための開口部117が形成される。
【0156】
搬送部112の側面には、メインパネルPNが設けられる。メインパネルPNは、制御部114に接続されている。使用者は、基板処理装置600における基板Wの処理状況等をメインパネルPNで確認することができる。メインパネルPNの近傍には、図示しない操作部が設けられている。使用者は、操作部を操作することにより、基板処理装置600の動作設定等を行うことができる。
【0157】
第1の処理ブロック15は、塗布処理部621、搬送部622および熱処理部623を含む。塗布処理部621および熱処理部623は、搬送部622を挟んで対向するように設けられる。搬送部622とインデクサブロック14との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS11および後述する基板載置部PASS12〜PASS14(
図17参照)が設けられる。搬送部622には、基板Wを搬送する搬送機構627および後述する搬送機構628(
図17参照)が設けられる。
【0158】
第2の処理ブロック16は、塗布現像処理部631、搬送部632および熱処理部633を含む。塗布現像処理部631および熱処理部633は、搬送部632を挟んで対向するように設けられる。搬送部632と搬送部622との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS15および後述する基板載置部PASS16〜PASS18(
図17参照)が設けられる。搬送部632には、基板Wを搬送する搬送機構637および後述する搬送機構638(
図17参照)が設けられる。
【0159】
(2)塗布処理部および現像処理部の構成
図14は、主として
図13の塗布処理部621および塗布現像処理部631を示す基板処理システム1000の一方側面図である。
【0160】
図14に示すように、塗布処理部621には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。各塗布処理室21〜24には、塗布ユニット629が設けられる。塗布現像処理部631には、現像処理室31,33および塗布処理室32,34が階層的に設けられる。各現像処理室31,33には、現像液供給ユニット639が設けられ、各塗布処理室32,34には、塗布ユニット629が設けられる。
【0161】
各塗布ユニット629は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態においては、スピンチャック25およびカップ27は、各塗布ユニット629に2つずつ設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。
【0162】
また、
図13に示すように、各塗布ユニット629は、処理液を吐出する複数のノズル28およびそのノズル28を搬送するノズル搬送機構29を備える。
【0163】
塗布ユニット629においては、複数のノズル28のうちのいずれかのノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動される。そして、そのノズル28から処理液が吐出されることにより、基板W上に処理液が塗布される。なお、ノズル28から基板Wに処理液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転される。それにより、基板Wが回転される。
【0164】
塗布処理室21〜24の塗布ユニット629においては、中間膜の塗布液がノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室32,34の塗布ユニット629においては、DSA膜の塗布液がノズル28から基板Wに供給される。
【0165】
図14に示すように、現像液供給ユニット639は、塗布ユニット629と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、
図13に示すように、現像液供給ユニット639は、現像液を吐出する2つのスリットノズル38およびそれらのスリットノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0166】
現像液供給ユニット639においては、各スリットノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。なお、スリットノズル38から基板Wに現像液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。それにより、基板Wが回転される。
【0167】
図14の例では、塗布ユニット629が2つのスピンチャック25および2つのカップ27を有し、現像液供給ユニット639が3つのスピンチャック35および3つのカップ37を有するが、スピンチャック25,35およびカップ27,37の数はこれに限らず、任意に変更してもよい。
【0168】
図13および
図14に示すように、塗布処理部621内には流体ボックス部650が設けられる。同様に、塗布現像処理部631内にも流体ボックス部660が設けられる。流体ボックス部650および流体ボックス部660内には、塗布ユニット629および現像液供給ユニット639への処理液の供給ならびに塗布ユニット629および現像液供給ユニット639からの排液および排気等に関する導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器等の流体関連機器が収納される。
【0169】
(3)熱処理部の構成
図15は、主として
図13の熱処理部623,633を示す基板処理システム1000の他方側面図である。
【0170】
図15に示すように、熱処理部623は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の温度調整ユニット200および複数の熱処理ユニットPHPが設けられる。各熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が行われる。
【0171】
各温度調整ユニット200は、第2の実施の形態に係る
図9の温度調整ユニット200と同じ構成を有する。それにより、載置部220(
図9)上で基板Wの温度が調整される。また、各温度調整ユニット200では、搬送機構627および後述する搬送機構628(
図16参照)により後述するハンドH1,H2(
図16参照)に保持された基板Wが搬入および搬出される。温度調整ユニット200に対する基板Wの搬入および搬出時に、光出射器170(
図9)により全領域露光処理が行われる。
【0172】
本実施の形態では、温度調整ユニット200、搬送機構627およびハンドH1,H2により全領域露光ユニット100が構成される(
図16参照)。また、温度調整ユニット200、搬送機構628およびハンドH1,H2により全領域露光ユニット100が構成される(
図16参照)。さらに、本実施の形態では、温度調整ユニット200の外部(後述する
図16の上段搬送室725内および下段搬送室726内)に第1の位置が設定され、温度調整ユニット200の内部に第2の位置が設定される。
【0173】
熱処理部633は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、複数の熱処理ユニットPHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0174】
(4)搬送部の構成
(4−1)概略構成
図16は、主として
図13の塗布処理部621、搬送部622および熱処理部623を示す側面図である。
図17は、主として
図13の搬送部622,632を示す側面図である。
【0175】
図16および
図17に示すように、搬送部622は、上段搬送室725および下段搬送室726を有する。搬送部632は、上段搬送室735および下段搬送室736を有する。
【0176】
上段搬送室725には搬送機構627が設けられ、下段搬送室726には搬送機構628が設けられる。また、上段搬送室735には搬送機構637が設けられ、下段搬送室736には搬送機構638が設けられる。
【0177】
図16に示すように、塗布処理室21,22と上段熱処理部301とは上段搬送室725を挟んで対向するように設けられ、塗布処理室23,24と下段熱処理部302とは下段搬送室726を挟んで対向するように設けられる。同様に、現像処理室31および塗布処理室32(
図14)と上段熱処理部303(
図15)とは上段搬送室735(
図17)を挟んで対向するように設けられ、現像処理室33および塗布処理室34(
図14)と下段熱処理部304(
図15)とは下段搬送室736(
図17)を挟んで対向するように設けられる。
【0178】
図17に示すように、搬送部112と上段搬送室725との間には、基板載置部PASS11,PASS12が設けられ、搬送部112と下段搬送室726との間には、基板載置部PASS13,PASS14が設けられる。上段搬送室725と上段搬送室735との間には、基板載置部PASS15,PASS16が設けられ、下段搬送室726と下段搬送室736との間には、基板載置部PASS17,PASS18が設けられる。
【0179】
基板載置部PASS11および基板載置部PASS13には、インデクサブロック14から第1の処理ブロック15へ搬送される基板Wが載置される。基板載置部PASS12および基板載置部PASS14には、第1の処理ブロック15からインデクサブロック14へ搬送される基板Wが載置される。
【0180】
基板載置部PASS15および基板載置部PASS17には、第1の処理ブロック15から第2の処理ブロック16へ搬送される基板Wが載置される。基板載置部PASS16および基板載置部PASS18には、第2の処理ブロック16から第1の処理ブロック15へ搬送される基板Wが載置される。
【0181】
(4−2)搬送機構の構成
次に、搬送機構627について説明する。
図18は、搬送機構627を示す斜視図である。
【0182】
図17および
図18に示すように、搬送機構627は、長尺状のガイドレール311,312を備える。
図17に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室725内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室725内において上下方向に延びるように上段搬送室735側に固定される。
【0183】
図17および
図18に示すように、ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0184】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1およびハンドH2が取り付けられる。ハンドH1,H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に搬送機構627に設けられる。
【0185】
上記のような構成により、搬送機構627に設けられたハンドH1,H2は、上段搬送室725内においてX方向およびZ方向に自在に移動することができる。それにより、ハンドH1,H2を用いて塗布処理室21,22(
図14)、基板載置部PASS11,PASS12,PASS15,PASS16(
図17)および上段熱処理部301(
図15)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0186】
なお、
図17に示すように、搬送機構628,637,638は搬送機構627と同様の構成を有する。
【0187】
(5)基板処理装置の各構成要素の動作
以下、本実施の形態に係る基板処理装置600の各構成要素の動作について説明する。
【0188】
(5−1)インデクサブロック14の動作
以下、
図13および
図17を主に用いてインデクサブロック14の動作を説明する。
【0189】
本実施の形態に係る基板処理装置600においては、まず、インデクサブロック14の
キャリア載置台40に、初期状態の基板W(
図4(a)参照)が収容されたキャリアCが載置される。搬送機構115は、そのキャリアCから1枚の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS11に搬送する。その後、搬送機構115はキャリアCから他の1枚の初期状態の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS13(
図17)に搬送する。
【0190】
基板載置部PASS12(
図17)に処理済みの基板W(
図4(f)参照)が載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS11に初期状態の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS12からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済みの基板WをキャリアCに搬送する。同様に、基板載置部PASS14に処理済みの基板Wが載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS13に初期状態の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS14からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済み基板WをキャリアCへ搬送するとともにキャリアCに収容する。
【0191】
(5−2)第1の処理ブロック15の動作
以下、
図13〜
図15および
図17を主に用いて第1の処理ブロック15の動作について説明する。なお、簡便のため、搬送機構627,628のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0192】
搬送機構115(
図17)により基板載置部PASS11(
図17)に載置された基板Wは、搬送機構627(
図17)に設けられたハンドH1により取り出される。また、搬送機構627は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS12に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS12に載置される基板Wは、DSA液塗布処理後の基板Wである。
【0193】
次に、搬送機構627は、ハンドH2により上段熱処理部301(
図3)の所定の温度調整ユニット200から基板Wを取り出す。基板Wの取り出し時には、基板Wの主面に光RL(
図9(b)参照)が照射される。また、搬送機構627は、ハンドH1に保持されている初期状態の基板Wをその温度調整ユニット200に搬入する。基板Wの搬入時および搬出時には、基板Wの主面に光RL(
図9(b)参照)が照射される。このようにして、基板Wに全領域露光処理が行われる。上記のように、温度調整ユニット200の載置部220(
図9)は、基板Wの温度を調整する機構を有する。それにより、本例の温度調整ユニット200においては、基板Wが中間液塗布処理に適した温度に調整される。
【0194】
次に、搬送機構627は、ハンドH1により塗布処理室22(
図14)のスピンチャック25(
図14)上から中間膜形成後の基板W(
図4(c)参照)を取り出す。また、搬送機構627は、ハンドH2に保持されている全領域露光処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室22においては、塗布ユニット629(
図14)により、基板W上に中間膜が形成される。
【0195】
次に、搬送機構627は、ハンドH2により上段熱処理部301(
図15)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構627は、ハンドH1に保持されている中間膜形成後の基板Wをその熱処理ユニットPHPに搬入する。熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が連続的に行われる。
【0196】
次に、搬送機構627は、ハンドH2に保持されている熱処理後の基板Wを基板載置部PASS15(
図17)に載置する。また、搬送機構627は、ハンドH2により基板載置部PASS16(
図17)からDSA液塗布処理後の基板Wを取り出す。その後、搬送機構627は、基板載置部PASS16から取り出した
DSA液塗布処理後の基板Wを基板載置部PASS12(
図17)に搬送する。
【0197】
搬送機構627が上記の処理を繰り返すことにより、第1の処理ブロック15内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0198】
搬送機構628は、搬送機構627と同様の動作により、基板載置部PASS13,PASS14,PASS17,PASS18(
図17)、塗布処理室23,24(
図14)および下段熱処理部302(
図15)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0199】
このように、本実施の形態においては、搬送機構627によって搬送される基板Wは、塗布処理室21,22および上段熱処理部301において処理され、搬送機構628によって搬送される基板Wは、塗布処理室23,24および下段熱処理部302において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(塗布処理室21,22および上段熱処理部301)および下方の処理部(塗布処理室23,24および下段熱処理部302)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構627,628による基板Wの搬送速度を速くすることなく、第1の処理ブロック15のスループットを向上させることができる。また、搬送機構627,628が上下に設けられているので、基板処理装置600のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0200】
(5−3)第2の処理ブロック16の動作
以下、
図13〜
図15および
図17を主に用いて第2の処理ブロック16の動作について説明する。なお、簡便のため、搬送機構637,638のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0201】
搬送機構627により基板載置部PASS15(
図17)に載置された基板Wは、搬送機構637(
図17)に設けられたハンドH1により取り出される。また、搬送機構637は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS16に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS16に載置される基板Wは、DSA液塗布処理後の基板Wである。
【0202】
次に、搬送機構637は、ハンドH2により上段熱処理部303(
図3)の所定の冷却ユニットCP(
図15)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH1に保持されている中間膜形成後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、現像処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0203】
次に、搬送機構637は、ハンドH1により現像処理室31(
図14)のスピンチャック35(
図14)から現像処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH2に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック35上に載置する。現像処理室31においては、現像液供給ユニット639により現像処理が行われる。
【0204】
次に、搬送機構637は、ハンドH2により上段熱処理部303(
図15)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH1に保持されている現像処理後の基板Wを熱処理ユニットPHPに搬入する。
【0205】
次に、搬送機構637は、ハンドH1により上段熱処理部303(
図15)の所定の冷却ユニット
CP(
図15)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH2に保持されている現像処理後かつ熱処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、DSA液塗布処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0206】
次に、搬送機構637は、ハンドH2により塗布処理室32(
図14)のスピンチャック25(
図14)からDSA液塗布処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH1に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室32においては、塗布ユニット629(
図14)により、基板WにDSA液塗布処理が行われる。
【0207】
次に、搬送機構637は、ハンドH1により上段熱処理部303(
図15)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH2に保持されているDSA液塗布処理後の基板Wを熱処理ユニットPHPに搬入する。
【0208】
次に、搬送機構637は、ハンドH2により上段熱処理部303(
図15)の所定の冷却ユニット(
図15)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構637は、ハンドH1に保持されているDSA液塗布処理後かつ熱処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、基板Wが冷却される。その後、搬送機構637は、冷却ユニットCPから取り出した基板Wを基板載置部PASS16(
図17)に載置する。
【0209】
搬送機構637が上記の処理を繰り返すことにより、第2の処理ブロック16内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0210】
搬送機構638は、搬送機構637と同様の動作により、基板載置部PASS17,PASS18、現像処理室33(
図14)、塗布処理室34(
図14)および下段熱処理部304(
図15)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0211】
このように、本実施の形態においては、搬送機構637によって搬送される基板Wは、現像処理室31、塗布処理室32および上段熱処理部303において処理され、搬送機構638によって搬送される基板Wは、現像処理室33、塗布処理室34および下段熱処理部304において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(現像処理室31、塗布処理室32および上段熱処理部303)および下方の処理部(現像処理室33、塗布処理室34および下段熱処理部304)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構637,638による基板Wの搬送速度を速くすることなく、第2の処理ブロック16のスループットを向上させることができる。また、搬送機構637,638が上下に設けられているので、基板処理装置600のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0212】
[7]第7の実施の形態
第7の実施の形態に係る基板処理装置について、第6の実施の形態に係る基板処理装置と異なる点を説明する。第7の実施の形態に係る基板処理装置においては、第6の実施の形態に係る
図15の熱処理部623の各温度調整ユニット200に代えて、以下に説明する露光温度調整ユニットが本発明における露光装置として設けられる。
【0213】
(1)露光温度調整ユニットの構成
図19は、第7の実施の形態に係る露光温度調整ユニットの斜視図である。
図20は
図19の露光温度調整ユニット400の平面図であり、
図21は
図19の露光温度調整ユニット400の側面図である。
【0214】
図19〜
図21に示すように、露光温度調整ユニット400は、光出射器170、冷却部400C、加熱部400H、筐体410、搬送機構420およびシャッタ装置474を含む。光出射器170、冷却部400C、加熱部400
H、搬送機構420およびシャッタ装置474は、それぞれ筐体410内に収容される。
図20および
図21では筐体410の図示を省略する。
【0215】
筐体410は直方体形状を有する。筐体410の一側壁410a(
図19)には、筐体410の内部空間と搬送室(本例では、
図17の上段搬送室725または下段搬送室726)の内部空間とを連通する開口部411が形成されている。開口部411を通して露光温度調整ユニット400に対する基板Wの搬入および基板Wの搬出が行われる。
【0216】
筐体410の内部では、筐体410の一側壁410a(
図19)からその一側壁410aに対向する他側壁410b(
図19)に向かって冷却部400Cおよび加熱部400Hがこの順で配置されている。冷却部400Cと加熱部400Hとの間にシャッタ装置474が設けられている。さらに、冷却部400Cとシャッタ装置474との間でかつ筐体410内の上部に光出射器170が設けられている。
【0217】
図21に示すように、冷却部400Cは、基板載置プレート470、昇降装置460、連結部材461および複数(本例では3つ)の支持ピン462を含む。
【0218】
基板載置プレート470は、円形状の上面470Uを有する。基板載置プレート470の上面470Uは、基板Wの直径よりも大きい直径を有し、後述する搬送アーム430が接触可能に構成される。基板載置プレート470には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。基板載置プレート470内には、図示しない冷却水の循環流路が形成されている。この場合、循環経路に冷却水を供給することにより、基板載置プレート470の温度を所定温度に調整することができる。それにより、後述する搬送アーム430が基板載置プレート470の上面470Uに接触する状態で、搬送アーム430により保持される基板Wを搬送アーム430とともに冷却することができる。
【0219】
昇降装置460には、連結部材461が上下方向に移動可能に取り付けられる。昇降装置460に取り付けられた連結部材461が、基板載置プレート470の下方に配置される。
【0220】
連結部材461に複数(本例では3つ)の支持ピン462がそれぞれ上下方向に延びるように取り付けられている。各支持ピン462は円形状の断面を有する棒状部材である。複数の支持ピン462は、上下方向に移動することにより基板載置プレート470の複数の支持ピン挿入孔にそれぞれ挿入可能に配置される。
【0221】
昇降装置460が動作することにより連結部材461が上下方向に移動する。それにより、複数の支持ピン462の上端部が、それぞれ基板載置プレート470の複数の支持ピン挿入孔を通して基板載置プレート470の上方の位置と基板載置プレート470の上面よりも下方の位置との間で移動する。
【0222】
加熱部400Hは、基板載置プレート210、昇降装置260、連結部材261および複数(本例では3つ)の支持ピン262を含む。
【0223】
基板載置プレート210は、基板Wを載置可能な上面を有する。基板載置プレート210の上面は、基板Wの直径よりも大きい直径を有する。基板載置プレート210の上面には、図示しない複数のプロキシミティボールが設けられている。基板載置プレート210には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。基板載置プレート210内には、マイカヒータ等の発熱体が設けられている。発熱体は、図示しない温度調整部に接続される。温度調整部が
図13の制御部114により制御されることにより、発熱体の温度が調整される。それにより、基板載置プレート210の温度が所定温度に調整され、基板載置プレート210上に載置される基板Wが加熱される。
【0224】
昇降装置260、連結部材261および複数の支持ピン262は、それぞれ上記の昇降装置460、連結部材461および複数の支持ピン462と同じ構成を有する。
【0225】
搬送機構420は、上下方向に延びるように設けられた2本の長尺状のガイドレール421,422を備える。
図19に示すように、筐体410内において、一方のガイドレール421は筐体410の一側壁410a側に固定され、他方のガイドレール422は筐体410の他側壁410b側に固定される。ガイドレール421とガイドレール422との間には、長尺状のガイドレール423が設けられる。ガイドレール423は、上下動可能にガイドレール421,422に取り付けられる。ガイドレール423に搬送アーム430が取り付けられる。搬送アーム430は、ガイドレール423の長手方向に移動可能に設けられる。
【0226】
図21に示すように、搬送アーム430は、平板状部材430bおよび熱伝導シート430sを含む。平板状部材430bは、主としてアルミニウム等の金属材料からなり、基板Wの外形よりも大きい外形を有する平板状部材により構成される。搬送アーム430の平板状部材430bは、基板Wを載置可能な上面を有する。平板状部材430bの上面には、図示しない複数のプロキシミティボールが設けられている。平板状部材430bの下面に熱伝導シート430sが貼り付けられている。熱伝導シート430sは、例えば金属が添加されたシート状の樹脂材料により構成される。搬送アーム430には、冷却部400Cの複数の支持ピン462および加熱部400Hの複数の支持ピン262と干渉しないように切り込み(スリット)431が設けられている。
【0227】
シャッタ装置474は、シャッタ475およびシャッタ駆動部476を含む。本例では、シャッタ駆動部476は、基板載置プレート470の上面470Uおよび基板載置プレート210の上面よりも上方の位置(以下、閉位置と呼ぶ。)と基板載置プレート470の上面および基板載置プレート210の上面よりも下方の位置(以下、開位置と呼ぶ。)との間でシャッタ475を移動させる。
【0228】
シャッタ475が閉位置にある場合、筐体410の一側壁410a(
図19)からシャッタ475までの空間(冷却部400Cおよび光出射器170を取り囲む空間)とシャッタ475から筐体410の他側壁410b(
図19)までの空間(加熱部400Hを取り囲む空間)とが、シャッタ475により遮断される。
【0229】
一方、シャッタ475が開位置にある場合、筐体410の一側壁410aからシャッタ475までの空間とシャッタ475から筐体410の他側壁410bまでの空間とが連通する。
【0230】
本例の光出射器170は、
図5の光出射器170と同じ構成を有する。光出射器170は、冷却部400Cと加熱部400Hとの間に帯状の光RLを出射するようにかつ帯状の光RLが搬送アーム430により保持される基板Wの水平方向の移動経路を横切るように配置される。
【0231】
本実施の形態では、水平面内における冷却部400Cの基板載置プレート470上に第1の位置P1が設定され、水平面内における加熱部400Hの基板載置プレート210上に第2の位置P2が設定される。
【0232】
(2)熱処理ユニットの動作
図19〜
図21の露光温度調整ユニット400の動作について説明する。
図22〜
図31は、露光温度調整ユニット400の動作を示す模式的側面図である。
図22〜
図31においては、露光温度調整ユニット400の複数の構成要素のうち一部の構成要素が示される。本例においては、基板処理装置600の電源がオン状態である間、光出射器170から帯状の光RLが出射される。
【0233】
図22に示すように、初期状態で、冷却部400Cの複数の支持ピン462の上端部がそれぞれ基板載置プレート470の上方に位置し、搬送機構420の搬送アーム430が基板載置プレート470上に接触する。この状態で、搬送アーム430が基板載置プレート470により冷却される。また、加熱部400Hの複数の支持ピン262の上端部がそれぞれ基板載置プレート210の上面よりも下方に位置する。さらに、シャッタ475が閉位置にある。この状態で、筐体410の開口部411(
図19)を通して
露光温度調整ユニット400に搬入された基板Wが冷却部400Cの複数の支持ピン462上に載置される。
【0234】
次に、
図23に示すように、搬送機構420の搬送アーム430が冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置まで上昇するとともに、冷却部400Cの複数の支持ピン462が基板載置プレート470の上面よりも下方の位置まで下降する。それにより、基板Wが冷却部400Cの複数の支持ピン462から搬送アーム430に渡され、基板Wが搬送アーム430により保持される。また、加熱部400Hの複数の支持ピン262の上端部がそれぞれ基板載置プレート210の上面よりも上方の位置まで上昇する。さらに、シャッタ475が閉位置から開位置に移動する。
【0235】
次に、
図24に示すように、搬送アーム430が冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置(第1の位置P1)から加熱部400Hの基板載置プレート210の上方の位置(第2の位置P2)まで移動する。このとき、搬送アーム430により保持された基板Wの一側部から他側部に向かって光出射器170から出射された帯状の光RLが走査される。これにより、主面上の全ての領域に対して光RLが照射され、
図4(a)のレジスト膜f1aが改質される(全領域露光処理)。
【0236】
続いて、搬送アーム430が複数の支持ピン262の上端部よりも下方の位置まで下降する。それにより、
図25に示すように、基板Wが加熱部400Hの複数の支持ピン262上に載置される。その後、搬送アーム430が加熱部400Hの基板載置プレート210の上方の位置(第2の位置P2)から冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置(第1の位置P1)まで移動する。
【0237】
次に、
図26に示すように、加熱部400Hの複数の支持ピン262が基板載置プレート210の上面よりも下方の位置まで下降する。それにより、基板Wが基板載置プレート210の上面上に載置される。この状態で、基板Wが基板載置プレート210により加熱される。また、搬送アーム430が下降することにより、搬送アーム430が基板載置プレート470の上面470U(
図21)に接触する。それにより、搬送アーム430が基板載置プレート470により冷却される。さらに、シャッタ475が開位置から閉位置に移動する。
【0238】
次に、
図27に示すように、加熱部400Hの複数の支持ピン262の上端部が基板載置プレート210の上面よりも上方の位置まで上昇する。それにより、基板Wが加熱部400Hの複数の支持ピン262により支持される。また、搬送機構420の搬送アーム430が冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置まで上昇する。さらに、シャッタ475が閉位置から開位置に移動する。
【0239】
次に、
図28に示すように、搬送アーム430が冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置(第1の位置P1)から加熱部400Hの基板載置プレート210の上方の位置(第2の位置P2)まで移動する。続いて、搬送アーム430が加熱部400Hの複数の支持ピン262の上端部よりも上方の位置まで上昇する。それにより、基板Wが搬送アーム430により受け取られる。
【0240】
その後、
図29に示すように、搬送アーム430が加熱部400Hの基板載置プレート210の上方の位置(第2の位置P2)から冷却部400Cの基板載置プレート470の上方の位置(第1の位置P1)まで移動する。このとき、搬送アーム430により保持された基板Wの他側部から一側部に向かって光出射器170から出射された帯状の光RLが走査される。これにより、基板Wに再び全領域露光処理が行われる。
【0241】
次に、
図30に示すように、搬送アーム430が基板載置プレート470の上面470U(
図21)に接触するまで下降し、シャッタ475が開位置から閉位置に移動し、加熱部400Hの複数の支持ピン262が基板載置プレート210の上面よりも下方の位置まで下降する。この場合、搬送アーム430が基板載置プレート470の上面470U(
図21)に接触することにより、基板Wが搬送アーム430とともに基板載置プレート470により冷却される。
【0242】
最後に、
図31に示すように、冷却部400Cの複数の支持ピン462の上端部が基板載置プレート470の上面470U(
図21)よりも上方の位置まで上昇する。それにより、基板Wが冷却部400Cの複数の支持ピン462により支持される。この状態で、複数の支持ピン462上の基板Wが図示しない搬送機構により受け取られ、
図19の開口部411から搬出される。
【0243】
(3)第7の実施の形態の効果
上記のように、本実施の形態に係る露光温度調整ユニット400においては、基板Wが第1の位置P1から第2の位置P2に移動することにより、光出射器170による基板Wの全領域露光処理、および基板Wの加熱処理が連続的に行われる。
【0244】
基板Wの主面に形成された
図4(a)のレジスト膜f1aは、加熱処理により改質される。この場合、全領域露光処理では基板Wの上方からレジスト膜f1aが改質され、加熱処理では基板Wの下方で加熱部400Hの基板載置プレート210が発熱することによりレジスト膜f1aが改質される。それにより、基板Wの主面に形成されたレジスト膜f1aが2種類の方法により主面側および裏面側から均一にかつ短時間で改質される。
【0245】
また、基板Wが第2の位置P2から第1の位置P1に移動することにより、光出射器170による基板Wの全領域露光処理、および基板Wの冷却処理が連続的に行われる。これにより、再度全領域露光処理が行われることにより基板Wの主面上のレジスト膜f1aが十分に改質される。また、全領域露光処理により基板Wの温度が高くなる場合に、冷却部400Cの基板載置プレート470により全領域露光処理後の基板Wの温度を迅速に低下させることができる。その結果、全領域露光処理後の基板
Wに対して待機時間を設けることなく後続の処理を行うことができる。
【0246】
さらに、露光温度調整ユニット400においては、搬送アーム430が冷却部400Cの基板載置プレート470の上面470U(
図21)に接触することにより、搬送アーム430が冷却される。それにより、全領域露光処理により搬送アーム430の温度が高くなる場合に、搬送アーム430に残留する熱が除去される。したがって、露光温度調整ユニット400に搬入された全領域露光処理前の基板Wに搬送アーム430から熱が伝導することが防止される。
【0247】
これらの結果、搬送アーム430からの熱伝導により感光性膜の温度が不均一になることが防止されつつ、レジスト膜f1aが均一かつ十分に改質されるとともに基板処理のスループットが向上する。
【0248】
[8]他の実施の形態
(1)上記の実施の形態においては、中間液塗布処理前の基板Wに全領域露光処理が行われる。これに限らず、中間液塗布処理前の基板Wに全領域露光処理を行う代わりに、中間液塗布処理後の基板Wに全領域露光処理を行ってもよい。
【0249】
(2)上記の実施の形態においては、基板Wを保持する保持部(ローカル搬送ハンドRHR、ハンドCRH1,CRH2,IRHおよび搬送アーム430)のみが光出射器170に対して相対的に移動することにより、基板Wに全領域露光処理が行われる。
【0250】
これに限らず、基板Wを保持する保持部のみが光出射器170に対して相対的に移動する代わりに、光出射器170のみが基板Wを保持する保持部に対して相対的に移動してもよい。この場合、帯状の光RLを出射する光出射器170が保持部により保持された基板Wの主面上を移動することにより、基板Wの主面上で帯状の光RLが走査され、全領域露光処理が行われる。
【0251】
さらに、上記の例に限らず、基板Wを保持する保持部および光出射器170の両方が互いに相対的に移動することにより全領域露光処理が行われてもよい。
【0252】
(3)上記の実施の形態では、全領域露光ユニット100を基板処理装置500,600に設ける場合について説明したが、これに限らず、全領域露光ユニット100を他の基板処理装置に設けてもよく、または全領域露光ユニット100を単独で用いてもよい。
【0253】
(4)第6の実施の形態においては、光出射器170が全領域露光ユニット200内に設けられる。これに限らず、第6の実施の形態に係る基板処理装置600において、第2〜第5の実施の形態と同様に、光出射器170がインデクサブロック14の搬送部112内に設けられてもよい。この場合、インデクサブロック14の搬送機構115、ハンド116および光出射器170により全領域露光ユニット100が構成される。
【0254】
(5)第7の実施の形態に係る露光温度調整ユニット400においては、第2の位置P2に、加熱部400Hに代えて、高い精度で基板Wの温度を調整可能な冷却部を設けてもよい。このような冷却部としては、例えばペルチェ素子を含む基板載置プレートを用いることができる。
【0255】
それにより、例えば基板Wを第1の位置P1から第2の位置P2に移動させつつ全領域露光処理を行うことにより基板Wの温度が高くなる場合に、第2の位置P2で全領域露光処理後の基板Wの温度を所望の温度に迅速かつ正確に低下させることができる。したがって、全領域露光処理後の基板Wに対して待機時間を設けることなく後続の処理を行うことができる。
【0256】
この場合、全領域露光処理後で冷却部により温度が低下された基板Wに再度光出射器170から出射される光RLが照射されることを防止するために、基板Wが第2の位置P2から第1の位置P1に戻る間、光出射器170の出射面171を遮光部材で覆うまたは光出射器170から基板Wの移動経路への光RLの出射を停止させる必要がある。
【0257】
(6)第7の実施の形態に係る露光温度調整ユニット400においては、第1の位置P1に、冷却部400Cに代えて加熱部を設けてもよい。それにより、例えば
図4(a)の初期状態から
図4(b)の全領域露光処理が行われるまでに基板Wの加熱処理を行う必要がある場合に、基板Wの加熱処理および全領域露光処理を露光温度調整ユニット400内で連続的に行うことができる。その結果、基板処理のスループットが向上する。
【0258】
例えば、冷却部400Cの冷却処理用の基板載置プレート470を加熱部400Hの加熱処理用の基板載置プレート210に変更した場合には、搬送アーム430が第1の位置P1で基板載置プレート210の上面に接触することにより加熱される。それにより、搬送アーム430により基板Wが保持されることにより、搬送アーム430から基板Wに熱が伝導する。この場合、基板載置プレート210が本発明における温度処理機構として機能する。その結果、搬送アーム430による基板Wの移動時に基板Wの加熱処理を行うことが可能となり、基板処理のスループットがさらに向上する。
【0259】
(7)第7の実施の形態に係る露光温度調整ユニット400においては、光出射器170が
図19の筐体410の一側壁410aからシャッタ475までの空間(冷却部400Cおよび光出射器170を取り囲む空間)内に設けられる。これに限らず、光出射器170が
図19の筐体410の一側壁410aからシャッタ475までの空間に設けられる代わりに、光出射器170がシャッタ475から
図19の筐体410の他側壁410bまでの空間(加熱部400Hを取り囲む空間)内に設けられてもよい。
【0260】
また、シャッタ475から
図19の筐体410の他側壁410bまでの空間(加熱部400Hを取り囲む空間)内で、光出射器170が基板載置プレート210に対して相対的に移動可能に構成されてもよい。この場合、基板載置プレート210は本発明の保持部として機能する。それにより、基板載置プレート210により基板Wに加熱処理が行われた状態で、基板Wの上方から基板Wの主面上のレジスト膜f1aに光RLを照射することができる。その結果、基板Wを移動させることなくレジスト膜f1aが均一かつ迅速に改質される。
【0261】
(8)上記の第1〜第7の実施の形態においては、基板Wに全領域露光処理を行うための光源としてLEDを備える光出射器170が用いられる。これに限らず、全領域露光処理を行うための光源としてLED以外の光源を備える光出射器170を用いてもよい。LED以外の光源としては、例えばハロゲンランプ、キセノンランプおよび水銀ランプ等がある。
【0262】
光源から発生される光RLの強さを安定化させるために、基板処理装置600の電源がオン状態である間、光源は常にオン状態であることが好ましい。そのため、全領域露光処理を行うことなく基板Wを第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動させる場合には、光出射器170から基板Wの移動経路への光RLの出射を阻止するために光出射器170の出射面171を遮光部材で覆うことが好ましい。
【0263】
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0264】
上記実施の形態では、基板Wが基板の例であり、全領域露光ユニット100および露光温度調整ユニット400が露光装置の例であり、レジスト膜f1a,f1bが感光性膜の例であり、光出射器170が出射部の例である。
【0265】
また、ローカル搬送ハンドRHR、ハンドCRH1,CRH2,IRH、および搬送機構627,628に設けられるハンドH1,H2ならびに搬送アーム430が保持部の例であり、ローカル搬送機構140、第1のセンターロボットCR1、インデクサロボットIR、搬送機構627,628および搬送機構420が相対的移動部の例である。
【0266】
さらに、光出射器170から出射される光RLが光および帯状光の例であり、第1の位置P1が第1の位置の例であり、第2の位置P2が第2の位置の例であり、複数の固定支持ピン121、アライメント装置300内の支持部および基板載置プレート210が支持部の例であり、載置部110,220の冷却プレート120、アライメント装置300内の調整機構、基板載置プレート210および基板載置プレート470が処理機構の例である。
【0267】
また、載置部110,220の冷却プレート120、基板載置プレート210および基板載置プレート470が温度処理部の例であり、基板載置プレート210が加熱処理部の例であり、基板載置プレート470が冷却処理部の例である。
【0268】
さらに、基板載置プレート470の上面470Uが接触面の例であり、基板載置プレート470が第1の温度処理部の例であり、昇降装置260、連結部材261および複数の支持ピン262が受け渡し機構の例であり、基板載置プレート210が第2の温度処理部の例であり、基板載置プレート470および基板載置プレート210が温度処理機構の例である。
【0269】
また、基板処理装置500,600が基板処理装置の例であり、塗布ユニット50U、現像液供給ユニット60U、塗布ユニット70U、塗布ユニット629、現像液供給ユニット639、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび熱処理ユニットPHPが処理部の例である。
【0270】
さらに、中間液が第1の処理液の例であり、塗布ユニット50Uおよび第1の処理ブロック15内の塗布ユニット629が第1の処理液塗布装置の例であり、現像液供給ユニット60Uおよび第2の処理ブロック16内の現像液供給ユニット639が現像装置の例であり、DSA液が第2の処理液の例であり、塗布ユニット70Uおよび第2の処理ブロック16内の塗布ユニット629が第2の処理液塗布装置の例である。
【0271】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。