(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筒状をし、内部下面に内側通路部が形成された内側トンネルと、筒状をし、内部に該内側トンネルが遊挿されるとともに長手方向に移動可能とされ、内部下面に外側通路部が形成されている外側トンネルと、該外側トンネルの先端部に取り付けられ、航空機の乗降部と接続され、内部空間の下面にヘッド通路部が形成されているヘッドと、が備えられたボーディングブリッジにおける、前記内側通路部と前記外側通路部との段差を解消するためのボーディングブリッジの改造方法であって、
前記ヘッドを前記外側トンネルから取り外すヘッド分離工程と、
予め製造されている、前記外側トンネルと前記ヘッドとの間を接続するように筒状とされ、内部空間の下部に回転体が幅方向に延びる軸線回りに回転可能に取り付けられている接続ユニットを、前記回転体が前記外側通路部の上下に存在するようにして前記外側トンネルの先端部に取り付ける接続ユニット装着工程と、
長手方向に所定長さを有する通路部材の一端部を前記内側トンネルに、上面が前記内側通路部の上面と一致するように固定して取り付け、他端部は前記回転体を巻回させて前記内側トンネル側に向けて所定の張力で牽引されるように取り付けられる通路部材取付工程と、
前記ヘッドを前記接続ユニットの先端側に、前記ヘッド通路部の上面が前記回転体を巻回される前記通路部材の上面と一致するような位置に取り付けるヘッド装着工程と、
前記ヘッドに、前記回転体を巻回される前記通路部材及び前記ヘッド通路部を接続する接続通路部を取り付ける接続通路部取付工程と、
が備えられ、
前記接続ユニット装着工程における前記回転体の上端位置は、前記回転体を巻回される前記通路部材の上面が前記内側通路部の上面と一致するような位置とされているボーディングブリッジの改造方法。
前記通路部材取付工程の前工程として、前記外側トンネルの内部に前記通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する上側案内部材を取り付ける上側案内部材取付工程と、前記外側トンネルの下面下方に前記通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する下側案内部材を取り付ける下側案内部材取付工程と、が備えられている請求項1に記載のボーディングブリッジの改造方法。
前記下側案内部材取付工程は、予め製造されている下側案内部材が取り付けられている案内ユニットを、前記外側トンネルの下部に取り付けることによって行われる請求項2に記載のボーディングブリッジの改造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、稼働中の段差のある通路となっているボーディングブリッジでも、バリアフリーの通路とすることが強く求められているが、償却年数が残存している場合には、バリアフリーの通路を持つボーディングブリッジに交換することは経済的に困難である。
また、稼働中のボーディングブリッジをバリアフリーの通路を持つボーディングブリッジに改造する場合には、変更を要するトンネル全体を交換する方法あるいは現地でボーディングブリッジを分解し、トンネル及びヘッドを必要な構造に作り直す方法が考えられる。
【0007】
変更を要するトンネル全体を交換する場合には、現地での作業時間が短縮できるので、ボーディングブリッジが運用できない期間(スポットクローズ)を短縮することができる。一方、大型板金構造物であるトンネルの製造に時間がかかるので、導入されるまでに工期がかかるし、改造コストが大きくなる。
現地で必要な構造に作り直す場合には、必要な部分の改造に留まるので、トンネル全体を交換する場合より改造コストは低減できる余地がある。ところが、現地での作業時間が長くなるので、スポットクローズが長くなり、ボーディングブリッジの運用に支障がでる。また、空港内では、火災防止のため、溶接機、切断トーチ等の火気のある器具の使用が制限されるので、例えば、チェーンスプロケットをトンネルの床面を貫通するように取り付ける場合に、トンネルの床をトーチ切断する作業は実施できない恐れがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、改造コストを低減し、かつ、現地での作業時間を短縮してターミナルビルと航空機との間で略均一高さの通路としたバリアフリー機能を有するボーディングブリッジへ改造できるボーディングブリッジの改造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の一態様は、筒状をし、内部下面に内側通路部が形成された内側トンネルと、筒状をし、内部に該内側トンネルが遊挿されるとともに長手方向に移動可能とされ、内部下面に外側通路部が形成されている外側トンネルと、該外側トンネルの先端部に取り付けられ、航空機の乗降部と接続され、内部空間の下面にヘッド通路部が形成されているヘッドと、が備えられたボーディングブリッジにおける、前記内側通路部と前記外側通路部との段差を解消するためのボーディングブリッジの改造方法であって、前記ヘッドを前記外側トンネルから取り外すヘッド分離工程と、予め製造されている、前記外側トンネルと前記ヘッドとの間を接続するように筒状とされ、内部空間の下部に回転体が幅方向に延びる軸線回りに回転可能に取り付けられている接続ユニットを、前記回転体が前記外側通路部の上下に存在するようにして前記外側トンネルの先端部に取り付ける接続ユニット装着工程と、長手方向に所定長さを有する通路部材の一端部を前記内側トンネルに、上面が前記内側通路部の上面と一致するように固定して取り付け、他端部は前記回転体を巻回させて前記内側トンネル側に向けて所定の張力で牽引されるように取り付けられる通路部材取付工程と、前記ヘッドを前記接続ユニットの先端側に、前記ヘッド通路部の上面が前記回転体を巻回される前記通路部材の上面と一致するような位置に取り付けるヘッド装着工程と、前記ヘッドに、前記回転体を巻回される前記通路部材及び前記ヘッド通路部を接続する接続通路部を取り付ける接続通路部取付工程と、が備えられ、前記接続ユニット装着工程における前記回転体の上端位置は、前記回転体を巻回される前記通路部材の上面が前記内側通路部の上面と一致するような位置とされているボーディングブリッジの改造方法である。
【0010】
本態様に係るボーディングブリッジの改造方法では、ヘッド分離工程でヘッドが取り外された外側トンネルの先端部に、接続ユニット装着工程で筒状とされ、内部空間の下部に回転体が幅方向に延びる軸線回りに回転可能に取り付けられている接続ユニットが取り付けられる。このとき、接続ユニットは、回転体が外側通路部の上下に存在するとともに回転体を巻回される通路部材の上面が内側通路部の上面と一致するような位置となるように取り付けられる。
通路部材取付工程で、長手方向に所定長さを有する通路部材の一端部が内側トンネルに、通路部材の上面が内側通路部の上面と一致するように固定して取り付けられる。そして、通路部材の他端部は、先端側に移動され、回転体を巻回させて下方に移動される。通路部材の他端部は、回転体によって移動する方向が変更され、内側トンネル側に向けて位置される。通路部材の他端部は、所定の張力で内側トンネルの方向に牽引されるように取り付けられる。通路部材における内側通路部から回転体までに位置する部分が外側トンネルの通路を形成する。
ヘッド装着工程で、ヘッドが接続ユニットの先端側に、ヘッド通路部の上面が回転体を巻回される通路部材の上面と一致するような位置に取り付けられる。接続通路部取付工程で、ヘッドに、回転体を巻回される通路部材及びヘッド通路部を接続する接続通路部が取り付けられる。
【0011】
このように、改造されたボーディングブリッジでは、外側トンネルにおける通路を形成する通路部材が、一端が内側トンネルに固定して取り付けられ、回転体に巻回された他端部が内側トンネル側に所定の張力で牽引されているので、外側トンネルが内側トンネルに対して長手方向に移動すると、通路部材における内側通路部から回転体までの距離及び他端から回転体までの距離が、相互にその移動量だけ逆に変動する、すなわち、一方が長くなれば、他方が短くなる。言い換えれば、外側トンネルの通路を形成する通路部材の内側通路部から回転体までの長さは、外側トンネルの長手方向の移動に伴って変動する。
したがって、内側通路部、通路部材、接続通路部及びヘッド通路部で形成される通路は、略一定の高さ位置で連続的に形成することができる。これにより、ターミナルビルと航空機との間で略均一高さの通路が連続的に形成されるので、ボーディングブリッジの通路のバリアフリー化を進展させることができる。
【0012】
通路部材及び接続ユニットは、予め製造されて、現地に搬入されるので、現地での作業時間を短縮することができる。これにより、ボーディングブリッジが運用できない休止期間を短縮することができる。
また、接続ユニットが外側トンネルと別体とされているので、回転体を外側通路部の上下に存在するように取り付けるために必要な外側トンネルの床面の切断作業が必要でなくなる。このため、外側トンネルの床をトーチ切断する作業が不要となるので、火気制限の厳しい空港内でも改造作業を行うことができる。
さらに、改造部分が部分的であるので、外側トンネル全体を交換する場合に比べて改造コストを低減することができる。
なお、通路部材取付工程、ヘッド装着工程及び接続通路部取付工程の順番は、特に、制限されず、作業の都合で設定すればよい。
【0013】
前記態様では、前記通路部材取付工程の前工程として、前記外側トンネルの内部に前記通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する上側案内部材を取り付ける上側案内部材取付工程と、前記外側トンネルの下面下方に前記通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する下側案内部材を取り付ける下側案内部材取付工程と、が備えられている構成としてもよい。
【0014】
このようにすると、外側トンネルの内部に通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する上側案内部材が取り付けられるので、外側トンネルの通路を形成する通路部材の高さ位置を安定して維持することができる。
また、外側トンネルの下面下方に通路部材の高さ位置を一定に保つように案内する下側案内部材が取り付けられるので、通路部材を安定して移動させることができる。
【0015】
前記構成では、前記下側案内部材取付工程は、予め製造されている下側案内部材が取り付けられている案内ユニットを、前記外側トンネルの下部に取り付けることによって行われるようにしてもよい。
【0016】
このように、予め製造されている下側案内部材が取り付けられている案内ユニットを、外側トンネルの下部に取り付けるようにすると、現地での作業時間を一層短縮することができる。
【0017】
前記態様では、前記回転体は、両側端部に設置された一対のチェーンスプロケットとされ、前記通路部材は、幅方向両端部に前記チェーンスプロケットと係合するチェーンが備えられているようにしてもよい。
【0018】
このようにすると、通路部材の移動が一層確実に行われることができる。
【0019】
前記態様では、前記通路部材は、長手方向に複数に分割された分割通路部材で構成されていてもよい。
【0020】
このようにすると、分割通路部間は曲折あるいは離隔することによって、回転体における移動が行なえるので、分割通路部は剛性の強い材料で構成することができ、安定した通路部とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、予め製造された、内部空間の下部に回転体が幅方向に延びる軸線回りに回転可能に取り付けられている接続ユニットを外側トンネルとヘッドとの間に取り付け、この回転体を用いて通路部材を装着するようにしてボーディングブリッジを改造するので、現地での作業時間を短縮することができ、ボーディングブリッジが運用できない休止期間を短縮することができる。
改造部分が部分的であるので、外側トンネル全体を交換する場合に比べて改造コストを低減することができる。
通路部材の高さ位置を所定の位置とするようにしているので、内側通路部、通路部材、接続通路部及びヘッド通路部で形成される通路は、略一定の高さ位置で連続的に形成することができる。これにより、ターミナルビルと航空機との間で略均一高さの通路が連続的に形成されるので、ボーディングブリッジの通路のバリアフリー化を進展させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係るボーディングブリッジの改造方法について
図1〜
図10を用いて説明する。
【0024】
図1は、本発明の第一実施形態に係るボーディングブリッジの改造方法を用いて改造されたボーディングブリッジ1の全体概略構成を示す側面図である。
図5は、
図1の通路の構成を示す側面図である。
図6は、
図5のY−Y断面図である。
ボーディングブリッジ1は、空港のターミナルビルと航空機15とを連絡し、ターミナルビルと航空機15との間に乗客の通行路を形成するものである。
【0025】
図1に示されるボーディングブリッジ1には、ターミナルビルへ通じる固定橋3に固定して設けられるロタンダ5と、ロタンダ5に水平方向に回動可能に接続されている基端トンネル(内側トンネル)7と、基端トンネル7の先端側(航空機15側)に入れ子式に嵌合された先端トンネル(外側トンネル)9と、先端トンネル9の先端部に取り付けられる接続ユニット11と、接続ユニット11の先端部に取り付けられるヘッド13とが備えられている。
【0026】
ロタンダ5の下部には、地上に固定して設置された固定脚17が設けられている。先端トンネル9の長手方向先端側には、可動脚19が設けられている。ロタンダ5の内部空間には、乗客が通行する固定通路35が設けられている。
ボーディングブリッジ1は、固定脚17と可動脚19とによって支持されている。
【0027】
基端トンネル7及び先端トンネル9はそれぞれ中空の長四角柱形状(筒状)をしている。基端トンネル7及び先端トンネル9は、四角柱の各辺に鋼製の構造梁21(
図6参照)が配置され、両側面及び上下面に、構造梁21を連結するようにアルミ合金製のパネル23(
図6参照)が取付けられて、筒状に形成されている。パネル23は、樹脂製、透明材料(樹脂、ガラス等)等で形成するようにしてもよい。
【0028】
先端トンネル9の中空部の横断面積は、基端トンネル7の横断面積よりも大きく構成されている。先端トンネル9の中空部は、基端トンネル7の外周面を案内するように構成されている。
先端トンネル9は、可動脚19が移動するのに伴って長手方向Nに移動し、ボーディングブリッジ1の長さを伸縮させる。この伸縮によってロタンダ5と航空機15との間の距離の変動に対応している。
【0029】
基端トンネル7の内部空間の下面には、長手方向N略全長に亘り乗客が通行する内側通路部25(
図1参照)が形成されている。
先端トンネル9の内部空間の下面には、長手方向N略全長に亘り、既設のボーディングブリッジ1で使用されていた乗客が通行する外側通路部27(
図6参照)が形成されている。なお、外側通路部27は、後述する通路部材41と接触する可能性がある場合には、一部又は全てが取り除かれる。
【0030】
図2は、本実施形態に係る接続ユニット11の側面図である。
接続ユニット11は、既存のボーディングブリッジ1には備えられておらず、改造のために新たに製造されたものである。接続ユニット11は、中空の略長四角柱形状(筒状)をしている。接続ユニット11は、
図2に示されるように、縦横に組み合わされた構造梁29の外側にパネル31を装着して形成されている。パネル31は、例えばアルミ合金製、鋼製等の金属製、又は合成樹脂製などである。
接続ユニット11の内側空間には、下部両側端部に一対のチェーンスプロケット(回転体)33が幅方向に延びる軸線回りに回転可能に取り付けられている。
【0031】
上下方向におけるチェーンスプロケット33の設置位置は、接続ユニット11が先端トンネル9に取り付けられた際、チェーンスプロケット33が、先端トンネル9の下面を構成するパネル23の下端と外側通路部27を上下に挟んで存在するようにされている。言い換えると、チェーンスプロケット33は、先端トンネル9の内部空間から外部空間に亘り、存在している。
接続ユニット11は、先端トンネル9に、例えば、ボルトによって取り付けられている。
【0032】
ヘッド13は接続ユニット11の先端部に、例えば、ボルトによって取り付けられている。ヘッド13の先端部は航空機15の乗降口に接続されるようになっている。
ヘッド13には、ターミナルビルと航空機15とを接続するためにボーディングブリッジ1を操作する操作部(図示省略)が設けられている。
ヘッド13には、乗客が通行する固定通路37が設けられている。
【0033】
先端トンネル9には、通路部材41によって乗客が通行する通行通路部39が形成されている。通路部材41は、長手方向に配置された複数のステップ(分割通行通路部)43を備えている。
ステップ43は、略台形断面をした矩形状の板材である本体部45と、本体部45の大面積側に略全面に亘り貼り付けられた絨毯47と、本体部45の小面積側に固定された本体部45の強度を補強する補強部49とから構成されている。本体部45及び補強部49は、例えばアルミ合金製、鋼製等の金属製、又は合成樹脂製などである。
ステップ43の両端は、隣り合うステップ43同士の間に隙間がほとんどないような状態でチェーン51に取り付けられている。
【0034】
先端トンネル9の内部には、両側のパネル23の下部位置に長手方向Nに沿って複数の上部ブラケット53が間隔を開けて略同一高さ位置に取付けられている。上部ブラケット53は、L字断面をし、上部が平面となるように取付けられている。
略矩形断面をした棒状体である上側ガイド(上側案内部材)55が、各上部ブラケット53の上面に支持されるように掛け渡され、固定されている。
上側ガイド55は、チェーン51と係合し、チェーン51を案内する。
上部ブラケット53及び上側ガイド55は、例えば、ボルトによって取り付けられている。
【0035】
通路部材41は、一端部が基端トンネル7に、絨毯47の上面位置が、内側通路部25の上面位置と略同一高さで連続するように固定されている。通路部材41の他端側は、チェーン51が上側ガイド55に案内され、チェーンスプロケット33を巻回するように取付けられている。
上側ガイド55の高さ位置は、それに案内されているチェーン51に取り付けられたステップ43における絨毯47の上面位置が、内側通路部25の上面位置と略同一高さとなるように設定されている。
通路部材41、上部ブラケット53及び上側ガイド55は、改造によって追加された部材である。
【0036】
先端トンネル9の下部には、収納ユニット(案内ユニット)57が、例えば、ボルトによって取り付けられている。収納ユニット57は、既存のボーディングブリッジ1には備えられておらず、改造のために新たに製造されたものである。
図3は、本実施形態に係る収納ユニット57の側面図である。
図4は、
図3のX−X断面図である。
収納ユニット57は、上側が開放されたU字状横断面形状をしている。収納ユニット57の下側面部61は、縦横に格子状に組み合わされた構造梁59で構成され、上下面には、必要に応じていた板材が取り付けられている。
【0037】
下側面部61の両側には、側面パネル63が取り付けられている。
下側面部61の上面には、側面パネル63の内側位置で、取付時に両側の構造梁21に対向する位置に、長手方向に沿って複数の略矩形断面をした棒状体である支持部材65が間隔を開けて取り付けられている。支持部材65の上端は、前後に突起されており、この部分が構造梁21にボルトによって取り付けられるようにされている。
各支持部材65の内側には、下側面部61の上面にチェーン51と係合し、チェーン51を案内する下側ガイド(下側案内部材)67が、長手方向Nに沿って取り付けられている。
【0038】
チェーン51の自由端部は、ロープ69(
図5参照)と強固に結合されている。ロープ69は、収納ユニット57の後端部に取り付けられたロープ牽引装置71に巻き付けられている。
ロープ牽引装置71を駆動してロープ69を繰り込むと、チェーンスプロケット33に巻回され、基端トンネル7側に位置しているチェーン51がロープ69を介して牽引されるので、通路部材41に所定の張力が付与される。
【0039】
隣り合うステップ43は接続されていないので、チェーンスプロケット33の部分で隣り合うステップ43同士が
図5に示されるように曲折することができる。これによってステップ43はチェーンスプロケット33の回転に伴いその回りを移動できるので、ステップ43は剛性の強い材料、すなわち、例えばアルミ合金で構成することができ、安定した強度を持つ通行通路部39を構成することができる。
【0040】
ヘッド13における固定通路37の後端(先端トンネル9側)には、
図5に示すように、通行通路部39との間を接続する通路を構成する接続ステップ(接続通路部)73が設けられている。
接続ステップ73は、ヘッド13に支持された駆動装置75によって固定通路37側に幅方向に延在する軸線を中心として上下方向に揺動し、後端側が通行通路部39に選択的に接触するように構成されている。駆動装置75は、例えば、電磁力又は油圧等によって駆動するシリンダなどである。
固定通路35、内側通路部25、通行通路部39、固定通路37及び接続ステップ73の上面は略一定の高さ位置になるように構成されている。
【0041】
次に、既設のボーディングブリッジ1を上記構造としたボーディングブリッジ1に改造する改造方法について
図7〜
図10により説明する。
図7は、既設のボーディングブリッジ1の概略構成を示す縦断面図である。既設のボーディングブリッジ1では、
図7に示されるように、内側通路部25と外側通路部27との間に段差があり、この段差を解消するため、ステップ77が架け渡たされている。
接続ユニット11、収納ユニット57、通路部材41、上部ブラケット53、上側ガイド55、接続ステップ73及び駆動装置75が、工場等で所定の構造を有するように製造される。製造された製品は、現地である空港に持ち込まれる。
【0042】
以下、空港での作業について説明する。
まず、ヘッド分離工程として、ヘッド13を先端トンネル9から取り外す。取り外したヘッド13は、地上に降ろされる。
次に、接続ユニット装着工程として接続ユニット11が持ち上げられ、先端トンネル9の先端部の所定位置に位置するようされる。接続ユニット11は、
図8に示されるように先端トンネル9に、例えば、ボルトによって取り付けられる。
このとき、接続ユニット11の所定の位置に取り付けられたチェーンスプロケット33は、
図8に示されるように外側通路部27の上下に存在するような位置となる。そして、チェーンスプロケット33の上端位置は、チェーンスプロケット33に巻回される通路部材41の上面が内側通路部25の上面と一致するような位置とされている。
【0043】
次に、上側案内部材取付工程として、先端トンネル9の両側面部の所定位置に上部ブラケット53及び上側ガイド55を、例えば、ボルトによって取り付ける。
また、下側案内部材取付工程として、収納ユニット57が先端トンネル9の下部に取り付けられる。収納ユニット57は、各支持部材65が、先端トンネル9の下部に配置された構造梁21にボルトで固定されることによって取り付けられる。
上側案内部材取付工程及び下側案内部材取付工程は、並行して行われてもよいし、いずれか一方を早く行ってもよい。
図9は、この状態を示している。
【0044】
このとき、接続通路部取付工程として、ヘッド13に、接続ステップ73及び駆動装置75を取り付ける。なお、接続通路部取付工程は後に説明するヘッド装着工程の後で実施してもよい。
【0045】
次に、通路部材41を取り付ける通路部材取付工程に入る。
通路部材41は、一端部が基端トンネル7に、通路部材41の上面が内側通路部25の上面と一致し、かつ、略連続するように固定して取り付けられる。
そして、通路部材41の他端部側は、チェーン51が上側ガイド55に係合させられつつ先端側に移動される。通路部材41は、チェーン51がチェーンスプロケット33に巻回されて下方に移動される。これにより、通路部材41の他端部は、チェーンスプロケット33によって移動する方向が変更され、基端トンネル7側に向けて位置される。
【0046】
この状態で、通路部材41を構成するチェーン51の他端部は、ロープ牽引装置71から繰り出されるロープ69に取り付けられる。ロープ牽引装置71を駆動してロープ69を繰り込み、チェーン51を牽引する。これにより、チェーン51及び通路部材41は、基端トンネル7の方向に牽引され、所定の張力が付与される。
【0047】
このように、先端トンネル9の内部に通路部材41の高さ位置を一定に保つように案内する上側ガイド55が取り付けられるので、先端トンネル9の通行通路部39を形成する通路部材41の高さ位置を安定して維持することができる。
また、先端トンネル9の下面下方に通路部材41の高さ位置を一定に保つように案内する下側ガイド67が取り付けられるので、通路部材41を安定して移動させることができる。
【0048】
次いで、ヘッド装着工程で、ヘッド13が接続ユニット11の先端側に、例えば、ボルトによって取り付けられる。このとき、接続ユニット11とヘッド13との接合位置は、固定通路37の上面がチェーンスプロケット33に巻回される通路部材41の上面と一致するような位置とされている。
【0049】
このようにして、改造された
図10に示されるボーディングブリッジ1では、固定通路35、内側通路部25、通行通路部39、接続ステップ73及び固定通路37で形成される通路は、略一定の高さ位置で連続的に形成することができる。これにより、ターミナルビルと航空機15との間で略均一高さの通路が連続的に形成されるので、ボーディングブリッジ1の通路のバリアフリー化を進展させることができる。
【0050】
接続ユニット11、通路部材41及び収納ユニット57は、予め製造されて、現地である空港に搬入されるので、空港での作業時間を短縮することができる。これにより、ボーディングブリッジ1が運用できない休止期間を短縮することができる。
また、接続ユニット11が先端トンネル9と別体とされているので、チェーンスプロケット33を外側通路部27の上下に存在するように取り付けるために必要な先端トンネル9の床面の切断作業が必要でなくなる。このため、先端トンネル9の床を、例えば、トーチ切断する作業が不要となるので、火気制限の厳しい空港内でも改造作業を行うことができる。
【0051】
改造のために製造する部分が、接続ユニット11、通路部材41、収納ユニット57及び接続ステップ73等のみである、言い換えると部分的であるので、先端トンネル9全体を交換する場合に比べて改造コストを低減させることができる。
なお、下側ガイド67及びロープ牽引装置71は、収納ユニット57に組み込まれ、一体的に取り付けられていることは、作業時間の短縮に効果があるが、これに限定されない。すなわち、収納ユニット57としないで、下側ガイド67及びロープ牽引装置71をそれぞれ別途取り付けるようにしてもよい。
【0052】
以上、説明したように改造されたボーディングブリッジ1の動作について説明する。
ボーディングブリッジ1は、先端トンネル9が
図1の二点鎖線で示されるように基端トンネル7と大きく嵌合された状態、すなわち縮長された状態で待機している。
航空機15が所定の位置に到着すると、可動脚19が作動し、先端トンネル9が航空機15に向かい移動する。すなわち、ボーディングブリッジ1が伸長される。
【0053】
先端トンネル9が航空機15に向かい移動すると、チェーンスプロケット33も同方向に移動するので、基端トンネル7に固定されたチェーン51の一端側にかかる力がロープ牽引装置71の牽引力に打ち勝ちチェーン51はチェーンスプロケット33を基端トンネル7側に回転させられる。このチェーンスプロケット33の回転によってチェーン51は下側ガイド67側から上側ガイド55側に移動する。
【0054】
このチェーン51の移動に伴いステップ43が通行通路部39に移動するので、通行通路部39の長手方向Nにおける長さはチェーンスプロケット33、すなわち、先端トンネル9が移動した距離だけ自動的に長くなる。
このとき、接続ステップ73が移動するステップ43の絨毯47をこすって傷付けないように、接続ステップ73は駆動装置75によって
図5の二点鎖線で示す位置に退避させられている。
そして、ヘッド13を航空機15に接続すると、接続ステップ73が降ろされ、通行通路部39と固定通路37とを連続した通路とされる。
【0055】
このように通路が略一定の高さで、連続して形成された状態で、乗客等はターミナルと航空機15との間を通行する。
乗客等の通行が終了すると、可動脚19を作動させてヘッド13を航空機15から離脱させ、先端トンネル9をロタンダ5側へ移動させる。このとき、接続ステップ73は上記と同様に退避させておく。
先端トンネル9がロタンダ5に向かい移動すると、チェーンスプロケット33も同方向に移動するので、ロープ牽引装置71の牽引力によってチェーン51はチェーンスプロケット33をヘッド13側に回転させる。このチェーンスプロケット33の回転によってチェーン51は上側ガイド55側から下側ガイド67側に移動する。
【0056】
なお、本実施形態では、チェーン51に牽引力を与えるためにロープ牽引装置71を用いているが、高さに余裕があれば、ロープ69の自由端に錘を取付けるようにしてもよい。
このようにすれば、構造が簡素化でき、安価に製造することができる。
【0057】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、
図11〜
図13を用いて説明する。
本実施形態では、第一実施形態と収納ユニット57の構成が異なっているので、この相違点について説明し、その他の部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
図11は、本実施形態に係る収納ユニット81の側面図である。
図12は、本実施形態に係るボーディングブリッジの改造方法を用いて改造されたボーディングブリッジ1の全体概略構成を示す側面図である。
図13は、
図12の通路の構成を示す側面図である。
【0059】
本実施形態に係る収納ユニット81には、第一実施形態のロープ牽引装置71に替えて後端部の幅方向略中央部にシーブ83が幅方向に延在する軸線回りに回転自在に取り付けられている。
【0060】
基端トンネル7の先端部下面の幅方向略中央位置には、通路部材41を牽引するバネ部材85が固定して取り付けられている。
バネ部材85は、基端トンネル7に固定される保持部87に、取付棒体89が長手方向Nに延在し、先端側への移動を制限されるように挿入されている。取付棒体89の先端側には、ナット91が螺合する雄ネジが刻設されている。
【0061】
保持部87とナット91との間には、圧縮バネ93が介装されている。
取付棒体89の後端部には、ロープ95が取り付けられている。ロープ95は、シーブ83を巻回して最端側のステップ43の補強部49の幅方向略中央位置に長さが調整できるターンバックル部97を介して取り付けられている。
【0062】
既設のボーディングブリッジ1を上記構造としたボーディングブリッジ1に改造する改造方法について、通路部材取付工程が異なる以外は第一実施形態と同様であるので、ここでは異なる部分を説明し、重複した部分の説明を省略する。
通路部材取付工程に先だってバネ部材85が基端トンネル7の下面に取り付けられる。また、通路部材41の最端部のステップ43にターンバックル部97が取り付けられる。
【0063】
通路部材取付工程では、通路部材41は、一端部が基端トンネル7に、通路部材41の上面が内側通路部25の上面と一致し、かつ、略連続するように固定して取り付けられる。
そして、通路部材41の他端部側は、チェーン51が上側ガイド55に係合させられつつ先端側に移動される。通路部材41は、チェーン51がチェーンスプロケット33に巻回されて下方に移動される。これにより、通路部材41の他端部は、チェーンスプロケット33によって移動する方向が変更され、基端トンネル7側に向けて位置される。
【0064】
この状態で、シーブ83を巻回されたロープ95の端部を、取付棒体89の後端側及びターンバックル部97の後端側に装着する。
圧縮バネ93によって、ロープ95は引っ張られるので、ターンバックル部97を介して通路部材41が引っ張られることになる。これにより、通路部材41に所定の張力を付与できる。
この張力の大きさは、圧縮バネ93の大きさとナット91の位置とで決定される。したがって、圧縮バネ93の大きさ及びナット91の位置は、ステップ43が安定した通行通路を形成するように設定される。
また、ターンバックル部97の長さを調整して、張力を調整することもできる。
【0065】
本実施形態に係る改造方法の作用・効果については上述の第一実施形態のものと略同様であるので、重複した説明を省略する。
【0066】
なお、本実施形態では、ロープ95をステップ43の幅方向略中央位置の1箇所に取りつけているが、これに限定されず、例えば、両端部の2ヶ所に取付けるようにしてもよい。あるいは中央部及び両端部の3箇所等適宜形態とすることができる。
この場合、左右対称とするのが通路部材41の動きを滑らかにする意味で好ましいが、非対象とするようにしてもよい。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。