(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図18はこの種の光コネクタ接続体の従来例として特許文献1に記載されている構成を示したものである。特許文献1ではハウジングとアダプタとによって光コネクタ接続体が構成されている。ハウジング10は光コネクタ21を保持しており、このハウジング10と結合されるアダプタ31は筐体32から部分的に外部に突出された光モジュール33の突出された部分を覆うように筐体32に固定されている。
【0003】
ハウジング10は筒部11、外筒部12、連結体13、連結体13に接続されたケーブル14を有している。筒部11の先端部は嵌合部11aとされ、嵌合部11a内には光コネクタ21を軸方向に移動可能に支持するための支持部11bが設けられている。支持部11bには貫通孔11cが形成されており、この貫通孔11cに、光コネクタ21に取り付けられた取付部材22が挿入されている。
【0004】
光コネクタ21は本体部21aを有しており、本体部21aの基端部に取付部材22が取り付けられている。取付部材22は本体部22a、基端部22b、フランジ部22cを有しており、本体部22aが貫通孔11cに貫通されている。なお、
図18には図示されていないが、光コネクタ21の本体部21aには光ファイバケーブル23を保護するブーツが固定されており、取付部材22はブーツを覆うように取り付けられている。
【0005】
筒部11の、支持部11bよりも基端側には仕切り壁15が固定されており、仕切り壁15には貫通孔15aが設けられている。仕切り壁15と取付部材22のフランジ部22cとの間にはコイル状のバネ16が配置されており、バネ16内に基端部22bが挿入されている。バネ16の付勢力により取付部材22は軸方向先端側に付勢され、これにより光コネクタ21は軸方向先端側に付勢されている。
【0006】
筒部11には最も外周の径が大きい摺接部11dが形成されており、摺接部11dと外筒部12の内面とが摺動することにより、外筒部12は筒部11に対して軸方向周りに回転可能となっている。また、外筒部12は筒部11に対して軸方向に所定範囲、移動可能となっている。筒部11の窪み部分にはゴム製のリング部材17が配置されている。
【0007】
筒部11の基端側には連結体13が連結されている。連結体13と筒部11との間にはゴム製のリング部材18が設けられている。連結体13の基端側にケーブル14が接続されており、光コネクタ21の光ファイバケーブル23はケーブル14内に挿入されている。
【0008】
光コネクタ21の本体部21aにはフェルール21b及びフェルール21bを軸方向先端側に付勢するバネ21cが保持されている。本体部21aにはラッチアーム21dが設けられている。本体部21aの基端側には光ファイバケーブル23が接続されており、フェルール21bは本体部21a内で光ファイバに接続されている。
【0009】
アダプタ31は筐体32に設けられた孔部分に嵌合している。アダプタ31は筒部11と嵌合する嵌合部31aを有している。嵌合部31aの基端側には嵌合部31aの内面と連続した円形状の嵌合溝部31bが形成されている。アダプタ31には貫通孔31cが形成されており、貫通孔31cに挿入された光モジュール33の先端部は貫通孔31cから突出している。アダプタ31のベース部31dと筐体32との間にはゴム製のリング部材34が介在されている。
【0010】
光モジュール33は光コネクタ21が挿入される挿入穴33aを有しており、挿入穴33a内には光コネクタ21のフェルール21bと接続されるフェルール33bが設けられている。フェルール33bはバネ33cにより軸方向先端側に付勢されている。
【0011】
上記のような構成において、アダプタ31とハウジング10の結合の際には、ハウジング10の外筒部12と筒部11との間にアダプタ31の嵌合部31aが挿入され、筒部11の嵌合部11aは嵌合溝部31bに挿入される。フェルール21bと33bとは互いに圧接され、光コネクタ21はバネ16の付勢力に抗して軸方向基端側に移動する。
【0012】
このように、光コネクタ21は軸方向に移動可能に支持されており、これにより光コネクタ21を光モジュール33に接続する際に、種類によって異なる光モジュール33の軸方向長さを吸収して両者を接続することができるものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述したように、特許文献1においてはハウジング10に保持されている光コネクタ21はアダプタ31側の光モジュール33の先端位置(長さ)に応じ、筒部11に対して移動可能とされている。一方、光コネクタ21に接続されている光ファイバケーブル23は筒部11の基端側において連結体13に固定されているため、光コネクタ21が軸方向基端側に移動すると、光ファイバケーブル23にたわみが生じることになる。
【0015】
光ファイバはガラス製のため、屈曲に対して弱く(折れやすく)、よって光ファイバにたわみが生じる場合にはたわみの曲率半径が小さくならないようにする必要があり、このためには光ファイバの余長を長くする必要がある。
【0016】
特許文献1における筒部11はこのような光ファイバの余長を確保する必要があり、よって筒部11を短くすることはできず、筒部11の全長は長くなってしまい、これによりハウジング10を小型化することができないといった問題がある。
【0017】
この発明の目的はこの問題に鑑み、相手方光コネクタを収容したレセプタクル(特許文献1のアダプタに相当)と結合されるプラグ(特許文献1のハウジングに相当)において、例えば相手方光コネクタの位置が変動しても、その変動を吸収して良好にプラグの光コネクタを相手方光コネクタに接続することができるようにし、さらに従来に比し、小型化できるようにしたプラグを提供することにあり、さらにそのプラグとレセプタクルとよりなる光コネクタ接続体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1の発明によれば、相手方光コネクタを収容したレセプタクルと結合されるプラグは、光ケーブルの端末に取り付けられた光コネクタ本体と、筒状をなし、光コネクタ本体を先端側に固定保持し、後端より導出される光ケーブルを後端で固定保持するハウジングと、ハウジングを囲む筒状とされ、後端に設けられている後壁部に形成されたねじ穴がハウジングの外周面に形成されているねじに嵌め合わされることでハウジングに取り付け
られる内側シェルと、内側シェルを囲む筒状とされ、先端側内周面にレセプタクルの筐体シェルの外周面に形成されているねじと嵌め合わされるねじが形成され、後端側の内周面に段部が突出形成されている外側シェルとを備え、レセプタクルとの結合時に、
ハウジングは、ハウジングが固定保持する光コネクタ本体が筐体シェル内に収容されている相手方光コネクタに接続する位置まで筐体シェルに挿入され、内側シェルは
、内側シェルの先端が筐体シェルの内周面に設けられている突き当て面に突き当たる
位置までねじにより嵌め合わされたハウジングに対し回転されて前方に進められ
、外側シェル
は、外側シェルの前記段部が
内側シェルの前記後壁部に突き当たる
位置までねじにより筐体シェルに嵌め合わされる構造とされる。
【0019】
請求項2の発明では請求項1の発明において、ハウジングは前記ねじが形成されているねじ部より大径の大径部を先端側に有し、大径部と内側シェルとの間、前記段部と前記後壁部との間及び光ケーブルが固定保持されているハウジングの後端にそれぞれシール部材が配置されているものとされる。
【0020】
請求項3の発明では請求項1の発明において、ハウジングは前記ねじが形成されているねじ部より小径の小径部をねじ部より後端側に有し、外側シェルは前記段部より後端側に前記小径部を囲む延長部を有し、前記小径部と前記延長部との間及び光ケーブルが固定保持されているハウジングの後端にそれぞれシール部材が配置されているものとされる。
【0021】
請求項4の発明では請求項2又は3の発明において、ハウジングの後端にはグランドナットがねじにより嵌め合わされてシール部材が圧縮される。
【0022】
請求項5の発明では請求項1乃至4のいずれかの発明において、ハウジングの先端に、筐体シェルに挿入されて周方向に位置決めされる突出片が突出形成されているものとされる。
【0023】
請求項6の発明では請求項1乃至5のいずれかの発明において、光コネクタ本体はクリップを介してハウジングに取り付けられているものとされる。
【0024】
請求項7の発明によれば、光コネクタ接続体は請求項1乃至6記載のいずれかのプラグと、レセプタクルとよりなる。
【0025】
請求項8の発明では請求項7の発明において、相手方光コネクタは基板上に実装された光トランシーバに一体形成されており、筐体シェルは基板を収容する筐体に取り付けられるものとされる。
【0026】
請求項9の発明では請求項8の発明において、外側シェルが筐体シェルにねじにより嵌め合わされた際に、それら外側シェルと筐体シェルとによって挟み込まれるシール部材が筐体シェルに配置されているものとされる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、レセプタクルに収容されている相手方光コネクタの位置がレセプタクルの軸方向に変動しても、その変動を吸収して良好にプラグの光コネクタを相手方光コネクタに接続してプラグをレセプタクルに結合することができ、かつ光コネクタを強固に保持することができる。さらに、従来に比し、プラグの小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
【0030】
図1及び
図2はこの発明によるプラグの一実施例の外観を示したものであり、
図3はその断面構造を示したものである。プラグ100はこの例では一対の光コネクタ本体110とハウジング120と内側シェル130と外側シェル140とクリップ150とグランドナット160とシール部材としてのOリング171,172及びブッシュ173とによって構成されており、光ケーブル200の端末に取り付けられている。なお、
図3中、201,202,203はそれぞれ光ファイバ心線、光ファイバ素線、光ファイバを示す。
【0031】
一対の光コネクタ本体110はこの例では一般的な2芯のLCコネクタの一対の本体部に相当するものとされ、即ち光ファイバを保護するブーツを具備しない構成とされている。各光コネクタ本体110内には光ファイバ203が挿通保持されたフェルール111と、フェルール111を光コネクタ本体110から突出する方向に付勢するコイルバネ112とが収容されている。各光コネクタ本体110の上面にはラッチ片113が設けられており、後端には円筒部114が突出形成されている。光ファイバ素線202はこの円筒部114を通って後端より導出されている。なお、ラッチ片113の幅方向両側の側面には
図2Aに示したように係止突起115がそれぞれ突出形成されている。
【0032】
一対の光コネクタ本体110はクリップ150を介してハウジング120に取り付けられている。
図4はクリップ150の形状を示したものであり、クリップ150は円板に切り欠き151が2つ大きく形成された形状とされる。2つの切り欠き151は互いに平行に形成されており、切り欠き151の内端は光コネクタ本体110の円筒部114がはまり込む円形をなすものとされている。
【0033】
2つの切り欠き151の互いの外側部分において円板の外周面には係止突起152がそれぞれ突出形成されている。また、これら係止突起152が形成されている部分の外周面に沿うように円弧状をなすスリット153がそれぞれ形成されている。
【0034】
光ケーブル200の端末に取り付けられた一対の光コネクタ本体110は
図5に示したように円筒部114がそれぞれ切り欠き151に嵌め込まれてクリップ150に取り付けられる。
【0035】
図6は一対の光コネクタ本体110を固定保持したクリップ150がハウジング120に取り付けられる様子を示したものである。
【0036】
ハウジング120は円筒状をなし、その軸方向中間部分の外周面にはねじが形成されている。このねじが形成されているねじ部121より先端側はねじ部121より外径が大とされており、この大径部122の開口部分にクリップ150が嵌め込まれて取り付けられる。クリップ150は大径部122の互いに180°をなす位置に形成されている係止穴123に係止突起152がそれぞれ嵌め込まれてハウジング120に取り付けられ、これにより一対の光コネクタ本体110は
図7に示したようにハウジング120の先端側に固定保持される。なお、クリップ150に形成されている一対のスリット153は、クリップ150に光コネクタ本体110の円筒部114を嵌め込む際及びクリップ150をハウジング120に嵌め込む際にクリップ150が弾性変形しやすいように設けられている。
【0037】
ハウジング120の先端には大径部122から突出延長されて幅広の突出片124が3つ形成されている。3つの突出片124は
図6に示したように大径部122の周方向に90°ピッチで配列されて形成されている。一方、ハウジング120のねじ部121より後端側はねじ部121より外径が小さいクランプ部125とされ、このクランプ部125の外周面にもねじが形成されている。
【0038】
光ケーブル200はハウジング120の後端のクランプ部125を通って導出される。クランプ部125内において光ケーブル200の回りにはゴム製のブッシュ173が設けられており、グランドナット160をクランプ部125にねじにより嵌め合わせることによりブッシュ173は圧縮される。これにより、光ケーブル200はハウジング120の後端に固定保持されると共に、ハウジング120の後端がブッシュ173によってシールされる。
【0039】
内側シェル130はハウジング120を囲む円筒状とされる。内側シェル130の先端側は開放されており、後端には後壁部131が設けられている。後壁部131には中央にねじ穴132が形成されており、このねじ穴132がハウジング120のねじ部121にねじにより嵌め合わされることにより、ハウジング120に内側シェル130が取り付けられる。
【0040】
ハウジング120の大径部122と内側シェル130との間にはOリング171が配置され、Oリング171は内側シェル130と大径部122とによって挟み込まれるものとなっている。大径部122の外周面にはOリング171を収容位置決めする溝126が形成されている。
【0041】
外側シェル140は内側シェル130を囲む円筒状とされる。外側シェル140の先端側は開放されており、この先端側の内周面にはねじ141が形成されている。一方、後端側の内周面には段部が突出形成されている。段部はこの例では貫通穴142が形成された後壁部143の内面143aによって構成されている。
【0042】
外側シェル140は後述するようにレセプタクルの筐体シェルにねじにより嵌め合わされ、この際、後壁部143の内面(段部)143aは内側シェル130の後壁部131の外面と当接するものとなっている。これら外側シェル140の後壁部143と内側シェル130の後壁部131との間にはOリング172が配置され、Oリング172は両後壁部143,131によって挟み込まれるものとなっている。外側シェル140の後壁部143の内面にはOリング172を収容位置決めする環状溝144が形成されている。
【0043】
プラグ100は上述したように一対の光コネクタ本体110をハウジング120の先端に保持し、ハウジング120の回りには内側シェル130及び外側シェル140の2つのシェルを具備するものとなっている。
【0044】
図8及び
図9は上述したプラグ100が結合されるレセプタクルを示したものである。レセプタクル300はプラグ100の一対の光コネクタ本体110と接続される光コネクタ310を筐体シェル330内に収容した構成となっており、光コネクタ310はこの例では光トランシーバ320に一体形成されている。光コネクタ310付きの光トランシーバ320は基板410上に実装されている。なお、基板410は
図8及び
図9では光トランシーバ320を搭載しうる程度の大きさとして示しているが、実際には図示した大きさより大きい。
【0045】
筐体シェル330は後述するように基板410を収容する筐体に取り付けられるものである。
【0046】
筐体シェル330は円筒状とされ、その一端側にはフランジ331が形成されている。フランジ331は方形とされ、その4隅には筐体へのねじ止め用の取り付け穴332がそれぞれ形成されている。
【0047】
フランジ331側の大径部333はプラグ100の外側シェル140の外径と等しい外径とされ、この大径部333に続いてOリング配置部334、嵌合部335を備えている。嵌合部335の基端側の外周面にはねじ336が形成されており、このねじ336が形成されている部分より先端側は外径が若干小さくされている。嵌合部335は大きく切り欠かれ、切り欠き337によって嵌合部335は上方に大きく開放されている。
【0048】
筐体シェル330の内周面には段部338が突出形成されている。段部338には軸心方向に伸長する3つの溝339が周方向に90°ピッチで配列されて形成されている。
【0049】
筐体シェル330にはOリングが2つ配置される。一つ目のOリング351はOリング配置部334に配置され、二つ目のOリング352はフランジ331の背面側に形成された環状溝341に配置されている。
【0050】
筐体シェル330内に収容されている光コネクタ310はその前面にプラグ100の一対の光コネクタ本体110が挿入嵌合される嵌合穴311を2つ有しており、各嵌合穴311内には光コネクタ本体110のフェルール111が挿入位置決めされる挿入穴312が形成されている。嵌合穴311の上面は光コネクタ本体110のラッチ片113が挿入位置されるように切り欠かれており、切り欠き313の内端側は幅広とされている。ラッチ片113に形成されている係止突起115はこの幅広部分の前面側の内壁面に当接し、これにより光コネクタ本体110が抜け止めされるものとなっている。
【0051】
図10は上述したプラグ100とレセプタクル300とよりなる光コネクタ接続体の結合状態を示したものであり、
図11及び
図12はレセプタクル300に対するプラグ100の結合手順を順に示したものである。レセプタクル300に対するプラグ100の結合は下記の手順で行われる。
【0052】
(1)
図11Aに示したように、プラグ100はハウジング120から内側シェル130及び外側シェル140を外した状態とする。
(2)
図11Bに示したように、光コネクタ本体110を保持したハウジング120をレセプタクル300の筐体シェル330に挿入する。一対の光コネクタ本体110は筐体シェル330内の光コネクタ310に挿入され、ラッチ片113により抜け止めされて光コネクタ310に接続される。この際、ハウジング120の先端に設けられている3つの突出片124は筐体シェル330内に形成されている溝339にそれぞれ挿入される。
(3)次に、内側シェル130をハウジング120の後方からハウジング120にねじにより嵌め合わせ、ハウジング120に対し、回転させて前方に進める。内側シェル130の先端は
図12Aに示したように筐体シェル330内に挿入される。内側シェル130の回転は先端が筐体シェル330内に形成されている段部338の前面(突き当て面)338aに突き当たるまで行われる。なお、ハウジング120はその先端の突出片124が筐体シェル330内の溝339に位置して周方向に位置決めされており、これにより回転が防止されているため、内側シェル130が回転してもそれに追随してハウジング120が回転することはない。
(4)次に、外側シェル140を筐体シェル330の嵌合部335のねじ336に嵌め合わせて
図12Bに示したように筐体シェル330に固定する。外側シェル140はその後壁部143が内側シェル130の後壁部131に突き当たった位置(
図3参照)で筐体シェル330へのねじによる嵌め合わせが完了し、これによりプラグ100のレセプタクル300に対する結合が完了する。筐体シェル330のOリング配置部334に配置されているOリング351は外側シェル140と筐体シェル330とによって挟み込まれる。
【0053】
このように、この例では筐体シェル330にねじ固定される外側シェル140によって内側シェル130は筐体シェル330に対して強固に固定され、この内側シェル130によって内側シェル130とねじ結合されているハウジング120が強固に固定され、これにより光コネクタ本体110を強固に固定保持することができるものとなっている。なお、ハウジング120の後方から内側シェル130をハウジング120回りに入れる際及び後方から外側シェル140を内側シェル130回りに入れる際、それらを妨げることのないようにグランドナット160はその大きさが選定されている。
【0054】
また、上述したように、プラグ100にはハウジング120と内側シェル130の間、内側シェル130と外側シェル140の間にそれぞれOリング171,172が配置され、さらに光ケーブル200が導出されるハウジング120の後端にブッシュ173が設けられており、一方、レセプタクル300の筐体シェル330にはプラグ100の外側シェル140によって挟み込まれるOリング351が配置されているため、プラグ100とレセプタクル300とを結合した際には防水構造が確立されるものとなっている。
【0055】
次に、プラグ100を上記のような構成としたことにより、レセプタクル300の光コネクタ310の位置変動に対して良好に対応できることについて説明する。
【0056】
図13は筐体シェル330に対し、光コネクタ310の位置が変動する様子を示したものであり、
図13に示したようなレセプタクル300の軸方向(Z方向)の光コネクタ310の位置の変動は、例えば筐体シェル330が取り付けられている筐体420と光トランシーバ320が実装されている基板410との組立精度(組立ばらつき)によって生じる。
【0057】
筐体シェル330に対する
図13Aの光コネクタ310の先端位置と
図13Bの光コネクタ310の先端位置の差ΔLは具体的数値例を示せば、6mm程度であり、この程度の光コネクタ310の位置変動は組立ばらつきによって生じうる。
【0058】
図14A,Bは
図13A及び
図13Bの状態のレセプタクル300に対し、それぞれプラグ100が結合された状態を示したものである。なお、
図14A,Bでは筐体420の図示は省略している。
【0059】
図14A,Bより明らかなように、筐体シェル330に対する内側シェル130及び外側シェル140の位置(結合状態)には変化がない。光コネクタ310の位置の変動に対しては内側シェル130に対してハウジング120の位置が変化することによって対応できるものとなっており、このような対応はハウジング120と内側シェル130とがねじ結合されていることによって可能となっている。
【0060】
図14A,Bに示したように、この発明の実施例によるプラグ100によれば、レセプタクル300の光コネクタ310の位置の変動を吸収して良好にプラグ100をレセプタクル300に結合することができるものとなっており、その際に防水性能が損われることもない。なお、ハウジング120に嵌め込まれるクリップ150はハウジング120に対し、ガタが設けられており、つまりZ方向と直交するXY方向にクリップ150が動きうるものとなっているため、光コネクタ310のXY方向の位置の変動も吸収することができる。
【0061】
加えて、レセプタクル300の光コネクタ310の位置の変動を吸収する際、従来のように光ファイバにたわみが生じるといったことは発生せず、つまり光ファイバはプラグ100内でたわまないため、たわみのための余長は不要となり、よってプラグ100を大幅に小型化(短尺化)することができる。
【0062】
図15はこの発明の実施例によるプラグ100の大きさを一般的なブーツ付きのLCコネクタと対比して示したものであり、LCコネクタ500の全長L
1及びブーツ510の長さL
2は、
L
1=50.3mm
L
2=28.8mm
であり、このLCコネクタ500のみと比較してもプラグ100は短い。なお、プラグ100に保持されている光コネクタ本体110はブーツを具備しない(必要としない)ものであり、その長さL
3は19.2mmである。前述した特許文献1に記載されているハウジング10(この発明におけるプラグに相当)は特許文献1に記載されているようにブーツ付きのLCコネクタを内蔵しているものであり、極めて大型化(長尺化)することは免れえない。
【0063】
次に、
図16に示したこの発明の別の実施形態によるプラグの構成について説明する。
図16はプラグ100’がレセプタクル300と結合された状態を示しており、前述したプラグ100と対応する部分には同一符号を付してある。
【0064】
この
図16に示したプラグ100’はOリングの数を1つに減らせるようにしたものである。ハウジング120’はねじ部121より小径の小径部127をねじ部121より後端側のクランプ部125との間に有し、外側シェル140’は内側シェル130’の後壁部131と当接する段部145より後端側にハウジング120’の小径部127を囲む延長部146を有するものとなっている。
【0065】
この例ではハウジング120’の小径部127と外側シェル140’の延長部146との間にOリング174が配置され、Oリング174はハウジング120’と外側シェル140’とによって挟み込まれるものとなっている。ハウジング120’の小径部127の外周面にはOリング174を収容位置決めする溝128が形成されている。
【0066】
図3に示したプラグ100では防水のため、2つのOリング171,172を設けていたが、このプラグ100’では外側シェル140’を延長してハウジング120’との間にOリング174を設けたことにより、Oリングの数を1つにすることができる。
【0067】
図17A,Bは
図14A,Bと同様、
図13A及び
図13Bの状態のレセプタクル300に対し、それぞれプラグ100’が結合された状態を示したものである。
【0068】
このプラグ100’では上述したように外側シェル140’を後端側において延長し、これに合わせてハウジング120’も長くしているため、
図1〜3に示したプラグ100よりは長くなるものの、ブーツ付きの光コネクタを内蔵し、光ファイバの余長を必要とするような従来のプラグよりは短尺化することができる。一例として、光コネクタ接続体全体の長さ(レセプタクル300の筐体シェル330の筐体取り付け面からプラグ100’の後端までの長さ)L
4の数値例を示せば、
図17Aでは53.8mm、
図17Bでは47.8mmとなっている。