特許第5890296号(P5890296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890296
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】直進移動機構
(51)【国際特許分類】
   B23Q 5/40 20060101AFI20160308BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   B23Q5/40 F
   F16H25/20 F
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-256381(P2012-256381)
(22)【出願日】2012年11月22日
(65)【公開番号】特開2014-100781(P2014-100781A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2014年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】594123387
【氏名又は名称】ヤマハファインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】石井 徹
(72)【発明者】
【氏名】川戸 貴幸
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−211567(JP,A)
【文献】 特開昭61−293745(JP,A)
【文献】 特開平02−107854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 5/40−5/44
B30B 15/06
B23B 1/18
F16H 25/20−25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動する駆動源と、該駆動源の回転運動を直進運動に変換して往復移動体に伝達する運動変換手段と、前記往復移動体の推力によって移動される被移動体とを備え、前記往復移動体と前記被移動体との間に、直進方向の推力を伝達する推力伝達部と、前記往復移動体に生じる振れ回りを吸収する振れ回り吸収部とが並列に接続されており、
前記振れ回り吸収部は、前記往復移動体の先端と前記被移動体との間に前記直進方向と直交する方向に沿って配置したガイドプレートと、該ガイドプレートと前記往復移動体とを前記直進方向と直交するX方向に相対移動自在に支持するX方向スライド部と、前記ガイドプレートと前記被移動体とを前記直進方向及び前記X方向と直交するY方向に相対移動自在に支持するY方向スライド部とにより構成され、
前記X方向スライド部は、前記X方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部と、該一対のピン形状部の軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成されて前記ピン形状部と係合する長穴溝とにより構成され、
前記Y方向スライド部は、前記Y方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部と、該一対のピン形状部の軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成されて前記ピン形状と係合する長穴溝とにより構成されていることを特徴とする直進移動機構。
【請求項2】
前記振れ回り吸収部は、前記推力伝達部よりも前記直進方向の先端側で前記往復移動体と前記被移動体とを接続されていることを特徴とする請求項1記載の直進移動機構。
【請求項3】
前記推力伝達部において、前記往復移動体と前記被移動体とが、スラスト軸受を介して接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の直進移動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動を直進移動に変換して被移動体を往復移動させるための直進移動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム状ワークに対する金型による打抜き加工や、導通・絶縁等の電気検査において、その加工、検査の精度を高めるためには、上下金型又は電気検査治具の直進移動を高い真直度で行う必要がある。また、同時に加工する箇所や検査箇所が増えるなどにより、その直進移動に対して大きな推力が要求される場合がある。
この金型、電気検査治具を移動させる手段としては、モータ等の駆動源の回転駆動を直進移動に変換する直進移動機構を用いたものがある。
【0003】
このような直進移動機構としては、特許文献1から4に示されるように、ボールねじ等の送りねじ及びこの送りねじに螺合する送りナット等からなる直進移動機構が知られている。
例えば、特許文献1に開示されている直進移動機構は、送りねじが回転することにより、その軸方向に送りナットが直進移動する構成とされており、送りナットに取り付けられたテーブル等の被移動体を送りナットとともに移動させることができる。そして、送りナットを送りねじの軸方向に沿って直進移動させるためにガイドレール等のガイド部が送りねじの軸方向に沿って設けられており、そのガイド部に沿って被移動体を直進移動させることができる。
【0004】
ところが、このような直進移動機構においては、被移動体に、送りねじの回転駆動により送りナットに生じる振れ回りに同期した力が伝達されるため、被移動体が送りナットの振れ回りに同期して変動することが避けられない。そのため、被移動体の移動真直度が低下し、被移動体を正確に往復移動させることができない。
【0005】
そこで、被移動体の移動真直度を向上させるために、特許文献4では、送りナットに一体に装着されたブロックと、テーブル(被移動体)との間に中間接続部材を配設し、この中間接続部材とブロックとを連結すると共に送りねじの断面左右方向にスライド可能に配設された横スライド機構部と、中間接続部材とテーブル側とを連結すると共に送りねじの断面上下方向にスライド可能に配設された縦スライド機構部とを設け、中間接続部材及びスライド機構部を介して連結する構成とし、ブロックの振れを吸収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2948951号公報
【特許文献2】特許第4297621号公報
【特許文献3】特開2007‐275955号公報
【特許文献4】特開平5‐318259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、極めて高い真直度が要求される微細加工や精密測定等の分野においては、大きな推力を発生させつつ、さらなる高精度の移動真直度が要求される。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大きな推力を発生させつつ被移動体の移動真直度を高精度に維持して直進移動を伝達することができる直進移動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特許文献4記載のように、スライド機構部を介してブロックと被移動体とを連結する構成とした場合は、ブロックに伝達された動力がスライド機構部に直に加わり、ブロックに生じる振れだけではなく、軸方向の推力も負荷されることになる。そのため、被移動体の移動真直度を高精度に保つためには、スライド機構部の剛性を高くする必要があり、その結果、機構が大型化するだけでなく、スライド機構部の円滑な動きが阻害されるおそれがある。
【0010】
発明の直進移動機構は、回転駆動する駆動源と、該駆動源の回転運動を直進運動に変換して往復移動体に伝達する運動変換手段と、前記往復移動体の推力によって移動される被移動体とを備え、前記往復移動体と前記被移動体との間に、直進方向の推力を伝達する推力伝達部と、前記往復移動体に生じる振れ回りを吸収する振れ回り吸収部とが並列に接続されており、前記振れ回り吸収部は、前記往復移動体の先端と前記被移動体との間に前記直進方向と直交する方向に沿って配置したガイドプレートと、該ガイドプレートと前記往復移動体とを前記直進方向と直交するX方向に相対移動自在に支持するX方向スライド部と、前記ガイドプレートと前記被移動体とを前記直進方向及び前記X方向と直交するY方向に相対移動自在に支持するY方向スライド部とにより構成され、前記X方向スライド部は、前記X方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部と、該一対のピン形状部の軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成されて前記ピン形状部と係合する長穴溝とにより構成され、前記Y方向スライド部は、前記Y方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部と、該一対のピン形状部の軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成されて前記ピン形状と係合する長穴溝とにより構成される
【0011】
往復移動体と被移動体との間に、推力伝達部と振れ回り吸収部とを別々に接続し、負荷が大きい直進方向の推力を推力伝達部に負担させ、直進方向の推力に比べて負荷が小さい振れ回りを振れ回り吸収部に負担させる構成としたので、推力伝達部によって垂直方向の推力を直接伝達することができ、振れ回り吸収部の剛性を低く設定することができる。そのため、大きな推力を発生させつつ、被移動体の移動真直度を高精度に維持して真直移動を伝達することができる。
往復移動体は、直進方向(Z方向)に対して直交する水平面において略90°の方向に交わる任意のXY方向の合成方向に振れ回りする。そこで、ガイドプレートにより往復移動体と被移動体とを任意のXY方向に案内する構成とし、それぞれの方向に生じる振れをガイドプレートにより吸収することで、往復移動体の振れを吸収することができる。このように、ガイドプレートと両スライド部による簡単な構成によって往復移動体に生じる振れを吸収し、被移動体の移動真直度を高精度に維持した状態で直進移動を伝達することができる。
【0012】
本発明の直進移動機構において、前記振れ回り吸収部は、前記推力伝達部よりも前記直進方向の先端側で前記往復移動体と前記被移動体とを接続する構成とされる。
このような構成とすることで、往復移動体の推力が振れ回り吸収部に伝わることを抑制することができ、振れ回り吸収部の動きを円滑にして、振れ回りを確実に吸収し、高い真直度の直進移動を行わせることができる。
【0013】
本発明の直進移動機構は、前記推力伝達部において、前記往復移動体と前記被移動体とが、スラスト軸受を介して接続されているとよい。
スラスト軸受は、すべり機能又は転がり機能を具備し、往復移動体と被移動体との接触面に生じるXY方向のすべり抵抗又は転がり抵抗を最小とすることができるので、往復移動体の振れ回りの影響を少なくして、より大きな推力で高い真直度の直進移動を伝達することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、往復移動体と被移動体との間に、推力伝達部と振れ回り吸収部とを別々に接続し、負荷が大きい直進方向の推力を推力伝達部に負担させ、直進方向の推力に比べて負荷が小さい振れ回りを振れ回り吸収部に負担させる構成としたので、推力伝達部によって垂直方向の推力を直接伝達することができ、振れ回り吸収部の剛性を低く設定することができる。したがって、大きな推力を発生させつつ、被移動体の移動真直度を高精度に維持して直進移動を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態の直進移動機構を適用した加工装置を示す概略図である。
図2図1に示す直進移動機構を説明する分解斜視図である。
図3】推力伝達部と振れ回り吸収部とを説明する要部断面図である。
図4】振れ回り吸収部を説明する分解斜視図である。
図5】その他の実施形態の推力伝達部を説明する図である。
図6】その他の実施形態の振れ回り吸収部を説明する図である。
図7】第2実施形態の直進移動機構を示す要部断面図である。
図8図7に示す直進移動機構を説明する図であり、(a)が推力伝達部、(b)が振れ回り吸収機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態の直進移動機構を適用した加工装置100の概略図である。この加工装置100は、作業台上に設置される略方形状の基台21と、基台21の上部に設けられた上部プレート22とで構成されている。また、基台21の四隅には支柱23が立設されており、この支柱23の上端部に上部プレート22が基台21と対面するように固定されている。
【0019】
基台21と上部プレート22との間には、矩形状の移動プレート31(本発明でいう、被移動体)が、上下方向に沿うガイド軸32の下端に設けられており、上部プレート22には4本の支持筒33が固定され、その支持筒33内にガイド軸32が上下方向に摺動自在(直線対偶の接触状態)に設けられている。
そして、移動プレート31の下面中央に上型41(可動側金型)が設けられ、基台21の上面中央に下型42(固定側金型)が組み付けられ、これら上型41と下型42とにより成形型が構成されている。
【0020】
加工装置100には、移動プレート31を上下移動させて成形型の開閉を行う直進移動機構1が設けられている。
直進移動機構1は、回転駆動するモータ11(本発明でいう、駆動源)と、そのモータ11の回転運動を直進運動に変換して往復移動体に伝達する運動変換手段2と、往復移動体の推力によって移動される移動プレート31とから構成される。
運動変換手段2は、例えば図1に示すように、往復移動体となるボールねじ等の送りねじ12と、この送りねじ12に螺合する送りナット13とにより、ねじ対偶の組合せで構成される。
【0021】
送りナット13は、上部プレート22の中央部に回転自在に軸受24により支持されている。この送りナット13には、上部プレート22の上方に突出する上端部にプーリー14が取り付けられており、プーリー14はベルト15を介してモータ11により回転駆動されるようになっている。
また、送りねじ12は、送りナット13が回転されることにより軸方向(Z方向)に沿って直進移動する構成とされ、この送りねじ12の下端に移動プレート31が接続されている。したがって、モータ11を回転駆動させるとプーリー14が回転して送りナット13を回転させ、これによって、送りねじ12がZ方向に沿って下降又は上昇の直進移動するようになり、移動プレート31も送りねじ12とともに下降又は上昇する。なお、モータ11は、加工装置100の本体部(図示略)に固定されている。
【0022】
そして、移動プレート31と送りねじ12との間には、直進方向の推力を伝達する推力伝達部5と、送りねじ12に生じる振れ回りを吸収する振れ回り吸収部6とが並列に接続されている。
移動プレート31の中央部には、図2及び図3に示すように、三段に段階的に内径が縮小する中央穴部34が形成されている。移動プレート31の下面31b側に配置される下段穴部34cが最も径が大きく形成されており、中段穴部34b、上段穴部34aと上面31a側に向かうほど小径に形成されている。
【0023】
推力伝達部5は、図3に示すように、上段穴部34aに送りねじ12の先端の小径部12aを挿通し、その小径部12aの先端面に、上側連結プレート51を例えばボルト締め(図示略)により取り付けることにで、送りねじ12に移動プレート31を接続した構成とされている。移動プレート31の上面31aと中段穴部34bの底面とが、送りねじ12のねじ部12bの下端面と上側連結プレート51とに挟まれた状態で配置されており、送りねじ12の上下移動に伴い、これら送りねじ12と移動プレート31との間の接触面から移動プレート31に直進方向の推力を伝達することができる。
具体的には、移動プレート31を上昇移動する場合は、中段穴部34bの底面と上側連結プレート51との接触面から推力が伝達される。また、移動プレート31を下降移動する場合は、移動プレート31の上面31aとねじ部12bの下端面との接触面から推力が伝達される。
【0024】
振れ回り吸収部6は、図3に示すように、推力伝達部5よりも直進方向(Z方向)の先端側で送りねじ12に固定された上側連結プレート51と移動プレート31に固定された下側連結プレート53とを接続しており、上側連結プレート51と下側連結プレート53との間に直進方向と直交する方向(XY方向)に沿って配置したガイドプレート52と、そのガイドプレート52と上側連結プレート51(すなわち、送りねじ12)とを直進方向と直交するX方向に相対移動自在に支持するX方向スライド部51Sと、ガイドプレート52と下側連結プレート53(すなわち、移動プレート31)とを直進方向及びX方向と直交するY方向に相対移動自在に支持するY方向スライド部53Sとにより構成されている。
【0025】
X方向スライド部51Sは、図2から図4に示すように、上側連結プレート51に突設されX方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部51aと、これらピン形状部51aと係合するガイドプレート52に形成された長穴溝51bとにより構成されている。長穴溝51bは、一対のピン形状部51aの軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成され、その長手方向(X方向)に沿ってピン形状部51aが移動できるようになっている。
【0026】
また、Y方向スライド部53Sは、下側連結プレート53に突設されY方向に間隔をおいて配置した一対のピン形状部53aと、これらピン形状部53aと係合するガイドプレート52に形成された長穴溝53bとにより構成されている。長穴溝53bは、一対のピン形状部53aの軸中心を結ぶ線に平行な溝形状により形成され、その長手方向(Y方向)に沿ってピン形状部53aが移動できるようになっている。
このように、上側連結プレート51と下側連結プレート53とは、それぞれ送りねじ12の直進方向と直交するXY方向に相対移動できるようになっている。
【0027】
このような構成の加工装置100において、ワーク4の加工を行う際には、まず、上型41を上方に上げた状態で、ワーク4を下型42と上型41との間に載置する。次に、モータ11を回転駆動して送りナット13を回転させる。送りナット13の回転により送りねじ12が直進方向に下降移動するとともに、移動プレート31と一緒に上型41が下降移動する。
【0028】
送りねじ12は、送りナット13との間にクリアランスがあるため、昇降移動の際に、直進方向(Z方向)に対して直交する水平面において振れ回りする。
振れ回り吸収部6は、ガイドプレート52とX方向スライド部51S,Y方向スライド部53Sとにより送りねじ12と移動プレート31とを直交する任意のXY方向に案内する構成とされ、それぞれの方向に生じる振れをガイドプレート52により吸収することで、これらの合成方向に生じる送りねじ12の振れを吸収することができる。
【0029】
また、直進移動機構1は、送りねじ12と移動プレート31との間に、推力伝達部5と振れ回り吸収部6とを並列に接続し、負荷が大きい直進方向の推力を推力伝達部5に負担させ、直進方向の推力に比べて負荷が小さい振れ回りを振れ回り吸収部6に負担させる構成としている。
そのため、推力伝達部5によって垂直方向の推力を直接伝達することができ、振れ回り吸収部6の抵抗を低く設定することができる。したがって、大きな推力を発生させつつ、移動プレート31の移動真直度を高精度に維持して真直移動を伝達することができる。
【0030】
また、振れ回り吸収部6は、推力伝達部5よりも直進方向の先端側で送りねじ12と移動プレート31とを接続する構成とされており、送りねじ12の推力が振れ回り吸収部6に伝わることを抑制することができ、振れ回り吸収部6の動きを円滑にして、振れ回りを確実に吸収し、高い真直度の直進移動を行わせることができる。
【0031】
また、推力伝達部5は、送りねじ12と移動プレート31との間の接触面に、図5(a)に示す平面すべり軸受55a,55bや、図5(b)に示す平面転がり軸受56a,56b等のスラスト軸受を設置する構成とすることもできる。
この場合、推力伝達部5を構成する送りねじ12と移動プレート31との間の接触面に、すべり対偶又は転がり対偶の接触状態を構成することができ、接触面に生じるXY方向のすべり抵抗又は転がり抵抗を小さくすることができる。したがって、送りねじ12の振れ回りの影響を少なくして、より大きな推力で高い真直度の直進移動を伝達することができる。
【0032】
また、振れ回り吸収部6は、図6に示すように、上側連結プレート51と移動プレート31との間に直動転がりガイド58,59を重ねて配置する構成とすることもできる。
図6では、上側に配置された直動転がりガイド59は、Y方向レール部59aと、そのY方向レール部59aに案内されてY方向に移動する可動ブロック59bとで構成されている。そして、Y方向レール部59aが上側連結プレート51に固定され、そのY方向レール部59aに沿って可動ブロック59bがY方向に移動できるようになっている。また、下側に配置された直動転がりガイド58は、X方向レール部58aと、そのX方向レール部58aに案内されて移動する可動ブロック58bとで構成されている。そして、X方向レール部58aは移動プレート31に固定され、そのX方向レール部58aに沿って可動ブロック58bがX方向に移動できるようになっている。なお、これらX方向、Y方向の直動転がりガイド58,59は、Z方向に拘束の無いものを用いる。
また、各直動転がりガイド58,59は、それぞれの可動ブロック58b,59bを介して接続されており、これら可動ブロック58b,59bが互いに固定された状態で一体に移動するようになっている。これにより、上側連結プレート51と移動プレート31とは、可動ブロック58b,59bを介してそれぞれ送りねじ12の直進方向と直交するXY方向に相対移動できるようになっている。
そして、直動転がりガイド58,59により構成した振れ回り吸収部においては、各直動転がりガイド58,59のレール部58a,59aと可動ブロック58b,59bとの間が転動体(例えば、ころ又は球)により支持されており、これらの部品間に生じる抵抗は小さくなっていることから、送りねじ12の振れ回りをよりスムーズに吸収することができる。
【0033】
また、上記実施形態の直進移動機構1では、送りナット13を回転させることにより、この送りナット13に螺合する送りねじ12を直進移動する構成としたが、図7に示す直進移動機構60のように、送りねじ62を回転させることにより、送りねじ62に螺合する送りナット63(本発明でいう、往復移動体)を直進移動する構成とすることもできる。
【0034】
例えば、推力伝達部65は、図8(a)に示すように、送りナット63の先端に取り付けられた上側連結筒体71と、移動プレート31の上面31aに立設された受動部36とで構成することができる。図8(a)では、上側連結筒体71の中央部は、送りねじ62が出入り可能な穴部が形成されている。また、上側連結筒体71の外周面は、受動部36の先端鉤部36aと係合する凹溝部71aが設けられており、凹溝部71aの両側面(図8(a)においては、水平方向に沿う上下面)で先端鉤部36aと接触するようになっている。したがって、送りナット63の上下移動に伴い、凹溝部71aと先端鉤部36aとの接触面から移動プレート31に直進方向の推力を伝達することができる。
【0035】
また、振れ回り吸収部66は、図8(b)に示すように、推力伝達部65よりも直進方向(Z方向)の先端側で上側連結筒体71と下側連結プレート73とを接続する構成とされている。振れ回り吸収部66は、送りナット63の先端と移動プレート31との間に直進方向と直交する方向(XY方向)に沿って配置したリンク板状のガイドプレート72と、そのガイドプレート72と送りナット63とを直進方向に直交するX方向に相対移動自在に支持するX方向スライド部71Sと、ガイドプレート72と移動プレート31とを直進方向及びX方向と直交するY方向に相対移動自在に支持するY方向スライド部73Sとにより構成されている。これらX方向スライド部71S及びY方向スライド部73Sの構造は、前述したピン形状部51a,53aと長穴溝51b,53bとによる構造(図4等参照)と同じである。これにより、上側連結筒体71と下側連結プレート73とは、それぞれ送りナット63の直進方向と直交するXY方向に相対移動可能に支持され、送りナット63に生じる振れ回りを吸収することができる。
【0036】
このように往復移動体を送りナット63で構成した直進移動機構60においても、移動プレート31と送りナット63との間は、直進方向の推力を伝達する推力伝達部65と、送りナット63に生じる振れ回りを吸収する振れ回り吸収部66とを並列に接続することで、振れ回り吸収部66の剛性を低く設定することができる。したがって、機構を大型化することなく移動プレート31の移動真直度を高精度に維持して真直移動を伝達することができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1,60…直進移動機構、2…運動変換手段、4…ワーク、5,65…推力伝達部、6,66…振れ回り吸収部、11…モータ(駆動源)、12,62…送りねじ(往復移動体)、12a…小径部、12b…ねじ部、13,63…送りナット、14…プーリー、15…ベルト、21…基台、22…上部プレート、23…支柱、24…軸受、31…移動プレート(被移動体)、31a…上面、31b…下面、32…ガイド軸、33…支持筒、34…中央穴部、34a…上段穴部、34b…中段穴部、34c…下段穴部、36…受動部、36a…先端鉤部、41…上型、42…下型、51…上側連結プレート、51S,71S…X方向スライド部、51a,53a…ピン形状部、51b,53b…長穴溝、52,72…ガイドプレート、53,73…下側連結プレート、53S,73S…Y方向スライド部、55a,55b…平面すべり軸受、56a,56b…平面転がり軸受、58,59…直動転がりガイド、58a,59a…レール部、58b,59b…可動ブロック、71…上側連結筒体、100…加工装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8