特許第5890302号(P5890302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5890302ゲーム機、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890302
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】ゲーム機、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/814 20140101AFI20160308BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20160308BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20160308BHJP
【FI】
   A63F13/814
   A63F13/426
   A63F13/46
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-280893(P2012-280893)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-124215(P2014-124215A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2014年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴生
【審査官】 植田 泰輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−233957(JP,A)
【文献】 特開2006−34754(JP,A)
【文献】 特開2006−244005(JP,A)
【文献】 特開2010−36038(JP,A)
【文献】 特開2013−99436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のプレイ行為を評価するゲームを提供するゲーム機であって、
楽曲を再生出力する音声出力装置と、
前記楽曲を再生させるための楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、
前記所定のプレイ行為として所定範囲内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段と、
前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手段と、
前記特定位置取得手段の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手段と、
を備え
前記所定のプレイ行為を実行すべき基準時期が記述された基準時期データに基づいて各基準時期に対応する指示標識及び現在時刻に対応する基準標識を所定の経路に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき基準時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿って相対的変位を生じさせることにより、各基準時期をプレイヤに案内するゲームが前記ゲームとして採用され、
前記基準時期として、前記楽曲中の時期が使用されることを特徴とする、ゲーム機。
【請求項2】
前記ゲームは、前記位置評価手段によって前記特定の位置が評価される場合には、前記複数の指定位置に対する評価が実行されないように構成されている、請求項1のゲーム機。
【請求項3】
前記所定のプレイ行為には、前記所定範囲内の一つの位置を指定する通常プレイ行為及び前記複数の位置を指定する特別プレイ行為が含まれ、
前記位置評価手段は、前記通常プレイ行為が実行された場合には前記一つの位置を評価する一方で、前記特別プレイ行為が実行された場合には前記一つの位置の評価に替えて前記特定の位置を評価することにより、前記一つの位置及び前記特定の位置にいずれか一方を評価する、請求項1又は2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記ゲームは、前記通常プレイ行為及び前記特別プレイ行為を互いに区別可能な態様で指定するように構成されている、請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記位置評価手段は、前記複数の指定位置間を直線で結んだ場合の距離が長いほど評価が高くなるように、前記特定の位置を評価する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記ゲームは、複数の基準部が互いに間隔をあけて配置されたゲーム領域内を前記指示標識が当該指示標識に対応する前記基準時期に前記複数の基準部の少なくとも一つに到達するように移動することにより当該指示標識の到達した基準部が前記基準標識として機能するとともに、前記プレイ行為に応じて次の基準部に向かう前記指示標識の移動経路が変化するように構成され、
前記相対的変位は、前記指示標識が前記基準標識に向かって移動することにより生じている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記位置評価手段は、前記指示標識の位置を基準に前記特定の位置を評価するとともに、前記基準時期データに基づいて前記プレイ行為が実行された時期を評価する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項8】
所定のプレイ行為が評価されるゲームを提供するゲーム機であって、楽曲を再生出力する音声出力装置を備え、前記所定のプレイ行為として所定範囲内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段を備えたゲーム機に適用され、
前記楽曲を再生させるための楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手順と、
前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手順と、
前記特定位置取得手順の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手順と、
を備え
前記所定のプレイ行為を実行すべき基準時期が記述された基準時期データに基づいて各基準時期に対応する指示標識及び現在時刻に対応する基準標識を所定の経路に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき基準時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿って相対的変位を生じさせることにより、各基準時期をプレイヤに案内するゲームが前記ゲームとして採用され、
前記基準時期として、前記楽曲中の時期が使用される、制御方法。
【請求項9】
所定のプレイ行為が評価されるゲームを提供するゲーム機であって、 楽曲を再生出力する音声出力装置を備え、前記所定のプレイ行為として所定範囲内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
前記楽曲を再生させるための楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段、前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手段、及び前記特定位置取得手段の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手段として機能させ、
前記所定のプレイ行為を実行すべき基準時期が記述された基準時期データに基づいて各基準時期に対応する指示標識及び現在時刻に対応する基準標識を所定の経路に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき基準時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿って相対的変位を生じさせることにより、各基準時期をプレイヤに案内するゲームが前記ゲームとして採用され、
前記基準時期として、前記楽曲中の時期が使用されるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のプレイ行為を評価するゲームを提供するゲーム機、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のプレイ行為を評価するゲームを提供するゲーム機が存在する。このようなゲームの一つとして、プレイ行為としてタッチ操作を実行すべき時期がオブジェクトを通じて案内される対戦型の音楽ゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4971533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームシステムでは、タッチ操作がタッチパネルを通じて検出され、そのタッチ操作の位置及び時期が評価される。また、特許文献1のゲームシステムでは、オブジェクトに対するタッチ操作、つまりオブジェクト自体をタッチする操作が評価される。つまり、評価されるタッチ操作の位置がオブジェクトによって明確化されている。結果として、プレイヤは、タッチ操作を実行すべき位置を容易に認識することができる。したがって、タッチ操作を実行すべき位置が明確でない場合に比べて、ゲームの難易度は低い。
【0005】
そこで、本発明は、ゲームの難易度を向上させることができるゲーム機、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、所定のプレイ行為を評価するゲームを提供するゲーム機であって、前記所定のプレイ行為として所定範囲(31)内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段(4)と、前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手段(10)と、前記特定位置取得手段の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手段(10)と、を備えている。
【0007】
本発明によれば、所定のプレイ行為として複数の指定位置が検出される。そして、複数の指定位置とは異なる特定の位置が評価される。つまり、プレイヤによって実際に指定された位置とは異なる位置が評価される。このため、指定位置自体が評価される場合に比べて、プレイ行為と評価結果との関連性が明確でない。したがって、プレイヤは、自己のプレイ行為と評価対象の特定の位置との関連を考慮しつつゲームをプレイしなければならない。これにより、指定位置自体が評価される場合に比べて、ゲームの難易度を向上させることができる。結果として、ゲームの内容に変更を加えずに、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲーム機の一態様において、前記ゲームは、前記位置評価手段によって前記特定の位置が評価される場合には、前記複数の指定位置に対する評価が実行されないように構成されていてもよい。この場合、特定の位置のみが評価されるゲームを提供することができる。つまり、複数の指定位置が評価される場合に比べて、より難易度の高いゲームを提供することができる。
【0009】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定のプレイ行為には、前記所定範囲内の一つの位置を指定する通常プレイ行為及び前記複数の位置を指定する特別プレイ行為が含まれ、前記位置評価手段は、前記通常プレイ行為が実行された場合には前記一つの位置を評価する一方で、前記特別プレイ行為が実行された場合には前記一つの位置の評価に替えて前記特定の位置を評価することにより、前記一つの位置及び前記特定の位置にいずれか一方を評価してもよい。この場合、通常プレイ行為及び特別プレイ行為の使い分けが可能なゲームを提供することができる。さらに、この態様において、前記ゲームは、前記通常プレイ行為及び前記特別プレイ行為を互いに区別可能な態様で指定するように構成されていてもよい。この場合、通常プレイ行為及び特別プレイ行為の使い分けを指定することができる。したがって、その使い分けを評価することもできる。
【0010】
本発明のゲーム機の一態様において、前記位置評価手段は、前記複数の指定位置間を直線で結んだ場合の距離が長いほど評価が高くなるように、前記特定の位置を評価してもよい。複数の位置を指定する場合、互いの距離が離れるほど意図的な指定が難しくなるケースが多い。したがって、この場合、意図的な指定の難しさを評価に反映することができる。
【0011】
本発明のゲーム機は、各種のゲームを提供してよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記所定のプレイ行為を実行すべき基準時期が記述された基準時期データ(28)に基づいて各基準時期に対応する指示標識(33)及び現在時刻に対応する基準標識(32)を所定の経路(W)に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき基準時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿って相対的変位を生じさせることにより、各基準時期をプレイヤに案内するゲームが前記ゲームとして採用されてもよい。また、この態様において、前記ゲームは、複数の基準部が互いに間隔をあけて配置されたゲーム領域(31)内を前記指示標識が当該指示標識に対応する前記基準時期に前記複数の基準部の少なくとも一つに到達するように移動することにより当該指示標識の到達した基準部が前記基準標識として機能するとともに、前記プレイ行為に応じて次の基準部に向かう前記指示標識の移動経路(W)が変化するように構成され、前記相対的変位は、前記指示標識が前記基準標識に向かって移動することにより生じていてもよい。さらに、これらの態様において、前記位置評価手段は、前記指示標識の位置を基準に前記特定の位置を評価するとともに、前記基準データに基づいて前記プレイ行為が実行された時期を評価してもよい。
【0012】
指示標識及び基準標識を利用して所定のプレイ行為を実行すべき時期が案内される態様の一つとして、楽曲を再生出力する音声出力装置(14)と、前記楽曲を再生させるための楽曲データ(27)に基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(10)と、を更に備え、前記基準時期として、前記楽曲中の時期が使用される態様が採用されてもよい。この場合、ゲーム機は、音楽ゲームを提供することができる。そして、その音楽ゲームの難易度を向上させることができる。
【0013】
本発明の制御方法は、所定のプレイ行為が評価されるゲームを提供するゲーム機であって、前記所定のプレイ行為として所定範囲(31)内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段(4)を備えたゲーム機(GM)に適用され、前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手順と、前記特定位置取得手順の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手順と、を備えている。
【0014】
本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、所定のプレイ行為が評価されるゲームを提供するゲーム機であって、前記所定のプレイ行為として所定範囲(31)内の複数の位置が指定された場合に、当該プレイ行為によって指定された複数の指定位置を検出する指定位置検出手段(4)を備えたゲーム機(GM)に組み込まれるコンピュータ(10)を、前記指定位置検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の指定位置のいずれとも異なる特定の位置を、当該複数の指定位置を基準に取得する特定位置取得手段、及び前記特定位置取得手段の取得結果に基づいて、前記所定のプレイ行為として前記特定の位置を評価する位置評価手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明によれば、ゲームの難易度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図。
図2】ゲーム機の要部の構成を示す図。
図3】モニタに表示されるゲーム領域の一例を示す図。
図4】通常タッチ操作の一例を説明するための説明図。
図5】特別タッチ操作の一例を説明するための説明図。
図6】2か所にタッチする特別タッチ操作の詳細を説明するための説明図。
図7】距離評価データの内容の一例を示す図。
図8】タッチ判別処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図9】特別タッチ評価処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機GMの外観を示す図である。ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えに、その対価に応じた範囲の音楽ゲームを提供する業務用(商業用)のゲーム機である。音楽ゲームは、音楽のリズムに合わせてプレイヤに所定のプレイ行為を要求するゲームである。図2に示すように、ゲーム機GMは、筐体2を備えている。筐体2の上面には、プレイヤP側に向かって傾斜するようにモニタ3が配置されている。モニタ3の表面には、指定位置検出手段としての透明なタッチパネル4が重ね合わされている。タッチパネル4は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。また、タッチパネル4は、例えば、赤外線センタ等を利用し、複数の位置へのタッチ操作を検出可能に構成されている。ゲーム機GMには、その他にも選択或いは決定をするためのボタン、電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0019】
次に、図2を参照して、ゲーム機GMの制御系に関して主要部の構成を説明する。図2は、ゲーム機GMの要部の構成を示す図である。図2に示すように、ゲーム機GMは、制御ユニット10及び記憶装置20を備えている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。
【0020】
制御ユニット10には、上述のモニタ3及びタッチパネル4に加え、例えば、その他にも音声出力装置14が接続されている。モニタ3は、制御ユニット10から出力される映像信号に基づいて、ゲーム画面等を表示する。タッチパネル4は、プレイヤPのタッチ操作に応じた信号を制御ユニット10に出力する。音声出力装置14は、制御ユニット10から出力される音声再生信号に基づいて、所定の音声(楽曲等を含む)を再生出力する。
【0021】
また、記憶装置20は、制御ユニット10に接続されている。記憶装置20は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置などにより構成されている。記憶装置20には、ゲームプログラム21が記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機GMがゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がゲームプログラム21を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、ゲーム提供部26が設けられる。
【0022】
ゲーム提供部26は、ゲーム機GMにおけるゲームの開始、進行、及び終了の管理、並びにプレイ料金(所定の対価)の徴収といったゲームのプレイに関連した各種の処理を実行する。ゲーム提供部26は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0023】
さらに、記憶装置20には、ゲームプログラム21の実行に伴って参照され得る各種のデータが記憶されている。このような各種のデータには、例えば、ゲーム中の各種オブジェクトの画像を表示するための画像データ、ゲーム中の各種効果音を再生するための効果音データ、及び音楽ゲームを提供する際の楽曲を再生するための楽曲データ27等が含まれる。さらに、このような各種のデータには、基準時期データとしてのシーケンスデータ28及び距離評価データ29が含まれる。シーケンスデータ28及び距離評価データ29の詳細は、後述する。
【0024】
次に、ゲーム機GMで提供される音楽ゲームについて説明する。音楽ゲームは、上述のように音楽のリズムに合わせてプレイヤに所定のプレイ行為を要求するゲームである。ゲーム機GMでは、このような所定のプレイ行為として、ゲーム画面内の位置を指定するためにタッチパネルをタッチするタッチ操作を採用する音楽ゲームが提供される。また、この音楽ゲームは、例えば、タッチ操作を実行すべき時期に対応する指示標識としてのオブジェクトが現在時刻に対応する基準標識としての基準ラインから所定の経路に沿って時間順に配置されるとともに、そのオブジェクトがタッチ操作を実行すべき時期に基準ラインに到達するように時間の進行に応じて所定範囲としてのゲーム領域内を移動することによりタッチ操作を実行すべき時期を案内するように構成されている。
【0025】
より具体的には、一例として、ゲーム機GMが提供する音楽ゲームは、ゲーム領域内に互いに間隔をあけて配置された複数の基準ライン間を移動するとともに、プレイヤのタッチ操作に応じて次の基準ラインに向かって移動するオブジェクトの移動経路が変化するように構成されている。また、ゲーム領域として、例えば、矩形に形成され、各辺の近くに各基準ラインが配置されているゲーム領域が利用される。そして、プレイヤには、オブジェクトの基準ラインへの到達に合わせて、このオブジェクトに対する適切なタッチ操作が要求される。そして、例えば、そのタッチ操作が実際に実行された時期とそのタッチ操作を実行すべき時期との間のずれ時間が評価される。また、その評価は、ずれ時間が小さいほど高い。ゲーム機GMは、一例として、このような音楽ゲームを提供する。なお、オブジェクトの全ての基準ラインへの到達が評価される必要はない。例えば、音楽ゲームは、複数の基準ラインの特定の一つを評価するように構成されていてもよい。この場合、評価される特定の基準ラインが本発明の基準標識として機能し、その他の基準ラインが本発明の基準部として機能する。
【0026】
図3図5を参照して、ゲーム機GMが提供する音楽ゲームについて更に詳細を説明する。図3は、モニタ3に表示されるゲーム領域の一例を示す図である。また、図3は、ゲーム領域の一部、より具体的には基準ライン付近を示している。図3に示すように、ゲーム領域31内には、基準ライン32に向かって移動するオブジェクト33が配置される。より具体的には、オブジェクト33は、タッチ操作を実行すべき時期に基準ライン32に到達するようにゲーム領域31内の移動経路W上を移動する。そして、プレイヤには、オブジェクト33の基準ライン32への到達に合わせて、オブジェクト33に対する適切なタッチ操作が要求される。
【0027】
適切なタッチ操作は、一例として、通常プレイ行為としての通常タッチ操作及び特別プレイ行為としての特別タッチ操作の2つの操作を含んでいる。通常タッチ操作として、例えば、オブジェクト33の位置をタッチするタッチ操作が採用される。図4は、通常タッチ操作の一例を説明するための説明図である。また、図4は、適切な時期に通常タッチ操作が実行されている状態を示している。図4に示すように、通常タッチ操作としてオブジェクト33の位置をタッチするタッチ操作が採用されている場合には、オブジェクト33の基準ライン32への到達に合わせてオブジェクト33自体の位置がプレイヤによってタッチされる。つまり、このオブジェクト33に対応する一つの位置がタッチ操作される。そして、このタッチ操作が実際に実行された時期とこのタッチ操作を実行すべき時期との間のずれ時間が評価される。
【0028】
一方、特別タッチ操作として、例えば、オブジェクト33の位置ではないが、オブジェクト33の位置へのタッチ操作と同様に扱うことが可能なタッチ操作が採用される。このような特別タッチ操作として、例えば、オブジェクト33の位置から横方向にずれた位置及び縦方向にずれた位置の2か所へのタッチ操作が採用される。図5は、特別タッチ操作の一例を説明するための説明図である。また、図5は、適切な時期に特別タッチ操作が実行されている状態を示している。図5に示すように、特別タッチ操作として2か所への操作が採用されている場合には、2か所へのタッチ操作によって得られる特定の位置がオブジェクト33の位置と一致していれば、オブジェクト33へのタッチ操作とみなされる。より具体的には、各タッチ操作位置を基準ライン32と平行して延びる横方向X及び横方向Xと直交する縦方向Yに延長した場合に互いの延長線の交わる位置が特定の位置として利用される。つまり、特定の位置として、タッチ操作が実行されたいずれの位置とも異なる位置が利用される。図5の例では、オブジェクト33の中心位置Cを基準に横方向X、つまり基準ライン32に沿う方向にずらした第1位置FT及び縦方向Y、つまり基準ライン32と直交する方向にずらした第2位置STの2か所へのタッチ操作がオブジェクト33の位置へのタッチ操作と同様に扱われている。また、これらの第1位置FT及び第2位置STが本発明の指定位置として機能する。
【0029】
図6は、2か所にタッチする特別タッチ操作の詳細を説明するための説明図である。図6は、一例として、横方向X及び縦方向Yの位置の組み合わせによって生じる3種類の特別タッチ操作を示している。具体的には、図6の例は、第1横方向タッチ位置X1及び第1縦方向タッチ位置Y1の組み合わせによる第1特別タッチ操作、第1横方向タッチ位置X1及び第2縦方向タッチ位置Y2の組み合わせによる第2特別タッチ操作、並びに第2横方向タッチ位置X2及び第2縦方向タッチ位置Y2の組み合わせによる第3特別タッチ操作を示している。図6に示すように、第1横方向タッチ位置X1及び第2横方向タッチ位置X2はいずれもオブジェクト33から横方向Xにずれている。一方、第1縦方向タッチ位置Y1及び第2縦方向タッチ位置Y2は、いずれもオブジェクト33から縦方向Yにずれている。したがって、第1特別タッチ操作〜第3特別タッチ操作のいずれによって得られる特定の位置もオブジェクト33の位置と一致している。つまり、これらの第1特別タッチ操作、第2特別タッチ操作及び第3特別タッチ操作のいずれも適切なタッチ操作として通常タッチ操作と同様に評価される。
【0030】
また、第1横方向タッチ位置X1よりも第2横方向タッチ位置X2の方がオブジェクト33から横方向Xに離れている。同様に、第1縦方向タッチ位置Y1よりも第2縦方向タッチ位置Y2の方がオブジェクト33から縦方向Yに離れている。また、図6の例では、第1横方向タッチ位置X1の横方向Xに関するオブジェクト33からの距離と第1縦方向タッチ位置Y1の縦方向Yに関するオブジェクト33からの距離は同程度である。一方、第2縦方向タッチ位置Y2の縦方向Yに関するオブジェクト33からの距離は、第1横方向タッチ位置X1の横方向Xに関するオブジェクト33からの距離よりも離れている。つまり、第1横方向タッチ位置X1及び第2縦方向タッチ位置Y2のオブジェクト33からの距離は、互いに異なっている。つまり、このようなオブジェクト33からの距離が異なる組み合わせも特別タッチ操作として通常タッチ操作と同様に評価される。
【0031】
特別タッチ操作は、オブジェクト33から離れた位置がタッチされるほど高く評価される。図6の例では、第1横方向タッチ位置X1と第1縦方向タッチ位置Y1との間の第1間隔D1よりも第1横方向タッチ位置X1と第2縦方向タッチ位置Y2との間の第2間隔D2の方が間隔は大きい。したがって、第2特別タッチ操作の方が第1特別タッチ操作よりも評価は高い。さらに、第2間隔D2よりも第2横方向タッチ位置X2と第2縦方向タッチ位置Y2との間の第3間隔の方が間隔は大きい。したがって、第3特別タッチ操作の方が第2特別タッチ操作よりも評価は高い。第1間隔D1、第2間隔D2及び第3間隔D3は、いずれも各タッチ位置間を直線で結んだ距離である。つまり、特別タッチ操作の評価は、2タッチ位置間の距離の長さに対応するように、第1特別タッチ操作、第2特別タッチ操作、第3特別タッチ操作の順に高い。
【0032】
また、2か以上の位置がタッチ操作されている場合には、タッチ操作がされている位置自体は評価されない。つまり、特別タッチ操作が実行された場合には通常タッチ操作に替えて特別タッチ操作が評価される。結果として、通常タッチ操作及び特別タッチ操作のいずれか一方のみが評価される。したがって、プレイヤは、通常タッチ操作及び特別タッチ操作のいずれか一方を選択的に実行しなければならない。また、特別タッチ操作の評価結果は、タッチ位置間の距離に関わらず、通常タッチ操作よりも高い。つまり、特別タッチ操作を実行した方がゲーム結果は良い。したがって、特別タッチ操作はプレイヤがより高い評価を得たい場合に実行される。そして、より高い評価を得たいプレイヤは、オブジェクト33からより離れた2か所の位置に対するタッチ操作を実行する。このように2種類の適切なタッチ操作の使い分けが可能な音楽ゲームがゲーム機GMによって提供される。
【0033】
次に、シーケンスデータ28及び距離評価データ29の詳細について説明する。シーケンスデータ28は、適切なタッチ操作を実行すべき時期を定義するためのデータである。より具体的には、シーケンスデータ28には、基準時期として適切なタッチ操作を実行すべき時期が楽曲中の時期によって定義されている。したがって、シーケンスデータ28に記述された時期は、音楽ゲーム中においてオブジェクト33が基準ライン32に到達する時期として使用される。なお、シーケンスデータ28は、楽曲の種類或いは難易度に応じて用意される。
【0034】
距離評価データ29は、特別タッチ操作の評価結果を決定するために使用される。より具体的には、距離評価データ29には、特別タッチ操作として実行された2か所のタッチ操作位置間の距離に応じた評価結果が定義されている。図7は、距離評価データ29の内容の一例を示す図である。図7に示すように、距離評価データ29は、距離及び評価の情報を含んでいる。距離評価データ29は、これらの情報が互いに対応付けられるように記述されたレコードの集合である。
【0035】
距離は、特別タッチ操作として実行された2か所のタッチ操作位置間の距離を示す情報である。距離の情報として、下限距離から上限距離によって定義される一定範囲の距離を示す情報が利用される。評価は、評価結果を示す情報である。つまり、評価には、評価が関連付けられる距離の操作が実行された場合に付与すべき評価の情報が記述される。一例として、図7では、“A”、“B”といった距離の情報が記述されている。例えば、“A”は“10mm〜30mm”という範囲の距離に、“B”は“31mm〜60mm”という範囲の距離に、それぞれ関連付けられる。一方、“1.2”、“1.5”といった評価の情報が各距離の情報に関連付けられている。例えば、“1.2”は通常タッチ操作を“1”とした場合の倍数を示している。つまり、図7の例では、2か所のタッチ操作位置間の距離が“A”に対応する“10mm〜30mm”の場合には、通常タッチ操作の1.2倍の評価が得られるといった具合に距離及び評価の情報が記述されている。このように、距離評価データ29は、特別タッチ操作として実行された2か所のタッチ操作位置間の距離が一定範囲毎に区分され、その区分毎に評価結果を定義するためのデータである。
【0036】
次に、タッチ判別処理及び特別タッチ評価処理について説明する。タッチ判別処理は、通常タッチ操作及び特別タッチ操作を判別するために実行される。一方、特別タッチ評価処理は、特別タッチ操作を評価するために実行される。タッチ判別処理及び特別タッチ評価処理は、例えば、ゲーム提供部26を通じて制御ユニット10によって実行される。なお、これら処理の他にも制御ユニット10は、例えば、ゲーム提供部26を通じて、ゲーム領域31内でオブジェクト33を適切に移動させるための処理或いは通常タッチ操作を評価するための通常タッチ評価処理といった音楽ゲームを提供するために必要な各種の周知な処理を実行するが、それらの詳細な説明は省略する。
【0037】
図8は、タッチ判別処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8のルーチンは、例えば、ゲーム中に所定の周期で繰り返し実行される。図8のルーチンを開始すると、ゲーム提供部26は、まずステップS11において、2か所へのタッチ操作が所定の時差内に実行されたか否か、つまり特別タッチ操作を意図したタッチ操作が実行されたか否か判別する。この判別結果が肯定的結果の場合、つまり所定の時差内に2か所へのタッチ操作が実行されている場合には、ゲーム提供部26は、ステップS12に進む。そして、ゲーム提供部26は、ステップS12において特別タッチ評価処理を実行して、今回のルーチンを終了する。
【0038】
一方、ステップS11の判別結果が否定的結果の場合、つまり所定の時差内に2か所へのタッチ操作が実行されていない場合には、ゲーム提供部26は、ステップS13に進む。ステップS13において、ゲーム提供部26は、タッチ操作が実行されているか否か判別する。この判別結果が否定的結果の場合、つまりタッチ操作が実行されていない場合には、ゲーム提供部26は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0039】
一方、ステップS13の判別結果が肯定的結果の場合、つまりタッチ操作が実行されている場合には、ゲーム提供部26は、ステップS14に進む。ステップS13では、一つの位置へのタッチ操作が実行された場合或いは所定の時差内には一つの位置へのタッチ操作しか実行されていない場合にタッチ操作が実行されていると判別される。したがって、続くステップS14において、ゲーム提供部26は、通常タッチ評価処理を実行して、今回のルーチンを終了する。これにより、通常タッチ操作が実行された場合には通常タッチ評価処理が、特別タッチ操作が実行された場合には特別タッチ評価処理が実行される。つまり、図8のルーチンにより、通常タッチ評価処理及び特別タッチ評価処理が選択的に実行され、通常タッチ操作及び特別タッチ操作のいずれか一方が評価される。なお、通常タッチ評価処理は、上述のように周知な処理によって実行されるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
図9は、特別タッチ評価処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のルーチンは、例えば、図8のルーチンのステップS12において呼び出されて、実行される。図9のルーチンを開始すると、ステップS21において、ゲーム提供部26は、実行された2か所のタッチ操作に対応する特定の位置を算出する。具体的には、ゲーム提供部26は、各タッチ操作の位置を縦方向Y及び横方向Xに延長し、それらの延長線が直交する位置を特定の位置として算出する。なお、特定の位置として2か所が算出されるため、以降ではそれらの2か所の両方が特定の位置として利用されてよい。そして、2か所の特定の位置のうち各処理の要件を満たす方が以降の処理において特定の位置として利用される。また、特定の位置は、算出によって取得される形態に限定されない。特定の位置を取得可能なテーブルが予め用意され、そのテーブルから特定の位置が取得されてもよい。
【0041】
続くステップS22において、ゲーム提供部26は、ステップS21で算出した特定の位置が基準ライン32を基準にした所定の領域内に位置するか否か判別する。所定の領域として、基準ライン32上と判断し得る領域が採用される。つまり、所定の領域として、基準ライン32から縦方向Yに所定距離内の領域が採用される。そして、この判別結果が否定的結果の場合、つまり特定の位置が所定の領域内に位置していない場合、ゲーム提供部26は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0042】
一方、ステップS22の判別結果が肯定的結果の場合、つまりステップS21で算出した特定の位置が所定の領域内に位置している場合、ゲーム提供部26は、ステップS23に進む。ステップS23において、ゲーム提供部26は、ステップS21で算出した特定の位置から所定の距離内に位置する基準ライン32及びその基準ライン32に関してシーケンスデータ28上で時間的に最も接近した時期を判別する。
【0043】
続くステップS24において、ゲーム提供部26は、ステップS23で特定した時期と2か所へのタッチ操作のうち遅い方のタッチ操作の時期との間のずれ時間を取得する。次のステップS25において、ゲーム提供部26は、ステップS24で取得したずれ時間が評価範囲内か否か判別する。この判別は、例えば、遅い方のタッチ操作の時期が評価範囲内に設定された複数のレベルのいずれに属するかを判別することにより実現される。また、複数のレベルは、評価範囲を一定期間毎に区分するように設定されている。より具体的には、シーケンスデータ28で定義される時期を中心にその時期の前後を一定期間毎に区分することにより、評価範囲に複数のレベルが設定される。そして、遅い方のタッチ操作の時期が中心の時期に近い区分に属するほど高く評価される。この判別結果が否定的結果の場合、つまり遅い方のタッチ操作が評価範囲内に実行されていない場合、ゲーム提供部26は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0044】
一方、ステップS25の判別結果が肯定的結果の場合、つまり遅い方のタッチ操作が評価範囲内に実行されている場合、ゲーム提供部26は、ステップS26に進む。ステップS26において、ゲーム提供部26は、ステップS21で算出した特定の位置とオブジェクト33の位置との間の位置のずれを取得する。続くステップS27において、ゲーム提供部26は、ステップS26で取得した位置のずれが評価範囲内か否か判別する。評価範囲として、例えば、オブジェクト33の外周から一定距離内の範囲が設定される。つまり、ゲーム提供部26は、ステップS27において、位置のずれがオブジェクト33の外周から一定距離内に収まるか否か判別する。この判別結果が否定的結果の場合、つまり位置のずれがオブジェクト33の外周から一定距離内に収まらない場合、ゲーム提供部26は、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
【0045】
一方、ステップS27の判別結果が肯定的結果の場合、つまり位置のずれがオブジェクト33の外周から一定距離内に収まる場合、ゲーム提供部26は、ステップS28に進む。ステップS28において、ゲーム提供部26は、2か所のタッチ操作の位置間の距離を算出する。この距離として、例えば、2か所のタッチ操作の位置間を最短距離(直線)で結んだ場合の距離が利用される。
【0046】
続くステップS29において、ゲーム提供部26は、ステップS28で算出した距離に基づいて、評価を決定する。この評価は、例えば、距離評価データ29に基づいて決定される。具体的には、ゲーム提供部26は、まずステップS28で算出した距離が距離評価データ29のいずれの距離範囲に属するか特定する。そして、特定した距離範囲に対応する評価を今回の特別タッチ操作に対する評価として決定する。このようにして、ゲーム提供部26は、ステップS29の評価を実行する。ステップS29の処理を終えると、ゲーム提供部26は、今回のルーチンを終了する。また、この処理によって決定された評価結果は、モニタ3に表示される。これにより、2か所へのタッチ操作が通常タッチ操作と同様に評価される。また、2か所のタッチ位置間の距離が大きいほど距離評価データ29に基づいて高く評価される。さらに、図8及び図9のルーチンにより、2か所のタッチ操作が実行された場合には、その2か所によって得られる特定の位置が評価対象として使用され、タッチ操作の位置自体は評価されない。つまり、これらのルーチンにより、2か所がタッチ操作された場合には、通常タッチ操作ではなく、特別タッチ操作として、特定の位置のみが評価される。
【0047】
以上に説明したように、この形態によれば、通常タッチ操作だけでなく、特別タッチ操作も評価される。特別タッチ操作は、特別タッチ操作を実行した位置(2か所)と評価対象の特定の位置との関係が通常タッチ操作ほど明確でない。したがって、特別タッチ操作は通常タッチ操作に比べて難易度が高い。つまり、特別タッチ操作を評価することにより、音楽ゲームの難易度を向上させることができる。このため、音楽ゲームの内容を変更せずにゲームの興趣性を向上させることができる。
【0048】
また、特別タッチ操作及び通常タッチ操作の両方が評価されるため、プレイヤは、これらを使い分けることができる。これにより、プレイヤの選択肢が増加する。また、特別タッチ操作は、2か所の距離に応じて評価が変化する。つまり、プレイヤは、実行可能な距離の特別タッチ操作を自己で選択することができる。これらにより、プレイ行為のバリエーションを増やすことができる。さらに、特別タッチ操作は、2か所間の距離が離れるほど評価が高い。これにより、特別タッチ操作の難易度を評価結果に反映することができる。
【0049】
以上の形態において、制御ユニット10が、ゲーム提供部26を通じて図8のルーチンを実行することにより本発明の特定位置取得手段及び位置評価手段として機能する。また、制御ユニット10が楽曲データ27等を利用し、音声出力装置14に音声再生信号を出力することにより、本発明の楽曲再生手段として機能する。
【0050】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、音楽ゲームは、通常タッチ操作及び特別タッチ操作の両方をプレイヤが使い分けることができる。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、通常タッチ操作及び特別タッチ操作は、音楽ゲームによって指定されてもよい。また、このような指定は、例えば、オブジェクトの形態を変更することにより実行されてよい。この場合、通常タッチ操作及び特別タッチ操作の使い分けを指定することができる。さらに、これにより、その使い分けを評価することもできる。また、オブジェクトの形態によって通常タッチ操作及び特別タッチ操作が指定される形態にも限定されない。通常タッチ操作及び特別タッチ操作の指定は、互いを区別可能な各種の態様によって実現されてよい。
【0051】
上述の形態では、通常タッチ操作及び特別タッチ操作の両方が評価されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、通常タッチ操作は一切評価されず、特別タッチ操作のみが評価されてもよい。これにより、更に難易度の高い音楽ゲームを提供することができる。
【0052】
上述の形態では、特別タッチ操作として、2か所へのタッチ操作が採用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、特別タッチ操作として、3か所以上の複数の位置へのタッチ操作が採用されてもよい。この場合、例えば、各タッチ操作位置の縦方向の位置及び横方向の位置の平均に基づいて特定の位置が取得されてよい。したがって、複数のタッチ操作位置を基準に特定の位置が取得される限り、特定の位置として、どのような位置が採用されてもよい。
【0053】
上述の形態では、タッチパネル4を通じて所定のプレイ行為としてタッチ操作が検出されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。タッチ操作に限定されず、ゲーム領域内の位置を指定する各種の行為がプレイ行為として採用されてよい。このようなプレイ行為として、例えば、位置を指定する動作が採用されてもよい。この場合、例えば、指定位置検出手段としてカメラ等の光学センサが利用されてもよい。
【0054】
上述の形態では、ゲーム機GMは、音楽ゲームを提供している。しかし、ゲーム機が提供するゲームは、音楽ゲームに限定されない。プレイ行為が評価される限り(プレイ行為を実行すべき時期が指示され、その時期に基づいて実際のプレイ行為の時期が評価されるゲームが好ましい)、アクションゲーム、スポーツゲーム等の各種のゲームがゲーム機によって提供されてよい。また、本発明のゲーム機は、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、インタネットを利用したゲーム機等、適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0055】
4 タッチパネル(指定位置検出手段)
10 制御ユニット(コンピュータ、特定位置取得手段、位置評価手段)
14 音声出力装置
27 楽曲データ
28 シーケンスデータ(基準時期データ)
31 ゲーム領域(所定範囲)
32 基準ライン(基準標識)
33 オブジェクト(指示標識)
GM ゲーム機
W 経路(移動経路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9