特許第5890306号(P5890306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5890306洗浄液組成物及びこれを用いたパネルの洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890306
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】洗浄液組成物及びこれを用いたパネルの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20160308BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20160308BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20160308BHJP
   C11D 3/28 20060101ALI20160308BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20160308BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20160308BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   H01L21/304 647A
   C11D7/32
   C11D3/30
   C11D3/28
   C11D3/37
   C11D7/26
   C11D3/20
【請求項の数】13
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2012-522766(P2012-522766)
(86)(22)【出願日】2010年7月29日
(65)【公表番号】特表2013-500601(P2013-500601A)
(43)【公表日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】KR2010005002
(87)【国際公開番号】WO2011014027
(87)【国際公開日】20110203
【審査請求日】2013年7月17日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0069505
(32)【優先日】2009年7月29日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0069506
(32)【優先日】2009年7月29日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0073683
(32)【優先日】2009年8月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100162765
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐美 綾
(72)【発明者】
【氏名】ホン ヒョン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ホン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】キム テ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク ミョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヒョ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン ムク
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−256955(JP,A)
【文献】 特開2009−021377(JP,A)
【文献】 特開2008−216296(JP,A)
【文献】 特表2007−531902(JP,A)
【文献】 特開2009−141311(JP,A)
【文献】 特開2006−307158(JP,A)
【文献】 特開2008−286881(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/078123(WO,A1)
【文献】 特開2003−292993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 1/00 −19/00
G02F 1/13 − 1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量に対し、
(a)N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン及びN−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリンからなる群より選択されるアミン化合物0.05〜5重量%;
(b)アゾール系化合物、アルカノールアミン塩及び還元剤よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含む添加剤0.01〜10重量%;及び
(c)残量の水を含むことを特徴とする、平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項2】
前記アゾール系化合物は、トリルトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ニトロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、及び2,2’−[[[エチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノールよりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項3】
前記アルカノールアミン塩は、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩及びトリイソプロパノールアミン塩よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項4】
前記還元剤は、エリソルビン酸、ビタミンC及びアルファトコフェロールよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項5】
鎖型アルカノールアミン、ポリカルボン酸共重合体、量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物及び界面活性剤よりなる群から選ばれるものをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項6】
前記鎖型アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ブタノールアミン、2−プロポキシエチルアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン及びN−エチルエタノールアミンよりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項7】
前記ポリカルボン酸共重合体としては、下記化学式6で表示される構造単位を含むことを特徴とする、請求項5に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【化1】
(前記化学式6中、
15〜R17はそれぞれ独立して、水素、C〜Cの直鎖または分枝鎖アルキル基、または(CH)mCOOMであり、
及びMはそれぞれ独立して水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、C〜C10のアルキルアンモニウム基またはC〜C10の置換アルキルアンモニウム基であり、
及びmはそれぞれ独立して0〜2の整数である。)
【請求項8】
前記量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、エチレングリコールモノブチルエーテル(BG)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(carbitol)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(MFDG)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(BTG)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(MTG)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項9】
前記平板表示装置用洗浄液組成物のpHは7〜13であることを特徴とする、請求項1に記載の平板表示装置用洗浄液組成物。
【請求項10】
請求項1の洗浄液組成物を用いた平板表示装置の洗浄方法。
【請求項11】
前記洗浄方法は、スプレー(Spray)方式、スピン(Spin)方式、ディッピング(Dipping)方式、及び超音波を用いたディッピング方式よりなる群から選ばれる1種または2種以上で行うことを特徴とする、請求項10に記載の平板表示装置の洗浄方法。
【請求項12】
前記洗浄方法は20〜80℃の温度で洗浄することを特徴とする、請求項10に記載の平板表示装置の洗浄方法。
【請求項13】
前記洗浄方法は30秒〜10分間洗浄することを特徴とする、請求項10に記載の平板表示装置の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄液組成物及びこれを用いたパネルの洗浄方法に関する。本発明は2009年07月29日付で大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第10−2009−0069505号、第10−2009−0069506号と、2009年08月11日に大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第10−2009−0073683号の出願日の利益を主張し、その内容の全部を本明細書に含む。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代表される平板表示装置(以下‘FPD’という)は、半導体装置と同様に、成膜、露光、エッチングなどの工程によって製品が製造される。しかし、このような工程を遂行すれば、基板表面に各種の有機物や無機物などの1μm以下の大きさを持つ非常に小さなパーティクル(Particle)が付着することができる。このようなパーティクルが付着したまま、次の工程を遂行した場合、膜のピンホール、ピット、配線の断線またはブリッジ(Bridge)が発生して製品の製造収率が低下する。
【0003】
したがって、パーティクルを除去するための洗浄が各工程の間に遂行されている。洗浄のための洗浄液に対しても多くの提案が出ている。例えば、日本特開2005−154558号公報には、HPO、HF、アンモニア、及び/またはアミンを含有する洗浄液が提案されている。しかし、この特許の洗浄液は半導体デバイス用で、最も代表的なFPD基板であるガラス基板と最も代表的な配線材料であるAlを激しく食刻(Etching)するHFを含んでいるため、FPD用基板の洗浄には使うことができない。また、日本特開2000−232063号公報にはリン酸とリン酸アンモニウムを腐食防止剤として用いることが提案された。しかし、この特許はレジスト残渣除去用であり、組成物のpHも酸性範囲である。よって、洗浄初期の段階の基本的特性である有機物や無機物などの1μm以下の大きさを持つ非常に小さなパーティクル(Particle)に対する除去性とアルミニウム配線に対する腐食防止性を同時に満足させにくい。また、大韓民国登録特許10−0574607号公報には酸性のpH環境下で脱イオン水、有機化合物及びアンモニウム化合物を含む洗浄液を提案した。しかし、この特許の洗浄液は酸性範囲の溶液なので、洗浄初期の段階の基本的特性である有機物や無機物などの1μm以下の大きさを持つ非常に小さなパーティクル(Particle)に対する除去能力に優れていない。また、大韓民国登録特許10−0599849号公報において、尿素及び/またはエチレン尿素、第4級アンモニウム水酸化物、アンモニアなどのアルカリ成分、クエン酸(CITRIC ACID)、リンゴ酸(MALIC ACID)、酒石酸(TARTARIC ACID)などの有機酸及び/またはその塩、そして残量が脱イオン蒸溜水を含む洗浄液を提案した。しかし、この特許の洗浄液は、長期間使用の際、尿素またはエチレン尿素の析出問題が発生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は平板表示装置に用いられる基板上に存在する有機物または無機物などのパーティクルを除去するのに適した洗浄液組成物を提供することである。
【0005】
また、本発明の目的は平板表示装置に用いられる銅を含む配線、アルミニウムを含む配線を腐食させない洗浄液組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、組成物の総重量に対し、(a)下記化学式1〜5のいずれか一つで表示されるアミン化合物0.05〜5重量%;(b)アゾール系化合物、アルカノールアミン塩及び還元剤よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含む添加剤0.01〜10重量%;及び(c)残量の水を含むことを特徴とする平板表示装置用洗浄液組成物を提供する。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
前記化学式1〜5において、
、R、Rはそれぞれ独立してC〜C10の直鎖または分枝鎖アルキレン基であり、
、R、Rはそれぞれ独立して水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基であり、
、R、R10はそれぞれ独立して水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜C10のアリール基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルアミノ基、C〜C10の直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルベンゼン基またはアミノ基であり、
及びR11は水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜C10のアリール基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルアミノ基またはアミノ基であり、
12はC〜Cの直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、またはC〜Cの直鎖または分枝鎖チオールアルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立してC〜Cの直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜Cの直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、C〜C10のアリール基またはC〜Cのアルコキシアルキル基であり、R13及びR14は結合してヘテロ環を形成することができ、
及びnはそれぞれ独立して0または1の整数であり、
及びnはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
は1または2の整数であり、
は1〜4の整数である、
は0〜4の整数であり、
はS、OまたはNであり、
はN、
はCHまたはNであり、
Yはヒドロキシ基またはアミノ基である。
【0013】
さらに、本発明は、前記洗浄液組成物を用いた平板表示装置の洗浄方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗浄液組成物は平板表示装置に用いられる基板の表面に存在する有機物または無機物などのパーティクルに対する除去力に優れる。また、本発明の洗浄液組成物は、基板上に位置する銅を含む配線とアルミニウムを含む配線に対する腐食防止効果に優れる。また、本発明の洗浄液組成物は多量の水を含んでいるので、取扱いが容易で環境に優しい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図2】実施例16による洗浄液組成物を用いて図1に示した有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。
図3】有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図4】実施例16による洗浄液組成物を用いて図3に示したヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
図5】有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図6】実施例32による洗浄液組成物を用いて図5に示した有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。
図7】有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図8】実施例32による洗浄液組成物を用いて図6に示したヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
図9】有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図10】実施例51による洗浄液組成物を用いて図9に示した有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。
図11】有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。
図12】実施例51による洗浄液組成物を用いて図11に示したヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0017】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物は、(a)アミン化合物、(b)添加剤及び(c)水を含む。
【0018】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物に含まれる(a)アミン化合物は下記化学式1〜5のいずれか一つで表示される。
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
前記化学式1〜5において、
、R、Rはそれぞれ独立してC〜C10の直鎖または分枝鎖アルキレン基であり、
、R、Rはそれぞれ独立して水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基であり、
、R、R10はそれぞれ独立して水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜C10のアリール基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルアミノ基、C〜C10の直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルベンゼン基またはアミノ基であり、
及びR11は水素、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜C10のアリール基、C〜C10の直鎖または分枝鎖アルキルアミノ基またはアミノ基であり、
12はC〜Cの直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、またはC〜Cの直鎖または分枝鎖チオールアルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立してC〜Cの直鎖または分枝鎖アルキル基、C〜Cの直鎖または分枝鎖ヒドロキシアルキル基、C〜C10のアリール基またはC〜Cのアルコキシアルキル基であり、R13及びR14は結合してヘテロ環を形成することができ、
及びnはそれぞれ独立して0または1の整数、n及びnはそれぞれ独立して0〜4の整数、nは1または2の整数、nは1〜4の整数、nは0〜4の整数、XはS、OまたはN、XはN、XはCHまたはN、Yはヒドロキシ基またはアミノ基である。
【0025】
前記(a)アミン化合物は組成物の総重量に対し、0.05〜5重量%含まれ、0.1〜3重量%で含まれることが好ましい。前述した範囲未満で含まれれば、十分な洗浄効果を具現することができない。前述した範囲を超えて含まれれば、洗浄液内の活動度を低下させてパーティクル除去効果を減少させるかあるいは銅を含む配線またはアルミニウムを含む配線に対する腐食が増加する。
【0026】
前記化学式1で表示されるアミン化合物は、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシブチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシブチル)−4−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−プロピルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ブチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−エチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−プロピルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−ブチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシブチル)−4−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシブチル)−4−エチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシブチル)−4−プロピルピペラジン、1−(2−ヒドロキシブチル)−4−ブチルピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、ヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシプロピルピペラジン及び1−(N−メチルピペラジン)エタノールよりなる群から選ばれることが好ましい。
【0027】
前記化学式2で表示される化合物は、1,4−ピペラジンジエタノール(1,4−Piperazinediethanol)と1,4−ピペラジンジメタノール(1,4−Piperazinedimethanol)よりなる群から選ばれることが好ましい。
【0028】
前記化学式3で表示される化合物は、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンウレア、N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン、ヒドロキシメチルピロリドン及び1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンよりなる群から選ばれることが好ましい。
【0029】
前記化学式4で表示される化合物は、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン及びN−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジンよりなる群から選ばれることが好ましい。
【0030】
前記化学式5で表示される化合物は、アミノエトキシエタノール、アミノプロポキシエタノール、アミノブトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシチオール、ジエチルアミノエトキシチオール、ジプロピルアミノエトキシチオール、ジブチルアミノエトキシチオール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエチルアミノエトキシエタノール、ジプロピルアミノエトキシエタノール、ジブチルアミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタンチオール、ジエチルアミノエトキシプロパンチオール、ジプロピルアミノエトキシブタンチオール、ジブチルアミノエトキシエタノール、N−(メトキシメチル)モルホリン、N−(エトキシメチル)モルホリン、N−(2−メトキシエタノール)モルホリン、N−(2−エトキシエタノール)モルホリン及びN−(2−ブトキシエタノール)モルホリンよりなる群から選ばれることが好ましい。
【0031】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物に含まれる(b)添加剤は、アゾール系化合物、アルカノールアミン塩及び還元剤よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含む。
【0032】
前記(b)添加剤は銅を含む配線とアルミニウムを含む配線の腐食を最小化する。
【0033】
前記添加剤は、組成物の総重量に対し、0.01〜10重量%含まれ、0.1〜3重量%含まれることが好ましい。前述した範囲を満足すれば、アルミニウム、銅、またはアルミニウム合金、銅合金などの金属膜の損傷を最小化でき、経済的である。
【0034】
前記アゾール系化合物はトリアゾール環を含むことが好ましい。前記トリアゾール環に存在する窒素原子の非共有電子対が銅と電子的に結合して金属腐食を抑制する。前記アゾール系化合物は、トリルトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ニトロベンゾトリアゾール及び2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、及び2,2’−[[[エチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【0035】
前記アルカノールアミン塩は、金属パターン及び酸化膜が存在する基板の洗浄工程の際、金属の腐食及び酸化膜の過食刻を防止し、洗浄液のpH変化を抑制するpH緩衝効果を持つ。前記アルカノールアミン塩の製造の際、塩生成反応の温度は90℃以下に維持されることが好ましい。
【0036】
前記アルカノールアミン塩は、アルキル部分が通常低級アルキル、つまりC1〜C5のアルキルであるアルカノールアミンから選択されることが好ましい。また、1種以上のヒドロキシ基が残っていたら、他の置換体がアミン基中に存在することができるので、ジメチルメタノールアミン塩のような他の低級アルカノールアミン塩を使うことも好ましい。前記アルカノールアミン塩の具体的な例としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩及びトリイソプロパノールアミン塩などをあげることができる。前記アルカノールアミン塩として、市販の製品を使っても構わない。市販の製品の例としては、AB RUST CM(LABEMA Co.社製)、AB RUST A4(LABEMA Co.社製)、EMADOX−NA(LABEMA Co.社製)、EMADOX−NB(LABEMA Co.社製)、EMADOX−NCAL(LABEMA Co.社製)、EMADOX−102(LABEMA Co.社製)、EMADOX−103(LABEMA Co.社製)、EMADOX−D520(LABEMA Co.社製)及びAB Rust at(LABEMACo.社製)などをあげることができる。
【0037】
前記還元剤は金属配線の腐食進行段階と言える酸化膜形成を抑制することで、金属配線の腐食を防止する役目をする。前記還元剤はエリソルビン酸、ビタミンC及びアルファトコフェロールよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【0038】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物に含まれる(c)水は脱イオン水であることが好ましく、脱イオン蒸留水であることがより好ましい。前記(c)水が含まれれば、経済的で環境に優しい洗浄液組成物を提供することができる。前記(c)水は本発明の洗浄液組成物の含量が100重量%となるように残量として含まれる。
【0039】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物は、ポリカルボン酸共重合体、量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物及び界面活性剤よりなる群から選ばれるものをさらに含むことが好ましい。
【0040】
前記ポリカルボン酸共重合体は、金属の表面に保護膜層を形成してアルカリイオンとの過度な反応を抑制して金属の腐食を防止することができ、pH調節剤の役目をする。前記ポリカルボン酸共重合体は下記化学式6で表示される構造単位を含むことが好ましい。
【0041】
【化11】
【0042】
前記化学式6中、
15〜R17はそれぞれ独立して、水素、C〜Cの直鎖または分枝鎖アルキル基、または(CH)mCOOMであり、
及びMはそれぞれ独立して水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、C〜C10のアルキルアンモニウム基またはC〜C10の置換アルキルアンモニウム基であり、
及びmはそれぞれ独立して0〜2の整数である。
【0043】
前記ポリカルボン酸共重合体は、前記化学式6で表示される構造単位を持つ単量体を含むことが好ましい。前記化学式6で表示される構造単位を持つ単量体はアクリル酸、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、トリメチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、4−ペンテン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれることが好ましい。このうち、金属を高速で研磨するという観点でアクリル酸、メチル(メタ)アクリル酸及びマレイン酸がより好ましい。
【0044】
また、前記ポリカルボン酸系共重合体は、前記化学式6で表示される構造単位を持つ単量体と共重合可能な他の単量体を1種または2種以上使っても良い。これらの具体的な例としては、ポリアクリル酸重合体(PAA)、ポリメチル(メタ)アクリル酸共重合体(PMAA)、ポリアクリル酸マレイン酸共重合体(PAMA)、ポリアクリル酸メチル(メタ)アクリル酸共重合体(PAMAA)、ポリマレイン酸共重合体(PMA)、ポリメチル(メタ)アクリル酸マレイン酸共重合体(PMAMA)及びこれらの塩などをあげることができる。
【0045】
前記ポリカルボン酸共重合体は、組成物の総重量に対し、0.01重量%〜10重量%含まれることが好ましく、0.05重量%〜5重量%含まれることがより好ましく、0.1重量%〜1重量%含まれることが最も好ましい。
【0046】
前記量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は有機汚染物を溶解させる溶媒の役目をする。また、前記量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は溶媒としての機能の外にも洗浄液の表面張力を低下させてガラス基板に対する湿潤性を増加させるので洗浄力を向上させる。
【0047】
前記量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、エチレングリコールモノブチルエーテル(BG)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(carbitol)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(MFDG)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(BTG)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(MTG)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)よりなる群から選ばれることが好ましい。
【0048】
前記量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、組成物の総重量に対し、0.05〜20重量%含まれることが好ましく、0.5〜10重量%含まれることがより好ましい。前述した範囲未満で含まれれば、量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物の追加による洗浄液組成物の有機汚染物に対する溶解力増加を期待することができない。前述した範囲を超えて含まれれば、湿潤性増加に対するそれ以上の効果を期待することができない。
【0049】
前記界面活性剤は、基板に対する湿潤性を増加させて均一な洗浄がなされるようにし、金属パターン及び酸化膜が存在する基板の洗浄工程の際、金属の腐食及び酸化膜の過食刻を防止する効果を持つ。前記界面活性剤は、陰性界面活性剤、陽性界面活性剤及び非イオン性の界面活性剤よりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。特に、これらの中で、湿潤性に優れ、気泡発生がより少ない非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
【0050】
前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル型、ソルビタン脂肪酸エステル型、脂肪酸エステル型、グリセリン脂肪酸エステル型、ポリグリセロール脂肪酸エステル型、グリセリンエステル型、アルキロールアミド型、脂肪酸アミド型及びオキシエチレン添加脂肪酸アミド型よりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。この中でも、界面活性剤分子の構造中に親水基としてオキシエチレン基(EO基)を持ち、疎水基としてはオキシプロピレン基(PO基)またはオキシブチレン基(BO基)を持つ、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンアルキルエーテル型共重合体であることが好ましい。ここで、EO基は−CH−CH−O−で表示され、オキシプロピレン基は−CH(CH)−CH−O−または−CH−CH(CH)−O−で表示され、オキシブチレン基は−CH−CH−CH−CH−O−、−CH(CH)−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−CH−O−、または−CH−CH−CH(CH−O−で表示される。EO基とPO基、BO基の共重合部分は、ブロック共重合体であっても、ランダムな共重合体であっても、ブロック(block)性を有するランダム(random)多重合体であっても良い。また、その共重合分子は、EO基とPO基による共重合体、EO基とBO基による共重合体、あるいはEO基とPO基、BO基による共重合体であっても良い。親水基のEO基と、疎水基のPO基またはBO基の、界面活性剤分子中の存在の割合としては、EO基の総モル数をX、PO基またはBO基の総モル数をYとする場合、X/(X+Y)が0.05〜0.7の範囲であることが好ましい。
【0051】
また、前記非イオン性界面活性剤の末端は、ただ水素、水酸基、アルキル基及びアルケニル基よりなる群から選ばれる1種または2種以上でも構わない。また、エチレンジアミンやグリセリンを付け加えた構造であっても構わない。このような非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレン縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンウンデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンドデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンテトラデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンウンデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンドデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンテトラデカニルエーテル縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、グリセリン付加型ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合物、グリセリン付加型ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレン縮合物エチレンジアミン付加型ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合物、エチレンジアミン付加型ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレン縮合物ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレンステアリルエーテルなどをあげることができる。
【0052】
好ましくは、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン縮合物、グリセリン付加型ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物及びエチレンジアミン付加型ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物であり、より好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物またはエチレンジアミン付加型ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物である。
【0053】
前記界面活性剤は、組成物の総重量に対し、0.001〜1.0重量%含まれることが好ましく、0.01〜0.5重量%含まれることがより好ましい。前述した範囲未満で含まれれば、ガラス基板の洗浄均一度増加効果が低く、前述した範囲を超えて含まれれば、洗浄均一度は均一であるがその以上増加しなくて一定範囲内で収斂する。
【0054】
本発明の平板表示装置用洗浄液組成物を用いた洗浄方法は当該分野に通常に知られた方法によって遂行することができる。前記洗浄方法は、スプレー(spray)方式、スピン(spin)方式、ディッピング(dipping)方式及び超音波を用いたディッピング方式よりなる群から選ばれる1種または2種以上が行われることが好ましい。本発明の洗浄方法が最上の優秀な洗浄効果を現すことができる温度は20〜80℃、好ましくは20〜50℃である。また、本発明の洗浄方法は30秒〜10分間行われることが好ましい。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。しかし、下記実施例によって本発明の範囲が制限されるものではない。
【0056】
(実施例1〜実施例19及び比較例1〜比較例3):洗浄液組成物の製造
表1に記載した構成成分及び組成で混合して撹拌して洗浄液組成物を製造した。
【0057】
【表1】
【0058】
注)NHEP1:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン
HEMP:1−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルピペラジン
NHEM:N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン
TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
NHOH:アンモニウムヒドロキシド
MEA:モノエタノールアミン
*1):2,2’−[[[エチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノール
*2):EMADOX−NA(商品名、LABEMA Co.社製)
*3):アスコルビン酸
*GE:量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル
*4):ジエチレングリコールモノメチルエーテル
*5):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*6):トリエチレングリコールモノエチルエーテル
*7):ポリアクリル酸重合体(PAA)
*8):ポリメチルアクリル酸共重合体(PMAA)
*9):ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール
*10):エチレンジアミン付加型ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合物
【0059】
(試験例1):洗浄液組成物の特性評価
1)銅エッチング速度評価
まず、銅が2500Å厚さで形成されたガラス基板を実施例1〜実施例12及び比較例1〜比較例3の洗浄液組成物に30分間ディッピングさせる。この際、洗浄液の温度は40℃であり、銅膜の厚さをディッピング以前及び以後に測定し、銅溶解速度を銅膜の厚さ変化から計算して測定する。その結果を表2に記載した。
【0060】
2)有機汚染物除去力評価−1
有機汚染物の除去力評価のために、5cm×5cmの大きさに形成されたガラス基板上にヒトの指紋跡または有機成分サインペンで汚染させ、汚染された基板をスプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例4、実施例8、実施例12〜実施例19の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。
【0061】
この際、下記の表2において、有機汚染物の除去有無は、除去されたときは○、除去されなかったときは×で表示した。また、実施例16による有機汚染物除去の結果を図1図4に示した。ここで、図1は有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。図2は本発明の実施例16による洗浄液組成物を用いて図1に示した有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。図3は有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。図4は本発明の実施例16による洗浄液組成物を用いて図3に示したヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
【0062】
3)有機汚染物除去力評価−2
また、ガラス基板を大気中に24時間放置して、大気中の各種有機物、無機物、パーティクルなどで汚染させた後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例4、実施例8、実施例12〜実施例19の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。前記ガラス基板上に0.5μlの超純水滴を落として洗浄後の接触角を測定した。その結果を表2に示した。
【0063】
4)有機汚染物除去力評価−3
実施例4、実施例8、実施例12、実施例13、実施例16及び実施例18の洗浄液組成物を持って、有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施した。すなわち、ガラス平均粒度が0.8μmである有機パーティクルソリューションで汚染させ、1分間3000rpmでスピン(spin)ドライした後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃でそれぞれの洗浄液で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。洗浄前後のパーティクル数は表面粒子測定器(Topcon WM−1500)で0.1μm以上のパーティクル数を測定し、表2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】
表2を参照すれば、実施例1〜12の洗浄液組成物は銅に対する腐食防止効果があった。しかし、環状アミン化合物ではないアルカリ性化合物が含まれている比較例1〜3の場合には、銅腐食現象が観察された。
【0066】
また、実施例4、実施例8、実施例12、実施例13、実施例16〜実施例19の洗浄液組成物はいずれも有機汚染物の除去力があることを示し、接触角が20°〜40°を持つことから有機汚染物の除去能力を示した。
【0067】
実施例4、実施例8、実施例12、実施例13、実施例16及び実施例18の洗浄液組成物で、有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施したとき、77〜86%に近いパーティクル除去力を示した。
【0068】
(実施例20〜実施例38):洗浄液組成物の製造
表3に記載した構成成分及び組成で混合して撹拌して洗浄液組成物を製造した。
【0069】
【表3】
【0070】
注)NHEP2:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン
NHPP:N−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン
HEP:1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン
*1):2,2’−[[[エチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノール
*2):EMADOX−NA(商品名、LABEMA Co.社製)
*3):アスコルビン酸
*GE:量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル
*4):ジエチレングリコールモノメチルエーテル
*5):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*6):トリエチレングリコールモノエチルエーテル
*7):ポリアクリル酸重合体(PAA)
*8):ポリメチルアクリル酸共重合体(PMAA)
*9):ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール
*10):ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンエチレンジアミン縮合物
【0071】
(試験例2):洗浄液組成物の特性評価
1)銅エッチング速度評価
まず、銅が2500Å厚さで形成されたガラス基板を実施例20〜実施例31及び比較例1〜比較例3の洗浄液組成物に30分間ディッピングさせる。この際、洗浄液の温度は40℃であり、銅膜の厚さをディッピング以前及び以後に測定し、銅膜の溶解速度を銅膜の厚さ変化から計算して測定する。その結果を表4に記載した。
【0072】
2)有機汚染物除去力評価−1
有機汚染物の除去力評価のために、5cm×5cmの大きさに形成されたガラス基板上にヒトの指紋跡または有機成分サインペンで汚染させ、汚染された基板をスプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例23、実施例27、実施例31〜実施例38の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。
【0073】
この際、下記の表4において、有機汚染物の除去有無は、除去されたときは○、除去されなかったときは×で表示した。また、実施例35による有機汚染物除去の結果を図5図8に示した。ここで、図5は有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。図6は本発明の実施例32による洗浄液組成物を用いて図5に示した有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。図7は有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。図8は本発明の実施例32による洗浄液組成物を用いて図7に示したヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
【0074】
3)有機汚染物除去力評価−2
また、ガラス基板を大気中に24時間放置して大気中の各種有機物、無機物、パーティクルなどで汚染させた後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例23、実施例27、実施例31〜実施例38の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。前記ガラス基板上に0.5μlの超純水滴を落として洗浄後の接触角を測定した。その結果を表4に示した。
【0075】
4)有機汚染物除去力評価−3
実施例23、実施例27、実施例31、実施例32、実施例35及び実施例37の洗浄液組成物を持って、有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施した。すなわち、ガラス平均粒度が0.8μmである有機パーティクルソリューションで汚染させ、1分間3000rpmでスピン(spin)ドライした後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃でそれぞれの洗浄液で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。洗浄前後のパーティクル数は表面粒子測定器(Topcon WM−1500)で0.1μm以上のパーティクル数を測定して表4に示した。
【0076】
【表4】
【0077】
表4を参照すれば、実施例20〜31の洗浄液組成物は銅に対する腐食防止効果があった。また、実施例27、実施例31、実施例32、実施例35〜実施例38の洗浄液組成物はいずれも有機汚染物の除去力があることを示し、接触角が20°〜40°を持つようになって有機汚染物の除去能力を示した。また、実施例23、実施例27、実施例31、実施例32、実施例35及び実施例37の洗浄液組成物で有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施したとき、77〜86%に近いパーティクル除去力を示した。
【0078】
(実施例39〜実施例60及び比較例1〜比較例3):洗浄液組成物の製造
表5に記載した構成成分を表5に記載した組成で残量の水とともに混合して撹拌して洗浄液組成物を製造した。
【0079】
【表5】
【0080】
注)AEE:アミノエトキシエタノール
DAEE:ジメチルアミノエトキシエタノール
MEA:モノエタノールアミン
MIPA:モノイソプロパノールアミン
TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
NHOH:アンモニウムヒドロキシド
*1):2,2’−[[[エチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノール
*2):EMADOX−NA
*3):アスコルビン酸
*GE:量子性アルキレングリコールモノアルキルエーテル
*4):ジエチレングリコールモノメチルエーテル
*5):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*6):トリエチレングリコールモノエチルエーテル
*7):ポリアクリル酸重合体(PAA)
*8):ポリメチル(メタ)アクリル酸共重合体(PMAA)
*9):ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール
*10):ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンエチレンジアミン縮合物
【0081】
(試験例3):洗浄液組成物の特性評価
1)銅エッチング速度評価
まず、銅が2500Å厚さで形成されたガラス基板を実施例38〜実施例50及び比較例1〜比較例3の洗浄液組成物に30分間ディッピングさせる。この際、洗浄液の温度は40℃であり、銅膜の厚さをディッピング以前及び以後に測定し、銅膜の溶解速度を銅膜の厚さ変化から計算して測定する。その結果を表6に記載した。
【0082】
2)有機汚染物除去力評価−1
有機汚染物の除去力評価のために、5cm×5cmの大きさに形成されたガラス基板上にヒトの指紋跡または有機成分サインペンで汚染させて、汚染された基板をスプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例42、実施例46、実施例47、実施例49、実施例51〜実施例60の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。
【0083】
この際、下記の表6で有機汚染物の除去有無は、除去されたときは○、除去されなかったときは×で表示した。また、実施例51による有機汚染物除去結果を図9図12に示した。ここで、図9は有機汚染物の中で有機サインペンの跡で汚染されたガラス基板を示す写真である。図10は本発明の実施例51による洗浄液組成物を用いて有機汚染物の中で有機サインペンの跡が除去される結果を示す写真である。図11は有機汚染物の中でヒトの指紋で汚染されたガラス基板を示す写真である。図12は本発明の実施例51による洗浄液組成物を用いて有機汚染物の中でヒトの指紋成分が除去される結果を示す写真である。
【0084】
3)有機汚染物除去力評価−2
また、ガラス基板を大気中に24時間放置して大気中の各種有機物、無機物、パーティクルなどで汚染させた後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃で実施例42、実施例46、実施例47、実施例49、実施例51〜実施例60の洗浄液組成物で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。前記ガラス基板上に0.5μlの超純水滴を落として洗浄後の接触角を測定した。その結果を表6に示した。
【0085】
4)有機汚染物除去力評価−3
実施例42、実施例46、実施例55、実施例57及び実施例59の洗浄液組成物を持って、有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施した。すなわち、ガラス平均粒度が0.8μmである有機パーティクルソリューションで汚染させ、1分間3000rpmでスピン(spin)ドライした後、スプレー式ガラス基板洗浄装置を用いて2分間40℃でそれぞれの洗浄液で洗浄した。洗浄の後、超純水で30秒間洗浄した後、窒素で乾燥させた。洗浄前後のパーティクル数は表面粒子測定器(Topcon WM−1500)で0.1μm以上のパーティクル数を測定して表6に示した。
【0086】
【表6】
【0087】
表6を参照すれば、実施例39〜50の洗浄液組成物は銅に対する腐食防止効果があった。また、実施例42、実施例46、実施例47、実施例49、実施例51〜実施例60の洗浄液組成物はいずれも有機汚染物の除去力があることを示し、接触角が20°〜40°を持つようになって有機汚染物の除去能力を示した。また、実施例42、実施例46、実施例55、実施例57及び実施例59の洗浄液組成物で有機パーティクルソリューションで汚染させたガラス基板に対する洗浄を実施したとき、80%以上のパーティクル除去力を示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12