(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜
図14は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0015】
図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジにより前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
【0016】
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14の他、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
【0017】
また、遊技盤5の裏側には、
図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー21と集球ケース22とが上下に配置され、例えば集球ケース22の背面側に主制御基板(基板)23が格納された主基板ケース(基板ケース)24が、裏カバー21の背面側に演出制御基板25が格納された演出基板ケース26、液晶制御基板27が格納された液晶基板ケース28が夫々着脱自在に装着されている。
【0018】
集球ケース22は、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口29から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、
図3に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー21の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
【0019】
集球ケース22の背面側には、例えばその略中央に主基板ケース24を着脱自在に装着可能な主基板ケース装着部31が設けられ、また例えばその主基板ケース装着部31の一側には、遊技盤5を前枠3に装着したときに前枠3側のコネクタ(図示省略)に直接結合される遊技盤側コネクタ32が複数配置されている。主基板ケース装着部31は、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部33と、その装着開口部33の上下両縁側に沿って配置される装着レール34と、主基板ケース24の一端側、例えば左端側を支持する第1支持手段35と、この第1支持手段35により一端側が保持された主基板ケース24の他端側を解除可能に保持する締結つまみ等よりなる第2支持手段36とを備えている。
【0020】
この主基板ケース装着部31に装着される主基板ケース24は、全体として扁平な略矩形状であって、
図3,
図4等に示すように、互いに嵌め合わせ可能な表ケース体(甲ケース体)41と裏ケース体(乙ケース体)42とで構成されている。そして、主基板ケース24の外周側の一辺、例えば左右方向の一端側で且つ遊技盤側コネクタ32と反対側には、両ケース体41,42を閉状態で封止するための封止手段43が例えば上下方向に複数個配置されると共に、他の一辺、例えば封止手段43とは反対側の辺上には、封印シール貼付部44が形成された貼付ベース部45が設けられ、この封印シール貼付部44に封印シール46が貼付され、その封印シール46を覆うようにシールカバー47及び外カバー48が装着されている。
【0021】
主制御基板23は例えば略矩形状であって、その一面側の電子部品装着面23aには、中央寄りの部分にCPU,ROM,RAM等の電子部品49が配置され、外縁部近傍には複数のコネクタ50が配置されている。
【0022】
表ケース体41は、例えば透明な合成樹脂製で、主制御基板23の電子部品装着面23a側に対向する膨出部51と、主制御基板23の各コネクタ50に対応して膨出部51の周辺部に形成された段部52〜54と、この段部52〜54よりも裏ケース体42側に突出する表周壁部55とを一体に備え、この表周壁部55の内側に主制御基板23が装着、固定され、各段部52〜54に形成された開口からコネクタ50が外部に突出するようになっている。
【0023】
裏ケース体42は、例えば透明な合成樹脂製で、偏平な底板56と、この底板56の外周から表ケース体41側に突出し且つ表ケース体41の表周壁部55が嵌脱自在に内嵌する裏周壁部57とを一体に備えている。また、例えば裏ケース体42の外縁部には、主基板ケース装着部31の第2支持手段36が係脱自在に係合する被係合部36aが外向きに一体形成されている。
【0024】
表ケース体41と裏ケース体42とは、互いに嵌め合わされた状態で、その上下両側の側部係合手段58によって閉状態にロックされる。即ち、側部係合手段58は、表ケース体41の表周壁部55の上下二辺に沿って左右方向に所定間隔で複数個配置された外向き突出状の係合爪61と、裏ケース体42の裏周壁部57の上下二辺に沿って各係合爪61に対応して配置された複数個の切欠部62と、同じく裏ケース体42の裏周壁部57の上下二辺に沿って各切欠部62に隣接して設けられた複数の係合部63とで構成されており、係合爪61を夫々切欠部62に嵌合させるように両ケース体41,42を嵌め合わせ(アンロック状態)、表ケース体41を裏ケース体42に対して左右方向の一方側に向けて相対的にスライドさせたとき(以下、この方向をスライド方向という)、各係合爪61が係合部63に夫々係合して、表ケース体41と裏ケース体42とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)ようになっている。
【0025】
なお、表ケース体41の上下の二辺には、
図3に示すように表周壁部55の内側に夫々裏ケース体42の裏周壁部57の嵌合代を挟んで内壁64が設けられ、側部係合手段58に生じる隙間を内側から塞いでいる。
【0026】
封止手段43は、表ケース体41側に設けられた封止ピン65と、裏ケース体42側に設けられたピン嵌合部66とで構成されており、表ケース体41と裏ケース体42とがロック状態のときに封止ピン65が押し込まれることにより、この封止ピン65がピン嵌合部66に離脱操作不可能な状態で嵌合すると共に表ケース体41側の規制片(図示省略)に係合して、表ケース体41の裏ケース体42に対するアンロック状態側へのスライド、即ち主基板ケース24の開封を阻止するようになっている。主基板ケース24を開封する際には、表ケース体41側の規制片をニッパー等により切断、除去して、表ケース体41の裏ケース体42に対するアンロック状態側へのスライドを許容してやればよい。このように、基板ケースが開封された場合には規制片の部分に必ず痕跡が残るようになっている。なお、封止手段43は複数、例えば二つ設けられており、一旦開封した後に再度封止することが可能となっている。
【0027】
貼付ベース部45は、例えば主基板ケース24における封止手段43とは反対側の辺上に設けられており、
図5〜
図7等に示すように、表ケース体41側の表ケース側ベース部45aと、裏ケース体42側の裏ケース側ベース部45bとを備え、表ケース体41と裏ケース体42とがロック状態となったとき、表ケース側ベース部45aと裏ケース側ベース部45bとがスライド方向に互いに一致して1つの箱状体を形成するように構成されている。
【0028】
表ケース側ベース部45aと裏ケース側ベース部45bとは、例えば主制御基板23と平行な平面に対して略対称に形成されており、各ケース体41,42の各周壁部55,57から外向きに突設され且つ互いに平行な矩形状に形成された一対の対向ベース板71a,71bと、これら対向ベース板71a,71bの先端側の縁部から互いに対向する側に延設された先端ベース板72a,72bと、対向ベース板71a,71bの両側の縁部から先端ベース板72a,72bと同方向に延設された側端ベース板73a,73bとを備え、表ケース体41と裏ケース体42とがロック状態となったとき、先端ベース板72a,72bが面一となって1つの先端ベース板72を形成し、また側端ベース板73a,73bも一対の側端ベース板73,73を形成するようになっている。また、側端ベース板73a,73bは、対向ベース板71a,71b側の各縁部が対向ベース板71a,71bの表面よりも外側に突設されて夫々案内リブ74を形成している。
【0029】
この貼付ベース部45上の封印シール貼付部44は、例えば2つの屈曲部44d,44eを介して連続する3つの貼付面44a〜44cにより断面コの字型に形成されており、対向ベース板71aの外面側が表貼付面(第1貼付面)44a、先端ベース板72の外面側が中央貼付面44b、対向ベース板71bの外面側が裏貼付面44cとなっている。なお、表貼付面44aは、主制御基板23の電子部品装着面23aと同じ向きに配置されている。屈曲部44dは、表貼付面44aと中央貼付面44bとを略直角に連結しており、例えば所定半径のR状に形成されている。同じく屈曲部44eは、中央貼付面44bと裏貼付面44cとを略直角に連結しており、例えば所定半径のR状に形成されている。
【0030】
また、貼付ベース部45上には、表貼付面44aと裏貼付面44cとに対応して、対向ベース板71a,71bの板厚方向に貫通する一対の開口部75,75が形成され、また側端ベース板73,73上には一対の第1被係合部76,76が例えば貫通状に形成されている。
【0031】
開口部75は、例えば対向ベース板71a,71bの略中央に対応して所定方向、例えば貼付ベース部45の突出方向に沿う長孔状に形成されており、その一端側、例えば各表周壁部55,57側が円弧状に形成されている。また、被係合部76は、例えば側端ベース板73上における各周壁部55,57側の端部近傍に、側端ベース板73a,73bに跨って設けられている。
【0032】
シールカバー47は、封印シール貼付部44に貼付された封印シール46の表面を覆って保護するためのもので、
図5〜
図7等に示すように、封印シール貼付部44上に貼付された封印シール46の表面を覆うカバー部81と、貼付ベース部45側の被係合部76に対応する一対の第1係合部82とを備え、例えば透明な合成樹脂により一体に形成されている。
【0033】
カバー部81は、対向ベース板71a,71bの外面に沿う矩形状に形成された一対の対向カバー部83,83と、先端ベース板72の外面に沿う矩形状に形成された先端カバー部84とを一体に備えた断面コの字型に形成され、案内リブ74に沿って貼付ベース部45の突出方向に着脱可能であり、貼付ベース部45に装着されたとき、その内面側が封印シール貼付部44上に貼付された封印シール46の全面を覆うようになっている。
【0034】
また、対向カバー部83,83上には、貼付ベース部45側の開口部75に対応する一対の可動片85,85が設けられている。即ち、対向カバー部83,83上には、開口部75の外縁に沿って、その開口部75の長手方向の一端側(ここでは先端ベース板72側の端部)を除く例えばU字状のスリット86が形成されており、そのスリット86の内側の片持ち部分が可動片85となっている。更に、可動片85の先端側には、外向きに突出する例えば円形の第2係合部87が一体に形成されている。
【0035】
可動片85は、対向カバー部83の面外方向に弾性変形可能であり、
図13(a)に示すように第2係合部87全体が対向カバー部83の表面から突出しない位置まで内向きに押圧されたときにその可動端側が開口部75内に嵌合し(以下、第2状態という)、
図13(b)に示すように、内向きの押圧が解除されたときにその弾性力によって開口部75の外側に退避する(以下、第1状態という)ようになっている。
【0036】
第1係合部82は、例えば先端カバー部84の両端側から側端ベース板73の外面に沿って周壁部55,57側に突設されており、側端ベース板73の面外方向に弾性変形可能となっている。また、第1係合部82の先端側には、その対向面側に、第1被係合部76に係合する爪部82aが、先端側に向けて細くなるテーパー状に形成されている。
【0037】
シールカバー47を貼付ベース部45に装着する際には、このテーパー状の爪部82aに案内されて第1係合部82が外向きに弾性変形した状態で側端ベース板73の外面を摺動し、カバー部81が封印シール貼付部44の全面を完全に覆ったとき、第1係合部82の内向きの付勢力によって爪部82aが第1被係合部76に係合して、シールカバー47の離脱方向の移動を阻止するようになっている。
【0038】
外カバー48は、シールカバー47の第1係合部82を外部からの解除操作が不可能な状態に覆うためのもので、
図5〜
図7に示すように、シールカバー47のカバー部81を覆う本体カバー部48aと、この本体カバー部48aの両側部で第1係合部82を覆うサイドカバー部48bとを備え、例えば透明な合成樹脂により、一面側が着脱口89として開放された略箱形に一体形成されている。そして、シールカバー47と共に貼付ベース部45に装着されたとき、着脱口89側の縁部が周壁部55,57に当接又は近接して、外カバー48の外側から貼付ベース部45の全体を覆うようになっている。
【0039】
本体カバー部48aは、カバー部81の外面側を略隙間なく覆う略コの字型に形成されており、対向ベース板71a,71bの外面を覆う部分には、第2係合部87に対応する第2被係合部91が、板厚方向に貫通する開口状に形成されている。この第2被係合部91は、外カバー48がシールカバー47を完全に覆う状態に装着されたとき、第1状態に付勢されている可動片85上の第2係合部87が内側から嵌合して、外カバー48に対するシールカバー47の離脱方向の移動を阻止するようになっている。
【0040】
なお、第2係合部87が第2被係合部91に嵌合した状態では第2係合部87の先端面87aが外部に露出するため、この先端面87aを内向きに押圧して可動片85を第2状態まで変形させることにより、第2係合部87の第2被係合部91に対する係合を解除して外カバー48をシールカバー47から取り外すことができる。逆に外カバー48をシールカバー47に装着する際にも、第2係合部87の先端面87a内向きに押圧して可動片85を第2状態まで変形させた状態で行えばよい。
【0041】
サイドカバー部48bは、例えばその一部が第1係合部82に対応する膨出状に形成されているが、第1係合部82の第1被係合部76に対する係脱動作を許容するように、第1係合部82の外側に一定の隙間が形成されている(
図11参照)。
【0042】
この封印シール貼付部44に貼付される封印シール46は、
図8に示すように、裏面に予め接着剤が塗布された接着面が形成され、表面側に各種印刷等が施された略矩形状のベースシート101を備えており、以下に示すような各種の不正対策措置が施されている。
【0043】
まず、ベースシート101は、溶剤に反応して発色する基材で形成されている。これにより、溶剤を用いて当該封印シール46を剥がし取った場合にはベースシート101上にその痕跡が残るため、その剥がし取った封印シール46で再び封印しようとしても元通りの状態を再現することはできず、溶剤剥がしの不正行為を効果的に防止できる。
【0044】
また、ベースシート101の外周101aは例えば鋸刃状に形成されている。これにより、例えば溶剤等を用いることなく封印シール46をその外周部から物理的に剥がし取ろうとした場合、V字状の切り欠き部分に力が集中して破れやすく、痕跡を残すことなくきれいに剥がし取ることは極めて困難である。
【0045】
また、ベースシート101上には、その内部に複数の切込み部102a,102bが形成されている。この切込み部102a,102bは、
図8(a)における縦方向又は横方向(以下、単に縦方向、横方向という)のうち、例えば縦方向の両端側の縁部に沿う一対の縁部帯状領域(特定帯状領域)103a,103cと、それら一対の縁部帯状領域103a,103cの中間に配置される中央帯状領域(特定帯状領域)103bとにそれぞれ例えば略等間隔で一列上に配置されている。また、縁部帯状領域103aと中央帯状領域103bとの間、中央帯状領域103bと縁部帯状領域103cとの間には、それぞれ切込み部102a,102bを配置しない所定幅の非特定帯状領域104a,104bが、ベースシート101の横方向全長(又は略全長)に亘って設けられている。
【0046】
縁部帯状領域103a,103c上に配置される複数の切込み部102a,102bのうち、各縁部帯状領域103a,103cの両端部、即ちベースシート101における四隅に設けられる計4つの切込み部102aは、例えばベースシート101の角部に沿う略鉤型に形成されている。また、それ以外の全ての切込み部102bは例えばX字状に形成されている。
【0047】
ベースシート101上にこのような切込み部102a,102bを設けることで、例えば溶剤等を用いることなく封印シール46を物理的に剥がし取ろうとした場合、切込み部102a,102bの端部に力が集中して破れやすく、痕跡を残すことなくきれいに剥がし取ることは極めて困難である。また、ベースシート101上には、切込み部102a,102bを設けない非特定帯状領域104a,104bを設けているため、封印シール46をL字状或いはコの字状に折り曲げて貼付する場合、この非特定帯状領域104a,104bに沿って折り曲げることで、切込み部102a,102bが折り曲げ部分にかからず、したがって切込み部102a,102b近傍が浮き上がるようなことなく容易且つ確実に封印シール46を貼付することができ、貼付時に誤って封印シール46を破損してしまうような事故を未然に防止できる。
【0048】
また、ベースシート101の表面上には、各帯状領域103a〜103c,104a,104bと交差する方向(ここでは縦方向)の全長(又は略全長)に亘って帯状のホログラム部105が形成されている。このホログラム部105は、例えば横方向の中央から左右一方側にずれた位置に配置されている。なお、ホログラム部105の印刷パターンは任意である。このようなホログラム部105を設けることで、封印シール46の複製・偽造を効果的に防止できる。
【0049】
なお、複数の切込み部102a,102bのうちの少なくとも一つにおける少なくとも一部をホログラム部105上に配置してもよい。本実施形態では、
図8に示すように、縁部帯状領域103a,103c及び中央帯状領域103b上の各一つの切込み部102bが、ホログラム部105とその外側とに跨がるように形成されている。
【0050】
また、ベースシート101の表面上(ホログラム部105の配置位置を除く)には、複数種類の模様、文字、図形等が印刷されている。まず、ベースシート101の外周に沿って第1微細模様106aが、それよりも内側の所定箇所に第2微細模様106bがそれぞれ印刷されている。この微細模様106a,106bは、コピーでは正確に再現できない微細な線の組み合わせ等よりなる任意の模様を、細紋印刷技術を用いてベースシート101上に印刷したものである。また、ベースシート101上の所定箇所、例えば縁部帯状領域103a,103c上にマイクロ文字107が印刷されている。このマイクロ文字107は、コピーでは正確に再現できない微少文字を製版技術を用いてベースシート101上に印刷したものである。このような微細模様106a,106b、マイクロ文字107等をベースシート101上に印刷することで、封印シール46の複製・偽造をより効果的に防止できる。
【0051】
なお、複数の切込み部102a,102bのうちの少なくとも一つにおける少なくとも一部を、微細模様106a,106b、マイクロ文字107の印刷領域上に配置してもよい。本実施形態では、縁部帯状領域103a,103c上の切込み部102bの一部分が、マイクロ文字107の印刷領域上に形成されている。
【0052】
また、ベースシート101上の所定箇所に、溶剤により溶け出すインキを用いて任意の文字、図形等が印刷された第1,第2セキュリティ印刷部108a,108bが形成されている。第1セキュリティ印刷部108aは、例えば中央帯状領域103b上に配置されており、例えば「開封禁止」等、当該封印シール46の開封が禁止されている旨の注意喚起を行うための文字が、例えば石油系の溶剤で溶け出すインキを用いて印刷されている。第2セキュリティ印刷部108bは、例えば縁部帯状領域103a,103c上に配置されており、例えば所定太さの実線が、エタノール系の溶剤で溶け出すインキを用いて印刷されている。
【0053】
このような第1,第2セキュリティ印刷部108a,108bを設けることにより、石油系或いはエタノール系の溶剤を用いて当該封印シール46を剥がし取った場合にはベースシート101上にその痕跡が残るため、その剥がし取った封印シール46で再び封印しようとしても元通りの状態を再現することはできず、溶剤剥がしの不正行為をより効果的に防止できる。
【0054】
なお、複数の切込み部102a,102bのうちの少なくとも一つにおける少なくとも一部を、第1,第2セキュリティ印刷部108a,108b上に配置してもよい。本実施形態では、中央帯状領域103b上の切込み部102bの一部分が第1セキュリティ印刷部108a上に形成され、また縁部帯状領域103a,103c上の切込み部102bの一部分が第2セキュリティ印刷部108b上に形成されている。
【0055】
また、ベースシート101上には複数(ここでは2つ)の識別情報109a,109bが印刷されている。第1識別情報109aは、例えば封印シール46毎に割り振られた個別のシリアル番号で、所定桁数の英数字等により構成されており、例えばホログラム部105の一方側(ここでは
図8(a)における左側)で且つ縁部帯状領域103aと中央帯状領域103bとの間の非特定帯状領域104a上に印刷されている。第2識別情報109bは、例えば第1識別情報とは別に封印シール46毎に割り振られた管理番号で、例えば一次元コード、二次元コード等(ここでは二次元コード)に変換されており、例えばホログラム部105の他方側(ここでは
図8(a)における右側)で且つ縁部帯状領域103aとこれに隣接する非特定帯状領域104aとに跨がって印刷されている。
【0056】
なお、第1,第2識別情報109a,109b上には切込み部102a,102bを形成しないことが望ましい。
【0057】
以上のような主基板ケース24を組み立てる際には、まず表ケース体41の内側に主制御基板23を装着、固定し、その表ケース体41の裏側から裏ケース体42を嵌め合わせ、係合爪61を夫々切欠部62に嵌合させてアンロック状態とする(
図9(a)→(b))。このとき、表ケース側ベース部45aと裏ケース側ベース部45bとはスライド方向にずれた位置にある。
【0058】
次に、表ケース体41と裏ケース体42とを互いに相対的にスライドさせて、各係合爪61を係合部63に係合させ、表ケース体41と裏ケース体42とを閉状態でロックする(
図9(b)→(c))。これにより、表ケース側ベース部45aと裏ケース側ベース部45bとがスライド方向に互いに一致して貼付ベース部45が形成される。
【0059】
そして、複数のうちの一つの封止手段43の封止ピン65を押し込んで主基板ケース24を閉状態で封止する(図示省略)と共に、貼付ベース部45上の封印シール貼付部44に、封印シール46をコの字型に折り曲げつつ表貼付面44a,中央貼付面44b,裏貼付面44cに跨がるように貼付する(
図9(c))。
【0060】
このとき、封印シール46は、ホログラム部105が屈曲部44d,44eと交差して表貼付面44a,中央貼付面44b,裏貼付面44cに跨がり、且つ第1識別情報109aと第2識別情報109bとが共に表貼付面(第1貼付面)44a上に位置するように貼付する。これにより、封印シール46は屈曲部44d,44eに沿って非特定帯状領域104a,104bでそれぞれ略直角に屈曲するため(
図8(b))、切込み部102a,102bが屈曲部44d,44eにかかることがなく、したがって切込み部102a,102b近傍が浮き上がるようなことなく容易且つ確実に封印シール46を貼付することができ、貼付時に誤って封印シール46を破損してしまうような事故を未然に防止できる。
【0061】
続いて、この封印シール46を保護するべく、貼付ベース部45にシールカバー47と外カバー48とを装着するが、その装着順序が重要であり、まず外カバー48内にシールカバー47を装着する。即ち、シールカバー47の両面側に突出する一対の第2係合部87,87を内向きに押圧し、可動片85をその弾性力に抗して第2状態まで変形させ、その状態で第2係合部87,87を外カバー48の着脱口89の内側に挟み込ませるようにシールカバー47を外カバー48内に挿入する(
図10(a))。そして、そのままシールカバー47を外カバー48の奥まで押し込み、第2係合部87,87が外カバー48側の第2被係合部91,91の位置に到達すると、可動片85がその弾性力によって元の第1状態に復帰し、第2係合部87,87が第2被係合部91,91に内側から嵌合してシールカバー47と外カバー48とが一体化された状態となる(
図10(b))。
【0062】
続いて、その一体化されたシールカバー47と外カバー48との開口側を、貼付ベース部45の先端側に嵌め込んで奥までスライドさせる(
図11(a)→(b))。このとき、シールカバー47の第1係合部82は、テーパー状の爪部82aに案内されてサイドカバー部48b内で外向きに弾性変形した状態で側端ベース板73の外面を摺動し(
図11(a))、カバー部81が封印シール貼付部44の全面を完全に覆ったとき、第1係合部82の内向きの弾性力によって爪部82aが第1被係合部76に係合する(
図11(b))。これにより、シールカバー47の貼付ベース部45に対する離脱方向の移動が阻止される。しかも、第1係合部82と第1被係合部76との係合部分は外カバー48によって完全に覆われているため、外カバー48の外側からそれらの係合を解除することはできない。従って、シールカバー47を貼付ベース部45から取り外して封印シール46を再び露出させるためには、先に外カバー48を取り外して第1係合部82の解除操作ができる状態にしなければならない。
【0063】
以上のように組み立てられた主基板ケース24は、
図12に示すように、主制御基板23の電子部品装着面23aが後向きとなるように遊技盤5の背面側(遊技機本体1の後側)に装着される。このとき、封印シール貼付部44は表貼付面(第1貼付面)44aが後向きとなるため、封印シール46上の第1識別情報109aと第2識別情報109bとは共にシールカバー47及び外カバー48を介して遊技機本体1の後側から視認可能な状態となる。これにより、例えば前枠3を開いて第1識別情報109aを目視にて確認し、或いは二次元コードリーダ等により第2識別情報109bをスキャンする作業を極めて容易に行うことができる。
【0064】
検査等のために主基板ケース24を開封する場合には、封止手段43による封止を解除すると共に、外カバー48、シールカバー47の順に貼付ベース部45から取り外す。外カバー48を取り外す際には、第2被係合部91,91に嵌合している第2係合部87,87を内向きに押圧して第2被係合部91,91への係合を解除し(
図13(a))、その状態で外カバー48を引き抜けばよい(
図13(b))。
【0065】
しかしながらその際、可動片85が内向きに弾性変形して第2状態となり、可動端側が開口部75内に嵌合するため、封印シール46上の開口部75に対応する部分が面外方向に押されて破損する(
図13(a))。即ち、本実施形態のパチンコ機では、封印シール46を露出させる際にはシールカバー47よりも先に外カバー48を取り外す必要があり、またその外カバー48を取り外す際には必ず封印シール46が破損するようになっている。
【0066】
外カバー48を取り外せば、第1係合部82が露出するため、この第1係合部82の第1被係合部76への係合を解除し(
図14(a))、そのままシールカバー47を引き抜くことによって貼付ベース部45から容易に取り外すことができる(
図14(b))。
【0067】
また、例えば外カバー48、シールカバー47を破壊する等の手段により、封印シール46を破損することなく外カバー48、シールカバー47を貼付ベース部45から取り外したとしても、封印シール46を封印シール貼付部44からきれいに剥がし取ることは容易ではない。即ち、封印シール46のベースシート101は、溶剤に反応して発色する基材で形成されており、更にベースシート101上には、石油系の溶剤で溶け出すインキを用いて印刷された「開封禁止」等の文字よりなる第1セキュリティ印刷部108aと、エタノール系の溶剤で溶け出すインキを用いて印刷された所定太さの実線等よりなる第2セキュリティ印刷部108bとが設けられているため、溶剤を用いて当該封印シール46を剥がし取った場合にはベースシート101上に必ずその痕跡が残り、その剥がし取った封印シール46で再び封印しようとしても元通りの状態を再現することはできない。
【0068】
また、ベースシート101の外周101aは例えば鋸刃状に形成されており、また内部には複数の切込み部102a,102bが形成されているため、溶剤等を用いることなく封印シール46を物理的に剥がし取ろうとしても破れやすく、痕跡を残すことなくきれいに剥がし取ることは極めて困難である。
【0069】
更に、ベースシート101の表面上にはホログラム部105が形成されると共に、細紋印刷技術を用いて第1,第2微細模様106a,106bが、製版技術を用いてマイクロ文字107がそれぞれ印刷されているため、封印シール46を忠実に複製・偽造することは極めて困難である。
【0070】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、封印シール貼付部44を二つの屈曲部を有する断面略コの字状に形成した例を示したが、封印シール貼付部44は、
図15に示すように屈曲部のない平面状に形成してもよいし、
図16に示すように一つの屈曲部を有する断面L字状に形成してもよい。
【0071】
図15,
図16の例では、主基板ケース24が閉状態のときに、表ケース体41側の対向ベース板71a、側端ベース板73aと裏ケース体42側の対向ベース板71b、側端ベース板73bが夫々スライド方向に連結されるようになっている。そして、
図15の例では、対向ベース板71a,71bに跨がる一つの平面状の封印シール貼付部44が形成され、
図16の例では、対向ベース板71a,71bに跨がる第1貼付面44aと、裏ケース体42側の先端ベース板72上の第2貼付面44bとが、屈曲部44dを介して連結されて一つの断面L字状の封印シール貼付部44を形成している。
【0072】
図16の例の場合、例えば屈曲部44dに沿って封印シール46を非特定帯状領域104bで略直角に屈曲させ、第1,第2識別情報109a,109bが第1貼付面44a上に配置されるように貼付する。また、
図15の例の場合は封印シール貼付部44全体が、
図16の例の場合は第1貼付面44aが、それぞれ遊技機本体1の後側を向くように配置することが望ましい。これにより、封印シール46上の第1識別情報109aと第2識別情報109bとは共にシールカバー47及び外カバー48を介して遊技機本体1の後側から視認可能な状態となるため、例えば前枠3を開いて第1識別情報109aを目視にて確認し、或いは二次元コードリーダ等により第2識別情報109bをスキャンする作業を極めて容易に行うことができる。
【0073】
また、
図15,
図16の例の場合、封印シール貼付部44における表ケース体41側と裏ケース体42側との境界線が遊技機本体1の後側を向くように配置されるため、この境界線に沿ってカッター等で封印シール46を切断することにより主基板ケース24が開封された場合、再び主基板ケース24を元通りに戻しても、カッターによる切断部分が遊技機本体1の後側から視認可能な状態となるため、開封があったことを容易に認識できるという利点もある。
【0074】
実施形態では、一対の縁部帯状領域103a,103cとそれらの中間の中央帯状領域103bとにそれぞれ一列状に切込み部102a,102bを配置した例を示したが、例えば一対の縁部帯状領域103a,103cにのみ切込み部102a,102bを配置し、それらの間を非特定帯状領域としてもよい。
【0075】
ホログラム部105は、各帯状領域103a〜103c,104a,104bと平行に配置してもよいし、斜め方向に配置してもよい。また、ベースシート101における縦横何れかの縁部に沿ってホログラム部105を配置してもよい。
【0076】
実施形態では、シールカバー47と外カバー48とよりなる封印シールカバーを設けた例を示したが、封印シールカバーは封印シール46上の識別情報等を外から視認可能なものであればよく、その構成は任意である。また封印シールカバーは必須ではない。
【0077】
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。