(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、2つの変動表示ゲームを並行して行うものにおいては、2つの変動表示ゲームの両方について、当たるか否かを遊技者が注視することになるが、単純に抽選確率等の各種条件が同じ2つの変動表示ゲームが並行して行われるだけでは、慣れてしまえば、各変動表示ゲームをそれぞれ単独で見た場合と遊技性がそれほど変化しておらず、遊技者が飽きてしまう可能性がある。
【0007】
また、上述のようなデジパチには、一般的に確率変動と呼ばれる処理が行われる。大当たりとなる際に、抽選で、通常状態(低確率状態)および確率変動状態(高確率状態)とのいずれか一方を選択するようになっている。そして、通常状態が選択された場合には、大当たりとなったことにより発生した特別遊技状態(大当たり状態)後の大当たり確率が予め設定されている低確率となる。
また、確率変動状態が選択された場合には、前記特別遊技状態後の大当たり確率が、予め設定され、かつ、前記低確率より10倍程度大当たり確率が高くなった高確率となる。
【0008】
また、上述のようなデジパチにおいては、遊技球が入賞することにより前記変動表示ゲームの開始の契機を付与する始動入賞口にいわゆる電動チューリップ(以下電チューと称する)が設けられており、この電動チューリップを開閉するか否か(閉じたままとするか)の抽選も行われている。
【0009】
そして、上述の確率変動状態においては、電チューを開閉する抽選確率が高くされたり、抽選で当たりとなった場合の開放時間を長くしたり、開閉回数を複数回に増やしたり、抽選に要する時間を短くして時間当たりの抽選回数を増やしたりすることが行われる。これにより、通常状態に対して確率変動状態では、始動入賞口に入賞する遊技球数が多くなり、それにより賞球(遊技球)の払出数も多くなる。このような始動入賞口に設けられた電チューが頻繁に開放したり、長く開放したりする状態を以降電チューサポートと称する。
【0010】
なお、電チューサポートでは、上述のような当たりとなる抽選確率の高確率化、当たった場合の開放時間の長期化、当たった場合の開放回数の増加、単位時間当たりの抽選回数の増加(抽選にかける時間の短縮)等の全てを行う必要はなく、これらの処理のうちの一部を行わないものとしてもよく、基本的に電チューサポートが行われていない場合よりも行われている場合の方が電チューの単位時間当たりの開放時間が多くなっていればよい。但し、電チューサポート中は、発射される遊技球数に対して賞球として払い出される遊技球数がほぼ同じぐらいになっていることが好ましい。
【0011】
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞数が増加することで、上述のように賞球の払い出しが多くなり遊技中にあまり持球(遊技球)を減らすことなく、次の大当たりが発生するのを待つことができ、かつ、大当たりとなる確率が高確率となっていることと変動表示ゲーム(大当たりの抽選)がほとんど途絶えることなく行われることとから比較的短時間で次の大当たりを発生させることができる。また、遊技球を減らすことなく次の大当たりで大量の遊技球を獲得できるので、持球を確実に増加させることができる。
【0012】
したがって、遊技者は、確率変動状態が発生することを期待し、かつ、確率変動状態となってからは、確率変動状態が継続することを期待することになる。すなわち、デジパチの遊技では、大当たりを発生させるだけでは大量の遊技球を獲得することができてもそれを維持することができず、確率変動状態を発生させることで大量の遊技球を獲得し、かつ、それ維持した状態で次の大当たりによりさらに獲得遊技球の増加を図ることができる。 たとえば、通常状態(低確率状態)は、遊技者が脱したい状態であり、通常状態となっている間は、大当たりが発生しても次に大当たりの発生までに持球を使い切ってしまう可能性が高く、持球を増加させることが困難となっている。
【0013】
また、デジパチとよばれるパチンコ遊技機においては、大当たりとなる確率は通常の状態としたままで、電チューサポートだけを行う状態、いわゆる、時間短縮状態(抽選に要する時間を短くすることに基く)を発生させるものが知られている。なお、確率変動状態および時間短縮状態は、大当たり状態終了時に発生し、たとえば、次の大当たり状態発生まで継続するか、大当たりの抽選の回数(変動表示ゲームの実行回数)が所定回数となった時点で終了する場合もある。
なお、時間短縮状態においては、大当たりとなる確率が確率変動状態のように高くなっていないので、大当たりが発生するまでに確率変動状態より長い時間を要する可能性が高いが、大当たりが発生すれば、確率変動状態と同様に遊技者が持球をあまり減少させることなく、次の大当たり状態の発生で、持球を増加させることができる。
【0014】
また、デジパチにおいては、アタッカーと呼ばれる特別変動入賞装置を有する。特別変動入賞装置は、遊技球が入賞できない閉状態と、遊技球が入賞し易い開状態との間で開閉変動するようになっている。そして、通常の状態は、特別変動入賞装置が閉じた状態に保持されるが、大当たり状態となると、開閉変動を繰り返し行う状態となる。そして、大当たり状態中は、たとえば、特別変動入賞装置の一回の開放(開閉変動)もしくは複数回の開閉変動を1ラウンドとし、複数ラウンド分の開閉変動を行うことで、特別変動入賞装置に多数の遊技球を入賞させ、それに対する賞球の払い出しで、遊技者に大量の遊技球の獲得を可能としている。
【0015】
ここで、通常は、上述のラウンドをたとえば15回程度行うことが一般的であり、かつ、たとえば、1ラウンドに特別変動入賞装置を1回だけ開状態とする場合に、遊技球が9個程度入賞するか、所定時間とし30秒弱経過することで特別変動入賞装置を閉状態として1ラウンドを終了する。
それに対して、たとえば、ラウンドを2ラウンド程度とするとともに、一回の開状態となる期間を数秒程度とする大当たり状態も知られている。この短い大当たり状態の場合にも、大当たり状態終了後に確率変動状態や時間短縮状態が発生する。
【0016】
この場合に、大当たり状態が短いことから、大当たり状態中に獲得可能な遊技球は、通常の大当たり状態に比較して極めて少ないものとなり、大当たり状態によって、遊技者が直接受ける恩恵はあまりないが、大当たり状態後に確率変動状態となる場合には、確率変動状態が発生したことにより遊技者が恩恵を受けることになる。
【0017】
ここで、短い大当たり状態後に確率変動状態となり、この確率変動状態後に再び短い大当たり状態となり、かつ、その後確率変動状態とならずに、時間短縮状態や通常の状態となると、結局、遊技者が大量の遊技球を獲得することなく、確率変動状態が終わってしまうことになり、遊技者は極めて不満に思うことになる。
【0018】
また、上述のように二つの変動表示ゲームを行う場合には、二つの変動表示ゲームで差をつけるために、一方の変動表示ゲームの開始の契機を付与する始動入賞口に上述の電チューを設け、他方の変動表示ゲームの開始の契機を付与する始動入賞口には電チューを設けない構成とするとともに、一方の変動表示ゲーム用の電チューの構成を電チューが閉じた状態では、遊技球が全く入賞できない構成としている場合がある。
【0019】
また、確率変動状態や時間短縮状態をさらに有利な状態とするように、前記電チューサポートにより、確率変動状態や時間短縮状態において一方の変動表示ゲーム用の始動入賞口に遊技球が容易に入賞可能な状態としておいて、一方の変動表示ゲームが当たりとなる場合より他方の変動表示ゲームが当たりとなる方が遊技者に不利となるようにしている場合がある。
【0020】
たとえば、一方の変動表示ゲームでは、15ラウンドの大当たり状態が多く発生するように設定されているのに対して他方の変動表示ゲームでは、2ラウンドの大当たり状態が多く発生するようにしている場合がある。
この場合に、たとえば、他方の変動表示ゲームで大当たりした後に確率変動状態となった際に、一方の変動表示ゲーム用の始動入賞口の電チューが頻繁に開放可能となり、一方の変動表示ゲームが開始されるが、確率変動状態が開始されてから電チューが開放して一方の変動表示ゲームが開始されるまでのタイムラグに、先に他方の変動表示ゲームが開始されてしまう可能性が高い。
【0021】
そして、この場合に、確率的には、低いが、他方の変動表示ゲームで大当たり状態後に通常の状態や時間短縮状態となる大当たりが発生してしまい、極めて短期間に大量の遊技球を獲得することなく、確率変動状態が終了してしまう場合があり、この場合に遊技者は極めて落胆し、このような遊技機での遊技を敬遠してしまう可能性がある。
すなわち、遊技者の興趣を高めるために、二つの異なる変動表示ゲームを同時に行うことを可能としたのに拘わらず、かえって、遊技者に不満を与えてしまう場合がある。
【0022】
なお、特許文献1に記載された発明では、先に行われているたとえば他方の変動表示ゲーム中に一方の変動表示ゲームが開始されると、一方の変動表示ゲームの結果が大当たりで有っても強制的にはずれとされてしまうので、たとえば、上述のような状況において、確率変動状態となった直後に、2ラウンドの確率変動状態とならない大当たりとなる他方の変動表示ゲームが開始された、後に、15ラウンドの大当たり状態後に確率変動状態となる大当たりを発生させる一方の変動表示ゲームが開始されるような場合に、この一方の変動表示ゲームの大当たりが強制的にはずれとされる可能性がある。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、並行して2つの変動表示ゲームを行うことで、かえって遊技者が不満に思うような状態に陥るのを極力防止し、遊技者に敬遠されることがなく、遊技店における稼働率を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に記載の遊技機は、遊技球が発射される遊技盤と、
前記遊技盤上に設けられた第1始動入賞口および第2始動入賞口と、
前記第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基いて大当たりおよびはずれを決める第1抽選を実行する第1抽選手段と、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基いて第2抽選を実行する第2抽選手段と、
前記第1抽選手段による前記第1抽選の実行に基いて開始される第1報知時間の報知が終了する際に当該第1抽選の結果を報知する第1報知手段
、および
前記第2抽選手段による前記第2抽選の実行に基いて開始される第2報知時間の報知が終了する際に当該第2抽選の結果を報知する第2報知手段
として機能する可変表示装置と、
前記抽選の結果が大当たりとなる場合に、通常の状態より遊技者に多くの入賞を獲得可能とする所定期間の当たり状態を発生させる当たり状態制御手段と、
前記当たり状態となる場合に、当該当たり状態の終了後に前記通常の状態とするか、当該通常の状態に比較して遊技者に有利な有利状態とするかが決定されるとともに、当該決定に基いて当該当たり状態終了時に前記通常の状態もしくは前記有利状態を発生させる有利状態制御手段と、
前記第1報知時間および前記第2報知時間を決定する報知時間決定手段と、
を備えた遊技機において、
前記有利状態制御手段は、
前記抽選の結果に基いて前記第1抽選および前記第2抽選の抽選確率を前記通常の状態とは異なる前記有利状態としての確率変動にして遊技者に有利な抽選状態とするように変更可能にし、
前記報知時間決定手段は、
前記有利状態における前記第2報知時間を前記第1報知時間より短くし、
前記第2始動入賞口には、前記遊技盤上に設けられた遊技球検知部の検知に基いて遊技球が入賞できない閉状態と、遊技球が入賞し易い開状態との間で開閉動作する契機を付与させるようにする変動入賞装置が設けられ、
前記第2抽選手段は、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基く前記第2抽選の結果に小当たりおよび所定の大当たりを有し、かつ、前記第2抽選の結果が小当たりとなる確率を、
はずれとなる抽選確率以上の高い確率で小当たりを発生可能とするようにし、
前記第2抽選の結果が小当たりとなる場合に、前記当たり状態制御手段が小当たり状態を発生させ、前記通常の状態とするか前記有利状態とするかの決定が行われずに、前記小当たり状態発生前の前記通常の状態を当該小当たり状態終了後も終了せずに当該通常の状態を維持可能とし、前記小当たり状態発生前の前記有利状態を当該小当たり状態終了後も終了せずに当該有利状態を維持可能とし、
一方の特別変動入賞装置と、他方の特別変動入賞装置を前記遊技盤上に備え、
前記他方の特別変動入賞装置は、前記小当たりの結果となることに基いて前記小当たり状態として開閉変動させて遊技球を入賞可能とするが、前記一方の特別変動入賞装置の作動に係る当たり状態の場合よりも遊技者に少ない入賞の獲得を可能とさせる前記小当たり状態を所定期間だけ発生可能とさせ、
前記第2抽選の結果が所定の大当たりとなる場合、前記第1抽選の結果が大当たりとなる場合よりも前記当たり状態終了後に前記有利状態となり易くなる決定とするようにさ
せ、
前記第1報知手段および前記第2報知手段に基づく前記可変表示装置の報知には、前記大当たり状態後に予め定められた有利状態が発生する際に、前記第1抽選の実行が保留となっているときに、その旨に関しての報知が含まれ、その後の当該有利状態の実行において、前記小当たり状態終了後に前記有利状態とするかの決定が行われずに状態維持とする前記第2抽選の結果が優先的に得られる状態が続くようにさせることを特徴とする。
【0025】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明において、
前記他方の特別変動入賞装置は、前記一方の特別変動入賞装置よりも遊技球の入賞を阻害させる構成とすることで入賞率を低くする構造とし、
前記当たり状態制御手段は、前記抽選の結果に基いて決定される予め定められた第1の大当たり、または前記第1の大当たりよりも入賞の獲得を望めない第2の大当たりに基く所定の大当たりに応じた当たり状態にすることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、有利状態中に第1抽選の結果が大当たりとなると、第2抽選の結果が大当たりとなる場合よりも遊技者に不利な状態に移行する可能性を高くする設定なので、有利状態中は、第2抽選だけを行わせる状態とすることが好ましい。
しかし、有利状態中に、第1抽選が行われると、第1抽選が大当たりとなってしまう可能性がある。第1抽選が開始された際に、第2始動入賞口に遊技球を入賞させると、第1報知時間より短い第2報知時間で第2抽選の結果が報知されるとともに、この際にはずれとなる確率よりも高い確率で、小当たりが発生する。そして、第2抽選の結果としての小当たりが報知されると、その際に計時されている第1報知時間に対応する第1抽選の結果が当たりであっても、強制的にはずれとして報知され、大当たりも大当たり状態も発生しないことになる。
【0027】
これにより、有利状態中に第1抽選の結果が大当たりとなって、第2抽選で大当たりとなる場合より遊技者に不利な状態となるのを防止することができる。また、このように第1抽選の結果をキャンセルするような処理を繰り返している間に、第2抽選が小当たりでもはずれでもない大当たりとなり、有利状態中に第1抽選で大当となるより有利な第2抽選の大当たりを発生させることができる。
【0028】
この有利状態とは、たとえば、確率変動状態、時間短縮状態であり、遊技者に不利な状態とは、基本的に、有利状態が終了することであるが、それ以外であってもよく、たとえば、大当たり状態となっても、上述の2ラウンド大当たりのように大量の遊技球の獲得ができない大当たりが発生することであってもよい。
また、時間短縮状態が、大当たりの抽選回数で終了するものでなく、次の大当たり状態の発生で終了するものであってもよい。
なお、有利状態における第2報知時間の長さは、たとえば、第2報知時間の半分以下であることが好ましい。
また、第1始動入賞口と、第2始動入賞口とをそれぞれ別に遊技者が狙いを定めて遊技球を発射できるように、第1始動入賞口と、第2始動入賞口とが遊技盤上で離れた位置にあることが好ましい。この際に、たとえば、遊技球を弱めに発射する通常の打ち方で第1始動入賞口に入賞し易くなり、遊技球を強めに発射するいわゆる右打ちで第2始動入賞口に入賞し易くするようにしてもよいし、その逆としてもよい。
【0029】
また、変動入賞装置が、通常の電チューと異なり、閉状態で遊技球が全く入賞できないので、変動入賞装置の単位時間当たりの開状態となる期間が短い通常の状態は、第2始動入賞口に遊技球が入賞しづらく、第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1抽選が行われる可能性が高い。
【0030】
この場合に、第1抽選では、上述のように有利状態が発生する可能性が低いので、なかなか有利状態が発生しない可能性がある。そして、このような発生しにくい有利状態が発生した後には、前記変動入賞装置の単位時間当たりに開状態となる期間を通常の状態より増加可能とすることで、通常の状態より遊技者に有利になり、さらに、第1始動入賞口より第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなる可能性が高く、第1抽選より第2抽選が行われやすくなる。すなわち、有利状態は、従来の時間短縮状態のような状態となる。
【0031】
ここで、有利状態開始直後は、変動入賞装置が開放するまでのタイムラグにより、変動入賞装置が開放せず、未だ、第1抽選が行われやすい。したがって、有利状態開始直後に第1抽選だけが行われてしまうと、第1抽選が大当たりとなって行われた大当たり状態後に通常の状態となってしまう可能性がある。すなわち、やっと有利状態を発生させたのにも拘わらず、直ぐに有利状態が終了してしまう可能性がある。
【0032】
しかし、この例では、第1報知時間が第2報知時間より長く、かつ、変動入賞装置の単位時間当たりの開放期間が長くなるので、第1報知時間が計時されている間に、第2始動入賞口に遊技球が入賞し、かつ、これに基く第2抽選が実行されるとともに第2報知時間が計時され、第1報知時間より先に第2報知時間が終了して、小当たりもしくは大当たりが発生すれば、第1抽選の結果が大当たりであっても、これが無効とされる。
【0033】
したがって、やっと有利状態となったのにも拘わらず、直ぐに第1抽選で大当たりとなって通常の状態に戻されるのを防止できる。
すなわち、一度有利状態となった後に大当たりが発生した際に、通常の状態とならずに有利状態が継続する可能性が高くなり、遊技者が当該遊技機での遊技機に興趣を持つ可能性が高い。
【0034】
以上のことから、有利状態で発生する大当たりは、基本的に第2抽選の大当たりとなり、大当たりに基いて発生した大当たり状態後に高い確率で、有利状態が開始されることになる。これにより、一度有利状態が発生すると、大当たりが発生する度に、高い確率で有利状態が継続することになり、たとえば、遊技球をあまり減らすことなく、次の大当たりの発生を待つ状態を長い期間に渡って継続するチャンスが与えられ、遊技者の興趣を高め、当該遊技機の稼働率を向上することができる。
【0035】
また、通常の状態では、第1抽選が主に行われ、有利状態では、第2抽選が主に行われることになる。
そして、第1抽選で大当たりとなるよりも第2抽選で大当たりとなった方が、大当たり状態における遊技球の獲得数が極めて大きくなる。
したがって、通常の状態では、主に第1抽選が行われることで、多くの遊技球を獲得することが困難な状態となるが、有利状態では、主に第2抽選が行われることと、変動入賞装置の単位時間当たりの開放期間が長く、かつ、入賞数が増え、さらに大当たり確率が高くなることから、多くの遊技球を獲得し易い状態となる。すなわち、有利状態は、たとえば、確率変動状態のような状態となる。
【0036】
ここで、有利状態開始直後は、変動入賞装置が開放するまでのタイムラグにより、変動入賞装置が開放せず、未だ、第1抽選が行われやすい。したがって、有利状態開始直後に第1抽選だけが行われてしまうと、第1抽選が大当たりとなって行われた大当たり状態後に通常の状態となってしまう可能性がある。また、この際の第1抽選での大当たり状態では、多くの遊技球を獲得できない可能性がある。すなわち、やっと有利状態を発生させたのにも拘わらず、一回も大当たり状態によって多くの遊技球を獲得することなく、直ぐに有利状態が終了してしまう可能性がある。
しかし、この例では、第1報知時間が第2報知時間より長く、かつ、変動入賞装置の単位時間当たりの開放期間が長くなるので、第1報知時間が計時されている間に、第2始動入賞口に遊技球が入賞し、かつ、これに基く第2抽選が実行されるとともに第2報知時間が計時され、第1報知時間より先に第2報知時間が終了して、小当たりもしくは大当たりが発生すれば、第1抽選の結果が大当たりであっても、これが無効とされる。
【0037】
したがって、やっと有利状態となったのにも拘わらず、直ぐに第1抽選で大当たりとなって通常の状態に戻されるのを防止できる。
すなわち、一度有利状態となった際に、多くの遊技球を獲得することなく、有利状態が終了するのを防止することができ、一度も多くの遊技球を獲得することなく有利状態が終了することに対する遊技者の不満が発生するのを防止することで、遊技者が当該遊技機での遊技に興趣を持つ可能性が高い。
【0038】
以上のことから、有利状態で発生する大当たりは、基本的に第2抽選の大当たりとなり、大当たりに基いて発生した大当たり状態により、多くの遊技球を獲得することができる可能性が高い。また、有利状態が継続する可能性もあることから、遊技者の興趣を高め、当該遊技機の稼働率を向上することができる。
【0039】
また、有利状態として、従来の確率変動状態に近いものと、従来の時間短縮状態に近いものとが行われる。
そして、確率変動状態が発生した場合には、第2抽選が主に行われるようになり、かつ、第1抽選が行われても、第2抽選で小当たりや大当たりを出すことで、第1抽選をはずれとして、第1抽選で当たることがないようにしている。
【0040】
また、この発明では、従来と同様に第1および第2始動入賞口に遊技球が入賞した際に、これを上限数に限って保留可能としており、たとえば、有利状態となった直後は、第1抽選用の第1入賞記憶数が記憶されている可能性が高く、第2抽選用の第2入賞記憶数は0となっている可能性が高い。
したがって、有利状態直後は、基本的に、第1抽選が行われる。この状態で、第2始動入賞口を狙って遊技球を発射すると、上述のように第1抽選の結果が無効とされるので、実質的に第1抽選が行われずに、第2抽選だけが行われた状態となる。
【0041】
ここで、低確率有利状態直後も、基本的に第1抽選が行われることになる。ここで、低確率有利状態は所定期間行われた後に通常の状態となるとともに、第1抽選で有利状態となることが可能な大当たりが発生する可能性があることから、低確率有利状態となった直後に第1始動入賞口を狙って遊技球を発射することにより、上述のように第2抽選の結果を無効としても、必ずしも、遊技者に有利とならない。
【0042】
また、通常の状態となるまで、低確率有利状態の所定期間の実行における所定期間が時間や、大当たりの抽選回数のような場合に、大当たりの抽選を実施しながら実質的に無効とすることにより、低確率状態における大当たりの機会が減少し、遊技者に不利になる可能性がある。
そこで、低確率状態が発生した場合には、保留されている第1入賞記憶数が0となるまで、遊技球の発射を停止することを指示する報知を行うことにより、第2始動入賞口に遊技球が入賞しないようにすることで、第1抽選が無効となるのを防止することにより、遊技者に有利な状態とすることができ、遊技者に当該遊技機に対する興趣を高めることができる。
【0043】
また、第2抽選で小当たりを発生させて上述のように高確率状態を継続可能とする上では、第2抽選における小当たりの発生確率を高くする必要があり、本発明では、小当たりの発生確率をはずれの発生確率以上としている。この場合に、小当たりを頻繁に発生させることにより、小当たり状態を頻繁に発生させることが可能となり、遊技者によっては、第2始動入賞口を狙って遊技球を発射することで、小当たりを頻繁に発生させることで小当たり状態を頻繁に発生させ、小当たり状態によって得られる遊技球を溜めるような遊技を行う可能性がある。
【0044】
そこで、第2抽選の小当たり用と第1抽選の大当たり用とで、開放する特別変動入賞装置を異なるものとし、かつ、第2抽選の小当たり用の特別変動入賞装置が開状態となった際に当該特別変動入賞装置への遊技球の入賞を阻害する阻害部材を設け、小当たり状態が発生し、特別変動入賞装置が開放しても、遊技球が少ししか入賞できないようにすることで、小当たりによる得られる遊技球を少なくすることができる。
【0045】
これにより、小当たりを狙うような遊技を行わないように遊技者を誘導することができる。
また、小当たりにより、通常の状態における遊技球の獲得数が多くなるような事態を防止することができ、遊技者の得られる遊技球数が多くなりすぎるのを防止することができる。
なお、特別変動入賞装置を二つ設ける場合に、第1抽選用と第2抽選用とに分けてもよいし、大当たり用と小当たり用に分けてもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、確率変動状態や時間短縮状態などの有利状態において、これら遊技者に有利な状態を終了させるような遊技者に不利な大当たりを無効とすることができ、有利状態となった際に、遊技者が有利状態による利益を受けることなく、有利状態が終了するのをできるだけ阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)の供給に基いて遊技者に遊技を行わせる遊技機(例えば、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機)の構成及び動作について説明する。
【0049】
この例のパチンコ遊技機は、所謂デジパチと呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての基本的な構成を有するもので、
図1に示す遊技盤1を備え、遊技盤1の前面のガイドレール2等で囲まれた部分に遊技領域2aが形成されている。
遊技盤1の盤面の遊技領域2a内には、そのほぼ中央部の僅かに上側に可変表示装置(装飾図柄表示装置)3が設けられている。可変表示装置3は、例えば、液晶表示装置からなるもので、抽選手段として機能する後述の主制御装置231で行われる抽選の当たりおよびはずれの抽選結果を表示するものであるが、抽選結果の表示に際し変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの当たりおよびはずれによって上述の抽選結果を表示するようになっている。
【0050】
変動表示ゲームは、基本的に周知のもので、例えば、数字等の複数の装飾図柄(識別情報)を複数の表示領域でそれぞれ切り換えるように変動表示し、予め抽選で決定された変動パターンにおける変動表示時間が経過した際に、変動表示を終了して、ぞれぞれの表示領域に一つずつの装飾図柄を停止表示し、停止表示された装飾図柄の組み合わせが特別の組み合わせとなった場合に大当たりとして後述の特別遊技状態を発生させるものである。なお、可変表示装置3は液晶表示装置に限られるものではなく、周知の各種表示装置を用いることができる。なお、装飾図柄には、各種キャラクタ(独自のキャラクタや、既存のアニメ、タレント等のキャラクタ)が含まれる場合が多く、キャラ図とも称する。
【0051】
また、可変表示装置3においては、上述の変動表示ゲームの表示において単に装飾図柄を順次切り換えて表示するだけではなく、様々な演出的な表示が行われ、装飾図柄に関係するキャラクタやその他キャラクタのアニメーション表示等も行われる。なお、この例では、いわゆる識別情報としての特別図柄(特図)を用いた変動表示ゲームが2つ並行して後述のように表示されるようになっており、可変表示装置3においても、2つの変動表示ゲームが並行して行われる。ここでは、後述の特図の変動表示ゲームと合わせて、一方の変動表示ゲームを以下第1特図ゲームと称し、他方の変動表示ゲームを第2特図ゲームと称する。
【0052】
なお、可変表示装置3における表示方法は特に限定されるものではなく、たとえば、第1特図ゲームは、上述の複数の表示領域でそれぞれ装飾図柄を変動表示するものとし、第2特図ゲームは特に複数の表示領域を設けず、可変表示装置3の隅で変動表示を行った後に大当たりもしくははずれの演出を行うものであってもよい。また、両方とも上述のように複数の表示領域でそれぞれ装飾図柄の変動表示を行うものであってもよい。また、後述のようにこの遊技機では、確率変動状態(有利状態(高確率状態および電チューサポート))と通常の状態(低確率状態)とで遊技が行われるが、通常の状態では第1特図ゲームが可変表示装置3上で変動表示ゲームとして表示させられ、確率変動状態では第2特図ゲームが変動表示ゲームとして表示させられるようにしてもよい。この場合に変動表示ゲームとして表示されない特図ゲームは、上述のように画面の隅で簡単な変動表示を行うようにしてもよい。さらに、可変表示装置3を2つ備え、一方の可変表示装置3で第1特図ゲームを行い、他方の可変表示装置3で第2特図ゲームを行ってもよい。
【0053】
また、可変表示装置3は、その周囲を遊技球の流入を防止する周囲壁31で囲まれている。また、周囲壁31の底部となる部分には、遊技球がその下側から跳ねて流入可能で、流入した遊技球の一部を後述の第1始動入賞口51に誘導するステージ32が形成されている。また、周囲壁31には、例えば、その側部の外側に設けられた遊技球の流入口と、ステージ32に向けて遊技球を流出する流出口と、流入口から流出口につながる流路とを備えた、ワープ装置33を備え、周囲壁31の周囲を流下する遊技球の一部をステージ32に誘導するようになっている。
【0054】
可変表示装置3より右側の下方には、第1および第2特図表示器4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示器4a,4bは、例えば、それぞれ7セグのLED表示装置からなり、特別図柄(識別情報)を上述の装飾図柄と同様に変動表示する。しかし、第1および第2特図表示器4a,4bは、可変表示装置3のような演出的な表示は行わず、それぞれ単純に特別図柄(特図)を順次切り換えて表示し、上述の変動表示時間が経過した後に特別図柄を停止表示し、停止表示された特図が予め決められた当たりの特図か、はずれの特図かで当たりおよびはずれを報知するようになっている。
【0055】
また、可変表示装置3で行われる装飾図柄による第1特図ゲームが第1特図表示器4aで行われる特別図柄の第1特図ゲームに対応し、可変表示装置3で行われる装飾図柄による第2特図ゲームが第2特図表示器4bで行われる特別図柄の第2特図ゲームに対応する。
すなわち、第1特図ゲームは、可変表示装置3の装飾図柄の第1変動表示ゲームとして表示されるとともに第1特図表示器4aの特別図柄の第1変動表示ゲームとして表示され、それぞれの第1変動表示ゲームは、後述の主制御装置231で行われる1つの第1抽選の結果をそれぞれ報知する同じ結果となるゲームである。
【0056】
また、第2特図ゲームは、可変表示装置3の装飾図柄の第2変動表示ゲームとして表示されるとともに第2特図表示器4bの特別図柄の第2変動表示ゲームとして表示され、それぞれの第2変動表示ゲームは、後述の主制御装置231で行われる1つの第2抽選の結果をそれぞれ報知する同じ結果となるゲームである。
すなわち、第1特図ゲーム(第1抽選)および第2特図ゲーム(第2抽選)として主制御装置231で行われる当たりおよびはずれの抽選の結果を報知する変動表示ゲームが遊技者を楽しませるための装飾図柄のゲームと、結果を報知するだけの特図のゲームとに分けて表示されている。
【0057】
また、可変表示装置3における装飾図柄のゲームと、特図表示器4a、4bにおける特図ゲームは、ほぼ同時進行して行われ、表示される大当たりおよびはずれの抽選結果は上述のように同じものとなる。なお、可変表示装置3と特図表示器4a,4bとでは、変動表示時間(変動表示の開始タイミングと停止タイミングとの間の時間で本発明の報知時間)がほぼ同じとなる。
なお、この例においては、第1特図ゲーム(第1抽選)および第2特図ゲーム(第2抽選)においては、大当たり、およびはずれに加えて小当たりを抽選するようになっている。そして、小当たりとなった場合に、前記大当たり状態よりも遊技者が獲得可能な遊技球が少ない小当たり状態を所定期間だけ発生させるようになっている。
【0058】
可変表示装置3の直下には、第1始動入賞口51が設けられている。この第1始動入賞口51は、大当たりおよびはずれを決定する抽選を行う第1抽選手段として機能する主制御装置231(CPU23a等)に、遊技球が入賞することに基いて第1特図ゲームの大当たりおよびはずれを決める第1抽選開始の契機(第1変動表示ゲーム開始の契機)を付与するものである。
また、第1始動入賞口51には、当該第1始動入賞口51への遊技球の入賞を検知する第1始動入賞球検知センサ52が備えられている。
【0059】
また、可変表示装置3の向かって右側に、普通変動入賞装置(変動入賞装置)53が設けられている。普通変動入賞装置53は、電動役物として所謂電チユーを有するもので、電動役物を構成する左右二つの可動片54,54の間に第2始動入賞口55が備えられている。そして、通常時は、可動片54,54が遊技球を1個だけ流下可能な間隔をあけて閉じた状態とされ、後述の普通図柄変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が当たりとなった場合に予め設定された時間だけ二つの可動片54,54が開放するようになっている。しかし、この例では、閉じた状態の可動片54,54同士の間となる位置の直上に遊技釘16,…(遊技釘は、1本または複数本の任意な本数)が配置されているため、一対の可動片54,54が閉じた状態では、遊技球の入賞が不可能となっている。
【0060】
すなわち、普通変動入賞装置53は、遊技球が入賞てきない閉じた閉状態と、一対の可動片54,54に遊技球が案内されることで、上述の電チューを備えない第1始動入賞口51より遊技球が入賞し易いように開いた開状態との間で変動するようになっている。
また、第2始動入賞口55は、後述のように第2特図ゲームの大当たりおよびはずれを決定する抽選を行う第2抽選手段として機能する主制御装置231(CPU23a、等)に、遊技球が入賞することに基いて第2特図ゲームの大当たりおよびはずれを決める第2抽選開始の契機(第2変動表示ゲーム開始の契機)を付与するものである。
また、第2始動入賞口55には、当該第2始動入賞口55への遊技球の入賞を検知する第2始動入賞球検知センサ56が備えられている。
【0061】
以上のことから、遊技球が発射される遊技盤1上に第1始動入賞口51および第2始動入賞口55が設けられており、第1始動入賞口51に遊技球が入賞して第1始動入賞球検知センサ52に検知されることで第1特図ゲームの開始(第1抽選)の契機が付与され、第2始動入賞口55に遊技球が入賞して第2始動入賞球検知センサ56に検知されることで第2特図ゲームの開始(第2抽選)の契機が付与される。
【0062】
また、可変表示装置3の表示には、第1特図保留数表示7aおよび第2特図保留数表示
7bが行われるようになっている。そして、第1始動入賞球検知センサ52が変動表示ゲームとしての第1特図ゲーム中において第1始動入賞口51に入賞した遊技球を検知した場合に上限となる数値(たとえば4)の範囲内で第1特図保留数(第1入賞記憶数)に1加算され、この始動入賞に基いて第1特図ゲーム(装飾図柄および特別図柄の両方の第1特図ゲーム)が開始される場合に、第1特図保留数から1減算される。この第1特図保留数、すなわち、第1特図ゲームを開始する契機(始動権利)の数が第1特図保留数表示7aにおけるたとえばマークの数として表示される。
【0063】
同様に、第2始動入賞球検知センサ56が変動表示ゲームとしての第2特図ゲーム中において第2始動入賞口55に入賞した遊技球を検知した場合に上限となる数値(たとえば4)の範囲内で第2特図保留数(第2入賞記憶数)に1加算され、この始動入賞に基いて第2特図ゲーム(装飾図柄および特別図柄の両方の第1特図ゲーム)が開始される場合に、第2特図保留数から1減算される。この第2特図保留数、すなわち、第2特図ゲームを開始する契機(始動権利)の数が第2特図保留数表示7bにマークの数として表示される。なお、第1特図保留数表示および第2特図保留数表示を可変表示装置3での画面表示とせずに、それぞれを表示する専用の第1特図保留数表示器および第2特図保留数表示器を設けてもよい。
【0064】
また、可変表示装置3の下方で、さらに第1始動入賞口51の下方に、特別変動入賞装置8が設けられている。所謂アタッカーと呼ばれる特別変動入賞装置8には遊技球が入賞するとともに他の入賞口より大きな大入賞口83と、この大入賞口83を開閉する可動扉81が設けられ、通常行われる通常遊技時は、可動扉81が遊技球を流入させないように閉じた閉塞状態とし、前記変動表示ゲームの結果が大当たりとなった場合(大当たりに基いて大当たり状態としての特別遊技状態が開始された場合)に所定条件に基いて遊技球が流入し易いように開いた開放状態とするとともに後述のように開閉を繰り返すようになっている。すなわち、特別変動入賞装置8は、遊技球が入賞可能な開状態と、遊技球が入賞できない閉状態とに変動可能なものとなっている。
【0065】
特別変動入賞装置8の大入賞口83に当該大入賞口83に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ82が設けられている。
また、主制御装置231に駆動源を制御される特別変動入賞装置8は、変動表示ゲームが当たりとなったことに対応して開放した際に、所定時間の経過および所定個数の遊技球の入賞という二つの条件のうちのいずれかの条件が達成された段階で閉塞するとともに、再び開放し、上述の条件の成立に基いて閉塞することを所定回数(所定ラウンド数)繰り返すように制御される。なお、特別変動入賞装置8が開放してから閉塞するまでをラウンドと称する。すなわち、主制御装置231は、大当たり状態中に、特別変動入賞装置8を複数の遊技球の連続的な入賞が可能となる開放状態とした後に閉塞状態することを1ラウンドとして、前記ラウンドを所定回数繰り返すように特別変動入賞装置8を制御する。
また、所定回数のラウンドが行われることが大当たり状態の終了条件となる。
【0066】
また、変動入賞装置53の下方には、小当たり用特別変動入賞装置11が設けられている。そして、小当たり用特別変動入賞装置11は、この例において、いわゆる電チューとなっており、上述の普通変動入賞装置53と同様に一対の可動片11a、11aを有し、これら可動片11a、11a同士の間に小当たり用大入賞口11bが設けられている。
また、小当たり用大入賞口11bには、当該小当たり用大入賞口11bへの遊技球の入賞を検知する小当たり大入賞球検知センサ11cが設けられている。
【0067】
通常時は、可動片11a,11aが遊技球を1個だけ流下可能な間隔をあけて閉じた状態とされ、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのいずれかの結果が小当たりとなった場合に予め設定された時間だけ二つの可動片11a,11aが開放し、小当たり用大入賞口11bに遊技球が入賞可能となるとともに、可動片11a,11aにより遊技球が小当たり用大入賞口11bに誘導されるようになっている。また、この例では、閉じた状態の可動片11a,11a同士の間となる位置の直上に遊技釘16,…(遊技釘は、1本または複数本の任意な本数)が配置されているため、一対の可動片11a,11aが閉じた状態では、小当たり用大入賞口11bへの遊技球の入賞が不可能となっている。また、小当たり用大入賞口11bの開閉が終了して閉状態なることが、小当たり状態の終了条件となる。
【0068】
なお、小当たり用特別変動入賞装置11は、上述の電チューに限られるものではなく、特別変動入賞装置8のようなアタッカー形式であってもよいが、この場合に、小当たり用の大入賞口となる部分の幅が狭くなっていることが好ましく、たとえば、遊技球の直径より僅かに長い程度の幅となっていることが好ましい。
なお、後述のようにこの例においては、第2特図ゲームで小当たりが極めて頻繁に発生するので、その度に小当たり用特別変動入賞装置11に数個以上の遊技球が入賞する状態となると,確変状態(小当たり状態は含む)における出玉(払い出される遊技球)が多くなってしまう可能性がある。
【0069】
そこで、この例では、小当たり用特別変動入賞装置11は、アタッカー方式より遊技球が入賞しづらい電チュー方式とするとともに、小当たり用特別変動入賞装置11の近傍の上側となる部分に小当たり用特別変動入賞装置11の小当たり用大入賞口11bへの遊技球の入賞を阻害する阻害部材としての遊技釘16を複数配置して、小当たり用大入賞口11bへの遊技球の入賞する確率(入賞率)を低下させている。
【0070】
なお、阻害部材としての遊技釘16は、小当たり用大入賞口11bへの遊技球の入賞を完全に防止ししてしまうものではなく、入賞率は極端に低くなるものの、小当たり用大入賞口11bに遊技球が入賞することが可能となっている。そして、第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームで小当たりが発生すると、たとえば、一回だけ小当たり用特別変動入賞装置11が1秒未満から数秒程度の予め設定された期間だけ開状態となって、遊技球の入賞が可能となるが、実際に遊技球が入賞するのは、たとえば,数十回程度の開放で1個の遊技球程度となっている。
【0071】
可変表示装置3の右で、普通変動入賞装置53の上には、普図通過口(始動通過口)9が設けられている。また、普図通過口9に対応して、普図通過口9内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ91が設けられ、通過球検知センサ91に遊技球が検知されること、すなわち、普図通過口9を遊技球が通過(入賞)することに基いて後述の普通図柄変動表示ゲーム(以下、普図ゲーム)を後述の普通図柄(普図)表示装置(LED表示装置)6で表示する契機が付与されるようになっている。
【0072】
普図変動表示ゲームを表示する普図表示装置6は、例えば、普図表示装置6を7セグのLED表示装置からなるものとし、普通図柄としての数値等の表示を順次切り換えて変動表示した後に一つの数値等の表示を停止表示し、停止表示された数値等の表示が7等の予め決められた当たり数値等の表示ならば当たりとなるものである。なお、LEDにより点灯、消灯される丸のマークとバツのマークとが交互に点灯、消灯することで変動表示を行い、当たりの場合に丸のマークが点灯され、はずれの場合にバツのマークが点灯されるようなものであってもよい。また、当たりおよびはずれの結果は、主制御装置231により抽選で決定されるものである。
【0073】
上述の普図表示装置6の下には、普図保留数表示ランプ10が設けられている。普図通過口9を遊技球が普通図柄変動表示ゲーム中において通過した際(通過球検知センサ91が遊技球の検出を出力した際)に上限となる数値(たとえば、4)の範囲で普図始動記憶数に1加算し、普図変動表示ゲームが開始された際に普図始動記憶数から1減算する処理を行うようになっている。この普図始動記憶数が普図保留数表示ランプ10に表示される。
【0074】
そして、上述のように、普図変動表示ゲームが当たりとなった場合に、普通変動入賞装置53が開放し、普通変動入賞装置53への遊技球の入賞率が高まり、第2特図ゲームの開始機会が増加するようになっている。
【0075】
また、遊技領域の左側部には、複数の一般入賞口13,13が設けられている。また、一般入賞口13,13に対応して、これらの一般入賞口13,13に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ131がそれぞれ設けられている。
【0076】
また、特別変動入賞装置8の下方の遊技領域2aの最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2a外部となる遊技盤1裏面に排出させるアウト口15が設けられている。
また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘16(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0077】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を
図2に示されるブロック図を参照して説明する。
パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部23と、副制御部24と、これら主制御部23および副制御部24に電力を供給する電源供給装置29とから構成されている。
主制御部23には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置231が備えられ、主制御装置231には、プログラムを実行するCPU23a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM23bや、プログラムに基いて発生したデータやROM23bから読み出した各種データ等を記憶するRAM23cや周波数発生回路部23d等が備えられている。
【0078】
主制御装置231(CPU23A)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能となっており、前述の第1始動入賞球検知センサ52、第2始動入賞球検知センサ56、大入賞球検知センサ82、小当たり大入賞球検知センサ11c、通過球検知センサ91、一般入賞球検知センサ131が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置251から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ232、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ233等が接続されている。
【0079】
また、主制御装置231は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置231には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置234が主制御装置231からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置231には、サブ制御装置としての払出制御装置25、図柄制御装置(表示制御装置)26、ランプ制御装置27、音声制御装置28が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能に接続されている。
なお、ここで、払出制御装置25は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部23に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置26、ランプ制御装置27、音声制御装置28は副制御部24に含まれるものとなっている。
【0080】
また、主制御装置231には、7セグのLED表示装置である第1および第2特図表示器4a,4bが接続され、主制御装置231が第1および第2特図表示器4a,4bにおける表示制御を行う。そして、第1および第2特図表示器4a,4bは、上述のように主制御装置231で行われる第1抽選および第2抽選の結果を報知するものであり、第1および第2報知手段として機能する。また、主制御装置は、これら第1および第2特図表示器4a,4bを制御することから第1報知手段および第2報知手段の一部として機能している。
【0081】
なお、実際の主制御装置231の処理においては、大当たり、小当たり、はずれを決める第1抽選処理および第2抽選処理が同じプログラムで同様の処理として行われる可能性があり、同様に第1報知手段および第2報知手段としての処理も同じプログラムで行われる可能性があり、必ずしもこれら第1抽選手段と第2抽選手段を一つの手段として表現してもかまわないし、同様に第1報知手段と第2報知手段とを一つの手段として表現してもかまわない。
【0082】
なお、プログラムが同じでも、抽選確率等のデータを異なるものとすることで、処理的には異ならせることができる。また、これらについて同じプログラムではなくそれぞれ異なるプログラムを用いてもよい。
【0083】
また、払出制御装置25には、払出制御装置25により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置251が接続されるとともに、プリペードカード252のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット253が球貸信号制御装置254を介して接続されている。そして、払出制御装置25は、主制御装置231からコマンドに基いて賞球を払出すとともに、CRユニット253から球貸信号制御装置254を介して入力される球貸信号に基いて貸球を払出す制御を行う。
【0084】
また、主制御装置231には、上述の普通変動入賞装置53の可動片54,54を駆動する普通変動ソレノイド242が接続されている。また、主制御装置231には、特別変動入賞装置8の可動扉81を駆動する特別変動ソレノイド241が接続されるとともに、小当たり用特別変動入賞装置11の可動片11a,11aを駆動する小当たり変動ソレノイド243が接続されている。そして、これらのソレノイド241,242,243が主制御装置231に制御される。
【0085】
また、主制御部23には、主制御装置231と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域2aに発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置235を制御する発射制御装置236が設けられ、発射制御装置236には、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル237、発射停止釦238、タッチセンサ239が接続されている。
【0086】
そして、主制御部23の主制御装置231は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1始動入賞球検知センサ52、第2始動入賞球検知センサ56、大入賞球検知センサ82、小当たり大入賞球検知センサ11c、一般入賞球検知センサ131から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置25にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0087】
また、主制御装置231は、通過球検知センサ91から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の普図始動記憶数を加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たりおよびはずれを決定する抽選処理で用いられる乱数を取得し、普図変動表示ゲームを開始する。この際に抽選処理によって、普図ゲームの当たりおよびはずれを決定し、普図ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置26やランプ制御装置27や音声制御装置28にコマンドを出力する。
【0088】
また、主制御装置231は、第1始動入賞球検知センサ52から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の第1特図保留数に1加算する処理を行うとともに、第1特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを決定する第1抽選処理で用いられる乱数を取得し、第1特図ゲームを開始する。この際に第1抽選処理によって、第1特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを決定し、第1特図表示器4aを制御して特図の第1変動表示ゲームを表示するとともに、装飾図柄の第1変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置26やランプ制御装置27や音声制御装置28等にコマンドを出力する。
【0089】
同様に、主制御装置231は、第2始動入賞球検知センサ56から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の第2特図保留数を加算する処理を行うとともに、第2特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを決定する第2抽選処理で用いられる乱数を取得し、第2特図ゲームを開始する。この際に第2抽選処理によって、第2特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを決定し、第2特図表示器4bを制御して特図の第2変動表示ゲームを表示するとともに、装飾図柄の第2変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置26やランプ制御装置27や音声制御装置28等にコマンドを出力する。
【0090】
すなわち、主制御装置231は、大当たり、小当たりおよびはずれの第1および第2抽選を行う第1および第2抽選手段として機能する。なお、第1および第2始動入賞球検知センサ56,52から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の第1および第2特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを判定するための当たり判定用乱数を取得するに加えて、第1および第2特図表示器4a、4bで大当たりとなる特図の第1および第2変動表示ゲームの終了時に停止表示される表示態様(停止表示される特別図柄の種類)を図柄抽選で決定するための特別図柄決定用の乱数(図柄乱数)を取得するようになっている。
【0091】
また、第1特図ゲームにおいては、その開始条件が、第1始動入賞口51への遊技球の入賞に基いて第1特図保留数が1以上であること、大当たり状態(特別遊技状態)中でないことと、第1特図ゲームの小当たりで発生した小当たり状態中でないこと、第1特図ゲーム中でないこと、第2特図ゲームの小当たりで発生した小当たり状態中でないことの5つが全て成立している必要がある。同様に、第2特図ゲームにおいては、その開始条件が、第2始動入賞口55への遊技球の入賞に基いて第2特図保留数が1以上であること、大当たり状態中でないこと、第2特図ゲームの小当たりで発生した小当たり状態中でないこと、第2特図ゲーム中でないこと、第1特図ゲームの小当たりで発生した小当たり状態中でないことの5つが全て成立している必要がある。
【0092】
すなわち、第1特図ゲームは、前の第1特図ゲームが終了することにより開始され、第2特図ゲームは、前の第2特図ゲームが終了することにより開始される。従って、複数の第1特図ゲームが並行して行われることはなく、1つずつ行われ、複数の第2特図ゲームが並行して行われることはなく、1つずつ行われる。しかし、第1特図ゲームと第2特図ゲームとはそれぞれ個別に独立して制御されるので、第1特図ゲームと第2特図ゲームとは同時に並行して行うことが可能となっている。なお、この例において、第1特図ゲーム(第1抽選)の大当たりとなる抽選確率と第2特図ゲーム(第2抽選)の大当たりとなる抽選確率は、等しくされている。なお、大当たり確率は、たとえば、1/315とされている。
【0093】
それに対して、小当たり確率は、第1特図ゲーム(第1抽選)と第2特図ゲーム(第2抽選)とで異なるものとされており、たとえば,第1特図ゲームでの小当たり確率は1/1000とされ、第2特図ゲームの小当たり確率は300/315とされている。
したがって、第1特図ゲームでは、小当たり確率は、大当たり確率より小さなものとされ、小当たりは、大当たりより生じにくいものとなっており、まれにしか小当たりが発生しないようになっている。
一方、第2特図ゲームでは、21回に1回小当たりとならずにはずれか大当たりとなるように小当たり確率が設定されており、ほとんどの場合に小当たりが発生するような確率となっている。上述のように1/315の確率で大当たりが発生し、300/315の確率で小当たりが発生するので、はずれの発生する確率は14/315となる。
【0094】
そして、第1および第2特図ゲームの長さは、第1および第2特図(第1および第2装飾図柄)を変動表示する期間である第1および第2変動表示時間(第1および第2報知時間)と、変動表示時間が経過した後に遊技者に確定して停止表示された停止図柄としての第1および第2特図(第1および第2装飾図柄)を見せる確定表示時間とを合わせたものとなっている。
【0095】
第1および第2変動表示時間(第1および第2報知時間)は、基本的に抽選で決定されるが、この例では、後述のように第1および変動表示時間の決定方法が一部従来と異なるものとなっている。なお、確定表示時間は抽選で決定したり、抽選の当たりやはずれ等に基いて変化するものとしてもよいが、ここでは、確定表示時間を一定とする。
【0096】
そして、上述のように、第1および第2始動入賞球検知センサ52,56から遊技球の検知信号が入力されたことに基いて、上述の第1および第2特図ゲームの開始時の契機で、当該第1および第2特図ゲームの変動表示時間を決定するための抽選の判定用乱数を取得する(なお乱数取得の契機は、第1および第2始動入賞球検知センサ52,56からの遊技球の検知信号の入力契機であっても良い)。なお、主制御装置231において、第1および第2変動表示時間は、基本変動パターンに含まれるデータであり、複数種の基本変動パターンから1つの基本変動パターンを選択することにより決定される。
すなわち、主制御装置231は、第1特図ゲームの変動表示時間としての第1報知時間と、第2特図ゲームの変動表示時間としての第2報知時間を決定する報知時間決定手段として機能する。
【0097】
また、主制御装置231は、第1特図ゲームの開始時および第2特図ゲームの開始時に、第1および第2始動入賞球検知センサ52,56の遊技球の検知時に取得した乱数に基いて、開始される第1および第2特図ゲームの大当たり、小当たりおよびはずれを決定するとともに、第1特図ゲームの開始時および第2特図ゲームの開始時に取得される乱数に基いて、大当たり、小当たりおよびはずれの抽選結果に対応して、抽選により第1および第2特図ゲームの抽選結果として表示される停止図柄を決定し、さらにこれらの結果に対応して抽選により上述の変動表示時間を含む基本変動パターンを決定する。
また、主制御装置231は、第1特図ゲームと、第2特図ゲームを並行して行うとともに、大当たり状態、または小当たり状態において、上述のように第1特図ゲームおよび第2特図ゲームを開始させない。そして、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのうちの一方の特図ゲームの大当たり、小当たりに基いて大当たり状態や小当たり状態となる際に、他方の特図ゲームを大当たり、小当たりおよびはずれに係り無く強制的にはずれとする。また、大当たり、あるいは小当たりの場合には、大当たり状態、あるいは小当たり状態を発生させる前に他方の特図ゲームをその報知時間に関わらず終了させる。
【0098】
そして、この状態、すなわち、一方の特図ゲームが大当たり、または小当たりで終了し、他方の特図ゲームが行われていない状態か、もし行われている場合には強制終了させられた状態で大当たり状態、または小当たり状態が開始され、当該大当たり状態中または小当たり状態中は、第1及び第2特図ゲームが開始されないので、大当たり状態中または小当たり状態中は、第1特図ゲームも第2特図ゲームも行われていない状態となる。
なお、一方の特図ゲームが小当たりで終了し、他方の特図ゲームが行われている場合には、はずれとされるが強制終了させられることはなく、一方の特図ゲームの小当たり状態発生後も報知時間が0となるまで他方の特図ゲームが行われるようにしても良い。なお、この場合に小当たり状態中は報知時間の計時が中断される。
【0099】
上述のように、主制御装置231は、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのいずれかの結果が大当たりとなった場合、すなわち、第1抽選および第2抽選のいずれかの結果が大当たりとなった場合に、上述の大当たり状態を発生させる。すなわち、主制御装置231は、特別変動入賞装置8の可動扉81の駆動源(特別変動ソレノイド241)を制御して所定の条件に基いて特別変動入賞装置8を閉じた閉塞状態から開放状態に変動させて前述の大当たり状態を発生させるとともに終了させる制御を行う。すなわち、主制御装置231は、当たり状態制御手段として機能する。
【0100】
なお、この例では、第1特図ゲームが当たりとなって発生する大当たり状態は、いわゆる突然確変(突確)や突然時短(突時)と称されるもので、例えば、2ラウンドの開放が行われるが、通常の15ラウンドの開放に比較して開放時間が短いもの、例えば、1秒となっている。従って、大当たり状態となっても遊技者は、僅かな量の遊技球(賞球)の払出しを受ける可能性があるだけで、大量の遊技球の獲得を望めないものとなっている。なお、各ラウンドの終了条件は、特別変動入賞装置8の開放開始から1秒の経過、もしくは特別変動入賞装置8への遊技球の9個の入賞となるが、開放時間が短く数個の遊技球の入賞しか望めない状態である。
【0101】
一方、第2特図ゲームが当たりとなると、通常の15ラウンドの大当たり状態が行われる。この際の各ラウンドの終了条件は、特別変動入賞装置8の開放開始から30秒弱の経過、もしくは特別変動入賞装置8への遊技球の9個の入賞となり、開放時間が長いので15ラウンドの各ラウンドに9個の遊技球が入賞する確率が極めて高い。したがって、15ラウンドの大当たり状態中に遊技者は大量の遊技球を獲得することになる。なお、第2特図ゲームで当たりの場合に全て15ラウンドの大当たり状態とし、第1特図ゲームで当たりの場合に、15ラウンドの大当たり状態と2ラウンドの大当たり状態のいずれかが発生するものとしてもよい。
【0102】
また、第1特図ゲームでの当たりとして、15ラウンドより少ないラウンド数の大当たり状態が発生するものとすれば、必ずしも2ラウンドの大当たり状態でなくてもよい。この際に、第1特図ゲームの当たりで、15ラウンドの大当たり状態と、それより少ないラウンドの大当たり状態のいずれかが発生するものとしてもよい。
【0103】
また、主制御装置231は、大当たり状態の終了後に所謂確率変動状態(高確率状態および電チューサポート状態)を発生させるか否かを決定する。この例において、パチンコ遊技機は、通常の確率変動機能を有するデジパチとなっている。そして、第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームで大当たりとなって、大当たり状態が発生した場合に、大当たり状態後に確変とするか否かは、この大当たり状態の発生の契機となった第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームの終了時に第1特図表示器4aもしくは第2特図表示器4bに停止表示された特別図柄で決定される。
【0104】
すなわち、特別図柄には、はずれの特別図柄と、小当たりの特別図柄と、大当たりの特別図柄とがあり、大当たりの特別図柄には、通常の特別図柄と、大当たり状態後に確率変動状態(確変)となる確変の特別図柄とがあり、大当たりとなる特図ゲームにおいて、停止図柄として、確変の特別図柄が抽選で決定されると、確変が発生することになる。したがって、確変を発生させるか否かは、停止図柄を抽選で決定する主制御装置231で決められることになる。
【0105】
したがって、主制御装置231は、確率変動状態(有利状態)の発生を制御する有利状態制御手段として機能する。すなわち、主制御装置231は、第1抽選の結果が大当たりとなる場合と、第2抽選の結果が大当たりとなる場合とのそれぞれの場合に、当該大当たりに基いて発生する前記大当たり状態の終了後に前記通常の状態とするか、当該通常の状態に比較して遊技者に有利な有利状態(確率変動状態)とするかを有利抽選で決定するとともに、当該有利抽選の結果に基いて大当たり状態終了時に通常の状態もしくは前記有利状態を発生させる。
【0106】
また、有利状態制御手段としての主制御装置231は、有利状態における普通変動入賞装置の単位時間当たりに開状態となる期間を通常の状態より増加可能とし、かつ、有利状態における第1抽選の結果および第2抽選の結果が大当たりとなる確率を通常の状態より高くすることで、有利状態を通常の状態より遊技者に有利な状態とする。すなわち、有利状態である確率変動状態では、上述の電チューサポート状態とするとともに、たとえば,大当たり確率を10倍程度高くした高確率状態とする。
【0107】
なお、主制御装置231は、第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームが小当たりとなって小当たり状態が発生した場合に、小当たり状態となる前が確変(有利状態)となっている場合に小当たり状態の発生で確変を終了とせずに、小当たり状態後も確変を継続するようになっている。したがって、主制御装置は、小当たりが発生した際に小当たり状態後に確変を発生させるか否かの抽選を行うことはなく、小当たり状態前の状態が小当たり状態後も維持される。すなわち、小当たり状態前が通常の状態なら、小当たり状態後も通常の状態となる。また、小当たり状態後に時間短縮状態(低確率有利状態)が発生することもない。
【0108】
また、主制御装置231は、普図ゲームが当たりとなった場合には、普通変動入賞装置53の可動片54,54の駆動源(普通変動ソレノイド242)を制御して普通変動入賞装置53を閉じた閉状態から開いた開状態とする制御を行う。
【0109】
ここで、上述の確率変動状態とは、たとえば、主制御装置231(メイン基板)による大当たり抽選(第1抽選および第2抽選)の確率を通常の状態(確率変動状態、時間短縮状態、大当たり状態以外の状態で、確率変動状態を高確率状態とすると低確率状態となる)と異なるものとした状態(高くした状態)であり、時間短縮状態とは、普図抽選における普図ゲームの変動表示時間が短縮されるとともに、大当たり抽選の確率は通常の状態と同じ低確率としたものである。また、確率変動状態においては、一般的に、大当たり抽選の確率を高くするとともに、時間短縮状態における普図ゲームの処理(電チューサポート)を加えたものとなっている。
【0110】
より詳細に説明すると、確率変動状態は、上述の時間短縮状態と同じ処理含めて以下のような条件で普図ゲームおよび第1および第2特図ゲームを行う状態である。
まず、普図ゲームにおいては、以下のような制御が行われる。なお、以下のような普図ゲーム(変動抽選)の制御を上述のように電チューサポートという。
1、普図ゲームの開始から終了までの普図変動表示時間(普図を順次切り換えるように変動して表示している時間(普図報知時間))および普図確定表示時間(普図ゲームの結果としての停止された普図を確定した状態に表示している時間)からなるゲーム時間毎に1つずつ普図ゲームを処理することになるが、このゲーム時間(のうちのたとえば普図変動表示時間)を短くすることにより、単位時間当たりの普図ゲームの実行回数を通常の状態(確率変動状態でも時間短縮状態でも大当たり状態でもない状態)より増加させる。すなわち、ゲーム時間を短縮する状態である。
【0111】
2、普図ゲームの当たりとなる抽選確率を、通常の状態より高い高確率状態とする。
3、普図ゲームが当たりとなって、普通変動入賞装置を開放する際に開放時間を通常の状態より長くする(この際、1回の当たりに対する開放回数を多くしてもよい)。
【0112】
なお、確率変動状態や時間短縮状態において、1における単位時間あたりの普図ゲームの実行回数を通常の状態より極めて多くすることで、2における普図ゲームの当たりとなる確率を高確率とすることを行わないものとしてもよい。
【0113】
また、確率変動状態における第1特図ゲーム(第1抽選)および第2特図ゲーム(第2抽選)の制御は、第1および第2特図ゲームの当たりとなる抽選確率を通常の状態より高くする(例えば、10倍程度)ようになっている。なお、このような第1特図ゲームおよび第2特図ゲームにおける制御を高確率状態という。また、この高確率状態を伴わずに上述の電チューサポートだけを行う状態が時間短縮状態となる。
【0114】
なお、第2特図ゲームの開始の契機となる第2始動入賞口55への遊技球の単位時間当たりの入賞数は、確率変動状態や時間短縮状態においては、上述の普図ゲームの処理により、確率変動状態や時間短縮状態ではない通常の状態より極めて多くなっており、第2特図ゲームの単位時間あたりの実行回数が通常の状態よりも極めて多くなる。
【0115】
しかし、第1特図ゲームでは、通常の状態と、確率変動状態および時間短縮状態とで、第1始動入賞口51への遊技球の単位時間あたりの入賞数に変化がないので、第1特図ゲームの開始回数は、確率変動状態において、通常の状態と大きく変わることはない。
但し、この例では、確率変動状態および時間短縮状態では、可変表示装置3の右側にあって頻繁に開放する普通変動入賞装置53を遊技者が狙って、遊技球を強めに発射することで、可変表示装置3の下方にある第1始動入賞口51に遊技球が入賞しづらい状態となり、第1始動入賞口51に入賞する遊技球数は、通常の状態に対して確率変動状態で実質的に減少することになる。また、この例では、図示されていない遊技釘等により右打ちすると、すなわち、遊技球を可変表示装置3の右側を流下するように強めに発射すると、第1始動入賞口51に遊技球が殆ど入賞しないようにしている。
【0116】
また、時間短縮状態は、上述のように大当たり状態が終了した際に、確率変動状態とならない場合に発生し、大当たり状態が終了した際から、たとえば、所定回数の第1特図ゲームと第2特図ゲームとを会わせた特図ゲームが行われた場合、例えば、100回の特図ゲームが行われた場合に終了する。
また、確率変動状態は、上述のように第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのいずれかで確変を伴なう当たりとなってその当たりに対応する大当たり状態が終了した際に開始され、第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームで次の当たりが発生して大当たり状態が開始される際に終了する。
【0117】
また、副制御部24の図柄制御装置26は、可変表示装置3と、普図表示装置(LED表示装置)6とを制御するものであり、可変表示装置3はビデオディスプレイプロセッサ261を介して接続されている。また、可変表示装置3は、上述の第1および第2特図ゲームとして、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが開始されてから変動表示時間(第1および第2報知時間)が経過した際に、主制御装置231の上述の第1および第2抽選の結果を報知するものであり第1および第2報知手段として機能する。
また、普図表示装置6における普図変動表示ゲームも主制御装置231で行われる抽選処理により当たりおよびはずれの結果が決定され、それに基いて表示が制御される。
【0118】
副制御部24のランプ制御装置27は、遊技盤1の盤面に設けられた盤面電飾等の盤面関係の電飾(LED)271と、パチンコ遊技機の遊技盤1を支持する前面枠に設けられ、遊技盤1の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾272とが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。
また、ランプ制御装置27には、普図保留数表示ランプ10が接続され、これらはLEDの点灯、消灯の制御により、保留数を表示可能となっている。
【0119】
音声制御装置28には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置281が接続されており、音声制御装置28は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0120】
以上のことから、パチンコ遊技機は、遊技球が発射される遊技盤1と、前記遊技盤1上に設けられた第1始動入賞口51および第2始動入賞口55と、第1始動入賞口51に遊技球が入賞したことに基いて当たりおよびはずれを決める第1抽選(第1特図ゲーム)を実行する第1抽選手段としての主制御装置231と、第2始動入賞口55に遊技球が入賞したことに基いて当たりおよびはずれを決める第2抽選(第2特図ゲーム)を実行する第2抽選手段としての主制御装置231と、第1抽選手段による第1抽選の実行に基いて計時開始される第1報知時間(第1変動表示時間)が終了する際に第1抽選の結果を報知する第1報知手段としての主制御装置231と、第2抽選手段による第2抽選の実行に基いて計時開始される第2報知時間(第2変動表示時間)が終了する際に第2抽選の結果を報知する第2報知手段としての主制御装置231と、第1報知手段で大当たりとなる第1抽選の結果を報知した際と、第2報知手段で大当たりとなる第2抽選の結果を報知した際とに、通常の状態より遊技者に多くの遊技球を獲得可能とする所定期間の大当たり状態を発生させる当たり状態制御手段としての主制御装置231と、第1抽選の結果が大当たりとなる場合と、第2抽選の結果が大当たりとなる場合とのそれぞれの場合に、当該大当たりに基いて発生する前記大当たり状態の終了後に前記通常の状態とするか、当該通常の状態に比較して遊技者に有利な有利状態とするかを有利抽選で決定するとともに、当該有利抽選の結果に基いて大当たり状態終了時に通常の状態もしくは前記有利状態を発生させる有利状態制御手段としての主制御装置231と、前記第1報知時間および第2報知時間を決定する報知時間決定手段としての主制御装置231と、第1報知手段で計時される第1報知時間および第2報知手段で計時される第2報知時間のうちの一方の報知手段で計時される一方の報知時間の終了時に一方の抽選結果が大当たりとなる抽選結果が報知される際に、他方の報知手段により他方の報知時間が計時されている場合に他方の報知手段に他方の抽選結果を強制的にはずれとして報知させる報知制御手段としての主制御装置231とを備えている。
【0121】
このようなパチンコ遊技機において、前記第2抽選手段は、第2抽選の結果に大当たりおよびはずれに加えて小当たりを有し、第2抽選の結果が小当たりとなる確率を第2抽選の結果がはずれとなる確率以上とし、前記当たり状態制御手段は、第2抽選の結果が小当たりとなった場合に、前記大当たり状態よりも遊技者が獲得可能な遊技球が少ない小当たり状態を所定期間だけ発生させ、前記有利状態制御手段は、第2の抽選結果が小当たりとなる場合に、前記通常の状態とするか前有利状態とするかの抽選を行わずに、前記小当たり状態発生前の通常の状態もしくは有利状態を小当たり状態終了後も変更することなく維持し、前記報知時間決定手段は、前記有利状態における第2報知時間を第1報知時間より短くし、前記報知制御手段は、第2報知手段により小当たりとなる第2抽選結果が報知される際に、第1報知時間が計時されている場合に第1抽選の結果を強制的にはずれとして第1報知手段に報知させる。
【0122】
そして、パチンコ遊技機においては、第1抽選の結果が大当たりとなると、第2抽選の結果が大当たりとなる場合よりも遊技者に不利な状態に移行する可能性を高くする。
また、第2始動入賞口55には、遊技球が入賞できない閉状態と、遊技球が入賞し易い開状態との間で開閉変動する普通変動入賞装置53が備えられ、前記有利状態制御手段は、有利状態(確率変動状態)における普通変動入賞装置53の単位時間当たりに開状態となる期間を通常の状態より増加可能とし、かつ、有利状態における第1抽選の結果および第2抽選の結果が大当たりとなる確率を通常の状態より高くすることで、有利状態を通常の状態より遊技者に有利な状態としている。
【0123】
また、当たり状態制御手段が、第2報知手段で大当たりとなる第2抽選の結果を報知した際に発生させる大当たり状態(15ラウンド大当たり状態)よりも、第1報知手段で大当たりとなる第1抽選の結果を報知した際に発生させる大当たり状態(2ラウンド大当たり状態)の方が、遊技者が獲得可能な遊技球が極めて少ないものとする確率を高めたことにより、前記有利状態中に第1抽選の結果が大当たりとなると、第2抽選の結果が大当たりとなった場合よりも遊技者に不利な状態に移行する可能性を高めたものとなっている。
【0124】
また、パチンコ遊技機は、第1始動入賞口に遊技球が入賞することに基いて、上限数の範囲内で第1入賞記憶数に1加算して当該第1入賞記憶数を更新記憶し、前記第1始動入賞口への遊技球の入賞に対応する第1抽選の結果を報知するための第1報知時間の計時が開始されることに基いて、前記第1入賞記憶数から1減算して当該第1入賞記憶数を更新記憶する第1入賞記憶数記憶手段としての主制御装置231と、第2始動入賞口に遊技球が入賞することに基いて、上限数の範囲内で第2入賞記憶数に1加算して当該第2入賞記憶数を更新記憶し、前記第2始動入賞口への遊技球の入賞に対応する第2抽選の結果を報知するための第2報知時間の計時が開始されることに基いて、前記第2入賞記憶数から1減算して当該第2入賞記憶数を更新記憶する第2入賞記憶数記憶手段としての主制御装置231とを備えている。
【0125】
有利状態制御手段の主制御装置231は、大当たり状態終了後に確率変動状態(有利状態)を発生させずに通常の状態とする際に、所定期間に渡って第1抽選の結果および第2抽選の結果が大当たりとなる確率を通常の状態と同様の低確率とした状態で前記変動入賞装置の単位時間当たりに開状態となる期間を増加可能とする時間短縮状態(低確率有利状態)を所定期間(例えば、第1特図ゲームと第2特図ゲームとを合わせて100回行う期間)に渡って発生した後に通常の状態を発生させるようにしている。
【0126】
また、遊技球が入賞できない閉状態と遊技球が入賞し易い開状態との間で開閉変動する特別変動入賞装置8(および小当たり用特別変動入賞装置11)が少なくとも二つ設けられ、これら特別変動入賞装置8,11は、通常の状態および高確率状態においては閉状態とされ、一方の特別変動入賞装置は、大当たりとなることに基いて前記大当たり状態となった際に開閉変動して当該特別変動入賞装置8に多くの遊技球を入賞可能とすることにより、前記大当たり状態において遊技者に多くの遊技球の獲得を可能とさせ、他方の特別変動入賞装置11は、第2抽選の結果が小当たりとなることに基いて前記小当たり状態となった際に開閉変動して当該特別変動入賞装置11に遊技球を入賞可能とすることにより、前記小当たり状態において遊技者に大当たり状態で獲得可能な遊技球より少ない遊技球の獲得を可能とさせ、遊技盤1の他方の小当たり用特別変動入賞装置11の近傍には、他方の特別変動入賞装置が開放した際に当該特別変動入賞装置への遊技球の入賞を阻害する阻害部材(遊技釘)が設けられている。
【0127】
そして、本発明のパチンコ遊技機においては、上述のように第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのうちの一方の特図ゲームが大当たりとなって大当たり状態もしくは小当たり状態が開始される際に、他方の特図ゲームがはずれで終了され、かつ、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの両方の開始が禁止されている。従って、大当たり状態中または小当たり状態中に他方の特図ゲームが継続することがなく、大当たり状態および小当たり状態が終了した後に、新たに第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが開始される。
【0128】
しかし、大当たり状態中は、確率変動状態や時間短縮状態と異なり、通常の状態と同様に普通変動入賞装置53が開放して第2始動入賞口55に遊技球が入賞する機会が少ない。従って、大当たり状態が開始される前が、例えば、確率変動状態や時間短縮状態でなく通常の状態で、第2特図保留数が0の状態で大当たり状態が開始されると、大当たり状態中も第2始動入賞口55に遊技球が入賞せず、第2特図保留数が0のままとなる可能性がある。
【0129】
この場合に、大当たり状態が終了しても、第2特図保留数が0なので、直ぐに第2特図ゲームが開始されることがなく、たとえば、大当たり状態が終了した後の確率変動状態や時間短縮状態における電チューサポートとなることで、普通変動入賞装置53が開放して、第2始動入賞口55に遊技球が入賞し、これに基いて第2特図ゲームが開始される。
【0130】
一方、第1特図ゲームにおいては、第1特図保留数が1以上となっている可能性が高くさらに、大当たり状態の終了時には、当該大当たり状態中に第1特図ゲームが開始されないことにより、第1特図保留数が1以上となっている可能性がさらに高くなる。基本的に15ラウンドの大当たり状態終了時になんらかのトラブルがないかぎり、第1特図保留数は1以上となっている。2ラウンドの場合も終了時に第1特図保留数が1以上となっている可能性が高い。
【0131】
よって、大当たり状態終了後に、1回目の第2特図ゲームが開始される前に1回目の第1特図ゲームが開始され、1回目の第2特図ゲームが終了する前に、1回目の第1特図ゲームが終了して当たりとなる可能性が僅かではあるが存在する。また、確変中は、第2特図ゲームの実行回数が通常の状態より増加し、第1特図ゲームに対して第2特図ゲームがより多く行われるが、第1特図ゲームが先に当たりとなる可能性がある。
【0132】
そして、第1特図ゲームが当たりとなると、上述のように2ラウンドの大当たり状態となり、大当たり状態中における遊技球の増加をほとんど見込めない状態となる。また、第1特図ゲームの大当たりで確変を伴う2ラウンドの大当たりが発生した状態で、また、第1特図ゲームで確変を伴なわない2ラウンドの大当たりとなった際に、遊技球の増加を見込めないだけではなく、一回も15ラウンド大当たりによる大量の遊技球を獲得することなく、確変が終了してしまうことになる。確率的には極めて低いがこのような状態が発生してしまうと、遊技者が極めて不満に思うことになる。
【0133】
そこで、この例では、大当たり状態が終了後に確率変動状態となる場合に、確率変動状態で開始される第1特図ゲームの変動表示時間(第1報知時間)を例えば数分等の長いものとしている。それに対して確率変動状態で開始される第2特図ゲームの変動表示時間(第1報知時間)を例えば数秒から5秒程度の短いものとしている。なお、基本的には、確変(有利状態)における第2特図ゲームの第2報知時間は、第1特図ゲームの第1報知時間の1/2〜1/10程度か、それよりもさらに短いものであることが好ましい。
【0134】
上述のように通常の状態から2ラウンド大当たり状態を経て確変状態となった際に、第1特図ゲームが先に開始される可能性があり、先に開始された第1特図ゲームよりも後から、確変となってから普通変動入賞装置が開放して第2始動入賞口55に遊技球が入賞して第2始動入賞球検知センサ56に遊技球が検知されて第2特図ゲームが開始され、かつ、第1特図ゲームより先に第2特図ゲームが開始される必要があることから、少なくとも第1特図ゲームの第1報知時間が第2特図ゲームの第2報知時間の2倍程度もしくは、第1報知時間が第2報知時間より10秒程度は長い必要がある。
また、第2特図ゲームの小当たりの発生確率が極めて高くても100%ではないので、第1特図ゲームが終了するまでに、第2特図ゲームが複数回終了することが好ましく、上述のように第2特図ゲームの第2報知時間は、第1特図ゲームの第1報知時間の1/2〜1/10程度となることが好ましい。
【0135】
したがって、普通変動入賞装置53が電チューサポートにより頻繁に開状態となり、第2始動入賞口に遊技球が頻繁に入賞するようになると、長い第1報知時間の第1特図ゲームが行われている間に、複数回の短い第2報知時間の第2特図ゲームを行うことが可能となる。そして、長い第1特図ゲーム中に複数回の第2抽選の結果が報知されることなる。そして、上述のように第2抽選では、極めて高い確率で小当たりが発生するので第1特図ゲーム中に複数回の第2特図ゲームが行われた場合に、少なくとも一回の第2特図ゲームでの第2抽選の結果が小当たりとなる可能性が極めた高いものとなる。
【0136】
そして、第1特図ゲームが終了して第1抽選の結果が報知される前に、第2特図ゲームで小当たりもしくは大当たりが発生して、小当たり状態もしくは大当たり状態が発生すると、第1特図ゲームは、はずれで強制終了させられ、第1特図ゲームの終了時に第1抽選の結果としてはずれが報知されることになる。
すなわち、第1特図ゲームが大当たりとなる第1抽選の結果を報知するものであっても、小当たりとなる第1抽選の結果を報知するものであっても、はずれとなる第1抽選の結果を報知するものであっても、第1抽選の結果としてはずれが報知される。
【0137】
したがって、確率変動状態となって、第2特図ゲームより先に第1特図ゲームが実行されたとしても、後から実行された小当たりとなる第2特図ゲームが先に終了して小当たりとなる第2抽選の結果が報知されて、小当たり状態が発生することで、第1特図ゲームははずれとなり、第1特図ゲームの2ラウンドの大当たりが発生することがない。
したがって、確変となって、最初の第1特図ゲームで確変とならない(時短を含む)大当たりを発生させてしまい2ラウンドの遊技球を余り獲得できない大当たり状態終了後に時短状態もしくは普通の状態となってしまうのを確実に防止できる。
【0138】
また、確変開始時だけではなく、確変中は、電チューサポートにより頻繁に第2始動入賞口55に遊技球が入賞しており、第2特図ゲームの開始の契機となる始動記憶数がほとんどの場合に1以上となっている。したがって、短い第2報知時間の第2特図ゲームがほとんど間をあけることなく、順次行なわれ、頻繁に小当たり結果を報知して小当たり状態が発生している。したがって、確変中に長い第1報知時間の第1特図ゲームが行われても、ほぼ全ての第1特図ゲームが終了する前に、先に第2特図ゲームで小当たりが発生して小当たり状態となり、第1特図ゲームが大当たりとなることがない。
【0139】
これにより、確変中は、第1特図ゲームが大当りとなることにより2ラウンドの大当たり状態が発生することがなく、第2特図ゲームが大当たりとなって、15ラウンドの大当たりだけが発生することになる(第2特図ゲームの大当たり状態が全て15ラウンド大当たり状態の場合)。
【0140】
なお、この例では、上述のように普通変動入賞装置53が可変表示装置3の右側にあり、遊技者が右打ちすることで、確変で頻繁に開放する普通変動入賞装置53に効率的に遊技球を入賞させることができる。また、右打ちしないと、普通変動入賞装置53に遊技球を入賞させることが困難となっている。
【0141】
また、右打ちすると上述のように第1始動入賞口51に遊技球を入賞させることが困難となる。したがって、確変となって遊技者が普通変動入賞装置53を狙って右打ちすると、第1始動入賞口51にほとんど遊技球が入賞しなくなり、確変開始時に第1特図保留数が1以上となっていることで、保留されていた第1特図ゲームが全て終了すると、それ以後は、まれにしか第1始動入賞口51に遊技球が入賞することがなく、第1特図ゲームはほとんど行われない状態となり、ほとんど第2特図ゲームだけが行われている状態となる。
【0142】
そして、希に第1特図ゲームが行われても上述のように、第2特図ゲームの小当たりの発生で、開始された第1特図ゲームは、はずれで終了することになる。
また、上述のことから、通常の状態では、普通変動入賞装置があまり開状態とならず、開状態となっても僅かな時間で閉状態となってしまうので、第2始動入賞口55に遊技球が入賞することが困難となり第1特図ゲームが主に行われる。したがって、通常の状態で第2特図ゲームが行われて頻繁の小当たり状態となり、第1特図ゲームが強制的にはずれで終了することはあまりない。そして、確変では、上述のように第2特図ゲームが主に行われる。
したがって、可変表示装置3においては、通常の状態で第1特図ゲームをメインの変動表示ゲームとして表示し、確変で第2特図ゲームをメインの変動表示ゲームとして表示することが好ましい。
【0143】
また、この例では、時短状態が発生する際に、第1特図保留数が1以上となっていると、たとえば、可変表示装置3に遊技球の発射を停止するように指示する表示がなされるようになっている。
すなわち、主制御装置231は、大当たり状態後に時短状態が発生する際に、たとえば、大当たり状態の終了を報知するための表示画面や大当たり状態終了後の時間短縮状態で変動表示ゲームが開始される画面で、たとえば、回転式操作ハンドル237から手を離すように指示する画面が表示される。
【0144】
このような表示に遊技者がしたがって遊技球の発射を停止した場合には、確変となって普通変動入賞装置43が頻繁に開状態となっても、遊技球が発射されず、第2特図ゲームが開始されることがなく、したがって、第2特図ゲームが小当たりとなることもない。
これにより、時短開始時に確変開始時と同様に第1特図ゲームが開始された場合に、この第1特図ゲームは、第2特図ゲームが行われないことにより、最後まで表示され、大当たり、小当たり、はずれのいずれかを発生することになり、第1特図ゲームの当たりを阻止しない用になっている。
【0145】
ここで、時短状態は、大当たり状態終了後、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが合わせて所定回数(たとえば、100回)行われたとことで終了してしまう。また、小当たりで途中ではずれとされる第1特図ゲームもこの所定回数のゲームとしてカウントされることになる。したがって、第1特図ゲームが第2特図ゲームの小当たりの発生により強制的にずれとされてしまうと、所定回数となるうちの一回が強制的にはずれで消化されてしまい、たとえば、第1特図ゲームで確変を伴う当たりとなって、確変に移行する機会が減少することになる。
【0146】
したがって、時短において、第1特図ゲームが小当たりで強制的にはずれとされるのは、第1特図ゲームが最後まで正常に行われる場合と比較して遊技者に不利となる。そこで、上述のように時短開始時に、遊技球の発射を停止させ、先に第1特図保留数に基いて保留されている第1特図ゲームを全て消化させてから、遊技球を発射することで、時短で実行可能な有限回数の特図ゲームを無駄にしないようにできる。
なお、上述の表示は、たとえば、時短開始時(もしくはその直前)から、第1特図保留数が0となるまで行われるが、途中に表示の中断があってもよく、また、第1特図保留数が0となったところで、遊技球を発射するように指示するような表示があってもよい。
【0147】
また、時短開始時に遊技球の発射停止を指示する表示を行い、第1特図保留数が0となった後に遊技球の発射を指示する表示を行い、これら一連の表示を低確率有利状態が発生する場合に、前記第1入賞記憶数が0となるまで、遊技球の発射を停止することを指示する報知としてもよい。
【0148】
以下に、一方の特図ゲームで小当たりが発生することにより他方の特図ゲームをはずれとする強制はずれ処理について
図3から
図6のフローチャートを参照して説明する。なお、強制はずれ処理は、主制御装置231で短時間毎に繰り返し行われる処理である。
なお、以下の処理では、一方の特図ゲームで小当たりとなり小当たり状態が発生する際に、他方の特図ゲームを終了せずに継続する場合を例にしたが、上述のように一方の特図ゲームに基く小当たり状態発生の際に、他方の特図ゲームを終了するものとしてもよい。
図3および
図4は、第1特図ゲームの強制はずれ処理を示すフローチャートである。
図3および
図4に示すように、第1大当たり状態フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1)。第1大当たり状態フラグは大当たり状態開始時セットされ、大当たり状態終了にリセットされるフラグである。
【0149】
そして、第1大当たり状態フラグがセットされている場合については後に説明する。
第1大当たり状態フラグがセットされていない場合には、次に、第1小当たり状態フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2)。第1小当たりフラグは、第1特図ゲームで小当たりが発生して第1小当たり状態が発生する際にセットされ、第1小当たり状態が終了する際にリセットされるフラグである。そして、第1小当たりフラグがセットされている場合については後に説明する。
第1小当たりフラグがセットされていない場合には第1特図ゲームフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3)。
【0150】
第1特図ゲームフラグは、第1特図ゲームが開始される際にセットされ、第1特図ゲームが終了する際にリセットされるフラグである。
第1特図フラグがセットされていない場合に、第1特図保留数が1以上か否かが判定される(ステップS4)。第1特図保留数が0の場合にはこの処理を終了し、第1特図保留数が1以上の場合に、当該第1特図保留数に対応して周知のように取得された大当たり判定用乱数と当たり判定テーブルの大当たり値および小当たり値とを比較して大当たり判定を行い大当たりか小当たりかはずれかを判定する(ステップS5)。大当たりの場合に第1大当たりフラグをセットする(ステップS6)。第1大当たりフラグは、上述のように第1特図ゲームの開始条件が全てそろって第1特図ゲームが開始される際の大当たり判定で大当たりと判定された際にセットされ、大当たり状態終了時にリセットされる。
【0151】
また、小当たりの場合には、第1小当たりフラグをセットする(ステップS7)。第1小当たりフラグは、上述のように第1特図ゲームの開始条件が全て揃って第1特図ゲームが開始される際の大当たり判定で小当たりと判定された際にセットされ、小当たり状態終了時にリセットされる。
【0152】
次いで、大当たり判定の結果が大当たりの場合に確変か否かを判定する。すなわち、大当たりとなって大当たり状態が発生して終了した後に確変状態とするか否かを判定(抽選)する(ステップS8)。なお、ここでの判定は、大当たり状態終了後に確変とするか否かの判定であり、現状が確変か否かの判定ではない。基本的には、上述のように大当たり判定時に、第1特図表示器4aで第1特図ゲームのゲーム結果確定時に停止表示される停止図柄を抽選で決定し、当該停止図柄により確変か否かを判定することになる。
そして、判定結果が確変の場合にだけ第1確変成立フラグをセットする(ステップS9)。
【0153】
なお、第1確変成立フラグは、第1特図ゲーム開始時に上述の大当たり判定で大当たりとなり、かつ、当該大当たりに基く大当たり状態後に確変を発生することが決定された際にセットされ、確変開始時にリセットされるフラグである。
次に、確変フラグがセットされているか否か、すなわち、現状が確変か否かを判定する(ステップS10)。なお、確変フラグは、確率変動状態開始時にセットされ、確率変動状態終了時(大当たり状態発生時)にリセットされる。
【0154】
次に、第1大当たりフラグ、第1確変成立フラグ、確変フラグの有無を考慮して第1変動表示時間(第1報知時間)のデータを含む基本変動パターンを決定する。基本的に、確変フラグがセットされ現状が確変の場合には、たとえば、20秒程度以上の長い変動表示時間となる基本変動パターンがセットされ(ステップS11)、確変でない場合には、たとえば、従来のようにリーチになる場合(大当たりとなる場合を含む)には長い変動表示時間の基本変動パターンがセットされ、リーチとならない場合に短い変動表示時間の基本変動パターンが選択される(ステップS12)ようになっている。
【0155】
次に、第1特図保留数から1を減算する(ステップS13)。なお、第1特図保留数の加算は、第1始動入賞口51に遊技球が入賞した場合に、別処理にて行われる。
次に、時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS14)。時短フラグがセットされている場合には、第1特図保留数が0となっているか否かを判定する(ステップS15)。そして、第1特図保留数が0となっている場合には、後述のように開始された可変表示装置3における遊技者に遊技球の発射を停止するように指示する処理を終了する(ステップS16)。なお、時短が開始されてから最初に第1特図保留数が0となった場合にだけ可変表示装置3で遊技球の発射を停止するように指示する表示が行われているので、時短が開始されてから最初に第1特図保留数が0となった場合にだけ、前記表示が終了させられる。
なお、ここでは、主制御装置231から図柄制御装置26に可変表示装置3における前記表示を中止させるコマンドを出力する処理が行われることになる。
【0156】
なお、時短状態中は、第1特図保留数が1以上となるたびに遊技球の発射の停止を指示する表示をさせ、第1特図保留数が0となったら遊技球の発射の停止の指示を終了するような処理を行ってもよい。
また、前記表示の停止は、第1特図保留数が0となった直後ではなく、第1特図保留数が1から0となった際の第1特図ゲームが終了した際に停止するものとしてもよい。
【0157】
次に、時短の終了条件が成立したか否かが判定される(ステップS17)。なお、実際には、大当たり状態終了後からの第1特図ゲームと第2特図ゲームとを合わせた特図ゲームの実行回数をカウントし、この実行回数が所定回数としてのたとえば100回となった場合に時短の終了条件が成立したものとする。
【0158】
そして、時短の終了条件が成立している場合には、時短フラグをリセットするとともに時短状態を終了させる(ステップS18)。
【0159】
次に時短フラグに基く上述の処理を行ったか否かに拘わらず、第1特図ゲームを開始する(ステップS19)。
そして、第1特図ゲームフラグをセットし(ステップS20)、この処理を終了する。 なお、第1特図表示器4aの表示制御は、別の処理として行われるが、第1特図フラグのセットにより開始される。また、可変表示装置3の制御は、第1特図フラグのセットに基いて図柄制御装置26に主制御装置231からコマンドが出力され、図柄制御装置26で可変表示装置3における第1特図ゲームの表示制御がなされる。
【0160】
そして、ステップS3において、第1特図ゲームフラグがセットされていると判定された場合には、第2小当たり報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS21)。第2小当たり報知フラグは、第2特図ゲームで、小当たりが報知される際にセットされるものである。
そして、第2小当たり報知フラグがセットされている場合には、第1大当たりフラグがセットされているかいないかに拘わらず大当たりフラグをリセットすることで現在実行されている第1特図ゲームを強制的にはずれとする(ステップS22)。
【0161】
次に、第2小当たり報知フラグをリセットする(ステップS23)
次に、第2小当たりフラグがセットされていない場合には、第2大当たり報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS24)。第2大当たり報知フラグは、第2特図ゲームで大当たりが報知された際にセットされるフラグである。
第2大当たり報知フラグがセットされている場合には、第1大当たりフラグがセットされているか否かに拘わらず第1大当たりフラグをリセットすることで現在実行中の第1特図ゲームの結果を強制的はずれとする(ステップS25)。
次に、第2大当たり報知フラグをリセットする(ステップS26)。
【0162】
なお、一回の第1特図ゲーム中に第2特図ゲームで複数回小当たりが報知されたり、小当たりと大当たりとが報知される場合があるが、この場合に毎回第1大当たりフラグをリセットしてもよいし(第1大当たりフラグがセットされていない場合もリセットする)、1回第1大当たりフラグをリセットした後は、第1特図ゲームが終了するまで第1大当たりフラグのリセットを行わないものとしてもよい。
また、第2特図ゲームの小当たりもしくは大当たりの発生で、第1報知時間を0として強制的に終了してもよいし、第1報知時間を0とせずに、第1報知時間がタイムアップするまで、第2特図ゲームを継続してもよい。なお、大当たり状態および小当たり状態中も特図ゲームを継続する場合には、大当たり状態中および小当たり状態中に第2報知時間の計時を中断し、第2特図ゲームを中断した状態とする。
【0163】
次に、第2大当たり報知フラグがセットされていない場合に、第1特図ゲーム開始時にセットされた第1報知時間が経過したか否かを判定し(第1報知時間を計時するタイマーのタイムアップの判定)(ステップS27)、第1報知時間が経過していない場合にはこの処理を終了する。
そして、ステップS24で第2大当たり報知フラグがセットされていると判定された場合と、ステップS27で第1報知時間がタイムアップしたと判定された場合には、第1特図ゲームフラグをリセットして、第1特図ゲームを終了する(ステップS28)。
【0164】
次に第1大当たりフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS29)、第1大当たりフラグがセットされていない場合には、第1小当たりフラグがセットされているかを判定する(ステップS30)。
第1大当たりフラグも第1小当たりフラグもセットされていない場合には、この処理を終了する。
【0165】
第1大当たりフラグがセットされている場合には、第1大当たり報知フラグと第1大当たり状態フラグをセットし(ステップS31)、かつ、確変フラグおよび時短フラグをリセットする(ステップS32)。なお、確変フラグ、時短フラグのいずれかがセットされている場合にだけ、セットされている確変フラグもしくは時短フラグをリセットしてもよい。
【0166】
そして、第1大当たり状態を開始し(ステップS33)、この処理を終了する。なお、第1大当たり状態において特別変動入賞装置8を開閉変動する処理は別処理として行われる。また、第1抽選に基く第1大当たり状態では、上述の2ラウンドの大当たり状態を発生させる。
【0167】
第1小当たりフラグがセットされている場合には、第1小当たり報知フラグと第1小当たり状態フラグをセットする(ステップS34)。なお、ここでは、確変フラグおよび時短フラグをリセットすることがなく、確変フラグおよび時短フラグの現状の状態を維持する。そして、小当たり状態を開始し(ステップS35)、この処理を終了する。
【0168】
ステップS1で第1大当たり状態フラグがセットされている場合に、大当たり状態の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS36)。大当たりの終了条件が成立していない場合にはこの処理を終了する。
大当たり状態の終了条件が成立している場合には、第1大当たりフラグおよび第1大当たり状態フラグをリセットして、大当たり状態を終了させる(ステップS37)。
【0169】
次に、第1確変成立フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS38)、第1確変成立フラグがセットされている場合には、確変フラグをセットするとともに、確率変動状態を発生させる(ステップS39)。そして、第1確変成立フラグをリセットする(ステップS40)。なお、確率変動状態は、別処理で行われ、第1抽選および第2抽選の大当たり確率の高確率化と、電チューサポートの処理を行う。
【0170】
一方、第1確変成立フラグがセットされていない場合には、時短フラグをセットし、時短処理を開始させる(ステップS41)。なお、時短処理における電チューサポートは別の処理で行われる。また、図柄制御装置26に対して、可変表示装置3で遊技者に遊技球の発射を停止する指示する表示を開始させるコマンドを出力させることで、前記表示を開始させ(ステップS42)、この処理を終了する。
また、ステップS2で小当たり状態フラグがセットされていると判定された場合には、小当たり状態の終了条件が成立しているか否かを判定し(ステップS43)、成立していない場合には処理を終了する。また、終了条件が成立している場合には第1小当たりフラグ、第1小当たり状態フラグをリセットして小当たり状態を終了する(ステップS44)。
小当たり状態の終了条件は、たとえば、小当たり用特別変動入賞装置11が開状態となってからの所定時間の経過と、遊技球の9個の入賞であるが、所定時間がたとえば1秒以下等の短い時間に設定されるので、遊技球が9個入賞することは困難である。
【0171】
次に、
図5および
図6のフローチャートを参照して、第2特図ゲームにおける強制はずれ処理を説明する。なお、本発明の強制はずれ処理は、第2特図ゲームで小当たりおよび大当たりが発生し、これらが報知された際に、第1特図ゲームを強制的にはずれとすることを目的として行われる処理であるが、第2特図ゲームでも基本的に同様の処理が行われる。
但し、ここでは、第1特図ゲームでの大当たりでは、2ラウンドの大当たり状態が開始されるのに対して、第2特図ゲームでは15ラウンドの大当たり状態が開始される。
【0172】
また、
図3,4のフローチャートと、
図5,6のフローチャートでは、それぞれ別の処理として同様の処理が行われるようにしているが、実際には、一つの処理として実行可能なものがあり、一つの処理として行われてもよい。たとえば、大当たり状態、小当たり状態、確変状態の終了等の処理は、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで分けて行う必要はない。
以上のように、第1特図ゲームでの処理と、第2特図ゲームでの処理とがほぼ同様の処理となっているので、
図5,6のフローチャートの処理で、
図3、4のフローチャートの処理と同様の処理には同じステップ番号を付して、その説明を簡略化する。なお、
図3,4のフローチャートと、
図5,6のフローチャートとでは、第1と第2が入れ替わることになる。
【0173】
図4に示すように、第2大当たり状態フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1)。
第2大当たり状態フラグがセットされていない場合に、第2小当たり状態フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2)。次に第2特図ゲームフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3)、セットされていない場合に第2特図保留数が1以上か否かが判定される(ステップS4)。1以上ならば第2抽選の大当たり判定を行い大当たりか小当たりかはずれかを判定する(ステップS5)。大当たりの場合に第2大当たりフラグをセットする(ステップS6)。
【0174】
小当たりの場合に第2小当たりフラグをセットする(ステップS7)。
次いで、大当たり判定の結果が大当たりの場合に確変か否かを判定する(ステップS8)。判定結果が確変の場合にだけ第2確変成立フラグをセットする(ステップS9)。
次に、確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS10)。
確変フラグがセットされ現状が確変の場合には、たとえば、数秒から5秒程度の短い変動表示時間となる基本変動パターンがセットされ(ステップS11)、確変でない場合には、従来と同様に変動表示時間の基本変動パターンが選択される(ステップS12)ようになっている。
【0175】
次に、第2特図保留数から1を減算する(ステップS13)。
次に、時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS14)。
時短フラグがセットされている場合には、時短の終了条件が成立したか否かが判定される(ステップS17)。そして、時短の終了条件が成立している場合には、時短フラグをリセットするとともに時短状態を終了させる(ステップS18)。
【0176】
次に、第2特図ゲームを開始する(ステップS19)。
そして、第2特図ゲームフラグをセットし(ステップS20)、この処理を終了する。
そして、ステップS3において、第2特図ゲームフラグがセットされていると判定された場合には、第1小当たり報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS21)。第1小当たり報知フラグは、第1特図ゲームで、小当たりが報知される際にセットされるものである。
そして、第1小当たり報知フラグがセットされている場合には、第2大当たりフラグがセットされているかいないかに拘わらず大当たりフラグをリセットすることで現在実行されている第2特図ゲームを強制的にはずれとする(ステップS22)。
【0177】
次に、第1小当たり報知フラグをリセットする(ステップS23)
次に、第1小当たり報知フラグがセットされていない場合に、第1大当たり報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS24)。
第1大当たり報知フラグがセットされている場合には、第2大当たりフラグがセットされているか否かに拘わらず第2大当たりフラグをリセットすることで現在実行中の第2特図ゲームの結果を強制的はずれとする(ステップS25)。
なお、強制的にはずれとした後は、第2特図ゲームが終了するまで第1特図ゲームでの小当たりもしくは大当たりの発生に基いて毎回大当たりをリセットするものとしても、2回目移行はリセットしないものとしてもよい。また、第1特図ゲームの小当たりもしくは大当たりの発生で、第2報知時間を0として強制的に終了してもよいし、第2報知時間を0とせずに、第2報知時間がタイムアップするまで、第2特図ゲームを継続してもよい。なお、大当たり状態および小当たり状態中も特図ゲームを継続する場合には、大当たり状態中および小当たり状態中に第2報知時間の計時を中断し、第2特図ゲームを中断した状態とする。
次に、第1大当たり報知フラグをリセットする(ステップS26)。
【0178】
次に、第1大当たり報知フラグがセットされていない場合に、第2特図ゲーム開始時にセットされた第2報知時間が経過したか否かを判定し(ステップS27)、第2報知時間が経過していない場合にはこの処理を終了する。
そして、ステップS24で第2大当たり報知フラグがセットされていると判定された場合と、ステップS27で第2報知時間がタイムアップしたと判定された場合には、第2特図ゲームフラグをリセットして、第2特図ゲームを終了する(ステップS28)。
【0179】
次に第2大当たりフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS29)、第2大当たりフラグがセットされていない場合には、第2小当たりフラグがセットされているかを判定する(ステップS30)。
第2大当たりフラグも第2小当たりフラグもセットされていない場合には、この処理を終了する。
【0180】
第2大当たりフラグがセットされている場合には、第2大当たり報知フラグと第2大当たり状態フラグをセットし(ステップS31)、かつ、確変フラグおよび時短フラグをリセットする(ステップS32)。
そして、第2大当たり状態を開始し(ステップS33)、この処理を終了する。なお、第2抽選に基く第2大当たり状態では、上述の15ラウンドの大当たり状態を発生させる。
第2小当たりフラグがセットされている場合には、第2小当たり報知フラグと第2小当たり状態フラグをセットする(ステップS34)。そして、小当たり状態を開始し(ステップS35)、この処理を終了する。
【0181】
ステップS1で第2大当たり状態フラグがセットされている場合に、大当たり状態の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS36)。大当たりの終了条件が成立していない場合にはこの処理を終了する。
大当たり状態の終了条件が成立している場合には、第2大当たりフラグおよび第2大当たり状態フラグをリセットして、大当たり状態を終了させる(ステップS37)。
【0182】
次に、第2確変成立フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS38)、第2確変成立フラグがセットされている場合には、確変フラグをセットするとともに、確率変動状態を発生させる(ステップS39)。そして、第2確変成立フラグをリセットする(ステップS40)。
【0183】
一方、第2確変成立フラグがセットされていない場合には、時短フラグをセットし、時短処理を開始させる(ステップS41)。なお、時短処理における電チューサポートは別の処理で行われる。また、図柄制御装置26に対して、可変表示装置3で遊技者に遊技球の発射を停止する指示する表示を開始させるコマンドを出力させることで、前記表示を開始させ(ステップS42)、この処理を終了する。
【0184】
また、ステップS2で小当たり状態フラグがセットされていると判定された場合には、小当たり状態の終了条件が成立しているか否かを判定し(ステップS43)、成立していない場合には処理を終了する。また、終了条件が成立している場合には第2小当たりフラグ、第2小当たり状態フラグをリセットして小当たり状態を終了する(ステップS44)。
【0185】
以上の処理により、上述のように確変開始時において、第1特図ゲームが開始され、確率的には低いが、第1特図ゲームで確変を伴わない大当たりとなって、確変が終了してしまうような場合に、第1特図ゲームより報知時間が短い第2特図ゲームが第1特図ゲームより後に開始されたにもかかわらず先に終了するとともに極めて高い確率で小当たりとなって、第1特図ゲームを強制的にはずれとされることで、確変の終了が防止される。
【0186】
これにより、まれにではあるが、確変が直ぐ終わってしまうのを防止し、遊技者の当該遊技機での遊技を辞めてしまうような不満を防止することができる。
また、確変中は、上述のように右打ちすることで、第1特図ゲームの開始を減らすとともに、第2特図ゲームでは、常時、頻繁に小当たりが発生することで、第1特図ゲームが開始されても全てはずれとされてしまうことになる。これにより、第1特図ゲームでは、2ラウンド大当たりが発生し、第2特図ゲームでは、15ラウンド大当たりだけが発生する場合に、確変中に第1特図ゲームが当たりとなることで、2ラウンド大当たり状態が発生することがなく、確変中は、15ラウンド大当たりだけが発生することになる。
これにより、確変となった際に、2ラウンド大当たりにより遊技者をがっかりさせることがなくなり、当該遊技機での遊技で遊技者を楽しませることができる。
【0187】
次に、前記例の変形例を説明する。当該変形例は、前記例における有利状態である確率変動状態を基本的に確率変動状態と同様の開始条件で開始され、確率変動時間短縮状態としたものであり、その他のパチンコ遊技機の構成や処理は、基本的に第1の実施の形態と同様のものとなっている。なお、前記例では、確変が発生しない場合に大当たり状態後に時短が発生するが、この例では、有利状態としての時短が発生しない場合には、大当たり状態後に直ぐに通常の状態となる。
【0188】
また、前記例では、第1抽選で大当たりとなると、基本的に2ラウンド大当たりが発生し、第2抽選で大当たりとなると、基本的に15ラウンド大当たりが発生するが、この変形例では、第1抽選も第2抽選も2ラウンド大当たりではなく、15ラウンド大当たりだけを発生するか、もしくは、第1抽選と第2抽選とで同じ発生確率で2ラウンド大当たりを発生するとともに15ラウンド大当たりを発生する。
【0189】
また、変形例では、いわゆる確変と回数切り(たとえば、特図ゲーム100開で終了となる)時短を発生しないので、上述の時短状態における遊技球の発射停止を促す表示制御は行われない。
そして、変形例における特徴的な制御は、上述の電チューサポートがある有利状態(所定回数の特図ゲームが実施されても終了しない時短ということもできる)と、電チューサポートが無い通常の状態とで、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが並行して行われる。そして、電チューサポートがある有利状態は、大当たり状態終了時に発生し、次の大当たり状態まで継続し、次の大当たり状態開始時に終了する。
【0190】
電チューサポートが機能している際に、大当たりとなる確率は変動せず、通常の状態と有利状態とで第1特図ゲームおよび第2特図ゲームにおける大当たり確率は同じとなっている。
また、有利状態の発生確率は、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで異なり、第1特図ゲームでは、10%の確率で大当たり状態終了時に有利状態となり、90%の確率で大当状態終了時に通常の状態となる。一方、第2特図ゲームでは、90%の確率で大当状態終了時に有利状態となり、10%の確率で大当終了時に通常の状態となる。
【0191】
また、基本的に遊技機の構成および基本的な処理は同様なので、前記例と同様に、電チューサポートが行われない通常の状態では、普通変動入賞装置53があまり開状態とならず、主に第1特図ゲームが行われ、第1特図ゲームでの大当たりにより、大当たりとなったうちの10%の確率で有利状態が発生すると、電チューサポートが機能し、第2特図ゲームが主に行われ、大当たり後に90%という高い確率で発生する。したがって、有利状態中に第1特図ゲームが大当たりとならずに、第2特図ゲームだけが大当たりとなっていれば、大当たり状態発生毎に有利状態が継続する確率が高くなり、長い期間に渡る有利状態が発生する可能性がある。
【0192】
しかし、第1特図ゲームで大当たりとなると、高い確率で通常の状態に戻ってしまうことになる。
このような条件で、前記例と同様の遊技制御を行うと、有利状態となって、短い変動表示時間の第2特図ゲームをほぼ絶え間なく行うことが可能な状態となり、第1特図ゲームは、その変動表示時間が長くされることから、第1特図ゲームが行われている間に、第1特図ゲームで小当たりが報知される可能性が極めて高く、有利状態中に、第1特図ゲームが大当たりとなることがなくなり、第2特図ゲームだけが実行されるので、一度、有利状態となると、高い確率で有利状態が継続することになり、電チューサポートにより、遊技球の消費を抑えた状態で、次の大当たりの発生待つ状態が連続することで、持球をあまり減らさずに大当たり発生毎に持球を増加させる状態が、長い期間に渡って継続する可能性が高まることになる。
【0193】
このような変形例においても、
図1に示す遊技盤1を用いることが可能で、制御系も
図2に示すブロック図に対応するものを使用可能となっている。また、第2特図ゲームの小当たりにより、第1特図ゲームの大当たりをはずれとする処理も、基本的に
図3および
図4に示すフローチャートの処理を用いることが可能となるが、このフローチャートにおける有利状態としての確変状態が大当たり確率の変動を伴わない電チューサポートだけの有利状態となり、時短状態に関係する処理が行われない点が前記例と異なることになる。
【0194】
以上から変形例では、有利状態制御手段としての主制御装置231は、有利状態における普通変動入賞装置53の単位時間当たりに開状態となる期間を通常の状態より増加可能とすることで、有利状態を通常の状態より遊技者に有利な状態とし、有利状態制御手段が、第1抽選の結果が大当たりとなった場合に有利抽選で通常の状態となる確率を有利状態となる確率より大きくし、第2抽選の結果が大当たりとなった場合に有利抽選で通常の状態となる確率を有利状態となる確率より小さくすることにより、第1抽選の結果が大当たりとなると、第2抽選の結果が大当たりとなる場合よりも通常の状態とされる確率が高くなることで、第2抽選の結果が大当たりとなる場合よりも遊技者に不利な状態に移行する可能性を高めたものとなっている。
【0195】
以上のことから、
図1および
図2に関する構成は、変形例でも前記例と同様であり、説明を省略する。また、
図3および
図4に示されるフローチャートの処理も基本的には上述の点を除いて前記例と同様なので、説明を省略する。
変形例においても、第1特図ゲームを第2特図ゲームの小当たりの発生に基いて強制的にはずとすることで、第2始動入賞口55の電チューサポートにより第2特図ゲームが発生し易く、かつ、それに基いて小当たりが頻繁に発生する有利状態となった際に、遊技者に有利な状態を継続可能とする確率が高められることになる。
【0196】
なお、本発明の有利状態は、基本的に、第2始動入賞口55に設けられた普通変動入賞装置53の開放機会が増加して、第2始動入賞口55に遊技球が入賞しやすい状態となる必要があるが、その他の点では、大当たり確率を高くしても良いし、大当たりラウンド数を多くしても良いし、どのような点を有利にしてもよい。
【0197】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基いて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。