(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記厚さ規定手段は、ミクロン・オーダのサイズを有する複数のスペーサであって前記液晶成分混合物内に分散させられるものと、前記透過性サブストレートの表面上にパターニング加工された複数の凸部とのうちのいずれかを含む請求項1に記載の液晶デバイス。
さらに、前記液晶デバイスを、前記透過性サブストレートと前記反対側サブストレートとの間からの前記液晶成分混合物の漏れがないかまたはあるとしても実質的にないように、切断する工程を含む請求項9に記載の方法。
さらに、前記外的刺激を前記液晶デバイスに一様に与える工程と、前記安定化ポリマを予め設定されたパターンを成すように形成するために、前記液晶デバイスの全体にわたり、前記外的刺激を非一様に与える工程とのうちのいずれかを含む請求項8に記載の方法。
【背景技術】
【0004】
放射エネルギー、例えば、光および熱を、特に、建物や他の用途において太陽熱の利得を調整する(規制する、regulate)というようないくつかの用途において制御するという問題が、可視赤外(optical and infrared、可視光と赤外線、可視熱線)を用いる多くの方法論を用いて、以前から扱われてきた。光黒化材料(photodarkening materials)は、何十年にわたり、例えばサングラスのレンズにおいて、当該材料が紫外(UV)放射線(radiation)により励起されるときに入射光を選択的に減衰させるために使用されてきた。このような材料は、窓に組み込まれると、明るい太陽光を減衰させるためには黒化(darkning)により、また、人工光または拡散昼光が遮断されることなく通過することを可能にするためには再び透明になることにより、構造物の内部温度を調節するために使用することができる。このようなシステムは、受動型であるとともに自己調節型であり、そのシステムの動作のために、周囲の紫外光を除き、外部信号を必要としない。しかしながら、このようなシステムは、温度よりむしろ紫外線により制御されるため、温度調節という用途においては実用性に限界がある。例えば、このようなシステムは、暑い気候において不要光を遮断するのみならず、寒い気候において必要光を遮断する可能性がある。このシステムは、また、UV遮断材の背後に配置されると、機能せず、そのようなUV遮断材の一例としては、透過性を有し、かつ、スペクトル選択的(spectrally-selective)であり、かつ、低放射性(low-emissivity)を有するコーティング(coatings)であって窓の業界において一般的であるものがある。
【0005】
米国特許第7,755,829号は、光学フィルタを開示しており、その光学フィルタは、窓フィルムまたは光調節および熱調節を行う他の建材として用いることが可能であり、それら窓フィルムまたは他の建材は、サーモトロピックで、低クリアリング・ポイントを有し、かつ、ねじれネマティック型である液晶により構成され、その液晶は、2つの反射型ポラライザ間に挟まれており、それら反射型ポラライザは、窓フィルムまたは光調節および熱調節を行う他の建材として用いることが可能である。同様に、Powersらによる米国特許出願公開第2009/0167971号においては、熱黒化(thermodarkening)フィルタが、建材の部品、例えば、窓フィルムとして開示されており、その熱黒化フィルタは、低クリアリング・ポイント型液晶であって2つの吸収型ポラライザ間に挟まれたものにより構成されている。さらに、Powersらによる米国特許出願公開第2010/0045924号および第2010/0259698号が、サーモトロピックで調光を行う液晶デバイスであって、偏光を行うサブストレートを必要とはしないものを開示している。さらに、Powersらによる米国特許出願公開第2010/0045924号は、このようなフィルタ技術であって、前記サーモトロピック液晶がポリマによって安定化させられるものを製造するいくつかの方法を説明している。
【0006】
複数の液晶(LC)成分を混合することが、目標の特性であって、例えば、複屈折度、クリアリング・ポイント、液晶化温度(crystallization point)および融点(melting point)についての特定の値(例えば、ビデオ・ディスプレイで使用するために)のようなものを得るために、何十年にわたり、行われてきているとともに、先行技術(the prior art)において十分に説明されている。安定化を行う複数のポリマ(stabilizing polymer)または複数のポリマ・ネットワーク(ポリマ網目構造、polymer networks)を液晶内で混合および硬化させること(例えば、フレキシブルな(軟質の、可撓性を有する、柔軟な)液晶デバイスで使用するために)もこれまで十分に説明されてきている。しかし、サーモトロピックで、低クリアリング・ポイント型で、ポリマ安定化型である液晶であって、ねじれネマティック型で、温度応答切換え型(thermally switched)で調光および熱調節を行うデバイスでの使用に適しているものの組成(formulations, 調製法、調製物)はこれまで存在していない。
【0007】
複数のポリマを用いて液晶混合物のドーピングまたは安定化を行うことも十分に説明されており、それらには、種々の命名法(nomenclature)のもと、例えば、ポリマ分散(polymer-dispersed)液晶(PDLC)、ポリマ強化(polymer-enhanced)液晶(PELC)、ポリマ安定化ねじれネマティック(PSTN)、ポリマ・ネットワークねじれネマティック(PNTN)、ピクセル分離(pixel isolated)液晶(ピクセル隔離液晶、ピクセル孤立液晶、PILC)、液晶分散剤(dispersions)および他のものがある。例えば、Satyendraらに付与された米国特許第7,355,668号は、ポリマ強化液晶デバイスを開示しており、そのデバイスは、剛質または軟質の複数枚のサブストレートが組み込まれ、それらサブストレートは、ポリマの「複数のコラム(columns)」を有し、それらコラムは、種々の温度の影響下で、プレポリマ(prepolymer、初期重合体)(例えば、Norland社のNOA77またはNOA78光接着剤)と液晶(例えば、Merck社のE7, E48またはE31)との相分離(phase separation)が行われることにより、複数枚のサブストレート・フィルム間に形成される。それらプレポリマおよび液晶は、前記液晶のクリアリング・ポイントより高い温度で混合され、その後、それらプレポリマおよび液晶が相分離して重合する(polymerize)ように、前記クリアリング・ポイントより低い温度で冷却される。
【0008】
別の例が、Hassan-aliらに付与された米国特許第6,049,366号であり、この米国特許は、ポリマ安定化液晶と、その液晶を用いた柔軟なデバイスとを開示している。この設計態様においては、前記プレポリマの前記液晶からの相分離および硬化が、UV硬化ランプまたは熱源の影響下に行われる。前記液晶は、前記米国特許の出願に開示されている、材料についての膨大な数の取合せ(組合せ)のうちのいずれで製造してもよく、また、前記プレポリマも同様に、材料についての膨大な数の取合せ(組合せ)のうちのいずれで製造しもよく、それら材料は、Croda Resins社から入手可能なCN934, CN94760, CN970A60, CN945B85およびUVS-500と、UCB Chemicals社から入手可能なEBECRYL resin 284および810と、Henkel社から入手可能なPhotometric 6000シリーズ(6010, 6210, 6008など)を含むが、それらに限定されない。
【0009】
ポリマ・ネットワークが、相分離および/または硬化によって形成され、それら相分離および/または硬化は、光重合開始剤(photo-initiation)、可視光、赤外光、電場(電界、electric fields)、レーザ、荷電粒子(charged particles)ビームまたは化学触媒、および溶媒誘起(solvent-induced)相分離法(SIPS)、熱誘起(thermally-induced)相分離法(TIPS)、重合誘起(poymerization-induced)相分離法(PIPS)などが行われる結果として行われるか、または、それらによって誘起されることによって行われる。さらに、周期的または非周期的なパターン(模様)を前記ポリマ上に与えることが可能であり、なぜなら、そのポリマは、マスキングおよび回折または他の同様な方法を、画像、グリッド、格子(grating、回折格子)、ホログラフィック材料またはフォトニック材料が形成されるように行うことによって硬化するからであり、このことは、例えば、Y. J. LiuおよびX. W. Sunの共著に係る「Holographic Polymer-Dispersed Liquid Crystals: Materials, Formation, and Applications」(Hindawi Publishing Corporationが発行した「Advances in OptoElectronics、第2008巻」中に記事番号684349として掲載されている)に説明されている。
【0010】
前述のいくつかのポリマ安定化液晶デバイスは、電気的に作動するビデオ・ディスプレイまたは他の電子−光学(電光変換型)デバイスという用途に使用されることを意図されているため、それら用途に関連付けられる前記ポリマ安定化液晶デバイスは、透過性を有する電極層(例えば、酸化インジウム・スズITO)を明示的に含有しており、さらに、明示的であるか暗示的であるかを問わず、電場(electric fields)によって作動させられる(すなわち、物理的に再配向される)ことを意図された液晶を説明している。
【0011】
本明細書のこの背景技術の欄に含まれる情報であって、本明細書に引用されているすべての文献またはそれら文献についての説明のすべてを含むものは、技術的な参照のみを目的としており、後述の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲が拘束されるべき主題であると考えるべきではない。
本発明により、以下の複数の態様が提供される。
(態様1)
リサイズ可能で、ポリマ安定化型で、サーモトロピックな液晶デバイスであって、
透過性を有するサブストレートと、
複数の液晶成分が混合された液晶成分混合物であって、前記サブストレートをコーティングするとともに、大気温度の常温域内のクリアリング・ポイントと、予想される最低大気温度より低い凝固点とを有するものと、
前記液晶成分混合物の前記コーティングの厚さを規定する厚さ規定手段と、
前記液晶成分混合物と接合するように前記サブストレート上に提供される安定化ポリマであって、外的刺激の影響下に硬化するものと
を含む液晶デバイス。
(態様2)
さらに、前記サブストレート上に提供される表面処理材であって、前記サブストレートとのポリマ接着を促進するとともに、少なくとも1つの波長帯域に対して全体的にまたは部分的に透過性または半透過性を有するものを含む態様1に記載の液晶デバイス。
(態様3)
前記安定化ポリマは、前記サブストレートと前記表面処理材とのうちのいずれか一方または両方に接着する態様1に記載の液晶デバイス。
(態様4)
前記厚さ規定手段は、ミクロン・オーダのサイズを有する複数のスペーサであって前記液晶成分混合物内に分散させられるものを含む態様1に記載の液晶デバイス。
(態様5)
さらに、
前記サブストレートとは反対側に位置する反対側サブストレートであって透過性を有するものと、
前記サブストレートおよび前記反対側サブストレート上に提供される表面処理材であって、前記サブストレートおよび前記反対側サブストレートとのポリマ接着を促進するとともに、少なくとも1つの波長帯域に対して全体的にまたは部分的に透過性または半透過性を有するものと
を含み、
前記厚さ規定手段は、ミクロン・オーダのサイズを有する複数のスペーサであって前記液晶成分混合物内に分散させられるものを含み、
前記反対側サブストレートは、前記サブストレート上の、前記液晶成分混合物と、前記複数のスペーサと、前記安定化ポリマとを覆うように配置されるとともに、その安定化ポリマに接着する態様1に記載の液晶デバイス。
(態様6)
前記表面処理材は、前記液晶成分混合物のための配向層として作用する態様2に記載の液晶デバイス。
(態様7)
前記表面処理材は、前記サブストレートと一体化された特徴部である態様2に記載の液晶デバイス。
(態様8)
前記表面処理材は、前記サブストレートに塗布される材料として、エチル・シアノアクリレート(ethyl cyanoacrylates)と、メチル・シアノアクリレート(methyl cyanoacrylates)と、チオール・エン(thiol-ene)接着剤と、ジアクリレート(diacrylates)と、トリアクリレート(triacrylates)と、メタクリレート(metacrylates)と、ウレタン・アクリレート(urethan acrylates)と、アクリレート化エポキシ(acrylated epoxies)と、ポリイミド(polyimides)と、ポリスチレン(polystyrenes)と、ビニル・ポリマ(vinyl polymers)と、フルオロポリマ(fluoropolymers)と、イオネン(ionenes)と、ポリアルケン(polyalkenes)と、ナイロン(nylons)と、ポリエステル(polyesters)とのうちの少なくとも一つを含む態様2に記載の液晶デバイス。
(態様9)
前記安定化ポリマは、前記液晶成分混合物内に分散させられる態様1に記載の液晶デバイス。
(態様10)
前記安定化ポリマは、前記サブストレート上にあるパターンを成すように形成される態様1に記載の液晶デバイス。
(態様11)
前記液晶成分混合物は、前記安定化ポリマに対して混和性を有しており、
その安定化ポリマは、マトリクスであってそれの内部に前記液晶成分混合物が滞留させられるものを形成する態様9に記載の液晶デバイス。
(態様12)
前記安定化ポリマは、前記液晶成分混合物から相分離される態様1に記載の液晶デバイス。
(態様13)
前記安定化ポリマは、前記液晶成分混合物の外周まわりに配置されるとともに、前記サブストレートと前記反対側サブストレートとの間の外側エッジを封止する態様5に記載の液晶デバイス。
(態様14)
前記厚さ規定手段は、前記サブストレートの表面上にパターニング加工された複数の凸部を含む態様1に記載の液晶デバイス。
(態様15)
前記外的刺激は、光、熱および紫外線のうちの少なくとも1つを含む態様1に記載の液晶デバイス。
(態様16)
前記液晶成分混合物は、紫外線の照射時に安定している態様1に記載の液晶デバイス。
(態様17)
前記安定化ポリマは、前記サブストレートおよび前記反対側サブストレートの間において前記液晶成分混合物を部分的にまたは全体的に滞留させる態様5に記載の液晶デバイス。
(態様18)
前記液晶成分混合物は、ねじれネマティック相を用いるデバイスの使用に適している態様1に記載の液晶デバイス。
(態様19)
前記液晶成分混合物は、ゲスト−ホスト型デバイスの使用に適している態様1に記載の液晶デバイス。
(態様20)
前記液晶成分混合物は、クリアリング・ポイントを0℃と50℃との間に有する態様1に記載の液晶デバイス。
(態様21)
前記安定化ポリマは、光重合開始剤または熱重合開始剤を有する態様1に記載の液晶デバイス。
(態様22)
リサイズ可能で、ポリマ安定化型で、サーモトロピックな液晶デバイスを製造する方法であって、
透過性を有するサブストレートを提供する工程と、
前記サブストレートを、複数の液晶成分が混合された液晶成分混合物でコーティングする工程であって、前記液晶成分混合物は、大気温度の常温域内のクリアリング・ポイントと、予想される最低大気温度より低い凝固点とを有するものと、
前記液晶成分混合物の前記コーティングの厚さを規定するとともに維持する厚さ規定・維持工程と、
安定化ポリマを前記サブストレートに、前記液晶成分混合物と接合するように塗布する塗布工程と、
前記安定化ポリマの接着のために、前記安定化ポリマを外的刺激を用いて硬化させる硬化工程と
を含む方法。
(態様23)
さらに、前記サブストレートの表面を処理する工程であって、その表面を、少なくとも1つの波長帯域に対して全体的にまたは部分的に透過性または半透過性を有するとともに、前記サブストレートとのポリマ接着を促進する表面処理材を用いて処理する工程を含む態様22に記載の方法。
(態様24)
前記厚さ規定・維持工程は、ミクロン・オーダのサイズを有する複数のスペーサを前記液晶成分混合物内に分散させる工程を含む態様22に記載の方法。
(態様25)
さらに、
前記サブストレートとは反対側に位置する反対側サブストレートであって透過性を有するものを提供する工程と、
前記サブストレートおよび前記反対側サブストレートの表面を処理する工程であって、その表面を、全体的にまたは部分的に透過性または半透過性を有するとともに、前記反対側サブストレートとのポリマ接着を促進する表面処理材を用いて処理する工程と、
前記厚さ規定・維持工程の一部として、ミクロン・オーダのサイズを有する複数のスペーサを前記液晶成分混合物内に分散させる工程と、
前記反対側サブストレートを、前記サブストレート上の、前記液晶成分混合物と、前記複数のスペーサと、前記安定化ポリマとを覆うように配置する工程と、
前記反対側サブストレートを、前記表面処理材を用いて、前記安定化ポリマに接着する工程と
を含む態様22に記載の方法。
(態様26)
さらに、前記液晶デバイスを、前記サブストレートと前記反対側サブストレートとの間からの前記液晶成分混合物の漏れがないかまたはあるとしても実質的にないように、切断する工程を含む態様25に記載の方法。
(態様27)
さらに、前記安定化ポリマを切断した後に、前記透過性を有するサブストレートを、前記液晶成分混合物と前記安定化ポリマとから除去する工程を含む態様22に記載の方法。
(態様28)
さらに、前記外的刺激を前記液晶デバイスに一様に与える工程を含む態様22に記載の方法。
(態様29)
さらに、前記安定化ポリマを予め設定されたパターンを成すように形成するために、前記液晶デバイスの全体にわたり、前記外的刺激を非一様に与える工程を含む態様22に記載の方法。
(態様30)
前記塗布工程は、さらに、前記安定化ポリマを前記サブストレートの全体にわたり、あるパターンを成すように塗布する工程を含む態様22に記載の方法。
(態様31)
前記液晶成分混合物は、前記安定化ポリマに対して混和性を有しており、
前記硬化工程は、前記安定化ポリマのマトリクスであって、それの内部に前記液晶成分混合物が滞留させられるものを形成する態様22に記載の方法。
(態様32)
前記塗布工程は、さらに、
前記安定化ポリマを、前記液晶成分混合物の外周まわりに塗布する工程と、
前記サブストレートと前記反対側サブストレートとの間の外側エッジを封止する工程と を含む態様25に記載の方法。
(態様33)
前記硬化工程は、
前記安定化ポリマを固化する工程と、
前記安定化ポリマを融解させて再固化する工程と、
前記安定化ポリマを架橋結合する工程と
のうちのいずれかを含む態様22に記載の方法。
(態様34)
前記硬化工程は、前記安定化ポリマに対する複数のアクションのうちのいずれかを含み、
前記複数のアクションは、加熱と、光重合開始と、可視光照射と、紫外線照射と、電子線照射と、エポキシ硬化と、水の使用と、溶媒濃度の変化と、化学的促進剤の提供とを含む態様22に記載の方法。
(態様35)
さらに、光重合開始剤または熱重合開始剤を前記透過性または半透過性を有する表面処理材内に添加する工程を含む態様23に記載の方法。
(態様36)
さらに、前記液晶成分混合物の組成を、前記安定化ポリマの屈折率と実質的に同じ屈折率を有するように選択するか、または、前記安定化ポリマの組成を、前記液晶成分混合物の屈折率と実質的に同じ屈折率を有するように選択する工程を含む態様22に記載の方法。
(態様37)
さらに、前記クリアリング・ポイントを、前記大気温度の常温域より高温となるかまたは低温となるように変更し、それにより、前記液晶成分混合物のサーモトロピック特性が、大気温度環境以外の温度環境において予想される作動温度において発現されるようにする工程を含む態様22に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ポリマ安定化型で、サーモトロピック型で、温度応答切換え型(thermally switched)で、低クリアリング・ポイント型で、液晶をベースとするデバイスであって調光を行う建材に使用することが好適であるものが、サーモクロミック型もしくはサーモトロピック型である可視近赤外(optical and near infrared)フィルタ(例えば、サーモクロミック窓フィルタであって、サーモリフレクティブ(thermoreflective)、サーモアブソープティブ(thermoabsorptive、温度に応じて吸収特性が変化する)、サーモデフューシブ(thermodiffusive、温度に応じて拡散特性が変化する)、およびサーモフルオレセント(thermofluorescent、温度に応じて蛍光特性が変化する)である窓フィルタを含むもの)を形成するように用いることが可能であり、それらフィルタは、種々の態様で構成することが可能であり、そのような態様として、剛質の構造体(例えば、窓)があり、さらに、固さを有し(robust、形態に関して自己保持性を有し)、明るくて(light)、柔軟な構造体(例えば、フィルム)がある。本明細書に開示されているデバイスのいくつかの実施態様は、5つの基礎的な要素、すなわち、1以上のサブストレートと、光についての1以上の波長帯域に対して透過性(transparent)または半透過性(translucent)を有する1以上の表面処理材と、液晶混合物と、1以上の安定化ポリマと、複数のスペーサとにより構成してもよい。いくつかの実施態様においては、それら5つの要素がすべて存在するが、他のいくつかの実施態様においては、それら要素のうちの2以上の要素の機能が1つの要素に結合される。本明細書に開示されているいくつかの実施態様においては、前述のポリマ安定化液晶が、1以上のサブストレート上にコーティングされて硬化させられる。
【0021】
「ポリマ安定化」という用語は、ねじれネマティック(twisted nematic)液晶に関して言えば、しばしば、ネマティック状態自体の安定化を特に意味する。その理由は、そのようなポリマは、複数の液晶分子がネマティック(リニア(linear、直線配向的)(例えば、ホメオトロピック(homeotropic)またはプレーナ(planar、水平配向的))なネマティックであるか、ねじれネマティックであるかを問わない)配向を取ることを促進する配向で硬化させられ、液晶デバイス(例えば、電光変換(electro-optical)型ビデオ・ディスプレイ)の要求事項であるスイッチング回数およびスイッチング・エネルギーを減少させることが可能であるからである。「ポリマ安定化」という用語で説明される液晶デバイスまたは液晶組成は、しばしば、約5%より低いパーセントのポリマを含有してきた。逆に、「ポリマ分散」という用語で説明される液晶デバイスまたは液晶組成は、しばしば、より高いパーセント(例えば、10%以上)のポリマを含有してきた。しかし、それら2つの用語は、しばしば、相互に置換可能に使用されるとともに、ポリマ・ネットワークなどのような前述の他の用語とも置換可能に使用される。
【0022】
この書類の解釈上、「安定化(stabilized、安定化させられる)」という単語は、上述の複数の意味の超集合(superset、他の集合を含む集合)によって定義され、それら意味としては、種類の如何を問わず、液晶材料またはその材料を組み込んだデバイスの物理的安定化、LC配向安定化(LC oritentation stabililzation)、機械的な封入もしくはカプセル化(mechanical containment or encapsulation)、間隔設定(spacing、間隔調整)などがある。このように、この書類の文脈においては、「ポリマ安定化(polymer-stabilized)液晶」という用語は、ポリマ分散(polymer-dispersed)液晶(PDLC)、ポリマ強化(polymer-enhanced)液晶(PELC)、ポリマ安定化ねじれネマティック(PSTN)、ポリマ・ネットワークねじれネマティック(PNTN)、ピクセル分離(pixel isolated)液晶(ピクセル隔離液晶、ピクセル孤立液晶、PILC)、および、他のLC合成組成(composite formulation)であって複数のポリマが、本明細書に開示されている目的のために、液晶と混合され、液晶と分散させられ、または液晶と交互に並ばせられるものを包含する。さらに、この定義は、液晶の配向および形態(morphology)から独立して解釈し、かつ、その定義が、ねじれネマティック状態およびそれを有するデバイスにとって好適な組成を説明するのみならず、スーパー・ツイスト(supertwist)型、垂直配向型、スメクティック型、ゲスト−ホスト型、ブルー相型、パイ・セル(pi cell)型、カイラル(chiral)型、ディスコティック(discotic)型、および、他の液晶状態およびそれを有するデバイスの多数の組合せをも説明するように、解釈すべきである。さらに、この定義は、前記ポリマを前記液晶から相分離するための特定のメカニズムも、前記ポリマの硬化または重合化(例えば、熱、光重合開始剤、UV(紫外線)、可視光、制御された温度変化、溶媒濃度の変化、化学的触媒などによる)を行うための特定のメカニズムも意味しないし、また、この定義は、それらメカニズムのいずれによっても影響を受けない。最後に、「安定化(stabilized、安定化させられる)」というこの用語は、重合化のためのまさにその実際のメカニズムから独立して解釈し、かつ、複数のモノマを、「付加型重合(addition polymerization、段階成長重合、段階的増大化重合)」、「縮合型重合(condensation polymerization)」、「段階重合(step-growth polymerization)」、「連鎖重合(chain-growth polymerization、連鎖成長重合、連鎖的増大化重合)」または他のメカニズムによって結合することによって形成される複数のポリマが、いずれも「安定化ポリマ」として、前述と同様に、十分に説明されるように、解釈すべきである。
【0023】
本明細書に記載されているいくつかの例示的な実施態様においては、前記サブストレートを、光についてのいくつかの波長帯域に対して少なくとも部分的に透過性(transparent)または半透過性(translucent)を有するものとし、それにより、特性の波長帯域(例えば、太陽から放射線であって、可視光と近赤外線とを有するもの)において光の透過を許可することが可能である。ある例示的な実施態様においては、前記1枚のサブストレートまたは前記複数枚のサブストレートが、偏光を行う構造体または材料により構成されるかまたはそれを組み込み、それにより、光学「シャッタ」を実現することが可能であり、その光学シャッタにおいては、それの液晶が、例えば、Powersらに付与された米国特許第7,755,829号に記載されているサーモトロピック型ねじれネマティック結晶である。別の例示的な実施態様においては、前記1枚のサブストレートまたは前記複数枚のサブストレートが、非偏光型にして、光学「シャッタ」を実現することが可能であり、その光学シャッタにおいては、それの液晶が、例えば、Powersらによる米国特許出願公開第2010/0259698号に記載されているサーモトロピック型ゲスト−ホスト結晶である。透過性または半透過性を有する表面処理材が前記1枚のサブストレートまたは前記複数枚のサブストレートに塗布されるいくつかの事例においては、そのサブストレートの材料が前記表面処理材の必要十分な接着力を可能にすることが必要である点を除き、そのサブストレートの実際の組成は重要ではないかもしれない。他のいくつかの事例においては、前記表面処理材を、前記サブストレートと一体化させることが可能であり、そして、それら事例においては、そのサブストレートの組成は重要であるかもしれない。
【0024】
前述の、透過性を有する表面処理材は、サブストレート材に塗布されるか、または、可能性として、サブストレート材と一体化させられる(すなわち、サブストレートが、表面処理材を必要としないか、または、それ自身、表面処理材として作用するように選択されたサブストレート)。この表面処理材は、前述のポリマ安定化液晶材料の接着を促進するとともに、そのポリマ安定化液晶材料との化学反応を防止する。液晶の種類、サーモトロピック相転移の種類、および当該デバイスに採用されるポリマ安定化法の種類に応じ、前記表面処理材は、液晶配向層としても作用する可能性がある。このような場合には、その表面処理材が、複数の液晶分子の配向を促進することを目的として、ラビング処理され、延伸させられ、エンボス加工され、または、粗面化加工される(textured、凹凸加工される)可能性がある。それに代えて、前記表面処理材は、他の方法、例えば、その表面処理材のもともとの(それ自身に最初から備わっている)化学的または物理的な性質により、配向を誘起することが可能である。さらに、前記表面処理材は、ダイクロイック膜として作用することが可能であり、そのダイクロイック膜は、前記サブストレートおよび/または前記液晶とは異なる屈折率を有する。前記表面処理材は、さらに、色素分子(dye molecules、染料分子)のような他の分子にとってのアンカ(anchor、係留手段)としても作用することが可能である。いくつかの例示的な実施態様においては、前記表面処理材が、硬化可能なポリマである可能性がある。複数の適切な化学的分類は、エチル・シアノアクリレート(ethyl cyanoacrylates、シアノアクリル酸エチル)、メチル・シアノアクリレート(methyl cyanoacrylates、シアノアクリル酸メチル)、チオール・エン(thiol-ene、チオレン)接着剤、アクリレート(acrylates)、ジアクリレート(diacrylates)、トリアクリレート(triacrylates)、メタクリレート(metacrylates)、ウレタン・アクリレート(urethan acrylates)およびアクリル化エポキシ(acrylated epoxies)を含むが、それらに限定されない。
【0025】
表面処理材の具体的ないくつかの例であって、今回の用途に適切である可能性があるものは、次のもののうちの少なくとも1つを非排他的に含んでおり、それらは、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル・アクリレート13(2-(2ethoxyethoxy) ethyl acrylate 13)と、テトラヒドロフルフル・アクリレート18(tetrahydrofurfuryl acrylate 18)と、1,6ヘキサンジオール・ジアクリレート22(1,6 hexanediol diacrylate 22)と、トリプロピレングリコール・ジアクリレート17(tripropyleneglycol diacrylate 17)と、ポリエチレングリコール・ジアクリレート10(polyethyleneglycol diacrylate 10)と、プロポキシ化ネオペンチルグリコール・ジアクリレート16(propoxylated neopentylglycol diacrylate 16)と、トリメチロールプロパン・トリアクリレート28(trimethylolpropane triacrylate 28)と、エトキシル化トリメチロールプロパン・トリアクリレート19(ethoxylated trimethylolpropane triacrylate 19)と、Satromer社のSR295, SR339, SR340またはSR368と、Sartomer社のCN9008と、Sartomer社のCN991と、Sartomer社のPRO12127およびPRO12228と、Devcon社のPB(樹脂接着)という接着剤のシリーズのうちのいずれかと、Bekaert Specialty Films社のHardcoat-DおよびHardcoat-RBと、Croda Resins社のCN934, CN94760, CN970A60, CN945B85およびUVS-500と、UCB Chemicals社のEBECRYL resin 284および810と、Henkel社のPhotometric 6000というシリーズ(6010, 6210, 6008など)のうちのいずれかとである。
【0026】
透過性または半透過性を有する無機コーティングであって、二酸化ケイ素(SiO
2)、二酸化チタン(TiO
2)、一酸化スズ(SnO)、サファイヤ、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)および他の種々の材料のようなものが、ポリマ製フィルムを含む種々のサブストレートにますます利用可能となっている。当該液晶デバイスについてのいくつかの実施態様は、無機表面処理材を、有機表面処理材に代わるかまたはそれに追加するように用いることが可能である。前記表面処理材がサーモプラスチック材料(熱可塑性材料)(例えば、ヒート・シール処理(heat sealing、熱溶着)の補助材として、または、前記複数のスペーサ・ビーズを熱融解(heat-melting)させて使用可能な状態にする手段として)であることも望ましい可能性がある。今回の用途に好適ないくつかの材料として、アモルファス(非晶質)・ポリエチレン・テレフタレート(amorphous polyethylene terephthalate (APET))のようなアモルファス・ポリエステル(amorphous polyesters)と、ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol (PETG))と、テレフタル酸エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリマ(ethylene glycol-terephthalic acid-1,4-cyclohexanedimethanol copolymer (PCTG))とがあるが、他のものも多数存在し、それらは、フット素化エチレン・プロピレン(fluorinated ethylene propylene (FEP))、エチレン・テトラフルオロエチレン(ethylene tetrafluoroethylene (ETFE))およびポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene (PTFE))のような高融点熱可塑性材料(high-melting-point thermoplastics)を含んでいる。
【0027】
注記すべきことは、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate (PET))、結晶性ポリエチレン・テレフタレート(crystalline polyethylene terephthalate (CPET))および2軸延伸ポリプロピレン(biaxially-oriented polypropylene (BOPP))のような高複屈折性材料(high-birefringence materials)が、ポラライザおよび液晶の光学的性質と干渉するという理由で、一般的には、適していないが、異なる複数の層の複数の光軸が正しく位置合わせされれば、複屈折性が実際に利点となるいくつかの用途(例えば、リターダ(retarders、位相差板)またはウエーブプレート(waveplates、波長板)として)が存在する。複数のリターダおよび他の複数の複屈折性材料を光学スタック(optical stack)を成すように位置合わせするいくつかの方法が、先行技術において十分に説明されているため、ここでさらに詳細に説明することは不要である。
【0028】
一般に、液晶は、複数の液晶成分であって、次のいくつかの特性が実現されるように選択されたものの混合物により構成することが可能であり、それら特性としては、大気温度の通常範囲内のクリアリング・ポイント(例えば、クリアリング・ポイントは、人間が生活する環境の温度(「室温」)、例えば、10℃と40℃との間の温度に近い温度であるが、それより高いクリアリング・ポイントおよびそれより低いクリアリング・ポイントを用いることも可能である)と、予想される最低作動温度より低い凝固点、例えば、人間が生活する特定の環境において通常遭遇する温度より低い凝固点(すなわち、−40℃より低温)と、屋外環境において予想される製品寿命が長いことが実現される程度のUV安定性と、時間が経過しても複数の液晶成分が互いに分離しない程度の良好な混和性(miscibility)とがある。凝固点が低いことにより、液晶のネマティック範囲が広くなる(broad nematic range、ネマティックに維持される温度範囲が広くなる)とともに、液晶の結晶化が防止され、その液晶化が起こると、通常の室外温度において前記液晶が不透明となり、それにより、窓フィルムのように透過性が要求される用途において美観(または、機能さえ)が損なわれてしまう。不可欠ではないが、液晶が低毒性であること、例えば、成人の経口摂取による致死量(LD)が100ml以上であることも望ましい。この点、複数のシアノビフェニル(cyanobiphenyls)の混合物であって、3CB, 4CB, 5CB, 6CB, 7CB, 8CB, 8OCB を含むものが良好に作用することが知られており、また、クリアリング・ポイントを必要量、昇温方向に調整するために、B2のような添加剤を少量、添加することが可能である。
【0029】
例えば、67%の5CBと33%の7CBの混合物は、約 37 °Cのクリアリング・ポイントを有する一方、40%の3CBと40%の5CBと20%の7CBの混合物は、約33 °Cのクリアリング・ポイントを有する。40%の3CBと、4%の4CBと、40%の5CBと、15%の7CBと、1%のB2とが組み合せられたより複雑な混合物は、約34 °Cのクリアリング・ポイントを有する。それら混合物のすべては、良好なUV安定性を有し、さらに、−40 °Cより低い凝固点を有する。しかし、偶数番号を付与された複数のシアノビフェニル(4CB, 6CB, 8CB)を含有する混合物は、50℃を超える温度に晒されると、時間と共に化学的安定性が劣化することが観察される可能性がある。建材(building material)という用途であって、昼間に取り得る温度(最高温度)は80℃で、場合によっては90℃でもあるものについては、それら液晶成分は、適切ではない可能性がある。逆に、奇数番号を付与された複数のシアノビフェニル(3CB, 5CB, 7CB)を含有する混合物は、それら上昇した温度において、時間の経過に対する安定性がより高く、よって、スマート・ウインドウ(smart windows、高性能窓)のような建材の用途に特によく適している可能性がある。さらに、それら成分の組成(formulas、配合)を、クリアリング・ポイントを大気温度の通常範囲より高温にしたり低温にし、それにより、複数の液晶成分の混合物のサーモトロピック特性が、大気環境以外の環境(exotic environments)において予想される作動温度において発現するようにするために、変更することが可能であり、その大気環境以外の環境(exotic environments)は、例えば、自動車、飛行機および宇宙船を含むが、それらに限定されない。
【0030】
他の有用な添加剤は、エステル(ester)およびシアノテルフェニル(cyanoterphenyl)を含むことが可能であり、また、前記液晶は、Merck社のZLI-811またはHuarui Scientific社のS811のようなカイラル・ドーパントを少量(通常、1%の約10分の1であるが、これまで、それとは異なる量が問題なく用いられてきた)含有することも可能であり、その目的は、ネマティック相からアイソトロピック相への転移およびその逆向きの転移の間、または、他の複数のサーモトロピック相間の転移の間、前記液晶のディスクリネーション線(disclination lines)の出現を抑制することにある。多くのLC(液晶)成分とは異なり、5CBおよび6CBは、室温で液体であり、室温であると通常では固体である多数の他の液晶成分にとっての効果的な溶剤(solvent)として作用することが可能である。よって、室温では粉末状である液晶成分を、室温では液体である他の液晶成分に混合させることが、それら液晶成分の複数の粉末を融解させ、その後、一緒に混合させる方法よりも、それら粉末を一緒に混合させ、その後、それら粉末がすべて溶解するまで加熱する方法よりも、便利である。その液晶が共晶混合物であることと、その液晶が、低クリアリング・ポイントに加えて広いネマティック範囲を有することとのうちの少なくとも1つが成立する可能性がある。
【0031】
複数の液晶成分を混合させる技術は一般に知られており、上述のいくつかの組成は、本技術についてのいくつかの例示的な実施態様に過ぎない。クリアリング・ポイントのような性質は、複数の成分のそれぞれのクリアリング・ポイントの平均値であって、その混合物内のそれぞれの成分の配合比率によって重み付けされたものに近づく傾向がある。凝固点のような他の性質は、異種の複数の成分をある方法で混合させることによって改善され、その方法によれば、2つの成分は、それぞれ、35℃(例)の凝固点を有するが、それら成分が一緒に混合させられると、それら成分は、通常、一層より低い凝固点(例えば、−40℃より低い)を有するようになり、なぜなら、異種の複数の分子において完全な結晶秩序(crystalline order)を実現するために、より低い温度(すなわち、より低速の分子運動)が必要であるからである。UV耐性(UV resistance)のような、さらに別の性質が、前記混合物のうち、最も弱い成分によって決まり、なぜなら、前記混合物の複数の成分のうちのいずれかが分解(break down、変化)し始めるとすぐに、不要な化学組成物が出現し始まるからである。複数の混合物は、意図された環境においてそれら混合物が互いに混和するように選択することが可能である。それらは、液晶の分野においてよく知られた原理であり、また、本明細書に開示されている技術に適している種々の液晶混合物を生成することが可能である。
【0032】
本明細書に記載されているいくつかのデバイスについてのいくつかの実施態様に使用することが可能である複数の液晶成分の部分的なリストは、次のものを含むことが可能であり、それらは、パラ−置換ベンズアルデヒド(para-substituted benzaldehyde)とパラ置換アニリン(parasubstituted aniline)との反応から一般に調製されるベンジリデンアニリン(benzylideneanilines)、適切なアルデヒド(aldehyde)とp−アミノスチレン(p-aminostyrene)との反応から調製されるN−(p−アルコキシベンジリデン)−p−アミノスチレン(N-(p-alkoxybenzylidene)-p-amiostyrenes)、ベータシトステロール(beta sitosterol)の誘導体、シアノベンジリデンアミノ−シンナメート(cyano benzylidene amino-cinnamate)の活性アミルエステル(amyl ester)、p−フェニレンp−アルコキシベンゾエート(p-phenylene p-alkoxybenzoates)などのp−フェニレン(p-phenylene)含有化合物、アミノアセトフェノン(aminoacetophenones)、アミノプロピオフェノン(aminopropiophenones)、フェニレンジアミン(phenylenediamines)、クロロフェニレンジアミン(chlorophenylenediamines)、テレフタル(terephthals)、p,p’−二置換ジフェニルアセチレン(p,p’-disubstituted diphenylacetylenes)、p,p’−二置換−1,4−ジフェニルブタジエン(p,p’-disubstituted-1,4-diphenylbutadienes)、p,p’−二置換フェニルベンゾエート(p,p’-disubstituted phenyl benzoates)、置換フェニルアルキルカーボネート(substituted phenyl alkyl carbonates)および炭酸ジフェニル(diphenyl carbonates)、p−n−アルキル安息香酸(p-n-alkyl benzoic acids)、p−n−アルコキシ安息香酸(p-n-alkoxy benzoic acids)、およびp−置換ベンズアルデヒド(p-substituted benzaldehydes)から調製されるシッフ塩基ならびに以下のタイプの化合物、すなわち、p−フェニレンジアミン(p-phenylenediamines)、4,4’−ジアミノビフェニル(4,4’-diaminobiphenyls)、4−フェニルアゾアニリン(4-phenylazoanilines)、ナフチルアミン(naphthylamines)、およびナフチレンジアミン(naphtylenediamines)などの芳香族有機化合物および脂肪族有機化合物である。
【0033】
本明細書に記載されているいくつかの実施態様に使用される具体的な複数の液晶化合物は、次のもののうちの少なくとも1つを含むことが可能であり、それらは、エチルp−4−エトキシベンジリデンアミノシンナメート(ethyl p-4-ethoxybenzylideneaminocinnamate)、p,p’−アゾキシ安息香酸ジエチルエステル(p,p’-azoxybenzoic acid diethyl ester)、N−(p−メトキシベンジリデン)−p−アミノスチレン(N-(p-methoxybenzylidene)-p-aminostyrene)、N-(p−ブトキシベンジリデン)−p−アミノスチレン(N-(p-butoxybenzylidene)-p-aminostyrene)、p−アゾキシアニソール(p-azoxyanisole)、p−ヘキシルオキシベンザルアジン(p-hexyloxybenzalazine)、p−アゾキシ−フェネトール(p-azoxy-phenetole)、p−アニシリデン−p−ビフェニルアミン(p-anisylidene-p-biphenylamine)、p−エトキシベンジリデン−p−ビフェニルアミン(p-ethoxybenzylindene-p-biphenylamine)、p−アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート(p-anisylidene-p-aminophenyl acetate)、p−エトキシベンジリデン−p−アミノフェニルアセテート(p-ethoxybenzylidene-p-aminophenyl acetate)、p−n−ヘキシルオキシベンジリデン−p−アミノフェニルアセテート(p-n-hexyloxybenzylidene-p-aminophenyl acetate)、p−n−ヘキシルオキシベンジリデン−p−アミノフェニルアセテート(p-n-hexyloxybenzylidene-p-aminophenyl acetate)、デカ−2,4−ジエン酸(deca-2,4-dienoic acid)、4,4’ジ−n−ヘプトキシアゾキシベンゼン(4,4’ di-n-heptoxyazoxybenzene)、4,4’ジ−n−ペントキシアゾキシベンゼン(4,4’ di-n-pentoxyazoxybenzene)、4,4’ジ−n−ブトキシアゾキシベンゼン(4,4’ di-n-butoxyazoxybenzene)、4,4’ジエトキシ−アゾキシベンゼン(4,4’diethoxy-azoxybenzene)、ウンデカ−2,4−ジエン酸(undeca-2,4-dienoic acid)、ノナ−2,4−ジエン酸(nona-2,4-dienoic acid)、4,4’−ジメトキシスチルベン(4,4’-dimethoxystilbene)、2,5−ジ(p−エトキシベンジリデン)シクロペンタノン(2,5-di(p-ethoxybenzylidene)cyclopentanone)、2,7−ジ−(ベンジリデンアミノ)フルオレン(2,7-di-(benzylideneamino)fluorene)、2−p−メトキシベンジリデンアミノ−フェナントレン(2-p-methoxybenzylideneamino-phenanthrene)、4−メトキシ−4”−ニトロ−p−テルフェニル(4-methoxy-4”-nitro-p-terphenyl)、4−p−メトキシベンジリデンアミノビフェニル(4-p-methoxybenzylideneaminobiphenyl)、4,4’−ジ(ベンジリデンアミノ)ビフェニル(4,4’-di(benzylideneamino)biphenyl)、p−n−ヘキシル安息香酸(p-n-hexylbenzoic acid)、p−n−プロポキシ安息香酸(p-n-propoxybenzoic acid)、トランス−p−メトキシケイ皮酸(trans-p-methoxycinnamic acid)、6−メトキシ−2−ナフトエ酸(6-methoxy-2-naphtholic acid)、p−フェニレンジ−p−アニセート(p-phenylene di-p-anisate)、p−フェニレンジ−p−エトキシベンゾエート(p-phenylene di-p-ethoxybenzoate)、p−フェニレンジ−p−n−ヘキシルオキシベンゾエート(p-phenylene di-p-n-hexyloxybenzoate)、p−フェニレンジ−p−n−ヘプチルオキシベンゾエート(p-phenylene di-p-n-heptyloxybenzoate)、p−フェニレンジ−p−n−オクチルオキシベンゾエート(p-phenylene di-p-n-octyloxybenzoate)、1,4−ビシクロ[2.2.2.]オクチレンジ−p−アニセート(1,4-bicyclo[2.2.2.]octylene di-p-anisate)、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレンジ−p−n−オクチルオキシベンゾエート(1,4-bicyclo[2.2.2]octylene di-p-n-octyloxybenzoate)、トランス−1,4−シクロへキシレンジ−p−n−ブトキシベンゾエート(trans-1,4-cyclohexylene di-p-n-butoxybenzoate)、4,4’−ジ(p−メトキシベンジリデンアミノ)ジベンジル(4,4’-di(p-methoxybenzylideneamino)dibenzyl)、p,p’−ジアセトキシスチルベン(p,p’-diacetoxystilbene)、1,2−ジ(p−メトキシフェニル)−アセチレン(1,2-di(p-methoxyphenyl)-acetylene)、p−(p−アセトキシアゾ)安息香酸(p-(p-acetoxyazo)benzoic acid)、1,4−ジ−(p−メトキシフェニル)−ブタジエン(1,4-di-(p-methoxyphenyl)-butadiene)、p−アニサル−p−アニシジン(p-anisal-p-anisidine)、p,p’−ジメトキシジベンザル−1,4−ナフタレンジアミン(p,p’-dimethoxydibenzal-1,4-naphthalenediamine)、p−n−ブチル安息香酸(p-n-butylbenzoic acid)、p,p’−ジ−n−ブチルジフェニルピリダジン(p,p’-di-n-butyldiph-enylpyridazine)、p−(p−シアノベンザル)アニシジン(p-(p-cyanobenzal)anisdine)、p−(p−メトキシベンゾキシ安息香酸(p-(p-methoxybenzoxy benzoic acid)、アニサル−p−アミノゾベンゼン(anisal-p-aminozobenzene)、1−(4’−アニサルアミノ)−4−フェニルアゾナフタレン(1-(4’-anisalamino)-4-phenylazonaphthalene)、N−(p−メトキシベンジリデン)−p−n−ブチルアニリン(N-(p-methoxybenzylidene)-p-n-butylaniline)、N−(p−n−オクチルオキシベンジリデン)−p−n−ブチルアニリン(N-(p-n-octyloxybenzylidene)-p-n-butylaniline)、p−アニシリデン−p−フェニルアゾアニリン(p-anisylidene-p-phenylazoaniline)、N,N’−ジベンジリデンベンジジン(N,N’-dibenzylidenebenzidine)、N,N’−ジ(p−n−ヘキシルオキシベンジリデン)ベンジジン(N,N’-di(p-n-hexyloxybenzylidene)benzidine)、p−ビス(ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ベンゼン(p-bis(heptyloxybenzoyloxy)benzene)、p−n−プロポキシ安息香酸(p-n-propoxybenzoic acid)、p−n−ブトキシ安息香酸(p-n-butoxybenzoic acid)、p−n−アミルオキシ安息香酸(p-n-amyloxybenzoic acid)、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸(p-n-hexyloxybenzoic acid)、p−n−ヘプチルオキシ安息香酸(p-n-heptyloxybenzoic acid)、p−n−オクチルオキシ安息香酸(p-n-octyloxybenzoic acid)、ブチル−p−(p−エトキシフェノキシカルボニル)フェニルカーボネート(butyl-p-(p-ethoxyphenoxycarbonyl)phenylcarbonate)、p−(p−エトキシ−フェニルアゾ)−フェニルヘプタノエート(p-(p-ethoxy-phenylazo)-phenylheptanoate)、4−[(p−ヘキシルオキシカルボニルオキシベンジリデン)アミノ]−1−ペンチルオキシベンゼン(4-[(p-hexyloxycarbonyloxybenzylidene)amino]-1-pentyloxybenzene)、N−p−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)ベンジリデン]−p−アニシジン(N-p-(pentyloxycarbonyloxy)benzylidene]-p-anisidine)、p−[(p−ブトキシフェニル)アゾ]フェニルブチルカーボネート(p-[(p-butoxyphenyl)azo]phenyl butyl carbonate)、p−(p−エトキシフェニルアゾ)フェニルヘキサノエート(p-(p-ethoxyphenylazo)phenyl hex-anoate)、p−(p−エトキシ−フェニルアゾ)フェニルバレレート(p-(p-ethoxy-phenylazo)phenyl valerate)、p−[(p−エトキシベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル(p-[(p-ethoxybenzylidene)amino]benzonitrile)、p−[(p−メトキシベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル(p-[(p-methoxybenzylidene)amono]benzonitrile)、エチルp−[(p−メトキシベンジリデン)アミノ]シンナメート(ethyl p-[(p-methoxybenzylidene)amino]cinnamate)、p−(p−エトキシフェニルアゾ)−フェニルクロトネート(p-(p-ethoxypheny-lazo)-phenyl crotonate)、p−[(p−メトキシベンジリデン)アミノ]−フェニルp−トルエート(p-[(p-methoxybenzylidene)amino]-phenyl p-toluate)、p−[(p−メトキシベンジリデン)アミノ]−フェニルベンゾエート(p-[(p-methoxybenzylidene)amino]-phenylbenzoate)、p−[(p−エトキシベンジリデン)アミノ]フェニルベンゾエート(p-[(p-ethoxybenzylidene)amino]phenylbenzoate)、N,N’−ジ(p−メトキシベンジリデン)−α,α’−ビトルイジン(N,N’-di(p-methoxybenzylidene)-α,α’-bitoluidine)、p−アニサルアジン(p-anisalazine)、4−アセトキシ−3−メトキシケイ皮酸(4-acetoxy-3-methoxycinnamic acid)、p−アセトキシケイ皮酸(p-acetoxycinnamic acid)、4’−[(p−ペンチルオキシカルボニルオキシベンジリデン)アミノバレロフェノールジエチルp,p’−アゾキシジシンナメート(4’-[(p-pentyloxycarbonyloxybenzylidene)aminovalerophenol diethyl p,p’-azoxydicinnammate)、4−ブトキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-butoxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−デシルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-decyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−ドデシルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-dodecyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−ヘプチルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-heptyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−ヘキシルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-hexyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−メトキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-methoxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−ノニルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-nonyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−オクチルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-octyloxybenzlidene-4’-aminoacetophenone)、4−ペンチルオキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-pentyloxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−プロポキシベンジリデン−4’−アミノアセトフェノン(4-propoxybenzylidene-4’-aminoacetophenone)、4−ブトキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-butoxybenzylidene-4’-aminopropiophenone)、4−ヘプチルオキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-heptyloxybenxylidene-4’-aminopropiophenone)、4−ヘキシルオキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-hexyloxybenzylidene-4’-aminopropiophenone)、4−メトキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-methoxybenzylidene-4’-aminopropiophenone)、4−ノニルオキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-nonyloxybenzylidene-4’-aminopropiophenone)、4−オクチルオキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-octyloxybenzylidene-4’-aminopropiophenone)、4−ペンチルオキシベンジリデン−4’−アミノプロピオフェノン(4-pentyloxybenzyidene-4’-aminopropiophenone)、4−プロポキシベンジリデン−4’アミノプロピオフェノン(4-propoxybenzylidene-4’aminopropiophenone)、ビス−(4−ブロモベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-bromobenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−クロロベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-chlorobenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−デシルオキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-decyloxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ドデシルオキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-dodecyloxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ヘキシルオキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-hexyloxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−メトキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-methoxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−ノニルオキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-nonyloxyben-zylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−オクチルオキシベンジリデン)−2
−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-octyloxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ペンチルオキシベンジリデン)−2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-pentyloxybenzylidene)-2-chloro-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−ブロモベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-bromobenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−クロロベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-chlorobenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−デシルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-decyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス(4−n−ドデシルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis(4-n-dodecyloxybenzlidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−フルオロベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-fluorobenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ヘプチルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-heptyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ヘキシルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-hexyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ノニルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-nonyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ヘキシルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-hexyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ノニルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-nonyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−オクチルオキシ−ベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-octyloxy-benzylidene)-1,4-phenylenediamine)、ビス−(4−n−ペンチルオキシベンジリデン)−1,4−フェニレンジアミン(bis-(4-n-pentyloxybenzylidene)-1,4-phenylenediamine)、テレフタル−ビス−(p−ブロモアニリン)(terephthal-bis-(p-bromoaniline))、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)(terephthal-bis-(p-chloroaniline))、テレフタル−ビス−(p−フルオロアニリン)(terephthal-bis-(p-fluoroaniline))、テレフタル−ビス−(p−ヨード−アニリン)(terephthal-bis-(p-iodo-aniline))およびそれらと同等なものである。
【0034】
本明細書に記載されているいくつかの実施態様に使用される複数のネマティック液晶材料は、次のものを含むことが可能であり、それらは、p−アゾキシアニソール(p-azoxyanisole)、p−アゾキシフェネトール(p-azoxyphenetole)、p−ブトキシ安息香酸(p-butoxybenzoic acid)、p−メトキシ−ケイ皮酸(p-methoxy-cinnamic acid)、ブチル−p−アニシリデン−p−アミノシンナメート(butyl-p-anisylidene-p-aminocinnamate)、アニシリデンp−アミノ−フェニルアセテート(anisylidene p-amino-phenylacetate)、p−エトキシ−ベンザル−アミノ−α−メチル−ケイ皮酸(p-ethoxy-benzal-amino-α-methyl-cinnamic acid)、1,4−ビス(p−エトキシベンジリデン)シクロヘキサノン(1,4-bis(p-ethoxybenzylidene)cyclohexanone)、4,4’−ジヘキシルオキシベンゼン(4,4’-dihexyloxybenzene)、4,4’−ジヘプチルオキシベンゼン)(4,4’-dihexyloxybenzene)、アニサル−p−アミノ−アゾ−ベンゼン(anisal-p-amino-azo-benzene)、アニサルダジン(anisaldazine)、α−ベンゼン−アゾ−(アニサル−α’−ナフチルアミン)(α-benzene-azo-(anisal-α’-naphthylamine))、n,n’−ノノキシベンゼントルイジン(n,n’-nonoxybenzetoluidine)、一般的な群のアニリン(aniline)(p−n−アルコキシベンジリデン−p−n−アルキルアニリン(p-n-alkoxybenzylidene-p-n-alkylanilines))、例えば、p−メトキシベンジリデンp’−n−ブチルアニリン(p-methoxybenzylidene p’-n-butylaniline)、p−n−ブトキシベンジリデン−p’−アミノフェニルアセテート(p-n-butoxybenzylidene-p’-aminophenylacetate)、p−n−オクトキシベンジリデン−p’−アミノフェニルアセテート(p-n-octoxybenzylidene-p’-aminophenylacetate)、p−n−ベンジリデンプロピオネート−p’−アミノフェニルメトキシド(p-n-benzylideneproprionate-p’-aminophenylmethoxide)、p−n−アニシリデン−p’−アミノフェニルブテレート(p-n-anixylidene-p’-aminophenylbuterate)、p−n−ブトキシベンジリデン−p’−アミノフェニルピートエート(p-n-butoxybenzylididene-p’-aminophenylpeatoate)およびそれらの混合物である。
【0035】
有用な複数の共役シアノ−有機組成物は、次のものを含んでおり、それらは、7,7’,8,8’−テトラシアノキノジメタン(7,7’,8,8’-tetracyanoquinodimethane)(TCNQ)、(2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレニリデン)−マロノ−ニトリル((2,4,7,-trinitro-9-fluorenylidene)-malono-nitrile)(TFM)、p−[N−(p’−メトキシベンジリデン)アミノ]−n−ブチル−ベンゼン(p-[N-(p’-methoxybenzylidene)amino]-n-butyl-benzene)(MBBA)、p−[N−(p’−エトキシベンジリデン)アミノ]−ブチルベンゼン(p-[N-(p’-ethoxybenzylidene)amino]-butylbenzene)(EBBA)、p−[N−(p’−メトキシベンジリデン)アミノ]フェニルブチレート(p-[N-(p’-methoxybenzylidene)amino]phenyl butyrate)、n−ブチル−p−(p’−エトキシフェノキシカルボニル)フェニルカーボネート(n-butyl-p-(p’-ethoxyphenoxycarbonyl)phenylcarbonate)、p−メトキシ−p’−n−ブチルアゾキシベンゼン(p-methoxy-p’-n-butylazoxybenzene)、p−エトキシ−p’−n’−ブチルアゾベンゼン(p-ethoxy-p’-n’-butylazobenzene)、p−[N−(p’−メトキシベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル(p-[N-(p’-methoxybenzylidene)amino]benzonitrile)(BBCA)、p−[N−(p’−メトキシベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル(p-[N-(p’-methoxybenzylidene)amino]benzonitrile)(BBCA)、p−[N−(p’−ヘキシルベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル(p-[N-(p’-hexylbenzylidene)amino]benzonitrile)(HBCA)、ペンチルフェニルメトキシベンゾエート(pentylphenylmethoxy benzoate)、ペンチルフェニルペンチルオキシベンゾエート(pentylphenylpentyloxy benzoate)、シアノフェニルペンチルベンゾエート(cyanophenylpentyl benzoate)、シアノフェニルヘプチルオキシベンゾエート(cyanophenylheptyloxy benzoate)、シアノフェニルオクチルオキシベンゾエート(cyanophenyloctyloxy benzoate)、およびシアノフェニルメトキシベンゾエート(cyanophenylmethoxy benzoate)である。
【0036】
原則として、以上説明した複数の液晶材料のいずれも、それら液晶材料が、それぞれ目標であるクリアリング・ポイント、凝固点、UV安定性および混和性を実現するために正確な配合比率で混合されることを条件に、当該液晶デバイスについてのいくつかの実施態様の成分として作用し得る。例えば、書籍「Liquid Crystal Dispersions」(Paul S. Drzaic著、World Scientific Publishing Co., Ltd.社発行、1995年、ISBN 981-02-1745-5)であって、それの全体が引用によって本明細書に合体させられるものは、ポリマ分散型液晶のための数百の製法(recipes)を含む業界の概要を述べている。いずれの場合にも、それら組成(formulas、配合)が、電気的に作動するデバイス(例えば、ビデオ・ディスプレイ)に使用されることを意図して説明されている。多くの場合、積層された複数の透明電極が特に注記される。さらに、液晶のクリアリング・ポイントが、一般的に、述べられていないし、それについての見解も存在せず、その理由は、電光変換型の液晶デバイスのクリアリング・ポイントは、それらデバイスについて予想される(expected、想定される)作動温度をはるかに超えていると一般的に仮定されているからである。サーモトロピック液晶および低クリアリング・ポイント型液晶は、述べられていないし、示唆されてもおらず、また、複数の液晶混合物が、それぞれの製品名で呼称される場合に、それら液晶混合物は、E7のような、市販されるいくつかの調合品(commercial preparations)であり、それら調合品は、サーモクロミックまたはサーモトロピックな建材が温度に応答して自身の状態を切り換えることが実用的に必要である実用スイッチング範囲(useful switching range、実用作動温度範囲)をかなり超えるクリアリング・ポイントを明確に規定している(ただし、前記書籍には記述されていない)。例えば、Merck社のE7という混合物は、約60℃(約140°F)のクリアリング・ポイントを有するが、サーモトロピックな建材(例えば、温度応答切換え型(thermally-switched)の「スマート(高性能)」窓フィルム)についての複数のクリアリング・ポイントの範囲は、10℃と40℃との間においてより典型的である可能性がある(ただし、0℃から60℃までの、より広い温度範囲から選択されるいくつかの温度も採用される可能性がある)。
【0037】
したがって、理解すべきことは、Drzaic氏によって説明されるとともに要約された組成(formulations)は、温度応答切換え型(thermally switched)(電気的に切り換えられる型式(electricaly switched)とは異なる)のポリマ分散型液晶光学デバイスを含んでいないということである。しかし、Drzaic氏によって説明されたいくつかの実施態様に対するサーモトロピックな等価物は、透過性を有する複数の導電層のような電気的要素(appartus、部品)を取り外すとともに、高クリアリング・ポイントを有する液晶であって特定されたものに代えて、化学的性質が類似する低クリアリング・ポイントを有する液晶を用いることによって構成することが可能である(例えば、E7に代えて、3CBと5CBと7CBとの混合物を用いる)。この種の調合品(preparations)は、作用および用途が、Drzaic氏によるかまたは先行技術において説明されるとともに引用されたいくつかの実施態様とは顕著に異なり、また、この種の調合品は、本明細書においては、明示的に説明されることも考慮されることもない。したがって、本明細書に開示されている技術についてのいくつかの実施態様は、Drzaic氏によって説明された複数の実施態様に対するサーモトロピックな等価物という形態を取ることも可能である。
【0038】
安定化ポリマは、重量または体積で表現すると、0.01%と99.9%との間にある濃度となるように、液晶内で混合される(実現したいデバイスおよび機能に依存する)か、または、前記液晶のある部分内に空間分散的に(spatially、空間的に広がって)混合される可能性があり、また、この安定化ポリマは、硬化可能なポリマ材、熱可塑性ポリマ材、熱硬化性ポリマ材または架橋結合可能なポリマ材によって構成される可能性がある。この種の材料のいくつかの例は、Sartomer社のSR295, SR339, CD2098, CN120, CN135またはCN153と、ビスフェノール−Aエポキシ・ジアクリレート(bisphenol-A epoxy diacrylate)と、Norland社の65, 68, 78および81という光学接着剤と、Devcon 社のPB(樹脂接着)という 接着剤のシリーズのうちのいずれかと、Loctite社の3942とを含むが、それらに限定されない。この安定化ポリマは、一端のみに官能基が結合された(functionalized at either end)複数の分子(例えば、Sartomer社のCD9038のようなジアクリレート)と、複数の官能化液晶分子(例えば、官能化6CBであって、Sigma Aldritch社により、カタログ番号588474として販売され、これは、CAS番号が117318-91-9であるC
23H
25NO
3としても知られている)とにより構成されるか、または、それらを含有することも可能である。さらに、前述の、優れた表面処理材を製作する材料であって、今回の用途に用いるものは、原則として、表面処理材として先に列挙された複数の材料のうちのいずれでも安定化ポリマとしても使用可能であるように、安定化ポリマとして作用することも可能である。例えば、Sartomer社のPRO12228というポリマが、表面処理材としても安定化ポリマとしても用いられる場合には、最終的な構造体の引き裂き強度が比較的高く、なぜなら、そのPRO12228というポリマは、自身に接着する力が、ほとんどの他のポリマに接着する力より大きいからである。安定化ポリマは、1以上の光重合開始剤(例えば、Irgacure社の1173)を、その光重合開始剤が、光についての特定のいくつかの波長に感応して高分子化するように、含有したり、熱重合開始剤(例えば、AIBN)を、その熱重合開始剤が熱に感応して高分子化するように含有することも可能である。
【0039】
硬化を引き起こす刺激は、UV硬化ランプの場合と同様に、当該デバイスの全面にわたって完全に一様にまたは不完全に一様に与えるか、または、あるパターンを成すように(例えば、フォトマスク、回折格子、干渉パターン、プログラムされた(programed、予め決められた)照射経路などを介して)与えることが可能である。さらに、その刺激は、安定化ポリマの相分離および/または硬化の速度を調節するために、時間と共に変化させる(例えば、ストローブ・ライト(strobe light)またはパルス幅変調コントローラを介して)ことが可能である。理解すべきことは、積層構造体(分布ブラッグ・リフレクタ(distributed Bragg reflectors)および他の干渉型フィルタを含む)および3次元構造体(フォトニック結晶、ホログラフィック格子、画像、パターンであって、分散効果(dispersion effects)を利用するように設計されたもの)は、今回の方法で(ポリマによって安定化させられて硬化させられた液晶を用いて)形成し得るとともに、今回の構造体(ポリマによって安定化させられて硬化させられた液晶を用いて製作された構造体)の一部である可能性があるということである。さらに、1以上の安定化ポリマは、液晶分子のためのアンカリング・ポイント(ahchoring points)、または色素分子のような他の成分もしくは物体のためのアンカリング・ポイントとして作用することが可能である。
【0040】
ポリマ・ネットワークを液晶内に形成すると、複数の屈折率不一致界面(refraction mismatch interfaces、屈折率が互いに異なる媒質同士が接触する境界面)であってヘイズ(haze)に寄与するものが発生する。したがって、前記ポリマおよび/または液晶を、前記ポリマの屈折率を、少なくとも1つの光学定数(optical indices)もしくは光軸に沿った方向における前記液晶の屈折率および/または前記サブストレート、表面処理材もしくは他の部品の屈折率に一致させるために選択することが望ましい。偏光された光(例えば、偏光を行うサブストレートを透過した光であるように)について、その偏光と相互作用を行う液晶の屈折率が、ポリマ安定化型液晶(polymer stabilization)、サブストレート、表面処理材などの屈折率とよりよく一致するように、液晶の向きを(そして、ひいては、ゲスト材料のような部品の向きも)決定するために、種々の部品(例えば、配向層、または、液晶の、ポリマによって誘起される配向)の特性を選択することが望ましい。液晶とポリマを、両者が相互に溶け合うように選択したり、そうではなく、両者が混和性を有しないように選択することも望ましい。複数本のポリマ・ストランド(延伸糸、連続的な束)の太さを制限する(それらポリマ・ストランドの太さが、光についてのある波長のオーダに近づくように)か、および/もしくは、それらポリマ・ストランドの向きを、局部的に、液晶のディレクタ(director、配向子)に平行であるかもしくはそれと交差するように決定するか、または、ポリマ安定化(polymer stabilization、ポリマによって安定化させられた液晶)を、より高い吸収率を有するように選択することにより、ヘイズを軽減することも可能である。
【0041】
複数のスペーサ・ビーズは、重量または体積で表現すると、0.01%と5.0%との間にある濃度となるように、液晶内で混合されることが可能であり、また、複数のスペーサ・ビーズは、ガラス、シリカ(silica)、官能化(例えば、メタクリル化(methacrylated))ガラス、または、ポリマ製の複数の球であってミクロン・オーダ(micro-scale、数ミクロン程度)のサイズを有するもの(例えば、3.5ミクロン以上の直径を有するもの)により構成されることが可能である。積水化学のミクロパール(Sekisui Micropearl)というスペーサおよびMerck社のLicristarというスペーサが、この用途のためにうまく作用することが知られている。しかし、それらスペーサ・ビーズのコストが高い主な理由は、形状が精密に球形を成すことと、寸法公差(size tolerance)が狭いことにある。サイズ分布(粒度分布、サイズのばらつき)および/または形状分布(形状のばらつき)が大きい複数のスペーサ・ビーズの組成を用いることも可能であり、この場合には、コストがかなり低減する可能性がある。ばらつきが大きい(random)複数のスペーサ・ビーズと、ばらつきが小さい(precise)複数のスペーサ・ビーズとの混合(例えば、50%の、ばらつきが大きい複数のスペーサ・ビーズと、50%の、Licristarという複数のスペーサ・ビーズ)を用いることも可能である。しかし、粒度分布(粒度のばらつき)が大きいほど、一般に、セル・ギャップも大きいことを示唆するため、いくつかの場合には、スペーサ・ビーズの節約額が、使用する液晶の量の増加によって減殺されてしまう可能性がある。
【0042】
複数のスペーサは、球形であることが不要であり、また、多くの場合、透過性を有することが不要であるが、実際には、サブストレート材の一部または表面処理材の一部である可能性があり、その理由は、数ミクロンのサイズを有する複数の球または他の複数の物体が、上述のいくつかの材料と混合されるという理由と、「複数の突部(bumps、隆起部)」が、上述のいくつかの材料の表面上に、複数のスペーサとして作用可能であるように形成される方法で、それら材料がエッチング加工され、エンボス加工(凹凸加工)され、しわ加工され(wricled)、または、化学的に自己組織化される(self-assembled)という理由とのうちのいずれかである。例えば、複数本の線または複数個のドットより成るグリッド・パターンであって、材料の表面に組み立てられるかまたはエンボス加工されたものは、複数のスペーサ・ビーズと同じ機能を果たし得る。別の例示的な実施態様においては、複数のスペーサ・ビーズが、ポリマ(例えば、Sartomer社のPRO12228)と混合されるとともに、前記サブストレートの表面上に表面処理材としてコーティングされる。
【0043】
上述したいくつかの理由により、それらスペーサ・ビーズの屈折率を、液晶、安定化ポリマまたは他の部品もしくは層の屈折率に一致させ、それにより、それらがヘイズに寄与する程度を低減することが望ましい可能性がある。
【0044】
図1は、Powerらによる米国特許出願第2010/0045924号を出典とし、非ポリマ安定化型サーモトロピック液晶をベースとした光学フィルタ100を示す概略図である。複数のサブストレート材101(例えば、複数の偏光フィルム)間のスペース(空間)が、液晶102と複数のスペーサ103との混合物によって充填されている。それらスペーサ103は、この設計態様においては、微小であり、球形であり、しかも、サイズに関するばらつきが小さく、よって、複数のサブストレート101の間に一様な(厚さが一定の)セル・ギャップが、液晶102の光学的特性が、場所によって不適切な方法で変動することがないように、実現される。
【0045】
図2は、サーモクロミック光学フィルタ・デバイス200を示す概略図であり、そのフィルタ・デバイス200は、ポリマ安定化型サーモトロピック液晶混合物であって前述のいくつかの実施態様に従うものを用いる。本実施形態においては、
図1に示すものと同様に、液晶混合物202が、複数のサブストレート材201(例えば、複数の偏光フィルム)間のスペースを充填する。しかし、先行技術とは対照的に、フィルタ・デバイス200は、1または複数のセル壁またはエッジ・ガスケットによって形成され、それらセル壁またはエッジ・ガスケットは、1または複数の液晶セルを形成する安定化ポリマ205または安定化ポリマ混合物205から形成される。この構成は、例えば、安定化ポリマ205を、複数のサブストレート201の間に、フィルタ・デバイス200の周囲に沿って射出するとともに、その射出された安定化ポリマ205を熱、UV放射線または他の適切な硬化法によって硬化させることにより、達成することが可能である。これに代えて、安定化ポリマ205を、表面処理材を組み込んで(combined with、組み合わせて)単一層を構成するとともに、安定化ポリマ205の材料がヒート・シール処理(熱融着)可能であり、かつ、ガスケットが、ヒート・シーラにより、フィルタ・デバイス200の周囲または他の位置であってフィルタ・デバイス200の内部の位置するかもしくはフィルタ・デバイス200の表面に対して垂直の位置に形成可能であるように、選択することが可能である。いずれの場合にも、安定化ポリマ205は、液晶混合物205がフィルタ・デバイス200から漏れてしまうことを防止する滞留障壁(retention barrier)を形成する。これに代えて、同一であるかまたは等価である模様(pattern, パターン)を、硬化させるか、凹凸加工(エンボス加工)するか、または他の方法でサブストレート201または表面処理材内に形成することが可能であり、これにより、同じ効果を奏する複数の壁が生成される。この場合、サブストレート201または表面処理材と、安定化ポリマ205とは、実際には、互いに同一の材料である。
【0046】
例示的な一実施態様においては、安定化ポリマ205を、フィルタ・デバイス200の組立時に、プレポリマとして、液晶混合物202の全体にわたって分散させることが可能である。フィルタ・デバイス200には、その後、UVまたは同様な放射線を、フォトマスクまたは他の周期的構造体であって光減衰能力を有するものを通過するように、照射することが可能であり、その照射は、前記プレポリマの相分離および硬化により、複数のセル壁または複数のエッジ・ガスケットであってフィルタ・デバイス200を複数の液晶セルに分割するものが形成されるように行われる。この構成配列には、フィルタ・デバイス200を、複数の小片(液晶セル)に(例えば、鋏または他の切断刃(ブレード))を用いて切断することが可能であるとともに、液晶混合物202が、前記複数の液晶セルのうち切断されていないもののそれぞれの内部に滞留させられるという利点がある。よって、フィルタ・デバイス200を、例えば、その使用する時点において、リサイズすることが可能である。さらに、液晶混合物202が適切に選択されれば、その粘性および表面張力が、サブストレート201の表面エネルギーまたは湿潤性との組合せにおいて、液晶混合物202が、前記複数の液晶セルのうち切断されたもの(cut cell)の内部にさえ滞留させられるものとなる。すなわち、加えられた力またはねじりのような機械的な力が、液晶混合物202を押し出すのに十分な大きさであるか、または、液晶混合物202を押し退ける空気の侵入を許容するのに十分な大きさであるといえども、液晶混合物202が、前記切断されたセルから漏れ出すのではなく、その切断されたセル内に滞留させられることは、エネルギー的に有利である。この場合、望ましいことは、別の安定化ポリマ205を、切断されたエッジに沿って塗布し、それを上述のいくつかの硬化法のいずれかによって硬化させ、それにより、切断されたエッジを再度封止し、それにより、切断されるかまたはリサイズされた1または2以上の液晶デバイスのうちのサーモトロピックもしくはサーモクロミックな領域を極大化することである。
【0047】
このようにしてエッジが安定化させられた(edge-stabilized、エッジから液晶が漏れることが阻止された)フィルタ・デバイス200についての例示的な一態様においては、上側サブストレートおよび下側サブストレートがそれぞれ、同じサイズで、複数の部分に切断される。アクリル系の表面処理材、例えば、イソプロパノール(isopropanol)中に溶媒和されたSartomer社のPRO12228が、2枚のフィルムに、Mayer社のロッドを用いて与えられ(applied to)、それにより、約1.4ミクロンの厚さになるまで乾燥させられることが可能であり、そして、この表面処理材は、水銀UV灯(mercury UV lamp)の下、合計UV−A照射量が26J/cm
2となるまで、硬化させられる。配向層が、各表面を、クロスで被覆されたラビング・バー(rub bar、ラビング処理用バー)、回転式バフ用シリンダ(rotary buffing cylinder)または同様な道具を用いてラビング処理することによって、各表面に与えられる(applied to)。液晶(LC)と複数のスペーサ・ビーズとの混合物が、前記2枚のフィルム間に注入され、ローラ、スキージ、フェルトで被覆されたパテナイフ(putty knife)または同等なものを用いて延ばし拡げられ、そして、余分な液晶が、前記2枚のフィルムの複数のエッジから、紙タオルまたはクリーンルーム用表面拭き取りクロス(cleanroom wipe)を用いて拭い捨てられる。当該フィルタ・デバイス200の4つのエッジのすべてが、その後、4分の1インチ幅のガスケットを用いて封止され、そのガスケットは、Devcon社の18305というフォトポリマ(感光性樹脂)を材料として製作され、先端部にニードルを有する空圧シリンジを用いて、当該フィルタ・デバイス200の周囲に沿って射出され、そして、10−15J/cm
2のUV−V照射量を用いて硬化させられる。当該フィルタ・デバイス200は、これで、リサイズを行うための準備が整ったことになる。
【0048】
当該フィルタ・デバイス200の1つのエッジが、紙用カッタ、回転式カッタ、レーザ式カッタ、ダイ・カッタ(die cutter)、ウォータ・ジェット、鋏一式または等価な方法もしくは道具を用いて切断することが可能である。液晶混合物202の粘性および表面張力により、当該フィルタ・デバイス200が過大な曲げを受けない限り、切断されたエッジ内に液晶混合物202が滞留させられる。当該フィルタ・デバイス200は、その後、ある表面(例えば、タッキー・シリコーン・マット(tacky silicone mat))に固着され、そして、前記断されたエッジが、再度封止され、さらに、Devcon社の18305(フォトポリマ)を用い、前述の方法と同じ方法により、再度硬化させられる。小さな「ポート(開口)」が1つの角部において開放されたままとされ、それは、圧力逃がしのためと、圧力が当該フィルタ・デバイス200に作用したときに中身が噴出する「ケチャップ包効果(ketchup packet effect)」を防止するためである。余分な液晶は、重力による助けを伴うこともあるが、上述の道具を用いて前記「ポート」から押し出され、その後、前記ポートは、前述のように、18305(フォトポリマ)を用いて「閉栓」されて硬化させられる。当該フィルタ・デバイス200は、その後、Cytec社のGMS-AX4000のようなUV遮断型感圧性接着剤を用いてガラスに積層され、このときのニップ・ローラの最大圧力は70psiであり、それにより、液晶内に、真空バブルが形成されることも、圧力による損傷部(pressure bruises、圧痕、打痕、圧力による凹み)(前記複数のスペーサ・ビーズを除く領域)が形成されることも防止される。この積層工程のための典型的な複数の条件は、100°Fのローラ温度と、1分当たり2フィートというローラ速度とを含むが、他の条件も作用することが知られている。
【0049】
別の例示的な実施態様においては、複数のサブストレート201が、LG Chem社の接着剤で裏打ちされたポラライザであり、また、前記複数の表面処理材は、厚さが25ミクロンで透明なAPETフィルムであり、そのAPETフィルムは、すでに、前記接着層に積層されているとともに、配向層を生成するためにバフ用シリンダを用いてラビング処理されている。この実施態様においては、その表面処理材は、安定化ポリマとしても作用する。表面処理された2つのサブストレート201,201間のスペースは、液晶と複数のスペーサ・ビーズとの混合物によって充填されており、また、当該フィルタ・デバイス200の複数のエッジは、定温シーラにより、212℃で、12秒間、ヒート・シール処理(熱融着)される。当該フィルタ・デバイス200は、その後、いつでも、当該フィルタ・デバイス200を横切る新しいシーム(継ぎ目)をヒート・シール処理し、その後、そのシームに沿って切断することにより、簡単な作業でリサイズすることが可能である。
【0050】
1つまたは2つのエッジの切断および再封止を行うことにより、もとのフィルタ・デバイス200より小さいサイズを有する長方形状のフィルタ・デバイスにリサイズすることが可能であり、また、このようにして複数のエッジを切断するか、または、異なる複数の角度で切断するかもしくは直線ではない複数の線を描くように切断することにより、いかなる形状のフィルタ・デバイスも新たに製作することが可能である。いくつかの液晶混合物202は、このプロセスを、当該フィルタ・デバイス200の全体に安定化ポリマを分散させることを必要とすることなく達成するのに十分な粘性および表面張力を有する可能性がある。しかし、より一般的な場合には、安定化ポリマは、液晶混合物202の粘性および表面張力を増加させるために使用される可能性がある。
【0051】
液晶混合物202は、さらに、複数のスペーサ・ビーズ(図示しない)を含んでもよく、また、少なくとも1つの別の安定化ポリマ205をさらに含んでもよい。一方、複数のサブストレート材201は、透過性または半透過性を有する少なくとも1つの表面処理材(図示しない)を含んでもよく、その少なくとも1つの表面処理材は、接着および/または湿潤化を促進するという目的と、液晶配向層を生成するという目的と、液晶混合物202と安定化ポリマ205と複数のサブストレート材201との間での不必要な物理的反応および化学的反応を防止するという目的とのうちの少なくとも1つを達成するために、前記複数のサブストレート材201に与えられる。Sartomer社のPRO12228は、この用途において良好に作用するが、それに代えてかまたはそれに加えて、多数の他の材料を使用することが可能である。
【0052】
図3は、相分離型の液晶ポリマ構造体300を概略的に示す平面図であり、この構造体300においては、液晶混合物302が、ポリマ・マトリクス305内において複数の小滴(droplets、液晶滴下)または複数の空洞(voids)を形成している(として存在する)か、またはこれに代えて、安定化ポリマ305が、複数の壁構造体または複数のガスケット構造体を形成しており、それら壁構造体またはガスケット構造体は、液晶混合物302と相互侵入を行い(interpenerate、液晶混合物302内に複数の壁やガスケットを形成してそれら壁やガスケット内に液晶混合物302を捕捉する )とともに、1以上のサブストレートまたは1以上の表面処理材(図示しない)に取り付けられるかまたは接着されている。液晶混合物302と安定化ポリマ305との相分離が最も容易に達成される可能性がある場合があり、その場合とは、液晶混合物302の複数の分子が有極性(polar、極性分子)であるが、安定化ポリマ305の複数の分子が無極性(non-polar、非極性分子)である場合、または、それとは逆に、液晶混合物302の複数の分子が無極性であるが、安定化ポリマ305の複数の分子が有極性である場合である。しかし、そのような場合に該当することの必要性は高くなく、本実施態様についての多くの例は、有極性−有極性の組合せまたは無極性−無極性の組合せを効果的に採用する可能性がある。
【0053】
例えば、例示的な一実施態様においては、液晶混合物302が、奇数番号が付与された複数のシアノビフェニル(cyanobiphenyls)(例えば、3CB,5CBおよび7CB)の混合物であり、また、安定化ポリマ305が、92.2% のSartomer 社のCD9038という架橋剤(cross-linker)と、4.9%のSartomer社のSR339という可塑化モノマ(plasiticizing monomer)と、2.4%のH-Nu 470Xという可視光重合開始剤(visible light photoinitiator)と、0.5%のSartomer社のCN153というエポキシ化合物(epoxide)との混合物(ポリマ混合物305)であり、そのポリマ混合物305は、液晶混合物302内に15重量%で混じり合う(dissolved into、溶け込む)。Licristarというブランドの複数のスペーサ・ビーズであって各々が10mmのサイズを有するものが、全体混合物(液晶混合物302とポリマ混合物305)に対して0.35重量%という比率で添加される。前述の、ポラライザとしても作用するサブストレート(TAC(トリアセチルセルロース))は、25重量%のSartomer社のPRO12228であってIPA(イソプロピルアルコール)を溶媒とする(solvated in IPA)もの(オーバコート材)によってオーバコートされ、その後、中心波長が420nmである水銀ランプのもとに8分間、硬化させられる。このサブストレートは、その後、IPAを用いて前処理(pre-treated)され、その後、このサブストレートのロール方向(roll direction)に円筒状綿バッファを用いることによって配向層が形成される。ポリマ混合物305の前記オーバコート材への接着を促進する(接着性を高める)ために、コロナ処理(corona treatment)ステップを、配向後(after alignment、配向層の形成後)のステップとして追加することも可能である。そのポリマ混合物305は、その後、配向された2枚のサブストレート間に充填され、それらサブストレートは、既に、40℃に加熱されている。余分なポリマ混合物を除去するために圧力が与えられ、また、セル・ギャップが、スペーサ・ビーズのサイズによって維持されるとともに規定される。このポリマ混合物305は、その後、液晶混合物305から相分離され、その後、中心波長が420nmである水銀ランプのもとに30分間、硬化させられる。
【0054】
図3に示す構造体300は、複数の液晶バブルが複数の閉塞ポリマ・セル(closed polymer cell)によってカプセル化されたものである。しかし、硬化に先立ち、この構造体300は、時間の経過につれて、前記複数の液晶バブルが合体して成長するとともに、複数のポリマ壁が合体して収縮するように、進行することが可能であり、その進行は、この構造体300が、(カプセル化されていない)液晶との相互侵入を行う開放セル型ネットワークとなるまで行うことが可能である。さらに、その後、前記複数のポリマ壁は、孤立した複数の「ペイズリ」模様の構造体("paisley" structures)を形成し、やがて、孤立した複数本の円形支柱(circular posts)であって、上側サブストレートと下側サブストレートとをリンクさせるが互いに結合しないものを形成することが可能である。その後の時間経過が原因となり、最終的に、それら支柱(pillars)が、「スランプ(slump、自重によって下向きに潰れつつ外向きに広がる)」して、下側サブストレート上の層もしくはコーティングすなわち表面処理材を形成するようにさせられる。しかし、硬化を引き起こす刺激は、その進行過程中のいかなる時点でも発生して作用してもよく、それにより、このプロセスを停止させるとともに、それらポリマ液晶構造体を、持続可能なものとする。上述のいくつかの構造体は、いずれも、上述のプロセスによって形成することが可能である。
【0055】
別の例示的な実施態様においては、前記相分離が、勾配強度硬化(curing energy gradients)によって達成される。複数の混合物と硬化手順との組合せは、上述の例と同じものが用いられるが、それら混合物および硬化手順は、その例とは異なり、フォトマスク(例えば、ガラスまたはポリマ・フィルム上に印刷された微小なグリッド・パターン)が、サンプル品(構造体300)の上面上に一時的に積層されるとともに、フラッシュ冷却(flash cooling)工程が省略される。硬化が、前記液晶のアイソトロピック状態において、50℃で行われる。この場合、ポリマ混合物305によって形成される複数のセル壁は、不規則的に自己組織化するのではなく、前記フォトマスク(例えば、規則正しく配置形成された複数本の線より成るグリッド)上のパターンに従って形成される。
【0056】
さらに別の例示的な実施態様においては、安定化ポリマが、ラビング処理されるとともにPRO12228という材料でコーティングされている偏光フィルム上に印刷され、その印刷により、複数の壁、複数のペイズリ模様(paisleys)、複数の支柱などのパターンが形成され、その印刷は、インクジェット印刷法、アニロックス法(anilox)、シルク・スクリーン印刷法、または他の標準的な印刷方法によって行われる。その安定化ポリマは、接着力を高めることおよび/または前記パターンのランニング(running、連続)もスランピング(slumping、自重によって下向きに潰れつつ外向きに広がる)も阻止することを目的として、部分的な硬化が行われるかまたは行われない。前記液晶混合物302は、その後、このポリマ構造体300の上面上にコーティングされ、また、第2のポラライザが前記上面に積層される。この全体構造体は、その後、前述の方法と同じ方法で硬化させられる。
【0057】
さらに別の例示的な実施態様においては、安定化ポリマが、一様な層を成すように、前記下側サブストレート上にコーティングされ、また、その層は、その後、部分的な硬化を行うための照射線量であってフォトマスクを通過するものを照射され、また、前記安定化ポリマのうち未硬化の部分が、溶媒を用いて、半導体フォトリソグラフィ技術において用いられるプロセスに相当する方法で、剥がされる。その後、液晶が装着され、全体構造体が前述のようにして硬化させられる。これに代えて、安定化ポリマは、硬化を必要としない感圧型接着剤(PSA)とすることが可能である。この場合、この安定化ポリマは、前述のように、サブストレート(下側サブストレート)上にパターニング(凹凸加工)されるが、そのパターニングは、部分的な硬化も事前硬化(pre-cure)も行われないで行われ、その後、印刷されたPSAパターンが、液晶でコーティングされ、また、上側サブストレートは、最終的な硬化が行われることなく、当該ポリマ構造体300の上面を覆うように、積層される。
【0058】
しかし、例示にすぎない複数の製法(recipes)が存在し、それらに代わるかまたはそれらに加えて、多数の他の部品および多数の他の工程を、同じかまたは似ている効果、すなわち、液晶を収容するという目的とサブストレートおよび/または表面処理材に接着するという目的のために、複数のポリマ壁を形成するということを達成するために用いることが可能である。
【0059】
複数のポリマ成分または複数のプレポリマ成分を液晶から相分離すると、その液晶の周囲に複数のセルまたは複数のガスケットが形成され得る。それら「壁」またはガスケットの厚さ、およびそれら要素の間の平均距離は、液晶成分の適切な選択結果(粘性、ポリマ混合物内の可溶性、分子重量、極性などのような複数の性質を含む)、複数のポリマ成分または複数のプレポリマ成分の適切な選択結果(粘性、液晶混合物内の可溶性、分子重量、極性などのような複数の性質を含む)、時間および温度のプロファイル(時刻歴)、複数のスペーサの濃度(concentrations、密度)、液晶セル・ギャップ、硬化プロファイル(例えば、UV硬化可能なシステムにおけるUV照射量プロファイル)などのそれぞれの適切な選択結果によって制御することが可能である。類推によれば、複数のセルまたは複数のガスケットの一態様(one version)は、「縮重(degenerate、変性)」PDLC状構造体として観察される可能性があり、その構造体においては、ポリマの「シャボン玉(soap bubbles)」の破裂が、「複数のバブル」の単独層であって、上面も下面もなく、セル壁またはガスケットを形成する側面のみを有するもののみが存在するまで、行われている。この可能性は、例示的な説明のみを目的として説明されており、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。硬化に先立ち、液晶のクリアリング・ポイントは、その液晶内に溶解するプレポリマによって影響を受ける可能性があり、そのプレポリマは、目標の相分離およびポリマ構造を実現するのに必要な製造工程に影響を及ぼす可能性がある。
【0060】
相分離した構造体300であって
図3に示すものは、本明細書においては、例示的な説明のみを目的として説明されている。相分離は、安定化ポリマが自身の機能を発揮するために必要であるというわけではない。
【0061】
図4は、ポリマ安定化型で、サーモトロピック型である液晶混合物402を組み込んだサーモクロミック型の光学フィルタ400を示す概略図である。これまでの実施形態と同様に、液晶混合物402は、2枚のサブストレート材401(例えば、2枚の偏光フィルム)の間に介在し、また、安定化ポリマ405が、液晶混合物402内で硬化させられるが、安定化ポリマ405の相分離は不可欠ではない。むしろ、安定化ポリマ405は、液晶混合物402に対して、一層小さいスケール(例えば、分子レベル)で相互分散し、それにより、安定化ポリマ405が、糸状(thready)またはスポンジ状のネットワーク(網目)であって、非常に小さいために通常の光学顕微鏡では分解できない複数の特徴部を有するものを形成する。液晶混合物402は、複数の液晶成分の混合物とすることが可能であり、それら液晶成分は、クリアリング・ポイントと、凝固点と、UV安定性と、混和性(miscibility)のそれぞれの目標値を、目標の方法で複数の分子を配向させるとともに相転移を行わせる原因となる化学的/機械的性質と共に有するように選択される。複数のスペーサ・ビーズは、他の要素が明瞭であるようにするため、図面上に図示されていないが、
図1のように、前記混合物(液晶102)内に存在することが可能である。
【0062】
図4に示す実施態様においては、透過性を有する表面処理材404が、ポリマ安定化型で、サーモクロミック型である液晶デバイス400(光学フィルタ)のうちの2枚のサブストレート材401(サブストレート・フィルム)に、標準的なコーティング法で塗布されており、また、ポリマ・ネットワーク(ポリマ網目)405が、液晶(液晶混合物)402内に形成される。この種のいくつかの方法は、一般に、プレポリマを液晶402に、あるパーセント(例えば、5重量%)まで混合する工程と、その後、刺激を与える工程とを有しており、その刺激は、前記プレポリマと液晶402との相分離(ある程度)を誘起することと、前記プレポリマを硬化させてポリマにすることとの双方を行う。要求される実際の刺激は、使用されているプレポリマに依存し、同様に、存在するかもしれないドーパント、触媒または重合開始剤にも依存し、また、前記サブストレート401または液晶材料(液晶混合物402)内に存在するかもしれない阻害特性(inhibitory properties)にも依存する。例えば、多くの偏光フィルムは、UV光に対する高い減衰性(例えば、99%より高い減衰率)を有し、その程度は、ポリマをUVで硬化させることが実用的ではなくなるほどである。しかし、可視光重合開始剤を添加すると、通常のUV硬化材料を可視光(例えば、420nmの波長を有する紫色の光)で硬化させることが可能となり、その可視光は、典型的なポラライザを通過する時に約60%の強度しか損失しない。レーザおよびLEDの光源は、偏光された光を生成し、その偏光された光のうちのかなり多い部分(a signficantly higher percentage、50%よりかなり多い部分)は、前記光源と前記ポラライザとのそれぞれの光軸が正しく位置合わせされると、前記ポラライザを通過することが可能である。さらに、レーザおよびLEDの光源は、狭い波長域を有する光を生成し、その生成される光は、入射光エネルギーのうちの多い部分(a high percentage、50%以上の部分)が透過して前記ポリマ混合物の高分子化を起こすように、1以上の光重合開始剤に適合させられる(または、逆に、前記光重合開始剤が、前記生成される光に適合させられる)。このことは、硬化工程中、サンプル品(液晶デバイス400)の不要な加熱量を最小化するように作用する。
【0063】
前記表面処理材404は、液晶402の存在下に、2枚のサブストレート401と安定化型ポリマ・ネットワーク405との間の接着を実現する。安定化ポリマ・ネットワーク405は、液晶セル・ギャップを横切る方向の接着を実現するとともに、当該デバイス400が、液体が介在する2枚のサブストレートとしてではなく、1枚の物体として振る舞うことを可能とする。いくつかの場合には、安定化ポリマ・ネットワーク405が、液晶混合物402のための滞留(retention)を実現することも行う。
【0064】
例示的な一実施態様においては、液晶混合物402が、51%の5CBと、45%の7CBと、4%のB2とにより構成され、また、約46℃のクリアリング・ポイントを有する。複数枚のサブストレート401,401は、LG Chem社製の偏光フィルムであり、また、複数の表面処理材404,404は、Sartomer社のPRO12228より成る1.4ミクロンのコーティングであり、そのコーティングは、前述の方法によって調製されるとともに、複数の配向層を生成するために、フェルトでコーティングされたラビング・バー(rub bar、ラビング棒、擦り棒)を用いてラビング処理される。ポリマ混合物405は、98%のビスフェノール−A エポキシ・ジアクリレート(bisphenol-A epoxy diacrylate)と、2%のH-Nu 470Xという可視光重合開始剤とにより構成される。ポリマ混合物405は、液晶混合物402内に、5重量%で溶解し、また、それら混合物の全体は、420nmのピーク波長を有する水銀灯の下を30分間通過させられる間、硬化させられる。
【0065】
理解すべきことは、液晶402は、広範囲の種々のポリマおよび接着剤と相互作用を行うことが可能であり、その相互作用を行う方法は、それらポリマおよび接着剤を溶媒和させる(solvate)かまたは化学的に攻撃する方法であるか、高分子化または接着のメカニズムを妨害する方法であるかを問わず、また、その相互作用は、室温で行われるか、例えば、窓フィルムのような建材の用途に存在する暑さ、寒さおよびUV強さの極限値で行われるということである。したがって、透過性を有する表面処理材404および安定化ポリマ・ネットワーク405は、上述のいくつかの条件に対する耐性を有することが知られている複数の材料の中から選択することが可能である。この種の材料は、複数のアクリレートの広いファミリーを含み、それらアクリレートは、エチル・シアノアクリレート(ethyl cyanoacrylates)、メチル・シアノレート(methyl cyanoacrylates)、チオール・エン(thiol-ene)接着剤、ジアクリレート(diacrylates)、トリアクリレート(triacrylates)、メタアクリレート(metacrylates)、ウレタン・アクリレート(urethane acrylates)およびアクリル化エポキシ(acrylated epoxies)を含むが、これらに限定されない。本明細書において記載されている意味において作用することが知られている複数の具体的な市販調製物(いくつかのシアノビフェニル液晶化学組成(cyanobiphenyl LC chemistries)と、他のいくつかの液晶とを伴う)は、Sartomer社のSR295、CN135、CN153、SR339、SR340、SR368、CD9038、CN9008、CN991、CN999およびCN120と、ビスフェノール−A エポキシ・ジアクリレート(bisphenol-A epoxy diacrylate)と、Norland社の65、68および81という光学接着剤と、Devcon社のPB3500と、Loctite社の3942と、Bekaert Specialty Films社のHardcoat-RBとを含んでいる。前記安定化ポリマは、さらに、モノマ(monomers)、オリゴマ(oligomers)、架橋剤(cross-linkers)、デュアル・エンディド官能分子(dual-ended functional molecules) (例えば、ジアクリレート(diacrylates))、マルチ・・エンディド官能分子(multi-ended functional molecules) (例えば、トリアクリレート(triacrylates))、または側鎖官能化型液晶分子(side-chain-functionalized liquid crystal molecules) (例えば、Sigma Aldritch社のカタログ番号588474であって、CAS番号が117318-91-9であるC
23H
25NO
3としても知られているもの)により構成することが可能である。しかし、理解すべきことは、種々の他の材料であって、液晶混合物内で行われる相分離、硬化、接着、滞留(retention)などのものと同じ機能を実現するものを用いることが可能であるということである。
【0066】
湿潤性が得られるように表面処理材を選択することも有益である可能性があり、そのような選択は、すなわち、その表面処理材の表面エネルギーが液晶の表面張力を超え、それにより、前記表面処理材の表面が液晶によって湿潤化されることが可能となるとともに、表面(表面処理材またはサブストレート)に対して平行な構成態様(すなわち、低いプレチルト角)となるように複数の液晶分子を簡単に配向することが可能となるように行われ、前記構成態様は、ネマティック型デバイスまたはねじれネマティック型デバイスに有用である。これに代えて、低表面エネルギーで非湿潤性の表面を用いると、複数の液晶分子を垂直(前記表面に対して直角であり、高いプレチルト角を有する)配向を有するように配向させる傾向があり、その垂直配向は、ゲスト・ホスト型デバイスを非排他的に含む他の形式の液晶デバイスに有用である。
【0067】
本明細書に開示されているいくつかの実施態様につき、いくつかの特定の要素を省略したり互いに結合したりして、多数の変形例を採用することも可能である。例えば、液晶は、コーティングおよび硬化により、スペーサ・ビーズを必要とすることなく、その厚さを特定の目標厚さまで増加させることが可能である。したがって、スペーサを用いない組成(formulations、調製された物)は、本技術にとっての代替的な実施態様である。これに代わるかまたはこれに追加されることであるが、適切なサブストレートが選択されると、ポリマ安定化型サーモクロミック液晶デバイスの一実施態様を、透過性または半透過性を有する表面処理材を用いることなく(すなわち、表面処理材およびサブストレートが、実際、単一の物体に結合された場合)、調製することが可能である。ポリマ安定化液晶をある表面上にコーティングしてその液晶を硬化させ、その後、ポリマ安定化液晶構造体がいかなるサブストレートからも独立して存在するように、「その硬化した液晶を剥がす」ことを行うことも可能である。よって、例示的な調製物は、液晶と安定化ポリマのみから成り、他のものを用いない。
【0068】
さらに、ポリマ安定化型サーモクロミック液晶デバイスの複数の部品は、本明細書に開示されているものとは異なる材料から調製したり、それとは異なる形態で調製することが可能であり、ただし、それら材料および形態は、等価な物理的または化学的機能を果たすことが必要である。例えば、スペーサ・ビーズは、ロッド、ワイヤ、ファイバまたは他の物体であって適当な寸法を有するもので置換することが可能である。これに代えて、安定化ポリマおよび/または表面処理材として引用されているポリマおよび接着剤は、他のいくつかの材料であって、無機の酸化物および窒化物を含むもので置換することが可能であり、ただし、それら材料は、等価な物理的または化学的機能を果たすことが必要である。安定化マトリクスは、無機(炭素系)ポリマではなく、シリコーン(silicones)から製作することが可能であり、または、シリカ・エアロゲル(silica aerogel)のような無機エアロゲルを非排他的に含む非ポリマ材から、液晶の存在下にその材料を成形したり、液晶をこの種のマトリクスに吸収させることにより、製作することさえ可能である。安定化ネットワークまたは安定化マトリクスを、単一の液晶または他の液体を用いて、成形することも可能であり、その単一の液晶または他の液体は、その後、除去されて、別の液晶で置換される。いくつかの場合には、液晶内において50重量%または50容積%より多い安定化ポリマを有することは、実用的であると同時に望ましいことである。
【0069】
よって、自明であることは、ポリマ安定化型で、サーモトロピックで、低クリアリング・ポイント型である液晶デバイスであって、温度応答型光学フィルタとしての用途に適しているものは、種々の異なる化学組成物であって機能的には等価であるものを包含するということである。
【0070】
さらに、「液晶」という用語がこの書類の全体にわたって用いられるが、理解すべきことは、固体の性質と液体の性質とを明確に規定する材料であって、しかし、必ずしも、アイソトロピック状態と固体状態との中間的な「液晶」状態(例えば、結晶性または非結晶性(アモルファス)の状態)を有するとは限らないものに、液晶に適用される複数の光学的原理と同じもののうちの多くが適用されるかもしれないということである。よって、低融点型ポリマまたは類似の材料は、いくつかの場合に、液晶に代わることが可能である。同様に、「ポリマ」という用語がこの書類の全体にわたって用いられるが、理解すべきことは、ポリマにおいて認識される複数の安定化性質と同じもののうちの多くが他の材料においても認識され、それら他の材料は、ポリマに代わり得るということである。
【0071】
最後に、任意に選択可能な多数の部品を、当該フィルタ・デバイスの耐久性または利用し易さを向上させるために追加することが可能である。例えば、部分的な鏡面および反射面を形成する膜(partially mirrored coatings)、反射防止膜、ブラッグ型(Bragg)リフレクタ、リターダ、バンドパス(帯域透過)・フィルタおよびバンドブロック(帯域遮断)・フィルタ、ハイパス(highpass)・フィルタおよびローパス(lowpass)・フィルタ、UVブロッカ(blocker)、ならびに低放射膜(low-emissivity coatings)のような光学部品を、当該フィルタ・デバイス自体にか、または、当該フィルタ・デバイスを組み込んだ窓構造体または他の光学スタック(optical stack)の一部として、採用することが可能である。
【0072】
上述の説明、いくつかの例およびデータは、本明細書に開示されている技術についての例示的ないくつかの実施形態の構成および用法についての説明を提供する。以上、種々の実施形態を、ある程度の具体性を有するか、または、少なくとも1つの個別の実施形態を参照しながら、説明してきたが、当業者であれば、本発明の主旨からも範囲からも逸脱することなく、前述の開示された実施形態に対して多くの変更を加えることが可能である。したがって、他の実施形態を対象とすることが可能である。
【0073】
方向についてのすべての言及、例えば、近位、遠位、上側、下側、内側、外側、上方向、下方向、左方向、右方向、横方向、前側、後側、上端、下端、上方に、下方に、垂直、水平、時計方向および反時計方向は、読者が本発明を理解することを助けるために、区別という目的においてのみ使用され、本発明を、特に、位置、向きまたは使用法に関して本発明を限定することはない。接続に関する言及、例えば、装着、連結、接続および接合は、広く解釈すべきであり、特記されない限り、集まった複数の要素間に介在する中間部材、および複数の要素間の相対運動を含むことが可能である。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接的に接続されるとともに互いに一体的であることを必ずしも意味しない。光の透過、吸収および反射について述べられた比率または部分(percentages)は、例示的なものとしてのみ解釈すべきであって、何かを限定しようとするものであると解釈すべきではない。細部または構造における変更を、後続する特許請求の範囲において定義される本発明の基本的な要素から逸脱することなく、行うことが可能である。